まどか「WHOSE SIDE ARE YOU ON?」 (221)

まどか・エヴァ・ギアス・その他いろいろのクロスSSです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420020611

まどか「ダメ! 全然こたえてないよ!」

マミ「今日はやけに手強いわね!」

魔女「キシャアアア!!」

まどか「ほむらちゃん! そっちへ行くよ!」

ほむら「ひっ…!」

 カチッ

カレン「吹っ飛べぇぇ!!」

マミ「紅蓮弐式!」

ほむら「カレンさん!」

玉城「待たせたな! 黒の騎士団、参上だぜ!」

カレン「魔女はもうたおしたから、グリーフシードを探してみて」

まどか「来てくれたんだ…」

ゼロ「君たちには返しきれない借りがあるからな」

まどか「……あのね、いつも言ってるけど」

マミ「私たちは日本解放に協力してるわけじゃないのよ」

カレン「そこはわかってる。でも、魔女を放っておいたら困るのは私たちも一緒なの」

杏子『マミ! 聞こえるか!?』

マミ「こっちは今終わったところよ」

ゼロ「テレパシーか」

杏子『早く来てくれ! さやかが大変なんだ!』

玉城「さやかは近頃どうしたんだい? 無茶しすぎなきゃいいけどなぁ」

まどか「してるんだよね、それが……」

ほむら「私たちが止めなきゃいけないのに…」

——杏子たちの結界——

アスカ「何よこれ… そこの魔女! さやかをどうしたっての!」

オクタヴィア「」ブォン!

シンジ「アスカ! 迂闊に近寄らないで!」

アスカ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

アスカ「この三号機が使徒に取り憑かれた時、さやかが止めてくれなければ、たぶん殺されてた…」

オクタヴィア「!!!!」

杏子「だからってアツくなるな! 応援がくるまで足止めするよ!」

まどか「お待たせ!」

ゼロ「ここにも魔女が現れたか」

杏子「違うんだよ… あれ、さやかだ…」

アスカ「そんなわけないったら!」

マリ「でもさぁ、さやかのソウルジェムからあれが出てくるとこ、見ちゃってるんだよね」

ゼロ「魔法少女が魔女に変身した……?」

まどか「さやかちゃん! どうしてそんなこと!」

オクタヴィア「……!!」

マミ「いけない、結界の外へ出る気だわ!」

ゼロ「そうはさせん。全員、攻撃開始だ! 逃がすな!」

まどか「待ってよ! あれがさやかちゃんなら」

シンジ「元には戻せないのか……?」

玉城「おい、さやか! 聞こえてるんだろ!? おとなしく」

オクタヴィア「!!」ドガッ!!

シンジ「玉城さん!」

マリ「相変わらず脱出うまいねぇ~」

——政庁——

コーネリア「魔法少女が魔女に変化する? そういうこともあるのか」

ギルフォード「これは使えます」

ユフィ「ではお姉さま、以前から検討していた…」

ギルフォード「遅すぎたくらいです。なにしろこのエリアには敵が多すぎます」

コーネリア「魔女や使徒の対処は正規軍では厄介とはいえ、ヤツらに対抗する戦力は管理されなくてはな」

ユフィ「今回の件で超人たちの信頼が損なわれる事を防ぐためにも」

コーネリア「その通り。彼らの多くは純粋にこのエリアの安定を願っている。そこは我々と一緒だ」

コーネリア「しかし、この話が広まってしまうとな……」




イレブンA「聞いたかよ、魔法少女が魔女の原因だったんだってよ」

イレブンB「とっくに知ってるよ。このところ、ニュースでその話ばっかりだ」

イレブンC「平和を守る魔法少女でございってツラして、正体バレちまったな」

イレブンA「それだけじゃねぇよ。ブリキに燃料投下しちまった」

イレブンD「あんまり亡くなった人のこと悪く言うもんじゃないだろ、その辺にしとけよ」

イレブンA「何だお前? あの魔法少女の肩持つのか?」

イレブンB「副総督のフルネームも言えないような子だったっていうぜ」

イレブンC「今までそんなのに任せっきりだったんだよなぁ」

——秋葉原——

凪沙「超人登録法……?」

智恵理「私たちも『超人』っていう扱いなんですか?」

楚方「キン肉マンみたい!」

ツバサ「正義超人も含め、日本で活動している超人たちをブリタニアの指揮下におさめて管理する法案ね」

彼方「それって、ブリタニアの兵隊になれって言ってるようなものじゃないですか」

ツバサ「名目上は、今まで法的に曖昧だったエリア11で活動する超人たちの立場を明確にして」

ツバサ「社会的な地位と信頼を得るためということになっているわね」

鈴子「ブリタニアが私たちの活動を認めるかどうか……」

ツバサ「正規軍の指導で適切な訓練を受けられるとも言っているわ」

智恵理「きららエフェクトの研究を禁止して、いつも私たちの邪魔ばかりするのに」

ツバサ「誰と戦い、誰に歌を届けるのか。それをペンドラゴンが決めるような事態は避けるために」

ツバサ「私たちは政治とは無関係でいなければならない」

——見滝原——

詢子「魔女と魔法少女っていうのは聞いた事あるよ。薄々わかってたけどさ……」

ミサト「驚かれるのも無理はありません」

詢子「驚くのと悔しいのと、その他よくわからないものが山ほど混ざり合ってる…」

詢子「娘がそんな危ない目に遭ってるのに、気がつかないでいたなんて」

詢子「魔女に教われて助かった人のニュースは、私だって何度も見てた… あれはあの子たちだったんだ……」

ミサト「我々ネルフも、何度か彼女達に助けられています」

詢子「登録法が施行されたら、おたくのエヴァンゲリオンとも一緒に戦うことになるんだね」

ミサト「まどかさんは、魔法少女として登録されるのですか」

詢子「よく話し合ったよ。旦那も入れて、何時間もその話ばっかりだった」

詢子「あの子は登録しないと私たちが捕まるからって、かばってくれてるんだよ……」

ミサト「おそらく、施行後最初の任務で、未登録の超人達を捕獲することになるでしょう」

詢子「誰が反対しそうなんだい」

ミサト「今の所、AKB0048は既に反対を表明しています」

詢子「まどかをあの子たちのコンサートに連れてったことがあるんだ。その時、もう友達だったんだよね」

ミサト「研究生お披露目公演の前からと言っていました」

詢子「子供を戦争に行かせるんだな… しかも友達同士で……」

アスカ「あんたは来ないんだね」

杏子「兵隊なんてやってたら息が詰まっちゃうよ」

ほむら「佐倉さん… いつでもこっちに来てね」

杏子「ありがとう。でもマミを置いて行けないよ」

アスカ「マミも反対なんだ」

杏子「兵隊になれば、マミはブリタニアの命令だって聞くと思う」

杏子「でもそれがいけないんだ… 純真すぎる子だからさ……」

ほむら「巴さん、このところ平気なフリしてたけど、だいぶ思い詰めてたみたいだし…」

杏子「魔法少女のリーダー役を頑張らせちゃってたんだよな。そこへさやかの事もあったし」

アスカ「けっこうか細いところあるのよね」

杏子「アスカやシンジもそういうの気にしそうだと思ってたのにな」

アスカ「ウチはパイロットに選ぶ権利ないしね。でもどっちかっていうと、ネルフが日陰者になったら、そりゃ困るわよ」

ほむら「日陰者だなんて、そんな…」

アスカ「私だって、みんなで使徒を倒して人類を守るヒーローって立場に、ちょっとは愛着を持ってる」

アスカ「初めてなんだ、こんな風に思えたの…… 魔法少女や、AKB0048と一緒に戦うこともあって…」

杏子「まぁ、気持ちはわかるよ」

アスカ「三号機が暴走した時、さやかに助けてもらった恩もあるし、あんたたちとは戦いたくない」

ほむら「そうだよ… エヴァンゲリオンだって、友達同士で戦うためにいるんじゃないんだから」

杏子「ありがとう。でもこれからは友達同士なんて思わないでいい… 辛いだけだろ」

アスカ「ま、手加減なしでいくけど、悪く思わないでね」

——伊豆大島——

カレン「か、かわいい……」ナデナデ

C.C「エリア11防衛隊のマスコットキャラか? よくできているな」

一色博士「……あ、あのな嬢ちゃん……」

玉城「お、喋った!」

カレン「『嬢ちゃん』だって! かわいい顔して!」フニフニ

扇「お、おいお前ら……」

ゼロ「遅れてすまない」

玉城「おうゼロ、一色博士もまだ来てないぞ」

ゼロ「……いや、そのぬいぐるみの姿をしているのが一色博士だ」

玉城「マジで!?」

一色「うむ、ワケあって今はこのぬいぐるみを利用しておる」

カレン「も、申し訳ございません! まさかぬいぐるみが…」

一色「気にせんでもええ。もうすっかり慣れたわ」

ゼロ「C.C、お前は知っていたな?」

C.C「当然だ」

あかね「大島に黒の騎士団が来てるんだって!」

あおい「ゼロが? やっぱり、超人登録法の話で来たのかな」

ひまわり「示現エンジンがあるから、そうそう荒っぽい事はできないと思うけど」

あかね「ちゃんと話し合えればいいね……」

あおい「私たちも超人として登録することになるのかな」

わかば「神根島にいるブリタニアの部隊にアローン退治を手伝ってもらう事もあるし、あんまり戦いたくないね」

あかね「でもおじいちゃんが賛成するかな…」

ひまわり「ブリタニア軍に編入されたら、神根島の遺跡とか見せてくれるかな」

わかば「ああいうのにも興味あったの……?」

ひまわり「あそこ、ただの遺跡じゃないみたいだから」

——後日 政庁——

コーネリア「鹿目まどかに暁美ほむら。よく来てくれたね。歓迎しよう」

まどか「お招きいただき、ありがとうございます」

ユーフェミア「今日は超人登録法に賛同してくださったあなたたちのための晩餐会ですもの。楽しんでくださいね」

ロイド「魔法少女ッ! いいねぇ~ 君たちのソウルジェム、一度調べさせてくれないかなぁ」

まどか「やだなぁ…… 人に渡すの」

コーネリア「よせ。イレブンにはな、刀は武士の魂という言葉もあるくらいだ。不用意に求めるものではないぞ」

ロイド「そりゃ困った。魂の話となると、僕の専門外ですから」

ユーフェミア「ロイド伯爵にも思い留まるということがあるのですね」

コーネリア「どうした? 誰か探しているのかい?」

ほむら「えっ… あの、他の人たちは来てないのかなって」

ギルバート「ネルフの子たちも来ているよ。君たちの友人だろう」

マリ「よぉ~ まどっち! 姫にも聞いてたけど、やっぱコッチになったんだ」

まどか「マリさん! こうして会うのも久しぶりだね。シンジくんは?」

アスカ「アイツなら、さっきそこで大島の子たちと遊んでたわよ」

ほむら「あかねちゃんたちも来てるんだね」

まどか「セプター4の人たちは? セプター4は来てないの?」キョロキョロ

アスカ「知り合いだったの?」

まどか「あんまり会った事ないけど、あそこの隊長さんカッコいいんだよ。メガネが似合ってて」

マリ&ほむら「メガネなら誰でもいいの!?」

まどか「そうは言ってないでしょ!」

あかね「ネルフにまどかちゃんたちに私たち… だけ?」

シンジ「このメンバーで、黒の騎士団やAKB0048と戦うのかな」

あおい「そんなことにならないといいけど……」

玉城「心配すんなって、俺たちもこっちだからよ」

あかね「玉城さん!」

シンジ「黒の騎士団から脱けられたんですか?」

玉城「んなワケねーだろ! 俺『たち』も登録法に賛成すんだよ」

あかね「あ、ホントだ」

わかば「ゼロが来てる……!?」

コーネリア「遅かったじゃないか。だがこの場で会えて嬉しいぞ… ゼロよ」

ゼロ「超人登録法の趣旨は理解している。我々も超人として指定された以上、応じないわけにもいかない」

まどか「この間も言ったけど、黒の騎士団の手伝いをするわけじゃないからね」

ゼロ「無論だ。この国の平和を守る超人たちのためにこそ、我々も賛同したのだから」

コーネリア(AKB0048は従わず、正義超人は行方不明)

コーネリア(イレブンの支持を得るためとはいえ、ゼロめ… 足元を見おって)

ゼロ(まずは譲歩を引き出せたが、いずれは武装解除を求めてくるに違いない…)

ゼロ(だがヤツらがネルフとビビットチームの力を無闇に使えば、超人同士で無駄な争いをすることになる)

カレン(ゼロならうまく調整してくれるはず…)

スザク「反逆者を招き入れるなんて…」

ユフィ「良いではありませんか。ブリタニアと黒の騎士団が歩み寄ったのですから」

マリ「まぁ、表向きはついてきてても、黒の騎士団の秘密は教えてくれないんでしょ?」

ユフィ「心中は複雑とはいえ、大きな一歩です」

スザク「そうなれば良いのですが…」

玉城「まぁどーにかなるって! 今日は飲もうぜ!」

あかね「玉城さん、もう酔ってる~」

スザク「君たちは大島のビビットチームだね」

わかば「はい。この間はお世話になりました!」

スザク「とんでもない。お礼を言うのは僕たちの方だよ。君たちのおかげで助かったんだから」

あかね「スザクさんも運が悪かったよね。たまたま神根島に来た時に黒の騎士団と鉢合わせしちゃうんだから」

スザク「その彼らと共闘することになるなんて、まだ慣れるのに時間がかかりそうだな」

あおい「共同で戦うとなると、やっぱり……」

スザク「残念だけど、彼女たちのことをよく知ってる君たちを、あてにさせてもらう」

ひまわり「捕まえるだけで済めばいいなぁ…」

このSSの元ネタは、アメコミヒーローが超人登録法を巡って戦う「シビル ウォー」です
アメコミは日本の漫画と出版形態が少し違っていて
日本の漫画雑誌は一冊に複数の作品を収録しています
ジャンプを買えばワンピースもブリーチも銀玉も読めるといった具合に
一方アメコミは各ヒーローごとに専門誌があります
月刊アイアンマンとか、月刊ハルクとか、そんな感じです
シビルウォーのような大型クロスオーバーイベントの場合は、これまた専門誌を創刊します
さしずめ月刊シビルウォーですね
ではその間、参戦している各ヒーローの専門誌は何をしてるのかというと
タイインといって、彼らを主軸にした外伝作品を連載してたりします

これからしばらく、この戦いに参戦していない二人のタイインを進めていきます
時間が前後したりして分かりにくい部分もあると思いますが
本編と同様、どうかお付き合いください

——アイドル研究部 部室——

 ガラッ
にこ「あ、来てたんだ」

部員A「どうだったんですか…?」

にこ「うん… ごめん、引き止めようとしたけど、やっぱりダメだったよ……」

部員B「…寂しくなりますね……」

にこ「落ちこんでる場合じゃないよ! この三人で頑張ろうね!」

部員A「え… あ、はい……」

部員B「そういう部長も辛いでしょう。今日は休んで、リフレッシュしましょうよ」




にこ(なんでだろう…… みんなあんなにスクールアイドルが好きだったのに)

にこ(一人また一人と減って行って、もう三人しか残ってない)

にこ(言われて気付いたけど、私もけっこうショック受けてるよね…)

絵里「これからどうするつもり? まだ続けるんでしょう」

にこ「この人数だと来年度は廃部ね。どうにかしないと」

絵里「廃部になるのって、やる気が無くて自然に解散していくクラブがほとんどなのよ」

絵里「やる気がありすぎてこうなるなんて珍しいから、力になってあげたいけど」

にこ「そこは気にしないで。ひいきするわけにもいかないでしょ」

にこ「だから自力で人を集めてみるわよ。でも、それも厳しそうだね…」

絵里「魔女騒ぎの後、しかも超人登録法でAKB0048が逃げ回ってる今、風当たりは強いかもしれないわ」

にこ「今回やめてった子、それもあるみたい…… 崖っぷちだなぁもう」

絵里「似合わない顔しないの」

——別の日——

にこ(そう、ヘコんでる場合じゃない)

にこ(バッチリ目立って、新しい人に興味を持ってもらうんだから!)

 ガチャッ
にこ「あれ、二人とも早かったのね」

部員B「二人で話しておくことがあったんです」

部員A「ちょっと…」

にこ「え… 話すことって」

部員B「なんだ。心配しちゃいましたよ」

部員A「やめなよ、そういうの……」

部員B「もうわかってたんじゃないですか」

 ♪『人は生まれて 人は死んでいく 肉体は滅びても』

 ♪『灰の中から蘇るものが情熱 次の世代へ』

にこ(……一人で練習してても乗れないや…)

声『死んだ人は生き返らないよ』

にこ(そうだね。今聴くとイヤな歌…)

声『蘇る前に、みんないなくなっちゃったね』

にこ(まだなんとかなる、って思いたかったんだけどね)

声『ひとりぼっちで練習してても寂しいでしょう』

にこ(うん…… この部室もずいぶん広くなっちゃったよ)

声『それならさ、私が一緒にいてもいい?』

にこ(……あなた、誰なの? そうだ、いつから声が聞こえてたんだろう……)

声『ちょっと待ってね』

 グニャー
にこ「ここは? え、部室じゃないの!?」

声『ここは私の結界。こうすれば見えるよね』

にこ「誰!? 私に声を送ってた人なの…?」

声『人間じゃないよ。私は魔女… 魔女オクタヴィア…… 扉をあけて、こっちへおいで』

にこ「扉って、これ…?」

 ギイィ……

オクタヴィア「この結界に隠れながら、時々出かけるの。そしたら学校であなたの歌を聴いた」

オクタヴィア「また聴きに来てもいい? ここで練習してるんだよね?」

にこ「いいけど… あなた本当に魔女なの?」

オクタヴィア「ごめんね、私が怖い? でも大丈夫だよ」

オクタヴィア「にこの歌が好きなんだもの」

にこ(どういうわけだか魔女の友達ができた)

にこ(あれから毎日のように練習場に来てる)

にこ(……わりと本気で、どういうわけなのよ!? とりあえず私を食べちゃう気はないみたいだけど)

にこ「あなたもアイドルが好きなの?」

オクタヴィア「よくわからない。魔女になって日が浅いもの」

にこ「…少し前までは違ったの?」

オクタヴィア「私はたぶん、魔法少女だったと思う。でもよく覚えてないの」

にこ(魔法少女が魔女になるって聞いたことある。噂だと思ってたけど……)

にこ「魔法少女だったら、0048ともよく一緒にいて、こういう歌に馴染みがあるのかもね」

オクタヴィア「そうかもしれないね… 温かくて、なんとなく懐かしい感じがするよ…」




にこ「よっし、今日はこのくらいにしておこうかな」

オクタヴィア「もう終わり?」

にこ「他のクラブもそろそろ終わる時間だよ。校門閉められちゃう」

オクタヴィア「また、明日聞きに来てもいい?」

にこ「いいよ! 私の歌、そんなに気に入ってくれたんだ」

オクタヴィア「それもあるし……」

オクタヴィア「…帰りたくないな」

にこ「あんた、いつもどっから来てるの? というかどこかに住んでるの?」

オクタヴィア「嫌な所だよ…… でも外にいたら、魔法少女に見つかっちゃう」

にこ「あんたは人を襲わないのに」

オクタヴィア「襲わないけど、人を怖がらせる仕事をしている……」

にこ「そうなの? どんなことを?」

オクタヴィア「捕まえられた人たちが外に逃げ出さないように、私が結界に閉じ込めておくの」

にこ「その人たちは、なんで捕まえられたの? 悪い人なの?」

オクタヴィア「逃げ出したら困る、らしいの… でも、私に少しだけ残った人間の理性が、この仕事を止めさせようとする」

オクタヴィア「そうなると、もしかしたら悪いのは私なのかもしれない…」

にこ「そうとも限らないよ。誰にでも、嫌々やることくらいあるって」

オクタヴィア「だから希望が必要なのかな」

にこ「理性ってさ、人を怖がらせるのが嫌だな、とか思うんでしょ? それさえ持ってれば充分よ」

にこ「それに私の歌を好きだと言ってくれたでしょう。少なくとも私には、あんたがそこまで悪い子には見えないね」

オクタヴィア「…ありがとう」

——それから数日——

「矢澤さん、まだ一人でアイドル部やってるんだって?」ヒソヒソ
「シッ 聞こえるよ」
「平気だって、ほら。今もなんだかぼ~っとしてる」
「ほんとだ…」

オクタヴィア『今日も行っていい?』

にこ『いいよ。どうせ誰もいないしね』

オクタヴィア『お湯はある? お土産にお茶持って行くね。おいしい紅茶があるの』

にこ『ありがとう。待ってるよ』

にこ(…テレパシーってやつ、なんで私にも使えるんだろう……?)

「このところよくあんな風になってるのよ」ヒソヒソ

 ♪『好きならば 好きだと言おう』
 ♪『誤摩化さず 素直になろう』

にこ「…案外うまいのね」

オクタヴィア「ちょっと練習したから」

にこ「それにこの結界っていうの? いい音響するよね」

オクタヴィア「ありがとう。見よう見まねだけど、にこみたいな真面目に練習してる人に褒められると、嬉しいよ」

にこ「……」

オクタヴィア「魔女になる前、この歌をよく聴いていたように思うの。私にできないことを感じていた…」

にこ「その頃のことを引きずってるのかな」

オクタヴィア「うん。この歌だけじゃない。私が魔法少女になったことと、魔女になったこと」

オクタヴィア「音楽がきっかけの一つにあったと思うよ…… だからホールの結界ができるんだね」

にこ「好きな人とか、いたの?」

オクタヴィア「にこにはいるの?」

にこ「アイドルは恋愛禁止なの。0048だって同じでしょ」

オクタヴィア「そうだったっけ…?」

——秋葉原 街頭ディスプレイ——

レポーター『AKB0048がライブを行うと予告した会場近くに来ております』

レポーター『付近で上空をLAS、AKB0048の保有するロボットが通過したという目撃情報も入っています』

にこ「もう何日も、こんなのばっかり」

絵里「どちらになるにせよ、早く解決してほしいわね」

穂乃果「あの… これ、何やってるんですか?」

にこ「え、私たちに? ていうかあんたニュース見てないの? 内戦だよ!」

あおい『投降しないなら、いくよ!』
わかば『ネイキッド・ブレード!』
マミ『近づかせないわ…!』
杏子『マミ! まだ寝てなきゃダメだろ!』

穂乃果「あんまりよく知らなくて…… なんで戦ってるのかとか」

絵里「超人を登録制にしようとしてるの。AKB0048や魔法少女の何人かが反対してるのよ」

穂乃果「へぇ~ じゃ0048って悪者になっちゃったんですか」

にこ「そんなわけないでしょ!」

穂乃果「えっ あの、すいません… でも、どうして登録制になったんですか?」

絵里「魔女は知ってる? あれの発生原因の一つが、魔法少女だとわかったのよ」

穂乃果「魔女って確か、落ち込んだ人をそそのかして死なせたりするヤツですよね」

にこ「……」

穂乃果「魔女と戦ってた魔法少女が魔女になっちゃうんですか? それじゃなんだか…」

絵里「そうね。スーパーヒーローに対する疑念が増えてきたから、身元をハッキリさせる必要ができてきたのよ」

絵里「魔法少女や大島のビビットチームの子たちって、今までニュースでも名前出てなかったでしょう」

穂乃果「そうでしたっけ……? 言われてみれば、そうだったかも」

にこ「ゼロは登録法賛成派なのに本名出てないわね」

絵里「ゼロは黒の騎士団の象徴で、特定の人格ではない、と主張しているわね」

穂乃果「中の人はいないことになってるんですね」

にこ「それが認められるってひいきじゃない……?」

にこ(わかっていることはいくつかある)

にこ(超人登録法に賛成して、名前が公開された魔法少女は、鹿目まどかと暁美ほむら)

にこ(『魔法少女が何かのきっかけで魔女になる』とわかったことから、この内戦が始まった)

にこ(もう一つ、オクタヴィアはまだ魔女になって日が浅いと言ってた)

にこ(私は、内戦のきっかけになった魔女と一緒にいるのかもしれない……)

オクタヴィア「ねぇにこ、また歌を聴かせてよ」

にこ「うん… その前に、ちょっと気になることがあるんだけど、訊いてもいいかな」

オクタヴィア「なに?」

にこ「この間言ってたよね。あの歌が好きだった頃、魔女になったきっかけがあったって」

にこ「魔法少女は、どうしたら魔女になるの?」

オクタヴィア「私は魔女。絶望を振りまいて、人の魂を食い破る魔女……」

にこ「それでも、歌を聴きに来てくれるじゃない」

オクタヴィア「私はにこが好き。一人になっても、くじけないで歌ったにこが」

オクタヴィア「どうしようもなく好きになるのは、私がもう失くしたから……」

にこ「それが無いと、魔女になるの?」

オクタヴィア「魔法少女が持っていたもの。魔女の絶望が生まれた場所」

オクタヴィア「にこ、アイドルは人を笑顔にするものって教えてくれたでしょう」

にこ「それがアイドル研究部のスローガンだったのよ」

オクタヴィア「魔法少女と一緒だよ。私にもあったもの」

オクタヴィア「『誰かを幸せにできるかもしれない』という希望が」

にこ「……私は歌で絶望なんて生み出さない」

オクタヴィア「だから好きになった。希望と絶望。二つで一つのパワーが、あなたには片方しかない」

にこ「希望のパワー、か…」

にこ(私に希望なんてあるとしたら、今更言っても遅いし、後悔しても仕方ないけど……)

にこ(オクタヴィアに『褒められて嬉しい』って言われた時、ちょっとドキッと来た)

にこ(あの子たちにも、もうちょっと優しくしてたら、少しは私のことを好きになってもらえたかもしれない)

にこ(私のこと、じゃないな。私と一緒にアイドル研究部を続けていくことが)

にこ「私の歌に『希望』を感じたならさ、オクタヴィア……」

にこ「希望を取り戻して行けば、魔法少女に戻れるの?」

にこ(魔法少女に戻っても、友達でいてくれるの……?)

以下のメンツで本編再開します

エリア11 超人登録法
賛成派
・黒の騎士団
・ネルフ
・ビビットチーム
・セプター4
・鹿目まどか
・暁美ほむら

反対派
・AKB0048
・巴マミ
・佐倉杏子

その他
・矢澤にこ
・オクタヴィア

—— フライングゲット(AKB0048 母艦)——

楚方「マミ、まだ具合悪いの?」

杏子「思ったより悪くなってる。超人登録法が始まってからずっと働き詰めで、堪えてるみたいなんだ」

智恵理「私たちは追われる身になっても、前とあまり変わらないけど」

杏子「人から感謝されないことには慣れてるわりに、叩かれると弱いんだ… めんどうなヤツだよ」

彼方「あんたは平気そうだね」

杏子「逃げ回ることに慣れてるからさ……」

彼方「…無茶しないでよ」

杏子「あたしら魔法少女のリーダーだったから、あんまり馴れ馴れしくできなかったみたいだけどさ」

杏子「マミはけっこうゼロのこと気に入ってたんだ。こうなる前からさ」

鈴子「前に秘密ノートを見せてもらった時、ゼロのテーマソングまで書いてありました」

杏子「だから黒の騎士団と戦うのがなおさら苦痛だったんだな」

杏子「…おいちょっと待て。その秘密ノート、あたしも見せてもらったことないぞ!」

鈴子「『お仲間』だけの、秘密の森と湖ですから」

 フィフィフィフィ フィフィフィフィ…!!

ツバサ『ライブ会場周辺にブリタニア軍の舞台が展開しているわ』

ツバサ『現地のWOTAと交戦中だけど、そう長くは持ちそうにない』

たかみな「ウチらの出番ね。行くよみんな!」

彼方「研究生も突撃服に着替えて待機。LASに乗れるメンバーは発進準備を」

杏子「手伝うよ」

たかみな「グリーフシードはまだあるの?」

杏子「多少はね。それに、ここでかくまってもらってる分は働きますよ」


ツバサ「敵機の反応が消えた?」

ゆきりん「LAS隊の発信直後に全てのレーダー・センサから完全にロストしました」

WOTA『こっちでは戦闘なんて起こっていませんよ。どうしたんです?』

牛山「私たちをおびき出した… しかもここまで手のこんだおとりまで使って」

ゆきりん「このやり方って、まさか」

ツバサ「黒の騎士団!」

たかみな「罠だったってわけね」

ゼロ「そうでもなければ、君たちと話し合うこともできないからな」

ゆうこ「話したければ握手会に並んでくれる?」

まどか「杏子ちゃんも意地はってないで、早くコッチ来なよ」

杏子「行かないって言ったろ。ブリタニアの手下になんてなるかよ!」

あかね「そうは言っても、私たちが協力しないと、誰の為にもならないんだよ」

凪沙「あかね! ビビッドチームって、合体する時にお互いの気持ちが通じ合うんでしょう?」

彼方「四人のうち、誰もこんなことに疑問を抱いていないの?」

あかね「ないよ! 示現エンジンを守ることが私たちの役目なんだから」

ひまわり「代わりになるエネルギー源がない以上、あれを守る事は世界の平和につながってるんだよ」

あかね「証拠を見せてあげるよ! あおいちゃん!」

あおい「うん!」

 『ビビットブルー・オペレーション!』

智恵理「合体した!?」

ゼロ「何をしている! まだ攻撃命令は出していないぞ」

ゆうこ「どの道、ここでライブをやれば、あんたらは止めに入るワケだよね?」

ゼロ「そうさせないために我々がここへ来たのだ」

ゆうこ「私たちを従わせるために?」

ゼロ「登録しても0048の活動が完全にできなくなるわけではない。現に我々は黒の騎士団として……」

ゆうこ「ゼロ、あんた一体どうしたのさ? あんなにあっさりブリタニアに加担するなんてさ」

—— 少し離れた場所で ——

シンジ「むこうはどうなってるのかな……」

マリ「ゼロがうまく収めてくれるいいけど」

アスカ「あの仮面の人、肝心なところでけっこうミスってない?」

シンジ「そうかな…」

アスカ「で、後になって『元からこうするつもりだったんだ!』って感じだし。あんまり信用できないなぁ」

ミサト『アスカの予感が的中したようね。待機状態の三機は地上に出て、ライブ会場へむかって!』

アスカ「交渉決裂したの!?」

シンジ「そんな…… どっちが先に始めたんだろう…」

ミサト『起こってしまった以上、そんなこと関係なくなるわ。でもあなたたちが参戦すればまだ抑え込める』

杏子「みんな、気をつけろ! まどかの新型スーツは手強いぞ!」

鈴子「タイタスパーツ。パレットスーツに匹敵するパワーに、磁気旋光システム…!」

ほむら「シグルブレイドの説明を忘れてるわよ!」ザシュッ!

鈴子「くっ!!」

杏子(どうする? 戦力的にこっちが不利だぞ……)

ツバサ『気をつけて! エヴァンゲリオンが来るわ!』

杏子「あいつらまで!」

彼方「鈴子、フライングゲットまで飛べそう?」

鈴子「はい!」

彼方「なら今のうちに撤退しな。その機体で戦ってたらいずれ捕まる」

あかね「上空に逃げようったってそうはいかないよ!」

ゼロ「ハーケンであのLASを捕獲しろ!」

カレン「誰の機体か知らないけど、ごめんね!」シュルッ

 ブチッ

カレン「ワイヤーが切れた!」

キン肉マン「逃げる敵を後ろから襲うなんて、クリーンじゃないな」

テリーマン「遅れてすまない。AKB0048を援護するぞ!」

鈴子「あ… ありがとうございます!」

楚方「キン肉マンだ!」

アスカ「なによあれ… 杏子たちと0048だけじゃないの?」

ゼロ「いいところに来た。敵は撤退を始めようとしている。その隙を与えるな!」

シンジ「敵って、あれは… キン肉マンじゃないか……」

キン肉マン「彼らの相手は我々がするしかないようだな。行くぞ、テリー、ジェシー!」

テリーマン「巨大化だな!」

ジェシー・メイビア「日本デビュー戦の相手が噂に聞くエヴァンゲリオンとはな!」

彼方「75期と77期! キン肉マンGoFight!」

 ♪『リングに 稲妻走り』

玉城「ゼロ! いくら何でも正気じゃないぜ! キン肉マンを撃てなんてよぉ!!」

ゼロ「だが正義超人はAKB0048を支援している。我らの敵だ」

カレン「だからって…」

 ♪『蹴散らす 超人レスラー』

マリ「日本人にとっては特別なんでしょ? ならさがってなよ。私が相手するから!」

キン肉マン「イギリス超人にはこれだ!」

キン肉マン「見よう見まねだが、タワーブリッジ!」GAKI!!

 ♪『飛び散れ キン肉ビーム』

シンジ「やらなきゃ… 相手が正義超人だからって!」

テリーマン「ヘイ、ボーイ!」

アスカ「あの技は…」

 ♪『勝利に向かって』

楚方「カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)!」

テリーマン「おとなをからかっちゃいけないよ!」グワッシャ!

杏子(すごい… エヴァンゲリオンと張り合ってる…)

 ♪『わたしは(ドジで) 強い(つもり) キン肉マン』

ゆうこ「ゼロ!」グワッ!

ゼロ「こいつ、LASもなしに近づいてくるか!」

ゆうこ「悪いけどそのナイトメアは破壊する!」

ゼロ「わたしが心から納得して登録したわけではないことくらい、わかっているだろう!」

ゆうこ「話は後でゆっくりきかせてもらうよ!」

 ♪『走る(すべる) 見事に(転ぶ)』

ゼロ「ぐわぁっ!」

スザク「ランスロットでゼロを守ることになるとはな」ザシュゥッ!

ゆうこ「ちぃっ!」

ゼロ「両脚切断か…」

C.C「まだ飛べるぞ。後退するか?」

ゼロ「なぜだ… ここまで理解されないとは」

C.C「安心しろ。私はわかっている。それにビビッドチームやまどかもだ」

 ♪『ああ 心に 愛がなければ』

ゼロ「やめろ…… そんな歌……!」

 ♪『スーパーヒーローじゃ ないのさ』

ゼロ「やめてくれ…」

ゼロ「こんなスーパーヒーローがいるものか……!」

——ネルフ 第一発令所——

ゲンドウ「どうした、ゼロよ。何故撃たない」

ゼロ『正義超人の出現に日本人メンバーが動揺しているな。このままでは巻き返される』

ゲンドウ「それでは反対派の超人どもを捕獲できんぞ」

ディートハルト『彼らの感情がそれを阻むのです。そうとなれば』

ゲンドウ「他に方法はあるまい」

ゼロ『碇司令…! 待て、早まるな!』

杏子「初号機の動きが止まったぞ」

凪沙「バッテリー切れだね!」

彼方「油断しないで! まだ二体いるんだから!」

ゼロ『この戦場にいる両軍に告ぐ!』

智恵理「ゼロから通信?」

杏子「テレパシーにも中継されてる」

ゼロ『今すぐエヴァンゲリオン初号機に攻撃を集中しろ!』

ゼロ『ダミーシステムだ!』

アスカ「また… あれを使うの……?」

まどか「前はさやかちゃんが三号機の使徒を剥がしてくれたから良かったけど」

ほむら「今度は初号機を止めるしかないようね!」

ひまわり「あれがダミーシステム…」

初号機「ウオオオオオオオ!!!!!!」

あかね「シンジくん、どうしちゃったの!?」

ジェシー「まるで獣ではないか……」

たかみな「今は説明している場合じゃない! 初号機を攻撃するよ!」

智恵理「攻撃なんかしなくたって!」

凪沙「智恵理! 一人じゃ危ないよ!」

智恵理「あの時とは違う! こっちにだって、センターノヴァの力があるんだから!」

——コクピット内——

智恵理「シンジくん! お邪魔するわよ」

シンジ「智恵理さん? どこから来たの!?」

智恵理「説明は後よ。エヴァンゲリオンの神経接続にセンターノヴァ能力で干渉するわ!」

シンジ「これを止められるの?」

智恵理「待ってて、もう少し……  きゃあっ!」

 グシャッ

智恵理「しまった… 本体をやられて……!」フッ

シンジ「消えた? 今の手応え、きっとLASだよな… 本体って」

シンジ「クソッ! 止まれ! 止まれよ!」ガチッガチッ

シンジ「止まれええええええ!!!!!!!」

——見滝原市 高速バスターミナル——

にこ「う~ん…! やっぱバスで二時間は遠いわね」

オクタヴィア『いつもこんなに出かけないもんね』

にこ『あんたこそよくついて来られたじゃない。こんな遠くに来てていいの?』

オクタヴィア『平気だよ。今日はみんな大仕事の準備で忙しいみたいだから、抜けてきちゃった』

にこ『魔法少女に遭わないといいね』

オクタヴィア『もしいたら結界に隠れるから、その間に説得しておいてね』

にこ『難しそうね… それにしても、本当に魔法少女の街なんだ。売店がグッズだらけだわ』

「新商品のスパローケーキいかがですか~」

オクタヴィア『私がいた頃はこんなにお土産とか売ってなかったような…… たぶん……』

にこ『超人登録法であの二人については堂々と使えるようになったからかしら』

「スパローケーキのご試食いかがですか?」

にこ「いただきます」

にこ「…あ、おいしい」

にこ(魔女がどうやったら人間に戻れるかは本人も知らないらしいから、二人で頭抱えてて)

にこ(きっかけのあった場所を訪れれば手がかりを掴めるかも、というわけで来てみたはいいけど)

にこ(きっかけって、希望が絶望に変わる瞬間っていうくらいだから、聞きづらい事情がありそうだし)

にこ(実はオクタヴィア本人が戻りたいのかどうかさえも、ハッキリとはわからない)

にこ(……友達ってどのくらい踏み込んでいいんだろう…… 案外、距離感が掴みづらいのよね)

オクタヴィア『こっちにはどのくらいいられるの?』

にこ『バスは夜まであるけど、夕方くらいにはこっちを出たいわね。半日あればいいかしら』

にこ『それで、まずはどこに行けばいいの?』

オクタヴィア『どうしようかな』

にこ『…あんたまさか、勢いで行くって言っちゃったけど、細かいこと覚えてないとか?』

オクタヴィア『……あんまり』

にこ『まぁいいわ。時間あるんだし、ブラブラしてるうちに思い出すでしょ』

オクタヴィア『ごめんね』

にこ『音楽ホール探してみる? 歌がきっかけの一つって言ってたよね』



にこ「今日の公演は無しか。入っていいのかな」

オクタヴィア『でもあんまり関係なさそうだよ』

にこ『わかるの?』

オクタヴィア『この場所に来た記憶はいくつかあるみたいだけど』

オクタヴィア『魔女として感じるものはあまりないね……』

にこ『簡単には見つからないものね』

オクタヴィア『ごめんね』

にこ『まだ時間あるし、いろいろまわってみようよ。女の子の行きそうな所はある?』

オクタヴィア『たくさんあると思うな』

にこ『広い街だからね。せっかく来るんだったら、ガイドブックでも買ってくればよかった』

にこ『ほら、向こうの高層ビルとか、展望台あったら眺め良さそ…… ん?』

オクタヴィア『ああ、行ったことあるかも』

にこ『そっちじゃなくて、手前のビル… 屋上に誰かいるよ』

オクタヴィア『魔女の気配だ! 急ごう!』

——ビルの中——

オクタヴィア『やっぱり結界がある。私以外の魔女って初めて見たけど』

にこ『戦える?』

オクタヴィア『たぶん。なんだかヒーローみたいだね!』

にこ『じゃあお願い。その間に私はこっちを!』

 バンッ
にこ「いた! ちょっと待ったぁ!」

女「……あなたは」

にこ「早まらないで! ここに住んでる魔女にそそのかされてるのよ!」

女「そうだと思ったわ」

にこ「わかっていたんですか」

女「人間より、魔女の方がまだ優しいもの」

にこ「確かにそういう魔女もいるけど… いや、とにかくダメですよ! 今助けますから!」

女「来ないで! …私ね、そろそろラクになりたくてここへ来たの。好きにさせて」

にこ(マジだわこれ…… どう言えば)

女「この辛さから解き放たれるためだもの。魔女の言うことくらい喜んで聞くわ」

女「だって、あの日からずっと耐えてきたのよ」

にこ「…とりあえず、歌でも聴いてからにしませんか」

女「……?」

 ♪『うぶ毛の小鳥たちも いつか空に羽ばたく』

女「あなた、一体何を……」

 ♪『大きな強い翼で 飛ぶ』

——ビルの中——

オクタヴィア「このっ!」

魔女『!!!』

オクタヴィア「意外と当たらないな…」

 ♪『諦めちゃダメなんだ その日は絶対来る』

オクタヴィア(にこの歌…? 学校で聴かせてもらったことある)

 ♪『君も感じてるよね 始まりの鼓動』

オクタヴィア(いいぞ… 力が湧いてくる……!)

オクタヴィア(『希望』のパワーで戦う魔女なんて、魔法少女みたいだけどね)

——屋上——

 ♪『明日よ変われ! 希望に変われ!』

女「変わってくれたら、ここへなんて来ることなかった……」

 ♪『まぶしい光に 照らされて変われ START!!』

女「光がさすことも、もうないのに…」

 ♪『悲しみに閉ざされて 泣くだけの君じゃない』

女「娘もきっと、あの子にそう言ったの……」

 ♪『熱い胸 きっと未来を 切り拓くはずさ!』

女「だから魔法少女になんてなったのよ!」

にこ「……あの、今なんて?」

 バタンッ

オクタヴィア『あ、にこ。たぶんその人』

オクタヴィア『お母さんだ』

——ダミーシステム使用してから一夜明けて——

コーネリア「いい報せだぞ。……この歌は?」

あかね「提督、おはようございます」

ユーフェミア「ビビッドチームのテーマソングですって」

わかば「私たちとコラボしてこれを売り出したいっていう人がいるんです」



コーネリア「ふむ。君たちらしい、元気そうでいい歌じゃないか」

あかね「あ、ありがとうございます……」

コーネリア「…すまない、昨日のことが引っかかっているようだね」

あかね「いいんです。私たちこそ、しっかりしないと…」

わかば「でもよかったのかな… これで……」

 ♪『今日だって最高の 未来に変わってく』

あおい「ダミーシステムが動いた時、エヴァンゲリオンの声を聞いたの…」

わかば「怖かったよね… 味方なのに、これと一緒に戦うんだってね……」

 ♪『昨日の涙さえ 誇れる場所にいるから!』

カレン(あかねちゃんたちも歌詞の通りになれたらいいけど)

ゼロ(これもダミーシステムの爪痕か… 碇ゲンドウめ、勝手な事を)

あおい「あの時やられたの、智恵理ちゃんのLASだよね? 無事だったのかな」

コーネリア「AKB0048と正義超人は雲隠れ。現在行方を調査中だ」

ゼロ「しかし彼女たちもいずれは登録法に賛同し、我らの味方となってもらう」

ひまわり「それしかないからね…… 私たちの活動が認められないと、困る人が大勢出てくるもの」

コーネリア「これからも頼むぞ。それでよい報せというのはだな」

コーネリア「エヴァンゲリオン初号機パイロットが目を覚ましたようだ」

あかね「よかったぁ…」

ゼロ「代わりにネルフ本部は半壊か。高くついたな」

カレン「前に使った時はさやかが止めに来てくれたから、まだおさまりがついたけど」

カレン「あんなものを二度も使われたんだもの。怒る気持ちはわかるよ」




コーネリア「あの子たちの前では話しづらかったろうが、率直に聞かせてほしい」

ゼロ「彼女たちは裏切るようなマネはしない」

ロイド「特にリーダーの子は示現エンジンを作った一色博士のお孫さんでしょう」

ロイド「守るものが目に見えているものなら、そう簡単に覆らないよ」

ゼロ「総督も少々過敏になってはいませんかな」

コーネリア「思い過ごしだといいが… 紅月カレンよ、それからユフィも」

コーネリア「彼女たちに何かあったら、相談相手になってくれ。年が違い分話しやすいだろう」

カレン「エヴァンゲリオンの一件以外にも、人間同士で戦うのに抵抗はありそうですからね」

——数日後 政庁——

ダールトン「赤のクラン、八田美咲と鎌本力夫か。よく来てくれた」

八田「よろしくッス」

ダールトン「青のクランは別件に釘付けで呼び出しにも応じない。赤のクランの他のメンバーはまだ来ないのか?」

八田「じきに合流しますよ。あの戦闘を見てりゃあ、こっちにつきたくなりますって」

鎌本「エヴァンゲリオンに追いかけ回されちゃたまらんスからねぇ」

八田(お目当てはアンナの占いに出た『王の力』。そいつを探し出さねぇとな)

鎌本(どいつだ…? こっち側にいやがることは確かだ)

ダールトン「来て早々だが、君たちの初仕事だ。見滝原総合病院へ行ってもらう」

鎌本「病院? 超人の医者でもいるんスか」

ダールトン「いや、そこで入院中の子供たちを対象に開催されるイベントがあってだな…」

ダールトン「『ほむらちゃん握手会&にがお絵コンテスト』の会場警備だ」

八田「……いきなりハードっすね」

突然ですが、かつ今更ですが、参戦作品をちょっと紹介

AKB0048
芸能活動が禁止された世界を宇宙戦艦と亜音速飛行可能なロボット(LAS)で飛び回り、
ファンに歌を届けに行くアイドルグループ
戦闘の際には降りてビームサーベルで戦うこともある
きららという宇宙生物がアイドルたちにパワーを与えているという設定が
一応はあるものの、あまり触れられてなかった気がする
宇宙戦ならたぶん全参戦作品中最強
主な登場人物:凪沙 智恵理 彼方 ゆうこ たかみな ツバサ

ビビットチーム(ビビッドレッドオペレーションより)
伊豆諸島にできた示現エンジンのおかげで全世界のエネルギー問題が解決した。
しかし突然現れた巨大怪獣(のようなもの)アローンの襲来に、ビビットチームが立ち上がる!
変身ヒーローものにしては珍しく合体して強くなるのと、無尽蔵のエネルギー源とされる
示現エンジンを利用しているため、おそらく空中戦では全参戦作品中最強
主な登場人物:あかね あおい わかば ひまわり 一色


セプター4(K より)
対能力者用の治安維持組織
「青のクラン」とも呼ばれ、Kの世界には他に緑や金など、全部で七つのクランがあり
各クランの王に認められてメンバーになると、色に応じたパワーを手に入れる仕組み
戦闘時にはサーベルを使う。ただし使用許可が必要らしい
主な登場人物:宗像 淡島 伏見

吠舞羅(K より)
赤のクラン。セプター4と違って普段はただのチンピラ集団なので、彼らと敵対する事も多い
原作では力の使い過ぎでダモクレスダウンという大惨事を起こす瀬戸際だったものの
この話は本編以前のことなのでその心配はいらない
主な登場人物:八田 鎌本 尊

その他よくSSで見かける作品について

まどか☆マギカ
設定上、見滝原と風見野以外にも魔法少女はいそうだけど、今回は登場しません
AKB0048やビビットチームのメンバーとも仲が良いようです

エヴァンゲリオン
三号機が乗っ取れたものの、美樹さやかの活躍で事なきを得たということで、
アスカが三号機、真希波マリが二号機に乗ってます

ラブライブ!
これもKと同じくアニメ版開始前の話にあたります

——病院——

鎌本「おい」

ほむら「は、はいっ!?」

鎌本「おめぇが暁美ほむらか」

ほむら「…えと……」カタカタ

まどか「」ビキビキ

鎌本「ったく、何が会場警備だよ。ガキのカバン持ちじゃ…」

八田「バッカやろおおお!!!!」ゴキッ

ほむら「ひっ…!」

鎌本「いってぇえ!! 何するんスか八田さん!」

八田「テメェこの二人が誰だかわかってんのか!? 相手を見てものを言えってんだ!」

鎌本「今日護衛する魔法少女でしょ? 俺達新入りが舐められないようにって」

八田「いいか… こいつらガチで戦ったら俺らより数段強いんだぞ」

鎌本「マジすか?」

まどか「…なんなら試してみる?」

八田「すまねぇ、許してやってくれって! ほら、俺達も『ほむら』ってんだしさぁ、ここはどうか」

ほむら「…赤のクランじゃないの?」

八田「そうとも言うけど、普段は吠舞羅ってチーム名なんだ。みんなそう呼んでるよ」

ほむら「先生、お久しぶりです」

医師「ほむらちゃん、登録法ができてから忙しいでしょう。今日は来てくれてありがとう」

ほむら「いいえ。小さい子と遊ぶのも、ヒーローの役目ですから」

医師「みんな君が来るのを待っているよ」

看護師「いつも『今日ほむらちゃん来るの?』って聞かれるのよ」

八田「さすが有名人なんだなぁ」

ほむら「私はここの病院に入院してたんですよ」

医師「あの時はおとなしかった子が、魔法少女だもんなぁ。初めて知った時は驚いたよ」

まどか「ほむらちゃんは今でもおとなしくて可愛いですよ~」

男の子A「ほむらちゃん! ホントに来てくれたんだ!」

ほむら「楽しみにしててくれたんだってね。ありがとうね」

女の子「ほむらちゃん…」

ほむら(手をケガしてるのね)

ほむら「応援してくれてありがとう」ナデナデ

女の子「わたしも魔法少女になったら、手なおるかな」

ほむら「…ダメだよ。魔女と戦うのは危ないもの」

女の子「じゃあ魔女の戦い見たい!」

男の子B「ぼくも見たい!」

ほむら「それもダメだよ……」

まどか「連れて行ってあげられないけど、お話聞かせてあげようね」

男の子C「ねぇ、兄ちゃんたちも超人なの?」

鎌本「そうだぞ」

男の子C「スケボーするの? 見せてよ!」

八田「しょうがねぇな。すいません看護婦さん、庭で走ってみていいすか?」

鎌本「ちょっと八田さん…」

八田「子供たちに顔を売ってくるぜ。俺達新入りを行かせたのも、そういうことだろ」




八田「ほらよっと! どうだ、見てたかい?」

男の子C「すごい、すご~い!」パチパチ

子供たち「もう一回やって! もう一回!」

鎌本「ギャラリーがどんどん増えるな… おい登るなって、危ないから! 肩車ならちゃんと並んで!」

八田「よし、それじゃ今度はもうちょっと難しいヤツな!」

子供たち「キャアアアアア!!!」

まどか「八田さんたち、ちっちゃい子にモテモテだね」

ほむら「みんな楽しそうで良かったね」

子供「ねぇ、どうやったら兄ちゃんみたいにスケボーうまくなるの!?」

八田「まずは元気にならないとな。野菜も残さず食べたらできるよ」

母親「ありがとうございます、あの、もう一声お願いできますか」

八田「難しい技をキメるなら頭も良くないとな。だから学校の勉強もちゃんとやるのが大事だぞ」

子供「は~い!」

八田「それから…… !」ハッ

男「お… おれはAKB0048の一番のファンだああ!!!」

ほむら「!!」

男「おれはAKB0048の一番のファンなんだ! それなのにお前らは裏切ったな! もう許さん!」

八田「くらえ!」グシャアア!!!

男「ぎゃああああ!!! 手が! おれの手が…!」

鎌本「おっと、動くんじゃねぇぜ!」ガバッ


まどか「八田さん… その人……」

八田「ああ、銃を持ってやがった。あと一歩遅れてたら、間に合わなかった…」

八田(まどかが魔法でコイツをブッ[ピーーー]のにな)

まどか「そうだね…… よかった……」フゥ

八田(ったく、ブチキレたら何しでかすかわかんねぇヤツだ…)

八田(普段からこうなのか? それともこの間のことで気が立ってやがんのか)

男「おい放せ! お前らも賛成派の仲間なのか!?」

看護師「動かないでください。応急手当をしますから」

男「放せと言ったろ! 0048だけじゃねぇ! キン骨マンはともかく、オカマラスやナチグロンまで連れて行きやがって!」

八田「ここで治療を受けたら、お前もそのお仲間だぜ。塀の中で仲良くやりな」

男「超人をつないでおける牢屋があるか!」

まどか(そうだ…… 捕まえた人たちが逃げないように、ゼロなら絶対に何か考えてあるはず)ゾクッ

八田「話はそこまでだ。言い訳ならセプター4にしな」

まどか(でもどうやって……?)

——夜 政庁——

ゼロ「昼間は大変だったようだな。早く帰って休むといい」

まどか「自分でもわかるよ。少し疲れてるみたいって。このところいろいろあったからね」

ほむら「やっぱり帰ろうよ…」

まどか「寝る前に気になる事があってさ。ゼロ、キン骨マンを捕まえたって本当?」

ゼロ「ああ。別働隊がね。登録法反対のAKB0048メンバーの一部も確保したよ」

まどか「その人たち、今どこにいるの?」

ゼロ「……」

ロイド「いいんじゃないですか。そのうち技術的に行き詰まったら、彼女達にも協力してもらうんだから」

ゼロ「それに何より、君たちに隠しておくことではないな。ついてきなさい」

ほむら(ねぇ帰ろうよ……)

——地下——

ほむら「これって…?」

ゼロ「君たちには説明するまでもないだろう。見ての通りだ」

まどか「魔女の結界……」

キン骨マン「おお、魔法少女だわさ!」

ナチグロン「早くこんな所から出してくださいよぉ~!」

まどか(あの黒い人、キン肉マンと一緒にいるの見た事ある!)

まどか「……これ、ゼロとロイドさんが作ったの?」

ゼロ「普通の刑務所に入れておくわけにはいかないからな」

まどか「へぇ… すごいね、魔女の結界にこんな使い道があったなんて、気付かなかったよ!」

キン骨マン「あいつら、魔法少女なのに結界を壊してくれねぇだわさ!」

ほむら(鹿目さん……)

まどか(テレパシーも使わない方がいい。この様子だと、もしかしたら盗聴されてるかも)

まどか「でもいつまで入れておくの?」

ゼロ「彼らが登録法に従えばいつでも出す」

まどか「…これだけの結界を維持していくには魔翌力がいるよね」

ロイド「だから死刑制度を改正してあんの。正規ルートで燃料が手に入って助かったよ」

まどか「さすが用意がいいねぇ!」

ほむら「……」

まどか「捕まえた超人が逃げちゃったら危ないなって、二人でちょっと心配してたんだ」

まどか「でもこれなら安心だよね?」

ほむら「うん……」

——見滝原総合病院——

医師「今日は忙しい一日だな」

杏子「すみません。無理を言って。でもいつまでたっても良くならないんです」

医師「検査の結果、体にはどこも異常はなかったよ。君たちは魔法少女だね?」

杏子「見る人が見ればわかりますか… ソウルジェムの穢れを除いてもきりがない」

医師「グリーフシードというのについて、話を聞いた事はある」

医師「しかし今、わかっていると思うけど、彼女に必要なのは休息だよ。ストレスはあらゆる病気の源になる」

杏子「休ませる場所… こんな生活から切り離しておくには……」

医師「もう一つ、考えないといけないことがある」

医師「もしも穢れの進行が止まらなければ、あの美樹さやかのようになってしまうのだろう」

杏子「そうなったら、身内の不始末は同じ魔法少女が片付けますよ。でもそうはさせない」

医師「残された時間の使い道を考えなくてはいけない時がくるんだ」

杏子「悪いけど、そんなことしてはいられません。残された可能性を探す方に賭けます」

医師「魔法少女は条理を覆す存在、か」

杏子「私にもそう信じてたことが…… え? それをどこで!?」

医師「おじが使徒との戦いに巻き込まれた事があってね」

医師「その時助けてくれた魔法少女が残した言葉だそうだよ」

杏子「……私はまだ中学生だけど、大人たちを見て『もしかしたら』って考えてることがある」

杏子「世の中、条理にピッタリ従ってる事なんて、実は一つもないんじゃないかって」

医師「私もできる限り逆らってみるよ。しかしいつまでも巴マミを匿えるわけではない」

医師「行く道が決まったなら、急ぎなさい」

杏子「ありがとうございます。行ってきます!」

——翌朝——

まどか「ただいま~!」

知久「おかえり! 昨日のニュースは見たよ。ケガはなかったのかい?」

まどか「うん。でもあの後大変だったんだよ~ 取り調べとか何とかいろいろあって」

知久「そりゃあそうだよね。ママもずっと心配してたよ」

まどか「しかも用事があって政庁へ行ったら遅くなっちゃったから、ほむらちゃんの実家に泊めてもらったの」

知久「昨夜電話で言ってたね。何があったんだい」

まどか「……」

まどか「ママはいる?」

知久「会社に行ってるよ。でも、今日は早く帰ると思うね」

まどか「…じゃあ、ママ帰ってきたら話そうか」

『魔女の棲家』
『街から出ていけ』
『さやカス』

にこ(酷い落書き…… と、その向こうに)

 シャッコシャッコシャッコシャッコ
少年「一時期よりおとなしくなりましたね」

男「こういうのはほっとくと増えるんだ。一度全部消しちまえば、やりづらくなるもんよ」

少年「ショウさん慣れてますね」

男「昔はよくこういうの消したからなぁ…… おや、奥さん。お客さんですか」

美樹母「いつもありがとうね」

美樹母「東京から来てくださったのよ。さやかの話をきかせてもらうの」

にこ「あ、どうも…」

美樹母「どうぞ。何も無いけど、ゆっくりしてね。今お茶を淹れるわ」

にこ「あ、おかまいなく。それとさっきの人たちは……?」

美樹母「男の子は娘の… さやかの友達。もう片方の人はね、見ているのよ」

美樹母「魔女になる前の、さやかの最後の姿を」

にこ(美樹さやか… それがオクタヴィアの本名……)

美樹母「荒んでいたようよ。でもさやかを見てから心を入れ替えて、うちの面倒を見に来てくれるの」

にこ(この辺りの人は大体事情を知ってる。となると、落書きだけじゃ済まなかったんだろうなぁ…)

美樹母「にこちゃんは魔女になってからのさやかを見た、と言っていたわね」

にこ「はい。魔女としての名前はオクタヴィアっていいいます。本名は今日初めて知りました」

美樹母「……どうやって助かったの?」

にこ「助かったも何も…」

美樹母「魔女になったら人間を食べてしまうんでしょう。そんなの、あの子が耐えられるわけないわ」

美樹母「助かる方法があるなら、それをみんなに知らせないと」

にこ「オクタヴィアは悪い魔女じゃありません! …いつも私の歌を聴きに来てくれるんです」

美樹母「歌が好きなの…? そう… 貴方の歌、うまかったものね」

にこ「オクタヴィアは今でも希望を求めているんです。だから私のところへ来たと言っていました」

にこ「魔女が希望を求めているなら、絶望に打ち克って魔法少女に戻れるかもしれない」

美樹母「そんなこと、できるの……?」

にこ「可能性は未知数… というより、私が勝手にできると思ってるだけですから、今の段階ではただの気休めです」

にこ「でも、戻れると思ったから、手がかりを探してこの街に来ました」

美樹母「さやかは… オクタヴィアはどこに…?」

にこ「実は…」

オクタヴィア『待って、にこ! この人がお母さんなのは確かみたい』

オクタヴィア『私が見えないのに近くにいるって知ったら、悲しくなるでしょう』

にこ『そうだね。めどが立たないうちに話すのも良くないね』

にこ「…すみません、魔女になった姿を、知ってる人に見られるのは気が引けるって」

美樹母「そう……」

名前欄に「にこ編」って入ってたり入ってなかったりする……

美樹母「もう少し聞かせてもらえませんか。オクタヴィアのことを」

にこ「いいですよ。と言っても、私が練習しているのを見に来てるだけなんですけどね」

美樹母「あの… 魔女になった時のことについては」

にこ「すみません。その辺りのことは私もちょっと聞きづらくて」

オクタヴィア『にこ、遠慮してたの?』

にこ『そりゃするよ!』

美樹母「ブリタニア軍からは、黒の騎士団とエヴァンゲリオンが対処したと聞いています」

美樹母「どっちもあの子が好きだったものですから……」

にこ「一緒に戦ったこともあるんでしょうね…」

美樹母「前に、あの子がエヴァンゲリオンのプラモデルを買ってきたことがあるんです」

美樹母「お父さん、作り方教えてって。あの時は楽しそうだったのに…… もう魔法少女になっていたのよ」

にこ「さやかさんが、どうして魔法少女になったかはご存知ですか? 願いは叶ったんでしょうか」

美樹母「オクタヴィアから聞いたことは?」

にこ「それが…」

オクタヴィア『魔女に残されたのは絶望に堕ちたという事実だけ』

オクタヴィア『希望があった頃の記憶なんて、砂のようにこぼれ落ちていくもの……』

にこ「やっぱりその辺りのことも、よく覚えてないみたいなんです」

オクタヴィア『身もフタもない言い方だなぁ…』

にこ『いや実際そうでしょ』

美樹母「さやかと小さい頃から仲の良かった友達がいるんです。親同士が良かったから、子供たちも」

にこ「幼馴染みってやつですね」




にこ(オクタヴィアは魔女といっても、そんな悪いヤツには見えない)

にこ(さやかもきっとその幼馴染みの子に、もう一度希望を与えたかっただけなんだ……)

にこ(他の魔女も同じようなものだったのかもね)

美樹母「その子だって辛いでしょうに、今もよく来てくれるのよ」

にこ「バイオリンの練習と両立してるなんて偉い子じゃないですか」

 ピンポーン
少年「おばさん、掃除終わりましたよ~」

美樹母「ありがとう。上がっていって、お茶でもどうぞ」

美樹母「出てくるわね。頂いたケーキがあるの。にこさんも一緒に食べましょう」

にこ「え、はい…… でもその幼馴染みの子って」

上条「こんにちは。もしかして、さやかのお友達ですか?」

にこ「男の子だったの?」

オクタヴィア『…見覚えあると思ったよ……』

上条「今日、東京へ帰るんですか?」

にこ「そうよ。帰りのバスの時間も調べてあるわ」

上条「バス出てるのかな… ニュース見ました?」

にこ「こっちに来てから、ずっと歩き回ってたからね。何かあったの?」

美樹母「テレビでもつけましょうか」

『超人登録法反対派の撤退が完了し、現在は警戒態勢へ移行しています』
『エヴァンゲリオン初号機は制御下にあるとの報告が入りました』

にこ「どういうことよ、制御って……」

上条「さっきラジオでニュース聞いた時は暴走状態で、AKB0048のロボットがやられたって」

にこ「LASが!? 誰の?」

上条「そこまではわかりません。でも、今はもうビビットチームとタイタスがおさえたみたいですね」

美樹母「まどかちゃんが……」

にこ「さやかさんの友達だったんですか」

上条「僕とさやかと、小学校からずっと一緒だったんです。もうずいぶん遠くに行ってしまった……」

美樹母「にこさん、今日は泊まって行ったらどうかしら。こんな日の夜じゃ帰り道も怖いでしょう」

にこ「でも…」『どうする?』

美樹母「さやかの部屋を使っていいわ」

上条「警戒態勢って言ってましたよ。また戦闘が再開したら、巻き込まれるかも」

オクタヴィア『ここは甘えちゃっていいんじゃないのかな』

にこ「それなら、お礼に晩ご飯は私が作りますよ! 上条くん、あなたもどう?」

上条「いいんですか? 手伝いますよ」

美樹母「今日のお夕飯は楽しくなるわね」

上条「じゃあ買い出しに行ってきますよ。何作るんですか?」

にこ「私も行くよ。替えの靴下とか歯ブラシとかも買いたいからね」

にこ(美樹さやかの願いを受けて『希望』を取り戻した子)

にこ(オクタヴィアも気になるかもしれないし、正直なところ、私も少し……)

にこ(…いや、そんな変な意味じゃなくてね)

——夜 さやかの部屋——

オクタヴィア『ただいま。もう寝るの?』

にこ『あんまり夜更かししてもおばさんに気を遣わせそうだからね。あんたこそ、もういいの?』

オクタヴィア『うん。結局家まで見送って来ちゃったよ。向こうは見えてないだろうけどね』

にこ『何か感じた? 魔女として』

オクタヴィア『美樹さやかの願いは届いたんだね…… それがわかったよ』

にこ『……上条くんは、希望を取り戻せたのかな』

オクタヴィア『代わりにお父さんとお母さんから娘を奪い、上条くんからは大事な友達を奪い』

オクタヴィア『それとたぶん、上条くんのことを好きな人から、青春を奪った』

オクタヴィア『全部私がやったこと…… 一つの希望のために、あまりにも大事なものを壊しすぎた……』

オクタヴィア『私なんかじゃ、にこみたいにはいかないんだね』

にこ『どうしてそこで私が出るのよ』

オクタヴィア『今日は歌でお母さんを助けたし、私も魔女と戦ってる時に助かったんだから』

オクタヴィア『私は魔法少女になったせいで、いろんな人に傷を負わせているのに……』

にこ『私だって、偉そうに『歌で希望を』とか言ってるけど、結果は散々よ』

にこ『誰もついてきてくれなかった…… 最初はみんなで楽しくやってた… と思うんだけど』

オクタヴィア『孤独はいけないね……』

オクタヴィア『何もかもを失っていって、にこに会うまで私はひとりぼっちだった気がするよ』

にこ『あなたが来てくれたから、どうにか私はひとりぼっちにならずに済んだよ』

オクタヴィア『ねぇにこ。私たち、友達にならない?』

にこ『…もうなってるでしょうが』

オクタヴィア『違うな。仲間とか、そういうやつ』

にこ『どう違うのよ』

オクタヴィア『私、戦いたい。他の魔女と』

オクタヴィア『いろんなものを失って残った力だもの。人の役に立つことに使いたいよ』

にこ『人間に戻れなくてもいいの?』

オクタヴィア『そっちはそっちでできたらいいけど、今は戦いたいな』

にこ『魔法少女もヒーローたちの内輪もめで忙しそうだもんね。けっこう需要あるかも』

オクタヴィア『それも私が魔女になったから始まったことなんだよね…』

にこ『きっかけはそうかもしれないけど、今更止めようがないよ。あんなの』

オクタヴィア『にこ、応援してくれる? 今日みたいに』

にこ『いいわよ。あんな歌で良ければ、いくらだって』

美樹父「ただいま。誰か泊まりに来てるの? 玄関に知らない靴があったよ」

美樹母「ええ、東京から。帰りが心配で、泊まってもらったの」

美樹父「今日は無事に帰れないかもしれないからなぁ」

美樹母「矢澤にこさんっていうの。とっても可愛くて、元気な女の子よ」

美樹母「さやかのパジャマを貸してあげたの。よく似合ってたわ」

美樹父「そうかい…… いい子なんだね」

美樹母「晩ご飯食べる? その子が作ってくれたの」

美樹母「私と恭介くんが手伝ってね。楽しかったわ… 本当にねぇ……」

美樹父「そうかい」

美樹父「それならもう、泣くのはよしなさいよ」

美樹母「いけないね…… いつまで経ってもこんなことじゃ、いけないねぇ……」

にこ(……)

にこ『ごめん、ちょっと電話してもいい?』

オクタヴィア『また散歩してくるよ。今日は魔法少女もいなくて平和だもんね』

にこ『ありがとう』

 ポチポチ

 トゥルルルル トゥルルルル……

 ガチャ

にこ「」フゥ

にこ「もしもし? まだ起きてた?」

にこ「……お姉ちゃんだよ」

にこ「お父さんと仲良くしてる? うん、なら良かったよ」

にこ「今日ね、見滝原から来た友達… そう、魔法少女の街ね。家に遊びに来てるの」

にこ「そのつもりなかったんだけど、泊めてもらっちゃった」

にこ「うん、平気だよ。お姉ちゃんもう高校生だからね」

にこ「……」

にこ「…楽しいよ。高校入ってから、たくさん友達もできたんだから!」

にこ「……そう、頑張ったじゃない! お姉ちゃんだって負けてないからね」

にこ「じゃあもう遅いから切るよ。夜更かししちゃうもんね」

にこ「うん… ちょっと声聞きたくてさ」

にこ「今度また会いに行くからね。じゃあまたね。おやすみ」

——夜 コーネリア自室——

コーネリア「自分たちの立場をわかった上でここに忍び込んだのか」

杏子「ずっと他の道もないか探してみたよ。でもここよりいい場所は思いつかなかった」

コーネリア「巴マミの隠し場所を探して私の所へたどり着いたのは何故だ? それを聞きたい」

杏子「あんたには隠し通せるだけの権力があるはずだからさ」

コーネリア「他にも何かあるはずだ。私を信用する理由が。正直に話し合おうじゃないか」

コーネリア「では私から言おうか。わけを聞かせてもらえれば、君たちと交渉する糸口を掴めると思っている」

杏子「……あんたさ、副総督のユーフェミアが好きかい?」

コーネリア「当然だろう。実の妹なんだ」

杏子「だったらこの気持ちをわかってくれると思った」

杏子「マミは長いこと一人で魔法少女をやってた。だから最初は戦い方を教えてもらうつもりだったんだ」

杏子「魔法少女の友達ができたって喜んでたよ。でもこっちはマミを友達って思ったこと、あんまりないんだよね」

杏子「本当のお姉さんみたいに…… あたしが魔法少女になったせいで、うちの家族はみんな死んでるからさ、なおさらね」

コーネリア「そうか。私も兄の他に実は弟と妹を亡くしている」

杏子「ごめん、前の総督のことしか知らなかった。あと二人もいたんだな」

コーネリア「二人ともまだ小さかったよ。妹は生きていれば君たちと同じくらいの年頃だった」

コーネリア「だから君の、巴マミを守りたい気持ちはよくわかるよ」

杏子「そこに漬け込んで図々しいことを頼む。マミが良くなるまで、負担をかけないようにしてほしい」

コーネリア「もし快方にむかっても、いつ魔女との戦いで命を落とすかわからないぞ」

杏子「それは魔法少女ならいつかあることさ。でも今回は違う」

杏子「マミは優しかったよ… それなのに、あたしは反対派へ連れ込んで、こんな目に遭わせてしまってる」

コーネリア「戦いで敗れたわけではない、か」

杏子「マミを助けてくれるかい?」

コーネリア「彼女を保護することで、我々も君たちと敵対することが目的ではないと理解してくれるならな」

杏子「わかったよ。ありがとう」

コーネリア「礼には及ばない。超人登録法はあくまで君たち、ひいてはイレブンたちを守るためのものだ」

杏子「だとしてもさ。おかげでマミが……」

  カッ!!
       ゴオオォォォ……

杏子「! おい、むこうで何か光ったぞ!

コーネリア「敵襲か!?」

杏子「違う… あれ、魔法少女の攻撃だよ! まどかとほむらは、あんたらの仲間じゃないのか!?」

——数分前——

ゼロ「君は黄金バットを知っているかな」

まどか「名前は聞いた事あるよ」

ほむら「おじいちゃんが子供の頃にいたって」

ゼロ「日本中で愛された無敵で不死身のスーパーヒーロー」

ゼロ「彼が活躍していた頃、日本と軍事的緊張の高まっていたブリタニアは、デマ情報を流した」

ゼロ「黄金バットの正体はブリタニア皇族の血を引いた人物である、と」

まどか「でもそんなこと、誰も信じてなかったって聞いたよ」

ゼロ「肝心なのは、それをブリタニア人という異民族が日本人の気力を削ぐ方法の一つと考えたことだ」

ゼロ「彼らも決して冗談のつもりでしたことではない。黄金バットの影響力はそれほど大きかった」

ゼロ「悪と戦うだけがスーパーヒーローの役目ではない」

ゼロ「人間を越えた力を戦いに使って悪を破り、人々の善き模範となることもまた重要なのだ」

まどか「わたしたち魔法少女は、ちょっと前まで誰にも知られずに戦ってきたよ」

ゼロ「スーパーヒーローを愛し、憧れを抱く事は、人々にあらゆる困難と立ち向かう勇敢な精神を育てる」

ゼロ「それは将来、独立を果たした日本を世界で最も偉大な国家へ押し上げる理想となりうるものだ」

ゼロ「この国が誇るべき気高さを損なっては、我々黒の騎士団が目指す日本解放はなし得ない」

まどか「だったらなおさら、こんなのやめようよ!」

ゼロ「君はこの超人登録法の対案を知っているかな。ネルフを中心にしたプランだ」

ゼロ「超人の脳に非常停止用の抑制装置を埋め込む。従わなければ無数の量産型エヴァンゲリオンで殲滅するのだ」

まどか「それよりマシだからって言うの? ダミーシステムや、魔女の結界まで使って」

ゼロ「超人登録法で手打ちにする以外に、スーパーヒーローを存続させる方法は無い」

ほむら「…一緒に反対派へ行こうよ」

ゼロ「私が退けば、あの男が… 碇ゲンドウが超人軍団の指揮をとることになるぞ」

まどか「黒の騎士団が来てくれれば、エヴァンゲリオンとだって戦えるよ!」

まどか「いつもみたいにさ、すごい作戦でやっつけられるんでしょ!?」

ゼロ「悪者と戦って勝てばいい。それだけの問題ではないのだと、なぜわからないんだ」

まどか「どうしても来てくれないなら、その仮面を手みやげにもらっていくよ!」

ゼロ「変身したな。交渉決裂か… スザク!」

スザク(……)スタッ

ほむら(ずっと天井に隠れてたの!?)

まどか「やめてよ、スザクさん! 人間が魔法少女に勝てるわけないのに」

スザク「そうとわかっていても、君たちを止めなくてはいけない」

八田「俺たちもいるぜ!」

まどか「赤のクラン…!」

鎌本「裏切り者の始末はつけなきゃならねぇ」

八田「どうしちまったんだよ、二人とも? ゼロを裏切るのか?」

まどか「…元々、ゼロの後についてコッチに来たんじゃないからね」

スザク「僕たちだってそうだ。ゼロのためじゃない、皆を守るための超人登録法なんだ」

ゼロ「逆らえば君たちの家族を人質にするくらい、コーネリアや碇ゲンドウはやりかねないぞ」

まどか「五人とも遠くに逃げてもらったよ。でも、そんなことする人たちとは一緒に戦えないね!」

ゼロ「だからといって、このまま離反を許すわけにはいかない。三人とも! 殺さずに捕らえろ」

八田「仕方ねぇのか… 行くぜ!」

 ドガッ!!

まどか「やめてよ! ……わたしね、今とんでもなく怒ってるんだ…」

まどか「ゼロやブリタニアに味方した事に… こうなるって、わからなかったことに!」グシャアッ!!

八田「ぐおおおおっ!!」

ほむら「鹿目さん! そんな風に戦ってちゃいけないよ! 早く逃げよう!」

スザク「そうはさせない!」ガシッ

ほむら「くっ…!」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「…やれるよ」

ゼロ「油断するな、ソウルジェムを抑えろ!」

まどか&ほむら「IT'S GAGEING TIME!!!」




キン肉マン「ジェシーが東京は初めてだって言うから、案内していたのさ」

ジェシー「ここから見渡すトーキョーは美しいね。大都会の暮らしに慣れていないと、壮観だよ」

キン肉マン「わたしも昔から、ダメ超人と叩かれて落ち込んだ時はよくここへ来たもんじゃ」

テリーマン「君たちも一緒に来た事があったね」

まどか「…どこに逃げようか考えてたら、ここに来ちゃった」

ほむら「赤のクランに親衛隊まで出て来て、抜け出すのも一苦労だったわ」

ジェシー「やはりあの騒ぎは君たちか。ブリタニア政庁で挑戦状を叩き付けるなんて、いい度胸だ」

キン肉マン「二人とも、どうするんだい?」

まどか「どうすればいいんだろうね。もうゼロとは一緒に戦えないよ」

ほむら「でも、ゼロが言っていた事は…」

まどか「そうなんだよね…… あの人はいつもそうだよ。なんだか一理あるような……」

まどか「キン肉マンたちはどうして反対派にいるの? テリーマンやジェシーさんはブリタニア人なのに」

テリーマン「ミーはダメ超人キン肉マンの代わりにエリア11防衛超人として雇われたのだ。ここは第二の故郷だよ」

ジェシー「わたしはハワイ人であり、ハワイと日本は親戚みたいなものさ。助けに来るのに理由は必要ない」

ジェシー「それに長らくショービジネスをしていたからな。たまには正義の超人らしいことをしたくなってね」

まどか「正義… それが何かも考えないで、わたしはゼロの味方をしていたよ……」

キン肉マン「パパとママを守るためでもあったんだろう。悔やむことはないよ」

まどか「それが間違いだった… キン肉マン、わたしたちもこれからは反対派として戦うよ!」

キン肉マン「……なぜわたしたちが反対派についているか、君は訊いていたね」

キン肉マン「わたしは日本防衛超人だが、防衛軍の一員ではない」

キン肉マン「スーパーヒーローは政治と無関係であるべき、というAKB0048とは同じ見解なんだ」

ほむら「そうやって逆らい続ければ、いずれはあの対案が実行される……」

まどか「かといって従えば、何をさせられるかわからない」

まどか「こんな時に正義超人は、スーパーヒーローたちの王は、これから先どう戦うの?」

キン肉マン「ただ戦うだけがスーパーヒーローの役目ではない」

まどか「ゼロも同じ事を言ってた……」

キン肉マン「特に今回は、正義と悪のぶつかり合いではなく、むこうにも言い分がある」

テリーマン「そして、相手を滅ぼせばそれで良し、という類いの話でもない」

ほむら「魔女や使徒相手の戦いとは違うところね」

キン肉マン「そんな時に我々がするべきことは、両軍に恨みを残さないよう、クリーンな戦いへ導く事だ」

まどか「戦うだけじゃダメ… それも役目、かぁ……」

キン肉マン「君もこれから戦うつもりなら、あまりゼロを責めないでやってくれ」

テリーマン「我々よりも遥かに聡明で度胸もあり、このエリアでブリタニア最大の敵と言われた男だ」

ジェシー「その彼があっさりブリタニアの味方をしている。大方油断させて落とし穴の準備でもしているんだろう」

キン肉マン「君たちにとって、彼らを責めるなといわれても、受け止めがたいことかもしれない」

キン肉マン「しかし相手も彼らなりの正義を持った人間だということを、忘れないでほしい」

まどか「そうだね… 確かに難しそうだけど、忘れないよ」

ほむら「これが人間同士の戦い…」

 フワッ
たかみな「わかってくれたなら、あんたたちも反対派の仲間として歓迎するよ!」

まどか「来てたんですか!? AKB0048も」

彼方「政庁で爆発騒ぎがあった時、LASで緊急発進してきたの。そしたら案の定この騒ぎだよ」

凪沙「機体は自動操縦で待機させてるよ。今呼んでるから、合流したら行こう!」

まどか「ちょっと寄り道してっていい? 超人登録法反対派の鹿目まどかと」

ほむら「暁美ほむらのお披露目公演にね!」

たかみな「何言ってんの。こっちだって、もうそのつもりでフライングゲット呼んじゃったよ!」

ジェシー「大事なショーだ。必ず成功させるぞ!」

——テレビ局——

キャスター「さて次は天気予報だ。明日もシッカリ晴れるといいねぇ。どうだい?」

予報士「残念だけど、僕は傘を持って行くね」

キャスター「いいねぇ、雨も好きなんだ。傘をささずに濡れた方が気持ちいいタチなんでね」

予報士「ほどほどにしておけよ。またカゼを…」

キャスター「! おい、後ろ後ろ!!」

ディレクター「こりゃあウチにも運が巡ってきたな」

まどか「そう思ってもらえたら嬉しいね」

ほむら「お邪魔します」

まどか「みなさん、こんばんは。魔法少女の鹿目まどかと、暁美ほむらです」

まどか「私たちは重大な過ちを犯しました。そのことを謝りたくて来たんです」

キャスター「そういうワケで今から緊急会見だ!」

予報士「天気予報の続きが気になったら、リモコンの『d』ボタンを押してくれよな!」

キャスター「ハイそれではどうぞ、タイタスから行ってみようか!」

まどか「…わたしは今まで、超人登録法賛成派の一員として、ネルフや黒の騎士団と一緒に戦ってきました」

——政庁——

まどか『そうして捕まえた反対派の超人たちは、政庁にある魔女の結界に閉じ込められているんです』

まどか『魔女の結界というのは、ええと…… みなさん、小さい頃に見た、一番怖い夢を思い出してください』

ほむら『絶望をまき散らす魔女たちが、そこへ人間をおびき寄せて食べるために使うんです』

コーネリア「放送を止めさせろ!」

ゼロ(止めさせる『だけ』なら簡単なこと。だが奥の手は温存しておかねば……)

ゼロ「黒の騎士団もむかわせているが、AKB0048のLAS隊にナイトメアの戦力が分散させられている」

C.C「放送局までたどり着いても、施設をなるべく残す方針なら、ナイトメアは投入しづらいな」

ゼロ「セプター4、青のクランが別件の捜索で付近に展開しているはずだ」

コーネリア「使えるものは使おう。鹿目まどかを止めることが最優先だ。ビビットチームは?」

ゼロ「鹿目まどかと話していた時既に呼んでおいた」

——輸送機内——

ほむら『他にも超人の捕獲にダミーシステムというのが使われたこともあります』

ほむら『エヴァンゲリオンのパイロットから、コントロールを奪って暴走させてしまう、恐ろしいものです』

あかね「…そりゃ、私たちだってあんなことするのは良くないと思うけど……」

ひまわり「だからって勝手に抜けて行ったら、アローンから示現エンジンを守る人がいなくなっちゃう」

わかば「気に入った法だけを選んで従うというわけにはいかないのね」

一色「だが忘れてはいかんぞ。パレットスーツは人間同士で戦うためのものではないのじゃ」

あかね「みんなわかってるよ。私たちはアローンからみんなを守るためにいるんだから」

わかば「まずはこの戦いを乗り切らないとね」

——セプター4指揮通信車——

まどか『本当なら人間が持つはずのないパワーを好き勝手に使わせてはいけない、というのはその通りです』

まどか『だとしても、魔法少女としての良心に従えば、わたしは今の登録法を支持できません』

ほむら『スーパーヒーローがそんなものに手を染めて、高潔な人々を育てる理想を失えば、あまりにも大きな損失です』

伏見「おい、見てるかミサキィ~…… 放送局に向かえってよ」

八田『うるせぇな、今目の前にいるんだよ! だけどコイツら、意外とやる!』

鎌元『お前も来い! 正義超人と手合わせできるぜ』

伏見「こっちも向かってるよ。もうじき到着す… うおおおっ!!」

八田『なんだよ、そんなんでココまでたどり着けんのか!?』

伏見「危ねぇ… 親衛隊のナイトメアが飛び出てきやがった。LASを追ってたんだな」

伏見「ここからなら跳んで行った方が早い、か…… 伏見、抜刀! 突入班に合流する!」ダッ!

キン肉マン「ムッ セプター4の新手か!? だが屁のツッパリはいらんですよ!」

たかみな「ねぇ、あれどういう意味……?」

才加「よくわからないけど、自信はあるみたいね!」

キャスター「もういいのかい?」

まどか「はい。放送時間をお借りしてすみません」

予報士「もうしばらくいてくれたらいいのに。そうだ、他のスタジオにコメンテーターの先生方が」

ほむら「外の戦闘も激しくなっているようね。長居はしていられないわ」

予報士「そこら中にAKB0048のロボットが飛び回ってるな」

 バンッ
凪沙「この部屋なの、まどか!? 早く逃げて!」

まどか「下で何かあったの?」

凪沙「誰だか知らないけど、増援ですごい超人が来たんだよ。もう時間がないよ」

ほむら「ビビットチームじゃないの?」

凪沙「セプター4の隊長さんと、もう片方は見た事ない人だよ。彼方さんがLASで外から窓を破るって。早く!」

——放送局 正門前——

「上の方で爆発したぞ!」
「さっき入ってた二人、すごかったからなぁ…」
「バカ野郎! タイタスがあんなのにやられるかよ!」
「テメェ、反対派を応援すんのかよ!」

八田「いいからいいから、とっとと帰りな! もう見せ物は終わったんだよ!」

鎌本「なんで俺たちが避難誘導なんか……」

淡島「正義超人は逃したが、代わりに0048の一部メンバーを捕らえた。お手柄だったな」

八田「お手柄ったってなぁ」

「おい行こうぜ。フライングゲットが来てるってさ」
「まこっちを置いて行けるかよ! 俺は残るぜ!」
「サイリウムいかがっすか~! サイリウムあるよ~!」
「緑四本くれ!」「こっちはランカスターセットで頼む」

鎌本「おい商売すんな! もう行けって言ってんだろ!」

「兄さん、賛成派の超人だろ? ビビットチーム応援セット安くしとくよ」

八田「いい加減に  ! 危ない!!」

 ドゴオオォッ!!

まどか「いたたた…… あ、八田さんまた会ったね」

淡島「鹿目まどか、いい所に落ちてきたな。君を連行する」

まどか「ついて行ってあげたいんだけど…… うわ、来た!」

 スタッ
尊「…今度は外さねぇ」

八田「尊さん! 上までたどり着けたんスね」

尊「ああ。宗像がもう片方の魔法少女を追ってる。セプター4はむこうを援護してやれ」

淡島「わかりました。行くわよ、伏見くん」

尊「八田、鎌本。お前らはこっちだ」

まどか(…そう簡単には振り切れそうにないね……)

まどか(ほむらちゃんともはぐれちゃったし、早く迎えに行かないと)

八田「まどか… お前に恨みはないけど、仕方ねぇ」

まどか「三人まとめて来ちゃう? ケガしても知らないからね!」

ほむら(まどかとははぐれるし、この人…)

宗像「早く投降しなさい。我々も余計な手間をかけている時間はないのですから」

 バシュッ

ほむら「なんのっ!」キィンッ!

ほむら(さすがは青のクランの王… 他のクランズマンとは違う!)

 キィィィン……!
彼方「ほむら! フライングゲットまで連れて行くよ!」

ほむら「彼方さん、来ないで!」

宗像「我々は有人機でも容赦はしませんよ!」

彼方「ッ!! …でもこの程度なら、まだ飛べる!」

ほむら「彼方さんに手は出させないっ!」

宗像「そう来るのを待ってました」ドガッ!

ほむら「ぐっ… ああぁっ!!」

「むこうに行った仲間が実況してる。スパロー押されてるらしいぞ」
「あいつらゼロを裏切る気なんだろ!? 捕まっちまえよ!」
「お前らどっちの味方なんだよ!」
「この戦いを観られるならどっちでもいいよ」
「正直、それはある」
「タイタスもあれじゃあ助けに行けないな…」

まどか(ハッタリ言っちゃったけど……)

尊「もうわかったろ。魔法少女で赤の王には敵わねぇ」

まどか「まだ切り札があるんだから! 磁気旋光システム、リミッター解除!」

尊「面白いのを残してたな。来い!」

まどか「うおあああああ!!!!」

ゆうこ「こっちは何人やられた?」

ツバサ『放送局前は凪沙以外全員。他にも親衛隊に撃墜されたLASが四機、全員脱出しているわ』

牛山『放送局を襲ったのは赤と青の王よ。まどかたちを助けないと』

ゆきりん『でも、それで彼方がやられてますね』

彼方『このままだとほむら追い詰められます。かといって迂闊に助けにも行けないし』

三型まゆゆ「政庁へ行ったキン肉マンたちの援護もある」

ゆうこ「ほむらとまどかのピックアップを優先。そっちを片付けてからキン肉マンたちの脱出を援護するよ」

ツバサ『たかみなと真琴を迎えにいく余裕はなさそうね』

ゆうこ「ないね。親衛隊も、こいつはたぶんゼロが直接指揮してる」

 ゾワッ
三型まゆゆ「センサーに反応! 増援が来るよ… ビビットチーム!」

ゆうこ「まずいな。空中戦であれに敵う戦力はないぞ」

——政庁——

あかね「フライングゲットを撃ち落とすの?」

ゼロ「航行不能にするだけでいい。あのバリアを突破して直接乗り込むには、君たちの協力がいる」

あおい「じゃあまたバリアに穴を開けて」

ひまわり「コライダーで塞がれないようにおさえておけばいいんだね」

ゼロ「空中戦に対応しているナイトメアはガウェインとランスロットだけだ」

コーネリア「正規軍の戦力はLASに割いている。やつらの母艦へ乗り込む役目は任せたぞ」

あかね「必ずゼロを連れてってあげるからね」

あおい(よかった…… 撃沈じゃなくて)

杏子「そうはさせるか!」

ゼロ「佐倉杏子か!? なぜここに!」

杏子「あれに居候してるからね。帰れなくなると困るんだよ」

コーネリア「よせ杏子! ゼロを戦いに行かせるのではないのだぞ」

あかね「提督、危ない!」

ひまわり「ゼロもさがって!」

杏子「その二人はいい。でもビビットチームは大人しくしててもらう!」ヒュッ

 ガキィン!!
わかば「白兵戦なら、好きにはさせない!」

杏子「ちっ… やるな!」

あかね「杏子ちゃん! ゼロがフライングゲットへ話し合いにいけば、この戦いも終わるんだよ!」

杏子「…誰と喋ってんの?」

あかね「え… 後ろに…!?」

 ドゴッ
あかね「っ!!」

杏子「これでよし。あんたら、あかねがいないと合体できないんだよな?」

杏子(分身のことが知られてないおかげで助かったか。切り札って隠しておくもんだな)

おい「あかねちゃん! しっかりして!」

杏子「無理だよ。この傷だとパレットスーツも修理がいるはず」

杏子「じゃ、あかねがのびてる間においとまするよ」

コーネリア「待ってくれ! まだ話が…」

杏子「そうだ、あたしからも言っとくことがあるんだ。さっきここで魔女の気配を見つけてさ」

ゼロ「まさか…」

杏子「調べてみたら結界を見つけたから、壊しといたよ」

わかば「こんなところまで魔女が来てたの?」

杏子「魔女本体は見つからなかったから、どっかに逃げたんじゃない? 怖いことがあるもんだねぇ」

ジェシー「杏子! ここにいたのか。結界に捕まっていた仲間たちは助け出したぞ」

杏子「よっし、脱出するぞ!」

キン骨マン「杏子さま~! あたしも連れてってくださいわさ!」

キン肉マン「お前たちはまだ入っていろ!」

宗像「そろそろ諦めませんか」

ほむら「私たちは魔法少女… 諦めれば、魔女に…」ガタッ

伏見「いい根性してるじゃねーか。でもなぁ、ここを突破しても、周り中ナイトメアだらけだぜ」

ほむら「だとしてもっ!!」ダッ

宗像「聞き分けのない子ですね」ザシュッ!

ほむら「くっ…!」

 ガキンッ!
ほむら「!?」

宗像「…ようやくお出ましですか。姿を現しなさい、異星人め!」

男「アムネジア・リマインド!」

ほむら「…人が出てきた……? セプター4の敵みたいだけど… 助かった…」

——一方、まどかたちの所でも——

尊「…テメェ、宗像が追ってた宇宙人だな? 引っ込んでろ。これは地球人同士の問題だ」

男「そう言うなよ。俺も火の扱いは得意なんでな! バーニングハンマー!!」

尊「ぐおっ!」

鎌本「よくも尊さんを!」

八田「おい、その女を放せ!」

男「このまま君の仲間たちと合流する。いいな?」

まどか「うん… あ、待って!」

男「心配するな。我々も超人登録法反対派だ」

まどか「違うの。おぶってもらってて悪いけど、ちょっと寄り道してほしいの」

ゼロ「フライングゲットが反転している。ガウェインで追いつけるか?」

C.C「敵の護衛も数は減ってるだろ。それに彼女たちもいる」

あおい「先行して食い止めます」ダッ!

 キイィィィン!!
あおい「ネイキッド・インパクト!」

 ドシュッ!!

あおい「!! タイミングがズレた…」

わかば「あおいちゃん! 下から!」

ひまわり「弓矢の攻撃だよ!」

まどか「これで… 最後の一発…… 狙いもおぼつかないけど… これで少しは……」

男「いい根性してるじゃねーか」

まどか「ありがとう、もういいや… 戻って…」クタッ

男(このまま魔女にならねぇだろうな……)

ゆうこ『フライングゲットの護衛は私たちに任せて!』

まどか「…ありがと… ゆうこさん……」

前回までの戦闘結果

・まどか&ほむら
ゲイジングパーツ大破。超人登録法反対派へ

・マミさん
一時退場。ブリタニア政庁で休養中

・ナチグロンとその他捕虜になっていた超人
杏子とキン肉マンたちの手引きにより脱走

・キン骨マン
ついでに脱走

・その他
まどほむを助けた二人も反対派の仲間らしい
これまでセプター4が追っていて、彼らは異星人と思っているようだ

反対派の仲間が増えたところから再開します

——立川CAGE——

ツバサ「AKB0048総支配人の片桐ツバサです。フライングゲットまで受け入れていただき、ご厚意に感謝します」

O.D「いいのよ。ここも施設が立派な割に、最近は大した仕事がなかったから」

清音「我々の敵は、主にセプター4でしたからね」

まどか「ああ、だから青の隊長さんが追ってた宇宙人って」

はじめ「ここにいるメンバーはだいたい地球人っすよ!」

ツバサ「ガッチャマンも登録法に反対派なのですか?」

O.D「登録法に反対というか… 地球人同士のもめ事には参戦しないつもりだったんだけどね」

パイマン「地球人が手に余る力を使うことには反対なのだ」

楚方「パンダちゃんだ! パンダちゃん!」モフモフ

凪沙「ビビットチームの一色博士みたいなのが他にもいるんだね」

O.D「彼はそういう宇宙人なの。ここのリーダーなのよ」

牛山(あのオカマがリーダーじゃなかったのね…)

パイマン「彼らはエヴァンゲリオンの使徒としての能力に、魔女の力まで利用しようとしている」

パイマン「どちらも本来はまだ地球人が扱いきれる代物ではない。どこかで歯止めをかけなくては」

キン肉マン「なんということだ…… もしかしてわたしの火事場のクソ力も許されないのか…」

鈴子「それを取ったら何も残らなくなってしまいます」

ミートくん「安心してください、王子。それでも僕たちはあなたについて行きますから」

楚方「そなたも応援してるよ!」

ジェシー「いい仲間に恵まれたなぁ、キン肉マンよ……」

パイマン「冗談はともかく、正直に言うと魔法少女やきららエフェクトもあまり使ってほしくない力なのだ」

キン肉マン「れ、冗談のつもりじゃなかったんだけど」

ミートくん「違ったんですか!?」

まどか「魔法少女も、やっぱりダメなんですね」

杏子「その気になれば魔法使ってやりたい放題だからなぁ」

凪沙「私たちのきららエフェクトもなんですか?」

O.D「使い方次第よ。他所の星では、その手の力が制御を失って星ごと消し飛んだ例もあるし」

清音「きららエフェクトの力を君たちが悪用するなら、その時は我々が潰しにかかることになる」

はじめ「ま、見たとこ心配いらなそうッスけどね!」

パイマン「そういうことだ。安心してここを拠点に使ってくれ」

楚方「パンダちゃん、ありがとう!」ナデナデ

パイマン「…それから、わたしをパンダ扱いするな」

はじめ「ちゃんとパイパイって呼んであげなきゃ怒られるッスよ」

パイマン「妙なことを吹き込むな!」

キン肉マン「ともかく、住む所を確保できて安心したらハラが減ったのう」

ミートくん「王子はまたそれだよ」

はじめ「んじゃ晩ご飯食べに行きましょうよ! この辺はいいお店たくさんあるッスよ!」

ほむら「出かけていいのかな……」

O.D「変装して行けばいいんじゃない? メイク得意そうなのが多いんだし」

真琴「また男装かぁ…」

キン肉マン「またシャネルマンか」

テリーマン「あれは変装と言えるのか?」

はじめ「テリーさんはワッペンアレンジしてあげるッスよ」

杏子「あたしたちは魔法で何とかなるかな」フワッ

キン骨マン「あっしらはごまかしようながいんで、我慢しますわさ」

杏子「いや、その前についてこなくて良かったんだけど…」

まどか「出かける前に医務室へよってもいい?」

——医務室——

まどか「よかった…… あの後どうなったのか、心配してたよ」

智恵理「いつまでも寝てられないもの。今日の戦いは中継で見てたわ」

まどか「もう大変だったよ。いろいろ考えすぎて頭が痺れてきちゃった」

智恵理「それにしても、『私が間違ってました』なんて難しい言葉をよく言えたわね」

まどか「一番難しいのは『私の他に好きな人がいるの?』でしょ。イヤな答えしか返ってこないもんね」

ほむら「言ったことあるの!?」

楚方「まどかオトナだ~!」

まどか「しょ、小学校の頃だからね! 今その話しなくていいよね!?」

智恵理「フフッ そのうちじっくり聞かせてもらおうかな。ともかく今は来てくれて良かったよ」

まどか「こっちも受け入れてもらえて嬉しいよ」

ほむら「反対派にも来られなかったら、行くあてなかったもんね」

凪沙「この街は人が多いわりに穏やかだね。今日の戦いなんてなかったみたい」

ほむら「ゲイジングパーツ、せっかく作ってもらったのに壊れちゃったね…」

まどか「うん、今度フリットさんに会ったら謝ろうね」

鈴子「でもお二人とも、元のコスチュームの方が可愛いですよ」

まどか「ありがとう。 ……こんな風に元に戻れたらいいのになぁ」

キン肉マン「戻れるさ。戦いが終われば手を取り合うのが正義超人の伝統なんだ」

まどか「そう信じてる… はぁ、キン肉マンじゃないけど、落ち着いたらお腹が空いちゃったな」

ほむら「疲れが一気に出てきた感じだね」

キン肉マン「二人とも今日は頑張ったからな。牛丼おごってやるぞ」

まどか「ホントに? でもはじめさんが、この辺りにおいしいトンカツ屋さんがあるって…」

ほむら「ここみたいね。看板にブタちゃんの絵が描いてある」

キン肉マン「なんだか見覚えのあるブタだのう… まぁいい、入ってみるか」

 ガラッツ
キング・トーン「これは王子さま! 無事だったんですね」

凪沙「知り合い?」

キン肉マン「ううむ… 独立していたとは」

——政庁——

ゼロ「牢が破壊され、逃亡した超人はガッチャマンに匿われといると見られる」

ゼロ(オクタヴィアのことが知られなかったのは不幸中の幸いか)

あおい「ガッチャマンっていうのも超人なんですか? しかも反対派の」

宗像「厄介な連中ですよ。我々が以前から手を焼かされています」

あかね「それでセプター4は今まで合流できなかったんだね」

淡島「ヤツらが反対派として参戦するなら我々も共に戦う事になる。よろしくな」

ゼロ「君たちには逃亡した超人の捜索に取りかかってもらう」

八田「逃げ出したのは反対派の下っ端だろ? ロクでもない怪人とかさ」

鎌本「0048も、何人か捕まえたって焼け石に水だからな」

わかば「だからといって、油断はならないわ」

八田「そうじゃねぇよ。反対派には捕まってた超人なんかよりも、もっと大物がいるってことだ」

ゼロ「ガッチャマンも彼らについた。これからの戦いにはより気を引き締めて臨んでほしい」

ゼロ「そんな時に、君だけでも残ってくれていてよかったよ」

シンジ「……僕はもう賛成派としても戦う気はありませんよ」

玉城「でもよ、牢が破壊されても脱走しないで留まったんだろ? 普通なかなかそうはいかねぇよ」

シンジ「反対派についたってまた戦わされるでしょう」

マリ「ワンコくん、こういう時ホントに意地っ張りだよねぇ」

一色「ダミーシステムのことか。わしも開発を手伝いたいところだが、パレットスーツの修理をしなくては」

あかね「おじいちゃんもあんなのを作るの?」

一色「制御のきく無人操縦システムは必要なんじゃ。シンジくんのような子が、戦いに行かずに済むなら越したことはないわ」

アスカ「そうなったら、私たちは役目を奪われちゃうな」

マリ「困ったね」

ゼロ「パレットスーツの修理はどれくらいかかりそうですか」

一色「時間をくれ。正確に急所を突いた攻撃だった」

ひまわり「杏子、超人登録法ができる前から、私たちと戦うことも想定してたのかな」

一色「それも考えられるな。魔法少女の中でもあの子は特に、辛い経験をしているからのぅ……」

C.C「当面、大規模な作戦はできそうにないな」

ゼロ「その間にガッチャマンを居場所を突き止めよう。資料を提供してもらえるな?」

宗像「無論です。セプター4は全面的に協力いたしましょう」

一色「ガッチャマンのアムネジア・エフェクト。0048の母艦まで隠すとは、とんでもないものを持っているな」

尊「占いまで遮断しやがる。手のかかるヤツらだ」

C.C「お前、占いなんて信じるクチだったのか」

尊「まぁな」

八田「あれだよ、ゲンかつぎってものが日本にはあんだよ」

一色「しかしセプター4がこれまで収集したデータがあれば、解除させることもできるかもしれん」

ゼロ「では一色博士、ダミーシステムよりアムネジア・エフェクト対策を優先してもらえますか」

一色「そうしよう」

淡島「では話が一段落した所で、お茶にしましょうか」

マリ「おっ いいねぇ!」

宗像&伏見「……我々は提出する資料を整理するので、これにて失礼します」

にこ「にっこにっこに~! ディスプレイの前のみんな! 今日のタイインはブリタニア政庁から」

 ドッゴォォオオ!!

にこ「ひぎゃあああ!!」

にこ「ふざけてる場合じゃないわね。急がないと…!」

 キィィーーゥウ  カパッ
カレン「そこの制服の子! どうして民間人がこんなところにいるのよ!」

玉城「敵の超人か!? …いや、そうは見えねぇな」

にこ(見つかった! これ、黒の騎士団のナイトメアよね?)

にこ「あの… 避難してたら、変な所に入っちゃって… ここどこなんですか?」

カレン「迷子だったの? えっと… ごめんね。おどかしちゃったね」

玉城「もう安心だからな。怖がらなくていいんだぞ~」

にこ(完全に子供だと思ってるわね…)

カレン「とりあえずこの奥に避難してればまだ…… まずい、隠れて!」

にこ「て、どこに!? ここしかない!」サッ

テリーマン「とうとう追い詰めたぞ、紅蓮弐式!」

キン肉マン「この中途半端に巨大化するの、意外とやりづらいのう」

ジェシー「巨大化は怪獣退治用の形態だものな。だがナイトメアを相手にするにはこのサイズが適切だ」

玉城「政庁に侵入するとはいい度胸だぜ! だがここから先は通さねぇ!」キュイィィ!!

カレン「迂闊に近づいたら…!」

ジェシー「この国ではわたしもまだ知られていないようだな」ガキィ

玉城「うおおおおっ!!?」

キン肉マン「いつ見ても見事なもんじゃ。ジェシーの返し技は」

テリーマン「ジェシー、あの赤い機体の右腕には気をつけるんだ!」

カレン(避難民もいる。輻射波動は危なくて使えないけど、ナイフで仕留めれば!)

にこ(どうなっちゃうのよ、これ……!)

 ヌォォオオオ……
カレン&超人三人「!!?」

キン肉マン「なんじゃ、ここは!」

テリーマン「聞いたことがあるぞ。魔女の結界じゃないのか?」

オクタヴィア『にこ! 今のうちに逃げて!』

にこ『ありがとう!』

にこ「ふぅ~…… 危なかった」

オクタヴィア『ごめんね。入っても大丈夫かなと思ったのに、こんなことになるなんて』

にこ『いいのよ。私があんたの所に行ってみたいって言ったんだもの』

オクタヴィア『まさかこんな日に攻めてこなくてもいいのに』

オクタヴィア『とにかく、このまま安全な場所まで送っていくよ。でも、どこがいいかな……?』



オクタヴィア『出てきていいよ。ここなら安全で、きっと誰も入って来ないから』

にこ『この部屋は……?』

——コーネリアの自室——

にこ『そんなところに入っていいの!?』

オクタヴィア『わたしは魔女だもん。その気になれば、人間用のセキュリティくらい簡単だよ』

にこ『いや、絶対そういう問題じゃないわよね?』

にこ『でもまぁ、騒ぎが収まるまでここにいるしかなさそうね……』

オクタヴィア『タイタスはここにも来るのかな…』

にこ『あの娘の言ってたこと、本当なの? 魔女の結界を牢屋代わりにしてるって』

オクタヴィア『そうみたいだね。私の結界に閉じ込めてたの、捕まえた超人だったんだ』

にこ『う~ん… 私は普段のあんたしか知らないから、そんな酷いことにも思えないんだけど……』

オクタヴィア『ありがとう。でもタイタスたちは魔法少女だもんね。きっと魔女の恐さをよく知ってるんだよ』

少女「…魔女が…… いるのね……」ズルッ

にこ「ひぃやああっ!! ご、ごめんなさい! 誰かいるの!?」

少女「魔女は……」ズルズルズル

少女「…殺さなきゃ」

にこ「服が変わった!? まさかこの子…」

オクタヴィア『魔法少女だ!』

マミ「また… 遭えたわね…… 美樹さん……!」ヨロッ

にこ「どこか悪いの? 立っちゃダメよ」

マミ「あなたは普通の人…? でも、そこにいれば安心よ…」

マミ「魔女には手を出させないから…!」

オクタヴィア『私は戦いに来たんじゃないよ』

マミ「さぁ、覚悟しなさい!」

にこ「ちょっと待って! いくら魔女だからって、相手は悪いヤツじゃないのよ」

オクタヴィア『……』

マミ「その子をてなづけて放さないつもりね… でもそうはさせないわ!」

 ザッ
にこ「待ってって言ってるでしょ! ほら、そんな銃なんてしまって!」

マミ「放して… これで戦うんだから……」

にこ「もう全然力入ってないじゃない! 戦うなんて無茶よ!」

マミ「だけど私は… まだ魔法少女なのよ…!」

マミ「あの子も… ずっと一緒に戦おうって…… それが魔女に……」

にこ「美樹さやかのこと、知ってるの?」

マミ「…辛いでしょう、呪いをふりまくなんて……」

オクタヴィア『私はもう、誰かを呪ったりなんてしない』

マミ「だから殺さなきゃ… その辛さをわかってあげられるのも、わたしたちだけなのよ!」ドゥッ!

 キュインッ!
にこ(魔法も弱ってるんだ…… 全然効いてないみたい)

オクタヴィア『にこと一緒なら、ヒーローにだってなれるんだから!』ブオン!!

にこ「待って! 相手はもうロクに戦えないのよ!」

マミ「!!」キュッ

マミ「……? 来ない… 寸止め?」

オクタヴィア『それとオマケ』

 シュルルル……
マミ「ソウルジェムが、浄化されていく… 治してくれたの?」

オクタヴィア『これで私が戦うつもりじゃないってこと、わかってくれた?』

マミ「ありがとう、ラクになったわ。ああでも、今思えば私なんてことを…」

オクタヴィア『あんまり気にするとまた濁っちゃうよ。にこをここへ匿ってあげたいの』

マミ「協力するわ」

にこ「あなたはどうしてこんな部屋にいたの?」

マミ「ずっと具合が悪くて、お友達に連れて来てもらったの。ここなら戦いから離れられるからって」

オクタヴィア『そこへ魔女が来たから、慌てちゃったんだね』

マミ「あなたは本当に魔女なの? だって、ソウルジェムの汚れを吸い取ってくれるなんて」

オクタヴィア『魔女が落としていくグリーフシードって、そうやって使うんでしょ? なら私にもできると思って』

マミ「ただ浄化しただけじゃないわ。さっきまであんなに悪かったのに、今はもうすっかり良くなったみたい」

マミ「きっと美樹さんの力を受け継いでるのね」

オクタヴィア『魔女として生まれた頃からにこの歌の聴いてきたの。だから特別になったんじゃないかな』

にこ「そこで私に振る!?」

マミ「きららエフェクトのようなものかしら……?」

オクタヴィア『それで普段は私たちが魔女と戦ってるんだよ』

マミ「そんな危ないことを?」

にこ「内戦で忙しい魔法少女の代わりにやってるだけ。それに戦うのはオクタヴィアだからね」

マミ「そこまでやるなら、あなたたちも超人登録しないと追われる立場になってしまうわ」

にこ「……タイタスの話を聞いた後だと、登録したくなくなるわね」

オクタヴィア『私も… そんなことに結界を使わせたくないな』

マミ「それなら私と一緒ね。私も登録法に反対してるの」

にこ「反対派なのに、こんな部屋に住んでいるの?」

マミ「ここにいさせてもらってる間は、まだ具合の悪いフリをしていた方が良さそうね」

オクタヴィア『他にもあなたの仲間はいる? もしかして、ここの地下に捕まってる超人も?』

マミ「一部は仲間と言えるわね。戦闘が落ち着いたら様子を見てきましょう」

オクタヴィア『そういうことなら私が行くよ。隠れるの得意だもんね』




マミ「いらっしゃい」

にこ「一人だけ?」

オクタヴィア『うん。他はもうみんな逃げちゃったみたい。この子だけ残ってたの』

シンジ「登録法反対派の味方をするつもりもなかったから……」

マミ「それなら私たちの仲間にならない?」

にこ「エヴァンゲリオンが無くても歓迎するわよ」

シンジ「仲間って…… この魔女も!?」

マミ「ええ。彼女も我々プエラ・マギ・ホーリー・カルテットのメンバーなのよ」ビシッ

にこ(酷いチーム名ね……)

シンジ(ぼくもそこに入るの……?)

オクタヴィア『ありがとう。仲間はずれにしないでくれて』

マミ「でもにこさん、あなたたちもヒーローとして活動するなら、登録しないと追われる身になるわよ」

にこ「それこそ何とかカルテットのリーダーとしてはどうするつもりなの?」

マミ「登録するというのがどういうことか、鹿目さんが教えてくれたでしょう」

マミ「私は今も登録して、ゼロの指揮下に入るつもりはないわ」

にこ「そうなのよねぇ。しかも私は、登録してヒーロー活動から手を引けなくなると困るし」

マミ「私たちにはない問題だけど、深刻ね。シンジくんは登録してるいし、すると」

にこ「あんたはどうするつもりなの?」

オクタヴィア『私と美樹さやかがきっかけでこの内戦が始まった以上、私に関係ないことじゃないんだよね』

オクタヴィア『壊してしまったヒーローたちの信頼を取り戻すという点で、超人登録法みたいなのは必要だと思う』

マミ「鹿目さんたちも超人登録法そのものがいらないという考えではないようね」

オクタヴィア『私たちは賛成派にはつかない。反対派に行っても受け入れてくれるかどうかはわからない』

にこ「そんな私たちが、普段の魔女狩りとは別にこの内戦に参戦するなら」

オクタヴィア「私は魔女だけどヒーローになりたかった。きっと美樹さやかも同じ気持ちだと思う」

オクタヴィア「超人登録法賛成派も反対派も関係ない。人々からスーパーヒーローの精神を奪うのなら、誰だって成敗する」

シンジ「どっちとも戦うことになるかもしれないんだ……」

オクタヴィア「ごめんね。辛い戦いになるかもしれないけど、それが内戦のきっかけを作った私の役目だと思う」

マミ「私は賛成だわ。どっちの陣営も、本来の目的はスーパーヒーローを絶やさないようにすることなんだもの」

にこ「私はヒーローのことはわからないけど、オクタヴィアの信じることなら信じられる」

オクタヴィア「ありがとう……」

にこ「私たち、もう一人ぼっちじゃないんだもんね」

——結界——

マミ「シンジくん! 魔女がそっちへ!」

オクタヴィア「すばしっこいね!」

シンジ「来たな…!」ドゥッ! ドゥッ!

シンジ「単発式の銃じゃダメか…… でもこれなら!」

マミ「何してるの、やめなさい! 私たちがひきつけるから!」

シンジ「うおおおおおおおお!!!!」ギィィィイイ!!

魔女「ギャアアアアア!!!」

にこ「……やったの…?」

シンジ「ナイフの扱いなら訓練してるからね」

マミ「もう。接近戦は避けるようにって言ったじゃない」

シンジ「ナイフに魔翌力をかけてもらったおかげで助かったよ」

魔翌翌翌力ってなんだよ……
誤字多いな

言ってる傍から間違えたよ…

フィルターとsagaって知っとるかえ

>>159
ごめん、知らない

マミ「今日もお疲れさま。このくらいにして帰りましょうか」

にこ「じゃあまた明日の夜にね」

マミ「おやすみなさい。オクタヴィア、帰りもお願いね」

オクタヴィア「任せて!」

シンジ(それぞれ、昼は学校に行ったり、仮病を使ったり、おとなしく捕まっていたり)

シンジ(オクタヴィアもゼロの仲間のフリしてるけど、夜になるとセキュリティの隙をついてくれる)

マミ「今日はちょっと無茶しすぎよ。魔法で少しは治せるといったって」

シンジ「ごめん。でも何だか、気分がよくなって」

マミ「私の銃と同じのを持たせてたのに、ナイフも欲しいと言った時から薄々そんな気はしていたわ」

シンジ「このところ、超人登録法もネルフのことも関係なしに、ただ街の平和を守るために戦ってるからかな」

オクタヴィア「シンジくんも根っこはヒーローなんだね」

マミ「男の子ってそういうものなのかしら……」

vipには、一部の単語が勝手に変換される機能がある
メール欄に半角でsagaって入れるとそれが解除される

変換例
ドラえもん→ [たぬき]
デブ → [ピザ]
死ね,殺す → [ピーーー]
w(全角) → ww
魔力 → 魔翌力
翌力 → 翌翌力

>>162
そんな機能あったのか!
ありがとう、知らなかった

シンジ(根っこはヒーローなんだね、だって)

シンジ(でも、僕のいるネルフは超人登録法賛成派……)

アスカ「あんたも意地張ってないで、さっさと出てくりゃいいのに」

マリ「シャバの空気はうんめぇにゃぁ~」

アスカ「それに、出たらエヴァチームでCMとか撮る仕事がたくさんあるわよ」

シンジ「なんだよ、CMって」

あかね「私たちがやってるの。超人登録法への理解を広めるっていうやつ」

シンジ「そんなの作ってたんだ…」

アスカ「使徒やアローンと戦う片手間で、広報活動も大事なのよ。特に今は」

マリ「反対派もキン肉マンとAKB0048使ってるからね。こりゃ手強いよ」

シンジ(マミさんたちはどっちにも属さないで戦っている)

シンジ(いつかネルフとしてこの内戦に復帰するなら、僕はあの人たちを裏切ることになる)

シンジ(そしてその『いつか』はいつまでも避けていられない所にあるのかもしれない……)

まどか「超人登録法賛成派のパーティねぇ。服とか持ってないし、緊張しちゃうよ」

ほむら「私も、人が多い所って苦手で…」

あかね「でも政庁でやるんでしょ? きっとおいしいもの食べ放題だよ!」

モモ「いいな~ 私も行ってみたい! …でも、いいのかな」

一色「まぁケチなことは言わんだろう。ワシも行くぞ」

まどか「うちのママも政庁見物したいってさ。でもね~……」

ほむら「0048の子たちは来ないんだよね。超人登録法に反対って言ってたから」

まどか「あの子たちよそ行きの服とか慣れてそうでしょ。来ちゃったら余計にわたしたち浮いちゃうよ」

一色「他のヒーローはネルフとおそらくキン肉マンたち正義超人と、あとセプター4というのが来るな」

まどか「!!」ガタッ

あかね「聞いたことあるけど、会ったことないね。どんな人たちなんだろ」

まどか「メガネの似合うイケメン隊長がいるチームだよ! セプター4が来るなら出ようよほむらちゃん!」

ほむら「ええぇ~……」

まどか「どどどうしよう!? プレゼント用意しなきゃ! 手作りメガネケースとかでいいかな!?」ワクワクワク

 まどっち出席決定

『では次のニュースです。先日の超人登録法閣議決定を受け』

詢子「まどか、超人登録法のニュースやってるぞ」

『これまでその存在が公にされて来なかったセプター4の一部メンバーが素顔と名前を公表しました』

まどか「隊長出るかな!?」

知久「……」

詢子「お、出た出た! コイツかぁ、まどかが追っかけてるヤツは!」

まどか「え~ 追っかけてないよ~」

まどか「でもね、今度パーティで会うからプレゼント作ってるの!」

詢子「いいねいいねぇ。アツいねぇ!」

知久「……」←気が気でないけど冷静なフリ

詢子「でもまぁ、いくらイケメンでもパパの若い頃には敵わないかな!」

知久「そ… そうかい…?」

まどか「パパすご~い!」

超人登録法が鹿目家を少しだけ明るくした

まどか「あ、あのっ! セプター4の方ですか? 作戦会議の後… ちょっとお話したいことが…」

淡島「君は魔法少女の鹿目まどかだね。今日の会議は一時間くらいで終わるから、その頃ロビーで待ち合わせしよう」

まどか「ありがとうございます!」

まどか(すごい美人さんだったね…… 隊長のそばにいるのって、ああいう人が合うんだろうなぁ……)



淡島「それで、話というのは何かな」

まどか「こ、これを! …この間のパーティの時、隊長さんに渡したくて」

淡島「隊長…?」

まどか「メガネケース作ったんです! でも、なかなか会う機会なくって」

淡島「プレゼントだね。わかった、私からでよければ室長に渡しておこう」

まどか「『室』長……?」

淡島「東京法務局 第四分室だからね」

まどか「そう… だったんですか…… すみません、そんなことも知らなくって…」

淡島「えっ…… ああ、まぁ、そんなに落ち込むことは… よく間違われるんだ……」

智恵理「アムネジア・エフェクトって便利なものね」

凪沙「おかげでライブの後もCAGEへ帰って来られるんだもんね」

杏子「でも、いつまでこんな生活が続くんだろうな」

楚方「マミのこと心配だね…」

杏子「ありがとう。それもあるし、ラチがあかないとわかってて、こうしてるのがね」

彼方「それは誰もが感じてることだと思うよ。このままでいいのかってさ」

鈴子「近頃は登録法賛成派の活動もおとなしめですから、今のうちに対策を立てておきたいですね」

楚方「なんでおとなしくしてんのかな」

凪沙「むこうのセプター4が今までガッチャマンを探してたけど、手がかりをつかめなかったんでしょ」

凪沙「やっぱり、探すのに時間かかるんじゃない?」

杏子「ゼロはこっちを見つけても、確実に勝てるようになるまでは気付かなかったフリをする」

彼方「この間の政庁での戦いには来なかったけど、次は間違いなく送って来るよね」

智恵理「エヴァンゲリオンを……」

尊「これが無人操縦のエヴァンゲリオンか」

八田「でもプラグは入れないといけないんスね」

マリ「パイロットがいるよ~って、エヴァを騙しとくんだって」

伏見「いいのかよ、そんな仕組みで……」

一色「しかし処理能力は現状で必要最低限の戦闘行動をとれるくらいじゃ」

カレン「本格的に戦うとなると、やっぱりアスカやマリの出番なんですね」

アスカ「これはまだ未完成。私の三号機なら、一度に何体か襲ってきたって相手にできるくらいだわ」

あかね「やっぱり無人機じゃ本物には敵わないんだね」

アスカ「たとえば、友情も何も無いロボットにパレットスーツを着せても、大して強くなさそうでしょ?」

あかね「まぁ、そうだよね」

一色「エヴァンゲリオンの無人操縦は『暴走させない』ことが優先事項なんじゃ」

マリ「ちょっと頼りないけど、おとなしくなってくれりゃそれでいいのよ」

——立川 昭和記念公園——

まどか「結界を解くよ~」

 シュルルルル……

まどか「はい、今日もみんなお疲れ様!」

智恵理「大型目標相手の訓練も堂々とできるなんていいわね」

彼方「まどかとほむらのゲイジングパーツがあったら、また違う戦法とかも試せたのかな」

ほむら「あれを使う時は、単騎で戦うことも想定してるからね」

彼方「なまじ単独行動でうまくいっちゃうから、こうして連携とるとかえってやりづらいかもね」

凪沙「ほむらの場合はそれだけじゃなくて、パーツ付けると変な風になるっていうのもあるんじゃない?」

ほむら「そうかな…」

彼方「…え、あれ自覚してないの?」

まどか「確かに、あれ使うとガシガシ戦えて変に気分いいんだよね~」

まどか「あと、いつもと違うほむらちゃんも見られるし」

ほむら「そこなの!?」

鈴子「あのパーツ無い方がかわいいのに……」

凪沙「ゲイジングパーツといえば、フリットさんたちはどうしてるかな」

智恵理「火星での地質調査が落ちついたらまた地球に戻って来るって言ってたわね。いつ頃なのかな」

まどか「火星かぁ。宇宙ってどんな所なんだろう…?」

ほむら「私たち行ったことないから、ちょっと想像つかないなぁ」

まどか「火星なんて時期によっては眼で見える所にあるのにね」

杏子「ホントに? 意外と近いんだな」

まどか「そうらしいよ。前に地球に近づいた時は、東の空だからこの方向に…… あれ?」

杏子「見える?」

まどか「星じゃないけど、あそこに何か飛んで……」

 フィフィフィフィフィ フィフィフィフィフィ…!

彼方「ツバサさんからだ。ちょっと出るね」

彼方「もしもし? …凪沙と智恵理に鈴子、あと魔法少女の三人も一緒です」

彼方「はい。一旦戻ります」ピッ

凪沙「ツバサさんは何て?」

彼方「みんな聞いて。ガッチャマンのJ.Jから連絡があって、アムネジア・エフェクトが解除されたらしいの」

まどか「ああ、だから…」

杏子「飛べるタイプのナイトメアが近くに来てる! 0048は基地に戻ってLASに乗りな」

まどか「ここがバレてるのなら、私たちはこのまま戦うよ!」

彼方「ありがとう。じゃあ行って来る!」

ほむら「この辺りに見当つけてるのかな。どこ探してるんだろう… あれ、ナイトメアなの?」

杏子「見た事ないタイプだから新型かね。いや、ナイトメアにしちゃデカすぎる!」

まどか「ひょっとして、ゼロが言ってた量産型エヴァンゲリオン… 完成していたの……?」

杏子「もしエヴァンゲリオンを連れて来たなら、ゼロはここを見つけるのも時間の問題と思ってるんだろうな」

ほむら「従わないヒーローを、あれで殲滅するって言ってた……」

杏子「キン肉マンたちにも招集がかかってるはずだ。いざとなったら、あたしらだけで時間を稼ぐよ」

まどか「あの人たち、携帯とか持ってるのかな」

ほむら「そういえばアドレス聞いてないね」

杏子「…あれ? もしかしてないの?」

淡島「先遣隊がガッチャマンの秘密基地の入り口らしいものを発見した」

伏見「ようやくか、手間かけさせやがって……」

淡島「現場上空では既にネルフの部隊が待機しているが、基地は地下にあるようだ」

八田「俺たちはそいつらを引っ張り出してくればいいわけだな?」

鎌本「せっかく白いエヴァンゲリオンを連れてったのに、狭い所じゃ使えねぇな」

伏見「……そもそもなんであいつらがいるんですかね」

八田「そりゃあ、ネルフもケリを付ける気だからだろ」

伏見「ガッチャマンの基地に攻め込むなら、市街戦になるってことはあらかた予想がついてたはずだ」

淡島「慣らし運転のつもりだろ。本格運用はまだ先の話だ」

伏見(それだけですかね……)

淡島「作戦についてはゼロから説明がある。おそらく我々が突入の戦陣を切ることになるだろう」

淡島「頼むぞ。君たちの得意分野だろう」

八田「任せときな! ビビットチームにだって遅れはとらないぜ!」

あかね「おかえり、ゼロ! どうなったの!?」

ゼロ「すまない。交渉は決裂した。ネルフはエヴァンゲリオンを投入するつもりだ」

カレン「私たちだけでできるのに……」

あおい「ガッチャマンの基地がある立川って、第三新東京市と違って普通の街なんですよね?」

一色「あのデカブツが暴れ回ったら大変なことになるぞ」

ゼロ「突入から制圧完了までを手短に済ませられれば、周辺への被害を抑えられる」

ゼロ「ビビットチームは敵基地への侵入を最優先だ。我々はエヴァンゲリオン投入までの時間を稼ぐ」

わかば「そこまでして、ネルフはどうしてエヴァンゲリオンを連れてきたの?」

ひまわり「新型機のテスト以外に何か急ぐ理由があるとすれば…」

一色「反対派の持っているSクアドラプルかもしれんな」

——立川——

セプター4隊員「こ… この程度で…!」

清音「トドメだ!」ザシュッ!

清音「また1人片付けたか。なんだか今日は戦いやすいな」

はじめ「確かにそんな気するッスね」

たかみな「何か違うの?」

清音「俺たちは何度かセプター4と戦ってきたが、いつもより動きが単調になっている」

はじめ「きっとみんな焦ってるんスよ」

たかみな「基地の入り口には気付いてそうだけどね。焦るワケといえば、やっぱあれ?」

恵「さっきから上空を行ったり来たりしてますね」

はじめ「あれ、白いのは初めて見るッス」

たかみな「二号機と三号機、それと久々に初号機もいるな。エヴァンゲリオン全員揃ってる」

清音「まさか督戦隊というやつなのか…?」

はじめ「何スかそれ?」

たかみな「味方がちゃんと戦うように見張るんだよ」

杏子「あたしたちも手分けするかい? まだまだ序の口だけど、本気で来られたら押し切られる」

まどか「そうだね。これからナイトメアも増えそうだもんね」

ほむら「じゃあ何かあったら合流して…」

杏子「いやちょっと待った! ビビットチームが来る!」

ほむら「どこ!?」

まどか「あそこだね!」ドシュッ


——上空——

あかね「ぉわあっ! 危なかった…」

わかば「弓矢の攻撃!? まどかね!」

あかね「見つかっちゃったか」

ひまわり「突っ切って行こう。弓矢だけなら振り切れる」

あおい「待って!」

まどか「言いたいことはわかるけど……」

わかば「エヴァンゲリオンを止めたいのは私たちだって一緒なの」

あかね「お願い。協力して!」

杏子「スーパーヒーローとは何か」

杏子「あたしにそれを教えてくれたマミは、登録法と戦ってボロボロになったよ。今は安全な所にいる」

杏子「あたしにそれを思い出させてくれたさやかは、魔女になって死んだよ」

わかば「そう言って私たちが戦っているところへ、使徒やアローンが攻めて来たらひとたまりもないのよ」

杏子「お、気が合うねぇ! あたしもこんな内戦はとっととケリをつけたかったんだ!」

あかね「二人はどうなの? 最初は登録法に賛成してくれでしょ!?」

まどか「賛成派を裏切ってキン肉マンと会った時、気分が良かったよ」

ほむら「私たちもこれでようやく正しい方につけたってね」

杏子「今更、しかもこんなヤツが言っても締まらないけどさ、あたしたちは魔法少女なんだ」

まどか「スーパーヒーローとして恥じない道を選ばなきゃいけないんだよ」

 ザッ
マミ「その通りよ!」

まどか「マミさん!?」

杏子「出てくるなって!」

マミ「もう平気よ。それに今は一刻を争う時」

 グニャアア……

まどか「! 魔女の気配が!」

あかね「こんな時に!?」

マミ「いいの。あれは味方よ」

ほむら「味方っていうか… あれ……」

オクタヴィア「よかった! まだ始まってないね」

杏子「さやかかよ! 生きてたの!? さやかぁ~!!」

——AKB0048 母艦——

牛山「データにあった魔女オクタヴィアと見事に一致してるわ」

ゆきりん「ネルフか、黒の騎士団かわからないけど、あんな隠し球を持っていたんですね」

ツバサ「厄介なのが増えたわね。魔法少女の三人は魔女の対処を優先して」

—— ネルフ本部 ——

アスカ『ミサト、見てる!? さやかが来たわ!』

ミサト「こちらに魔法少女はいない。ビビットチームは先行している。そうなると」

ゲンドウ「初号機のダミーシステムを起動。全機降下して魔女を殲滅しろ」

アスカ『待って、さやかの相手は私がします!』

マリ『それもいいけど、もう一人大事なのがいるんじゃない? 映像送るよ~』

ミサト「あれって…!」

ゲンドウ「シンジか!?」ガタッ

杏子「さやかは生きてるわ、マミはピンピンしてるわ! おまけにシンジがいるとなると、あの初号機は!?」

シンジ「ダミーシステムだよ。白いやつも」

まどか「降りてくるよ!」

オクタヴィア「……もしかして、私たちが来たから?」

にこ「そ、そうみたいね…」

ひまわり「あかね、こうしてる場合じゃない! 行こうよ!」

あかね「そうだね。私たちは私たちの方法であれを止めるよ!」

マミ「あ、待って! あなたたちも一緒に…」

杏子「いや、いいよ。本部の守りはガッチャマンに任せて、あたしらはエヴァンゲリオンを叩く! いいな!」

まどか&ほむら「了解!」

マミ「……あなたたち、微妙に立場が変わったわね」

まどか「ここ何日かでわかったの。杏子ちゃん、甘える相手がいないと冴えるんだよ」

ほむら「あ、それ私も思ってた!」

杏子「ほっとけよ!」

——昭和記念公園 森の家——

尊「ん……? チョウチョ捕まえたのか」

アンナ「うん」

十束「へぇ~ きれいだねぇ。写真撮っとこう」パシャッ

尊「ほら」

アンナ「…?」

十束「ラムネだよ。飲み方知ってる? こうしてビー玉を」

草薙「いい加減働けやお前ら! この状況がわかっとんのか!?」

尊「まぁな……」

十束「なんとかなるって。反対派の魔法少女もこの場に来てるんでしょ?」

草薙「魔女の出現が、エヴァを出撃させる口実になった。今更たおしたって碇司令が引き下がるかどうか」

尊「つまり反対派を全員抑えるしかねぇな」

伏見「見えます? 魔女の足元に誰かいますよ」

宗像「魔女に飲み込まれた!? いや、合体したのか」

伏見「データにない超人ですかね。あるいは、魔女のエサかもしれません」

マミ「彼女の名前は矢澤にこ。私たちの仲間よ!」ドゥッ!!

伏見「巴マミ! 魔法少女が魔女と手を組むだと?」

淡島「伏見くん、今は魔法少女と戦っている場合ではないわ」

杏子「シンジを取り返そうってんだろ? そうはいかないよ! あいつも仲間なんだからな!」

まどか「室長、久しぶり! メガネケース使ってくれてる?」

宗像「もちろんですとも。しかし手加減はしません!」ザッ

清音「セプター4! お前たちの相手は俺だ!」ガキィィン!!

はじめ「ガッチャマン参上ッス!」

淡島「室長! 援護を…!」

杏子「おっと!」

まどか「恩をアダで返すようだけど、お邪魔しますよ!」

シンジ(…みんな戦ってる時に……!)

マミ「シンジくん! あなたはコッチよ!」

杏子「とっとと行きな! すぐに迎えも来る」

オクタヴィア「私たちはなるべく広い場所へエヴァンゲリオンを引きつけるよ」

にこ「シンジくん! 二号機と三号機は私たちに任せて、そっちもしっかりね!」

伏見「このまま逃がすか! 碇シンジだけでも!」

 ドドドドドッ!!
伏見「チッ 上空からの攻撃… 0048か!」

凪沙「LASのライフルは、クランズマンだって当たれば無事じゃ済まないんだからね!」

 フシュー
智恵理「シンジくん、狭いけどコクピットに乗って! 連れて行くわ!」

シンジ「智恵理さん… 良かった、生きてたんだ……」

彼方「感激してる場合じゃないよ! あいつ、まだ追っかけて来てる!」

スザク「空中での機動性は遅れをとっても、地上戦なら勝機があるぞ!」

マミ「スザクさん! 近頃ゼロと仲良いみたいで羨ましいわね!」ドッ!!

にこ「マミたちの所はすごい騒ぎになってるね…」

オクタヴィア「私たちもそろそろ逃げ切れないかな」

アスカ「始める前に一応警告しとくよ。おとなしく超人登録をすれば、魔女でもヒーロー活動は認められる」

マリ「諦めてさっさと降参しちゃいなよ~ 二対一じゃ気が引けるし」

オクタヴィア「にこ、準備はいいよね?」

にこ「勿論よ。テレパシーを中継して」

オクタヴィア「どこまで届くかわからないけど、できるだけ遠くまでね!」

アスカ「…返事がないなら、こっちから行くしかないようね」

マリ「姫、アイツと戦えそう?」

アスカ「…もしさやかがいたら、超人登録法に反対してた。戦う事になる相手なのよ」

アスカ「それにさやかだったら、今の私たちに容赦しないと思う。ならこっちも本気で相手しないと」

マリ「それなら二人がかりで片付けるとしますか!」

アスカ「バッテリーが切れる前にケリをつけるわよ!」

にこ『みなさん、初めまして! 私は新しいヒーローチーム、プエラ・マギ・ホーリー・カルテットの矢澤にこ!』

にこ『ここ立川の昭和記念公園から、テレパシーで皆さんにお送りしています!』

にこ『その中継をしてくれているのは、なんとこの魔女オクタヴィア!』

にこ『みなさんもご存知かもしれません。今回の内戦のきっかけになった魔女です』

にこ『彼女は今、私と一緒に二機のエヴァンゲリオンと戦っていて、どうやら押され気味のようです』

にこ『それでも私はこのオクタヴィアを応援するために歌います』

にこ『だって彼女は私の友達なんです。どん底に落ち込んでいた私の傍にいて、褒めてくれた…』

にこ『みなさん、超人登録法について思う所はあるでしょう。賛成から反対まで意見もバラバラでしょう』

にこ『どちらにしても、彼女の気持ちには通じるものを感じられるはずです』

にこ『魔法少女から魔女へ生まれ変わっても、本当のスーパーヒーローになりたいという気持ちを忘れなかった純真さに』

にこ『そんな彼女のために作った歌です。聞いてください』



にこ『misterioso』

 ♪『彼方へ 君の手を取り 心だけが知ってる場所へ』

オクタヴィア「行こうか、にこ!!」グワッ

アスカ「おとなしくやられなさいっての!」

オクタヴィア「ここで終わるには早いんだよね!」ブンッ!

アスカ「ちぃっ! でもこの程度なら!」ガシッ

マリ「姫、そのまま捕まえてなよ! プログナイフで!」キィィィィ!!

 ♪『misterioso 舞い上がるよ』

オクタヴィア「絶望をまき散らす魔女が、希望のパワーを使いこなせば」ググググッ

アスカ「…こいつ、強くなっていってる!?」

オクタヴィア「二つの感情の相転移がエヴァンゲリオンと戦う勇気をくれる。そう、まるで…!」

 ♪『この星が見た 夢のように』

オクタヴィア「ぬおおお!!」ブォンッ!!

アスカ&マリ「ぐゎああっ!!」

——数ヶ月前——

智恵理「じゃあ、さやかはあの男の子を治すために魔法少女になったんだ」

さやか「またあの演奏を聴きたくてさ。魔女と戦える人が他にもいた方が、マミさんもラクになるしね」

アスカ「シンジ、何か言いたそうじゃない?」

智恵理「アスカとは大違いって思ってそうな顔ね」

シンジ「そ、そんなこと思ってないよ!」

さやか「エヴァンゲリオンのパイロットってどうやって決まるの? 志願とかするの?」

アスカ「どっちかっていうとスカウトね。素質がある子以外が乗ってもエヴァは動かないの」

さやか「じゃあアスカも皆のために素質を活かしてるわけか」

アスカ「私の才能を世に知らしめる! ってね」

シンジ「アスカらしいや」

アスカ「うっさいわね! あんたこそどうなのよ!? 碇司令に褒めてもらいたかっただけじゃない!」

智恵理「碇司令って、お父さん?」

マミ「あら、今日も来たのね」

アスカ「魔法少女の動きが、エヴァで戦う時の参考になるかもってね」

さやか「本当は魔法少女さやかちゃんに憧れちゃった?」

アスカ「なワケないでしょ! さっさと行くわよ!」

さやか「おおせの通りに」



アスカ「見事なものね」

さやか「練習用の剣も作れるから、何なら直接教えようか? その方がよくわかるでしょ」

アスカ「いいの?」

さやか「ファンサービスもヒーローの役目だからね」

アスカ「誰がファンですってぇ!?」

マミ「またそうやって……」

まどか「いいんだよ、あれで」

——現在——

オクタヴィア「てゃああっ!!」

アスカ「この剣さばき…!」

アスカ「同じね… さやかの魂が……」

 ♪『遠くで 呼んでる』

アスカ「あの頃と変わらずに、まだあの魔女の中にくすぶってる…」

 ドシュッ ガギイイイィィィイ!!!

 ♪『憧れの遺した 木霊(エコー)』

アスカ「スーパーヒーローになりたくて、でも自分の願いのために戦ってるって、認めたくなくて」

アスカ「挙げ句の果てに魔女になって… ホント、生まれ変わっても鬱陶しいヤツね!」

オクタヴィア「美樹さやかも、このオクタヴィアも!」

 ♪『哀しみ たなびかせて』

アスカ「…さやかの魂に気付けるのは、私一人になっちゃったよ……」

オクタヴィア「目指す果ては見えてる!」

 ♪『道のない未来へと急ぐよ』

—— 一方、シンジと智恵理たちは ——

智恵理「あそこよ! キン肉マンたちが白いエヴァンゲリオンの相手してるけど、初号機は抑えきれないわ」

凪沙「シンジくん! ダミーシステムって、エントリープラグと同じところに入ってるんでしょ?」

シンジ「たぶんそうだと思う。そこを破壊すれば…」

凪沙「だったら私の出番だね。脱出するよ!」ボシュゥゥ

シンジ「ちょ、ちょっと待ってよ! 外へ出て戦うなんて危ないよ!」

凪沙「私は104.5期訓練兵! 立体機動で初号機のうなじを削ぐ!」

シンジ「なんだよそれ!?」

智恵理「直接攻撃は凪沙に任せて、シンジくんにはダミーシステムへの干渉を手伝ってもらうわ」

シンジ「干渉って、歌うの!?」

彼方『凪沙以外の研究生と臨時メンバーのシンジくん! 用意はいいね?』

シンジ「用意って、無理だよ… 歌なんて……」

智恵理「恥ずかしがることないわ。ハートをぶつければ何でもいいのよ! だから一緒に歌おう!」

彼方『いくよ! 『奇跡の戦士エヴァンゲリオン!』』

ゼロ「戻って来た所へ早速だが、敵は初号機のコントロールを奪うつもりだ。ネルフ回収班の援護を!」

あかね「上からの攻撃はビビットチームに任せて!」

 ♪『一つになった命 染まってゆくヴァイオレット』

初号機「!!?」

スザク「その歌をやめろぉっ!!」

ゆうこ「止めさせないよ!」シュバッ

カレン「危ない!」バシッ

スザク「すまない、助かった!」

 ♪『あたえる勇気 希望にかえて』

キン肉マン「この白いエヴァンゲリオン、一体ずつは大したこともないが、キリがないぞ」

テリーマン「正義超人として見習いたいガッツだな。だが動きを封じれば」

初号機「ウオオオオ!!!」ドガッ

テリーマン「うおっ!? 初号機はまだ止められないのか!」

エヴァ量産機A「ウグェェア……」バサッ

ジェシー「一機飛び立っていくぞ!」

 バシュッ
まどか「お待たせ! 応援に来たよ!」

マミ「高射攻撃でビビットチームとあのエヴァンゲリオンを牽制すればいいのね!?」

杏子「行かせるかよ!  …おわぁっ!」

エヴァ量産機B「グェェエア!」

キン肉マン「やつらも仲間同士息が合うようになってきたな。しかし元祖友情パワーを見せてやるわ!」

あかね「それなら私たちも使ってるんだよね!」

シンジ(早くしないと、ネルフに初号機が持って行かれる!)

 ♪『リフト・オフ! もう後には ひけないさだめ』

シンジ(そうだよ! ここまで来て、戦わずに帰れないんだよ!)

 ♪『プログナイフ! 握りしめ 倒せ敵を 守れ夢を 未来を!』

シンジ(エヴァで使徒と戦うんだ。こんな内戦なんかやってる場合じゃない!)

初号機「グッ… コオオオオ…!」

 ♪『愛の力で進め 奇跡の戦士』

シンジ(心に愛が無ければスーパーヒーローじゃないんだ。だからそこをどけ、ダミーシステム!)

 ♪『その名は エヴァン エヴァン』

初号機「オウォオオオオオ!!!!!」プシッ

マミ「プラグが露出してるわ! 凪沙さん、チャンスよ!」

シンジ(そして僕に力を貸してよ!)

凪沙「人類の力を…」ゴオオオオッ

シンジ『♪エヴァンゲリオン!!!』

凪沙「思い知れッ!!」ドォ!!

ゼロ「エヴァンゲリオン二号機、応答しろ!」

マリ「どした!? こっちも忙しいんだけど」

ゼロ「初号機の回収は失敗だ。二号機で食い止めろ!」

マリ「白いヤツじゃ初号機の相手は無理か… 姫、悪いけど行ってくるよ!」


マリ「…というわけで、姫置いて来ちゃったけど」

凪沙「ごめん、シンジくん! 中の汁っぽいもの出ちゃったけど乗れる?」

シンジ「どうにかね。魔法のナイフでダミーシステムも外したし、これで!」

マリ「せめてこっちは! 間に合えぇぇ!!」ドゴオォ!!

シンジ「なんのぉー!!」ガキャアアン!!

ゼロ「抵抗はよせ! 超人登録法にこの国の命運がかかっていると、なぜわからないんだ!」

まどか「……それなら、『一国の女王』くらいの因果が集まってるかな」

ほむら「ないよ…」

まどか「今ならできるかも! やるよ、ほむらちゃん!」

——秋葉原 街頭ディスプレイ前——

「エヴァンゲリオンが押されてるじゃねーか!」 「相手はホントに魔女なのか?」
「やっちまえよおおお!!」 「観戦のお供にドネルケバブいかがですか~? おいしいよ~!」
「魔女でも何でもいい! ネルフなんてブッ潰せ!」 「登録法はどうなるんだよ!」
「おいゼロを映せってんだろ!」 「二号機はドコ行ったんだよ!!」

絵里「あなた、うちの学校の生徒? …っていうか、もしかしてアイドル部の?」

元部員A「生徒会長!? この戦い、見てたんですか?」

絵里「テレパシーが聞こえて外に出てみたら、これだもの。すごい騒ぎね」

元部員B「部長があんなのに乗って戦ってたなんて、知らなかったんですよ……」

♪『新しい頁を開き』

絵里「私もよ。でも、目指しているものは変わっていないようね」

♪『世界は君を待ってる』

元部員A「私たち、この人についていけなかったんだよね……」

穂乃果「ついていけたら、あんな風になれたのかな」

♪『明るい心で 全ての時をゆけるなら』

穂乃果「私たちも……」

♪『どこかへ続いてると信じて』

♪『空は青く高く 幼い風が光り』

オクタヴィア「赤いヤツがいなくていいなんて、油断してない!?」

アスカ「腕の数は減っていない!」ドシュドシュッツ

オクタヴィア「何これ… うっ!」

アスカ「三号機の機能は使いこないしてる」

♪『小さな鈴のように』

アスカ「魔女にだって首があるなら、弱点のはず!」

オクタヴィア「苦しいの? 剣も抑えられて、手出しできない… でもテレパシーがまだある!」

♪『まだ見ぬ』

——美樹家——

母「不思議の歌が… 歌が聴こえる……」

父「そんなのどこにも」

父「テレビでもつけようか。今日はもう休んでなさいよ」

母「ちょうどいいわね。ニュースをやってるでしょう」

父(なかなか良くならないものだな…)

♪『長過ぎた 夜の果てに』

母「見て見て! さやかが出てくるわ!」

父「これは…!」

——上条家——

仁美「映っているのはさやかさんで、歌はにこさんの…」

上条「さやかは生まれ変わってもスーパーヒーローになれるって信じてくれた、矢澤にこさんだよ!」

♪『夜明けを呼び覚ますコーラス』

仁美「超人登録法は、これほどまでにいけないことでしょうか」

上条「どっちが悪いとか、誰のせいっていうことじゃないんだよ。みんな守りたいものは一緒なんだからね」

仁美「それなら私たちは、さやかさんを応援できますわね!」

上条「僕たちにもテレパシーは送れるかもしれないな」

♪『どんなに 儚くても』

仁美「ええ。魔法少女の物語は、まだ終わってはいませんから」

♪『始まりの時を告げて』

♪『世界はまだ 君のため 喜びを隠しているから』

オクタヴィア「来るぞ… テレパシーが、エリア11のNoNameから……!」

アスカ「押し返される!? 時間もないってのに!」

オクタヴィア「これは私の力じゃない!」パッ

♪『misterioso 舞い上がるよ』

オクタヴィア「絶望から生まれた魔女の私にも、今希望のパワーが起こしている現象の正体はわかる!」


 ビスッ

アスカ「いてっ! さやかめ!」ハッ

アスカ「…本当にさやかなの……?」

 ♪『追いすがる 涙のむこうへ』

オクタヴィア「さやかの魂! 違ってたら教えて。剣の使い方はこうでいいのね?」

アスカ「まだ来る!」

♪『眩しい』

オクタヴィア&さやか「スパークエッジを受けてもらう!」

アスカ「これしき… グッ  ギャアアアアアア!!!!」

♪『明日へ!』

オクタヴィア「力尽きたなら、レールで!」

ヒュルッ

オクタヴィア「あなた、さやかの友達だったんでしょう? バッテリー切れまでおとなしくしててね」

マリ「初号機は奪われて、姫もやられた! これってまさかの大ピンチ!?」

あかね「シンジくん! 初号機を返しなよ!」

シンジ「うわっ!? ビビッドチーム、邪魔をしないで!」

マリ「…いやまだ大丈夫か……?」

まどか「わたしたちでどうにかするんだよ!」

ほむら「でも… あのコスチューム、恥ずかしいよ……」

まどか「あれはあれで似合うからいいの! やるよ!」

ゼロ「セプター4と赤のクランは鹿目まどかを抑えろ。ゲイジングパーツが来るぞ!」

まどか「因果の糸で二度目の変身!」

まどか「アルティメットまどか!」

ほむら「デ、デビルほむ…!」

凪沙「まどか? どうしたのそのコスチューム!」

友歌「魔法少女って、みんなあれができるの……?」

杏子「いや初めて見たぞ」

まどか「さぁ! シャイニングマミとバーニング杏子も早く!」

ほむら「一度やってしまえば、貴女も気に入るはずよ」ファサッ

楚方「ねえ、呼んでるよ…」

マミ「なによそのネーミングは!?」

杏子「と、とりあえずやるだけやってみるか!」

ビビッドイエロー「ファイナル・オペレーション!」

キン肉マン「なんの、肉のカーテン!」

ビビッドイエロー「なんであれで防げるのよ!?」

わかば「交代して!」

あおい「むこうでも何かあったみたいだよ!」

ゼロ「魔法少女の四人が変身したようだ」

C.C.「魔翌力が高まっているとなると、ゲイジングパーツとは違うぞ。ビビットチームも増援に回した方がいい」

ゼロ「行ってくれるな?」

玉城「正義超人の相手は俺たちが引き受けたぜ!」

カレン「ケガさせたくはないけど…」プシッ キュイィィ…

キン肉マン「立体機動で来る!?」

カレン「カーテンの向こうへ届けぇ!」カチッ

マリ(正義超人の相手はエヴァシリーズと黒の騎士団じゃ心もとないか…? 0048もいるし)

マリ(セプター4に赤のクランは魔法少女の四人にかかりっきり。あかねたちが加勢すればどうだろ)

マリ(いや、あの四人がどこまで強くなったかはまだハッキリしない…… するとどうしても)

シンジ「二号機は僕が止める!」

マリ「やっぱワンコくんの面倒は私が見ないとねぇ!」

シンジ「武器があるはず… ああもう、これだ!」グォッ

マリ「オラアァァ!!」ガッ!!

テリーマン「クロスカウンター!」

アルまど「え、今のどっちが勝ってるの?」

デビほむ「見てないで戦いに集中しなさい!」

マリ「ここでエヴァ同士消耗してたら、使徒と戦えなくなるんだよ!」

シンジ「白いヤツも使徒も! 僕がたおせばいいんだろぉ!!」

マリ「コイツは本気だねぇ…… こっちも本気で行くよ! いいよね、ゼロ?」

ゼロ「この戦いに勝たなければ登録法に未来はない。だがあまり羽目を外すなよ」

マリ「どう言われようがやるしかないんだけどね! モード反転、ザ・ビースト!」

伏見「なんだ、あれは… エヴァンゲリオンが変身している…!」

智恵理「二号機にもダミーシステムがあったの!?」

ジェシー「こうなるのを待っていたぞ! シンジくん、タッチだ!」

シンジ「へっ? あ、はい!」パシッ

マリ「まずはハワイチャンピオンから行くかぁ!!」ゴオゥッ!!

ジェシー「そうはいかないぞ!」スルリッ

マリ「えっ……」

 グワッシャ!!!

ジェシー「獰猛な獣の本性を目覚めさせる暴走ファイトなど、我々正義超人には通用しないぞ!」

テリーマン「白い奴もいい練習相手になってくれたからな。本当にそれが二号機の切り札なら、早く諦めることだ」

マリ「そんなの……!」

尊「弓矢の攻撃は上出来だが、接近戦には向いてねぇようだな」

まどか(ついていくのがやっとだよ……! これが王の力…)

ほむら「デビル忍法、乱れ吹雪!!」

尊「ちっ こいつがいたか」

伏見「だがここまで来れば、俺たちの距離だ!」

清音「近づかせるかよ!」

スザク「ガッチャマンのスーツはどこまで耐えられるんだ…」

智恵理「上空を警戒してないから!」ドドドドッ

C.C.「空中戦でいつまでも好きにできると思うなぁ!!」

マミ「向こうも助けに行きたいけど」

ビビットグリーン「二号機を助けに行きたいけど…!」

杏子「でもこいつらがいるんじゃ…」

ひまわり「あの二人だけでも、抑えとかないと!」

マリ「獣化第二形態がここまでいいようにやられるってさぁ……」

キン肉マン「テリーの言う通りじゃ。もう勝敗はついたろう」

マリ「ならコッチでやってみるしかないじゃん!」

キン肉マン「さぁ、おとなしく… おわっ!?」

 クァッ!!
マリ「愛の力で進むのは、自分たちだけと思うなああ!!!」

テリーマン「パワーアップか、いや…」

ゼロ「暴走状態には見えないな。ファイトスタイルヤツらに合わせたのか」

マリ「登録法なんてどうでもいい! でもその機体は置いてけぇええ!!!!」ガッ

シンジ「ぐわぁああっ!!」

キン肉マン「今助けるぞ! しかしこいつは」

ジェシー「テクニックは荒削りだが、気迫が違う! うおおっ…!?」

マリ「あと三人!!」

杏子「あかねさえ何とかすれば… バーニングスラッシュ!」

ひまわり「コライダーがあるうちは行かせない」

ジョー「バーニングってのはなぁ、こうするんだよ! 見てろ!」

ひまわり「セプター4が手を焼いてたガッチャマン…!」クラッ

ジョー「ビビットチームを一人やったぞ。回収頼む」

マミ「これは負けてられないわね!」

ビビットグリーン「チェンジ・ビビットブルー! 二人まとめて!」

杏子「チャージの時間があると…」

 ザシュッ!
わかば「稼いでみせる!」

ジョー「次はお前かぁ!? バーニング・レイン!」ドドドドッ

杏子「ありがとう、ジョーさん!」

ビビットブルー「ビビットインパクト、セーフティ解除!」

マミ「佐倉さん、私たちも!」

ビビットブルー「エンジン出力、120%… 140%…」

杏子「ばぁぁぁぁくねつ!! バァァニング!!」

あかね「あの二人も何かする気だよ!」

一色『心配するな。パレットスーツなら正面からぶつかり合えば』

マミ「シャァァァァイニング!!」

一色『友情パワーを解さぬ宇宙人の作ったものになど、負けはせんぞ! 目に物見せてやれ!!』

ビビットブルー「臨界突破! ファイナル・オペレーション!」

マミ&杏子「フィンガァァァーー!!!!」

カッ!!

ゴォォォ……!!

まどか「マミさんたちの所から!?」

八田「どうやったらこうなるんだよぉっ!」

淡島「視界が利かない! 同士討ちに注意しろ!」

彼方「77期! 地上の仲間を連れてこの煙から脱出するよ!」

智恵理「シンジくんたちは…」

マリ「この程度の爆風に怯んでる時間は…! うっ!」

シンジ「うおおおおお!!!」ドゴォッ

シンジ「キン肉マン! フィニッシュホールドだ!」

キン肉マン「いくぜっ エヴァンゲリオン二号機!」

 ガキィ
マリ「捕まった!? でも獣化第二形態の超人強度なら、こんなもの!」

伏見「バスター返しか!」

鎌本「いいぞ! 食らわせてやれぇ!!」

 キュミミミミィ……

まどか「光るものがキン肉マンへ集まって行く…! あれって、もしかして!?」

鈴子「きららの群れです! アイドルのオーラに反応するきららが!」

智恵理「アイドル超人に力を貸しているの?」

ゆうこ「マジかよ、おい……!」

 キュミミミミィ!!
キン肉マン「注魂、きららエフェクト! キン肉バスターーッ!!」

マリ「ううっ… ほ、ほどけない!」

キン肉マン「長かった内戦よ、さらば!!」ズガガァ!!

まどか「三号機に、二号機までやっつけたの……」

キン肉マン「ゼロ、降りて来てくれ! 話がある」

ゼロ「今更なんだ? 停戦交渉か?」スッ

伏見「まずいな。今なら向こうが有利だぞ」

キン肉マン「そうだ。超人登録法反対派の全軍に告ぐ。戦闘は中止だ! わたしは投降するぞ」

八田「マジか!? …え、マジでかよ!?」

ほむら「どうして!? もう一押しで勝てるのよ!」

キン肉マン「もう充分だ」

キン肉マン「超人たちも、この放送を見たみんなも頭を冷やせば思い出すだろう。我々が本来誰のために戦うべきかを」

ゼロ「あまりにも無駄な戦いに没頭してしまったな……」

キン肉マン「だがそれもこれまでだ。オクタヴィア、エヴァンゲリオン三号機を放してやってくれ」

オクタヴィア「正義超人の王子様がそう言うなら、いいよ」シュルッ

まどか「……わたしたちも、とりあえず元に戻ろうか?」

ほむ「その時が来たようね」


・ その後

ラクシャータ「紅蓮の新型ゲフィオンネット、調子はどう?」

カレン「いいですよ。これならすぐにでも使えそうですね。って、何見てるんですか?」

 カレン『最初のお便りはトーキョー租界の東野さんからいただきました!』

カレン「ちょ、ちょっと! こんなの見ないでくださいよ!///」

ラクシャータ「カレンの復興カレンダー、評判いいみたいじゃない?」

ラクシャータ「うちのスタッフも録画して見たっていうから、借りて来ちゃった」

カレン「…だからこんな番組に出るのやだって言ったのに……」

ラクシャータ「それにしちゃあ、可愛く撮れてるみたいだけどね。ほら」

カレン「あの内戦で傷ついた街の復興も、私たち黒の騎士団の役目なんですから」

ラクシャータ「内戦は終わっても、これからがまだまだ長そうね」

カレン「……いつかあの子たちも戻って来てくれますよ」

 ♪『主なきその声 聴こえるよ』

 ♪『この空の ほら どこからか』

カレン(キン肉マンが投降してから、反対派は息を潜めている)

カレン(アローンや魔女との戦いや、内戦の混乱に乗じて旗揚げしたゲリラの後始末)

カレン(でもきっと… 魔法少女やガッチャマンたちが本来していたように)

カレン(私たちの知らない所で、あの子たちはエリア11の平和を守るために戦っている)

 ♪『心折れそうな 長い坂の前』

 ♪『未来があるなら 背を向けられない』

まどか「バレないように戦うのって、けっこう難しかったんだね…」

マミ「前はこんなに大変だったのかしら…」

ほむら「お母さんたちも心配だね。捕まらないかな……」

智恵理「ゾディアックが協力してるうちは平気よ」

まどか「ごめんね。あの時匿えるのっていったらそこくらいしか思い浮かばなかったの」

智恵理「いいのよ。二度と頼ることなんてないと思ってたけど、こうなったら使わない手は無いわ」

O.D「気になるならウチのCAGEに引っ越してもいいわよ。アムネジア・エフェクトでしっかり守ってあげるから」

まどか「ありがとう。…早く匿わなくてもいいようにしたいね」

清音「今はいずれそうなると信じよう」

にこ「……あの二年生、まだ来てるんだけど」

絵里「それは御愁傷様。絶対諦めないわよ」

にこ「せっかく超人指定から外してもらえたってのに、下手に目立ったらまた元の木阿弥よ……」

絵里「でも、やってみたい気持ちはあるんじゃない?」

にこ「……まぁね……」

絵里「最後のmisterioso、みんなで聴いてたのよ。だから二年生の子たちにも希望が芽生えて来たの」

にこ「学校を守るのもまたスーパーヒーローの精神、か…… 何にせよ、今日はこの後用事があるから付き合ってられないわよ」

絵里「また超人関係?」

にこ「……あんまり大きい声で言えないけど、そうなのよ」

にこ(今日こそ成功させるって言ってた。でも、元に戻ったら、魔女だった頃のこと忘れちゃうかな…)

 ♪『友よ覚えているかい』

にこ(…覚えてるよね)

 ♪『あの日誓い合ったこの場所 季節の花が咲く』

にこ(たとえ生まれ変わっても、また返り咲いてくれるはずよ!)

 ♪『主無きその声 聴こえるよ』

予報士「そろそろ天気の話をしていいかい? もうエヴァンゲリオンはその辺にしておきなよ」

キャスター「新型の改二号機がアローン退治に駆けつけたんだぜ! もうちょっとくらいいだろう」

予報士「まぁ僕も好きだからわかるよ。でも近頃初号機が出て来ないのは物足りないね」

キャスター「昭和記念公園の戦いの後、封印されてるからね。まぁいつかは解けるって」

予報士「登録法に反対しているヒーローたちもかい? タイタスとか… ああ、今は違うんだったな」

 ♪『太陽が ほら 少しずつ』

キャスター「うちのカミさんもジェシー・メイビアの大ファンなんだ」

予報士「では予報しよう。彼らが戻って来てくれる日が近いうちに訪れる」

 ♪『辺りのその闇を 剥がしてくれるだろう』

キャスター「確率は?」

予報士「そんなの決まってるだろ? 100%だよ!」

 ♪『人影無くても 目を閉じればわかる』

 ♪『目指しているのは 一人じゃないんだ』

コーネリア「いいのか? こんな所に来て」

杏子「マミのこと、お礼言っておきたくてさ… ありがとう。もうすっかり元気になったよ」

コーネリア「例には及ばない。ここにいた期間は短かったからな」

杏子「だとしてもさ、キン肉マンのこともだよ。登録したらマスクを剥ぐもんだと心配してたよ」

コーネリア「キン肉族が素顔を見られたら死ぬ、というのは本当らしい」

コーネリア「全イレブンの善き友人を処刑するわけにはいかないだろう」

杏子「だからって、執行猶予千年だって? ありゃあ基地で0048の皆と見て笑っちゃったよ」

コーネリア「甘かったかな…… いや、最後のキン肉バスターを、君も見たろう」

杏子「見てたよ。半分くらい意識無かったけどね」

コーネリア「彼らも、求める物は我々と同じだ。それは信じられる」

C.C「そのDISKというのを使えば、結界の代わりになるわけか」

ゼロ「エリア11でも採用するつもりだ。運用開始を記念して式典を行う」

C.C「結界に閉じ込めておくよりは幾分良心的だな。その式典でキン肉マンを封印するか?」

ゼロ「あれ以降捕虜にした、0048のメンバーもだ。これはイレブンたちにも受け入れられるだろう」

C.C「彼らに反対派のヒーローを恐れる気持ちがあるなら、な…… しかしヤツらが放っておくはずはないぞ」

ゼロ「式典の情報をリークする。必ず捕虜の奪還に来るだろう」

C.C「そこまでするほど、昔の友人が恋しいものか…?」

 ♪『友よ答えておくれよ』

ゼロ(鹿目まどか… 君たちはどこにいるんだ)

 ♪『君も傷付き 赤い血を流し』

ゼロ(……私を止めに来てくれ)

 ♪『それでも 生きてると』

終わりです

ごおめんな、誰もいないのにずっとやってて……

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年01月10日 (土) 01:48:49   ID: DPb5N2MN

Kが出てくるSSって初めて見た

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