ゲンガー「七つの大罪」 (46)
--これは、いまだポケモンとポケモンならざるものの世界が分かたれてはいなかった、いにしえの物語。
国を守るポケモン達は、絶大なる力を宿し、恐れ敬われた。
だがその中で国を裏切り、全ポケモンを敵に回したものたちがいた。
ポケモン達は彼等を「七つの大罪」と読んだ--
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ゲンガー「ほい、ウタンの実スムージー5つ!!」
ドクケイル「おっ、きたきた!!」
アリアドス「やっぱたまんないねー、これは」
コロトック「マスター、まだ入れるかい?」
ゲンガー「全然OK。ようこそ、<影の汎用>亭へ!!」
クサイハナ「おーいなんでもいいから木の実頼む」
マスキッパ「かっー!!やっぱオッカの実ドリンクは最高だね」
ナッシー「なぁ、こんなところに酒場なんてあったか?」
ミツハニー「いや、三日前は何もなかったような気がするが……」
ゲンガー「ほれ、オレンの実ポロックお待ち」
クサイハナ「おっ、うまそうだな」
マスキッパ「さっそくいただきまーす……」
クサ・マス「マッズ!!!!!」ブゥゥゥ
ゲンガー「あーあ、こんなに散らかして……」
マスキッパ「ざけんな!!こんなまずいもん食わせやがって!!」
ゲンガー「あれ?俺の得意料理、毒料理(ポイズンクッキング)っていってなかった?」
クサイハナ「ざけんな!!喧嘩うってんのか!?」
ゲンガー「やれやれ……物騒なお客さんだ。片付けろ……」
クサイハナ「えっ……」
ゴンベ「ったくめんどくさい…おいらになんかようかい?」
ゲンガー「ゴンベ、床片付けてくれ。ほれ、モモンの実」
ゴンベ「めんどくさいなぁ……いくらおいらがなんでも食べるからって、たまにはまともなもん食わせろよな」
ゲンガー「なら、いますぐ出ていくか?」
ゴンベ「うっわー、マジ最高です!!こんだけタダメシ食わせてくれるのここだけです!!」
アリアドス「ははは、お前らも喰らったか。まぁ毒にならなかっだけましだな」
ドクケイル「ここは木の実自体はうまいんだが、料理させるとどうもな」
ゲンガー「まっ、いろんなとこ回って、埋めて、収穫してるからな」
マスキッパ「そういや聞いたか?「さまよう錆び付いた鎧のポケモン」……」
クサイハナ「あぁここらへんうろついてるらしいな。なんか気味が悪いぜ」
マスキッパ「それが何かうわごと呟きながら歩いてるらしくてよ……」
クサイハナ「確か……七つの……」
マスキッパ「ほれ、そこの掲示板」
クサイハナ「<七つの大罪>!!」
マスキッパ「10年前、王国転覆を謀った大罪人だっけ」
アリアドス「そういや、こいつらまだ捕まってないんだろ?」
ドクケイル「あぁ、一人たりともな。一部じゃ全員死んだって噂もあるが……」
マスキッパ「それは死んでるだろ。厨ポケたちが許すわけないさ」
クサイハナ「でもこの手配書、毎年更新されてるからな。厨ポケたちも必死に捜してんじゃね?」
マスキッパ「その「鎧のポケモン」ってまさか<七つの大罪>のユーレイじゃ……」
アリアドス「それで他の仲間を捜してんのか……」
クサイハナ「なぁマスター、あんたはどう思う?」
ゲンガー「さぁ、どうだろう……見当もつかないな」
マスキッパ「そういやマスター、あんた名前なんつぅんだ?」
ゲンガー「俺か?俺はゲンガーだ」
アリアドス「ゲン…ガー?どっかで聞いたことあるような……」
ガチャ…カランカラン…
鎧のポケモン「コフー……コフー……」
マス・クサ「」
アリ・ドクケイル「」
鎧のポケモン「なな……つ……の……た…い……ざ……い」
マスキッパ「出たぁぁぁ!!七つの大罪だぁぁ!!」
アリアドス「逃げろぉぉ!!」
ドクケイル「殺されるぞぉぉ!!!!」
ワァァァァァァ!!……
ゲンガー「…………お前、だれだ?」
鎧のポケモン「………………」グラッ
ガッシャァァァァン!!
ゴンベ「お、おい……鎧の中から誰も出てこない……やっぱりユーレイだったんじゃ……」
ゲンガー「いや、埋もれてるだけだろ。ほれ」ヒョイ
ピチュー「」
ゲンガー「気失ってるな…とりあえず寝かしとくか…」
------
ピチュー「……ん…ここは……?」ムクッ
ゲンガー「おっ、起きたか。顔色も大丈夫そうだな」
ピチュー「あの……私は何故…」
ゲンガー「フラーっと店に入ってきてバタンだったぜ。ここは俺の店<影の汎用>亭だ」
ピチュー「…?その腰にある球は……?」
ゲンガー「あぁこれか。秘密道具、っと言ったところかな」
ゲンガー「まっ、とりあえず飯食え、腹減ってるだろ。話はそれからだ」
ゲンガー「ほら、食え。シュカの実のポフレだ」
ピチュー「……介抱していただいた上に食事まで……なんとお礼をいえばよいか……」
ゲンガー「気にすんなって」
ピチュー「…いただきます」モグモグ
ゴンベ「まずいだろ?はきたきゃはいちまいな。おいらが食いつくしてやる」
ピチュー「……はい」
ゲン・ゴン「やっぱり」
ピチュー「でも……すごくおいしい……」ポロポロ
ゲンガー(……涙……)
ゲンガー「なぁ、お前なんであんな鎧着てたんだ?電磁力で浮かせてたみたいだけど」
ピチュー「……実は」
ピチュー「……捜しているんです……<七つの大罪>を」
ドンドンドン!!
「開けろ!!村人からの報告があった!!」
ニドリーノ「我々はふもとに駐留する、厨ポケ様配下のパーティ!!<七つの大罪>とおぼしき鎧のポケモンを捉えにきた!!」
ニドリーノ「おとなしく出てこい!!そうすれば我々も攻撃はせん!!」
ゲンガー「お引き取り願おう。営業妨害だ」
ニドリーノ「うぉ!!」
ニドリーノ「な、何だ貴様!!鎧のポケモンはどこだ!!」
ゲンガー「出てこいよ」
ニドリーノ「はっ、ものわかりのいい……」
ゴンベ「ふっ…おいらを読んだか?この鎧のような厚い脂肪をもつポケモン、ゴンベ様を」
ニドラン♂「このデブが七つの大罪……」
ニドリーノ「なわけないだろ!!」
ゴンベ「聞いておどろくな?おいらは別名残飯処理ポケモンなんだぜ?」
ニドリーノ「そんなやついるか!!」
マタツボミ「!!ニドリーノさん、裏からちっこいポケモンが!!」
ニドリーノ「なに!?おそらくそれが鎧のポケモン!!追え!!」
ニドリーノ「捕らえろぉぉぉ!!」
ニドリーノ「だが油断は禁物だ!!もし本物の<七つの大罪>ならば、相当のレベル!!」
ニドリーノ「じきにニドキング様が合流する!我々はあのポケモンを消耗させ追い込むだけでいい!!」
マタツボミ「へっへっ……俺のつるのムチで一気に……グギャ!!」
ニドラン♂「ど、どうした!?」
ウツドン「で、デブが突進してきます!!」
ゴンベ「ステミターックル!!」
ウツドン「ゴフ!!」
ニドラン♂「ギャ!!」
ニドリーノ「うぉ!!くるなくるな……って崖が!!」
ゴンベ「おらぁ!!」
ニドリーノ「あああああああ……!!」
ゴンベ「てめーらに恨みはねぇが……これで今夜はまともな木の実にありつけそうだぜ……」
ピチュー「…あの、二度も助けていただいて…なんとお礼を……」
ゲンガー「まぁまぁ。で、話の続きは?」
ピチュー「私が<七つの大罪>を捜し旅する理由…それは厨ポケたちをとめることです」
ピチュー「お二人に何度も助けていただいた恩、決して忘れません……でもどうか私のことは忘れてください」
ゴンベ「ちょっと待て、おちびちゃん!!厨ポケってたらこのイエローバージョンを守る、ポケモンの中のポケモンだろ?」
ピチュー「……そして、たった一匹で一国の兵力に匹敵する恐ろしい存在です」
ピチュー「そんな彼らが、このイエローバージョンに戦をもたらそうとしていたら?」
ゲン・ゴン「!!」
ピチュー「先日、厨ポケ達のクーデターで国王が拘束、実質国の環境は厨ポケ達の手に落ちました」
ピチュー「彼らは戦闘をはじめるため、王国と周辺の地域からポケモン達を強制連行しています。逆らうものは容赦なく……」
ピチュー「じきに、この辺りにも影響が及んでくるでしょう」
ピチュー「唯一、厨ポケたちを止める希望があるとすれば、<七つの大罪>だけなんです!!」
ゲンガー「……お前さ、<七つの大罪>がどんな奴らかしってんのか?」
ピチュー「……父によく聞いていました」
ピチュー「<七つの大罪>はそれぞれある能力に傑出しており、7匹の凶悪なポケモンたちから結成された、王国最強最悪のパーティだったそうです」
ピチュー「彼らは今から10年前、王国転覆を謀った疑いで王国全厨ポケから総攻撃を受け、ちりぢりになった……」
ゲンガー「で、全員死んだって噂もあるな」
ピチュー「そんな凄いポケモンたちが、簡単に死ぬわけがありません!!」
ピチュー「現実にポケモンたちを苦しめているのは、厨ポケたちなんです!!!!」
ゲンガー「………………」
ズッズッズッ……
ゴンベ「……?この音は……?」
ドッパァァァァ!!
ピチュー「!!地面が……えぐれて……きゃあああああ!!」
「おっと……報告に受けていたポケモンか、確認するのを忘れていた……」
ニドキング「決定。身元不明ポケモン2匹死亡!!」
ニドキング「ってことでいいのか?」
マタツボミ「しかし、崖下にはニドリーノさんが……!!」
ニドキング「なら、三匹死亡だ」
マタツボミ「そ、そんな…!!」
ウツドン「ニドキング様!!それはあんまりです!!」
ニドキング「なら、7匹死亡にするか?」ギロッ
ニドラン♂「そ、それだけは……」
ゲンガー「ふー危ない、危ない」
ニドキング「!!?」
ニドキング「お前たち、何故生きている!?私のだいちのちからを耐えたというのか!?」
ウツドン「ニドキング様、やつらには<七つの大罪>が……」
ニドキング「むっ……そうだったな…しかしどちらも手配書とは似ても似つかないが……」
ゲンガー「よし、俺が合図したら全速力で森へ逃げろ」
ピチュー「は、はい…」
ニドキング「むっ……そのギザ耳……ははは!私も運がいい!!そのギザ耳は王家のもの、すなわち」
ニドキング「決定!!ピチュー王女!!」
ゲンガー「ピチュー……王女?あぁ、国の王女様か」
ニドキング「御身には我が国からいきたまま捉えよ、と命令がくだっていますが……事故死なら仕方ありませんな」
ゲンガー「いくぞ!!」
ピチュー「!!私はまだ……まだ捕まる訳にはいきません!!」
ニドキング「そうですか……では」
ニドキング「決定!!つのドリル!!」
ゴッシャァァァアァァァ!!!!
ピチュー「きゃあああぁぁぁぁ!!!!」
ガガガガガガカ!!!
ドゴォォォォン!!!!
ピチュー「……っう……」
ゲンガー「おい、大丈夫か?ゴンベも無事みたいだな」
ゴンベ「うぇ……吐き気しかしない…うわぁぁん!!母ちゃんー!!!」
ゲンガー「……やれやれ」
ゲンガー「!!ピチュー!!どこに行く気だ?」
ピチュー「……逃げ切れません。私が降参すれば、あなたの命は助かるはずです」
ニドキング「ふん」冷凍ビーム!!
ピチュー「!!」
ゲンガー「よっ」回避!
ビィィィィ--パキパキパキパキ!!
ピチュー「お願い!!あなただけでも逃げてください!!」
ゲンガー「どのみちありゃおれたちどっちも殺す気だぞ」
ピチュー「どうして……っ」
ピチュー「私、嬉しかったんです。たった一匹で<七つの大罪>を探すたびに出て……」
ピチュー「すっごく不安で、でも誰にも頼れなくて…でもあなたは…どこの誰とも知れない私に、やさしくしてくれた…」
ピチュー「だから…私は……名前も知らないあなたを、これ以上巻き込みたくない!!」
ゲンガー「………………」ニヤッ
ゲンガー「ゲンガー。それが俺の名前だ」
ピチュー「ゲンガー……えっ……あなたが、あの……!!」
ニドキング「ふんっ!!」かえんほうしゃ!!
ボォォォォオォォォォ!!
パキパキパキパキパキパキ!!
ニドキング「!!なに!?一瞬で私のかえんほうしゃが……!!」
ゲンガー「……凍える風」
ニドキング「!!……いつの間に後ろに……!!この素早さ、そしてこの火力……!!まさか……」
ゲンガー「俺がだれだかわかったか?」
ニドキング「っ!!貴様わぁぁぁ!!」ヘドロばくだん!!
ゲンガー「はあぁぁぁぁぁぁ!!」シャドーボール!!
ニドキング(……な、なんと巨大な……)
ニドキング「この尋常じゃない火力……間違いない……貴様は……あの厨ポケの!!!!」
ゲンガー「--<七つの大罪>『読み・型の罪(サイクル・シン)』、ゲンガー!!」
ドッパァァァアァァァァ!!!!
ニドキング「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ゲンガー「……やり過ぎちゃったか。こいつつかわなくて正解だったな」
ゲンガー「さて、と……これで一人目が見つかったわけだな、ピチュー」
ゲンガー「残りの六人の件だが、俺も最近用があって、あいつら捜してんだ」
ゲンガー「情報集めのためにカフェやりながらな……一緒に、行くだろ?」ニッ
ピチュー「!!はい!!」
ニドキング「がっ……」
ウツドン「ニドキング様!!」
ニドキング「お、王国に応援要請……これは、一大……」
マタツボミ「……ん?」
ドォォォォォォォォ!!!!
ニド・マタ・ウツ「」
カビゴン「ゴーーーーーーン!!」
ゲンガー「ナイスタイミングだ、カビゴン!!」
ゲンガー「さぁ、いこうぜ。次の冒険へ!!」
終わりない読み鍛えるよ
悩み悩んで選択した手勝利をつくりだすよ
あきらめぬ思いを運び
レートの海へ僕ら潜るよ育成された君とー
はじまりの見せ合いすでに勝負ははじまってる
自分の勝ち筋相手に押し付けるように
だけど一人きりじゃ受けられやしないから
共に交代して火力を変えたサイクル
終わりない読み鍛えるよ
物理インフレ特殊後退
変わらぬ環境のトップ
譲れない思いを胸に
レートの海へ僕ら潜るよ
2000代のる君とー
------
ピチュー「あ、新ためてよろしくお願いします……王国、第三王女ピチューです…」
ゲンガー「よし、<影の汎用>亭へようこそ。今日から頼むぞ、看板娘」
ゴンベ「にするにはちっちゃすぎねーか?これじゃロリ●ンしかよってこないぜ?」
ゲンガー「細かいことは気にすんな」
ピチュー「は、はい。がんばります!!」
ゲンガー「とりあえず、ほれ」
ピチュー「?これは……?」
ゲンガー「看板娘が何にもないのもあれだろ?そのリボンでもつけときな。ギザミミも隠せるし」
ピチュー「は、はい……どうですか?」
ゴンベ「おお!似合ってる似合ってる!!」
ゲンガー「まっ、応急処置みたいなもんだけどな」
ピチュー「あの……ゲンガー様。一つお聞きしたいことが……」
ゲンガー「?何だ?」
ピチュー「<七つの大罪>は……ゲンガー様は、本当に世間が言うような大罪人なんでしょうか?だとしたら、いったいどんな罪を……」
ピチュー「私、何か世間が誤解してると思うんです!だって、あなたは正体の知れない私を、助けてくれた!!」
ゲンガー「どんな罪……か」
ゲンガー「実は…この店にある木の実、だいたいがライバル亭から盗んできたものなんだ」
ピチュー「えっ……嘘、ですよね?」
ゲンガー「うん」
ピチュー「はぁ……」
ゲンガー「あっ、得意料理だして食中毒でぶっ倒れた奴がいたな」
ピチュー「倒れ……冗談、ですよね?」
ゲンガー「いや、これはガチ」
ピチュー「……も、もう茶化さないでください!本当はどんなことしたんですか!?それとも、それは人には言えないことなんですか!?」
ゲンガー「……まあ、そうなるかな」
ピチュー「………えっ……」
カビゴン「ゴーーーーーーン!!」
ピチュー「きゃっ!!」
ゲンガー「おっ、着いたみたいだな」
ピチュー「着いたって…どこに……?」
ゲンガー「次の情報の仕入れ先、トキワシティだ」
カビゴン「ゴーーーーーーン!!」
ガガガガガガガガ!!!!
ピチュー「ま、また……今度は凄い音が……」
ゲンガー「気にすんな。カビゴンが穴を掘ってるだけだ。しばらくしたらおさまる」
ピチュー「はぁ……」
ゲンガー「さて、とりあえずトキワシティの説明でもしとくかな」
ゲンガー「店の木の実はいろんなとこから旅して集めてるんだが、このトキワシティの木の実は指折りだ」
ゲンガー「その理由がトキワシティの奥に広がる、トキワの森。豊富で清らかな水源がいくつもあり、その名水から出来上がる木の実は格別ってわけ」
ゴンベ「水をそのまま飲んでもおいしいぜ」
ゲンガー「何にせよ、このトキワの森の水がトキワシティを栄えさせてる、っても過言じゃないな」
ピチュー「へぇ……面白いですね……その森、見てみたいです」
ゲンガー「もちろん見にいくさ、目的はそこにある木の実なんだから」
ズズゥン……
ゲンガー「おっ、カビゴンが穴を掘り終わったみたいだな。そんじゃ行きますか」
ゴンベ「……と勇んで来たはいいけど……どこにその豊富な水源があんだよ。川、全部干からびちゃってるじゃん!!」
ピチュー「森に繋がるところまで、すっかり枯れてしまってます……」
ゲンガー「何かあったのか?まぁ町に行きゃ分かるだろ」
ゴンベ「おっ、広場にたくさん集まってるな」
ゲンガー「おっーす。何だこれ、コンテストでも開いてんのか?」
ゴルダック「あ、あんたは時々ふらっとやってくる料亭の店主!!」
ゴルダック「お前、キリンリキのやつ相当怒ってたぜ?食中毒にさせたあと、すぐに逃げて行きやがってって」
ゲンガー「あー、悪かった悪かったって」
ピチュー(食中毒、本当だったんだ……)
ゲンガー「で、これはどういった状況だ?」
ゴルダック「ああ、どうしたもこうしたもねぇんだ。ちょっと来てみてくれ」
ウォォォォォォォォォ!!ブッコワセー!!
ドウニカシテウゴカスンダー!!
ゲンガー「これは……岩か?なんでこんな町のど真ん中に」
ゴルダック「ただの岩?そんな訳ねぇだろ!こいつのせいでトキワは崩壊寸前だ!!」
ゲンガー「どういう意味だ?」
ゴルダック「先日、厨ポケ様の怒りをかっちまったんだよ……おかげでトキワの水源はあの岩からでる電磁波でせき止められちまってる」
ゲンガー「……電磁波、か」
ゴンベ「なら、簡単な話じゃねぇか。その電磁波を出してるあの岩壊しちまえばいいんだ」
ゴルダック「それが出来りゃ苦労はしねぇよ…みてみろ」
ヤナッキー「くそっ…駄目だ。俺の力じゃびくともしねぇ」
ゴロンダ「どけ、俺がやる!!」
オオ!!ゴロンダ!!アイツノチカラナラ…!!
ヤレー!ヤッチマエー!!
ゴロンダ「--ハァァァァァァ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!
ピチュー「すごい……振動が空気中にまで……」
ゴロンダ「気合い--パンチ!!!!」
ドッガァァァァアァァァァァァァアァァ!!!!!!
ウォォォォォォォォォォォォ!!ヤッタカ!?ドウダ?
ゴロンダ「はぁ……はぁ…どうだ……?」
ゲンガー「いったんじゃないのか?すごい威力だったぞ」
ゴルダック「いや……だめだ。あの程度じゃ、傷一つつけられない」
ゴンベ「なっ……まじかよ!?ホントに傷一つついてねぇ!!」
ゴロンダ「くそ……っ!!」
オイ、ツギハオレガイク!!ヨシ、マカセタ!!ツギハオレガ!!ゼッタイウゴカシテヤル!!
ゲンガー「……なるほどね。だいたい原理は分かった」
ゴンベ「まじで!?」
ゲンガー「あぁ。問題はあの岩から出ている電磁波、だな。今の気合いパンチをゴロンダが放つ前、一瞬だけ電磁波が強くなった」
ゲンガー「それで身体を硬直、本来の威力を出せず、最悪の場合、技のモーションまで中断されるだろう」
ゴルダック「そうだ……みんな接近すると、身体が痺れて動けない、そう言っている」
ゴンベ「なら遠距離から攻撃しちまえば……」
ゴルダック「それももう試したさ。ただ電磁波の影響のない遠距離からの攻撃だと、どうしても威力と命中がさがっちまう。どう足掻いても、あの岩は砕けねぇ……」
ゴルダック「頑張ってる皆には悪いが……この町はもう終わりだと俺は思ってる……」
ピチュー「そんな……何か手は……」
???「あーあ、みんなして情けねぇ声だしやがって。厨ポケの置いた石がなんだってんだ。俺のダチの<七つの大罪>にかかりゃ楽勝だっつーの!!」
ゲンガー「ん?」
ゴロンダ「マンキー……!!てめぇ、どの面さげてきやがった!!こうなったのも全部お前のせいじゃねぇか!!」
ヤナッキー「しかもよりによって大罪人の名を口に出すなんて…!!これ以上厨ポケ達を怒らせるのは止めろ!!」
ソウダソウダ!!フザケンナ!!
オレタチニナンノウラミガアルンダ!!
マンキー「なっ……俺はそんなつもりで言った訳じゃ……」
ドンファン「うるさい!!お前の嘘といたずらにはもう付き合えん!!」
ゴマゾウ「マンキーのばか!!」いわおとし!!
マンキー「いたっ……!!ふ、ふん、みんなもう大嫌いだ!!」
タマタマ「町のみんなだってお前のことなんて嫌いだよ!!」たまなげ!!
ヤナップ「あっち行けー!!」たねばくだん!!
マンキー「うるさい!!バカバカバカバーカ!!!!」
ゴルダック「みんな止めろ!!止めろ!!」
ゴンベ「なんかやっかいなとこにきっちまったみたいだな……」
ゴルダック「あいつも根はいい奴なんだがな……」
ピチュー「…………」
ゲンガー「いやー、とんだ目にあった……まさかこっちまで被害にあうとは……」
ゲンガー「で、ガキンチョ、少し聞きたいんだが」
マンキー「……なんだよ」
ゲンガー「さっき言ってた、<七つの大罪>が友達って奴、本当か?」
マンキー「………それは……」
ガランガラン
ゲンガー「おっ、二人とも」
ピチュー「ゴルダックさんに聞きましたよ、マンキーくん。君、そうとうないたずらっ子なんですね」
マンキー「な、なんだよ。チビのくせに大人ぶりやがって」
ピチュー「ち、チビは今関係ありません!!……とにかく、何か理由があるんじゃありませんか?」
マンキー「……俺の父ちゃんと母ちゃんは数年前、トキワに辿り着いたとき毒にやられて……」
マンキー「一人ぼっちになった俺を、町のみんなは親がわりに育ててくれた……俺すごく嬉しかった」
マンキー「でも、やっぱり本当の家族がうらやましくて……うそついたり、いたずらしたりして……」
ピチュー「……厨ポケの木の実に泥を混ぜたのも同じ理由?」
マンキー「違う!!あいつが…厨ポケがみんなをバカにしやがったんだ!!」
マンキー「毎日大人も子供も、水をやってみんなで虫をおっぱらったり雑草抜いたり、手間隙かけて……それをあいつらは……!!」
???『まずい。まるこげたポフィンよりましな程度だ』
マンキー『っ………!!!』どろかけ!!
???『……………』
!!オ、オユルシクダサイ!!!
???『……ふん……』バチッバチバチバチ!!!
ソ、ソラカライワガ……!!!!
ドッガガガガガガガ!!!!
マンキー「……そうやって岩を町にめりこませて、水までせき止めて……厨ポケなんてろくでなしだ!!」
ゲンガー「なら<七つの大罪>が友達って話も……」
マンキー「う、うそ……」
ゴンベ「またなんでそんな嘘を……」
マンキー「だって<七つの大罪>は悪い厨ポケに追われてるってことは、<七つの大罪>はいい奴ってことだろ……?」
ピチュー「………!!ふふっ……」
ゴンベ「……ふっ……」
ゲンガー「……何だよ、お前ら。急に笑いやがって」
ピチュー(やっぱりゲンガー様は………)
ワアアアアアアアアアアア!!
ワアアアアアアアアアアア!!
ゴンベ「何だ!?」
マンキー「町のほうからだ……!!」
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