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( `・ω・) また会ったな!ようこそ、ID腹筋スレへ!
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しー-J
ここはsageずに書き込み、出たIDの数字の回数だけ腹筋をするという、
硬派なトレーニングスレです。
例1 ID:wwh7KM12 の場合 712 なので712回頑張りましょう。
例2 ID:bicycle. の場合 数字がないですが今日は厳しくオナニー10回。
さあ、存分に腹筋するがよい。↓
兄「この歳で、かあ……」
妹「年も明けて、あたし今年で小学校最後じゃん?」
兄「うん」
妹「それなのにまだ処女とか、もうありえないくらい恥ずかしくってさー。顔隠さないと外歩けないくらいで……」
兄「……あのさ」
妹「はい?」
兄「……『その3』?」
妹「終わりがないのが終わり。それがイモート・エクスペリエンス・レクイエム」ドヤアッ
兄「ブン殴りてえ」
兄「……ていうかさ」
妹「んー?」
兄「……何?『その2』って」
妹「……今までは前戯だったって事、かな?」
兄「人生嫌になってくるぜ」
コピペしてネタ変えたらミスりました。
>>15は無視して下さい……
兄「この歳で、かあ……」
妹「年も明けて、あたし今年で小学校最後じゃん?」
兄「うん」
妹「それなのにまだ処女とか、もうありえないくらい恥ずかしくってさー。顔隠さないと外歩けないくらいで……」
兄「……あのさ」
妹「はい?」
兄「……『その3』?」
妹「終わりがないのが終わり。それがイモート・エクスペリエンス・レクイエム」ドヤアッ
兄「ブン殴りてえ」
幸先悪いなチクショー
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1394500038/)
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その2」
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その2」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1409404840/)
の続きやで
立てられたからには書くで(埋めるとは言ってない)
シンシン……
妹「雪、すっごい降ってるね……」
兄「ああ。また積もるな、こりゃあ……」
妹「あたしさ、雪って好きなんだよね」
兄「へえー」
妹「……どんなに汚いものでも、雪が積もると……白くってすっごく、綺麗になるんだもん……」
兄「……」
妹「SMプレイの痕とか、スカトロプレイで出たモノだって……」
兄「そこまでは雪でも無理だと思うぞ」
妹「お兄ちゃん、外出てかまくら作ろうよ!」
兄「元気だなお前……っていうか流石にかまくらは無理だろ」
妹「えーっ大丈夫だよー。やる気さえあれば!!」
兄「……って言われてもなあ……」
妹「ほら!かまくらが完成したら、中にあたしを連れ込んで好き勝手ズコバコしていいから!」
兄「やる気が無くなった」
妹「それか雪合戦しようよ、雪合戦!」
兄「雪合戦……二人でか?」
妹「うんっ!絶対すっごく楽しいよっ!」
兄「いや、二人でやっても微妙だと思うんだけど……」
妹「お兄ちゃんの白いのを、たーっぷりあたしにぶっかける事が出来るんだよ?」
兄「俺家ん中いるわ」
妹「鬼はー外っ!福はー内っ!」
バラバラッ!
兄「2月3日……節分か」
妹「ほらほらお兄ちゃんも、この枡持って持って!」グイグイ
兄「はいはい」
妹「あ、けどマスをカくのはダメだからねっ?ヤるならちゃーんとセックスで――」
兄「豆はお前にぶつければいいのかな?」
妹「鬼はー外っ、福はー内っ」
バラバラッ
妹「……こうやって豆をまくことで、悪い鬼を外へ追い出して、福の神様を家の中へ引き入れるんだね」
兄「ああ」
妹「お兄ちゃんはどっちが好き?」
兄「うん?……そりゃあ、福の神様の方が好きだけど?」
妹「いやそうじゃなくって、外出しと中出しどっちがいいのかなって」
兄「福は内ーっ」バラバラッ
ピンポーン
兄「?……はいはーい」
ガチャッ
イン「どうも兄さん。お邪魔しに来ましたよ」
兄「あ、どうもインストラクターさん」
イン「ふふふ、今の私はインストラクターではありません」
兄「?」
イン「……うち、ラムだっちゃ」ドヤッ
兄(……よく見たら頭に鬼の角付けてる……)
兄「節分だからって、わざわざそんな格好して来たんですか」
イン「ええ。あ、ちなみにちゃんと虎柄のビキニしてきましたよ」スルッ
兄「玄関先で服脱ぐんじゃねえ」
イン「服装や格好に気を使えば、どんなイベント事だって楽しくなりますからね。人によっては馬鹿にされるような文化かもしれませんが、コスプレだって捨てたものじゃないですよ」
兄「はあ……」
イン「こうして鬼娘の格好をする事で、節分という行事をもっと身近に感じられたでしょう?」
兄「まあ、それはそうですけど」
イン「範馬勇次郎の格好をするか結構迷ったんですけどね。こっちにしました」
兄「それはあれか?上半身裸になんのか?」
兄「妹ーインストラクターさん来たぞ」
妹「おーいらっしゃいませー」
イン「エフッエフッエフッ」
兄「……何その笑い方」
妹「あーっ、サヤカさん鬼のコスプレしてるー!」
イン「ええ。今日は私が鬼の役です。存分に豆まきをして下さい」
妹「では遠慮無く……鬼は外ーっ!」バラバラッ!
イン「ああんっ!すっごく気持ちいいっ///」ビシビシッ
兄(家ん中入れるんじゃなかった……)
イン「さ、兄さんもどうぞ。遠慮なさらず豆まきを」
兄「……まあ、そう言うならやるけどさあ……」
イン「はい。しっかりと!力を込めて!私にぶつけて下さい!」
兄(……弱く投げてやるか……)
兄「……じゃあ、鬼はー……」
イン「かけてっ!兄さんの白いの、私にいっぱいかけてっ///」
兄「『白』って言葉すげー万能だなー」
妹「はーっ、豆まきしたら疲れて、お腹すいちゃったなあ……」
イン「妹さん、私実は、恵方巻きを作ってきたんです」ジャンッ
妹「おおっ!すっごい豪華でおいしそーっ!」
イン「ありがとうございます」
兄「あ、ホントだ……具がいっぱい入って美味しそうですね」
イン「ふふっ、兄さんの方が美味しそうですよ」ペロリ
兄「寒気がした」
イン「恵方巻きは元々関西圏の文化なのですが」
妹「ほうほう」
イン「歳徳神が居られる方角……今年は西南西ですね。この方角を向いて願い事を思い浮かべながら、無言で丸かじりするんです」
兄「へえー」
イン「まあ私は兄さんをガン見しながら食べるんですけど」
兄「何で?」
妹「んじゃっ、いっただっきまーすっ」
パクッ!
妹「……んっ……ふうっ……んっんっ……」
モゴモゴ……
妹「……ちゅぱっ……んふうっ……ふう……んんーっ……」
モニュモニュ……
妹「……んんんーっ!……んっ……お、おいひいっ……んふうっ……」
イン「……兄さん、今のシーン動画撮りましたけど、使います?」
兄「何にだ」
兄「ハァ……ま、恵方巻きが美味しそうなのは事実だしな……俺ももらおうかな」
イン「はい、どうぞ」
兄「……あれ?」
イン「どうかしましたか?」
兄「インストラクターさんの分の恵方巻き、無いみたいですけど……?」
イン「何を言うんですか。兄さんの股間に大きな恵方巻きが――」
兄「……」モグモグ
妹「ふぃー、美味しかったー。お腹いっぱい……」
イン「まだですよ、妹さん。節分には豆を食べませんと」
兄「ああ、歳の数か、それより一つ多く炒り豆を食べるんでしたっけ」
イン「ええ。……あら、しかし豆をまきすぎて、食べる分が足りないかもしれませんね」
兄「えっ?……ああ、じゃあまあ別に……」
妹「ふっふっふ……お兄ちゃんの股間には恵方巻きがあるように、あたしの股間には豆が――」
兄「黙ってろ」
妹「お兄ちゃん、もうすぐバレンタインデーだよっ!」
兄「ああ、そうだな……」
妹「ふふふ……楽しみだなぁ~~……」ニマニマ
兄「?……お前、もう誰にあげるかとか決めたのか?」
妹「え?」
兄「ん?」
妹「……何言ってるの?お兄ちゃん。最近の流行りは逆チョコだよ?」
兄「……俺はあげないからな?」
妹「えーっ……お兄ちゃん、チョコくれないの?」
兄「なんであげないといけないんだよ……買うの面倒だし」
妹「仕方ないなあ……じゃあ、買わなくていいからさ」
兄「うん?」
妹「代わりにお兄ちゃんの黒ーいチ○コが欲しいなーって」
兄「あげない」
妹「濃厚なホワイトチョコレートでも可です」
兄「お前が可でも俺は不可だよ」
…………
キンコンカンコーン……
妹「はぁー……」グテッ
マカ「?……どしたのー妹ちゃん。休み時間に憂鬱そーな顔して」
妹「あ、マカちゃん……あのね、もうすぐバレンタインデーじゃん?」
マカ「うん、そうだねー」
妹「だからさ、お兄ちゃんにチョコあげようかと思うんだけど……」
マカ「あっ、それいいねー。マカもあげよっかなーっ」
妹「けどさけどさ、チョコって案外高いじゃん?あたしお金無くってさー……」
マカ「股開けば?」
妹「身も蓋もないね!?」
マカ「まあそれは半分冗談として」
妹「あ、半分なんだ」
マカ「お金無くってもさ、手作りチョコとかアリなんじゃないの?愛情たっぷりのチョコあげたら、お兄さんもイチコロなんじゃない?」
妹「……手作り……手作りかぁ……」ウーン……
マカ「え、何かダメ?」
妹「……あたしが料理すると、何故か家が燃えかけるんだよねぇ……困ったモンだよ」
マカ「『何故か』の意味が全くわかんない」
マカ「そうだ!インストラクターさんだったら、手作りチョコの作り方も詳しいんじゃないの?」
妹「あー確かに。インストラクターさんってすっごく物知りだもんねーっ」
マカ「さっそく連絡してみようよ!えーっと、スマホスマホ……」ガサゴソ
妹「あ、マカちゃんそんなの使わなくていいよ」
マカ「……え?」
妹「インストラクターさーんっ、手作りチョコの作り方知りたいんですけどーっ!」
ガラッ
イン「呼びましたか?」
マカ「何で平然と小学校に入ってきてるの?」
イン「ピンチの時には、心の中で三回『ヒーロー見参』と唱えれば私が来ますよ」
マカ「某卓球漫画かな?」
妹「あの、インストラクターさん。手作りチョコについて聞きたいんですけど」
イン「チョコレート、ですか……確かに私はレシピを知っていますが、今は……うっ!痛たたっ……!」ズキッ!
妹「インストラクターさん!?」
マカ「どうかしたの!?どこか怪我でもした?」
イン「実は……兄さんに女体チョコレートでも差し上げようかと思い、チョコを身体に塗ったら……熱くて全身火傷しまして」
マカ「病院行こう」
イン「あ、大丈夫。軽傷ですから」
マカ「頭のだよ」
イン「という訳で、私は教えられませんが……そうですね、心愛さんなら何か知っているのではないですか?」
マカ「えーっ、お嬢が?」
イン「なかなか良い家の出ですし……お菓子作りは一般教養とも言えるでしょう」
妹「なるほど。確かに心愛ちゃん、休日はお菓子作りとかしてそうだよねーっ」
マカ「んじゃあさっそく聞いてみようよ。おーいお嬢……」
妹「あ、心愛ちゃん今日休みだよ?」
マカ「え?」
…………
…………
ココア「執事長、チョコレートを作るわよ」
執事長「はい。……もうすぐバレンタインデーですからね」
ココア「さっそく南アメリカまで言って、カカオ農場を買収して来なさい」
執事長「そんな所からやるんですか?」
ココア「当たり前よ。私は一から十までこだわりにこだわるタイプなの」
執事長「こだわりすぎでしょう」
ココア「……こういう性格は、両親に似たのかもしれないわね……」
執事長「はあ、旦那様と奥様に……?」
ココア「……私の両親は、娘である私の産まれからして、こだわりにこだわっていたわ……」
執事長「!(……お嬢様……小さい頃から厳しい英才教育を受けて、辛い思いを……?)」
ココア「種付けはSMプレイの騎乗位から始まり、胎内音楽にはお母様の言葉責め……子守唄にはお父様のブタの鳴き真似……お陰で今ではすっかり私もSに――」
執事長「やっぱこの家族おかしいわ」
ココア「ほら執事長、さっさと農場買い占めて来なさい。じゃないと執事長の部屋のドア溶接するわよ」
執事長「やめて下さい。あと、流石に農場からチョコを作るのは無理です」
ココア「えーっ……」
執事長「チョコを手作りするという事で、我慢して下さい。お嬢様」
ココア「そんな……何のために私は学校を休んでまでお屋敷に残ったというの!?」
執事長「休まないで欲しいんですけどね……」
執事長「手作りチョコでしたら、料理長に聞くのが一番ですかね……料理長」
料理長「んあー?」グデーッ……
執事長「……明らかにやる気無いオーラ出てますけど……お嬢様に料理を教えてあげてくれませんか?」
料理長「やだ!」
執事長「……子供ですか」
料理長「だってアレだろ!?私が手作りチョコの作り方教えても、出来たチョコ他の男にあげるんだろ!?」
ココア「ええ。兄さんに差し上げるつもりですわ」
料理長「あの野郎ぶっ殺す」スタスタ
執事長「やめて下さい料理長。っていうか相手の顔知らないでしょ」
料理長「やだやだやだやだ!やーだもんっ!私もチョコ欲しいもーんっ!」ジタバタ
執事長「……と、言っておりますが……?」
ココア「うーん、流石に料理長にチョコをあげるのは……義理だとしても怖気がするわね」
執事長「言い過ぎじゃないですかね?」
ココア「仕方ないわね……料理長、チョコはあげられないけれど――」
料理長「はい?」
ココア「代わりに熱ーい、溶けたチョコレートを料理長に垂らしてあげるわよ?」
料理長「ご褒美でブヒイッ!早速教えるブヒィィイイ!」
執事長「あーもう滅茶苦茶だよ」
料理長「では今回は、チョコレートケーキ……ガトーショコラの作り方を教えるブヒィ」
執事長「口調戻して下さい、料理長」
ココア「わくわく。さっそく教えて頂戴」
料理長「えー、ではお嬢様。まず、料理をする時の格好なのですが……」
ココア「ええ」
料理長「余計なゴミが食材に入らないよう、キッチンでは全裸!エプロンだけを身にまといます!」
ココア「徹底してるのねー」ヌギヌギ
執事長「嘘教えてんじゃねーぞハゲ」
料理長「ではまず、卵を割って黄身と白身に分けましょうか。お嬢様」
ココア「わかったわ」
料理長「こうやって、手際よくですね……」
コンコン、パカッ!
ココア「ふむふむ」
ゴッゴッ!グシャアッ!!
ココア「……」ベトーッ……
執事長「お、お嬢様?」
料理長「た、大変だ……お嬢様がドジっ子を発揮して!顔射みたいになっとる!!執事長クン!今すぐカメラ取ってきて!!!」
執事長「いい加減にして下さい料理長」
ココア「……料理って結構難しいものなのね」フキフキ
執事長「いやまだ卵割っただけなんですけれど」
料理長「申し訳ありません、お嬢様。きちーんと一から教えるべきでしたね……」
ココア「いいえ、いいのよ料理長。聞かなかった私も悪いわ」
料理長「今一度、チャンスを……次は丁寧に教えますので」
ココア「ええ。お願いするわね?料理長」ニコッ
料理長「はっ。では――……」
料理長「まず、男はタマよりサオの方が感じるのですが、根本から上下にですね……」
執事長「何を一から教えとるんだ」
ココア「何って、ナニ?」
執事長「やかましいです」
・ ・ ・
料理長「……次に、チョコを湯煎で溶かすのですが、細かく包丁で刻んでからボウルに入れます」ゴリッ、ゴリッ
ココア「んっ!……んっ……んーっ……」ゴッ、ゴッ……
執事長「……大丈夫ですか?お嬢様」
ココア「ふーっ……なかなか力がいるのね、これ……」
執事長「頑張って下さい」
ココア「執事長の心を折るより難しいわ」
執事長「……私の心はもう少し強いと自負しております」
ココア「それを折るのがまた楽しみなのよね……」ニヤリ
執事長(……何言ってるんだろうこの人は……)
料理長「湯煎で溶かしたチョコに、卵黄と砂糖を混ぜたものを入れてー」カチャカチャ
ココア「ふむ、上白糖なのね」
料理長「そこに、白身を泡立てて作ったメレンゲと、小麦粉をふるい入れて……」サッサッ
ココア「ふむふむ……」
料理長「今回はアクセントに、カシューナッツでも入れてみましょうか」ザララッ
ココア「ねえ執事長。こんなに白いのばっかり入れるなら――……」
執事長「はい?」
ココア「執事長の白いの入れても、バレないんじゃないかしら?」ドキドキ
執事長「バレると思いますよ。入れませんし」
料理長「あとはこれを、オーブンで加熱……と」ガコンッ
ヴーン……
ココア「ふう……お菓子作りって中々疲れるのね、料理長」
料理長「お疲れ様です、お嬢様」ペコリ
ココア「ええ……何かに座ってくつろぎたいわね……」
料理長「ではこのワタクシめをば椅子に!ほらほらこの膝の上へどうぞ!さあさあ!!」ハァハァ
執事長「料理長、もういいんでどっか行ってくれません?」
ヴーン……
ココア「わくわく……まだ焼けないのかしら?」ソワソワ
執事長「お嬢様、中を覗きこまなくとも……」
ココア「だって、楽しみなんですもの」ワクワク
料理長「……そういえば、昔電子レンジの中を覗きこむと、自分の目まで加熱されちゃう……とかいう話があったなあ」
執事長「はあ……よく知りませんが」
ココア「それってあれよね?他人の夜の営みを見てこっちも燃えてきちゃうみたいな――……」
執事長「例えがおかしい」
ヴーン……
ココア「……結構時間がかかるものなのね……」
執事長「……そうですね……」
料理長「……ん?……あーっ!!し、執事長君!大変だ!」
執事長「な、何ですか?」
料理長「ウッカリして焼き時間を長くしてしまった!」
執事長「なっ……!?」
ココア「えっ!?それって……延長料金発生する!?」
執事長「いかがわしいお店じゃないんですから」
・ ・ ・
ココア「……」
ケーキ『……』コゲッ
執事長「……あー……その、お嬢様……気を落とさずに……」
料理長「……申し訳ございません、お嬢様」
ココア「……いいのよ、別に……」
料理長「罰としてこの下賎なブタを!ブタをぶって下さいませ!!ほらほら一気にぐいっと!ほーらほら!」
執事長「……」
料理長「……ちょ、ツッコミ放棄はやめてくれない?」
ココア「大丈夫よ、ちょっとくらいコゲていた方が、愛嬌があっていいでしょう?」
執事長「……そういうものなのですか?」
ココア「ふふん、執事長。時代はドジっ娘なのよ。料理で少し失敗する方が、一生懸命さが出ていていいの。塩と砂糖を間違えたり――……」
執事長「……はあ」
ココア「小麦粉を間違えてアブナイ粉を入れたり」
執事長「このケーキ食べて大丈夫なんですか?」
執事長「……ではお嬢様、この焦げたケーキをバレンタインに……?」
ココア「ええ」
執事長「……わかりました。では、早速私が丁寧にラッピングを――……」
ココア「あら、そんなのしなくってもいいわよ」
執事長「……はい?」
ココア「だって……」
ココア「はいっ、執事長……ハッピー・バレンタイン♪」ニコッ
執事長「!……」
ココア「……どうしたの?執事長」
執事長「……いえ、少し……意外でして」
ココア「?」
執事長「……私に、ですか」
ココア「ええ。……当然でしょう?」
ココア「貴方は、私の大切な……大切な、執事長よ」ニコッ
執事長「……」
ココア「……受け取って、くれる……わよね?」
執事長「……ええ」
・ ・ ・
執事長「…………焦げてて超ニガい……!」ブルブル
…………
…………
妹「……ねえ、マカちゃん……このお話の主人公ってあたしだよね?……ね?」
マカ「いや、マカに聞かれても……」
…………
妹「……あー、ヒマだなー……」ポケーッ……
兄「……おい、妹」
妹「んあ?」ポケーッ
兄「お前ボーッとして、口開いてるぞ」
妹「え?……開いてた?無意識だったや」
兄「まったく、だらしないヤツだな……意識して閉じとけよ」
妹「えへへ……気をつけないと、口が開いてる所にチ○ポ突っ込まれる所だったね」
兄「しねえよ」
兄「そういやお前……結構悪いクセがあるよな」
妹「え?そうかなー?」
兄「例えば……爪を噛む」
妹「あれは指フェ○してるんだよ」
兄「貧乏揺すり」
妹「バイブの振動スゴくってさー」
兄「箸の持ち方が変」
妹「手○キの練習してるんだ」
兄「あかんコイツ末期や」
兄「とにかく、一つ一つ悪いクセを無くしていくぞ」
妹「えー……やだなあ」
兄「まずは、貧乏揺すりからだ」
妹「うう、よりによって一番直しにくいトコを……」
兄「次貧乏揺すりしてる所見たら、デコピンするからな」
妹「股間に?」
兄「おでこにだよ」
・ ・ ・
兄「……」(読書中)
妹「……うーん……この計算問題むつかしい……」カリカリ
兄「……」ペラッ
妹「……」カリカリ……
兄「……」
妹「……」……カタカタカタ……
兄「……貧乏揺すりすんな」ググッ
ペシッ!
妹「あはぁん♡お兄ちゃんのデコピン気持ちいいよぉぉおおおおんんほおっ!!」ビクンビクン!
兄「馬鹿な……振動が強くなっただと……!?」
マカ「……あー、ヒマだなー。学校終わりに駅前来てみたけど……」ポケーッ
ワイワイ……
マカ「……特に何もないなあ。こんな事なら妹ちゃん家行けば良かった……」
オジサン「……あの、失礼。お嬢ちゃん……」スッ
マカ「?……なに?オジサン」
オジサン「……ふーむ、可愛らしい……ちょっと大人びてる所とか最高にイイね。ウケが良さそうだ……うむ」ブツブツ
マカ「……」
オジサン「あのだな、お嬢ちゃん。ちょっとオジサンとお茶でも――……」
マカ「マカを買うんならさあ、さっさとホテル行こうよ」
オジサン「……え?……え?」
マカ「オジサン初めてだよね?こーんなちっちゃい子と茶なんか飲んでたら、怪しまれるよ?誰にも見つからないうちに部屋入んなくっちゃ。慣れてないんだからーもうっ」ヤレヤレ
オジサン「……え?」
オジサン「……オ、オホン!……ははは、最近の子というのは、ウン……ユーモアに富んでるね。少し背伸びしすぎな気もするが……」
マカ「何?……お金、ないの?」
オジサン「うーん、そうだね。オジサンそういったお金はちょっとなあ……」
マカ「じゃあ話しかけないでくれる?」ツーンッ
オジサン「え」
マカ「ハア……せっかく金づる見つけたと思ったのに。仕方ない……前買ってくれたオジサマでも呼ぼうかなー……」ピッピッ
オジサン「ちょ、ちょっと待ってお嬢ちゃん……え?私がおかしいのか?」
オジサン「あー、お嬢ちゃん。オジサンはだな、こういった者なんだよ」スッ
マカ「?……○○芸能プロダクション……プロデューサー……?」
オジサン「うむ。聞いたことがあるだろう?あの有名アイドルなんかが所属している――……」
マカ「あー、知ってる知ってる」
オジサン「オジサンはな、そこで働いている、有名アイドル達の発掘者なんだよ」
マカ「あのビッチ臭いオバカアイドル達の?」
オジサン「そんな言い方は無いんじゃあないかなあ……」
オジサン「ともかく、だ……ちょっとお嬢ちゃん、オジサンとお茶でも飲んで話をしないかい?」
マカ「えー……」
オジサン「……好きなもの頼んでいいから。少しだけ、お話してくれるだけでいいんだ」
マカ「好きなもの、ねえ……」
オジサン「ああ。お嬢ちゃんは喫茶店の飲み物は、何が好きなんだい?」
マカ「おち○ぽみるく」
オジサン「……済まない、よく聞こえなかったよ」
マカ「だからね、オジサンの極太マドラーをかき混ぜ棒してコーヒーフレッシュをドリップ――」
オジサン「細かく言わなくていいから」
・ ・ ・
カチャカチャ……
マカ「……」ズズーッ
オジサン「うむ……良いお店だね。可愛らしくて……」
マカ「……」カチャカチャ
オジサン「最近の子は、こういう可愛い店が好きなのかな?ふーむ、トレンドというのは日々移り変わるものなのだね……」
マカ「……そういうのはいいからさあ、オジサン……マカに何の用なの?」
オジサン「……うむ……単刀直入に言うよ」
マカ「?」ズズーッ
オジサン「……キミ……『アイドル』に興味は無いかい?」
バ ン
マカ「……へぁ?」ポカーン
オジサン「一目見た時に『この娘だ!』という直感があったんだよ。私にはわかる。キミは……トップアイドルになれる」
マカ「……あの、ちょっと……急すぎて意味がわかんないんですけど」
オジサン「だからだね、キミは……おっと、そういえば名前もまだ聞いていなかったかな」
マカ「え?……あー……名前、ですか……」ドンヨリ
オジサン「キミ、名前は何と言うんだね?」
マカ「……山田…………摩可論(マカロン)」ボソッ
オジサン「……」
マカ「……」
オジサン「……本名は?」
マカ「本名だよ!!」バンッ!
オジサン「あー……うん。そうか……キミも苦労してるんだね……」シミジミ
マカ「そういう態度、けっこうイラッてするからやめてほしいんですけど」
オジサン「あ、ああ。悪かったよ……」
マカ「ハァ……たしかにうちのママはちょっとアレかもしんないけど……普通の、いいお母さんなんだよ?」
オジサン「はあ……そういえば、お母さんはどんなお仕事を……?」
マカ「え?ソープ嬢だけど?」
オジサン(……普通?普通って何だよ)
オジサン「あ、アハハ……じゃあ、その普通?のお母さんと、一度話し合ってもらえないかなあ?」
マカ「マカ、もう何日もママと会ってないんだけど」
オジサン「え、えーっと……そうだ!パパはどうなんだい?」
マカ「パパ?それはまあ、ほとんど毎日会ってるけど?」
オジサン「ああ良かった……じゃあそのパパと、一度話し合って――……」
マカ「お金いっぱいくれるパパと、すっごいテク持ってるパパと、やさしいパパと、マニアックなパパがいるんだけど、誰と話し合えばいい?」
オジサン「……や、やさしいパパで」
マカ「うーん、やさしいんだけど、ねちっこいんだよねー。前戯」
オジサン(何?この娘何なの?)
マカ「っていうかさあ、マカ本当にアイドルとか興味無いんだけど……」
オジサン「え?何でだい!?女の子といったらみんなアイドルに憧れるものだろう!?」
マカ「だって売れなかったらAVデビューでしょ?」
オジサン「そ、そんな事ウチの事務所ではやらせないから」
マカ「あと枕営業とかやらせるんでしょ?」
オジサン「ウチのアイドルはそんな下賎な行為はしない!」
マカ「むしろやらせといた方がいいけどね……マカ、トップになれる自信あるし」ボソッ
オジサン「…………」
マカ「ハア……本当はマカ、そんなの上手くなりたくなかったんだけどね……マカの本当のパパがさ……マカにさ……色々と――」
オジサン「キミ、世間の闇を背負いすぎじゃあないかなあ?」
オジサン「と、とにかくっ!私はキミに魅力を感じたんだ……普通の人には無い、特別な……ね」
マカ「それってオジサンが欲求不満なだけじゃないの?」
オジサン「……ええと、もしアイドルという仕事に興味が沸いたのなら、ここに電話してくれるかな?」スッ
マカ「あ、電話番号?じゃあマカも」スッ
オジサン「え?……キミの電話番号かい?」
マカ「うん。むらむらしたら電話してね。テレフォンセッ○スから手○キフ○ラ普通のセッ○スにSMプレイまで、お金次第でなーんでもヤってあげるから♡」
オジサン(……声かけたの失敗だったかもしれん)
・ ・ ・
妹「えーっ!?マカちゃんアイドルにスカウトされたの!!?」
マカ「うん。……全然興味無いんだけどね……」
兄「興味無いのか?女の子はそういうの喜びそうなもんだけど……」
マカ「うーん……」
妹「マカちゃんマカちゃん!アイドルってウンチしないんだよ!?」
マカ「……えっと、それが?」
妹「つまりね、アイドルになればこれから先お通じに悩む事が無くなって――……」
兄「妹、目を覚ませ」
兄「で、なんでアイドルに興味無いんだ?」
マカ「だって……アイドルって表向きはキラキラしてるけど、絶対裏ではあくどい事いっぱいあるでしょ?」
妹「そんなモンなのかなー……」
マカ「そうだって!テレビ局のお偉いさんに身体売ったり、秘密のパーティとかで裸晒したり、色目使ったり他人を蹴落としたり――……」
妹「うーん……」
マカ「……あれ?いつもとそんなに変わらない……?」
兄「マカちゃん、一度休もう?な?」
妹「よーしっ!こーなったら、マカちゃんをアイドルにするプロジェクト、開始だよっ!」
兄「お前はまた思いつきで喋りやがって……」
マカ「っていうかマカ本当にアイドル興味無いんだって」
妹「問答無用!あたしは何が何でもマカちゃんをアイドルにします」
マカ「いや、なんで?」
妹「あたしがスカウトされなくって、マカちゃんがスカウトされたのがムカつくから」ニッコリ
兄「すっげえ爽やかな笑顔で『嫌がらせです』って言ったぞコイツ」
妹「まずは演技力を鍛えるよ!アイドルになるには一番大切な能力だね!」
マカ「あー、マカそれなら自信あるよ?」
妹「あ、そうなんだ?」
マカ「うん。感じてる演技とかチョー得意」
兄「そういう演技力はいらない」
妹「マカちゃん……アイドルたるもの、辛い時にでも笑えるような、そんなたくましい演技力も必要だよ?」
マカ「だから自信あるって。本当のパパに求められた時もマカは笑顔で――」
兄「頼む、もうその話しないでくれ」
妹「じゃー次は歌唱力!歌がうまくないとアイドルってやっていけないよね!」
マカ「歌かあ……それはあんまし自信ないかもなあ……」
妹「ふふふ、じゃーみっちり修行しないとねっ!このマイクを使って……あれ?」ゴソゴソ
兄「?……どうした?」
妹「おっかしいなあ……カラオケゲームのマイク、ここに仕舞ったはずなのに……」ゴソゴソ
マカ「えー、マイク無いの?」
妹「仕方ない……お兄ちゃんのマイクを使って練習しよっか」ヂーッ
マカ「良かったー得意分野だよっ☆」ニギッ
兄「くっそーこいつら下ネタしか頭にねえ」
妹「マイクが無いならしょーがないね……カラオケ行こう!」
兄「また思いつきでそんな事を……」
妹「あたしカラオケとか行った事ないからさー、一回行ってみたくって!」
兄「……カラオケって、小学生と高校生じゃあ入店不可らしいぞ」
妹「じゃあ、ママも一緒に行こう!」
母「……」コクコク
兄「母さん、断ってくれ。俺行きたくないんだよ」
妹「よーしっ!バンバン歌うぞーっ!……で、この近くにカラオケ店あったっけ?」
兄「さあ……俺もあんまし行かないからなあ……」
マカ「あ、マカ知ってるよー。オススメのお店あるんだー」
兄「……一応聞くけど、何がオススメなんだ?」
マカ「監視カメラの死角をよーく理解してるから、ナニかしても店員さん見回りに来なくってさー」
兄「よーし、じゃあそこ以外の店行こう!」
・ ・ ・
妹「ついに来ました、カラオケ店!」
母「……」フンフンッ
兄「……ひょっとして母さん、ちょっと楽しみにしてる?」
母「…………」ニヘラッ
兄「……まあ、いいんだけどさ」
マカ「はやく入ろうよー。マカも久々だから、いっぱい歌いたいし」
妹「マカちゃん、一応言っておくけど!今回のカラオケはマカちゃんをアイドルにするための特訓なんだからね?」
マカ「わかったって……ほら、入るよー」
ウィーン……
女「いらっしゃいませー……あ」
兄「あ」
女「兄君?わー、こんな遠くのお店までよく来たねー。どうしたの?」
兄「貴女は……」
妹「お兄ちゃんのクラスメイトで、おもちゃ屋さんでバイトしていたはずの、ア○ル開発が趣味の女さんじゃん!」
女「ふふふ、実に1スレぶりの登場!みなさん覚えてますかー?」
兄「誰に話してるんだお前ら」
兄「おもちゃ屋でバイトしてたはずなのに、なんでカラオケ店に?」
女「カラオケ店でもバイトしてるの。大人のオモチャ買うお金で今月厳しくってさー」
兄「どんな理由だよ」
女「あと、こうでもしないと出番ホントに無いじゃん?」
兄「メタいメタい」
マカ「おねーさんっ、マカたち4人ドリンクバー付きでお願いしたいんだけどー」
女「オッケーい!……えっと、みんな妹ちゃんのお友達かな?かわいいねーっ」
母「……?」ハテ?
兄「待ってこの人母親」
女「これは失礼。……お母さん若いんだね」
母「……///」テレテレ
兄「俺もそう思う」
女「保護者同伴なら大丈夫だね。そーいうのいないと色々上がうるさくってさあ……昨今の法律ってのは厳しいもんだね」
兄「大変だな、カラオケ店っていうのも」
女「じゃードリンクバー4人で……あ!兄君、ゴムは必要かな?」サッ
兄「法律に全力でケンカ売ってんのお前じゃん」
女「部屋は3番だから、間違えないでねー」
兄「はいはい」
女「あと、監視カメラは極力見ないし、注文した商品持ってくる時もタイミング見計らって入るから、気にしないでね!」
兄「お前今から俺らが何すると思ってんの?」
女「だって、カラオケ店に女の子連れとか……ヤるんでしょ?」デヘヘ
兄「母親いるんですけど」
女「近親相姦ってイケナイからこそ燃えるよねっ!」
兄「なあ妹、今から別の店にしないか?」
バタンッ
兄「……おー、部屋は結構綺麗なんだな……」
マカ「良かったータバコ臭くなくって。マカ結構苦手なんだよねー」
母「……」ニコニコ
妹「おお!これがカラオケルーム……この機械で曲入れるんだよね?」
兄「ああそうだな」
妹「じゃあさっそく、エッチなVTRが流れる曲探そっか!」
兄「お前何しに来た?」
兄「マカちゃんの歌を聞きに来たんだろ?ほら、マカちゃん何歌う?」
マカ「もーっ、お兄さんってホンット乙女心わかってないなあっ」
兄「え?」
マカ「カラオケの一発目とか、場があったまってないのに女の子に歌わせちゃダメだよっ!最初は男の方からテンション上がる曲で盛り上げなくっちゃ!」
兄「……はあ……そういうモンなのか?じゃあ……」スッ……
妹「あたし歌っていい!?ねえねえあたし曲入れていい!?」キラキラ☆
兄「お前が歌うのかよ」
兄「……で、何歌うんだ?」
妹「ふっふっふ……あたしのオハコを聞かせてあげるよ。上手すぎてビックラこくよ?」ピッピッ
マカ「妹ちゃん……歌上手いの?」
妹「あたしに苦手なものはないねー」ドヤッ
兄「……曲はAKBとかか?それか嵐か……お前きゃりーぱみゅぱみゅ好きだったっけ?」
妹「違うよー。あたしが歌うのは……これっ!」
ピッ!
『https://www.youtube.com/watch?v=hJXva0srxbM』
妹「――未発達の体見渡せばミミズ腫れオンパレードッ!!!」(デス声)
兄(……こいつデス声超上手ェ……!!)
マカ(けど、小学生の女の子が歌う曲じゃない……!!)
妹「ふーっ……92点か。まーまーかな」
兄「何それすごいんだけど」
妹「ふう……歌って汗かいちゃったなー」パタパタ
マカ「あ、外寒かったからエアコン強くしちゃってた。ちょっと温度下げよっか?」
妹「いいよ別にー。脱ぐから」ヌギッ
兄「脱ぐなよ」
妹「……うー、汗かいて少し喉乾いたかも……」
マカ「全員ドリンクバー付きにしてるよ?外にジュースの機械あるから入れてくれば?」
母「……」コクコク
兄「そうだな。ちょっと妹と俺とでみんなの分取ってくるよ。マカちゃんは何が飲みたい?」
マカ「お兄さんのカルピs」
兄「それ以外で」
ピッ!
兄「俺はコーラでいいかな。母さんはお茶で……」ヂャーッ……
妹「……ねえお兄ちゃん」
兄「んー?」
妹「ドリンクバーとかあったらさ……色んなの混ぜて特製ミックスジュース!……とか、やりたくならない?」ウズウズ
兄「ああ、気持ちはわかるよ」ハハハ……
妹(……お兄ちゃんのせい○き+あたしのあいえ○+黄金水=……)ジュルッ
兄「何想像してんのかは知らんがな、お前頭大丈夫か?」
兄(……席を立ったついでに、トイレにでも行っとくか……)
スタスタ……
ガチャッ!
女「!?……あ、兄君っ!?」ビクッ!
兄「あ、女さん……?」
女「ご、ごめんね?今ちょっとこのトイレ掃除しててさー……」ハハハ……
兄「…………なんで小便器の横に座って、口開けてるんだ?」
女「……男子便所で肉便器になった妄想してイッてた所でさ……あ!大丈夫、床は汚してないよ?」
兄(……帰りたい)
兄「はぁ……」ガチャ……
妹「あー、お兄ちゃん遅いよー。次お兄ちゃんの番だからね?」
兄「え?……俺何も曲入れてないんだけど」
マカ「大丈夫っ!お兄さんのオハコの曲入れといてあげたからっ!」
母「……」コクコク
妹「ほらほら、マイク持って準備じゅんびっ」グイッ
兄「はあ……けど、俺のオハコって……?」
『チチをもげ!』ジャーンジャーンジャーンジャ~ン……
兄「チーッチチッチ……ちょっと待てや」
妹「ウソ!?お兄ちゃんこの曲絶対ヘビロテするくらい好きだと思ってたのに……!?」ヒソヒソ
マカ「ほら、お兄さんってロリコンだから、もぐほど大きいおっぱい嫌いなんじゃない?」ヒソヒソ
妹「なるほどなー……」ヒソヒソ
母「……///」カァァ
兄「聞こえてるんだよコラ」
妹「じゃー次は、ママの番ねっ!」
母「……」コクン
マカ(……マカのアイドル特訓どうなったんだろ……まあいいけど)
兄「えーっと……母さん、歌うのか?」
母「……」コクッ
兄「……まあ、いいんだけど……」
チャラララ~ッ♪
母(ヤパパ~ヤパパ~イーシャンテンッ♪)フリッ♡
兄(こいつ直接脳内に……!!)
ジャーン!
兄「……母さん、98点か……」
母「……」ドヤァッ
兄(歌ってないのになんでこんな点数良いんだろう……)
妹「ふふふ、やっと場があったまってきたね……という事で、次はマカちゃんの番だよ!」
マカ「マカ?まあいいけど……期待しないでよ?歌うのは好きだけど、あんまし声出ないよ?」
妹「大丈夫!歌声が出ないなら、代わりにあえぎ声を出せばいいから!」
マカ「あ、それなら得意分野だねーっ」
兄「あったまった場が冷めるわ」
妹「でさ、マカちゃんって普段どんな歌うたうの?」
マカ「えー?結構普通のばっかり歌うかな……AKBとかも好きだし」
兄「せっかくだし、今日は自分が得意な歌をうたったらどうだ?」
マカ「えーっと……それじゃあ、恥ずかしいけど……この曲」ピッ
『夜桜お七』
『https://www.youtube.com/watch?v=f3cmggPaQMw』
妹「何その曲?」
兄「お前本当に小学生?」
マカ「――燃えて燃やした肌よりィ、白いィ~~はァなァァ~~ッ」
母「……」ジーン……
兄「……すげえ……滅茶苦茶上手い……!」
妹「う、ううっ……感動しちゃって、あたし……ま○こがビチョ濡れだよぉ……」グスッ
兄「なぜ今『まなこ』を伏せ字にした」
マカ「ふーっ……ど、どうだったかな?」
妹「すごいよーマカちゃん!超じょーず!あたし感動して濡れちゃったもん!」
兄「ああ、苦手とか言ってたけど、凄く上手かったぞ」
母「……」コクコク
マカ「い、いやいやそんな事ないよ。マカすっごく緊張しちゃってさ……」
兄「そんな風には見えなかったがなぁ」
マカ「見られながら3回くらいイッちゃってたもん///」
兄「そんな風には見えなかった」
マカ「マカ、こーいうの本当に苦手なんだよね……歌うのは好きだけど、人がいると恥ずかしくってさ……」
妹「えー、マカちゃんが恥ずかしがり屋ってなんか意外ー。いつもみんなを引っ張ってくリーダー、って感じなのに」
マカ「いやぁ、これには理由があってさー」
兄「ほお」
マカ「ベッドの上でウブな真似して『いや……そんなに見られると恥ずかしいよぉ……おじさまぁ……///』とか言ってたら、本当に見られるのが恥ずかしく感じてきちゃって」
兄「ロクな理由じゃねえな」
妹「ふふふ……マカちゃんの意外な欠点が見つかったね。だったら最後は、その欠点を克服するよ!」
兄「何をする気だよ」
妹「名付けて、『ラブラブズッキュン!愛の力の前では恥じらいなんて何のその!』作戦!」
兄「今適当に決めた感が半端ないんだけど……どういう作戦だ?」
妹「マカちゃんには、一日……お兄ちゃんと恋人同士になってデート♡してもらいます!」
兄「無茶苦茶だ!!」
妹「デートなんて恥ずかしい事だらけだよ。それを乗り越えたら、マカちゃんの恥ずかしがり屋も治るはず!」
兄「なんで俺なんだよ。俺にも断る権利はあるぞ」
妹「これはお兄ちゃんのためでもあるんだよ?」ニヤリ
兄「……は?」
妹「ドーテーで女性経験無いお兄ちゃんに、こういった経験させる事で免疫つけようと……」
兄「余計なお世話なんだよ!ったく……っていうか、そんな無理矢理恋人の真似なんて、マカちゃんだって嫌がるだろ!」クルリッ
マカ「え、えっと……その、頑張りますので……よろしくお願いします///」ペコリ
兄「うわー逃げ場無くなったー」
兄「……つうか高校生と小学生とか犯罪……いや真似事だしいいのか?遊んでるようなモンだよな……けどマカちゃんってかなりアレだし……」ブツブツ
妹「なにブツクサ言ってんのーお兄ちゃん。ほら!この箱からくじを引いてよ!」ドサッ!
兄「……何これ?っていうかいつの間に用意したんだよ」
妹「細かい事は気にしなーい。女性経験無くってデートなんかしたことないお兄ちゃんのために、特別に用意したんだよ。感謝してよねーっ」ドヤッ
兄「苛立ちという感情しか沸いてこない」
妹「このくじは、デートスポットを決めるくじだよ。紙に書かれている場所で一日デートしてね」
兄「……はあ」
妹「ちなみに、ハズレとして『秘宝館』『ブラック企業見学』『ラブホ』『生身でサファリパーク』等があります」
兄「そんなくじ入れんじゃねえよ」
妹「ほらほら、さっさと引く引く」グイグイ
兄「押しつけんなよ……ったく……」
ガサゴソ……
兄(……しかし、変なくじ引いたらそこでデートしないといけないのか……)
マカ(……お、お兄さんとデート……///)ドキドキ
兄「……よっし、じゃあこのくじで――……」
ガサッ!
・引いたくじに書かれていたのは……
1.動物園
2.水族館
3.こども科学館(プラネタリウム等)
4.映画館+ショッピング
5.その他自由安価
>>219
(5かな…>>222)
兄「えっと……『映画館』……?」
妹「おー、いいねいいね。すっごく恋人っぽいスポットに決定だね!」
兄「たしか隣町に大きな映画館があったな……色んな店もあるし、まあ確かにデートスポットとしては丁度いいか」
妹「あ、違う違う。そっちじゃなくってさ」
兄「?」
妹「ほら、通りの裏にあるじゃん。『モモイロ劇場』」
兄「それピンク映画館じゃん」
妹「じゃあお兄ちゃん、マカちゃん!次の日曜日は映画館デートねっ!」
兄「はあ……はいはい」
マカ「わ、わかった」ドキドキ
母「……」ニコニコ
妹「ふふふ……楽しみだなーっ……」
妹(今から全力で、ドキドキハプニング&ワクワク仕掛け人を大量にセッティングしてやるぜえっ!)フフフ……
…………
日曜日!
兄「……さて、待ち合わせ場所の駅前に着いたが……少し早く来ちゃったかな」
ワイワイ……
兄「……なんか、張り切ってるみたいで恥ずかしいな……えっと、どこか座って待てる場所は……ん?」
ザワザワ……
「おい、あの子メチャクチャ可愛くね?」「やべーってモデルかよ?将来有望だなー」
「いや、むしろ今だろ」「何言ってんのコイツ」「キャー!お人形さんみたいでカワイー!」
ザワザワ……
マカ「……」チョコン
兄(……もう待ってる……)
兄「……お、オッス。マカちゃん。おまたせ」
マカ「あっ!お兄さん……!」パァァ
兄「えーっと、俺少し……20分くらい早く着いたと思ったんだけど」
マカ「え?……あ、うん」
兄「……待たせちゃったかな?」
マカ「ううん!マカも今来た所だから!ちょっと前に……2時間くらい前についただけだから!」
兄「何言ってんだコイツ」
マカ「あ、あはは……マカらしくないよね。なんか、浮かれちゃってさ」テレテレ
兄「いや、そんな……マカちゃんらしくないって事は、無いと思うけど」
マカ「ふふ……まね事、だけど……お兄さんとは、一度遊んでみたかったからね」ニコッ
兄「……そ、そうか」
マカ「じゃあ、さっそく映画館行く?それともごはん?マカお弁当作ってきたんだ!あ、それともそれとも、ほ、ホテルとか……///」
兄(やべーよこの子愛が重いよ……演技なんだよなぁ……?)
マカ(やっばー……こういうの初めてでキンチョーする……どうしよ、心臓バクバク言ってる……)バクバク
兄「えーっと、今日は一日デートって事で……妹が、手つないで歩けってさ」
マカ「う、うん」ドキドキ
兄「じゃ、じゃあ……今日はその、よろしく」スッ
マカ「こ、こちらこそよろしくお願いします……」スッ
マカ(お兄さん、下ネタ嫌いらしいから、気をつけないと……!)
ニギッ
兄「……何で股間を握っとるんだ」
マカ(間違えた――っ!!!)ガビーン!
マカ「ごごご、ごめんねお兄さんっ!いつものクセでつい……!ホント、ごめんなさいっ!」アタフタ
兄「い、いや。そんな慌てられるとこっちも困るんだけど……普通にボケかと思ったから」
マカ「きょ、今日はそーいうの無しにするからっ!だから……いいデートにしよう。ね?」ニコッ
兄「……あ、ああ……」
ギュッ!
マカ「……えへへ……」テレテレ
兄(……マカちゃんも頑張ってるんだな。……俺も頑張らないと……)
トントンッ
兄「?……何ですか?俺に何か用――……」クルッ
警察「キミ、ちょーっといいかなあ?……兄妹では無いみたいだけど……どういう関係なの?」ズイッ
兄「……」
マカ「……」
兄(……嗚呼、そうですね。傍から見たら俺ロリコン犯罪者ですよね……)
マカ「……」
兄「……」
マカ・兄((……どうしよう……))ズーン
警察「とりあえず、ね。だんまりだとわかんないから。ちょっと署まで行こうか?大丈夫ダイジョウブ!すぐ帰れるから。ね?」グイッ!
兄「ちょ、ちょちょちょ!ストップ!違います!これはそういった遊びで……!」
マカ「そ、そうですよ!友達のお兄さんと遊んでるだけです!だから何でもないですから!この後ホテルとか行きませんから!!」
兄「ちょっとマカちゃん黙ってて」
警察「あーハイハイ。そういうのわかったから。じゃあすぐそこだから、ついて来てねー」グイグイッ……
トントンッ
警察「?……何?私は今忙しいんだけど――……」クルッ
イン「……」
ド ン
兄(!?……い、インストラクターさん!?)
警察「……は?誰だい、キミは……?」
イン「……」
警察「……」
イン「……」ジュルリ
警察「…………!!?」ゾクウッ!
ガシイッ!
ズルズルズル…
「ちょ、何だキミは!?引っ張るんじゃない!私を誰だと思っとるんだ?天下の警察――……あっ!やめ、服脱がさないで!あふう!そこは、やめ……」
ア゛――ッ!…………
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
兄・マカ((……何だ今の……))
マカ「あ、そういえば……昨日妹ちゃんからライン来てたんだった」ゴソゴソ
兄「え?……俺何も聞いてないけど……」
マカ「えーっと……『ラブラブアツアツカップルのお二人さんへ!歳の差カップルという事で、周囲の目が気になるでしょうが、あたし達が全力でバックアップしますので!安心してデートを楽しんで下さいねっ!』……だって」スワイプッ
兄「ずいぶん直接的なバックアップだな……」
マカ「……っていうか、さ」チラッ
妹(サングラス装備)「じーっ……」ジロジロ
ココア(帽子装備)「じじーっ……」ジロジロ
マカ「……さっきから建物の影からこっち見てるの、バレてるんだけど」
兄「あれで隠れてるつもりかよ……」
ココア「ふふ、インストラクターさんの手助けは役立った用ですわね……」
妹「オッケー。では引き続き尾行を続けるよっ」ジロジロ
ココア「……ねえ、妹さん」
妹「うん?なあにー?心愛ちゃん」
ココア「……妹さんは、お兄様の事がお好きなのでしょう?」
妹「……」
ココア「何故……恋敵のマカさんに塩をおくるようなマネを……?」
妹「……恋敵、かあ……」
妹「心愛ちゃん、ちょっと勘違いしてるよ。……恋ってさ、敵とか味方とか、そーいうの無いもんなんだよ」
ココア「……え?」
妹「恋って、みんな平等なモンなんだよ?誰が誰を好きになったっていいの。だから、マカちゃんがお兄ちゃんの事好きになったのなら……あたしは、それでいい」
ココア「……妹さん……」
妹「それにさあ、今のお兄ちゃんはドーテー丸出しだからねー。女の子に耐性無さすぎ!このままだとあたしとの初夜困っちゃうよ!だから、経験豊富なマカちゃんとイチャラブして耐性つけてもらわないとねーっ!」
ココア「おお、このデートにはそんな意味もあったのですね!」
妹「マカちゃんはすっごく遊び上手なイケイケギャルだからねーっ。このデートでもドーテーお兄ちゃんをしっかりリードして、耐性を高めてくれるはずだよ!ふふふ……」
ココア「完璧な計画ですわね……妹さん、冴えてますわ」
妹「さーて、そろそろキスの一つや二つでもヤっちゃったかなーっ?」ヒョコッ
ココア「それは早いのではないですか?あ、けどマカさんなら……」ヒョコッ
テクテク……
兄「……マカちゃん、大丈夫か?」
マカ「ひゃ、ひゃいっ!?」ビクッ!
兄「なんか、顔赤くて調子悪そうだけど……?」
マカ「だ、大丈夫!これ元からだから!マカこーいう顔なの!」
兄「……そ、そうか……」
マカ「ははは……はは……」
兄「……」テクテク
マカ「……///」ギュッ
ココア「……顔真っ赤にして手を握ってますね」
妹「あれ?……あれぇ?」
兄「さて、映画館に着いたな」
マカ「……う、うん……」ドキドキ
兄「……マカちゃん、本当に大丈夫か?」
マカ「だ、大丈夫だって!お兄さんマカの事心配しすぎだから!もうっ!」
兄「……だって、なあ……」
シットリ……
兄(……手のひら、すっげえ汗で濡れてるんだよなあ……)ギュッ
マカ(……あー、ヤバッ……ちょっと濡れてきちゃったかも……///)
兄「映画は、えーっと……今流行りのアクションと、恋愛映画と、アニメと、ホラーが上映されてるのか」
マカ「れ、恋愛とかパス!無理無理!絶対ムリだから!」ブンブン!
兄「そ、そうだよな。流石に恥ずかしいし。……ハハ……」
マカ「いや、そうじゃなくって……」
兄「?」
マカ「他人の幸せそうな恋愛ノロケ話とか、ありえなさすぎて爆笑しちゃってさあ」
兄「……そ、そうか。うん……」
兄「じゃあ、ホラー」
マカ「ゴメン、結構苦手かも……スプラッタ系は得意だけどね。……よくマカも、大きいの入れられた時とか股から血ぃ出るし……」ボソッ
兄「……このアニメ映画は?」
マカ「子供向けじゃん……誰が見るの?こんなの」
妹「あーっ!劇場版プリンセス☆ぷりんやってるー!心愛ちゃん一緒に見よ!」
ココア「いいですわね!……あれ?私達、マカさん達の監視をしているのでは……?」
兄「……」
マカ「……アクションにしようよ。マカこれ見たかったし」
兄「あ、ああ……」
兄「上映時間近いな。早くチケット買わないと……すみませーん」
パート「はい、いらっしゃいませー」ヒョコッ
兄「…………」
マカ「?……お兄さん、どうしたの?」
兄「……アンタ、レジ打ちの……」
パート「いいえ、今は恋のキューピッドさんです」ドヤヤッ!
兄(妹のヤツ……何処に手回ししてんだ……)
パート「この映画館のオーナーが私の親戚でして。急遽働かせてもらいました」
兄「ああそうですか……」
マカ「お兄さん、この人知り合いなの?」
兄「ちょっとな。前にショッピングモールで――」
パート「お客様に無理矢理胸を揉まれて、キュウリを握らされました///」
兄「情報は正確に伝えような?」
兄「この前野菜とか買った時、レジ打ってもらっただけだよ」
マカ「……レジ打ってもらっただけなのに、いちいち覚えてるの?」
兄「だって……」
パート「妹ちゃんに兄くんの仲を取り持って欲しいと言われましたが……本当にデートしているとは」
兄「え?ああ、まあ、はい」
パート「そうやって地道に好感度を上げてロリま○こを楽しむつもりなんですね!そんな回りくどい事しなくっても、私の熟れ熟れボディは今すぐお楽しみ出来ますよ!?」
マカ「……お兄さん、キャラ濃い人に好かれるんだね」
兄「うん。けどもうこれキャラ濃いレベルじゃねえだろう」
兄「あの、普通に映画見に来ただけなんで。チケット売ってくれますか?」
パート「はいはい。えーっと、只今上映している映画は……」
兄「アクション映画やってますよね?それが見たいんですけど」
パート「アクション、といいますと……『真夜中の団地妻~背徳の関係~』でよろしいですか?」
兄「よろしくないですね」
パート「夜のアクションパートは盛り上がりますよ。股間が」
兄「もう一生黙ってて欲しい」
パート「アクション映画の『ブラザー仮面』ですね。空いている席は、っと……」カタカタ
マカ「良い席が取れたらいいんだけどね。どうせならしっかりアクションシーン見たいし」
パート「ええと、今空いている席でオススメはですね……まず大迫力で楽しめるA列」
兄「はい」
パート「画面全体を見渡せて迫力もあるG列」
兄「はい」
パート「立ちバックしても気づかれない、最後尾のN列」
兄「じゃあそこ以外で」
パート「あとは、私の膝の上……なんていう特別席もご用意出来ますが……///」
兄「よーしチケットも買ったし、行こうかマカちゃん」
ワイワイガヤガヤ……
兄「おー、結構劇場内は綺麗だな……」
マカ「けど、子供が多いね。ハァー、マカ子供嫌いなんだけどなー……ま、アクション映画だから仕方ないか」
兄(……マカちゃんも子供だろ、とか言ったら怒るんだろうなあ……)
マカ「結局G列にしたんだっけ?えーっと、ABCD……」テクテク……
看護師「ぐぬぬ……お姉ちゃん、子供連れとカップルばっかりだよ。幸せそうな家庭とか二人組見たら辛いんだけど。焦るんだけど……」
先生「ちょっと静かにして。今ショタっ子の短パン姿見るのに忙しいから」ハァハァ
兄・マカ((見覚えある人がいる……))
兄「えーっと……どうも。お久しぶりです」ペコリ
マカ「なんで先生がいるの……」
先生「あ、あらマカちゃん。奇遇ねーすっごく奇遇。もーホント偶然。休日に会うなんて珍しいわねー」
看護師「お姉ちゃん、バレるからやめて」
兄「えーっと……貴女達も妹に何か言われて来たんですか?」
看護師「え!?いや、何も言われてませんよ!?ただ、いい感じにデートを盛り上げてくれたら、兄さんで処女捨てさせてくれるって言われて……///」
兄「何を言ってやがるんだアイツは」
先生「私は生徒の半分と関係持ってるって事黙ってくれるって言われて……」ガクブル
マカ「先生、もう諦めよう。それ隠すのムリだよ」
兄「ハァ……まあ、映画見るだけだから、隣にいても何も出来ないだろ」ドサッ
マカ「まあ、そうだね」トスッ
看護師「……実際その通りだよね、お姉ちゃん。どうするの?もうすぐ映画始まっちゃうけど……?」ヒソヒソ
先生「大丈夫。映画館の暗闇でも出来る事はあるわ……ほら、映画館といったらポップコーンでしょ?」ヒソヒソ
看護師「?……うん」ヒソッ
先生「暗闇でこれを取るフリをして……私は兄くんのチ○ポを取るわ!!!」ヒソオッ!
看護師「ねえお姉ちゃん、二人のデート盛り上げるんだよね?なんで一人だけ盛り上がってんの?」ヒソヒソ
マカ「ふー、もうすぐ上映かあ……そういや、ブラザー仮面ってどういう話なの?」
兄「ああ、元はアメコミ原作らしいけど……えーっと、パンフによると……」ペラッ
先生「あら、妹ちゃんのお兄さんは映画のパンフレットを先に読むタイプですか」
兄「……まあ、はい(普通に話しかけてきたなあ……)」
先生「それってワクワク半減しません?ほら、相手が処女かどうか知らない方が幸せって事もあるでしょう?」
兄「それ映画関係ねえだろう」
看護師「もー、お姉ちゃん!兄さんは行為前のインタビューが好きなタイプなんだよっ!」プンプン
マカ「この人たち何しに来たの?」
『大変長らくお待たせいたしました。只今より上映致します……』
フ ッ ・ ・ ・
兄「おっ、電気消えた」パクパク
マカ「わー、なんか楽しみになってきたかも」モグモグ
看護師「……ねえ、お姉ちゃん」
先生「何?もう始まるわよ?」
看護師「二人がポップコーン食べてるの見てたらさ、私も何かつまみたくなったんだけど……今から買いに行っちゃダメ?」
先生「乳首でもつまんでなさいよ」
看護師「……」ツネリ
先生「……」
看護師「……暗い所で乳首つねると……興奮するね///」
先生「新しい発見が出来て良かったわねー」
兄「あの、黙っててもらえます?」
ジャカジャーン♪
『ついにアイツが帰ってくる!シスター・ウォーズ今夏公開!』ジャジャアーン
マカ「……こういうCM、面白いけど……少し長いよね」ヒソヒソ
兄「ああ。……そういや飲み物買ってなかったな。CM中に買ってくるよ」スック
先生「あら、兄くん。飲み物を買うくらいなら、これを二人で飲んだらどう?」チャポン
兄「……なんですかこれ?」
先生「媚薬に決まってるじゃないの」
兄「その説明で俺らが飲むと思ってんのか」
・ ・ ・
兄「……お待たせ、マカちゃん。飲み物買ってきた」テクテク
マカ「もー、遅いよお兄さんっ。映画始まっちゃう所だったよー?」
先生「……」
兄「悪い悪い。ほら、マカちゃんのジュース――……」
先生「ていっ」ゲシッ!
兄「うおっ!?」グラッ!
マカ「お、お兄さんっ!?危な――……!!」
兄(なっ、足を引っ掛けられて、転ッ……!)ヨロッ……!
先生(フフフ……転んでジュースをマカちゃんにぶっかければ、服がスケスケエロハプニングになる事間違いなしよ!そして身体が冷えたマカちゃんに自分の服をあげる兄くん……これは二人の距離が急接近の予感だわ!!!)
兄「おっとっと……っとぉっ!?」ヨロヨロ……
バシャアッ!!
看護師「」ザバーッ!!!
先生「って何でアンタがぶっかけられてんの――!?」ガビビーン!
看護師「…………」ポタ、ポタ……
先生「……えーっと……」
マカ「……あの、大丈夫……?」
看護師「…………」ビッチョリ
兄「……ええと、その……本当に、すみませんでし――……」
看護師「年下の子に水攻めされるなんて……ああん!超気持ち良い///」ポッ///
兄「マカちゃん、今から違う席に変えない?」
ドドーン!ドーン!
『きゃー!助けてーブラザー仮面ー!!』
『私が来たからにはもう大丈夫だ!とうっ!』
ドッカーン!
兄(……普段は妹に舐められっぱなしの冴えない兄が、町の人のピンチにはヒーローとなって戦う話、か……)
マカ(ふーん、結構迫力あるアクションシーンじゃん)
先生「……なかなか良い映画ね」ボソッ
看護師「あ、お姉ちゃんもそう思う?子供向けかと思ったけど、さすがハリウッドだよねー」
先生「いや、さっき出てきたショタっ子、ち○ぽ嘗め回したいくらいタイプだと思って」ジュルリ
マカ「性欲しか頭に無いんかい」
兄「……う、」
兄(子供向けのアクション映画かと思ったけど、恋愛描写もあるのか……キスシーン始まったぞ)
兄「……」
兄(……な、なんか……こういうの気まずいよなぁ。みんなはどういう反応を――……)チラリ
マカ「……陳腐だね」ハァー
看護師「純愛とか……見てると胃がキリキリと……!」キリキリ
先生「ショタ以外興味無いわ」フウーッ
兄(えーっ全員興味無しー?)ドビーン
ドカーン!
『こうして、世界はまた彼の手によって救われたのだった……』
ジャッジャーン♪
マカ「終わりかぁ。……結構面白かったねー」
兄「そうだな。じゃ、そろそろ行こうか?」
マカ「あ、待ってよお兄さん。最後までエンドロール見ていこうよ」
兄「え?……別に見なくても良くないか?」
マカ「こうやって余韻に浸るっていうのもいいもんだよ。それにエンドロール後になにか映像あるかもしんないし……」
先生「ポロリもあるかもしれないしね!!!」
兄「無いだろ」
看護師「どうしよう、お姉ちゃん……さっき乳首つまんだ時に、ニプレス落としちゃった……」
先生「ポジティブシンキング。ポロリのチャンス到来よ。わざとらしく兄くんの前で前かがみになりなさい」
兄「さあーそろそろ出ようっかマカちゃん!」
・ ・ ・
妹「いやー、プリンセス☆ぷりんはやっぱりサイコーだね、心愛ちゃん!」ホクホク
ココア「ええ。アクションシーンもさることながら、昼ドラのようなドロドロした日常パートもまた濃厚で……」
妹「おっ、心愛ちゃん語れるねーっ。じゃあさじゃあさ、さっきの劇場版のあの人妻の事なんだけどさ……」
ココア「あの人でしたらアニメの6話で――……」
ペチャクチャ……
妹「……へーそうなんだー!やっぱりあの子が隠し子だったんだねー!」
ココア「ええ!……あの、ところで妹さん?」
妹「んー?」
ココア「……私達、一体何しに映画館に来たのでしたっけ?」
妹「…………」
マカ「おにーさんっ、ごはん食べようよー、ごはんっ!」
兄「ああ、いいけど……何食べる?」
マカ「……ハァー、ダメだってお兄さん。そーいうのはさー、自分からオススメのオシャレなお店連れてかないと!」
兄「……へ?」
マカ「女の子はさ、男の子に引っ張ってもらいたいモンなんだから!」
兄「……あ、ああ……うん。ごめん……」
マカ「……ふふっ、いいってお兄さんっ。じゃあさ、マカ美味しいイタリアン知ってるから。そこ行こっ?」ニコッ
兄「イタリアン、か……楽しみだ」
ギュッ!
マカ「……えへへ……」テレテレ
兄「……」ニコッ
テクテク……
妹「……このスレをご覧の皆様、閲覧しているスレは『妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」兄「その3」』という最低なタイトルのスレで間違いありませんので、どうか安心してご覧下さい」ペコリ
ココア「妹さん、どなたに頭を下げているのですか?」
カランカラン……
兄「おお……なかなか良い雰囲気の店……」
マカ「ここのアクアパッツァすっごく美味しいんだよ。日毎に使ってる魚違っててさ、毎日来ても飽きないのっ!」
兄「へえー……(……何?あくあぱっつあって?)」
マカ「マカもよくパパに連れてきて――……あ!いやその!……か、家族で来ててさ?よく来るんだーこの店!」アハハ……
兄(……深くは聞くな……マカちゃんも頑張ってるんだ……!!)
漁師娘「はいさい!お好きな席にどうぞーっ!」
兄「…………」
マカ「……どうかした?お兄さん」
兄「……………………」
マカ「……え、まさかまた知り合い?」
兄(頭痛くなってきた……)
マカ「お兄さんに女の人の知り合いがいてもいいけどさぁ……ちょっと数が多いんじゃあないかなあ?」ジトーッ
兄「違っ……この人あれだから。前に沖縄の市場で買い物した時にいた人だから」
漁師娘「妹ちゃんに呼ばれて、二人をいいムードにするために来たぞー」
兄「あいつ見境なく呼んでやがるな」
マカ「えっと……飛び入りのバイトって事?お仕事大丈夫なんですか?」
漁師娘「なんくるないさ!自分完璧だからなー」
兄「はあ……」
漁師娘「ちなみに完璧っていうのは、『輪姦・ペッティング・キス』の略で――……」
兄「お前は何が言いたいんだ」
マカ「まあいいや。じゃあ、注文していいですか?」
漁師娘「おー!お伺いするぞー!」
マカ「えっと、季節の魚を使ったアクアパッツァと、若鶏のポワレと、完熟トマトの冷製パスタと、あとはー……ジンジャエール2つ、お願いしまーす」
兄「……」
漁師娘「お、おおー……えっと、ゴーヤーチャンプルーと……」カキカキ
兄「待て最初から間違ってる」
――その頃、兄たちから離れた席……
妹「……ね、ねえ心愛ちゃん」ヒソヒソ
ココア「?どうかしましたか?」
妹「二人の様子を見るためにお店入ったはいいけど……この店すっごく高いよ?どうしよう……」
ココア「へ?……高い、ですか?」ハテ?
妹「え?」
ココア「あの、すみません店員さん。どの料理を頼めばいいのかわからないので……とりあえず、ここからここまで全部持ってきて下さいますか?」ニコリ♡
妹「うおおおおぅ……金持ちじゃあ……!」
兄「うん、美味しいなこの料理……えっと、アクアパッツァだっけ?」
マカ「うんっ!魚とか貝類を白ワインで煮た料理。美味しいでしょ?スープに魚介のエキスが染みだしててさーっ」
兄「……俺、アクアパッツァってなんか、濡れたピザみたいなモンかと思ってた……濡れおかきみたいな」
マカ「もーっ!そんな訳無いじゃんっ!おにーさんってホント面白いんだからーっ!」ケラケラ
兄「お、おう……」
漁師娘「じゃあ、自分は待機してるから、何かあったらこのボタンを押して呼んでほしいぞっ!ごゆっくりーっ」
マカ「はーい」
兄「……うん、料理は美味しいし雰囲気いいし、静かだしなかなか良い店だな……」
マカ「あれ?まだ来てない料理があるね……さっきの人呼んでみよっと」ポチッ
ヴイーッ!!
漁師娘「あんっ///ま、間違えてバイブのスイッチ渡しちゃったぞっ……んっ///」
兄「くそう早く食ってこんな店出てやる」
妹「んまっ!ここの料理うんまっ!!」モグモグ
ココア「……ねえ、妹さん」
妹「ん?なあにー?」モキュモキュ
ココア「兄さんに様々な人を会わせていますけど……あれ、逆効果なんじゃないですか?」
妹「え?……ウソぉ、そんな事無いでしょ?」
ココア「だって……」
妹「普通目の前でワイ談されたらムラムラしちゃってホテルに直行しない?」
ココア「けど兄さん、脳内童貞ですし……そんな度胸無いのでは?」
妹「じゃあ次の仕掛け人には、強引にホテルまで連れてってもらおうかなー」
兄「おーいお前ら、そろそろ口出していいかー?」
妹「ちょっ……お兄ちゃんっ!あたし達隠れて様子見てるんだからっ!話しかけてこないでよっ!」
兄「隠れるんならもっと頑張って隠れろよ。大量の料理机に並べて大声で話してたらイヤでも目につくわ」
マカ「っていうか、お嬢……こんなに料理頼んだら食べきれないでしょ。もったいないことやめようよ……」
ココア「大丈夫ですわ。私には使用人がいますから」パンパンッ
使用人s「「「お呼びですかお嬢様」」」スススッ
マカ「……いや、それでも量多いでしょ。これ20人前くらいあるよ?」
ココア「私が料理を踏みつけると、彼らは喜んで完食しますわよ?」グシャッ
使用人A「ふおおおーっ!!お、お嬢様がお踏みになられた料理ぃぃーっ!!」ハァハァ
使用人B「俺全部喰う!俺が全部喰ってやる!!!」ハァハァ
使用人C「じゃあ俺お嬢様の足についた料理舐めとるから!!!」ハァハァ
マカ「やめよう。そういうのやめよう」
カランカラーン
妹「あれ?もう出るの?」
兄「お前らとお前の用意した仕掛け人のせいで食欲無くなったわ」
マカ「あのさあ、妹ちゃん……こういう場を用意してくれたのは嬉しいけど……マカたちの邪魔しないでよ」ジトッ
妹「べ、別に邪魔してる訳じゃないよ?ただ二人を良いムードにしてあげよーと……」
兄「呼び出しスイッチに代わりにバイブのスイッチ渡されて良いムードになると思うか?」
妹「め、珍しく正論だね……童貞のくせに」
兄「お前本当ブン殴るぞ」
妹「わかった。本当にわかったから……もう二人追いかけるのはやめるっ!」
ココア「ええ、そうしましょう妹さん」
兄「……本当だろうな?」
妹「本当だって。ほら、次のデートスポットに行きなよ。後は若い二人に任せるから……そこのタクシーでも使ってさ」
マカ「……何か引っかかるけど……そうしよっか、お兄さん」
兄「ああ。タクシー使えばコイツらから離れられるだろ……」
ガチャッ
兄「あの、すみませー……」
イン「はいお客様。どちらまで?」シレッ
兄「……」
マカ「……」
妹(ふふふ……インストラクターさんは運転の天才で観光名所の案内も得意っ!この街の名所という名所を紹介しながら、さりげなーく自然ーにラブホの前で止めるという技術を持っている!今までの仕掛け人で高まった雰囲気をここで一気に爆発させるっ!これで童貞のお兄ちゃんも肉食のケモノになって、マカちゃんの次はあたしの処女を――……)
イン「……申し訳ありません、妹さん」
妹「……あれ?インストラクターさん?……タクシーは?」
イン「……兄さんとマカさんが……反対側のドアから走って逃げてしまいまして……」
妹「えっ」
タッタッタッタ……
兄「ハァ、ハァ……!よし、追ってきてないな!?」
マカ「うんっ!ハァ、ハァ……ねえ、お兄さんッ」
兄「うん?何……?」
マカ「なんかさっ……ハァ、ハァ……結ばれない二人が愛の逃避行って……ドラマとか映画みたい、だねっ……!」
兄「……んな事言ってるヒマあったら……もっと、走れって……!」
マカ「もーっ、お兄さんってば、恥ずかしがり屋なんだからっ!」
タッタッタッタ……!
イン「申し訳ありません。初々しい二人を見ていたら、その……少しイラッと来まして」
ココア「どういう理由ですか?それは」
妹「……くっくっくっく……ふふふふふ……アーッハッハッハッハッハ!」
ココア「おおっ?悪役特有の三段笑い……?」
妹「ははははは!逃げられると思ったら大きな間違いだよお兄ちゃんっ!心愛ちゃん!例のもの準備っ!!」
ココア「あ、はいっ!では……ぽちっとな」ピッ!
兄「――……ハァ!ハァ……こ、ここまで走ったら大丈夫か……?」
マカ「ふう、ふう……あー、疲れた……」
兄「すまん、マカちゃん……せっかくのデートなのに、さ」
マカ「あ、大丈夫っ。疲れたけど、それ以上に楽しかったよ?」ニコッ
兄「……なら、いいんだけどさ……」
マカ「ふふっ、お兄さんったらまた照れてるーっ。照れ性なんだね?かわいーっ♪」
兄「べ、別に照れてねえっつうの。ったく……」
……バラバラバラバラ……
兄「……?」
マカ「?……何の音……?」
バラバラバラバラ!
使用人D「見つけたかー!?」
使用人E「いえ、見つかりません……奴ら相当逃げ足が早い……!!」
使用人F「いいか!何が何でも探して捉えろ!発砲も許可するッ!!見つけ次第拘束するんだーッ!!」
バラバラバラバラ!
兄「……なんか、空にオ○プレイみたいなんが数機浮かんでるんだけど……」
マカ(あのアホお嬢……何呼び出してんの……!?)
マカ「逃げよう!お兄さん、これ本当にヤバいよ!見つかったら消されるよマジで」
兄「いやここ日本だよな?消されるって何?デートごっこしてただけで命の危機?」
マカ「とにかくっ!一刻も早くここから離れないと……お嬢の持つ兵力は、個人としては世界有数なんだから」
兄「どういう事だオイ」
マカ「見つからないように、抜き足差し足忍び足で――……」
使用人G「見つけたぞォ――ッ!!」
兄・マカ「「!!!」」
使用人H「躊躇するな、撃てェ――ッ!!」
使用人s「「「ファイヤーッ!!」」」
ドッカァ――ン!!!
マカ「キャーッ!!?」ガラガラガラッ!!
兄「無茶苦茶だーッ!!?なんで撃ったんだあいつらッ!?」
使用人I「あいつお嬢様のお気に入りのくせして、ロリギャルっ娘に手ェ出してますよ。許せませんね」
使用人J「万死に値する。慈悲はない」
兄「逆恨みかよ!!?」
使用人K「第二弾!放てェ――!!」
ドォーン!!
兄「くっ……マカちゃん!」
マカ「えっ!?」
ギュッ!!
兄「走るぞッ!あいつら小回りはきかないみたいだから、走って逃げようッ!!」
マカ「う、うんっ!!」
タッタッタッタ……!!
マカ(お兄さんの手……大きくて、頼もしくって……あったかい……)
・ ・ ・
兄「……はぁ、はぁ……やっと撒いたか……」
マカ「ふうー、さすがに……疲れたね」
兄「本当悪かった。うちの妹のアホな考えのせいで、散々な目に合わせちゃって……」
マカ「ううん。なんかハリウッド映画みたいで、楽しかったよ?」ニコッ
兄「ポジティブだなあ……」
マカ「見て、お兄さん。この公園海が見えるよ」
兄「ああ……走って逃げてる間に、夕方になっちまったなあ……」
マカ「うん……夕日が海に反射して、綺麗……」
兄「……」
マカ「……」
ミャアミャア……
兄「……マッ……」
マカ「?」
兄「…………マ、マカちゃんの方が……綺麗、だぞ?」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
兄「……ごめん、今の忘れて」
マカ「……ぷっ!あはははははは!何今の?お兄さんっ?」ケラケラ
兄「違っ……元々このデートは、マカちゃんの恥ずかしがり屋治すためのモンだろ!?そのためにだな……」
マカ「ああうん、恥ずかしいよ。くっさい台詞真顔で言っちゃうお兄さんが……ぷぷっ!」
兄「あーもう忘れろ。忘れてくれ頼むから……」
マカ「あはは……お兄さん」
兄「なんだよ?」
マカ「ありがとうねっ?」ニコッ
兄「っ……フン」
ザザーン……
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……お兄さん?」
兄「うん?」
マカ「……今のさ、ホント?」
兄「……何が?」
マカ「…………なんでもないっ」プイッ
兄「……」
マカ「……」
兄「……綺麗だよ」ボソッ
マカ「…………えへへ……」テレッ
マカ「……」
兄「……」
ザザン……
マカ「……ねえ、お兄さん?」
兄「何?」
マカ「……これからどうするの?」
兄「……どうするって……家帰ったら妹が待ち構えてるだろうしなあ。とりあえずもう少し、ほとぼりが冷めるまで……」
マカ「マカね」
兄「ん?」
マカ「……今日、家帰らないって……言ってきたの」
兄「……へ?」
マカ「……」
兄「……えっと……?」
マカ「……」
兄「……」
ザザァン……
兄「……それは、どういう……?」
マカ「ねえ、お兄さん……逃げないでよ」
兄「えっ」
マカ「わかってるんでしょう?ホントは……」
兄「……」
マカ「マカね、最初はお兄さんの事……何とも思ってなかった」
兄「……」
マカ「けど、お兄さんは、なんていうか……やさしくて、純粋で、マカの事を一人の女の子として見てくれる……特別な人だった」
兄「……いや、全然特別でもなんでも……」
マカ「他の人はね、お兄さん……マカの事、『肉べんき』って思ってるんだよ?」
兄「……」
マカ「……お兄さん以外の人は、ね」
兄「……マカちゃんには、妹とか心愛ちゃんとかが……」
マカ「あははっ、そうだったらいいんだけどね」
兄「……」
マカ「……」
マカ「……けどさ、お兄さんは純粋で、奥手すぎるから……ハッキリ言うね」
兄「……」
マカ「マカは……ううん、私は……お兄さんの事が好き」
兄「……」
マカ「こんな汚れた私でも、お兄さんの事は、本当に好きなの」
兄「……」
マカ「……」
ザザァン……
兄「……」
マカ「……」
兄「……」
マカ「……」
ザザァン……
兄「……えっと、俺は――……」
マカ「待って」
兄「……え?」
マカ「……その先は、言わなくていいよ。答えはもう、わかってるから」
兄「!……」
マカ「……知ってるんだ、私。……お兄さんには、私以外に、もっともっと好きな人がいるって事」
兄「……え?いや……え?」
マカ「……ふふっ、今は何の事かわかんないかもだけど」
兄「……うん。だって……そんな相手なんか……」
マカ「……いつかきっと、思い出してあげてね?」
兄「……え?」
マカ「ずっとずっと、待っているんだよ?……その人は」
兄「……誰の話だよ、それ……?」
マカ「……」
兄「……もしかして、妹――……?」
マカ「あーあっ!もうこんな時間だよ、お兄さんっ!日が暮れる前に家帰らないとっ!」
兄「えっ?……あ、ああ……」
マカ「……ふふっ」
マカ「お兄さん、私……決めたよ」
兄「……?」
マカ「私はね――……」
…………
…………
オジサン「オッホン。えーっと……電話をくれた時は何事かと思ったけど……マカロンちゃん」
マカ「……」カチカチャ
オジサン「またこうして会ってくれた、という事は……」
マカ「……」ズズーッ
オジサン「……アイドルになってくれる、という事だね?」ズイッ
マカ「……」
オジサン「いやあ、嬉しいよ!君みたいな可愛い娘だったらすぐにトップアイドルになれる!オジサンが保証する!」
マカ「……」
オジサン「まあ、最初の頃は営業等で日本中を飛び回るかもしれないけれど、なあに旅行だと思って気楽に構えてくれていい!あ、いかがわしい営業なんかは一切やらせない。安心してくれ」
マカ「……」
オジサン「じゃあ、契約書や親の同意なんかが必要なんだけど……ああまず事務所を紹介する方が先かな?ここから少し遠いのだけど――……」
マカ「……あの、オジサン。……テンション上がってる所悪いんだけどさ?」
オジサン「うん?何かね?」
マカ「マカ……アイドルの仕事は、お断りします」
バン
オジサン「!!……!?」
マカ「じゃあ。そういう事だから……もっとほかの人見つけてください」ペコリ
オジサン「なッ……何故かね!?」
マカ「……何故?って……」
オジサン「君はトップアイドルになれる!その資格がある!容姿!物怖じしない態度!人々の心をつかむ仕草!普通の娘には無いものを全て持っているんだよ!?何故――……?」
マカ「うーん……強いて言うなら……」
マカ「オジサンが、この町の人じゃないからかな?」
ニコッ♡
オジサン「…………へ?」
トントンッ
オジサン「……え?何?」クルッ
インストラクターさん「…………」
ド ン
オジサン「えっ?……いや、貴方誰――……」
イン「……」
ガシッ!
オジサン「いや、ちょ!なんで引っ張るんだ!?待て待てどこへ連れて行く!?あっ!ちょ、そこを触るのは、あっ!あっ――」
ア゛――ッ!…………
マカ「…………」
イン「……ふう、中年にしてはなかなかでしたね」ツヤツヤ
マカ「あのさ、インストラクターさん……ヤリすぎ」
イン「こうでもしないと、口封じにならないでしょう?」
マカ「いやまあ、そうなんだけどさあ……」
イン「……」
マカ「……」
イン「……良かったのですか?」
マカ「ん?……何が?」
イン「アイドルになれば……この町から、抜け出す事も出来たのでは?」
マカ「……いいよ。マカはそんなガラじゃないし」
イン「……そうですか」
マカ「それに……マカ、決めたから」
イン「……何をです?」
マカ「変な手使わず、正攻法で、お兄さんを落としてみせるからっ!」
イン「……茨の道ですよ?」
マカ「わかってる」
イン「……怒られちゃいますよ?」
マカ「怒られないようにする」
イン「他の人に先越されちゃいますよ?」
マカ「……一番その可能性高い、インストラクターさんに言われてもなあ……」
イン「ああ大丈夫。私はまずフェラで落とそうかと思ってますから」
マカ「何が大丈夫なんだろう」
イン「まあ、頑張ってください。……応援してます」
マカ「うん。……インストラクターさんも」
イン「はい?」
マカ「頑張ろうね。……この町で」
イン「……ええ、この町で」
…………
…………
妹「ねえお兄ちゃん」
兄「んー?」
妹「もう何度目かわかんないけどさ……主人公って誰だっけ?」
兄「いや知らんがな」
(マカちゃんデート編終了。もうちょっとだけ続くんじゃ)
妹「深刻なるヒロイン力不足です」
バ ン
兄「……何?いきなり」
妹「お兄ちゃん、あたしはメインヒロインなんだよ?説明書開いたら一番最初のページで紹介されてるような娘なんだよ?」
兄「何の話それ」
妹「なのにさあ、あたしメインの話はなくって、心愛ちゃんとかマカちゃんばっかりメインに取り上げられて……」
兄「……」
妹「……ズルくない?」
兄「だから何の話って聞いてんだけど」
妹「これからあたしのヒロイン力を上げようと思います」
兄「……はあ」
妹「少年漫画でお約束の、修行編だね!」
兄「……少年漫画で修行編は、基本的に人気無いんだけどな」
妹「修行してヒロイン力を上げれば、もー他のみんなとか相手になんないからねーっ」フンスッ
兄「……そんなに強くなるのか」
妹「もちろん!心愛ちゃんもマカちゃんも、赤子のアレをひねるより簡単に――……」
兄「何で今『手』を代名詞にした?」
妹「じゃあちょっと、お兄ちゃんコレつけて」ハイ
兄「……何?このメガネみたいなの」
妹「ヒロイン力測定装置。またの名をス○ウター」
兄「おい大丈夫かこのアイテム」
妹「それをつけたら現在のあたしのヒロイン力がわかるはずだよ!さあ、今のあたしの溢れんばかりのヒロイン力は!?」
兄「……たったの5」
妹「ゴミじゃん!!」
妹「ぐぬぬ……ま、まあいいや!これからヒロイン力を上げればいい話だし!」
兄(っていうかこのスカ○ター、本当に信じていいのかよ……?)
妹「まずはヒロインとしての、キャラを作っていこうかなー」
兄「3スレ目にしてか」
妹「前から思ってたけど、あたしキャラ薄いよね?敬語妹でもなければ暴力系妹でもない、フツーの妹だし」
兄「普通の妹は下ネタを言わん」
妹「これからあたしは『ツンデレ系妹』というキャラでやっていこうと思います!」
兄「はあ……どうぞ」
妹「じゃあ、コホン。……かっ、勘違いしないでよねっ!お兄ちゃんの事なんか、異性として見てないんだからっ!」
兄「……」
妹「お兄ちゃんなんて立派な肉バイブとしてしか見てないんだからっ///」
兄「オーケー、そのキャラやめようか」
妹「ヒロインって言ったら、やっぱりアレだよね」
兄(ツンデレキャラはもういいのか……)
妹「魔王に捕まって、助けを求めるってヤツ!で、王子様が助けにくるの!!」
兄「また古典的だなぁ」
妹「……と、いう事で、お兄ちゃん」
兄「何だ?」
妹「あたしちょっとインストラクターさん所行ってくるね」
兄「絶対に助けに行かないからな?」
・ ・ ・
兄「……って言ったが……妹が家出て3時間も経ったな。もうすぐ晩御飯だし、連れ戻すか……」
テクテク……
兄「……しかし、あいつ何処に行ったんだ?インストラクターさんって何処に住んでるんだよ……?」
ココア「……あら?お兄様ではないですか」ヒョコッ
兄「あっ、心愛ちゃ――……」
ピピピピピピッ!!
兄「!?……ひ、ヒロイン力2万……!?スカ○ターの故障かッ!?」
ココア「?……何を言ってるのですか?」
兄「ああ、ごめん。今ちょっと妹と……まあ、遊んでてさ」
ココア「へえー。……しかし、お兄様?」
兄「ん?どうかした?」
ココア「……肝心の妹さんがいらっしゃらないようですが……?」キョロキョロ
兄「ああ、なんか魔王に捕まってるらしくて」
ココア「マラをつかんでる??」
兄「その発言でなんでヒロイン力高いんだよ」
ココア「まあ!妹さんは今、憎き悪の大魔王・サヤカさんに捕まっているのですね……!」
兄「うん……何?その設定」
ココア「こうしちゃいられません。早く助けに行きましょう、お兄様!」フンス
兄「けど、どこに捕まってるのかわかんねえんだよ」
ココア「あら、お姫様が閉じ込められているのは、お城と相場が決まっているものですわ」
兄「……城なんて無いと思うんだけど」
ココア「ほら、ホテル♡ロイアルキャッスルというお城が――……」
兄「ラブホじゃねえか」
ココア「私が仲間となったからには、大船に乗ったつもりでいてください」ムフーッ
兄「……はあ」
ココア「……信じておりませんわね?お兄様?」ジトッ
兄「いや、そんなんじゃないけど」
ココア「何を隠そう、私は賢者の職業に就く者なのです!」
兄「へえー……RPGっぽい設定だな」
ココア「お兄様とお話するだけで、何回も絶頂しておりますから///」ビクビクンッ
兄「心愛ちゃん、さっきからヒロイン力すげえ下がってるんだけど」ピロローッ
ココア「はやく助けに行きませんと、お兄様っ。妹さんの貞操の危機ですわっ」
兄「……あいつ自分からインストラクターさん所行ったんだけどなあ」
ココア「インストラクターさんは男女問わず童貞・処女を奪う性欲モンスター……今こうしている間にも、妹さんは辱めを受けているのですよ!?」
兄「うわぁめちゃくちゃ行きたくねえ」
ココア「もしかすると、道中魔王の手先が襲ってくるかもしれませんわね……気を引き締めないと!」キョロキョロ
兄(ノリノリだなあ心愛ちゃん……)
テクテク……
マカ「……んぁ?お嬢じゃん」ヒョコッ
兄「!」ドキリ
ココア「出ましたわね……モンスター、サキュバス!!」ビシッ!
マカ「えっいきなり何?」
ココア「隠しても無駄ですわっ、貴方はマカさんの姿をしておりますが、その正体は魔王サヤカさんの手先ですわねっ!?」
マカ「いや何の話かわかんないんだけど。……っていうか、その……」チラッ
兄「……お、おう。マカ……ちゃん」ドキドキ
マカ「……おっ……お兄さん、じゃん……///」カァァッ
ピピピピピピピピピ!!!
兄(!?馬鹿な……ヒロイン力5万……10万……まだ上がるだとっ!?)
ボン!!
兄「!!……ス○ウターが壊れた……!」
ココア「あ、大丈夫ですわ。スペアがありますので」スッ
兄「何でスペアがあるんだよ」
・ ・ ・
マカ「……へえー。妹ちゃんったら、まーた変な遊び考えたねえ」
ココア「ええ。そして貴方はサヤカさんの手先っ!いざ尋常に勝負っ!」ビシッ
マカ「いや戦わないから。勝手に敵にしないでよ」
ココア「……では、味方という事でしょうか?」ハテ?
マカ「味方?うーん……そうだね……」チラッ
兄「……え、何?」
マカ「……その、さ……お兄さんが、どーしても……どぉーしてもっ!って、頼むなら……味方になってあげてもいいけど?」
兄「……え?」
マカ「……」モジモジ
兄「……あ、いや、その……」
マカ「……何?」ドキドキ
兄「……別に、こんな遊びに無理に付き合わなくてもいいんだぞ?マカちゃん……」
マカ「!……どーしてそんな事言うのっ!?」
兄「えっ!?……あ、その……ゴメン」ペコリ
マカ「!……あ、いやその!違くて……マカ別に、ムキになってないし!遊びだもんね。仲間はずれにされたって――……」
兄「……」
マカ「……」
マカ「……嘘。ごめん……マカ、お兄さんと、一緒に遊びたい……」
兄「……」
マカ「…………ついていって、いい?」グスッ
兄「……あ、ああ……」
マカ「……えへへ……やったぁ」ニコッ
ッビビビビビビビ!
ココア(ヒロイン力53万……!?オシマイだ……勝てる訳がありませんわ……!!)ガクガク
兄「なあ心愛ちゃん、スカ○ターのスペア何個持ってんの?」
ホテル♡ロイアルキャッスル――
イン「よく来ましたね、皆様……今は『勇者ども』と呼んだ方が良いでしょうか」
バン
兄「……」ピピピッ
ココア「くうっ、なんという妖気……これが大魔王サヤカさんの力っ!?」ガクブル
マカ(お嬢、ノリノリだなー……)
兄「……インストラクターさん、ヒロイン力260ありますよ。意外と高いっすね」
イン「ほお、ピッコロ大魔王と同じくらいですね」
兄「いやそこまでは知らんが」
イン「ピッコロ大魔王といえば、某有名漫画には欠かせないキャラクターですね」
兄「それもうタイトル隠す必要無くね?」
イン「最初は主人公の壁として立ちはだかり、戦いを通じて仲間となる……」
兄「はあ」
イン「確かに私は、ピッコロ大魔王と共通点が多いかもしれません」
兄「……そうですか?」
イン「ほら、私今日排卵日ですし」
兄「それのどこが共通点だ」
兄「……っていうか、インストラクターさん」
イン「サヤカ♡って呼んでくれてもいいですよ?」
兄「……なんでラブホにいるんですか?」
イン「ああ、私今この部屋に住んでいるんです」
兄「なんでラブホをチョイスしたんだよ。ビジネスホテルとかあるだろうが」
イン「そりゃあ、連れ込んで寝るのに丁度いいですし」
兄「うわこれ絶対高校生と小学生がいていい所じゃねえよ」
マカ「ねえお兄さん……一応マカたち、妹ちゃんを助けに来たんでしょ?」
兄「あ、そうだった……インストラクターさん、妹をどこにやったんだ?」
イン「ふふふ……妹さんなら、もう貴方達の所へ戻る事は無いでしょう……!」
兄「なっ……!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
イン「回転ベッドに夢中になっていますので」ホラ
妹「きゃー!きゃー!すごいよお兄ちゃん!クルクル回ってるー!!」キャッキャッ
兄「アトラクションじゃねえんだぞ」
兄「ほら、そろそろ晩御飯だから家帰るぞ。父さんメシ作って待ってるから」
妹「待ってお兄ちゃん!ヒロインを助け出すには、魔王を倒さないと!」
兄「ええー……もういいだろ、その遊びは」
妹「ほらほら、早くサヤカさんを倒すたおす」
イン「さあ、かかってきなさい」フフン
兄「かかってこいって言われても……」
イン「あ、かけてもいいんですよ?」
兄「何を?いや言わなくていいわ」
兄「……仕方ないな。攻撃するフリくらいはしとくか……」
イン「ほお、やる気になりましたか」
兄「行くぞ。と……とおーっ!」ユル~ッ
イン「……」ジトッ
兄「……あ、アレ?」
イン「……何ですか?その攻撃は。パンチのつもりですか?」
兄「いや、だって……こういう遊びだろ?」
イン「対決方法は『バトルファック』に決まってるじゃないですか!!」
兄「だったら俺の負けでいいよもう」
兄「はあ……もういいわ。先帰ってるからな……」トボトボ
妹「ちょ!ちょちょちょちょっと待ってよお兄ちゃん!あたしをこのまま置いていく気!?」
兄「うん」
妹「このまま囚われのヒロインを続けろっていうの!?」
兄「まあ……そうなる」
妹「ヤバいよお兄ちゃん……あたし、この短い間に気づいたんだけど……」
兄「……なんだよ?」
妹「囚われの身って、出番めっちゃ少なくなる!!!」
兄「お前もうヒロイン無理なんじゃねーの?」
ココア「諦めないでください!妹さん、お兄様!」バン
兄「うわーノリノリの子が出てきちゃったよ」
ココア「今こそ皆の力を合わせて、合体技を使う時!ラスボス戦でのお約束ですわ!」
妹「おおっ!燃える展開だねーっ!」
ココア「さあ、マカさんも!力を貸してください!」
マカ「えーっと……対決方法って、バトルファック……なんでしょ?」
ココア「?……ええ、そうらしいですわね」
マカ「じゃあ、みんな下がっててよ」
兄「……へ?」
マカ「……マカ一人で十分だから」
ザッ!
マカ「……っていうか、足手まとい……皆を守りながら戦えるほど、マカは器用じゃあないよ……」
イン「フフフ……ついに貴女と戦う時がきましたか……これは、気が抜けないですね……!」
マカ「……」スッ
イン「……いざ、尋常に……」スッ
マカ・イン「「……勝負」」ギラッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
兄「……何この展開」
・ ・ ・
(なんだかんだで、妹は助け出しました)
兄「……一時はどうなるかと思ったぞ。……この話の展開が」
妹「ごめんねーお兄ちゃん。どうやらマカちゃんの中にある、戦闘民族としての血が騒いだらしくって……」
兄「あの娘はサイヤ人か何かか?」
イン「そういえば、サイヤ人の由来は野菜だそうですね」
兄「?……はあ。それが?」
イン「私、野菜大好きなんですよ。入れるのが」
兄「もうアンタは口を開くな」
妹「まー色々あったけど!これであたしのヒロイン力はうなぎ登りってヤツだね!」
兄「……どうだろうなあ……」
妹「嘘だと思うなら、スカウ○ーで確認してみてよ!ほらほら、あたしの溢れ出るヒロイン力はどのくらい?」
兄「……!!……妹、お前……す、すごいぞ!!」ピピピピ!!!
妹「えっ!?な、何なに!?」ドキドキ
兄「……値がマイナスになってる……」ピロロー
妹「それってどういう事!!?」
…………
マカ「……ハァー、妹ちゃんったら本当、お騒がせなんだから……」
マカ「……っていうか、こんなオモチャで本当に、ヒロイン力?とかいうの、わかる訳ないじゃん……」
カチャッ
マカ「……ここのボタン押すのかな?……わっ!なんか数字出てきた!」
ピピピ……
マカ「えっと、この近くで一番ヒロイン力が高いのは……」
……ピピピピピピピピピ!!!
マカ「……え?……いち、じゅう、ひゃく……億超えてる人がいる!!?一体誰――……!?」
バッ!!
ココア「楽しい遊びでしたわねえ、マカさん?」
ニコッ
マカ「!…………」
ココア「?……どうか、しましたか?」
マカ「……ううん……」
カチャッ……
マカ「……何も、無いよ……」
…………
妹「お兄ちゃん!新生活シーズンだよっ!」
兄「今6月なんですけど」
妹「うう……仕方ないじゃん、4月はマカちゃんのデートイベントが思いの外長くなっちゃってたし……」
兄「まあ……うん」
妹「仕事忙しくてSS書くヒマなかったし」
兄「メタいメタい」
妹「とにかく、新生活になったって事で、お兄ちゃんは高校二年生になったね!」
兄「ああ、そうだな……」
妹「あたしはグルグル漫画システムの力で、小5ロリなんだけど」
兄「なんでやねん」
妹「ほら、『小5ロリ』って言葉の魔力ってすごくない?ブランド物じゃない?」
兄「犯罪臭しかしねえな」
妹「『小五』と『ロリ』を合わせれば『悟り』になるし」
兄「だからどうした」
妹「あたしはそのブランドをこれからも守っていく所存です」
兄「思わなくていいっつうの」
妹「ママも『永遠の16歳』っていうブランドらしいし」
母「……///」テレテレ
兄「母さんあれか?不老不死の薬でも飲んだの?」
キーンコーンカーンコーン……
兄「俺も高校二年生か……うーん、実感無かったけど、よく見ると……」
ザワザワ
ワイワイ……
兄「……廊下とかに見かけない顔……新入生がいるな。……後輩かあ……」
友「おっす兄。何してんだ?新入生視姦して」
兄「視姦した覚えなんぞ無い」
友「新入生とフラグ建てるには、コケた拍子にスカートの中突っ込んでパンツ頭から被らないといけないぞ」
兄「俺はいつToLOVEるのリトになったんだよ」
女「新しい子が入学してきた事を改めて実感してただけだよねー、兄君っ」ヒョコッ
兄「まあ、そんな所……」
女「私達もセンパイって呼ばれるようになったのかー……なんか、感慨深いね」
友「けど俺たち部活とか入ってないからなあ。後輩とフラグは建たないと思うぞ?なあ兄」
兄「なんでそこで俺に振る」
友「今から部活とか入ったらどうだ?」
兄「流石に二年生からは無いだろう……」
友「……兄、お前もしかして……後輩キャラじゃなく俺を攻略するつもりか!?」ハッ!
兄「どちらのフラグも建てるつもりは無い」
キーンコーンカーンコーン……
兄(後輩、かあ……といっても、友の言う通り俺は部活に入ってないし、一つ下に知り合いもいないし……)
テクテク……
兄(……二年生になっても今まで通り、妹とかに振り回されるだけなんだろうなあ……)ハァ……
「いっけない!遅刻ちこく~~っ!」
タタタタ……
兄「……え?」
「きゃっ!?」
ドシーン!
兄「……痛た……だ、大丈夫ですか?」
美少女「す、すみませんっ!あたし、急いでて……」
兄・美少女「「……え?」」
兄「あ、貴女は……」
兄(お祭りの時に会って、正月に神社で絵馬をかけていた……)
美少女「う、わ!兄先輩っ!?ど、どうしてこんな所に……!?」
兄「いや俺ここの生徒だし」
美少女「ま、まさかこんな所で会えるなんて……あ、あたし嬉しいですっ!」
兄「あ、ああ……そうか。で、大丈夫か?勢い良くぶつかったけど……立てる?ほら、手」スッ
美少女「え、あ、はい……あっ!そ、そのっ!や、優しくしないでくださいっ!」ワタワタ
兄「え?」
美少女「……今ぶつかった拍子にア○ルプラグが奥に入って……優しくされると、イ、イッちゃうからあっ///」ビクンビクン
兄「お前はケツに何か入れとかないと死んじまう病気か何かか」
兄「……あれ?そういや俺、自己紹介した覚え無いんだけど……?」
美少女「ああ、兄先輩の事なら、お姉ちゃんからいつも聞いてますよ」
兄「……お姉ちゃん?」
美少女「ええ!お姉ちゃんの話聞いてるうちに、あたしもその、兄先輩の事気になってたっていうか……」
兄(姉って……こんな可愛い子に似てる知り合いなんて、いないはずだけど……?)
タタッ
女「兄君、何してんのー?授業始まっちゃうよー?」ヒョコッ
兄「あ……女さん」
美少女「あっ、お姉ちゃん」
兄「……えっ」
美少女「えっ?」
兄「え……お姉ちゃん?姉?」
女「はい?……あ、美少女じゃん。何?兄君とお話してたの?……兄君って結構スケコマシだよねーっ」
美少女「も、もうっ!やめてよお姉ちゃんっ///」
兄「……女さんが、姉?」
女「うん。そうだけど?」
兄「……妹?この子が?」
女「あー、まあそんな所」
兄「……全然似てな――……」
女「あ゛ァ?」ギロリ
兄「すみません何でもないです」
女「まあ、美少女は可愛い系って感じで、私はクールビューティーってヤツだからね。仕方ないわよねー」
兄「いや、なんかもう全然違うんですけど。主に顔面」
女「何で全力でケンカ売って来てるの?ねえ?」
美少女「もうっ!やめて下さいよっ兄先輩!あたしとお姉ちゃんって結構似てる所多いんですよ?」
女「そうそう。家族だもんねー」
美少女「性感帯も同じだし」ヴィー
女「オモチャがシェア出来てすっごい得なのよね」ヴィーッ
兄「ケツ壊れてしまえばいいのに」
美少女「あっ!こうしてお話してる場合じゃなかった!授業遅刻しちゃう!じゃあ兄先輩、お姉ちゃん、またねーっ!」
タタタタッ……
兄「ああ。……(まさか女さんの妹だったとはな……なんか、少し嬉しい……かも、な)」
女「……なんか、兄君デレデレしてない?」ジトッ
兄「へ?ん、んな事ないよ。……ほら、俺らも教室戻ろうぜ……」スタスタ
女「……あ、そういや兄君には言ってなかったっけ?」
兄「……へ?……何が?」
女「あの子、『男』よ?」
兄「…………あ゛?」ピキッ
女(兄君が今まで見た事ないような怖い顔してるっ!!)
・ ・ ・
兄「……はぁ……」ドンヨリ
妹「お兄ちゃん、今日学校じゃないのー?あたしの小学校は設立記念日でお休みだけど、高校はそーじゃないでしょー?」
兄「うるせえなあ……ちょっとほっといてくれよ……ハァ……」イジイジ
妹「むむ、元気ないね。……その落ち込み具合から察するに――……」
兄「……なんだよ」
妹「……おしりにバ○ブ入れたら取れなくなった、とか?」
兄「今ケツの話はするんじゃねえ」
ピンポーン!
妹「?……はいはーい」テトテト……
兄「……ハァ……なんだよ、男って……もう何を信じたらいいかわかんねえよ。ハァー……」ウジウジ
妹「お兄ちゃーん?友さんと女さんが来てるよー」ヒョコッ
兄「え?……なんで?」
妹「授業のプリントと、エロ本届けに来たって」
兄「後半いらねえな」
友「おう、兄ー。学校休んでたけど大丈夫か?ほらこれ、授業のプリントとエロ本」
兄「エロ本はいらねえっつってんだろ」
友「そう言うなよ。これ男の娘モンだぜ?」
兄「うわあ殺意しか沸かねえ」
女「兄君ダイジョーブ?……そんなに、美少女が男でショックだったの?」
兄「ああ、まあ……っていうか『美少女』っつってんのに男なのがもう訳わかんねえし」
女「安心して。私は性別女だから。処女は兄君のためにとってあるし!」
兄「テメェはケツ穴ガバガバだろうが」
友「なんだよ、女さんの妹が弟だったからってショック受けてんのかー?」
兄「若干何言ってんのかわかんねえけど、まあそんな所だ……」
友「むしろこう考えろ。『ついてるからこそイイんだ』……とな!」
兄「何言ってんのこの人」
妹「女さん、お兄ちゃん昨日からずーっとこんな調子でテンション低いんです。どうにか元気にできませんか?」
女「まかせて!お尻を開発してメスイキを体験したら全ての悩みがどうでもよくなるらしいわ!」
兄「お前の存在が悩みの種だよ」
女「丁度今、私バイブ入れてるから使っていいわよ」ヌポッ
兄「あーもうコイツ痔が全身回って死なねえかなー」
妹「むう、なんか今日のお兄ちゃん怖い……キレたナイフってやつだね」
女「イヤねえ、一体何が原因なのかしら……」
兄「原因の半分はお前らだ」
友「兄よ……俺にはお前の悩みがよーくわかるぜ」ポンッ
兄「友……」
友「そうだよな……お前にとっては淡い恋だった訳だ。それがこんな形で無茶苦茶になるなんて、やるせないよな……」
兄「……ああ……」ショボン
友「よし……兄、部活しようぜ!!!」
兄「待っていきなり何?」
…………
キーンコーンカーンコーン……
友「……つまりな。昨日も言った通り……お前のそのウジウジした悩みは、運動すれば忘れられると思うんだよ。な?」
兄「……はあ」
友「爽やかな汗流して、青春して、また新たな恋を見つけりゃあいいじゃあねえか。な?だから部活だよ。わかる?」
兄「……まあ、なんとなく」
友「よーし!じゃあどんな部活する?テニスか?サッカーか?あ!軽音楽部とかどうだろう!?」
兄「……友、何を企んでるんだ」
友「…………実は、テニス部に入った童貞の友達が、乱交パーティーでリア充にジョグレス進化しちまって……」グスン
兄「だからどうしたこの野郎」
友「つまりだ!俺らも部活入ったらモテるんじゃね!?んで童貞とかポイ出来るんじゃね!?って事だよ言わせんな恥ずかしい」
兄「知らねえよ馬鹿野郎」
女「っていうか、兄君はモテる方だよね、結構」ヒョコッ
兄「……女さん、いたのか」
女「そりゃあまあ、学校だし」
友「おい兄ィ!お前モテるってどういう事だコラ!俺を裏切るつもりかアァ!?」
兄「面倒くさい絡みすんじゃねえよ。っていうか俺別にモテねえから」
女「そんな事言っちゃってぇ、幼女3人といつでもベッドイン出来るフラグ立てしてるくせに」
兄「自分から立てに行った覚えは全く無い」
友「まあとにかくだ。見てみろよ兄」チョイチョイ
兄「ん?何だ?」
「野球部で青春の汗を流さないかッ!?経験者求むっ!!一緒に甲子園目指そうっ!!」
「陸上部はどうですかー?女性の方はダイエットにもなりますよー!」
友「……ウチの学校は帰宅部が多いからな……この時期でも未だに部活勧誘をやってる」
兄「ああ、そうみたいだな」
友「そこに新しく入部する俺達!高まる期待!手厚く歓迎される至福の一時!」
兄「……はあ」
友「こりゃあもう入るしかねえだろう?俺全く運動出来ないけどさ!!!」
兄「向こうから願い下げだろうなあ」
女「あ、けどさ。別に既存の部に入らなくても、新しく部を設立してもいいのよ?」
兄「あ、そうなのか?」
女「うん。たしか、うちの弟……美少女が、新しいの作るって言ってたけど。人数足りなくて困ってるみたい」
兄「あー……美少女が、か。……なあ友、一度その、美少女の設立する部を見てやるのってどうだろう?」
友「えー、ヤダよ。大勢の女の子からチヤホヤされないじゃん」
兄「お前下心だけで部活入る気かよ」
・ ・ ・
美少女「あっ!兄先輩にお姉ちゃん!あと友先輩も!こんにちはーっ!」
兄「……ど、どうも」ペコリ
女「どう?部員勧誘の方は?うまくいってる?」
美少女「ううん、それが全然うまくいってなくて……ステキな部活だと思うんだけどなあ……」
兄「あー……ちなみに、なんて部を設立する気なんだ?」
美少女「『でん部』っていう部でね、活動内容は主にお尻の開発を――……」
兄「友ォ!!俺はもう帰るぞォ!!!」ゴオッ!!
兄「フーッ!フーッ!」ゴォォォオオ……!
友「兄、落ち着け。なんかすごいオーラ出てるぞ」
美少女「うう……兄先輩が怖い。あたし何も悪い事やってないのに、なんで……?」
女「怖がらなくていいわ、美少女」ポンッ
美少女「あ、お姉ちゃん……」
女「兄君、突っ込むよりツッコまれたかったのよ。たぶん」
美少女「ああなるほど!兄先輩もお尻に興味あったんだ!やっぱり!」
兄「おい友こいつら殺していいか?」
友「落ち着けって本気で」
女「あと、アンタが見た目すっごい普通に女の子だから、混乱してるのよ」
美少女「あ、そうだったの?女の子の気持ちになりきったらメスイキしやすいってだけなんだけどなあ」
兄「どういう事だそれは」
女「せめてほら、キャラ被りだけは避けた方がいいんじゃない?」
美少女「そうだね……じゃあ、これからボクっ娘でいこうかな?」
女「いいんじゃない?今までいなかったし。兄君はどう思う?」
兄「クソどうでもいい」
友「兄よ、お前が突っ込み放棄したらこの世界崩壊するぞ」
兄「友よ、俺はもうダメだ……今激しくこの場に来た事を後悔しているよ……」グッタリ
友「まあそう言うなよ。俺は美少女ちゃんでなら抜けるぜ?」
兄「俺に味方はいないのか」
美少女「で、兄先輩どうですか?ボクといっしょにお尻の開発しませんか?」
兄「今この状況の俺によく話しかけて来たなあ……」
美少女「ボク実は、兄先輩にツッコむのがずうっと夢だったんです……///」
兄「おぞ気がするわい」
兄「とりあえず、こんな部活無理だから。普通に設立出来ないから」
美少女「えーっ……じゃあどこを開発すればいいんですか?乳首?尿道?」
兄「まず部活イコール開発という考えやめろ」
女「そういえば、部員が一定数集まらないと部活と認められなくて、サークルとか同好会っていう扱いになるんだっけ?」
友「あー、まあそういう所もあるらしいけど、部費が出ないんだよなあ……」
美少女「ボク、心はもう兄先輩の家畜だから大丈夫だよっ!」
兄「『ブヒィ!』ってか。やかましいわ」
「ふっふっふっふ……はーっはっはっは!お困りのようだねーっみなさんっ!」バン!
女「だっ……誰ッ!?」
バッ!
妹「なんだかんだと聞かれたら!」ドン!
ココア「答えてあげるが世の情け!!」バン!
マカ「あのさ、妹ちゃん。それすっごく古いと思うんだけど……」ヒョコッ
兄「……なんで高校にいるんだよぉお前ら……」
マカ「ほら、今どきなら妖怪ウォッチとかの方がいいんじゃない?それかもっと最新のセリフにするとかさ……」
妹「マカちゃんダメだよーッ!ロケット団はこのセリフって決まってるんだから!」
マカ「妹ちゃん、歳いくつ?」
ココア「それに、ポケットモンスターは素晴らしいですわよ?ほら、英語圏ではアレのことを指す言葉ですし……///」
マカ「今その話関係ないじゃん」
妹「それに今からお兄ちゃんは『あなをほる』される所だったみたいだし!」
ココア「『かたくなる』で『つのでつく』で『しめつける』のうえに『どくどく』でこうかはばつぐんだ!」
マカ「ちょっと黙ろうか?」
兄「うん。お前ら全員な?」
兄「とりあえず、だ……お前らなんでここにいる」
妹「えーっ、それ聞いちゃう?お兄ちゃんそれ聞いちゃうのぉ?」
兄「いいからさっさと答えやがれ」
マカ「えっと……お兄さんに会いたかったから」ボソッ
兄「……ああ、うん……そうか」
妹「出番が欲しかったからです!!」
兄「お前は欲望に忠実だな」
ココア「実は私、『オタサーの姫』というのに興味があって……」
兄「君は日本文化をどういう風に見てるんだい?」
女「見なさい、美少女。あの娘たちが、兄君を目標にするなら立ちはだかる、恋のライバル達よ」
美少女「うう……聞いていたけど、兄先輩ってモテるんだね」
兄「違っ……そうじゃないから。ていうか一人は妹だから」
友「んな事言って、妹も攻略対象だろ?」
兄「お前は俺をなんだと思ってるの?」
美少女「お姉ちゃん……ボク、負けないよ。あんな小さい娘たちなんかに」キリッ
女「おっ、言うわねー美少女」
美少女「少なくとも……ア○ルに関する知識ならボクの方が勝ってるし!」
兄「もっと他にあっただろ」
妹「ねえお兄ちゃん、新しい部活動作るんだってー?」
兄「ああ、まあ……なんかそういう話になってるな」
女「けど活動内容がまだ決まってないのよね。なんて部活作ろうかしら?」
マカ「そういうのを設立するんならさ、お兄さん達の好きなものとか、持ってるものから考えていったらいいんじゃない?」
兄「……好きなものは、特にないし……持ってるものといったら――……」
ココア「金」
妹「女」
マカ「セックス」
兄「ここは世紀末か何かか」
マカ「そうだお兄さん、マカ達にはほら、強ーい味方がいるじゃん?」
兄「……痴女と変態しか思い浮かばないんだけど」
マカ「いやもうちょっと頑張って思い浮かべて」
妹「あ、わかったマカちゃん!マカちゃんはインストラクターさんの事言ってるんだよね?」
マカ「そう、インストラクターさん!」
兄「インストラクターさん……?あの人が部活と何の関係が……?」
ココア「わかりましたわ。『セックス部』を作るのですね!?」
兄「ボケが雑すぎる」
友「その部はどうやったら入部出来ますか?」ズイッ
美少女「入部させて下さいお願いします何でもしますから」ズズイッ
兄「ちょっと下がってろお前ら」
マカ「ほら、インストラクターさんってさ、ダイビングの先生なんでしょ?」
兄(……その設定すっかり忘れてたな……)
マカ「だからさ、インストラクターさんに顧問をやってもらって、ダイビング部!なんて作るのは、どうかなーって」
美少女「うわあ……いいかもしれないねっ!ボク海好きだしっ!」
女「えー、私は苦手かも」
友「え、そうなんだ?意外ー」
女「ほら、水が茶色くなってs」
兄「今すぐその口を塞げ」
美少女「じゃあその、インストラクターさん?っていう人、今すぐ呼んでみようよっ!」
兄「いやちょっと待って、部外者が顧問とか、普通に無理だろ」
ココア「大丈夫ですわ。私が何とかします。金と権力で」
兄「怖いからやめてほしいなあ」
マカ「あ。マカのスマホ電池切れてる……妹ちゃん、代わりにインストラクターさん呼んでくれない?」
妹「おっけー!すぐ呼ぶねっ!」カチャカチャ
兄「なんで俺のズボン脱がそうとしてんだお前は」
妹「お兄ちゃんの股間から溢れ出る童貞スメルでおびき寄せようと思って……」
兄「あの人はカブトムシか何かか?」
友「あ!俺脱ぐ!俺脱いだらインストラクターさんって人に筆おろしとかしてくれるんじゃねっヒャッホイ!」カチャカチャ
マカ「残念だけど、インストラクターさんホーケーは好きじゃないって言ってたよ」ボソッ
友「身体的特徴ネタにしてイジメんのやめようマジで」
妹「代わりに美少女さん!ちょっぴりスカート持ち上げてもらっていいですかっ!?」
美少女「へ?こ、こう?」ピラッ
イン「クンクン、かぐわしい男の娘の香り……これはレアですね」ザッ!
兄「マジで出てきたよ。もう何なんこの世界」
イン「どうも。愛されるよりも愛したい(マジで)……東恩納サヤカです」ペコリ
兄「……その曲発売した時、俺まだ生まれてないんですけど」
イン「…………え?……えっ」
兄(あ、なんかショック受けてる)
妹「あの、サヤカさんっ!あたし達さ、ダイビング部っていうの創りたいって思ってるんですけどー!」
イン「ダイビング部……校内活動でスキューバダイビングを行いたい、という訳ですか……」
マカ「うん。インストラクターさんにお手伝いしてほしいなあ、って」
イン「皆さん、ダイビングを舐めてはいけませんよ……」
ココア「はい?」
イン「いいですか……ダイビングと!ア○ル開発は!!生半可な知識で行ってはいけません!!!」
兄「何故そのニつを並べた」
イン「最悪、お尻の重要な筋肉が切れてしまって、一生オムツ生活という事に……」
兄「おいそっちじゃなくてダイビングの話しろ」
イン「本当に危険なのですよ?海難事故は毎年何件も起こっており、熟練のダイバーでも死亡する事が――……」
美少女「あのっ!それでもボクたち、本気でダイビングやってみたいっていうか……海を知りたいんですっ!」ペコッ!
友「お願いしますっ!俺達に、ダイビング教えて下さいっ!!」ペコッ!
兄(おお……なんか、熱い展開だな……)
イン「……それなら別に構いませんけど……」
イン「ダイビングやっても、別にモテませんよ?」
友「ぐっ゛」ギクリ
兄「お前いい加減下心捨てろ」
イン「仕方ありませんね……ではダイビング部について考えていきましょうか」
妹「やった!言ってみるモンだねーっ!ねーっ♪」
ココア「ねーっ♪ですわっ☆」
マカ「マカ、そーいうのやった事無いからなー……少し怖い、かも……」
兄(……っていうか、コイツら参加するのは確定なのか……)
女「……あれ?っていうか、インストラクターさんって部外者なんだよね?結局顧問とかどうなるの?」
イン「ああ、私教員免許持ってるから大丈夫ですよ」
兄「何この人万能ー」
イン「いやあ、血気盛んな童貞ち○ぽをいただくために取ったのですが、まさかこんな所で役に立つとは」
兄「性欲ってすげえな」
ココア「……しかし、この学校の教師で無いのでしたら、やはり顧問などは難しいのでは……?」
イン「そう思って、すでに学園長は美味しくいただいて私のコマにしています」
兄「そこまでいくともう怖ェよ」
友「イイイ、インストラクターさァん!!!ここに血気盛んな男子高校生がいますけどッ!ハァハァ、こんな僕をいただいてみる気は無いですかーっ!!?ハァハァ!」
マカ「そういう事言うからモテないんだよ、友さん」
イン「ええと、ダイビング部の事なのですが……その前に」
美少女「?……なあに?インストラクターさん?」
イン「……いやらしい話なのですが、皆様、その……お金はおいくらくらい、お持ちですか?」
妹「……お金?」
ココア「それならいっぱいありますけど……」
友「い、いくら払ったら童貞もらってくれますか!!?」
マカ「ちょっと友さん黙ってて」
イン「いえ、スキューバダイビングはですね、どうしてもお金がかかるのですよ……すでに機材が揃ってるダイビングショップと違って、皆様個人で機材を揃えてもらう事になりますし……」
ココア「そういう事でしたら、私がなんとか――……」
マカ「いやお嬢、全員分は流石に悪いし色々怖いし、自分らで何とかするって」
兄「ちなみにどういった物を買えばいいんですか?」
イン「ええっと、マスク等三点セットに、ウェットスーツにウェイト、BCにレギュ、あとはダイコン等ですかね……」
女「へ?だ、大根?」
イン「ああ、『ダイコン』とは『ダイブコンピューター』の事です。ダイビングのデータを自動的に記録する機械ですね……」
美少女「ビックリしたー。お尻に大根挿して潜るのかと思ったよ」
兄「お前の発想にビックリしたー」
イン「まあ、その他諸々のお金を計算すると……このくらいはかかりますかねえ」スッ
妹「…………」
兄「…………」
妹「……ねえ、お兄ちゃん?」
兄「……何だ」
妹「……これ、スプラ○ゥーンが本体ごと10台は買えるよ?」
兄「ああ。二人合わせたら20台だな……」
(※もちろん、レンタル等をする場合はそこまでお金はかかりません。
安物もありますが、自分の命を守る物なので、最低限良い物は買いたいです。
良い物を買おうとすると再現無く高くなります……ウェットスーツをオーダーメイドにするとか)
妹「……ねえ、お兄ちゃん?」
兄「……ああ、妹……俺、決めたよ……」
妹「うん……」
兄・妹((ダイビング、諦めよう!!!!))バーン
イン「まあ、普通そうなりますよねえ……」
友「諦めんの早っ」
――こうして、ダイビング部は設立とならず、
ただなんとなーく遊ぶだけの部……『でん部』が設立されたのでした。
めでたしめでたし。
兄「名前変えようぜマジで」
美少女「ええー、ステキだと思うけどなあ、ボク」
(部活設立編終了)
キンコンカンコーン……
美少女「第一回!部活動会議を始めまーす!」
……シーン……
友「……」
女「……」
兄「……」
美少女「もうっ!先輩にお姉ちゃん、そこは『おーっ!』とか言ってくれないと!」プンプン
兄「すまん、今何で俺がこの場にいるのか考えてた」
美少女「なんでって……でん部の部員だからじゃないですか」
兄「なんで俺部員になってんだろうね」
友「俺は美少女ちゃんとか女さんがいるから、この部すげー好きだけどなー」ニヤニヤ
兄「一人男だぞ」
女「あと私友の事、道端の石くらいにしか思ってないから」
友「現実は手厳しい!」
妹「もーっ!そんな事はいいからさ、はやく会議始めようよーっ!」プンプン
ココア「そうですわっ!今は大切な会議中ですわよ?」パリパリ
マカ「お嬢、言いながらポテチ食べるのやめよう?」
兄「お前ら小学生なのになんで当然のようにいるんだよ」
マカ「ゴメンねお兄さん、学校終わってからこっち遊びに来たんだけど……」
美少女「ボク達だけでは人数足りなくて部活設立出来なかったから、彼女たちにも部員になってもらいました」
兄「そんなのアリかよ」
イン「そして顧問はこの私です」ガラッ
兄「うわー嫌な人来ちゃったー」
女「何を今更。兄君以外全員ボケなのよ?」
兄「マカちゃん、助けてくれ」
マカ「ごめん、ちょっとマカの手にあまる」
美少女「はーい静かにーっ!さっそく会議進めていきまーすっ!まず、この部の方針なんですけど……」
兄「ああ、これからどんな活動していくか、とかか……」
美少女「まず、ビーズで開発していくっていう方針で良いですか?」
兄「良くねえ」
兄「活動内容はケツの開発じゃねえはずだろうが!お前のその飽くなきケツへの執着心何なの!?」
美少女「えーっ、でもこの部の名前『でん部』ですし……」
兄「俺名前変えようって言ったよな?」
妹「もー、お兄ちゃんワガママばっかり言うのやめようよ。あたしはお尻でもウェルカムだよ?」
兄「俺はウェルカムじゃねえよ」
イン「安心して下さい。私はそちらの開発も詳しいですよ」
兄「安心出来る要素が一つもねえな」
マカ「この部の活動内容って、みんなで仲良く遊ぶっていうのでしょ?何して遊ぶか決めようよー」
友「女遊び」ハイ
女「童貞が何言ってんの?」
ココア「そうですね……もうすぐ夏休みですし、夏らしい遊び等どうでしょうか?」
美少女「……浜辺でガールハント、とか?」
兄「お前発言がオッサンだぞ」
妹「その、がーるはんと?っていうのはともかく、浜辺で遊ぶのはいいかもねーっ!」
美少女「でっしょー?ボクたまには良い事言うでしょー?えへへ~」
ココア「そうですわね。海といったらやはり、インストラクターさんがおりますし……」
イン「ええ。生足魅惑のマーメイド……東恩納サヤカとは私の事です」エッヘン
兄「いやそれは知らんが」
イン「海なら任せて下さい。この付近の海岸でしたら……青姦スポットを全て把握していますので!!!」
マカ「ダイビングのインストラクター設定どこいったんだろう」
友「海もいいけど、山もいいんじゃないか?山」
妹「あーそれもいいねー。あたし達去年沖縄行ったし、次は山で遊びたいかも」
女「えー!私山はムリよ。虫とか出るじゃん」
美少女「ボクも……虫は苦手かなあ……」
ココア「あら、そうなのですか?」
美少女「昔カブトムシの角を、お尻に挿れた事があって――……」
兄「この話はここで終わりにしよう」
マカ「山でキャンプとかするのも楽しいかもねーっ。マカやったこと無いけど」
女「そんなのより、どうせ山に行くなら民宿とか泊まって、一晩中怖ーい話とかどう?」
ココア「私は普通の夏休みを体験してみたいですわ。庶民プールに行ってみたいです!」
マカ「お嬢、『庶民』じゃなくて『市民』だから……」
ワイワイ……
友「うーん、色々面白そうな遊びばっかだな。とりあえず、まず最初に何するか決めて計画立てないか?」
妹「ふっふっふ……ついにあたしの出番が出たようだね!」フッフッフ……
兄「?……どうした?」
妹「ご用意しました。『妹ちゃん特製!くじボックス』」ジャーン!
兄「またそれかよお前……(デート編参照)」
妹「説明しよう!嬉し恥ずかしくじボックスとは!お兄ちゃんとマカちゃんのラブラブ♡デートを演出した素晴らしいボックスなのである!」
マカ「恥ずかしいからやめよう、本気でやめよう」
妹「今回はデートコースではなく、夏休みエンジョイポイント候補をくじにしました」
イン「なるほど、くじで決めるとはなかなかイキですね」
妹「なお今回もハズレとして、『山手線一周痴漢の旅』『ゴライアスオオツノハナムグリ採集』『ヌーディストビーチ』『全員江頭のコスプレでコミケ突入』などがありまして」
兄「誰かその箱燃やしてくれ」
妹「ほらほらお兄ちゃん!さっそく引く、引く!」ワクワク
兄「俺が引くのかよ……」ガサゴソ
女「いい?兄君。ヘンなの引いたら一生恨むからね!?」
美少女「あ、けどヌーディストビーチは、ちょっとアリかも……///」
兄「俺にプレッシャー与えないでくれ」
ココア「楽しい所がいいですわねー」ワクワク
兄「……よし、じゃあこれで――……」ガサッ
・引いたくじは……
1.浜辺で海水浴&バーベキュー
2.山でキャンプ!
3.市民プールで遊ぼう
4.みんな一緒に町で、デ・エ・ト♡(友は留守番)
5.自由安価(あんまし無茶なら、最安価)
>>573
庶民プール
兄「えっと……『市民プール』か」ガサッ
ココア「わああ……ついに!ついに憧れの庶民プールに行けるのですね!」キラキラ
マカ「お嬢、庶民はやめよう?なんか敵作りそうだよ」
妹「いいねープール!じゃあ今度の休みに水着買いに行って、夏休み入ったらすぐプール行こうっか?」
女「私も今年の水着買おうっかなー」
ワイワイ……
友「ぐっ……!兄よ、俺はもう駄目だ……!」ガクッ!
兄「なっ、友どうした!?」
友「水着姿想像しただけで勃っちまって、立てなくなった……」ハァハァ
兄「お前は日々幸せそうだなあ」
女「去年はパレオの水着買ったんだけど、今年はバンドゥビキニ買おうっかなー」
妹「甘いねー女さん。お兄ちゃんはロリコンだから、今年のトレンドはスク水だよ!!」
マカ「すごいトレンドの決め方だね……」
イン「市民プールですか……小学生の方もおりますし、海よりその方がいいかもしれませんね」キリッ
兄「ええ。……インストラクターさんも、新しい水着とか買うんですか?」
イン「いえ。私はニプレスで乳首が隠せればそれでいいので」
兄「俺達は良くないなぁ」
イン「というより、私は新しい水着を買ってうかれたり、皆様とプールで遊ぶ事等は出来ないのです。……一応顧問ですし、インストラクターとして皆様の安全を守らなければなりませんので」
兄「ああ、そこは真面目なんですね」
イン「ライフセーバーの資格もありますからね。当日のプール監視員は任せて下さい」グッ!
兄「ホントこの人万能だな」
イン「海という恐ろしい大自然の中に、お客様をお連れする職業ですから……命を守る資格は、いくらあっても足りないくらいですよ」
兄「……インストラクターさん……」
イン「ですので、溺れた時は安心して下さい。私が人工呼吸……マウストゥマウス、つまりはベロチューで助けますので」
兄「すげえよこの人マジでブレないもん」
休日――
ミーンミンミン……
妹「さて!今日は夏休みに向けて、水着を買いに行こうと思いまーすっ!」
マカ・ココア「はーいっ!」
女「いやー、それにしても暑いね……」パタパタ
美少女「んー、どんな水着買おうかなー……」
兄「……?」キョロキョロ
マカ「?……お兄さん、どうかした?」
兄「いや……インストラクターさんが来ないのは知ってたけどさ。……友は?」
マカ「呼んでないよ?」
兄「え?」
マカ「え?」
マカ「だって男手だったらお兄さんで事足りてるし、女の子が水着買いに行くのに男性連れてっても……ねえ?」
兄「いや、まあそうかもしんないけど……」
妹「……マカちゃん、本音は?」ヒソヒソ
マカ「邪魔だからに決まってんじゃん」ヒソヒソ
ココア「まあっ、マカさんったらいつの間に、そんなブラックストマックになって……」ヒソヒソ
マカ「さらに本音を言うと、お兄さんと二人っきりで行きたかったなあ……」ボソッ
女(この娘怖っ)
美少女「じゃあ、さっそく水着屋さん行きましょっか?兄先輩っ♡」ギュッ!
兄「おっおい、あんましくっつくなよな……」
マカ「あ――っ!ちょっと美少女さんっ!?ななな、何お兄さんと腕組んでんのっ!?」
美少女「えー?いいじゃんこのくらい。ボクと兄先輩の仲なんだし」
マカ「ダメッ!絶対ダメ!お兄さんと腕組むのはマカなんだからっ!」
ココア「ズルいですわっ!私も腕を組みたいですっ!」
妹「じゃああたしも組もうかなー」
女「もちろん私も」
兄「俺は千手観音か?」
マカ「そもそも、美少女さんって男なんでしょっ!?男同士で腕組むのオカシイじゃんっ!」
美少女「えー?おかしくないよー。最近はそういうの結構認められてるし」
兄「俺は認めた覚え無いけどな」
マカ「それでもっ……」
美少女「あ、安心してマカちゃん。ボク、兄先輩の事は好きだけど、なんていうか……マカちゃん達とは『好き』の意味、違うっていうか……」
マカ「……え?」
美少女「ほら!『付き合いたい』じゃなくって『突き合いたい』って感じなの。わかる?」
マカ・妹・ココア「「「な……なるほどー……」」」
兄「女さーん、こいつ何とかしてくれー」
美少女「よし、じゃあ交代!交代で兄先輩と腕組んで歩こう?最初はボクからで」
マカ「むうー……わかった、いいよ。マカも子供じゃないからねっ」ツンッ
女(かわいい)
兄(俺の意思は無視かよ……)
妹「よし!じゃあ腕組む順番は後で決めるとして……暑いしお店にレッツゴー!」
ココア「ごー!ですわっ」
ザッザッザ……
兄「……ところで、心愛ちゃん?」
ココア「はい?何でしょう?」
兄「……後ろから付いて来てる大勢の黒服さん、何とかならない?」
ココア「……アロハシャツの方が良かったですか?」
兄「そういう事じゃない」
ウィーン
店員「いらっしゃいませー♡」
女「うおー、初めてこの店来たけど結構いいねー。あ、あの水着可愛いっ!」
マカ「良いっしょー?マカおすすめのお店なんだーっ」
兄「……むう……」キョロキョロ
妹「ん?お兄ちゃんどうかした?」
兄「いや……こういう店ってちょっと、男の俺には居心地悪いっていうかさ……」キョドキョド
ココア「ああ、そうかもしれませんわね」
マカ「よしっ!じゃあマカと二人で別の店でも回っていようよっ!?」ウデ ガシーッ!
女「待てコラ抜け駆けするんじゃない」
女「そもそも兄君は、ボディーガード兼荷物持ちとして来てるんだから。勝手に別行動しないでよー?」
兄「ボディーガードって……一応男はもう一人いるんだけど」
美少女「ボク、非力さには自信あるよ?」エッヘン
マカ「そんな自慢されてもなー……」
兄「それに荷物持ちって……水着買うだけでそんなに重い荷物とか出るか?」
妹「お兄ちゃん、今日あたし重い日なんだ」
兄「そういう意味じゃないし、お前はまだ生理来てないだろ」
女「まー水着いっぱい買うかもしれないし、それ以外の遊びグッズとかも買う予定だからねー。頑張ってね兄君」
ココア「あの、申し訳ありません店員さん。どれが良いかわからないので、ここからここまで全部下さいなっ」
兄「心愛ちゃん、その荷物は黒服さんが持ってくれるんだよな?」
ワイワイ……
マカ「うーん、それにしても結構種類あるねー……どういうのにしよっかなー」
美少女「ボク、これにしよっと!」
ヒモッ!
マカ「……何それ?」
美少女「そこに落ちてた紐」
マカ「せめて売り物でボケてくれない?」
女「んー、バンドゥビキニにしようと思ってたけど、こうやって見るとプチネックも可愛いなー……」
妹「あたし、去年沖縄で着た水着あるし、スク水でもいいかなって思ってたからなー」
女「あら、駄目よ妹ちゃん。こういうのはファッションと同じで、毎年流行は変わるんだから」
妹「やっぱり、去年着たヤツじゃダメですかね?」
女「ダメダメ」
妹「けど、『○学生使用済み水着』って言ったらアリな気がしません?」
兄「どの層にだ」
店員「あのー、宜しければ試着室も御座いますのでー」ニコッ
ココア「まあっ、そのようなものもあるのですねっ!」
女「うん、私も一回着て確かめてみよっと。じゃあまずこのビキニでも――……」
妹「!!……女さん、そのビキニ試着するの?」
女「え?うん、そうだけど?」
妹「だって、そんなキワドいの……ハミ毛しない?」
女「ご心配ありがとう。ちゃんと剃っとるわい」
ココア「では私も、少し試着してみますわっ」フンスッ!
マカ「……そんな気合入れなくても……」
シャーッ
マカ「…………」
シャーッ
ココア「あの……マカさん……」モジモジ
マカ「あれ?お嬢、試着しないの?」
ココア「それが……貞操帯のカギを無くしてしまったようでして」
マカ「そんなモンつけとるんかーい」ビシッ
女「うーん、ちょっとこの色は合わないかな?」シャッ
兄「あー……そうかもしれないな。(よくわかんねえ……)」
女「だよねー……うん、ちょっと服着なおそう」シャッ
妹「お兄ちゃん、これどうー?キュンキュンするー!?」シャッ
兄「いやキュンキュンはしない。……可愛いとは思うけど」
妹「……えへへー」ニマッ
シャッ
女「ちょっと別の水着取って来よっと……あ、兄君この水着」スッ
兄「ん?何?」
女「私の脱ぎたてホカホカなんだけど……オカズに使うために買う?」
兄「絶対買わねえ」
店員「あのー……お連れ様用に、少ないですが男性用水着のコーナーも御座いますが……」
兄「あ、そうなんですか?じゃあちょっと見てみよっかな……」
テクテク……
美少女「へー、どんなのがあるんでしょうねー?」テクテク……
兄「……おい」
美少女「はい?何ですか?」
兄「……何で付いて来る」
美少女「ボク、男の子だよっ?」
兄「いや、あの、えっと……そうなんだけどさあ……」
美少女「ボクもたまには女装じゃなくって、こーいうの着てみようっかなーって思いまして」
兄「いやあのその、あのな?じゃあほら、もっと誤解されないような格好とか髪型とかあるよな?」
美少女「あ、このブーメランパンツの良いんじゃないですか?試着してみよっと」
兄「お前それセックスアピールバリバリじゃねえか!!」
美少女「もー、何焦ってるんですか?先輩、かーわいいっ♡」ケラケラ
兄「だって、お前……見た目は普通に可愛い女の子なんだしさ……」
美少女「股間は化け物ですよ。見ます?」
兄「死んでも見たくねえ」
<マァマァ ソウ エンリョ ナサラズ……
<エンリョ トカジャ……ギャー!ヌグナ アホー!!!
女「うーん、これにしようか……いやこっちもいいし……」ブツブツ
ココア「ふわあ……この水着、とっても可愛いですねー……」キラキラ
マカ「みんな結構真面目に考えるんだねー」
妹「あれ?マカちゃんは買わないの?」
マカ「あー……その、マカはさ、ほら。お金、あんましないし……」ゴニョゴニョ
妹「?」
マカ「その、スク水にしよっかなー?とか、思うんだけど……」
女(……兄君の事意識しすぎでしょ……)
女「マカちゃん、この前妹ちゃんが言った『兄君はスク水好き』って、冗談だと思うわよ?」
マカ「えっ嘘!?……じゃなくて、そーいうのじゃないって!ホントにお金、あんまし無いだけだから……だからスク水着るだけだしっ!」
妹「まー、あたし達の歳だと、別に市民プールでスク水とか普通だしねー」
マカ「そうそうっ!」
ココア「確かに、庶民プールであまり気合の入った格好するのも恥ずかしいかもしれませんね……」
マカ「うんっ!よくわかってんじゃんお嬢っ!」
妹「……けど、お兄ちゃん旧型スク水が好きだよ?」
マカ「ちょっとネットショップでポチってくる」タタッ
妹「マカちゃんお金無いんじゃないの?」
女「妹ちゃん、マカちゃんをからかうの楽しいだろうけど、嘘言うのはやめたほうがいいよ」
ココア「そうですわ。平成生まれのお兄様は、新型スク水がお好きなはずです!」
兄「まずスク水が好きじゃないからな」ヒョコッ
妹「あ、お兄ちゃんいい所に。じゃあ何が好きなのか、参考程度に教えてよー」
兄「何がって……まあ普通に男だし、ビキニとかは好きだけどさ」
マカ「店員さんすみません、このマイクロビキニ下さいっ」
女「落ち着いてマカちゃん」
女「お金無いんじゃなかったの?マカちゃん……」
マカ「あの、それは、ほら!……で、出てきたの!なんかいっぱい……膣から出てきたの!!」
兄「どっから出てきとるんだ」
美少女「え?皆さんヘソクリの隠し場所くらい、一つや二つありますよね?」
兄「……いや、あるかもしれないけど、今その話関係無いよな?」
美少女「いやー実はボクも水着買うお金足りなくって、後ろから出そうかと……」ヌプッ
兄「おいテメェ指入れんじゃねえ!!!」
マカ「っていうかマカのは冗談だからね!?」
…………
<アリガトウゴザイマシター
兄「……はぁ、やっと買い物終わったか……」グッタリ
女「何ぐったりしてんの、兄君。買い物はこれからよ?」
兄「……へ?水着買っただろ?」
マカ「プール行くにはさー、他にもいっぱい買うのあるのっ!日焼け止めでしょ?浮き輪でしょ?水中メガネにタオルに……」
妹「あとピル」
兄「それいらねえな」
ココア「そんな、お兄様……子供はまだ早いですわっ///」
兄「そういう事じゃなくて」
妹「ちぇー、もうコンドームはしっかり用意したのに」ガサッ
兄「だからそんな事する訳……お前それ何個入りだ?」
妹「乱交するかなーと思って、10ダース分購入しました」
兄「120個ってバカじゃねーのお前」
美少女「はあ、しょうがないなー。妹ちゃん、それボクがもらうよ」
妹「え?美少女さんが?」
美少女「ア○ルセックスするのにもコンドームつけとかないと、性病になるかもしれないからねー」ペロッ
兄「ケツ穴の危機を感じる」
ウィーン……
兄「おー、この店サマーグッズとかいっぱい置いてあるな」
女「海外旅行する時とか、この店で準備すんのよねー。ちょっとしたコスメとかもあるし」
美少女「ねー、いいでしょ?兄先輩っ。普通に男性用のもありますよ」
兄「ああ。なかなか品揃え良いし……っていうか二人共、海外旅行とかするのか?」
女「うん。ア○ルディルドとか現地で実物見ながら買いたいし」
美少女「国内のはもう刺激が足りないんだよねー」
兄「こいつらケツにかける情熱すげーな」
ココア「むー……こうも品揃えが多いと、何を買えばいいのか悩みますねえ……」キョロキョロ
妹「そういう時は心愛ちゃん、サンプルとかあるから香りなんかで決めたらいいんだよ!」
兄「ああ。俺も制汗剤の香りとか確かめたりするなあ……」
マカ「ねーお兄さんっ。日焼け止めクリームのサンプルもらったから、ちょっと試しに塗ってみない?」トローッ
兄「……マカちゃんが塗ってくれるのか?じゃあ少しだけ……」スッ
マカ「では失礼して……」カチャカチャ
兄「俺今腕出したのに、なんでズボン脱がして下半身に塗ろうとするかなあ」
マカ「かっ……勘違いしないでっ!ただ全身しっかり塗らないと、日焼けしちゃうってだけだから!!」シュコシュコ
兄「指で輪を作って上下に動かすのやめてくれない?」
ココア「ふわぁ……本当に色々あるのですねえ……あっ!」
妹「心愛ちゃん、どうかした?何か見つけたの?」
ココア「見てください妹さん!庶民アイテムの『水中メガネ』がありましたわっ!」ジャーン!
妹「?……それ、庶民アイテムなの?」
ココア「ええ!庶民はこれをつけて、水の中の生物を見るのでしょう?」
妹「いや庶民じゃなくてもつけると思うけど……心愛ちゃん、普段どうやって水中見てるの?」
ココア「私の家には潜水艦がございますので」ニッコリ
妹「なんであたし達友達なんだろうね?」
妹「あ、そうだーあたし浮き輪買おうと思ってたんだった」
兄「……浮き輪ダメな市民プールとか、結構多いから注意しろよ」
妹「今度行く所は広くて大丈夫な所だよー。……ねえお兄ちゃん、ちょっとこの浮き輪膨らましてー」
兄「このサンプルのヤツか?ちょっと時間かかるぞ……」
プーッ!プーッ!
兄「……ほら、出来たぞ」ポンッ
妹「ありがとー!では、失礼して……」
妹「吸ウウウウウウウウウゥゥゥーッ!!!」ベコオッ!
兄「流石の俺でもドン引きだぜ」
妹「ぷはあっ!いやーお兄ちゃんの新鮮な吐息は美味しいねー☆」ツヤツヤ
兄「しばらく俺に近づくな変態……」タジッ
妹「最近そういった言葉も快感だと思うようになりました」
兄「すげえやコイツすでに手遅れだぜ」
ココア「お兄様っ!見てください!ほら、水中メガネですわよ水中メガネ!」グイグイ
兄「え?あ、ああ……心愛ちゃん、学校の授業とかで使ってないの?」
ココア「ええ。私、水泳の授業はいつも生理ですので……」
兄「なんでそういう嘘つくかなあ」
妹「よし、満足したしもう買い物もいいかなー?」
女「そうねー。私はもういいわよ」
ココア「あ、待って下さい。私この水中メガネ買ってきますので……」イソイソ
マカ「マカもお会計行こうっと。……あ、あとさ……妹ちゃん?」
妹「ん?なあにマカちゃん」
マカ「……さっきお兄さんが空気入れた浮き輪、どれ……かな?///」ヒソヒソ
妹(なんでだろう、マカちゃんが言ったら許される感じするのは……)
女「じゃあ、夏休み入ったらすぐプール行くから。日にち間違えないでねー男君っ?」
男「大丈夫だよ。携帯にメモったし」
ココア「すごく楽しみですわね……今から眠れませんわ!」
マカ「それは寝よう。あと何日あると思ってんの……」
妹「うー……当日、しっかり起きれるかなぁ?」
兄「なんだよ、今から朝の心配か?」
妹「お兄ちゃん、優しく手○ンで起こしてね?」
兄「手マ○する必要がどこにある」
…………
夏休み初日――
妹「ザ!夏休み到来っ!!!」バーン!
兄「早くパジャマから着替えろ。そろそろ待ち合わせ場所行くぞー」
妹「待ってよーお兄ちゃん。すぐ用意するって……」イソイソ
兄「ふー……しかし、暑いなあ……」
妹「今日暑いし、全裸でいいかなー?」バッ!
兄「服着ろおおおお!!!」
兄「バカな事やって遅れたらお前のせいだからな」
妹「罰としてエッチなおしおきをするんですねわかります」
兄「俺はちっともわからない」
PiPiPi!
兄「?……電話?……女さんからだ。もしもし?」ピッ
女『ごめん……男君。今日私プール行けない……』
兄「え?……風邪でもひいたのか?」
女『いや、生理来週のはずなのにズレ込んだ』
兄「女の人って大変ですね……」
…………
待ち合わせ場所――
兄「……という訳で、女さんは調子が悪くて来られないらしい」
美少女「ゴメンねー、お姉ちゃんいつもは生理正確なんだけど」
兄「わざわざボカして説明したんだけどなあ」
マカ「ま、仕方ないよー。そういう事ならさ」
妹「うんうん」
友「クソッ!女さんが来ないなんて……俺、みんなそろって遊ぶの楽しみにしてたのに……!」ガッ!
兄(友……)
友「貴重なおっぱい要因なのに……俺は何を見てハァハァすればいいんだ!?」
兄「こいつサイテー」
友「ま、いいか。俺男の娘も幼女も許容範囲だし」
兄「おまわりさんこの人です」
美少女「さーて、全員揃った事だし、プールにレッツゴー!だねっ!」
妹「れっつらごー!」イエー!
マカ「……ん?全員?」キョロキョロ
兄「インストラクターさんと心愛ちゃん、いないけど……?」
美少女「ああ、インストラクターさんはもうプール監視員の仕事についてるって」
マカ「お嬢は?」
妹「リムジンでプールまで送ってもらうってさー」
兄・マカ((……市民プールまでリムジンで送り迎えだと……!))
妹「ふー!やっとプールまで着いたねー!」
兄「歩いていくと結構遠かったな……」
ココア「お待ちしておりましたわ、皆様」テコテコ
マカ「あ、お嬢。先着いてたんだ」
ココア「ええ。色々と準備がありましたし」
マカ「準備……」チラッ
黒服s「建物の制圧、完了しました。どうぞ」
黒服s「付近住民の立退き90%完了。周囲一キロ以内の安全を確認」
黒服s「軍用ヘリの到着はまだか?」
黒服s「狙撃班、配置につきました」
執事長「では各自、持ち場へ戻って下さい。くれぐれも事件等起こらないように。……いいですね?」
黒服s「「「「「はっ!!」」」」」
ココア「もう、過保護なんですから……私はこのような準備いらないと言いましたのに……」
マカ「これ過保護の一言で片付けていいの?」
妹「じゃあ、着替えたら中で落ち合おうねー」
兄「ああ」
友「ぐふふ、みんなの水着姿……楽しみだなぁ~~」ニヤニヤ
美少女「では、また後で~」
兄「……」テクテク
友「……」テクテク
美少女「……」テクテク
兄・友「「……ん?」」
美少女「え?」
兄「あの、こっち男子更衣室……」
美少女「はい。そうですね」
友「……いや、その、間違いじゃないけど……間違ってね?」
美少女「何がですか?」
兄「……ほら、見た目女の子だし……更衣室はもっとこう、適したもんがあるっていうか……」
美少女「……?……どういう事でしょう?」ハテ?
友「簡単に言うと『性別・秀吉』だ」
兄「やべえそれ結構わかりやすい」
美少女「もうっ、やめてくださいよー。ボク男の子ですよっ?」プンプン
兄「ええー……だって、なあ……」
美少女「イチモツだって友さんのより大きいですし」
兄「何をカミングアウトしてやがる」
友「唐突に俺をイジメるのやめろ、興奮するだろ」
兄「ちょっと静かにしてて」
美少女「ボクはあくまで兄さんとア○ルセッ○スしたいだけで、そっちのケはありませんからねっ!」プンプン
兄「あるじゃん。色々アウトじゃん」
美少女「ほら、早く着替えて行きますよー」ボロンッ
友「やだ……この子もうおっきくなってる///」
兄「あーもうヤダ!しかも今一瞬ケツに何か入ってるの見えたし!!」
美少女「そんなに見ないで下さい……ボクだって、恥ずかしいんですよっ///」
兄「見てねえぞ。俺は全くそっち見てねえからな」
友「俺はガン見だけど」
兄「お前には恥とかプライドとか尊厳とか無いのか?」
美少女「ボク、先に水着に着替えておきますからね」ヒモッ!
兄「今こいつヒモ出しやがったぞ――!!!」
・ ・ ・
その頃女子更衣室――
マカ「あ、あんましこっち見ないでよー妹ちゃん。結構恥ずかしいんだから」ゴソゴソ
妹「もー、マカちゃん気にしすぎだって。身体しっかりタオルで隠しちゃってるし」
マカ「うー、同性でもそーいうの気になるのっ。マカはっ!」
妹「ほら、心愛ちゃんを見てみなよー。心愛ちゃんなんて……」
マカ「お嬢?」クルッ
メイドA「苦しくないですかーお嬢様?」キュッ
メイドB「髪セットしますねー」サワサワ
ココア「ふふ、ありがとう皆様」ニコッ
妹「ほら!着せ替えられてるのに堂々としてる!!」
マカ「なんで着せ替えられてんだよ」
マカ「うー、やっぱ恥ずかしいな……こういうの着慣れてるはずだけど……」ビキニッ!
妹「わー!かわいいよーマカちゃん!お人形さんみたい!」
マカ「そ、そうかな……」テレテレ
妹「はぁー……いいなあマカちゃんは。髪もツヤツヤだし肌だって綺麗だし……」サワサワナデナデ
マカ「もー、あんましベタベタしないでよー妹ちゃんっ」キャッキャッ
妹「下だって――……」ヌプッ
マカ「そこ指挿れんなあッ!!」ドカアッ!
妹「へぶうっ!!!?」グハッ!
妹「むー、最近のマカちゃん、下ネタのノリ悪い……」
ココア「まあ。恋する乙女は怖いですわねー……」
マカ「そ、そういう日だってあるでしょっ!?ちょっとお嬢は黙ってて!!」
妹「だってー、ちょっと前までのマカちゃんは率先して下ネタ全開だったじゃん」
マカ「率先して言った覚えは無いよ!?」
妹「あたしが『喉乾いたなー』って言ったら『おちんぽミルクでも飲む?』って言ったり」
マカ「そんな事言った事は無い!!」
ココア「『学校休みたいですわねー』と言ったら『わかった。じゃあちょっと体育の先生誘惑してくる』と言ったり」
マカ「……あ、それは言ったかも……じゃなくて!!」
マカ「もー、妹ちゃんそんな事言ってないで!さっさと着替えなよー!」
妹「へ?あたし?」
マカ「そうだよっ!マカもお嬢も、もう水着に着替え終わったよ?あと妹ちゃんだけなんだから……」
妹「ふふふ……実はあたし、すぐにプールに入れるようにと!服の下に水着を着ていたのでーす!」ジャーン!
マカ「……」
妹「わはははは!すごかろー!エロかろー!?」チラリズムッ
マカ「……ねえ妹ちゃん」
妹「あい?」
マカ「……ちゃんと、帰る時に着る下着持ってきてるんだよね?パンツとか……」
妹「…………あ゛」
…………
シャワー前――
兄「……遅いな、妹達」カイパーン
友「ハァハァ、みんなの水着姿を想像するだけで俺は……」マエカガミッ
兄「やめて。本当にやめて」
友「これダメだ。直視したらイクかもしれん」
兄(なんで俺コイツと友達なんだろう……)
「おまたせーっ!お兄ちゃんっ!」
兄「お、来た」クルッ……
妹「えへへー、どうどう?かわいーい?」E.流行のビキニ
兄「へー、お洒落でいいな」
友「ハァハァ……!」
ココア「どうでしょう?お兄様。似合っていれば良いのですが……」E.フリル付きビキニ
兄「こりゃまた上品な水着だな……似合ってる似合ってる」
友「ハァハァ……!」
マカ「ど、どう……かな?お兄さん……」E.マイクロビキニ
兄「こ、これは……(過激だな、オイ……!!)」ゴクリ
友「ハァハァ……!」
美少女「どうですかっ兄先輩っ!いいでしょー?」E.ヒモ
兄「お前は着替えてこい」
友「うっ!……ふう」スッキリ
兄「お前もだ!!っていうかタイミングここ!?」
美少女「むー、この水着あんまし可愛くない……」ブツブツ
兄「文句言うな。最初から普通の買えば良かっただろうが」
妹「美少女さん、あたしはかわいーと思うよー。すごい似合ってる!」
美少女「そうかなー……?」
マカ「うん。ホントに可愛いよ。全然男の人に見えないし」
美少女「そりゃーボク、今コツカケやってるし」
兄「何お前琉球空手やってんの?」
※コツカケ……睾丸を下腹部に収納する秘技。バキの愚地独歩さんでお馴染み
妹「よーしっ!着替えも終わったし、さっそくプールで遊ぼーっ!」タタッ!
ココア「待って下さい妹さーん、私も行きますわーっ」タタタッ
ピピーッ!!
イン「こら、プールサイドは走らないで下さい」ヒョコッ
兄「あ、インストラクターさん。……本当に監視員やってるのか」
イン「ええ、皆さんの安全を守るためです。……走って滑って転ぶと危ないですよ、妹さん。ただでさえプールサイドは滑りやすいんですから」
妹「えー、あたしそんなドジじゃないよー?」
イン「ついさっき、ここでソープごっこした所なのでローションでヌルヌルしてるんですよ」
兄「なんでそんな事をした」
イン「それに、皆さんまだシャワーを浴びていませんね?まず身体の汚れを落として下さい」
妹「えー……べつに汚れてないもん。ねー?」
ココア「ねー、ですわ」
イン「気付かないうちに汗をかいていますし、髪につけるワックスなんかも水を汚してしまうのですよ」
マカ「あ、マカけっこう色々髪につけてたかも……」
イン「さあ皆さん、初ベッドインだと思ってシャワーを浴びて下さい」
「「「「はーい」」」」
兄「待て俺は同意出来んぞ」
プールゥ~~ッ
妹「わあーっ……プールだ!夏だ!夏休みだーッ!」バッ!
ドボーン!!
兄「おい飛び込むな!危ないだろうが!」
ココア「お、お兄様お兄様っ!私もどぼーんってやっても良いでしょうかっ!?」ソワソワ
兄「ダメ!」
ココア「……だ、ダメ……ですか?」ウルウル
兄「ぐっ……あーもう、好きにしろ!」
ココア「あっ、ありがとうございますっ!では……どぼーんっと!」タンッ
シュバーッ!
兄(……今オリンピック選手みたいな飛び込みしなかった?)
マカ(今すっごいフォーム綺麗だったんだけど……)
ココア「マカさんマカさん!すっごく楽しいですわよっ?ほら、どぼーんって!」
マカ「いやマカはいいよ。お兄さんも言ってたけど、危ないし……」
兄「うーん……もう今更だし、人あまりいないし、大丈夫なんじゃないか?」
マカ「えっ?」
兄「……いや、ほら。飛び込みたいならやったら――……」
マカ「お……お兄さんちょっと。耳貸して……」グイグイ
兄「え?……何?」カガムッ
マカ「あのね。……マカ、実は……泳げない、の……///」ゴニョゴニョ
兄(可愛い)
妹「えーマジかなづち!?かわいー」
ココア「かなづちが許されるのは小学生までですわよねー」
妹・ココア「「キャハハハハハハ」」
マカ「う、うるさいなっ!だから言いたくなかったのっ!!」
兄「っていうかお前ら全員小学生だろうが」
妹「けどさ、マカちゃん水泳の授業出てなかったっけ?」
ココア「そうですわ。潜水艦のような泳ぎだと皆からウワサされていた記憶が……」
マカ「ああ、先生に潜望鏡フェ○して成績良くしてもらったの」
兄「さらりと何ヤバい事言ってんの」
美少女「へー、マカちゃん泳げないんだ?」
マカ「……うん……」
兄「美少女さんは泳げるのか?」
美少女「もちろん!ボク昔から泳ぎが得意で、カッパの生まれ変わりだって言われてたんだから!」
マカ(なんで人魚とかじゃなくってカッパ……)
美少女「懐かしいなあ……あの頃は本当に尻子玉があると思って、手当たり次第にお尻に手ェ突っ込んでたよ」アハハー
兄「コイツの尻穴好きの起源はそれか!!!」
美少女「じゃあ、ボクが泳ぎ方教えてあげるね!」
マカ「……お願いします」ペコリ
美少女「んー、最初からカッパは難しいと思うから……」
マカ「うん」
美少女「まずは、メダカの気持ちからやっていこうか!」
マカ「……うん?」
美少女「メダカに慣れたら、金魚、タガメ、ウナギ、ってレベル上げていくよー。さあメダカの気持ちになりきって!さあさあ!」
兄「マカちゃん、コイツから教わるのはやめとこう」
友「……プールはいいなあ……」デヘーッ……
兄「友、お前は泳げるのか?」
友「ん?ああ、結構上手いモンだぜ。子供の頃は半魚人って言われてたなあ」
兄(なんでどいつもこいつも変なモンスターばっかなんだ……)
マカ「ああ、どうりで……そんな感じがしますねー」
友「お、わかる?水中でこそ輝く俺の魅力が?」ニヤリ
マカ「半魚人みたいにテカテカして気持ち悪いですっ!」ニッコリ
友「」
兄「ズバズバ行くなぁ……」
兄「でさ、泳げるなら教えてあげて欲しいんだけど……」
友「泳ぎかー……今は少し難しいかな」
兄「へ?なんで?」
マカ「友さん、調子でも悪いの?」
友「いや、今股間の舵が制御不能になっててさー」ビンビン
兄「……」
マカ「……」
友「おいそんな眼で見るな。興奮するだろ」
兄「ハァー、インストラクターさんは監視員の仕事忙しそうだしなぁ……」
マカ「っていうか、あのさ?……お、お兄さんが教えてくれたら、その、いいっていうか……」
兄「いや俺、人に教えるの苦手だし……」
マカ「にっ、苦手でも!お兄さんに教えてもらうのが、マカ嬉しいよっ!」
兄「うっ、……けどなあ……」ポリポリ
妹「ふっふっふ!ここは任せてよお兄ちゃん!説明下手なお兄ちゃんに代わって、あたしがマカちゃんに泳ぎ方教えるからっ!」
兄「え、お前が……?」
妹「いーい?マカちゃん。ぐわぁーってやってスッパーって足伸ばしてバッシャーッってやって手ェぐりーんってやってプハーってやったら泳げるから!!」
マカ「……お兄さんってこれより教えるの下手なの?」
兄「流石にこれよりは上手いわ」
妹「これ呼ばわりやめて!」
兄「しょうがない、俺が教えてあげるけど……教えるの上手くないからな?」
マカ「大丈夫っ!マカ、物覚えは良いほうだよ」
兄「そうなのか?」
マカ「うん。パパ達にもよくほめられるんだー。『マカちゃんはおじさんの弱点を覚えるのが早いねえ』って――……」
兄(……ツッコミづれェ……)
マカ「……ゴメン、お兄さん。今言った事は忘れて」
兄「へ?」
マカ「ヤバい……全然意識してなかったけど、気がついたら下ネタ言っちゃう、どうしよう……ホントどうしよ……」ガクリ
兄(苦労してんなあこの子も……)
バシャバシャ……
兄「ほら、しっかり足伸ばして、ヒザ曲げずにキックしてー」
マカ「キャー!む、ムリムリ!怖い!無理だって怖いっ!」ヒシッ!
兄「そうやって俺にしがみついても泳げねえぞ」
マカ「ホント無理なんだってぇー!!」
妹「ねえ心愛ちゃん、マカちゃんがお兄ちゃんの腰あたりにしがみついてるけどさ」
ココア「はい」
妹「水中○ェラしてるように見えるのあたしだけかな?」
ココア「私も同じこと考えていましたわー」パァァ
妹「良かったー!やっぱりあたし達友達だねっ!」
兄「そんな友情俺はイヤだ」
マカ「待ってお兄さん、マカまずね、水に顔つけるのが怖いの」
兄「あー、そういう所からか……」
マカ「うん、水中で目開けるのとか、ホント出来ないし……」
兄「俺泳げるからそういうのわかんないんだけど……なんで水中で目開けたりするのが怖いんだ?」
マカ「ほら、精液って目に入ったら失明するって言うじゃん」
兄「俺ら今水中の話してなかったっけ?」
イン(監視員って結構ヒマなもんですね……)ポケーッ
友「い、インストラクターさん!ちょっと!」
イン「はい?何でしょうか?」
友「あのっ!俺実は泳げないんスよ!良かったら泳ぎ、教えてくれません?」
イン「?……たしか友さんは泳げるのでは……?」
友「いーえっ泳げません!なので手とり足取りナニ取り教えて下さいっ!さあさあさあっ!」
イン「そうですか……では、まずこの重りを背負って泳ぐ練習しましょうか」ズシッ
友「なんでそんなスパルタなのって重ッ!!!」ズシイッ!
友「ガボガボガボッ!いやこれマジで死ぬガボッ!」ブクブク
イン「全然進んでませんよー。はいワンツー」パンパンッ
兄(何あの教え方怖ェ……)
マカ「あ、あの……お兄さん?」
兄「ん?何?」
ギュッ!
マカ「お兄さんは……優しく、教えてね?」ウルウル
兄「……ああ、そりゃあもちろ――……」
サワサワ
兄「抱きつきながらチ○コ触るんやめんかい」ガシッ!
マカ「痛たたたたお兄さんアームロックはイタタタタ」パンパンッ
マカ「うううぅぅぅ……マカ、もう下ネタ言わないつもりだったのに……」ガックリ
妹「マカちゃん結構フツーに言うからねえ」
マカ「クセになってるなんて……イヤだよぉ、お兄さんに嫌われたらどうしよう……!」ガタガタ
兄「いやもう俺は慣れたわ」
マカ「マカ決めたよ!もう絶対下ネタ言わないからっ!」キリッ
兄「あ、そう……」
マカ「……けど、お兄さんにツッコマれるのって……すごい、気持ちイイッ///」カァァ
兄「あかんこの子末期や」
兄「泳げるようになるには、水への恐怖心を取り除かないとな……」
マカ「って言われても……怖いもんは怖いし」
ココア「水だと思うから怖いのですよ。さあ、プールの水をお兄様だと思って下さいませ」
マカ「流石にそれはムリがある」
妹「じゃあ、お兄ちゃんから出た液体だと思えば……?」
マカ「やだ、お兄さんったら絶倫……///」
兄「死ぬわ」
友「水ん中って楽しいぜ?ほら!太陽の下弾けるダイナマイトボディーが見放題っ!」
マカ「そんな事マカに言われても……」
友「じゃあ兄の下半身のモッコリ見放題だぜ」
マカ「水の中で見なくても毎日見れるし」
兄「見るんじゃねえよ」
美少女「最初は怖いかもしれないけど、水の中で泳ぐのって楽しいよ?」
マカ「……そんな事言われても……」
美少女「初めてお尻を触る時も怖かったでしょ?けどそれが段々快感になるじゃん?それと一緒だよっ!」
マカ「ごめん。マカお尻は開発してないの」
兄「それ以前に、全然一緒じゃないからな」
妹「マカちゃん、ちょっとプールサイドで見ててー」
マカ「?……何すんの、妹ちゃん」
妹「あたしが華麗に泳いでいる姿を見たら、水への恐怖心も無くなるはずだよっ!泳ぐのって楽しいよー♪」
マカ「うーん……そういうもんかなあ?」
兄「まあまあ、人の泳ぐ姿見るっていうのも色々タメになるだろうし……」
マカ「……まあ、お兄さんがそう言うなら」
妹「いくよーっ!妹ちゃん必殺!コークスクリューグルグルトルネイドクロ――ルっ!!」
ザッパアッ!!
妹「足つったガバガバガバ!」ブクブク!
兄「妹ォ――ッ!!!」
妹「ガーバガバガバ!お兄ちゃガバガバガバ!」ブクブクブク!
兄「待ってろ妹!今助けて――」
イン「いけません兄さんっ!」ガシッ!
兄「へっ?インストラクターさん?」
イン「溺れてパニックになっている人に近づき、しがみつかれて一緒に溺れるというケースがよくあるのです。素人が救出活動を行ってはいけません」」
兄「あ、そ……そうなんですか」
イン「こういう時は、浮袋を投げたり、完全に溺れて力尽きてから助けるのが一番なのです。しかし後者を選ぶ場合、適切な処置をしなければ本当に命に関わるので素人判断で行動せず――……」
妹「ガバガバガバ……」プクプク……
兄「インストラクターさん今その話必要ですかね!?」
兄「妹っ!死ぬなーっ!」ダッ……
イン「待って下さい。皆さんの命を守るのは、インストラクターである私の仕事です」ザッ!
マカ「インストラクターさん……!」
イン「いいですか、よく見ておいて下さいね。浜辺の天使(エンジェル)と呼ばれた私の働きっぷりを……!」キラーン
兄「は、はあ……」
イン「あ、カメラ撮影はご遠慮下さいね。言って下さればいつでも私自身がオ○ネタとなりますので。メールアドレスは――……」
妹「……!!……!……」ブクブクブク……
マカ「いいから早く助けてあげて!!!」
イン「では、どっこいしょー」バッ!
ザパーッ!
兄「……頑張れ、インストラクターさん……妹、死ぬんじゃないぞ……!」
ココア「大丈夫でしょうか、妹さん……」
マカ「……」ゴクッ
・ ・ ・
イン「!!――……兄さん!大変ですっ!!」ザパッ!
兄「なっ……何ですか!?もしかして、妹の奴……!!」
イン「妹さんが溺れてる場所……普通に立てます」ホラ
兄「えー……」
ザパッ
イン「しっかりして下さい、妹さん……」バシャッ
妹「…………」グッタリ
兄「おい、大丈夫か妹?」ペシペシ
マカ「い……妹ちゃん?」ペタペタ
妹「…………」グッタリ
美少女「……ねえ、ちょっと……妹ちゃん、生きてる?」
友「ま、まさかぁ~~死んでる訳が――……」
ココア「!!……た、大変です!妹さん……息してませんっ!!!」
兄「え゛っ」
妹「」シーン……
兄「なっ……ちょ、オイ……!?」
イン「落ち着いて下さい兄さん。心臓は動いています」スッ
友「本当ですか!?よ、良かった……」
イン「……しかし、危険な事には変わりありません。……すぐに人工呼吸をしなければ」
ココア「!!――お兄様っ!今すぐ人工呼吸をっ!」
兄「え?…………え」
マカ「迷ってる場合じゃないよお兄さんっ!人の……妹ちゃんの命がかかってるんだよっ!?」
妹「」死ーン……
兄「い、いやいやいやいや……たとえそうだとしても、その、そういうのは、ちょっと……」
マカ「何言ってるの?別にファーストキスとかじゃあないでしょっ!?」
兄「う゛っ」ズキリ
ココア「妹さんの命を救うのは、ご兄妹であるお兄様がふさわしいですわっ!!」
兄「いやけど俺、人工呼吸とかよく知らないし!しかも、その、妹とか……おかしいだろっ!?」
友「おかしくねえよ!むしろ普通?っていうか羨ましい。俺が代わりたい」
兄「お前にゃ指一本触れさせねえ」
美少女「じゃあ兄先輩、早くっ!」
兄「……~~し、しかし……!!」
イン「……ハァ、仕方ありませんね、兄さん……」
イン「緊急事態です。私が代わりにやります」
兄「…………えっ」
ブチュウウウウゥゥゥ~~ッ!!!
妹「――~~~~~っっっ!!!???」ビクビクビクゥン!!
マカ「うわ、舌入ってる……」
ココア「すごくえっちぃですわ……///」
兄(……なんだこれ……)
イン「ふう、たまにはロリも良いものですね」ツヤツヤ
妹「あへぇ……しゅごいのお///」ビクンビクン
兄「大丈夫かこれ。大丈夫なのかこれ」
マカ「凄い……キスだけで6回もイカせるなんて……!」
ココア「今のは古代エジプト淫闘法、魔の絶頂技の一つ……!まさかこの時代に使いこなす方がいるとは……!」
兄「いや君たち何言ってんの?」
イン「大丈夫です。窒息してからそんなに時間もたってませんし、すぐ起き上がるでしょう」
兄「……本当ですか?」
イン「まあ、脳に影響があったとしても……元から少しおかしかったですし」
兄「その通りだけど、アンタが言う事じゃあないだろう」
妹「……」ムクッ
兄「あ、起きた」
妹「…………」キョロキョロ
美少女「……えーっと、妹ちゃん?」
ココア「大丈夫ですか?意識はハッキリとしていますかー?」
妹「……」
妹「シャチョサン!イッポンヤッテカナイカ?アタシキモチイクスルヨー!」カクカク
マカ「妹ちゃん、素が出てるよ」
兄「いや素じゃねえだろう」
妹「はっ!……あれ?あたし一体……?」キョロキョロ
友「あ、戻った」
兄「良かったー。もう色々と手遅れかと思った」
妹「あたし、たしか見事なクロールで金メダルを取ったような……?」ハテ?
ココア「……妹さん、気絶している時にきっと夢を見ていたのですね」ヒソヒソ
兄「まあ、可愛らしい夢だからいいんじゃないかな」ヒソヒソ
妹「そしてお兄ちゃんとベロチューした後ベッドインしたような……?」ハテ?
ココア「本当、可愛らしい夢ですわね///」
兄「その記憶は正しておこうかなー」
兄「――……って訳で、お前溺れてたんだよ」
妹「うう……何てこと……初キッスがお兄ちゃんじゃないなんて!!!」ガクッ!
兄「一番最初に言う事それかよ」
イン「ふふふ、妹さんの唇ヴァージンは美味しくいただきましたよ」レロレロ
妹「唇ヴァージン……って事は、ある意味処女だよね。って事でスレタイ回収に――……」
兄「ならなんじゃないかな。いやお前がいいなら俺はその方がいいんだけど」
兄「ったく……お前が溺れたりするから、余計マカちゃんに恐怖心植え付けちゃっただろ」
妹「えー?なんで?マカちゃんプールって楽しいよ?」
マカ「いや今死にかけてたじゃん。怖いよ」
兄「お前何なのそのタフネス」
妹「ふわーって身体が浮くような感じになって、天にも昇る気持ちだったよ?」
兄「死にかけとるやんけ」
マカ「っていうかそういう感覚だったら、ベッドの上で体験してるし……」
兄「よっしゃーこの話終わりなー」
マカ「マカはみんなが遊んでるの見てたら満足だしさ。……ね?」
兄「……って、言われてもなぁ。マカちゃん放って遊ぶのも悪いし……」
ココア「あら、いいじゃないですか。遊びましょうお兄様っ」ギュッ
兄「心愛ちゃん?け、けど……」
ココア「ふふふ……今までお兄様を独占していたマカさんの前で、お兄様と遊ぶなんて……」
兄「?」
ココア「これが俗にいう『寝とり』というヤツですわね!?」
兄「うん、違うね」
ココア「さ、お兄様っ♪何をして遊びましょう?」ワクワク
兄「え?うーん、プールで遊ぶってなると……何かあるかな?」
妹「みんなで水中鬼ごっこしない?絶対面白いよーっ!」
兄「鬼ごっこか。いいかもしれないけど……鬼が誰だかわかりづらくないか?」
友「確かにな。水中だと声出せないし」
妹「じゃあ鬼は目印として、上半身裸になるっていうのはどう?」
兄「お前らアウトだし、男のビキニ姿とか見たくねえだろ」
ココア「では、何かタスキのようなものを身につけるというのはどうでしょう?」
妹「あっ!それいいねー心愛ちゃんっ!採用っ!」
兄「タスキかー……そんなもんあるか?」キョロキョロ
美少女「はいっ、兄先輩っ!これ使ってよ!」サッ!
兄「……何このヒモ」
美少女「さっきまでボクがつけてたヒモ」
兄「再利用って素晴らしいな。却下」
イン「仕方ありませんね。この帽子を目印として使うのはどうでしょうか」サッ
ココア「わあー、これなら分かりやすいですわねっ!」
兄「インストラクターさん……この帽子は?」
イン「私が被っていたものです。今日は日差しが強いですからね。熱中症対策で」
兄「なるほど」
イン「なので……私が熱中症になって倒れる前に返して下さいね?」
兄「重いなー」
妹「じゃあ、最初は心愛ちゃんが鬼ねっ!タッチしたら交代でっ!」
ココア「よーしっ!負けませんわよーっ!」
美少女「きゃー♪逃げろーっ!」
バシャバシャバシャーッ!
キャーッ!アハハ……
ココア「ターッチ!ですわっ」ピトッ
美少女「あっ!やるなー心愛ちゃん。ボクが鬼かあー」
ココア「ふふ、お願い致しますねっ?」
美少女「……よーし……」グッ……
ドンッ!
バシャバシャバシャバシャバシャバシャ!!!
兄「うおおおおおお!?何か一直線に俺に向かってきた!?怖ェ!!!」
兄「何!?何で俺なの!?」
美少女「ハァハァ!鬼ごっこでタッチするフリして兄先輩のあんな所やそんな所をタッチ……ハァハァハァ!」ザッパザッパザッパ!
兄「こいつイカれてやがる!!」
友「おーっと!ちょっと待てぇい!」ザッパー!
兄「友ッ!?」
友「兄の色んな所をタッチしたければ……まず俺の色んな所をタッチしていけぃ!!!」ドーン!
美少女「邪魔」ドゴオ!
友「肘っ!?」グハッ!
兄「容赦無ェ――ッ!!!」ガビーン!
兄「くそっこんな所にいられるか!俺は逃げるぜ!!」ザパザパ
妹「おーっとお兄ちゃんが死亡フラグを立てつつ泳いでおります。これはどう思いますか?」
ココア「そうですわね。クロールとは、スピードの出る良い泳ぎをチョイスしましたが、対する美少女さんはバタフライです。勢いが違いますわねー」
兄「何解説してるのかな君たちは!?」
妹「だってあたし達狙われそうにないし……」
ココア「私、びーえるって興味があったんです!」フンスッ!
兄「ダメだここ味方がいねえ!」ザッパザッパ
美少女「ハァハァ!兄せんぱーいっ!さっそく夜のプール教習を始めましょーうっ!」ザパアッ!
兄「今はまだ昼だろっ!」
美少女「ええいうるさいですよっ、この技を食らって大人しくして下さいっ!」スウッ……
兄「な、何を……」
美少女「喰らえっ!!一揉みで自慰の1000倍の快感を与えるマッサージ古術……『エレクトリック・スプラッシュ・オルガスムス・スーパーエロエロ・ドラゴンバースト』ぉぉぉ!!!」ドシァアーッ!!
兄「技名はともかくその技凄くね!?」
兄「くっ……食らってたまるかァ――ッ!!」グイッ!
妹「えっ!?ちょ、お兄ちゃん引っ張らないでよ――」
モミッ♡
美少女「あ」
妹「……え?」
モミモミ……
妹「……え、あ、あたし?」
美少女「……ゴメン、妹ちゃん……この技、途中で止める事出来ないんだ」
モミモミモミモミ!
アッ!チョ、ダメ、ヤメッ……アッハァ~~ンッ!!♡
ココア「ふわあ……妹さんがクリムゾンの同人誌みたいにビクンビクンしてますわ」
兄「心愛ちゃん、その知識は何処で得たの?」
妹「あへぇ……しゅごいのぉ///」ビクンビクン
ココア「ああっ、妹さんがありとあらゆる所を揉まれて『悔しいでも感じちゃうビクンビクン』になってますわ!」
兄「何その状態ー」
美少女「ふう……ボクとした事が、思わず本気で揉んじゃいましたよ」
兄「っていうか、揉む所あったんだな」
美少女「胸はそんな無かったですけど、小学生特有のポッコリお腹とか健康的な太ももとか結構ポイント高いですよね」
兄「いやそういう情報はいらんが」
美少女「不覚にも……元気になっちゃいました、先輩っ///」<ヨオッ!
兄「ギャ――!!!」
<チカヨルナー!ヘンタイオカマッ!
<ナカヨクシマショウヨー、ウフフー♪
マカ「……(結構楽しそうだなー)」ボーッ
イン「マカさん、暇そうですね」ヒョコッ
マカ「ん?……ああ、まあね。けどマカ、泳げないし……見てるだけでいいよ」
イン「……良いのですか?本当に」
マカ「えっ?」
イン「目の前で、他の女性(ヒト)と遊ぶ所を見てるだけで……良いんですか?本当に?」
マカ「……」
シーン……
イン「……私は寝取られもバッチコイですけど!」ドヤアン!
マカ(あっこの人真面目な空気に耐えられなくなったな)
イン「そこの壁際でしたら浅くて足もつきますから、そんなに怖くないでしょう」
マカ「……え?」
イン「ほら、好きな人と一緒に遊ぶため、特訓ですよ。私はこれでもインストラクターですからね。すぐに泳げるようにしてあげますよ」
マカ「……インストラクターさん……」ジーン
イン「それこそ、明日にでもドーバー海峡横断部に入部出来るくらいにね!」ビシッ!
マカ「へ?なにそれ?」ポカーン
…………
友「……誰か、俺にかまってくれないかなあ……」プカーッ……
…………
…………
カァー、カァー……
妹「いやー!堪能したねープール!」
兄「もう夕方か……結構遊んだなぁ。はー疲れた」
イン「マカさんも、最後の最後にはようやく少し泳げるようになりましたね」
マカ「いっぱい水飲んで大変だったけどね……うー、ちょっと気分悪い……」
ココア「けどマカさん、そのお水はお兄様が浸かっていたお水ですわよ?」
マカ「えっ……///」カァァ///
友「俺も泳いでたから俺のエキスもたっぷりだけどな!!!」
マカ「吐いていい?」
兄「さ、そろそろ帰るぞー妹。みんな、今日はありがとうな……インストラクターさんもお疲れ様でした」ペコッ
妹「ばいばーいみんなー」フリフリ
ココア「あら?帰ってしまうのですか?」
兄「……へ?どういう事?」
美少女「もーっ、ニブいなー兄先輩はっ!心愛ちゃんはもーちょっと遊びたいって言ってるんですよっ!このこのっ!」
妹「あ、そうなのー?心愛ちゃんっ?」
ココア「ええ。実は……温泉付き旅館の部屋を予約していまして」
兄「泊まり!!?」
…………
兄「……さて、心愛ちゃんが手配しためっちゃ長いリムジンに乗って旅館まで来ましたが……」
ドデカァ~イ!
妹「お、お兄ちゃん……ウチの家五軒分くらいあるよ?」
兄「おかしいな、ウチの家一戸建てでそこまで小さくないはずなんだけど」
マカ「お、お嬢……大丈夫なの?こんな所……」
ココア「ええ。本当はもっと大きい所を予約しようとしたのですが、生憎小さな所しか……」
兄「コテコテのネタだけど実際されると超困るね」
仲居s「「「ようこそお越しくださいました」」」ズラッ!
マカ「うわ……仲居さんが大勢お出迎え……」
美少女「すごーい、お姉ちゃん連れて来てあげたらよかった」
若女将「遠路はるばる、ようこそ。私がこの旅館の女将です」ペコリ
妹「え、おねーさんが女将さん?わかーい!」
若女将「嫌ですわ、お客様。若いなんて……ホホ……」
兄(確かに若いな……幾つなんだろ)
若女将「そういうお世辞はもっともっと言ってもらって結構ですよ」ニコリ
兄(けどなんかダメ人間のオーラを感じる)
若女将「お嬢様、申し付けられた通りお部屋はご準備しました」ペコリ
ココア「ありがとうございますわ」ニコッ
イン「しかし……これだけの人数です。用意する部屋の数だけでも凄い事になるのでは?」
マカ「確かに。マカにお兄さんでしょ?妹ちゃん・お嬢・インストラクターさん・美少女さんに……あ、友さんがいたか」
友「今完全に忘れられてたけど、ちゃんと付いて来てるよー俺っ!」ビシッ!
マカ「うわあウザい」
若女将「お部屋は二つと聞いておりますが……」
兄「ああ、男と女で分けるのか」
若女将「いえ、友さん一人と、その他全員という分け方で御座います」
友「そろそろ泣いていい?」
若女将「また友さんの一人部屋ですが、私自身が夜のフロントサービスを行う事になっております///」
友「よっしゃあああああ俺一人部屋ァ!!絶対お前ら入れさせねえからなァ――ッ!!」ビシイッ!
兄「友が活き活きしてる……」
イン「若いですね」
マカ「きもーい」
若女将「では、お部屋までご案内します。こちらへ……」
シズシズ……
妹・マカ・ココア「「「はーい」」」
ドタドタドタ……
若女将「……あ、お客様。そちらの床板は踏まないようご注意を」スッ
兄「え?ああ……腐ってるんですか?」
若女将「はい。毎夜この場所で露出オ○ニーをしていましたら愛液で」
イン(この女将……できるッ!)クッ!
兄「何で対抗意識燃やしてんだこの人」
若女将「こちらがお部屋です」スウー……
妹「うっわー!広ーい!すごーい!!」
マカ「何畳あるの、この部屋……すごく高そうなんだけど……」
ココア「うふふ……あ、お兄様。どうですか?お気に召しました?」
兄「あー……うん。部屋はいいんだけど……」
ココア「?……どうかいたしました?」
兄「なんで布団一つに枕が6つあるの?」
若女将「オホホ、これは失礼……私の分の枕がありませんでしたね」スッ
兄「追加すんな!」
兄「ちゃんと人数分の布団用意して下さいマジで」
若女将「けど、今夜はお盛んなのでしょう?でしたら布団一つの方が……」
兄「部屋広いのに布団一つに6人入るとかエロ抜きでおかしいだろ窮屈すぎるわ」
マカ「まーまーお兄さん、とりあえず後でいーじゃん。マカ泳ぎ疲れちゃったから休みたーい」
美少女「そうだねー。ボク温泉入ってゆっくりしたいよ。ここ温泉旅館なんだよね?」
若女将「温泉……それはそれは、まあまあまあまあ……」アラアラウフフ~
兄「……なんすか、その反応……」
若女将「いえ、実は当温泉はですね……露天風呂が『混浴』となっておりまして♡」
友「『こ』ォア!?」
マカ「『ん』……ッ!?///」
妹「『よ』?」
イン「『く』……ですか。フフフ……」ジュルリ
美少女「えー、兄先輩とじっくりゆっくり二人でサウナ入りたかったのに……まあいいけど」
兄(……帰りたい)ガックリ
カポーン……
友「うおおおお!すっげー風呂でかいなー兄っ!なっ?なっ!?」
兄「うん。ビックリするほどでかいな」
友「内湯でこんなに広いのに、その上露天風呂まであるとか……フフフ……」ジュルリ
兄「内湯広いし、露天風呂行かなくてよくね?」
友「おまっ……引くわー、マジどん引くわーッ!リアルにホモを疑うわー!!」
兄「ホモじゃねえって何回も言ってんだろ。うぜえなコイツ」
友「だって露天風呂混浴なんだぜ!?女体見放題なんだぜ!!?」
兄「その内三人幼女で一人は痴女じゃん」
美少女「まあまあ友先輩。兄先輩はちょっと恥ずかしがってるんですよー」ジャーン
兄(コイツは普通に男湯にいるし……)
友「うおおおお……が、眼福じゃあああ……」オガミッ!
兄「拝むな。コイツ男だぞ」
友「けど胸隠すようにしてタオル巻いたら普通に可愛い女の子に見えるじゃん!?」
美少女「やだ友先輩、可愛いなんてテレますよ……興奮しちゃう///」ビンビン!
兄「可愛い女の子だったらタオルが不自然に膨らまんだろう」
友「ククククク……テンション上がってきた!漢・友!露天風呂に突入してきまーす!!」ダッダッダ!
兄「マジで行くのかよ……ある意味命知らずだな」
美少女「兄先輩、露天風呂行かないんですか?気持ちよさそうなのに」
兄「行かねえよ。混浴だし」
美少女「っていうか気持よくなれるんじゃないですか?むふふー」ニマニマ
兄「お前は口を閉じてろ」
美少女「じゃあ兄先輩、ボクと一緒にお風呂入りましょうよー」
兄「……ええー……」
美少女「あ、嫌がるなんてひどーい。ボクはただ、兄先輩に日頃の疲れを癒やしてもらいたいなーって思っただけなのに」プクーッ
兄「……まあ、いいけどさ」
美少女「ホントですか!?やったー♡」ピョンッ!
兄(今日はもう泳ぎ疲れてるだろうし、こいつ一人だったらそこまでボケないだろう……うん)
美少女「じゃあ兄先輩、さっそくサウナ行きましょうっ!」ウキウキ
兄「…………」
美少女「あ、大丈夫。ローションなら用意してますよ」
兄「やっぱり露天風呂行こうかなあ」
カポーン……
妹「おおーっ!すごーい、おっきい温泉だねーっ!」
ココア「うふふ、喜んでいただいて何よりですわ」ニコッ
マカ「景色もいいし、いい所だね」
ココア「あら、マカさんはこういう古風なの、あまり好きじゃないかと思いましたけど……」
マカ「そーお?普通に好きだよ。今日は遊び疲れたから、ゆっくり出来そうだし……」
妹「あーっ!向こうに打たせ湯があるよ!行ってみよーっ!」バッシャバッシャバッシャ!
マカ「疲れ知らずだね妹ちゃんは……」
イン「いけません、妹さん。はしゃぐと他のお客様の迷惑になりますよ」ズイッ
妹「あ、ごめんなさーいインストラクターさーん」
マカ(他にお客さんいないんだけどね……)
イン「今日は女さんがいないので、大人の女性は私一人。……今日は私が、あなた達の保護者を努めますので」
マカ「保護者?インストラクターさんが?」
ココア「まあ……それではインストラクターさんが『ママ』という事ですね!」
妹「ママー!」バシャバシャ
イン「お前がママになるんだよ!」
マカ「インストラクターさん、それどういう意味?」
チャポン……
イン「ふう……それにしても良いお湯ですね。肩の疲れがグッと楽になります……」
プカァー
妹「うおお……インストラクターさん、胸が浮いてるよぉ……!」
ココア「ふわぁ……大人の女性ですわね……」
マカ「確かに……スゴイよね、あれ」プリンッ
妹「とか言いながらマカちゃん!あたし達の中じゃ一番お胸おっきいじゃん!ふくらんでるじゃん!!」
マカ「ふ、ふくらんでないよっ!こんなの全然……いや確かにもうそろそろブラつけようかなーとか思ったけど!」
妹「一センチ10円で売って下さい」ドゲザッ
マカ「いや売れないし……レート安いな!!」
ココア「あのあの、インストラクターさんっ」
イン「はい、何でしょう」
ココア「どうやったらその、お胸おおきくなるのですか?」
妹「あ、それあたしも気になったー!やっぱり揉まれると大きくなるの?それとも牛乳?」
イン「んー……マッサージも牛乳も良いと思いますが、やはり……アレのせいですかね」
妹・ココア「「アレって!?」」
イン「タンパク質。新鮮な」キリッ
妹・ココア「「な……なるほどぉー……!」」
マカ「…………」(←心当たりあるから何も言えない)
イン「あと、胸を揉む場合は乳首を触らないようにした方がいいですね。肥大化しますので」
ココア「なるほどぉ……」
妹「嘘!?あたし乳首性感帯なんだけど!」
マカ(……早くこの話終わらないかなあ……)
……ッダッダッダ……!
マカ(……ん?何か足音が聞こえる……?)
ガラッ!
友「ひゃっほう!露天風呂に俺・参上っ!この世に残る最後の楽園(エデン)へ――……」
マカ「きゃああああああああああ!!!」ヒュッ――
ドガアッ!!
友「いきなり飛び蹴りゲホオッ!!?」ガハーッ!
マカ「はー!はー!……ち、痴漢だよ妹ちゃん!お嬢!インストラクターさん!!」
妹「ま、マカちゃん落ち着いて!」
マカ「ヤバいよこの人!堂々と入ってくるんだもん!旅館の人呼んだ方がいいかな?それとも警察!?」
ココア「落ち着いて下さいマカさん。この露天風呂は混浴ですわ!」
マカ「へ?」
・ ・ ・
マカ「……ゴメン、あまりのキモさに頭からすっ飛んでた……」
妹「マカちゃん、友さんと前世とかで何かあったの?」
マカ「だって混浴にお兄さん以外来るとは思わなかったんだもん……」
妹「むしろ友さんの方が率先して来そうだけどね。お兄ちゃん童貞だし」
ココア「あの、友さんすごい勢いで蹴り飛ばしましたけど……大丈夫なんでしょうか?」
イン「そうですね……確認してきましょう」ザパッ
テトテトテト……
イン「……友さん?意識はありますか?」グイッ
友「……か……た……」ブルブル
イン「?……何ですか?よく聞こえません」ズイッ
友「……タオル越しのおっぱい……超気持ちいいっす……///」ビクビク
マカ「キモイよーもう捨てようよーその人ー」
イン「すみませんでした。ウチのマカさんが……」ペコリ
友「いやいやそんな。インストラクターさんが謝る事では」
マカ「そうだよインストラクターさん。もうその人男湯に押し返そうよー」
イン「そういう訳にもいきません。友さん、怪我はありませんか?何処か調子の悪い所は?」
友「調子の悪い所……そうですね、一つ言うなら……」
イン「?……何でしょうか。もしや、先程蹴られた時に何処か怪我を……?」
友「飛び蹴りの時一瞬だけタオルがめくれてお○○こが見えまして、俺のアヒル隊長が超荒ぶってるんですよ」
マカ「もうその人殺そうよ」
妹「っていうかそれ調子良いよね?」
カポーン……
兄(……美少女をサウナに押し込んだ隙に露天風呂まで逃げてきたが……)コソッ
友「」プカーッ……
マカ「インストラクターさん、コレ捨ててきてくれる?」
妹「マカちゃん、容赦無いね……友さん原型無いよ」
イン「仕方ありませんね、山の中にでも投げておきますか」
兄(友が殺られとる――!!!)ガビーン!
兄(クソ、予想してたとはいえ普通に混浴に全員いるとは……もし見つかったらスケベだのヘンタイだのムッツリだの言われる事は確実だよな……なんで露天風呂いるんだよチクショー)
カポーン……
兄(……駄目だ、寒くなってきた。しかし戻ったら美少女という名のホモがいるし、一体どうすれば……)
……ブルルッ!
兄(……考えてる場合じゃないな。背に腹は代えられん。諦めて男湯に戻ろう)ソローッ……
イン「……兄さん、何コソコソ覗いているのですか?」
兄「」
兄「い、いいいいインストラクターさん!?なんで男湯の出入口に……!」
イン「いえ、山に友さんを投げようとしていただけですが」ズルズル
友「」
兄「投げ捨てないで下さい」
イン「では男湯にでも放り込んでおきますか。……ところで、兄さん。貴方……」ジトッ
兄(ヤバイ、面倒な人に見つかった……!しかも濡れたタオル一枚とか……駄目だろ色々と……!)ダラダラ
イン「……普段の行動から、性欲ゼロのストイック不能野郎かと思っていましたが、覗きをするなんて……」
兄「い、いや違うんですよインストラクターさん。これは――……」
イン「ただのヘタレムッツリスケベ変態野郎だった訳ですね!」
兄「そこまで言われる謂れは無い」
兄「違うんですって!覗きをしてた訳じゃなくって、ただ……」
イン「ただ、何です?」
兄「ほら、男湯には美少女がいるじゃないですか。アイツがいると全然落ち着かない訳でして。執拗にケツ触ってこようとするし……」
イン「はあ、美少女さんですか」
兄「だからアイツから逃げるために、こっちの露天風呂まで来た訳でして……」
イン「……」
兄「本当全然、覗くつもりじゃなかったんですよ。露天風呂にみんながいたから、やっぱり男湯に戻るかなーとか思ってたくらいで……」
イン「……あの、露天風呂に逃げたとしても、普通に美少女さんは追ってくると思うのですが……何故混浴の露天風呂に来たのですか?」
兄「正論すぎて何も言えない」
イン「まあこんな所にいるのも何ですし、せっかくですから一緒に温泉入りましょうか」ムギュッ
兄「ちょっ、掴まないで下さいよインストラクターさん!」
イン「あら、何故ですか兄さん。連れないですね」ムニュムニュ
兄「あ、当たってるから!なんかこう色々と当たってますから!」
イン「まあ当てているのですけど、余裕のない兄さんというのは結構面白いですね」モニュモニュ
兄「いい加減怒りますよ」
イン「兄さんってあれですか?初えっちの時も『ちょっと休憩するだけだから!何もしないから!』って感じで余裕無いんですかね?」
兄「ノーコメントでお願いします」
兄「とりあえず、腕つかむのだけはやめて下さいよ……」
イン「こうしないと逃げるか途中でヘタレるでしょう?」
兄「……もう色々と諦めてるから逃げませんよ」
イン「仕方ありませんね。では腕をつかむのはやめましょう」パッ
兄「そうして下さい」
イン「代わりにアソコ掴んでもいいですかね?」ワキワキ
兄「良い訳ねえだろう」
カポーン……
マカ「……友さん捨てにいったインストラクターさん、帰ってくるの遅いね」
ココア「そうですわね……」
テトテトテト……
妹「あ!インストラクターさん帰ってきたよ!お帰りなさー……」
イン「どうも」ペコリ
兄「…………」プイッ
マカ「ひゃあっ!?おおおおお、お兄さんっ!?」アワアワ
妹「ええっ!?超ヘタレのお兄ちゃんが堂々と覗き!?もしかしてお兄ちゃんのニセモノ!?それともドッペルゲンガー!?どっかで頭打ったの!?」
兄「色々と違うし、お前俺の事どう思ってんだ」
カポーン……
兄「――……という訳で男湯から逃げてきただけだ」
妹「……それ、美少女さんが露天風呂来たら意味ないよね?」
兄「もうその正論は聞き飽きた」
ココア「まあまあ妹さん。良いじゃないですか。一緒に温泉楽しみましょう?」ニコッ
マカ「マカは……べつにいいけど……///」ブクブク……
妹「うーん、いや、いいんだけどさ……ちょっと、ねえ……?」
兄「……なんだよ」
妹「いや、実はアンダーのケア忘れてて」
兄「いやお前生えてないじゃん」
マカ「お、お兄さん……そういうセクハラは実の妹にどーかと思うよ?」
兄「違っ……今のは違う。別にチラッと見えたとかそういうのじゃないから」
妹「そんな事言っちゃってーっ!お兄ちゃんってばチョメチョメに興味津々なんでしょー!?」
兄「だから違うって……チョメチョメって何やねん」
イン「ふむ、つまり兄さんは無毛よりも、もっさりふわふわごわごわの方が好きという訳ですね」
兄「俺がいつそんな事言ったかな」
イン「ちなみに私はジャングルブックとなってます」バサッ
兄「タオル取ってんじゃねえ隠せ!!!」
ココア「もう、皆さんお兄様が困っておりますし、ゆっくり温泉を楽しみましょう。ね?」ニコッ
兄「いや俺は出て行くから……」
イン「何を言ってるのですか兄さん。貴方は全然温泉を堪能してないじゃないですか」
兄「いや本当マジでいいんで」
イン「そんな事言って……兄さんの、コ・コ♡」
ツンッ♡
イン「すごく……カタくなってますよ?」モミモミ
兄「……確かに肩の筋肉こってるけどさあ……」
カポーン……
妹「ふぃー……露天風呂っていーもんだねー……」プカーッ
兄「ああ……」
マカ「……」
兄(……な、なんか流れで温泉浸かっちまったけど……正直何処見たらいいかわかんねえ……落ち着かねえ……)ダラダラ
マカ(ちょ!お兄さんがととと、隣にぃーっ!!かかか肩当たってるんだけど!すごっ……お兄さんいい筋肉しててゴツゴツ……男らしくっていいなあ……♡)ポーッ///
兄「……(このまま黙ってるのも気まずいな……)」
マカ「(あ、ヤバ……なんかヘンな気持ちに……///)」
兄「あー……マカちゃん、温泉気持ち良いか?」
マカ「ふえっ!?あ、うん……すごく、気持ちイイ……///」ポーッ
兄「えっ何その反応」
妹「へいへーい、お兄ちゃんってばマカちゃんの色気にイチコロなんじゃないのー?ヒューヒュー!」
兄「さっきからお前は絶妙にウザいな」
ココア「お兄様、あまり興奮しすぎて鼻血ブーしちゃダメですわよ?」
兄「いやしないから。っていうか興奮して鼻血って、最近もう無いだろ……」
ココア「?……あれ、けどなんか……お湯、少し血が混じってない?」
兄「えっ!?」
イン「ああ申し訳ありません。実は私アノ日でして」テレテレ
兄「アンタそれでよくプールと温泉来たなあ」
確か水圧の関係であの日でも血は漏れないんじゃなかったっけ?
既に出てる血は別だけど
>>796
イン「多い日なんです」キリッ
兄「何言ってんですかアンタ」
兄「昼間のプールで疲れてるんだから、ちょっと黙ってて下さいよ……」
イン「むう、つまらないですね。童貞なら童貞らしくもっと慌てたらどうですか」
兄「童貞童貞うっさいわ痴女」
妹「そーだよ、お兄ちゃんらしくない!本物のお兄ちゃんだったら、女体に囲まれるとアワ吹いて気絶するはずだよ!!」
兄「しねえよ」
マカ「あの……お兄さん?こんな事、あんまし言いたくないんだけど……」モジモジ
兄「え、何?」
マカ「もしかして……勃たないの?」
兄「インポじゃねえよ」
妹「え!?勃ってるの今!!?」ザパッ!
ココア「本当ですか!?少し見せてください!」ザパッ!
イン「少し味見させて下さい」ザパッ!
兄「お前ら黙れー」
兄「俺だって、その……男だし、色々と……アレだよ、この状況は……クるモンがあるよ」
妹「ほおほおほおほお」ニマニマ
イン「wktk」ソワソワ
兄「……けど!……幼女と痴女と実の妹には、アレだ。……無いから。色々と」
マカ「……あ、そう……なんだ」ガックリ
兄「いやほら、普通にな?一般的な考えとしてヤバイから。な?」アセアセ
イン「ふむ、その理論でいきますと」
兄「はい?」
イン「痴女でも幼女でも無い私はアリという事ですね」
兄「自己分析出来ないって怖いなあ」
兄「アンタなんか一番最初にアウトだアウト。リアルに無い」
イン「なんですって……こんな立派なおっぱいがあるのに?」ムニュッ
兄「おっぱいより痴女のマイナスの方がでかいんですよ」
ココア「それに、お兄様はロリコンですものね?」ニッコリ
兄「笑顔で何言ってんのこの子」
マカ「けど、今おっぱい興味無いって……」
兄「いや痴女だから無いだけで、幼女も普通に無いよ」
マカ「だ、だけど!!マカは……お兄さんの事好きだよっ!!」
兄「……ぐっ……」
イン(あ、言葉に詰まった)
ココア(ヘタレですわねぇ……)
妹「ちょぉーっと待ったぁーマカちゃん!あたしを忘れてもらっては困るよ!!」バーン!
マカ「ちょ、妹ちゃん邪魔しないでよ!今いい所なのに!!」
兄「妹、マジでウザいからお前はもう引っ込んでなさい」
妹「そういう訳にはいかないよ!なんてったってあたしはお兄ちゃんの手によってヴァージン喪失を狙ってる清らかな乙女なんだから!」
兄「そんな『清らかな乙女』いてたまるか」
妹「さあお兄ちゃん!丁度裸でいい機会だし処女を捨てさせて!さあさあ!」
兄「さっきも言ったけど、実の妹とか無いから。倫理的に」
妹「じゃあ、実はあたしとお兄ちゃんは、血が繋がってなくてっていうのは!?」
兄「そんな面倒くさい設定却下だわ」
マカ「むぅ~~っ……ちょっと、お兄さんっ!」ザパッ!
兄「うお、マカちゃん?」ビクッ
マカ「前にさ?マカがお兄さんに、その……こ、こくはく……した時はさ?///」
兄「え、あ、はい」
マカ「お兄さんが、マカの他に大切な人を見つけちゃうって……し、知ってたから……」ジワッ
兄「え……」
マカ「だから!マカはそんなお兄さんを、頑張ってマカの方に振り向かせようとしてたんだよ?……ううっ」ツウッ
兄「え、あ、その……と、とりあえず泣くの、やめて……」ワタワタ
マカ「それなのに何!?お兄さんってば……いっつも『女には興味ない』みたいな顔して適当にツッコミ入れてうやむやにして!!!」
兄「え、それ怒られる所なの……?」
マカ「目の前に裸の女の子がいるんだよ!?ちょっとは……真面目に『一人の女の子』として、私達を見てよっ!!」
バンッ!
兄「!!……」
マカ「じゃないと……私達、意味が無いじゃん……」ボソッ
兄「……え?」
イン「そうですね、兄さん。この際ですからハッキリさせましょうか」ズイッ
兄「な、ハッキリって……?」
イン「ズバリ!……どなたが兄さんのタイプなのですか?」
兄「…………!?」
マカ「……お兄、さん……」モジッ
妹「そりゃーこの魅力的ないすばでーなあたしに決まってるよねー?妹という事で背徳感があるのもポイント!」
ココア「……」
兄「…………」
妹「……あの、無視って本気でツラいんだけど……」
マカ「……今のは空気読んでない妹ちゃんが悪い」
イン「……私は、普段からあのような感じですし、信じてもらえないでしょうが……兄さんの事は、異性として好いていますよ」
兄「……えっ」
イン「ストイックな態度、良いじゃないですか。そういう所、格好良いと思いますよ」ニコリ
兄「……」
マカ「……お兄さん。マカの気持ち……デートした時から、変わってない」
兄「……マカちゃん……」
マカ「大好きだよ。たとえ……他の人が好きだとしても。マカは……私は、お兄さんが好き」
兄「……」
ココア「……お兄様」
兄「……心愛ちゃん」
ココア「私は……私、……私は、その……」
妹「ちょ、ちょーっと待った!待って!ストップ!!!」ザパーッ!
ココア「……」
兄「……な、なんだよ」
妹「あ、いやその……ほら!あたし、妹じゃん?」
兄「……うん。それが?」
妹「いや、ほらだから……それってポイントになる?」
兄「……どちらかと言うと、マイナスポイントだな」
妹「で、ですよねー……アハハー……」
兄「……」
妹「……」
……ヒュウウー……
兄「……で、どうすんだよこの空気……」
妹「う……え、ええーいっ!!」
ザパッ!!
妹「こうなったら実力行使あるのみーっ!!あたしの魅惑なちっぱい攻撃をくらえーっ!!」
ギュウウーッ!
兄「ぎゃああああああ!!おまっマジふざけんな洒落ならんだろアホ離れろーっ!!」バタバタッ!
マカ「あ!ちょ、ズルいよ妹ちゃんっ!ま、マカだって負けないんだからっ!」ガシッ!
イン「誘惑でしたら私の得意分野ですね。では、せっかくですし挟んであげましょうか?」スリスリ
ココア「あ、あらあら……では私も。うふふっ♡」ギュッ!
兄「ぐぉおおおおおおおお!!!」
兄(あ……あったかいのと柔らかいのと良いニオイなのとで、ヤ、ヤバイ……これはマジで……!!!)
兄「つ……付き合いきれっかあ――ッ!!」ドバシーッ!
「「「「きゃあっ!?」」」」
兄「うおおおお!お、俺もう風呂あがるっ!部屋戻るからなっ!!」ドタタタタッ!
妹「あ!お兄ちゃんが逃げたーっ!」
マカ「こんな感じで逃せる訳無いじゃん!追えーっ!」
兄「うおおおおおお……」
ドタタタタ――ッ……
美少女「兄先輩っ!♡こんな所にいたんですねっもうっ!」ヒョコッ!
兄「えっ」
美少女「……え?」
ドッカーン!!
妹「あ、衝突した!」
マカ「え、ちょ……お兄さんこっち倒れてくるんだけど!!?」
ドッシィーン!!
イン「あら」スポッ!
ココア「あれ?」ギュッ!
美少女「あんっ♡」ズプッ!
マカ「んぐっ!?」ガポッ!!
兄「…………」
妹「あ……ああっ!!お兄ちゃんが美少女さんと衝突して倒れた拍子に……!!!」
妹「インストラクターさんのおっぱいにお兄ちゃんの頭が挟まれて心愛ちゃんの右手がお兄ちゃんの○○○を掴んでその上お兄ちゃんの○○○がマカちゃんの口に入って、ついでに美少女さんの○○○がお兄ちゃんのお○○に挿入ってる――!!!!!」
兄「そんな状況偶然なる訳ないだろんほおおおおおおおおお!!!」ビクンビクン!!!
…………
…………
妹「ふー……温泉気持ちよかったねー!」ホカホカ
美少女「うんっ!すっごく気持ちよかったぁ♡」
イン「たまにはああいうのもいいものですね……母性本能をくすぐられました」
ココア「す、すごく……たくましかった///」ポッ
マカ「の、飲んじゃった……お兄さんのを、の、の……///」ビクビクンッ
兄「…………死にたい」ガックリ
妹「お兄ちゃん、いい加減元気だそうよ……」
妹「そんな事より、浴衣だよ浴衣ーっ。どうどうお兄ちゃん、せくしぃー?」クルリンッ
兄「ああうん、全然」
友「うっひょお!可愛い女子の浴衣姿キター!!これぞ温泉宿の醍醐味!いつもと違う大人の色気にノックダウンだーっ!!」
兄「友、お前生きてたのか……」
マカ「おかしいな、完全に仕留めたはずなのに」
友「どうせ兄の野郎が淡白な反応するだろうから来ました。ぶっちゃけ部屋で一人は寂しかったし」
マカ「ウザい反応の方が困るから消えて欲しい」
友「で、で!どうなんだ兄。ぶっちゃけソソるだろ?しっとり濡れた髪がセクシーだろ??」
兄「いや、全然」
友「何だお前、その反応……賢者タイムか?」
兄「ぶち殺すぞ人間(ヒューマン)」
イン「私はあまり浴衣って好きじゃないんですよね。すぐに胸元開いちゃいますし」ムチッ
兄「ぐ!……(谷間、見えてるんですけど……)」
マカ「なんか、油断してるとすぐ見えちゃいそう……大丈夫かな?」チラッ
兄「ぶ!……(い、今太ももの付け根あたりが……マカちゃん、もしかして……はいてない?)」
ココア「私はこういう服、珍しくて大好きですわよ?」プルンッ
兄「ご!……(う、腕上げた拍子に……ち、ちく……イカンイカン!見えてない……何も見えてないぞ)」
美少女「ここの浴衣可愛くっていいですねー」ハミチンッ♡
兄「お前はその可愛くないもん仕舞え!!」
兄「ぐううう……!(どうした俺……さっきからおかしいぞ。平常心……平常心になれ……!!)」ヒッヒッフー
妹「だいじょぶ?お兄ちゃん?」サスサス
ガラッ
若女将「お休み中失礼致します。お食事の準備が整いました」シズシズ
イン「ああ、どうもありがとうございます」
妹「え!ごはん!?やったーお腹すいてたんだーっ!で、で、どんなの出るんですか?」ワクワク
若女将「本日のお食事は、季節のお魚をふんだんに使用した――女体盛りです」
兄「違うのにして下さい」
・ ・ ・
仲居「……お待たせいたしました。こちら、季節の四種盛りです」コトリッ
妹「うわぁー……すごっ!こんなの初めて見るよーっ!!」ピョンピョン
マカ「妹ちゃん、ちょっと落ち着こうよ。恥ずかしいし……」
イン「うん、美味しい……中々の腕ですね」モクモク
兄「?……あれ?」キョロキョロ
ココア「どうかしましたか?お兄様?」
兄「いや、俺の料理来てないんだけど……」
若女将「ああ、失礼しました。お客様には特別メニューを用意しておりまして」
兄「特別メニュー?」
若女将「はい、こちらです」コトッ
レバニラ炒め、スッポン鍋、牡蠣フライ、うな丼、にんにく炒め、赤まむしドリンク……
兄「やったーこれで元気いっぱいだー。……馬鹿かっ」
兄「……ゲプッ。もういらんわ……どんだけ出てくるんだよ精力増強料理」
妹「あ、律儀に食べたんだ」
兄「食わないと捨てるって言われたら、流石にな……なんかスゲエ腹立つけど」
ガラッ
仲居「では、最後に。デザートの和風アイスクリームです」コトリッ
マカ「わあ……これ可愛くっていいね。もうお腹いっぱいって思ってたけど、これなら食べられそうっ!」
兄「……えーっと、俺のはあるんですかね?」
若女将「はい。もちろん用意しておりますよ」コトリ
兄「あ、良かった……デザートのアイスは普通だ」
若女将「お客様のは特別に、私の母乳で作っております♡」ポッ///
兄「流石に食えるかァッ!!!」
マカ(……え、ていうか母乳出るの?)
…………
ガラッ
マカ「はー、お腹いっぱい……ちょっと食べ過ぎちゃったかな」テトテト
イン「あら、お食事の間にお布団用意して下さったんですね。きちんと人数分」
マカ「良かったー。正直ゆっくり寝たいと思ってた所なんだよね。もう眠いよ……」
妹「おっと、ちょい待ちだよマカちゃん!」
マカ「ん?何――……」
ヒュッ!
マカ「んぶ!?」ボスン!
妹「旅館の夜といったら……枕投げだよっ!!」バーン!
マカ(……なんで妹ちゃんはここまで元気なんだろう)
妹「一回やってみたかったんだよねー枕投げ!あたし枕投げなら世界一なれる気がする!」
マカ「今初めてやったのに!?」
妹「あたしの世界一の枕投げ技術を見よ!とぉー!」ビューン!
マカ「わぶ!……それだったらマカだって!うりゃー!」シュバーッ!
美少女「ボクだって負けないよー!やー!」ブーン!
イン「では、私も……」つYES/NO
マカ「ちょっと待って、なんでインストラクターさんのだけイエス・ノー枕なの?」
イン「ふふふ、準備は万端という訳ですよ。皆さんがそうして遊んでる間に、私は兄さんと夜の枕投げを……」
マカ「ちょ、させないし!っていうか『夜の枕投げ』とか、枕投げは夜やるもんでしょー!?」ブンッ!
イン「甘いですね。腕ではなく肩で投げるようにしないと安定しませんよ」スッ
妹「な!世界を狙うあたしに早くもライバル登場……!?」
マカ「いやそもそも枕投げ世界一って何なの?」
妹「枕投げ世界一の技術はスゴイんだよー。こう……枕を投げる事でね」
マカ「うん」
妹「遠心力と共にスゴいスピードになった枕がお兄ちゃんの頭に直撃!そして気絶させた所で既成事実を……」
マカ「ろくでもないなー枕投げ世界一」
マカ「…………っていうか、あれ?」
妹「にゃ?」
シーン……
マカ「……お兄さんは?」
妹「……あれ?」
…………
…………
カポーン……
兄「ふー……やっとゆっくり出来る……」
チャポン……
兄「……皆には悪いけど、一人でのんびり温泉楽しみたかったんだよな……露天風呂景色いいし、最高……」
・ ・ ・
兄「…………」
カポーン……
兄「……皆、か……」
『『『ちょっとは……真面目に『一人の女の子』として、私達を見てよっ!!』』』
兄「…………」
・ ・ ・
兄(……俺は……皆の事、どう思ってるんだろう……)
兄(……変なやつばっかだし、よこしまな所あるけど……皆、こんな俺に……好意を向けてくれてるんだよな……)
・ ・ ・
兄「……こんな俺の何処がいいんだよ。……恥ずかしくて、まともに人なんて見れない……俺なんか」
……カポーン……
兄「…………妹は……」
兄(あいつ……耳年増で思春期で、ただの好奇心から変な事言ってるって思ってたけど……俺の事『嫌い』って、言った事無いんだよな……)
兄(……おバカだけど憎めなくて……やかましいけど、黙ってると可愛いし)
兄(……暗い空気を底抜けに明るくしてくれる、いい妹だ……)
兄「…………」
・ ・ ・
兄「……インストラクターさん」
兄「……」
兄(……痴女だけど、人一倍真面目だって事、俺は知ってる。……しっかり者だから、色んな事が出来るし……皆から頼られるんだよな)
兄(……胸、大きくてスタイルいいし……すごい美人なんだよな)
兄「……」
・ ・ ・
兄「……アホか。料理に影響されてんのか?……俺……」
兄「…………」
・ ・ ・
兄「……マカちゃん」
兄(……真剣に告白してくれたの、マカちゃんだけなんだよな。……俺は……結局何も言えなかった)
兄(……何も、言ってあげる事が……出来なかった)
兄(可愛いし、行動力あるし、クラスのアイドル的存在……そんなマカちゃんが俺の事『好き』って言ってくれてる)
兄(けど、俺は……俺は……)
兄「…………」
カポーン……
兄「……ゴメンなぁ、マカちゃん」
兄「俺……はっきり言ってあげられなかったな」
・ ・ ・
兄(……美少女は……男だけど、性別なんか関係ないって本気で言って……)
兄(……姉の女さんも、クラスメイトの俺に良くしてくれたよな……)
兄(ただ隣の席ってだけなのに……俺、彼女に甘え過ぎてたかもな……)
兄「……」
カポーン……
兄「…………」
兄「……そして――…………」
・ ・ ・
兄(……ずっと違和感があったんだ。どうして……俺はこんなにも……)
兄(どうしようもない……ヘタレの、童貞だってのに……)
兄(……皆から好意を持たれるのかって)
兄(……なんで、それなのに……ちっとも嬉しくないのかって)
兄「……俺は……」
兄(……ある一人からの笑顔しか、嬉しくないって……思ってた)
兄(……マカちゃんに……あれだけ素直に、告白されたのに……)
兄「……」
ガラッ
兄「っ!?」ビクッ!
……ペタ……ペタ……
兄(誰か来る!?……なんで……こんな時間に……!?)
ペタペタ……ペタ……
兄「!!…………あ……!」
ココア「……」
サァ……
兄「こ、コア……ちゃん?……何で……!!」
ココア「……お兄様が……お部屋にいらっしゃらないので」
兄「……俺、が?」
ココア「……探しに来ましたわ。……せっかくですので……隣、失礼しても?」
兄「あ、ああ……」
ココア「……」
ジャブジャブ……
ペタッ
兄「…………」
ココア「……」
カポーン……
ココア「……綺麗な場所でしょう?」
兄「!……え?」
ココア「この露天風呂。……すごく良い景色で……」
兄「あ、ああ……いい所だよ」
ココア「……」
兄「初めて来たけど、なんか懐かしいような空気がして……ふ、古いからかな?アハハ……」
ココア「……」
兄「……」
ココア「……」
ココア「……悩んでいたのですね?」
兄「!」ビクッ
ココア「……マカさんから、あんな事言われて」
兄「……どうして……」
ココア「ふふ、お兄様はわかりやすいですから」
兄「……」
ココア「……決めたのですか?」
兄「……」
ココア「お兄様は……誰が、好きなんですか?」
兄「…………」
兄「選べない」
ココア「……」
兄「……ダメな奴だろ、俺。……皆から好意を持たれてて……マカちゃんなんか、ハッキリ告白してくれたのに……」
ココア「……」
兄「……それが、嬉しいって思えないんだ。心から。……別にハーレム?とか、そういうのが好きな訳じゃない……俺は……」
ココア「……」
兄「……こんなに好きだって言われてるのに……愛し合いたいとか、思えないんだ……ハハ、最低だろ?」
ココア「……」
ココア「……安心、しました」
兄「……」
チャポン……
兄「…………え?」
ココア「実は……私、すごく焦っていた……んだと、思います。……マカさんが告白、したから……お兄様は……」
兄「……」
ココア「……マカさんに気持ちが行っちゃったんじゃないかって。……プールの時も、マカさんにべったりでしたから」
兄「……別に、そんな訳じゃ」
ココア「私が、皆様をこの旅館にお招きしたのは」
兄「!……」
ココア「……この露天風呂が……私にとって、大切な場所……ですから」
兄「……え?」
ココア「誰にも秘密……この事を知ってるのは、お父様と数人の使用人だけ。……5年前の事でしたわ」
兄「……『5年前』?」
ココア「お忍びで日本の、この旅館に宿泊していた私は…………一線を……」
兄「…………は?」
ココア「……駄目、ダメダメ、駄目ですわっ。私には……『絶対に言ってはいけない言葉』があるのに……!」
兄「こ……心愛、ちゃ……?」
ココア「本当は、こんな所……連れてくるつもりなんて無かった!だけど、私……悲しくて、涙が出そうになって……!」
兄「ちょ、落ち着いてくれ……心愛ちゃん……」
ココア「さっき!妹ちゃんが……必死になって、私を止めてくれたのに!……けど、もう言わないと、胸が張り裂けそうなの……!やっぱり嫌なの、私っ!!」
兄「何が――……」
ココア「大好きなの。……貴方の事が」
兄「!!……」
ココア「たとえ、何回貴方が私の事を忘れても……私はずっと、貴方が好き」
兄「……お……嬢、様……?」
バ チ イ ッ ! !
「!?」
火花。
突然の火花。
視界が暗くなる。
世界がぐるりと一回転する。
「何、が…………!?」
意識が遠くなる。
意識が遠くなる。
意識がどんどん遠くなる。
意識がどんどん……遠くなる。
もう……目を開けて……られな…………
料理長「……あのなあ、兄よ……もう何回目だ?いい加減にしてくれよ……ちっとは私の身にもなってくれ」
「おま、え……!……とう、さ…………!?」
ガクッ
料理長「……連れて行け。ハーッ……またか。面倒くさい」
黒服「「「……」」」
ゾロゾロゾロ……
料理長「……さて、お嬢様」
ココア「……お願い……もう許して……!」
料理長「……『許す』?……何を言っているのかわかりませんね……」
料理長「本当だったら殺してる所なんですよ?まあ……もう本当に殺そうかと思っていますが」
ココア「それだけは駄目!!絶対に!!彼を殺すのでしたら……私も!私も一緒に死にます!!!」
料理長「……ハァー……お嬢様。本当にわかっているのですか?」
ココア「……」
料理長「アプローチかけるわ、思い出の場所に連れて来るわ……わざと記憶呼び戻そうとしてません?今回も、二代目執事長君が教えてくれたから良かったものの……」
ココア「…………」
料理長「……わかってますよ。貴方がお父上に似て頑固者だって事はね。……だから、こうしてあげてるんでしょ?」
ココア「……う、ううう……!」
料理長「さ!……次何週目?……6週目か。次の週も気合入れていくかー!!」
…………
……………………
…………
……
…
…………
「……あーあーあーあー……聞こえるか?聞こえてるか?……聞こえたら手ェあげてー。……あ、縛ってるから無理か。すまんすまん」
「さて、執事長……『一代目』君。……もう5年も前だからねー、一応再確認しとこうか?その方がキミも次はヤる気出るでしょ?」
「5年前、キミは隠れて付き合っていたお嬢様と、お忍びで日本旅行に来て……混浴でムラムラしちゃったんだろうねー」
「まあ、あの頃は……今もだけどさ、子供だったし?……遊びの延長戦だったんだと思うよー?」
「けど、その遊びの延長戦で……キミはお嬢様を『キズモノ』にした」
「その事でご主人様はひどくお怒りだ。当然だよねー……大切な娘が、どこの馬の骨ともわからん使用人にヤられちゃったんだから。あはは!」
「で、君を始末しちゃおうかと思ったんだけど……お嬢様がうるさいからねー」
「でも、記憶を消してどっか別の場所に捨てるっていうのも……君は曲がりなりにも執事長で、仕事出来たからね。……色んな、知られてはいけない事とか、知っちゃってたから……」
「ひょんな事で記憶が戻ったらヤバイでしょ?実際、『3週目』まで君はひょんな事で記憶取り戻してたし」
「だからねー……話は前後するんだけど」
「君は記憶消した後、我々の監視下において、記憶を完全に無くすまで首輪つけとこうって思った訳よ」
「けど、君は女々しいから……監視下で何度も記憶取り戻しちゃう訳よ。『お嬢様ー!』って言ってさ。……本当、勘弁して欲しい……」
「……だから、我々は考えた訳だ」
「君が、お嬢様の事を忘れれば……」
「つまり、『誰か他の女性を好きになれば』……」
「君の記憶は完全に消えるんじゃあないかな?」
「この町の人間は皆良い子だぞー。なんせ、風俗業で億万長者となったご主人様が、世界中から集めたからね」
「ロリコンの君が気にいるように年下いっぱい連れてきたし、妹も母親も攻略しちゃってオッケー!……最高の世界だろ?」
「えーっと、次は6……え、7週目?私間違えてた?……もうそんなになるの?……あー、まあどっちでもいいや」
「とにかく、次の週では見事素敵な女性をゲットして、こんな世界からおさらばしてくれ」
「……金かかってんだよ。この町は……頼むよ、本当に」
「じゃあ、次の週でも監視役の私を……」
「……『父さん』と……呼んでくれたら、嬉しいよ」
「……また、会おう……執事長……『兄』よ」
シュバッ!!
……………………
…………
……
…
…………
「……うっ……うー……?」
ムクリ
「……頭、イテ……あれ?……ここは……?」
キョロキョロ
「……俺ん家?」
・ ・ ・
「おっかしいな、さっきまで皆と……」
「……泊まってた……はず……?」
「……?……」
「……『みんな』って、誰だよ……『泊まってた』?……って……」
「……どこに?」
・ ・ ・
「あー……駄目だ、頭痛い……」
「……っていうか、何だ?ここ……『俺ん家』かと思ったけど、全然……」
「……知らない所だし……」
「……それに……」
「…………『俺』は……『誰』だ?……」
?「おっほん!おほほん!うぉっほーん!……ゲホッ!器官入った……!」エホエホ
「……?」
?「あー……毎回キンチョーすんだよねー……っていうか何であたし『妹』なんだろ……絶対好感度低いじゃん……倫理の壁って分厚いよ、絶対……日本ってそういうの気にするんじゃないの?」ヒソヒソ
「……おい?……誰だ?」
?「ゲッ!ヤバ……もう起きてるじゃん。あーあーあー……よし、大丈夫……噛まないようにしよう。うん!」
「?……」
ガラッ!!
?「『お兄ちゃん』っ!!!」
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」
おしまい。
3スレという長い間、本当にありがとうございました。
続きは無いですが、今童貞大富豪と耳年増奴隷のお話考えてたりします……まだどうなるかわかりませんが。
どこか氏家ト全臭のするエロコメディを見つけましたら、またよろしくお願いします。
思ったより残っちゃったので、質問とかあったら答えます。
あとはまあ、何か適当な話でも書きますかね……
乙だけどちょっと待てよ何だこの終わり方
想像してたのと違う……
しかも唐突に終わりだし
いつからこの終わり方考えてたの?
>>873
1スレ目の終わりからです。
本当は2スレ目でこう書く予定でしたので、冒頭に妹が「謎解明編」と言ってます
ココアちゃんが「宿題なんてしなくていい」と言ったり(作られた世界なので)
執事長が「こんな場所で友達なんて……」と言ったり、
マカちゃんやインストラクターさんが「この町から抜け出す」とか一応言ってます
唐突なのは、いつまでもダラダラしない方がいいかなと……
終わり方については、飽きたとかネタが無くなったとかどうでもよくなったとかという事は一切ありません。
ただ、このままだと終わらせるタイミングを見失い、読者いないのにだらだら続ける事になる予感がしたので、終わりにさせていただきました。
申し訳ないです。
一応、後日譚考えてますので、時間が出来たら投下します。
その頃には新しい下ネタ系のお話書き始めようかと……
妹「この歳で処女なの恥ずかしいから捨てさせて」
兄「後日譚」
…………
妹「お兄ちゃん、お兄ちゃーん!」タタタッ
兄「ん?どうかしたか?」
妹「えへへー、呼んでみただけっ!」ニッコー!
兄「…………」
ガシッ
妹「あばばばばばばば、お兄ちゃん頭ぐぁしぐぁしすんのやめて……あばば、酔うから……」グァシグァシ
兄「用も無いのに呼ぶな。ったく……」
兄「……何かあったかと、心配するだろうが」ボソッ
妹「おっ?優しいねーお兄ちゃんは。うんうん。さっすがあたしの好きになった人!よっ!にくいねー!」
兄「うるせえ。マジでうざい」
妹「けどけどぉー、お兄ちゃんはそーいう所もカワイイって思ってくれてるんだよねっ?」
兄「たった今考えを改める事にした」
妹「ひどっ!クスンクスン……涙が出ちゃう。だって妹だもん」
兄「あーもー……」
ギュッ!
兄「……これでいいか?妹様?」ポンポン
妹「……このままチューしてくれたら、許したげる」
兄「……それはまだ早い」
妹「早くないよっ!あたしもー小6だよ?来年にはちゅーがくせーだよ??」
兄「十分早い」
妹「早いとか遅いとか……関係無いじゃん。だって……十分ヘンだし」
兄「……うるせえよ」
妹「実の妹が『恋人』なんてさ。……あたしは、嬉しいけど。……ヘンでしょ?だから、いいじゃん」
兄「……良くない」
妹「……ドーテー」ボソッ
兄「うるせえ耳年増」
妹「あーあー!お兄ちゃんってば奥手なんだから!もっとこう……愛をバーン!って表現しないと、逃げちゃうかもよ?あたし」
兄「何処に逃げるトコあるんだよ」
妹「インストラクターん家」
兄「そりゃあ困るな……あの人住んでるのラブホだし」
妹「だからさー……」
妹「せめて、『愛してる』って……言ってみ。……あたしが、寂しくならないように」
兄「……」
妹「……って、ちょっとお兄ちゃん!?もしかして……恋人にそんな事も言えないの?どんだけドーテー根性してるの……?」
兄「あ、いやすまん。そうじゃなくって……」
妹「?」
兄「……『愛してる』って言葉は……その……」
妹「……」
兄「……もっと他に……言わなければならない人が……居た気がして…………」
バ チ イ ッ
…………
コンコンッ
イン「……あら、兄さん。来てくれたのですね」ガチャッ
兄「インストラクターさん……いい加減ラブホで寝泊まりするのやめて下さいよ。部屋まで来づらいんですよ」
イン「そんな事言って、実は期待しているのでしょう?」
兄「そんな事は無い。全然。全く」ブンブン
イン「否定し過ぎて怪しいですよ、兄さん」
兄「ハァー……もういいですよ」プイッ
兄「今日は海でダイビングの講習やるんですよね?機材運ぶの手伝いますよ」
イン「ありがとうございます。といっても重い物はもう船に乗せましたので、講習者用のスーツやBCくらいですね。こちらです」
ゴチャッ!
兄「……毎回思いますけど、色気の無い部屋ですよね。ラブホなのに」
イン「仕事道具を置くには丁度いいんですよ。ビジネスホテルだと狭いですし」
兄(マンションとか借りればいいのに……)
イン「……それに、色気が無くってもいいんですよ。……赤の他人と肌を合わせる予定も無いですし」
兄「……」
イン「そんな事したら、兄さんが泣いちゃいますもんね?」
兄「泣きはしませんよ。……怒るかもしんないけど」
イン「フフ……素敵な彼氏が出来て、嬉しいです。私」ニッコリ
兄「……からかわないで下さいよ」
イン「あら、本心ですよ?こうしてダイビングのインストラクターの仕事をする時は、いつも手伝ってくれますし」
兄「そりゃあ……一応、彼氏ですし」
イン「……優しいんですね」
兄「……インストラクターさん……」
イン「サヤカ、って……呼んで下さい」
兄「……サヤカ、さん……」
グイッ
兄「え、ちょ……!!」
ドサッ!
イン「あら、困りました。ベッドに押し倒されてしまいましたね」
兄「今明らかに俺の腕引っ張りましたよね?」
イン「フフフ、細かい事はいいじゃないですか」
兄「よ、良くないですよ。インス……サヤカさん、これから仕事なんでしょ?早く行かないと……」
イン「大丈夫ですよ、少しくらい遅れても……」
兄「……サヤカさん」
ギュッ
イン「……ひょっとして……震えてます?」ギュウーッ
兄「……いや、そんな事は……」
イン「フフ、安心して……私に任せて下さい。……これでも、お姉さんですからね」
兄「……」
イン「もっと……甘えていいんですよ?……私を……」
兄「……」
イン「……愛して、いいんですよ?」
兄「…………」
兄「いや、俺は…………!!」
バ チ イ ッ
…………
美少女「あーに先っ輩っ♪」
ギュッ!
兄「うおっ!……なんだ、美少女か」
美少女「んふふーっ、今日も兄先輩いい筋肉……♡」サワサワ
兄「触るな。お前って奴は本当……」
美少女「え?なんで駄目なんですか?」
兄「人の目があるだろ。通行人が見てるぞ」
美少女「えーっ?今さら人の目なんか気にするんですかーっ?」
兄「そりゃあ……そうだろ。……」
美少女「愛があれば性別や人の目なんて関係ないって……言ってくれたじゃないですか」
兄「あー……うん。そうだな」
美少女「だからボクは先輩に堂々と抱きつく資格があるのです!ぎゅーっ♡」
兄「だーかーら、やめろって!」
美少女「なんでですかっ!先輩、ひどい……」
兄「俺は……俺はなあ……」
兄「人の目なんか関係無い。だから俺は……『彼女』を愛して……!!」
バ チ イ ッ
…………
女「ねえねえ兄君っ!昨日ネットでね、初心者にもオススメのア○ルバイブ見つけたんだけど――……」
兄「朝っぱらから下ネタやめろ」
女「いーえっやめません!今日こそ兄君におしりの素晴らしさを教えこんじゃうからね……うふふふふ……!」ジュルリ
兄「何で俺お前と付き合ってんだろう……」ガックリ
女「えー、そんな事言っちゃう?私、傷ついちゃうなー……私達、いーいカップルだと思うんだけど」
兄「あー……まあ、そうかもな」
女「でしょでしょ?」
兄「女さん、地味だし変態だし怖いしあんまし美人じゃないけど……」
女「ちょ、兄君?それは私にケンカ売ってるのかな?かなかな?」
兄「……けど、なんていうか……女さんといると……落ち着くっていうかさ。すごく……いい気分になれるんだよ」
女「……そ、そんな事言って!……ごまかそうとしても……」モゴモゴ
兄「?」
女「……さっきの暴言、私許さないんだからねっ!ば、罰として……今日の放課後私ん家来てよっ!」
兄「ちょっと待って、何する気?」
女「何って……ナニ?」
兄「絶対いかねえ」
女「なんでよー!!ちょっとは彼女のワガママ聞いてくれてもいいじゃーん!!」
兄「ワガママの範ちゅう超えとるわ!あのなあ……!」
兄「俺は『彼女』のワガママを……『彼女』の願いを聞いてあげないと……!!」
バ チ イ ッ
…………
トントントントン……
母「……」コトコト……
ガチャッ
母「?」クルッ
兄「……」
母「!!…………あ……///」
兄「……母さん」
兄「今日の晩ごはん……カレー?」
母「……」コクコク
兄「やった。……俺、好きだよ。母さんの作るカレー」
母「……///」テレテレ
兄「……そのー……さ?」
母「?」キョトン
兄「……もちろん、……母さんの事は、もっと好き……だ」
母「……///」
兄「…………」
兄「……けど、ゴメン」
母「……?」
兄「俺……もう行かないと。随分待たせちゃった」
母「……」
兄「……母さんの事は好きだ。それが、いけない事だとしても。……実の母親だとしても……」
母「……」
兄「……実の母親じゃないとしても。……大好きだ。……大好き……だったんだ」
母「…………」ポロポロ……
兄「けど、俺は――……」
バ チ イ ッ
…………
カランコロン……
マカ「お、お待たせっ!お兄さんっ!」カランコロン
兄「おお……浴衣似合ってるな、マカちゃん」
マカ「え、えへへー……ちょっとムリ言って、ママに着付けしてもらったの。……かわいーい?」
兄「可愛い可愛い」
マカ「もーっ!もっと心を込めて言ってよ!」プンプン
兄「え、えー……十分込めてたんだけど」
マカ「ほら、もっかい!」
兄「あー……マカちゃん、すごく可愛いよ。……浴衣、似合ってる」
マカ「……えへへへへ……」ニマニマ
ピーヒャラピー……
ガヤガヤ……
マカ「ほらほら、もう夏祭り始まっちゃってる!早く行かないとわたあめ無くなっちゃうよーっ!」カラコロ
兄「走ると危ないって、無くならないしさ」
マカ「う、ごめんね?……お兄さんと夏祭りって、その……嬉しくって」ニコッ
兄「ああ、俺も嬉しいよ……」
ガヤガヤ……
兄「?……なんか、思ってたより……人、少ないな?」
マカ「その方がいいよー。マカ、ゆっくりお兄さんとお祭り見て回りたいし」
『第十五回花火大会は、21時開始の予定です。今暫く……お待ちを……』ガガッ
ガヤガヤガヤ……
マカ「お兄さんっ!ほらほら、向こうで金魚すくいやってる!一緒にやろっ?」
兄「ああ……」
マカ「もー、お兄さんテンションひくーい!早く行かないと金魚なくなるって!」
兄「なくならないよ、たぶん。……マカちゃん、もう少しのんびり見て回ってもいいだろ?」
マカ「ヤダよーっ。お兄さんとお祭り、何が何でも満喫しないと!」フンス!
兄「その……俺はさ……」
マカ「?」
ギュッ!
マカ「ふえっ!?ちょ……お兄さんっ?」ワタワタ
兄「……俺……マカちゃんと、ゆっくり夏祭り、見て回りたいんだよ」
マカ「!……」
兄「……駄目、かな?」ギュウウ
マカ「う……ううんっ!ダメじゃないっ!マカも……お兄さんとゆっくり夏祭り堪能したい!」
兄「……ありがとう。……俺、マカちゃんの事……大好きだからさ」
マカ「ふぁ!……耳元で、そーいう事言うの反則だってぇ……///」
兄「大好きだから……これで、最後だから」
マカ「……」
ガヤガヤガヤ……
兄「……」
マカ「……『最後』?」
兄「……マカちゃん」スッ……
兄「今……『何週目』だ?」
マカ「!!!!」
・ ・ ・
兄「……」ジッ
マカ「……」
ガヤガヤガヤ……
マカ「……じゅ……『15週目』……だと、思う」
兄「じゅ……!?」
マカ「……」
兄「……昔の俺は、だいたい一年に一回記憶を失ってたよな。……マカちゃんと初めて出会ったあの週から……9年、経ってるのか?」
マカ「ううん。それは……違う」
マカ「あの週で、マカは……私は、お兄さんに言ったよね?『『一人の女の子』として、私達を見て』って」
兄「ああ」
マカ「その言葉が……お兄さんの心に、影響を与えちゃったみたいで……お兄さんはその次の7週目から、色んな女性と付き合い始めたの」
兄「……な……?」
マカ「付き合っては、思い出して、記憶を消されて、って……それの繰り返し。酷い時は3週間で次の週に行った時もある。私達が出会った6週目から……一年しか経ってないよ」
兄「……」
マカ「……花火大会は、今の私達が『何処』にいるのかわかりやすいように、数字変わってるけどね」
兄「……」
『繰り返します……第十五回花火大会は――……』ガガッ
兄「……ごめん、マカちゃん」
マカ「……どうして謝るの?私……お兄さんとこうして恋人同士になれて、すごく……嬉しいんだよ?」
兄「……」
マカ「ううん。……嬉し『かった』」
兄「……」
マカ「ほら。あの時言った通りだよ。……お兄さんは、私以外に、もっともっと好きな人がいるんだよ」
兄「……ああ。その通りだ」
マカ「待ってるんだよ、彼女は。……私、自分を『買った』金持ちの娘なんて、嫌いだけど……お兄さんが好きなら、仕方ないよね」
兄「……けど、俺は……俺は……」
マカ「……」
兄「……思い出したんだ。本気で向き合って、わかったんだ。俺は、みんなの事が――……!!」
マカ「行って、お兄さん」
ドンッ!
兄「っ……え?」
マカ「お嬢は、自分の屋敷にいる。……そこのバルコニーから、この花火大会を見てるはずだよ」
兄「!!」
マカ「……何周も何周も、気が遠くなるほどリセット繰り返したのに……まだ、好きなんでしょ?」
兄「……ああ」
マカ「もちろん、みんなの事も好き。嘘じゃない。だけど……それでも、お嬢が好き。……そうなんでしょ?」
兄「……その……通りだ……!!」
マカ「だったら、行かないと。行って、言ってあげないと。……お兄さんはまだ、お嬢に……『好き』って言ってないんだよ?」
兄「…………」
マカ「……マカなら、大丈夫。金持ちに買われてこの町に来てさ、ママ役の人と一緒になったんだけど、いい人でさ。……マカの悩みなんかも、聞いてくれて……」
兄「……」
マカ「……お兄さんにも、紹介したかったなあ……」
兄「……これが終わったら、必ず」
マカ「……」
マカ「マカは大丈夫だよ。ママ役の……ママがいるから」
兄「……必ず、会いに来る。……紹介してくれ。マカちゃんの……彼女の、母親だ」
マカ「うん。……絶対だよ」
兄「約束だ」
マカ「うん……や、約……束」ポロポロ……
兄「……」クルッ
ダッ――!!
バ チ イ ッ
兄「おっと」
ヒョイッ
料理長「うええっ!?外したぁ!?」ガクッ!
兄「危ねえだろハゲ。スタンガン毎回毎回バチバチさせんなハゲ」
料理長「ハゲじゃありませんーお洒落スキンヘッドですー」
兄「ハゲじゃねーかハゲ」
料理長「っていうかよくかわしたなぁ……これでも私、特殊部隊をまとめる隊長として結構頑張ってるんだけど」
兄「料理長じゃねーのかよ」
料理長「料理長は仮の姿よ。っていうかぶっちゃけ料理ニガテだし」
兄「一緒に働いてたけどそれは驚愕だわー」
料理長「……完っ全に記憶取り戻してるなあ。一緒に働いてた事まで思い出すとは……兄じゃなく、執事長って呼んだ方がいい?」
兄「兄でいいよ。なんかそっちの方が慣れたわ」
料理長「そりゃあーまー何周も何回も呼ばれたらそうなるか。……で、だ。そうやって何周も何回もリセットボタン連打されてるから、これから先の事もわかるよな?」
兄「……」
料理長「記憶、消させてもらうよ。悪いんだけどさ……今の君をお嬢様に会わせる訳にはいかない。っていうか私、普段の生活でも君とお嬢様会わせたくないって思ってるし」
兄「……もう、やめよう。……料理長」
料理長「…………何?」
兄「アンタ、言ってたよな。『この町は金がかかってる』って」
料理長「!……覚えてたか」
兄「……この夏祭りに参加している人の数」
料理長「……」
兄「……明らかに、一年前の……第六回の時より少ないぜ。あの時は溢れんばかりの人がいた」
料理長「……」
兄「……もしかして……もう、『限界』なんじゃないのか?」
兄「スチュワート家は、破産寸前なんじゃないのか?」
料理長「不正解だ。兄」
兄「……」
料理長「『破産寸前』では無い。……もうすでに『破産』している」
兄「!?」
料理長「今この町に残っているのは、昔の君やお嬢様や旦那様に恩があるものだけ……有志の力によってこの町はかろうじて建っている」
兄「な……!」
料理長「まあ当然だよねー。町一つ作ってそれを数年にわたって動かすなんて……金無くなって当たり前だよ。警察やテレビ局の目ごまかすのにだってお金かかるしぃ」
兄「じゃあ何で……何で、まだこんな嘘っぱちの世界を……!!!」
料理長「お前のためだよ、兄。……いや、執事長」
兄「!!……お、俺……?」
料理長「私は……せめて君には……息子として共に過ごした君には、幸せに……」
兄「……」
料理長「……生涯の伴侶を見つけて、幸せに……過ごして欲しかったんだ」
兄「!!……バッカ野郎!!」
バキッ!
料理長「ぐふっ!おま……グーはやめろ、グーは!」
兄「馬鹿野郎っ!俺は……そんなの嬉しくねえよ!俺の伴侶は……心愛ちゃんだって!お嬢様だって決めてンだから!俺が傷物にしたんだから……俺が責任取るって、もう何年も昔に決めたんだよ!!!」
料理長「……」
兄「……まだ間に合う」クルッ
料理長「……何がだ、兄」
兄「俺は……元・執事長だ。自分で言うのも何だが……『優秀な』執事長でな。……経営に関する事は、旦那様が忘れた事でも俺は覚えてる」
料理長「!!……もしや、お前……!」
兄「スチュワート家の事業、復活させてやる。破産したんだっつうんなら……今度は社長を、『お嬢様』にしてな。俺が……お嬢様を導いてやる」
料理長「ッ……んなバカな夢物語、叶う訳ないだろっ!!」
バチバチッ!
料理長「もう後戻り出来ないんだ……お前がこの町を作った元凶なんだよ。だからせめて……お前は目的を、伴侶を見つけるっていう目的を果たせーッ!!」
バチバチバチーッ!
料理長「さあ、兄!次の週へ――……」
マカ「と、とおーっ!」
ドーン!
料理長「いきなり横から何だ――!!?」
ドッシーン!
兄「なッ……マカちゃん!?」
マカ「お兄さん、早く行って!お嬢の所へ……早く!」
兄「け、けど……!」
マカ「ここはマカが引き受けるからっ!お兄さんは……お嬢を迎えに行かないと!!」
料理長「ぐぬ……不意を突かれたが、この私が小娘なんかに負ける訳ないだろうがこのっ!離れろ……!!」
マカ「お兄さん……絶対に、振り返らないでね」
兄「……え?」
マカ「……『必殺』……!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
『秒殺グラインド』
パンパンパンパンパンパンパンパン!!!
料理長「あひいいいいいい!!しゅ、しゅごいのほおおおおおおおおおお!!!!」
スプラッシャー!!!
兄「!!!!……」ダダダダダー!!
兄(ありがとう……マカちゃん……それとあの、もう本当あの、なんか……うん、ゴメン……)
タッタッタッッタ……
…………
…………
スチュワート家――……
ココア「……」
ドオン……ドォン……
執事長「……お嬢様、本当に良いのですか?……夏祭りに向かわなくても」
ココア「ええ。ここから見る花火も綺麗よ。……それに……」
執事長「?」
ココア「……私に、あの夏祭りに行く資格なんて……無いわ」
執事長「……」
ドオン……パン……
執事長「……私は、この町の事は詳しく知りません。……お嬢様のために作られた町だと言う事。そして……この町の住民のほとんどが旦那様の『商品』であるという事くらいしか、知りません」
ココア「……」
執事長「しかし……お嬢様の顔を見ていると、この町は……お嬢様のための『牢獄』のようにも……見えます」
ココア「……そうかも、しれないわね」
ココア「もう行って。一人にして……お願いだから」
執事長「……はっ。では」スッ……
ドォン……ォン……
ココア「……」
ココア(そう、ここは私の牢獄。私が、叶わない恋をした永遠の罰)
ココア(私はここで、彼を待ち焦がれて……そして、老いて、死んでいく)
ココア(……けど、神様。一つだけ……小さな『夢』を、見させて下さい)
ココア(囚われの身のお姫様は、みんな、みぃんな、思う事)
ココア(こうして彼を待ち焦がれ、恋の炎で身を焼いて)
ココア(大きな困難……イバラの道や、大きなドラゴンが、お城にいて)
ココア(そんなものを物ともせずに、彼は……私の前に来るの)
コンコンッ
ココア(私の、たったひとりの『王子様』が、私を――……奪いに……)
ギ イ … …
「愛してるんだ。誰よりも……誰よりも。君を……ずっと、愛してる」
ココア「……」
兄「迎えに来ました。……お嬢様」
ココア「……イヤ。……『心愛』って……呼んで?」グスッ
ウ――ウ――ウ――!!
「侵入者だー!!」 「賊がお嬢様の部屋に入ったぞー!!」
「はやくしろ、族を捕まえろー!!」
「……なんでこんな人少ないんだ?」 「先週解雇されたからだー!!!」
ウ――ウ――ウ――!!
兄「ヤバ、見つかったか。早く逃げないと……っく、心愛ちゃん連れてバルコニーから逃げるのはムリか」
ココア「お兄様、中庭の方に自家用ヘリが一台あります。それなら……!」
兄「ヘリの運転、久しぶりだなー……あんまし自信ないけど、仕方ないか。よっと」
グイッ!
ココア「きゃっ!……お、お兄様?」
兄「しっかりつかまっててくれよ。……お姫様抱っこは嫌いか?」
ココア「い、いえっ!私……嬉しくって……!」
バタンッ!!
使用人A「見つけたぞ賊めーッ!観念しろ!」
使用人B「……ってアレ?貴方……先代執事長!?あれ、死んだはずじゃ……!?」
使用人C「じ、実は先代の事好きでした///」ポッ
兄「何で使用人にまで変態がいるんだよ」
ドゴオッ!
使用人C「蹴りとかご褒美ですプゲラー!!!」
ドシャアー!!!
使用人A「うぉい!?蹴り飛ばして逃げたぞ!?」
使用人B「怯むな、追え、追え、追えーっ!いや吐いてるんじゃないぞ」
ダダダダ……!
パート「ここで私達」
先生「三姉妹」
看護師「登場っ!」
ド――ン!!
使用人A・B「「ぐっはー!!?」」
ドシャー!
兄「なっ……パートさん達!?」
パート「久しぶりですね、お客様。今日は想いの子をお買い上げですか?リア充爆発すればいいのに」ボソッ
ココア「あなた達、一体どこから……?」
先生「何周しても兄くんが私達三姉妹攻略してくれないから、最後の最後で強引に襲おうと張り込んでたのよ」
看護師「兄さん、ひどいですよー!私は姉達と違って正真正銘の処女なんですよー!?ヘンなお店で働いてもいないし!」
先生「だーっうっさいわね!私なんて脳みそパッパラパーのソープ嬢だったのに、ここのお金持ちに買われて先生の役やれって言われて、リアリティ重視のため教員免許取らされたのよ!?一番苦労してる私が兄くんと一緒になるべきじゃない!?しかも高校じゃなく小学校の教師とか意味わかんないし!!」
使用人A「くっ……お前らァ!娼婦の分際で我々に手を出して、タダで済むと思うなよ!?」
パート「あら、お客様。『分際』とは言ってくれますね。……店長呼びますよ?」ジロリ
先生「婚期逃した娼婦がどんっだけ怖いか、アンタ達に教えてやってもいいわよ?」ジロリ
看護師「だから、私は本当に処女で……ただ病院で働く人欲しいからって、姉のツテで働いてただけで……」
先生「丁度いいわ、看護師。よーく見てなさい」
看護師「へ?」
パート「今から保健体育の実習ですよ。フフフ……おしべとめしべについて、看護師のアナタにじっくり教えてあげるわ」ジュルリ
使用人A「え?……ちょ、待って、悪かった。その……近づくな……!!」
使用人B「や……やさしくおねがいします///」
「「「ア゛――――!!!」」」ズッポズッポズッポ!!!
……タッタッタッッタ!
兄「ハァ、ハァ……!次の廊下右だっけ?久しぶりすぎて忘れた……!」
ココア「まっすぐですわ、お兄様」
兄「こっちか」
タタッ
メイドA「あーっ!!見つけた、侵入者!!」
兄「げ、見つかった!!」
メイドA「み、見つけたからにはこの私がせーばいしますよっ!このッ……」
妹「とーっ!!」ゲシッ!!
メイドA「成敗されたーっ!?」ドシャア!
兄「この屋敷何人不法侵入いるんだよ!!警備ガバガバだろ!!!」
妹「よっ、お兄ちゃんっ!」シュビッ!
兄「あーもーお前……なんで入り込んでんだよ……」
ココア「……妹、さん……」
妹「……ふーん、やっぱり……お兄ちゃんは心愛ちゃんを……選んだんだね」
兄「あ。……いや、その……ああ」
妹「うん。いいと思うよ。その方が。……あたし、妹だけど……妹じゃ、ないしね……」
兄「……妹……」
兄「……俺、きっと……あのまま妹と一緒になっても……幸せにはなれなかった」
妹「……」
兄「……きっと、お前を幸せにする事出来なくて……お互い、幸せになれなかったと思うんだ」
妹「……あたしはね、お兄ちゃんが幸せだったら……それでいいの」
兄「……」
妹「ひどいんだよ、ここのお金持ちの旦那様っていうの。あたし達を世界中から買ってこの町に集めたくせに、お金無くなったらハイさよならーって言って捨てるんだもん。……もうあたしには、この町しかないのにさ」
兄「……」
妹「……だからね。お兄ちゃんが幸せになって欲しいの。……あたしの、代わりに」
兄「……イヤだ」
妹「え?」
兄「俺は……お前も!心愛ちゃんも!マカちゃんも!」
妹「……」
兄「インストラクターさんも!女さんも!美少女も!」
ココア「……」
兄「母さんも!パートさんも!妹の先生も!看護師さんも!」
妹「……」
兄「沖縄の漁師の娘だって……一回しか会ってない、コンビニバイトとか巫女さんとか若女将さんとか、それに料理ちょ……父さんとか、それにそれに……たくさんの、この町に住む人を!!!」
ココア「……」
兄「……幸せにする。……絶対に!……それが、この町を作ってしまった……俺の、責任だ」
妹「……ハハハ……やっぱお兄ちゃんは、スケコマシ野郎だよ」
兄「……なんとでもいえ」
兄「だから……」
妹「……」
兄「……さよならだ。……妹」
妹「……う゛んっ……お゛兄ぢゃん……!!」ズビッ!
バラバラバラバラ……
…………
……………………
…………
……
…
……海外に渡った俺と心愛ちゃんは、
長い年月をかけて、スチュワート家を復興させた。
最初は右も左も分からない、ただの一人の少女だった心愛ちゃんも、
俺の力添えもあり、今では立派な一人の社長だ。
乱れた性風俗は、その業界に携わる人々の寿命を短くし、その業界そのものの寿命までも短くする。
俺達の仕事は、そういった人々を助ける事で……。
最初はバカバカしいと思っていた世界にも、重要な意味がある事を、改めて知った。
今日、心愛ちゃんは……20歳になる。
リンゴーン……
ココア「むう……変じゃありませんかね?お兄様?」
兄「ああ、似合ってるよ……すごく可愛い」
ココア「どうもこのような服は苦手で……まあ、お兄様が言うのでしたら……」
兄「……なあ心愛ちゃん。そろそろ……『お兄様』っていうの、やめないか?」
ココア「あら、お兄様はいつまでも私のお兄様ですわよ?」
兄「うーん……けどなあ、ほら。……今日から、その……あれだろう?」
ココア「そうですわね。……では『あなた』というのはどうでしょう?」ニコッ
兄「……お兄様でいいや」
ガチャッ
執事長「お嬢様、それに……『旦那様』。お時間です」
兄「ああ……じゃあ、行こうか?」
ココア「ええ……」
ギュッ
リンゴーン……
リンゴーン……
兄「……」
ココア「……」
「汝……健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも」
兄「……」
ココア「……」
「富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け……」
兄「……」
ココア「……」
「……その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
兄「……」チラッ
ココア「……」ニコリ
リンゴーン……
兄「……はい。誓いま――……」
「ちょっっっっと待ったぁ――!!!!!!」
ドアバターン!!!
兄「っ!?」ビクウッ!!
妹「お兄ちゃんっ!?この歳で処女ってなんかもう冗談抜きで本気で恥ずかしいんだけどっ!!律儀に取っておいたあたしの気持ち考えた事ある!?」プンプン!
兄「なっ……妹ぉ!?なんでここに……!?」
妹「なんでって……わざわざこの町のチャペルで式挙げといて、そんな事言う!?」
兄「いやそうだけど!なんでお前もウェディングドレス着てんだよ!それに……」
兄「お前が処女は嘘だろう」
妹「いや、マジだって。あたしが昔働いてた店お口専門でさ……」
兄「なんてギリギリな処女だよ」
ココア「あらあら、これは困ったことになりましたね……」ニコニコ
兄「心愛ちゃんも笑ってないで!結婚式ブチ壊しにきたんだぞコイツ」
妹「おっとー、ふっふっふ……『コイツ』とはずいぶんな言い草だね?」
兄「何?(コイツ性格変わってねー……)」
妹「あたしが一人で来たと思ってるのかにゃー?」フッフッフ……
兄「なッ……まさか!?」
ドドッ!
マカ「お兄さんっ!マカ……やっぱり!お兄さんの事大好きだよーっ!!」
イン「花嫁姿でヤるというのも中々背徳感あっていいんじゃないですか?フフフ……」ジュルリ
女「兄君っ!やっぱり初夜はペニバンで兄君がウケっていうのが良いと思うんだけど、どう!?」
美少女「兄先輩っ♡お姉ちゃんのペニバンなんかじゃ満足出来ないってくらい、ムチャクチャにしてあげますよっ♡」
兄「なッ……いっぱい来た――!!!?」
母「……///」テレテレ
パート「お客様ー、私をご購入という事でよろしいでしょうかー。よろしいですね。よろしいに決まってます」
先生「っていうかこんな歳にもなっちゃアンタに拾って貰わないとマジでやばいって……年上でもいいでしょ?ねえ!?」
看護師「あああぁぁ……お姉ちゃん達みたいにはなりたくなかったのに……私も三十路で彼氏無しだなんて……」ブツブツ
父「あー、ゴホンゴホン。結婚おめでとう……っていう雰囲気じゃあないな、これ」
兄「なんだよこれ……どうなってんだよ……」
妹「お兄ちゃんが立てたフラグの賜物だよ」
兄「その俺の結婚式に来るか、普通!?」
マカ「お、お兄さんっ!マカはね、別にお兄さんが結婚しても、いいの」
兄「えっ……」
マカ「ただ、第二夫人はマカにしてほしいなーって……」
兄「一夫多妻制!?日本ではムリに決まってんだろ!!!」
イン「何を今更。この町は日本であって日本じゃないみたいなもんじゃないですか」
妹「あたし日本人じゃないしねー」
兄「今衝撃の告白を聞いた気がした!!!」
兄「本当に、やめろお前ら!心愛ちゃんが迷惑してるだろ!?」
ココア「あら、私は別に構いませんわよ?」
兄「!?……へぁ?」クルリ
ココア「だって……たとえ、一夫多妻制になったとしても……お兄様は最後には、私を選んでくださるもの」ニコッ
兄「ッ……///」
マカ「むぎー!目の前でイチャつくなーっ!マカもイチャつくっ!お兄さんンチュー!」チュウウー……
兄「ばっ……なんで誓いのキスより前にマカちゃんとキスなんだよ!」
妹「あははっ!なんかあたし達っぽい結婚式だねーっ!」
妹「お兄ちゃんっ♪」
ココア「お兄様……♡」
マカ「お兄さん」
イン「兄さん……」
女「兄くーんっ!」
美少女「兄先輩っ♪」
母「……」ニコッ
パート「お客様っ」
先生「兄くん」
看護師「……兄さん」
兄「…………ハァー……無茶苦茶だ」
妹「この歳で処女とかどうでもいいから、お兄ちゃんが好きっ!!」
兄「俺だって、みんな大好きだよコンチクショウ!!!」
おしまい。
終わりです。いえーいおっぱいまんこー
ちんこ!ちんこちんこ!!
次書くとしたら
奴隷娘「この歳で処女とか恥ずかしいですご主人様」
とか、そんな話にしたいと思います。
今奴隷娘ブームだからね。同人ゲーの影響で。シルヴィちゃん可愛いからね。
そんなシルヴィちゃんがドン引きするような下ネタ書きたいと思います。
という訳で、本っ当長い間ありがとうございました。
おっぱいまんこいえーい
このSSまとめへのコメント
これすき
スッキリしねえ…期待してただけに、このあっさり感は微妙過ぎる
できればずっと続いて欲しかった
できればずっと続いて欲しかった