提督「新婚北上さんの嫉妬」 (20)


北上「ん、お帰りー」


北上「もーやっと帰って来たよ~」


北上「え、飲み会で遅くなるから、先に寝てて良かったのにって?」


北上「いやぁ、何か寝付けなくてさぁ……あはは」


北上「というかいつもより遅いよー、どんだけ飲んでんのさー」


北上「……いつもとそんな変わらない?」


北上「いやいや、遅いよぅ」


北上「………」


北上「……遅いったら遅いよ」


北上「……うん、遅い」

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北上「……」


北上「……楽しかった?」


北上「………」


北上「楽しいのは……いい事だよね……」


北上「そっか……楽しかったんだ……」


北上「………」


北上「え? ど、どうもしないよぅ。そ、そうだ……夜ご飯の残り、ラップしてあるから!」


北上「あ、明日食べれば……いいよ……うん」


北上「………」

北上「…………」


北上「……べ、別に不機嫌じゃないよぅ」


北上「………」


北上「…………」


北上「……そりゃあ。一緒に夜ご飯食べれなかっのは………寂しかった………けどさ…………」


北上「そんなんで………不機嫌なんかに………ならないよ」

北上「…………」


北上「…………」


北上「き、今日の飲み会………女の子も、沢山いたんだよね…」


北上「…………」


北上「………」


北上「い、いやーなんかさ。………ほ、ほら、提督は……モテるじゃん?」

北上「い、いや。もてるよぅ……うん」


北上「………」


北上「だから………その………」


北上「………」


北上「……不安になっちゃってさ……」


北上「えへへ……あたしとした事が柄にでもないよねぇ」

北上「やっぱまだ妻としての心構えがあたしには足りないというか……」


北上「べ、別に提督の事。信じてないわけじゃないよぅ」


北上「………」


北上「で、でも……何だか不安になっちゃってさ……」


北上「あはは……何だか変なんだあたし……」

北上「………」


北上「……うん、やきもちだねぇ」


北上「提督が……飲み会で他の女の子と仲良くしてるかもって考えたら……もやもやしちゃうんだ」


北上「…………ごめんね。めんどくさい奴で」


北上「でもさ………やっぱり好きだからさ……提督の事」


北上「こんなくだらないことで涙を流せるくらいにはね」

北上「あ、いや………。……うん。1人で泣いてた」


北上「……なんか色々想像しちゃってさ」


北上「………」


北上「あはは……天下無敵の北上さまが情けないねぇ……」

北上「い、いや。いいよ。別に提督は悪くないし……これはあたしのワガママだしさ」


北上「……うん、何だかすっきりした。ごめんね……変な事言って」


北上「……え? も、もう泣かないよ」


北上「来週も飲み会あるかもしれない? べ、別に大丈夫だよぅ。もう平気だって!」


北上「………」


北上「………」


北上「……あー、じゃあさ……」


北上「おまじない…してくれたら安心するかも……よ?」

北上「おまじないって何って?」


北上「お、おまじないはおまじないだよぅ」


北上「……」


北上「……本当に分からないの?」


北上「提督は……鈍感だよね…」


北上「……えい」チュッ


北上「………えへへ」


北上「これで、大丈夫だねぇ」

北上「……ずっと一緒に戦ってきたからさ……」


北上「こうやってあたしが退役して家にいるようになると………提督がいない時間が増えるじゃん」


北上「……それが、何だか慣れなくてさ」


北上「…………」


北上「うん、実は初めてじゃないんだ」


北上「この前も、その前も、そのまた前も……泣いちゃった……あはは」

北上「…………」


北上「男はさ、結婚して強くなるっていうけどさ……女は逆だねぇ」


北上「……好き過ぎて、こんなに弱くなっちゃったよぅ」


北上「……だから、これからもよろしくね」


北上「……あなた」チュッ


ーー完ーー

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