男「ん? なんか幼馴染の家から物音がするな……?」(191)


 ガタンガタン バタン…


男「なんだなんだ? ゴキブリでも出たか……?」


 ガタンバタン

 ……シーン……


男「……収まったか……」

男「じゃあ気を取り直して、エロ画像収集の作業に戻るか……」

男「最近は、機械姦のジャンルに、ハマってるんだよな……」 マウスカチッ カチッ

男「…………」 カチッ カチッ


――翌日 家の外


男「――ふぁぁああ」

男「眠いな……」ショボショボ

男「まぁ、それも仕方ないか」

男「自家発電してたら、気づいたら朝になってたんだもんな……」


男「……にしても、今日は幼馴染の奴、遅いな……」

男「そろそろ出発しねーと、遅刻するぞ……?」

男「……寝坊か……?」


男「……」

男「仕方ない、こっちから行くか……」


 ピンポーン


男「…………」

男「……出ないな……」


 ピンポーン


男「…………」

男「……駄目だこりゃ」

男「――ん?」ガチャ

男「……玄関の鍵が、開いている……?」

男「仕方ない。勝手に入らせてもらうか……」

――幼馴染の家


男「…………」


 …シーン


男「……相変わらず、静かだな……」

男「あいつの親父は、やっぱりこの時間は寝てんのかね」

男「……」

男「前までは、真面目でいい人だったんだけどな……」

男「仕事を失い……妻を亡くし……」

男「……最近はずっと、酒に溺れてばかり……」

男「……なんとかならないもんかね、まったく……」


 スタスタ

 ――ガチャ


男「さて、リビングだが―――」

男「――――――!!!!?」


男「……なっ……!!」

男「なんだ!? これは……!!」


 ゴチャゴチャ


男「リビングが、荒らされている……?」

男「戸棚は倒れ、テーブルには変な傷がつき、そして……」

男「あちこちに、血痕がある……!!!」


男「――!!」

男「幼馴染っ!!」

男「幼馴染!! どこだ!! どこにいる!!?」


 ドタドタドタ


男(リビングにはいない!)


 ドタドタドタ


男(一階を全部回ってみたが、どこにもいない……!!)


 ダッダッダッダ


男(幼馴染の部屋に行けば、さすがに……!)


 バタンッ


男「幼馴染っ!!!」


 スッ


男「――――!!」


幼馴染「!!!」 ブオン


 バアァァァンッ!


男「――――っ!!!」


男(幼馴染は、部屋にいたっ!!)

男(しかし、いきなり、金属バットで殴りかかってきた……!!)

男(なんとか避けたが、この攻撃……)

男(明らかに、手加減などしていない!!)

男(直撃したら間違いなく、俺は死んでいたっ!!)


男「――お、おい待て!!」

男「一体どういうつもりなんだ!!?」


幼馴染「――――」

幼馴染「――――――え……?」

幼馴染「……男……?」


男「――ああ、俺だっ!!」

男「正真正銘、男だ!!」

男「だからまず、その金属バットを下ろしてくれ……」


幼馴染「――」

幼馴染「――お――」ガタガタ

幼馴染「――男ぉっ!!」バッ!


 ヒシッ


男「!?」

男「ど、どうしたんだ? お前……」


男「リビングが荒れていたが、何かあったのか?」

男「血も、ついていたし……」


幼馴染「……えっ……?」

幼馴染「血……?」


 ガタガタ


幼馴染「そうだ……血が……」

幼馴染「私は、昨日……」

幼馴染「――」ガクガクブルブル


男「お、おい、しっかりしろ!!」

男「何があったのかは分からないが、大丈夫だ!! お前は今ここにいる!!」

男「そして俺がいる!!」

男「もう何も、お前に危害を加えることはできないんだっ!!」


幼馴染「……お、男……」

幼馴染「――――」ブワッ


――幼馴染の家 リビング


男(……幼馴染は、泣き疲れて眠った……)

男(とりあえず彼女は、俺の部屋のベッドに寝かせてきた……)

男(そして……)

男(今、幼馴染の家の中を隅々まで歩きまわった結果、わかったことがある)

男(……この家には、誰もいない、ということ……)

男(……)

男(……正確には……)

男(――生きている人間は、いない――――!)


男(……)

男(リビングから、引きずったような血の跡が、廊下に続いていた……)

男(そして、その先の、脱衣所まで……)

男(……風呂場にまで、続き……)

男(その浴槽の中には、俺の良く知る男の死体があった……)



幼馴染の父「     」


男「……」

男「……くそっ……」


男(幼馴染の父の頭部には、何か重たい物で殴られたような跡がある)

男(……そして思い返して見れば、幼馴染の持っていた、あの金属バット……)

男(……血が、ついていた……!)


男「……あいつが、殺したのか……」

男「あの、幼馴染が……」


男「……どうすれば……」

男「どうすれば、いいんだ……!!」


――夕方頃 男の家 リビング


男「……」


 ガチャ


幼馴染「……」


男「お? 目が覚めたか……」


幼馴染「……」コクン


男(……ひどく、疲れた顔をしている……)

男(それに、その目の中にあるのは、怯え……)

男(……)

男(人を一人――それも自分の父親を殺したのだから、無理はない、か……)


 コトッ


男「――まぁ、コーヒーでも飲んで、落ち着けよ」


幼馴染「……うん」

幼馴染「――」ズズズ


男(……)

男(聞きづらいが、やはり、きちんと確認しておくべきだな……)


男「――なぁ」


幼馴染「……何?」


男「単刀直入に聞くが……」

男「お前、父親を、殺したのか……?」


幼馴染「――――――――」


男「…………」


男(この反応……もう間違いない……)

男(間違いなく、殺している……!!)


幼馴染「――」


男「……なぁ」


幼馴染「な、何……?」


男「人を殺すことが悪いことだとか、そういうことは、今はまぁ、いい……」

男「それよりも」

男「お前が、殺人を犯していたとすると……」

男「お前は、刑務所に、入らなくちゃいけなくなる……」


幼馴染「!!」


男「――それについて、どう思っている?」


幼馴染「そ、それは……」

幼馴染「そんな、刑務所なんて……」


男「……」


幼馴染「入りたく、ない……!!」


男「……」


幼馴染「――全部、全部、あの男が悪いんだっ!」

幼馴染「働きもせず、酒を飲んで、そして、殴って、……!!」

幼馴染「そして……!」

幼馴染「そして、挙句には……!!!!」


男「――もう、いい」

男「言いたくないなら、良いんだ」

男「嫌な質問をした俺が悪かった……」


幼馴染「…………」


男「だけど……」

男「刑務所に入らないようにするには、警察を、なんとかしなくちゃいけない……」

男「そのためには、できるだけ早く、冷静に、その方法を考える必要がある……」


幼馴染「……うん」

幼馴染「ごめんね……男……」

幼馴染「私なんかの、ために……」


男「……」

男「……馬鹿だな」

男「……お前が困ってたら、俺が助けるのは当たり前のことだろ……」


――夜 幼馴染の家


男(……)

男(あの後すぐ、俺達は警察に行った)

男(その理由は簡単で、幼馴染の父の失踪届を出すためだ)

男(父の不在を、いつまでも誤魔化し続けることはできない……)

男(そして誰かが気づいた時、失踪届が出ていなければ、間違いなく幼馴染が怪しまれてしまう)

男(失踪届を出すのは最優先すべきことだった)


男「……さて……」

男「じゃあ、やるか……」


男「――」ガタガタ

男「……ちっ」

男「足が、震えてやがる……」

男「くそっ……!」


男(警察に失踪届を出した次にやるべきことと言えば、もう、一つしかない……)

男(――死体を、隠すこと……!)

男(理論上は、死体が誰にも見つからず、そして失踪届が出ていれば、その人は本当に失踪したことになる)

男(……言うまでも無いが、この"死体を隠す"というのが、一番重要……)

男(そして、死体を隠す時、まず最初に、やらなくてはならないことがあった……)


――夜 幼馴染の家 風呂場


男「――――」


幼馴染の父「    」



男(幼馴染は今、街中のコンビニからうまい棒を買い漁っている頃だろう……)

男(死体を隠すのに必要だと、そう俺が滅茶苦茶適当な嘘をついたからだ……)

男(……しかし、良かった……)

男(『そんなに大量に買うならコンビニじゃなくてスーパーで買えばよくね?』 ということに気づかない馬鹿な幼馴染で良かった……)

男(そもそも、『死体を隠すのにうまい棒とかいらんだろwwww』って思わないくらい馬鹿な幼馴染で良かった……)


男(……)

男(なんてな……)

男(幼馴染はそこまで馬鹿じゃない……)

男(ただ今は、気が動転し、錯乱しているだけ……)

男(俺の言った、あんな馬鹿げた言葉を、疑うこともできないくらいに……)


男「――――」

男「――やら、ないと……」


男(――幼馴染の父の死体を、どこに隠せばいいのか?)

男(色々と考えてみたわけだが、候補としてはいくつかある……)

男(そのどれもが、人通りの少ない場所であり……)

男(この家からは、それなりに距離がある……)

男(どこを選択するにしても、死体を移動させる必要がでてくる……)

男(しかし、俺も幼馴染も車などは使えない)

男(だから、死体を運ぶためには――――まず死体を小さくしないといけないのだ……!!)


 ジャキン


男(――このノコギリで、幼馴染の父の体を解体する……)


男(……)

男(こんなことを言えば、幼馴染は絶対、自分でやると言い出すだろう)

男(……しかし、恐らく、幼馴染にこんなことはできない……)

男(嘘を言って、幼馴染が長時間家に戻ってこないようにしたのは、これが理由だ……)


男「……」

男「――」ガタガタ

男「――」ガタガタブルブル


幼馴染の父「    」


男「――――」

男「――そんな目で、見ないでくれよ……」


  (幼馴染の父「――おお、男君! 今日もうちの娘と登校するのかい?」)

  (幼馴染の父「いやいや、仲睦まじくて結構! うらやましいねぇ」)

  (幼馴染の父「何か危険があった時は、ちゃんと守ってやってくれよ……?」)


  (幼馴染「――もう、やめてよお父さんっ!!」)


  (幼馴染の父「はっはっはっ!」)


男「―――」

男「あんた、昔はあんなにいい人だったのに……」

男「どうして、こうなっちまったんだよ……!!」


 スッ


男「―――――――!!!!」


 ――ザリッ


男「――――――」


 ザリッ ザリッ

 ジュリジュリ……


男(……)

男(……これは、罰、なのかもしれないな……)

男(職を失い、プライドを失い……そして、妻も、失い……)

男(自分の立ち位置を見失い……酒に溺れ、大切な娘を、大切にすることができなくなった、幼馴染の父の……)

男(……そして)

男(そうした状況に幼馴染が置かれていることを、うすうす気づきながらも……)

男(なんとかなればいいな、という感想で片付け、動くことができなかった、俺に対する……)

男(……罰……)


 ジュリジュリ……

 ガリゴリガリゴリ


男(……俺は……)

男(何を、しているんだろう……)


 ゴリゴリッ

 ……ジュリジュリ

 ゴロン


男「…………」

男「……ようやく、首が終わったか……」

男「次は――――」


――翌日 朝 男の部屋


男「…………」


幼馴染「Zzz」


男(……)

男(安心して、眠ってる……)

男(繋いだ手を、決して離さず……)

男(……)


男(昨日、あの後帰って来た幼馴染は、俺の姿を見て、すぐに俺が何をしていたのかを知った)

男(その時俺は軽く錯乱していて、血だらけになった服を着替えるべきだという、そんな当たり前のことを、失念してしまっていたのだ)

男(……そしてそれから、幼馴染はわんわん泣いた)


男(……)

男(……今の季節は、冬……)

男(一日や二日で、死体は腐敗しない……)

男(しかしだからといって、あんまりゆっくりしていられるわけでもない)

男(……今日か明日の夜、死体を、捨てに行こうと思っている……)

男(……)


幼馴染「Zzz……」

幼馴染「…………」パチッ


男「――お」

男「目が、覚めたか?」


幼馴染「うん……」ギュ


男(……温かい……)

男(なんだか、随分久しぶりに、人の温度というのに触れた気がする……)


男「……」

男「起きたなら、下に行くか」

男「朝メシ作ってくれよ。お前、料理得意だしな」


幼馴染「……うん……分かった」


――昼 リビング


幼馴染「Zzz」


男「……」

男「……しかし、よく寝るな。こいつは……」

男「…………感情とか記憶を、整理、しているんかね……」


男(……)

男(ほんとは、俺もそうしないといけないんだろうけどな……)

男(どうしてか、俺の内面は今、ひどく静かだ……)

男(……)

男(……もしかすると、これは、俺の中の大事な何かが、失われてしまった、ということかもしれない……)

男(人の死体を解体したんだから、そうなるのも、当然か……)

男(……)


 ピロロロロロッ


男「……ん? 俺の携帯電話が」


 ピッ


男「――はい」


キモオタ『――チンコ』


男「――――」

男「――マンコ」


キモオタ『――ふふふ……どうやら正真正銘、男でござるな……』


男「……まぁな」


男「――しかし、大丈夫かよ、お前みたいなキャラ……」

男「明らかのこのスレの雰囲気とあってないじゃねーか」


キモオタ『フォカヌポウwwwwww』


男「……やれやれ」


キモオタ『……』

キモオタ『それで、今月の進捗状況は……?』


男「ふん……」

男「純愛ゲー3作と陵辱ゲー1作、そして電波ゲーが2作だ」


キモオタ『……くくく、相変わらず早いな……!』


男「言ってろ」

男「――して、お前は?」


キモオタ『純愛ゲー10作――』


男「……ほう」


キモオタ『そして、伝奇バトル系を4作……』


男「!?」

男「――計、14作……っ!!」


キモオタ『……ふふふ……』


キモオタ『――とまぁ、そんな挨拶はまぁいい』

キモオタ『それよりお前、昨日はどうして学校に来なかった?』

キモオタ『欠席なんて珍しいじゃないか』

キモオタ『風邪か?』


男「――――」


男(――ここは、はっきり言っておくべきか……)


男「――実はな、幼馴染の父が、行方不明になったんだ」


キモオタ『……?』

キモオタ『行方不明?』


男「ああ」

男「幼馴染の父については知ってるだろ?」


キモオタ『……まぁ、お前から聞いた話だけだけどな』

キモオタ『家に篭もり、出るとすれば、行き先は居酒屋かパチンコ……』

キモオタ『ずいぶん、幼馴染は苦労しているみたいだが……』


男「幼馴染の話では、幼馴染の父は昼頃に家を出たらしいんだ」

男「そして、どういうわけか、そのまま帰らなくなった」

男「朝になっても帰ってこなかったから、不安になって俺に言ってきてな……」

男「昨日はずっと、帰りを待ったり、あるいは町に出て探したりしていたんだ」


キモオタ『でも、見つからなかった……?』


男「ああ」

男「昨日の夕方、警察に失踪届を出してきた」


男「――そういうわけで、色々あって、昨日は学校に行けなかった」


キモオタ『失踪、か……』


男「ああ」


キモオタ『……』


男「……」


キモオタ『……そうか、それは大変だな』

キモオタ『そういうことなら、俺も父に少しだけ話をしてみるよ』


男「――ああ、そういえば、キモオタの父さんって警察官だったか……」

男「――――」

男「――それは助かる。ぜひ話しておいてくれ」


キモオタ『……それじゃあ、またな』

キモオタ『何か相談事があったら、遠慮なく言ってくれ』


男「ああ、その時はそうさせてもらうよ」

男「じゃあな」


 ピッ


男(……)

男(キモオタ……)

男(……なんとなく、こちらが嘘をついているのがバレてしまったように感じるのは……)

男(俺の、被害妄想か……?)


――夜


男「…………」


幼馴染「…………」


男「……幼馴染、それじゃあ、行けるか?」


幼馴染「――う、うん……」


男「よし……」

男「じゃあ、出発するぞ」


男(……幼馴染の父の死体は、分割して俺と幼馴染の自転車で運ぶことにした)

男(どこに運ぶのかだが……色々考えた末、俺は町外れの廃工場に投棄することに決めた)

男(かなり前に会社が倒産し、そのまま誰が手入れすることもなく放置されていた、ところどころ崩れかけた工場……)

男(土地の再利用の目処も立っておらず、恐らくはこのまま先十年ほどは、あのままだろうと思われる)

男(だから、その工場の奥に、死体を捨てる……!)


幼馴染「はぁ――はぁ――」


 シャー


男(……ただ、普通に自転車に乗っているだけなのに、幼馴染の息は荒い……)

男(……)

男(死体を前と後ろに乗せているのだから、それも当然か……)

男(冷静な俺の方が、狂っているのか……)


――夜 廃工場


男「……」


幼馴染「……」


男「……随分、奥までこれたな……」

男「このあたりに、するか……」


幼馴染「……そうだね」


男「……」

男「だけど、このまま鞄ごと捨てていけば、発見された時に足がつくかもしれない……」

男「……死体を、中から取り出したいんだが……」


幼馴染「うん」


男「……」

男「お前は、先に戻っておいたほうがいいと思う」

男「見ないほうが――」


幼馴染「ダメだよ、それは」

幼馴染「……あ、あんな」ガタガタ

幼馴染「あんな、馬鹿な男の、最後なんだから……っ」ガタガタ

幼馴染「ちゃんと見ないと、気が済まない……」ガタガタ


男「……」

男「お前が、そこまで言うのなら……」


 ズズズッ

 ドサッ ゴロンッ


幼馴染「!!!!」


男「…………」


 ドサッ ゴロン

 ドサッ ドサッ ドサッ


男「……これで、全部だ……」

男「この瓦礫の陰なら、誰かが入り口から覗きこんでも、見つかる可能性は低いだろう……」

男「じゃあ、もう行くぞ、幼馴染」


幼馴染「――――」


男「……幼馴染?」


幼馴染「――――っ!!!!」


 ゲシッ!


男「!!?」


 ゲシッ! ゲシッ!


幼馴染「この――! このっ――!!」


男「お、おい……!」

男「お前、何を……!?」


 ゲシッ! ゲシッ!


幼馴染「この、馬鹿な男のせいで……!!」

幼馴染「全部……!」

幼馴染「全部……っ!!」


 ゲシッ! ゲシッ!


男「――――」

男「――そのへんで、やめておけよ!」


 グイッ


幼馴染「――」

幼馴染「私、は……」


男「……」


男(強烈な、憎悪……)

男(凄まじい怒り……)

男(だけど、こいつは気づいてないのか?)

男(こいつの目から、涙が…………)


幼馴染「……」


俺「……」

俺「……じゃあ、帰るぞ……」


幼馴染「………………うん」

幼馴染「……ごめんね、取り乱して……」


幼馴染「……あと、ありがとう……」

幼馴染「こんな、私のために……!」


男「……」

男「……だから、別に良いって、前に言っただろ……」


幼馴染「……」


男「――さあ、帰るか……」

今日は終わりです



だが唐突に俺出てきてワロタ

期待

>>56
ホントだ…

男と俺を間違える癖はいつまで経っても治りそうにない…

支援

シリアス物にオタクを出したスレを見たいという願望をあなたは叶えてくれた。


純愛ゲーが多いとは……
このオタクとは仲良くなれそうだ

正当防衛で通せたんじゃないの?
以前から素行の悪いお父さんだったんだし

>>61
父親の暴行から身を守って…というのとはちょっと違うんだ
だからまぁ、よく考えても過剰防衛で減刑という程度だと思う

実際はともかく正当防衛だと言いはる、っていう意味なら、
ただの高校生が警察相手にそこまで偽るのは無理なんじゃないか…と俺は思った

にしても、確かにこのあたりは全然書けてなかったな……

さて今日も投下をするか


――夕方 幼馴染の家 リビング


幼馴染「Zzz……」

幼馴染「――っ!」ハッ


幼馴染の母「――あら、起きた?」


幼馴染「え……?」

幼馴染「お母、さん……?」


幼馴染の母「あらあら、どうしたの? 顔色が真っ青よ?」

幼馴染の母「何か嫌な夢でも見た……?」


幼馴染「え? 夢って……」

幼馴染「……」

幼馴染「夢……だったの……?」


 ガチャン


幼馴染の父「おーい。帰ったぞー」


幼馴染の母「おかえりなさい」

幼馴染の母「この時間に帰って来るのは久しぶりね」


幼馴染の父「ああ、そうだとも!」

幼馴染の父「頑張って仕事を早く終わらせてきたんだ」

幼馴染の父「いやー、三人揃って食事ができるなんて、久しぶりだなっ」


幼馴染「……」


幼馴染の父「ん? どうしたんだ? 幼馴染……」

幼馴染の父「顔色がすぐれないぞ?」


幼馴染の母「それが、何か嫌な夢でも見てしまったらしくて……」


幼馴染の父「嫌な夢?」

幼馴染の父「それは、どんな夢だったんだ?」


幼馴染「えっと……」

幼馴染「私が、お父さんを殺しちゃった、夢……」


幼馴染の父「――――」

幼馴染の父「――――あっはっはっはっ」

幼馴染の父「殺した? 幼馴染がお父さんを?」

幼馴染の父「そんなこと絶対にありえないよ!」

幼馴染の父「幼馴染は優しい子だから、人を殺すなんてとてもじゃないけどできやしないっ!」

幼馴染の父「なんて非現実的な夢だったんだ! あははははははっ!」


幼馴染「……うん!」

幼馴染「そうだよね!」

幼馴染「――あれが夢で良かったっ!」

幼馴染「なんだかすっごく重くて、潰れちゃいそうだったんだ……」

幼馴染「――――」

幼馴染「――」


――朝方 男の家 客間


幼馴染「」パチッ


幼馴染「……」

幼馴染「……やっぱり……」

幼馴染「あっちが、夢だった……」

幼馴染「……」

幼馴染「私は、あの人を殺した……」

幼馴染「苦しくて、辛くて、憎くて……殺した……」

幼馴染「あの感情が全部夢だったなんて、さすがに、都合が良すぎるよ……」


幼馴染「――」

幼馴染「――さて、起きよう」

幼馴染「そろそろ男も起きてくる」

幼馴染「せめて、美味しい朝ごはんを、作ってあげよう」


――朝 男の部屋


男「……」

男「……もう、朝か……」


男(――)

男(……死体を隠してから、もう二週間が経った……)

男(その間、なんの変化もなく、まるで以前と同じように普通に生活をすることができている……)

男(変わったことと言えば、二つだけ……)

男(毎朝、食い入るように新聞を隅の隅まで読んで、死体が発見された記事はないかと探す習慣がついたことと……)

男(……夜、なぜだかひどく目が冴えてしまって、ほとんど眠れなくなってしまったこと……)

男(それ以外は、今までと同じ、日常だ……)


男「…………」

男「そろそろ、幼馴染が朝食を作る時間だな……」

男「起きるか……」


――朝 学校 教室


男「……」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「おう。おはよう」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「なんだ、寝不足なのか」

男「今期は確かに豊作だが、リアルタイム視聴はほどほどにしとけよ」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「……ああ、すまん。深夜アニメじゃなくてSS深夜VIPか」

男「お前、滑舌悪くて時々聞き間違えちまうんだよ」

男「もうちょっとはっきりしゃべってくれ」


キモオタ「――それはすまなかった」


男「そう、それでいい」


キモオタ「――」

キモオタ「そんなことより、お前のほうはどうなんだ?」

キモオタ「お前もここ最近ずっと、どこか顔色が悪いぞ?」


男「そうか?」


キモオタ「いやまぁ、俺の気のせいかもしれない、って程度だがな」

キモオタ「……」

キモオタ「……そういえばお前、幼馴染の父がいなくなってから、幼馴染と一緒に暮らしてるんだよな……」

キモオタ「まさか、朝までベッドでイチャイチャしてて寝不足なんじゃ――」


 ガツンッ


キモオタ「――ぐぬっ」

キモオタ「何をする」


男「アホ」

男「そんなわけねーだろ馬鹿」


キモオタ「……」

キモオタ「だけど、世間体的に、そう見られても仕方がないぞ」


男「……」


キモオタ「……お前、両親が居ないだろ?」

キモオタ「そして、今は、幼馴染も、だ……」

キモオタ「さっきのは俺のただの冗談だが、実際に、影では噂になってるらしいぞ」


男「……」

男「俺と、幼馴染が……?」


キモオタ「そうだ」


男「……ふん」

男「まぁ、言いたいやつには言わせておくさ」

男「別に、俺たちがそれで何か困るってことはないからな」


キモオタ「……」

キモオタ「……お前、変わったな……?」


男「?」


キモオタ「今までのお前だったら、そんな噂、放っておかなかっただろうに……」

キモオタ「そういうの、必要以上に気にしてしまうタイプじゃなかったか?」


男「……」

男「まぁ、そうだったかもなぁ……」


 キーンコーンカーンコーン


キモオタ「おっと、もう時間だ」


男「席につくか……」


――夕方 男の家 リビング


幼馴染「ねぇ……」


男「ん……?」


幼馴染「……今更だけど、さ……」


男「ん?」


幼馴染「どうして、私のことを、助けてくれたの……?」


男「……」


幼馴染「……あれは、私と、私の父の間だけの問題だったのに……」

幼馴染「男は、助けなくても良かったのに……」


男「……なんだ、嫌だったのか?」


幼馴染「そうじゃなくて!!!」

幼馴染「そうじゃなくて……」

幼馴染「……だって、男は私のために色々してくれて……」

幼馴染「あんなことをしてしまえば、男だって、罪を負うのに……」

幼馴染「いや、罪だけじゃなくて……もっと本質的なものを、失ってしまうのに……」

幼馴染「どうして……」


男「……」

男「……どうして、か……」

男「…………」

男「……俺にも、よく、分からないな……」


幼馴染「馬鹿なことを言わないでっ!!」

幼馴染「私なんて、助けなければ、男は、普通の日常を送れたはずなのに……」

幼馴染「私なんかを……」


男「……」

男「お前を放っておいて、普通の日常が送れるのなら、俺はそうしていたよ」


幼馴染「……」


男「送れないから、助けるしかなかったんだ……」


幼馴染「……」


――夜 男の部屋


男「……」


男(……先ほど、助けた理由は分からないと言ったが……)

男(あれは、嘘だ……)

男(俺には明確な、理由がある)


男(――)

男(俺の両親は、今から十年前に交通事故で亡くなった)

男(その時、俺は、親戚の家に預けられることになった……)

男(……そして俺は、ただその現実に、従っていた……)


男(だけど、親戚の叔父さんと一緒に家を出たところで、幼馴染に会ったんだ……)

男(……幼馴染は、俺と離れ離れになるのが嫌だと、そう言い、泣き喚いた)

男(――それはもう見事に、小さな子どもが駄々をこねているような、思い切った泣きっぷりだった……)


男「――ふふふっ」


男(思い返しただけでも、笑いがこみ上げてくる……)

男(まさかあいつが――普段おとなしいあいつが、あんなに大声で喚きながら泣くとは思ってなかったからな……)

男(……もしかしたらそこは、感動して俺も泣くべき場面だったのかもしれないが……)

男(その時の俺も、幼馴染のその泣き方がおかしくて、笑ってしまっていた)

男(大声で泣く幼馴染と、それを見て腹を抱えて笑う俺……)

男(なんともまぁ、想像してみると面白い光景だ……)


男(……)

男(とにかく、その後色々とあって、俺は結局この家に一人で残ることになった)

男(幼馴染の号泣に引きずられるような形になったわけだ)

男(そしてそれからは、困ったことがあれば、幼馴染の父や母に相談したりして過ごしていた)


男(今考えれば、随分おかしな話だ……)

男(10歳より下の少年が、一人暮らしを始めるなんて……)


男(……)

男(――幼馴染が、俺のために号泣したその時……)

男(俺の中に、形容しがたい強い衝動が生まれた……)

男(――こんなに俺のためにここまで泣いてくれるのなら、俺は、こいつのために生きるべきなのではないか……)

男(そんなことを、思い)

男(そして俺は、その考えを、そのまま受け入れてしまったんだ……)


男(……好きだとか、惚れただとか、そういう恋愛感情とは、少し違う)

男(もっと、奥の奥で、俺は、幼馴染のことを大切に思ってしまっている……)


男(――)

男(……思い返してみれば……)

男(幼馴染の父が、幼馴染に殺されたんだと知った時……)

男(……俺は、幼馴染がどんな動機で殺したのかも知らないまま……)

男(あいつを、助けなくちゃいけないと、思ったんだった……)

男(……なんの、躊躇いもなく……)

男(……)

男(――よく考えれば、これは異常だな……)

男(俺は、狂っている……)


男「ふふふ……」

男「……そうだな、俺は、狂っている……」


男(――)

男(――もし、俺が、狂っていなかったとしたら、どうなっていただろう?)

男(……)

男(……きっと、俺は、警察に自首するよう、幼馴染を説得していただろう……)

男(そして幼馴染は消え、一人残され……)

男(その状態で、普通の日常を送っていただろう……!!)

男(胸には虚無感と、強烈な寂寥……)

男(しかし、そんな痛みを抱えてなお、俺は、普通に生活ができていただろう……)

男(……少なくとも、死体を解体するなんていう、狂気の沙汰としか思えないような行動は、しなくても済んだはずだ……)

男(……)

男(俺は、狂っていたせいで、とんでもない苦痛を味わうことになってしまったんだな……)


男「…………」

男「……だけど、それで、良かった……」

男「狂っていて、良かったと、そう思える……」

男「……」


――明け方 男の部屋


 ピロロロロロロッ


男「――んぁ?」

男「なんだ? ようやく、眠りにつけたと思ったのに……」


 ピッ


男「……はい」


キモオタ「――男か?」


男「ん、そうだ……」

男「キモオタか? ……一体、今何時だと……」


キモオタ「緊急事態だ」


男「あん……?」


キモオタ「――昨日の夕方頃」

キモオタ「父は帰宅してすぐに、急な呼び出しを食らって家を出て行った」


男「――――」


キモオタ「そして深夜になって、父は一度家に戻ってきた」

キモオタ「そしてこう漏らしたんだ」

キモオタ「――『町外れの廃工場で、バラバラ死体が発見された』」


男「!!?」


キモオタ「――発見したのは、工場を探検していた小学生」

キモオタ「その死体の状態の酷さに、随分と衝撃を受けたらしいが……」

キモオタ「とにかく、そういうことだ……」


男(――それは、衝撃をうけるだろう……)

男(バラバラ死体なんて、普通の人間じゃあ、決して見ることのできないものだ……)

男(小学生の時なんかに見れば、それこそ一生もののトラウマになりかねない……)


男「……」

男「事件のことは、分かった」

男「だけど、どうしてそれを、俺に……?」


キモオタ「…………」

キモオタ「……なんとなく、お前に必要そうな情報だと、思ったからだ」


男「!!!」


男(……間違いない!)

男(こいつ、気づいて……!)


キモオタ「……」

キモオタ「……警察の動きは、お前が思っているよりも迅速だぞ」

キモオタ「先に先に行かなければ、裏をかくことはできない……」


男「……っ!」

男「分かった……!」


キモオタ「……じゃあな」

キモオタ「せめて、悔いが無いように……」


男「――ああ」

男「ありがとう……!」


 ピッ


男「――――」


男(――こうなったら、もう、キモオタが言うように、時間との戦いだ……)

男(出来る限り早く、この場所を離れなくてはならない……!!)

男(……ここから、逃げなくては……!!)

今日はここまで

実際問題正当防衛だろうが親殺しのレッテルは貼られるからなぁ

気体

日本でそれまで真っ当に生活してたような奴からすれば
有罪判決どころか刑事被告人になったって事実だけで社会的に死ぬには十分だからな
無罪推定? 知らない子ですね

支援

くっさ

>>97
すまんな

じゃあ今日も投下始めます


――朝 電車内


 ガタン ゴトン


男「…………」


幼馴染「…………」

幼馴染「……それで、えっと……」

幼馴染「私たちは、どこに向かっているの……?」


男「……うーん……」

男「正直、目的地はまだ決めてないんだよな……」

男「……むしろ逆に、幼馴染はどこに行きたい……?」


幼馴染「え……?」

幼馴染「……うーん」


男「……とりあえずは、北に向かってるんだけど……」


幼馴染「え? どうして北に?」


男「だって、昔から、逃亡する人は北に行くって言うだろ?」


幼馴染「え? なにそれ?」


男「いや、俺もそう聞いたことがあるってだけなんだけどな……」

男「――」

男「まぁ、そんな冗談はともかく……」

男「一般的に、日本だと南の方に人の多く集まる都市があって……」

男「北の方には、そういう都市があまりない」

男「だからまぁ、北に行った方がいいんじゃないかと……」


幼馴染「ああ、それで……」


男「……だけどそもそも、人が多い場所にいけばいいのか少ない場所にいけばいいのか……」

男「どこに行けばうまく逃げられるのか……さっぱり分からない……」

男「正直、どうすればいいのか……」


――とある町


幼馴染「うわぁ……雪で真っ白っ!」

幼馴染「北国、って感じだね」


男「俺達が住んでたとこは、あんまり雪とか降らないからな……」


幼馴染「それに海も見えるっ」

幼馴染「冬の海って、すごく寒そうだね」


男「俺達が住んでたとこは、海とかも無いからな……」


男(……それにしても、幼馴染、妙にテンションが高くなってやがる……)

男(もともと感情の浮き沈みが激しいタイプだったが、最近、それも顕著になったな……)


幼馴染「せっかく来たんだから、町をぐるっと回ってみようよっ」


男「はいはい……」

男「だけどその前に、泊まる場所を探さないとな――」


――夜 ビジネスホテル 二人部屋


 ガチャ


幼馴染「――はい。というわけで、コンビニで適当に買ってきたよ」


男「ああ、おかえり……」

男「……」

男「って、お前、これ全部菓子パンじゃねーか……」


幼馴染「え?」


男「え? ってお前……」

男「俺は普通の弁当が食べたかったんだがな……」


幼馴染「――――」

幼馴染「ご、ごめんね!」

幼馴染「今から買ってくるからっ!」


男「!?」

男「お、おいちょっと待てっ」 ガシッ


幼馴染「!!」


男「――いや、俺が悪かった」

男「別に菓子パンでも構わないって」

男「こういう状況で、あれこれ言う俺の方がおかしかった……」


幼馴染「……そう、なの?」


男「ああ、そうだ」


男(……ちょっとしたことで、すぐにナイーブになる……)

男(やはり、相当、精神的に疲れているのか……?)


幼馴染「……」

幼馴染「……ごめんね……」


男「?」

男「だから別に良いってば」


幼馴染「そうじゃなくて、今みたいなこと……」

幼馴染「私、男に嫌われたくなくて……」

幼馴染「……なんだか、頭が真っ白になっちゃって……」


男「……」


 ギュッ


男「落ち着けよ……」

男「そう簡単に、俺はお前を嫌いにならないから……」


幼馴染「……」


男「……」


 ……シーン


幼馴染「――――」

幼馴染「――私、ずっと、男のことが好きだったの」


男「え――?」


幼馴染「……ごめん」

幼馴染「こんな、警察から逃げているなんて状況で、言うべきことじゃないかもしれないけど……」

幼馴染「……今言っておかないと、言いたいことが、全部、どこかに行ってしまような気がするから……」


男「……」


幼馴染「……ずっと……」

幼馴染「小学生くらいの頃から、ずっと……」

幼馴染「私は、男のことが好きだった……」

幼馴染「――」

幼馴染「だけど、それと同時に、男は、絶対に私を好きになってはくれないって、そう思っていた……」


幼馴染「……物心ついたときから、なんとなく、漠然と、思ってた……」

幼馴染「私の人生は、何を得ることもなく、空っぽのまま、終わっちゃうんじゃないかって……」

幼馴染「……」


男「……」

男「……俺も、好きだよ。幼馴染のこと」


幼馴染「……!」

幼馴染「ほ、本当、に……?」


男「――ああ、本当だ――」


幼馴染「――」

幼馴染「」ブワッ


男「……」


――とある町


男「……」


男(……逃亡を初めて、大体一週間程が経った……)

男(その間、ゆっくりと、ひたすら北のほうに向かっていた)

男(その先に何があるのか、分からないまま……)


男(……最近時々、頭の奥が、ひどく痛むことがある)

男(それはほんの一瞬で引いていくのだが、視界が瞬時に真っ暗になるほどの、強烈な痛みだ)

男(その原因がなんなのか、はっきりとは分からないが……まぁ、ストレスだとか、そういったもののせいなんだろうとは思う……)


男(――時折、自殺という二文字が、なんの脈絡もなくふいに意識に浮上してくる)

男(……閉塞された、どうすればいいのか、さっぱり分からない状況……)

男(死んでしまったほうが楽なんだろうと、本気で、考えてしまう……)


男(……だけど、ここまで、やってきた……)


  (キモオタ「……じゃあな」)

  (キモオタ「せめて、悔いが無いように……」)


男(……)

男(もう少しだけ、頑張って、みよう……)


 タッタッタ


男「お? 見つかったか?」


幼馴染「うん。やっぱり駅の近くにあるって」

幼馴染「ちょっと道が入り組んでるから、分かりにくいみたいだけど」


男「そっか……じゃあ、気長に道を聞きながら探してみるか……」


幼馴染「……でも、大丈夫?」


男「え? 何が?」


幼馴染「えっと、その、こうやって毎日ビジネスホテルに泊まってるけど、そのお金は……」


男「――ああ、それなら――」

男「町を出る時に、貯金をかなり下ろしてきたから」

男「しばらくは大丈夫だ」


幼馴染「そうなら、いいけど……」


――とある大きな公園 休憩所


男「――全然見つからねぇ……」

男「駅付近のビジネスホテルを探し始めてどれくらいか……」

男「なんで俺たちは、公園で休憩してんだ……」


幼馴染「道、とんでもなく入り組んでたからねぇ……」

幼馴染「もうちょっと休憩したら、また探しにいこうよ」


男「そうだな……」

男「……?」


幼女「……」


男「――ん? なんだ?」


幼馴染「女の子? それも、幼稚園くらいの……」


幼女「……」

幼女「」ブワッ

幼女「うわああぁぁぁぁぁああんっ!」


男「!!?」

男「唐突に号泣!?」

男「お、おい、どうしたんだ……?」


幼馴染「な、泣かないで」

幼馴染「ね?」


幼女「――――」

幼女「うわあぁあああああんっ!!」


――しばらく後


男「――つまり、お前は、両親とはぐれたってわけか?」


幼女「」コクン


男「それはまた、面倒な……」


男(さて、どうするか……)

男(……別に、ここに放っておいてもいいんだけどなぁ……)

男(……あんまり、目立つのもよくないし……)

男(……)

男(だけど……)


幼女「」ウルウル


男(放っておけないよな……)


幼馴染「――お母さんやお父さんとはぐれたのは、この公園の近く?」


幼女「」コクン


幼馴染「……じゃあ、一緒に、ここでお母さんとお父さんを待とうか?」

幼馴染「下手に動きまわって、入れ違いになったらマズいし……」

幼馴染「きっと、向こうも幼女ちゃんのことを探していると思うから……」


幼女「」コクン


男(……まぁ、こうなるよな……)

男(放っておいて、変な人達にさらわれたりしたら大変だし……)

男(……)

男(……変な人達か……)

男(俺も幼馴染も、立派な犯罪者だけどな……)


幼馴染「じゃあ、迎えが来るまで、ちょっとお話していようか」


幼女「」コクン


男「……じゃあ俺は、一人でビジネスホテル探しを続行するよ」

男「無事にチェックイン出来たら戻ってくるから」


幼馴染「うん」

幼馴染「ごめんね……?」


男「いいって」


――夕方頃


男「――さて、なんとかビジネスホテルの場所を突き止め、チェックインを無事に済ませてから、もう結構経つわけだが……」

男「…………」

男「……来ないな……」


幼馴染「うん……」


男(……)

男(しかし、よくよく考えたら……こういう場合は交番に行くのが一般的なんじゃないだろうか……)

男(もっとも、俺と幼馴染は交番になど絶対に近づきたくないわけだが……)


男「まだ、来ないな……」

男「もしかして、こいつ、捨てられたんじゃ……」


幼女「……」

幼女「」ブワッ


男「!!?」


幼女「うわあぁああああああんっ!!」


男「わ、悪かった!」


幼馴染「そういう事を言うのはやめてあげて!」


男「いや、ほんとに悪かった」


幼馴染「もうっ」

幼馴染「――大丈夫だよ、幼女ちゃん……」

幼馴染「きっとすぐに、お母さんかお父さんがやってくるから……」


――夜


男「……」


幼馴染「……」


幼女「……」


男(全然こねぇ……)

男(本当にこの近くではぐれたのか……?)

男(……)

男(だいたい、両親のほうが交番に行っていたらどうする?)

男(そして警察とかそういう人たちが、この子を探していたりした場合……)

男(一緒にいた俺と幼馴染は、何か事情聴取されたりしないか……?)

男(……)


幼女「」ウルウル


幼馴染「な、泣かないで! きっと大丈夫だから」


男(……でもまぁ、本当に警察とかが動いていたら、こういう大きな公園は真っ先に調べるよな……)

男(それがないってことは、まだ警察は動いていないということ……)

男(……)

男(こいつ、まさか本当に、捨てられたんじゃ……?)


幼女「……」

幼女「!?」ビクッ


幼馴染「……え? 急にどうしたの? 幼女ちゃん」


 ダダダッ


幼女「――――」


幼馴染「え? ちょっと待って!」


男「おい!」


 ダダダッ


幼女の父「――おーい!」

幼女の父「幼女ー!」

幼女の父「いないのかー!?」


 ダダダダダッ


幼女の父「……!!?」


幼女「!!」


幼女の父「おお! 幼女っ!!」

幼女の父「こんなところにいたのか!! 探したぞっ!!」


幼女の父「――おい、こっちにいたぞっ!!」


幼女の母「――え? 本当!!?」

幼女の母「良かった――――っ!」


男「……」


幼馴染「……」


男(……幼女は、再会した、自らの両親と抱き合っている……)

男(三人共、すごく幸せそうで……幸福そのもので……)

男(――あまりにも、遠くて……)

男(俺も幼馴染も、ただ、そこに立ち尽くすことしかできなかった……)


――夜 ビジネスホテル


男「……」


幼馴染「……」

幼馴染「あの幼女と、その両親……」

幼馴染「すごく、幸せそうだったねぇ……」


男「……」

男「そうだな……」


幼馴染「……」

幼馴染「ねぇ、私たちは、これからどうなると思う?」


男「――」

男「分からない、けど……」

男「うまく行けば、きっと、どこかで住む場所を見つけて……」

男「俺とお前の二人で、そこで生きていくことも、できるかもしれない」

男「そんな可能性も、ある……」


幼馴染「……」

幼馴染「私……」

幼馴染「子供を、作りたい……男と……」


男「――――え?」


幼馴染「さっきの光景を見てたら、なんだか、すごく幸せそうで……」

幼馴染「私も、あんな家族が、欲しくて……」

幼馴染「だから、お願い、できないかな……?」

幼馴染「――この前、私の事、好きって言ってくれたよね……?」

幼馴染「だったら……」


男「――いや、でもそれは……」


幼馴染「……」

幼馴染「私、もう処女じゃないんだ……」

幼馴染「あの男に、犯されちゃったから……」

幼馴染「あの、馬鹿で醜い、腐った男に……」

幼馴染「……」

幼馴染「なんだかあれ以来、全身からひどく、嫌な匂いがするようで」

幼馴染「だから……」


男「……」


幼馴染「汚くて、穢れていて……」

幼馴染「……やっぱり、嫌かな……そういうのって……」


男「……嫌とは、思わない……」

男「だけど、いいのか?」

男「こんな――」


 チュ


幼馴染「――――」


男「――――」


――明け方


男「……」


男(……そうか……あれから、朝まで……)

男(気が狂ったかのように……)


男(……)

男(いや、実際、気が狂っている……)

男(今のような状況下で、子供を作るなんて……)

男(馬鹿げている……)

男(もし仮に、子供が無事にできたとして)

男(こんな状況に置かれた俺と幼馴染に、まともに育てられるとは思えない……)

男(……最初から、無理な話なんだ……)


幼馴染「……」ムクリ


男「……?」

男「幼馴染? まだ起きて……?」


 スッ


男「――――」


幼馴染「――――」


 グッ


男(――幼馴染が、俺の首を、締めて……!!)


幼馴染「……ごめんね」


幼馴染「色々、想像してみたんだ……未来を……」

幼馴染「だけど、やっぱりうまくいかなかった」

幼馴染「私と男が、一緒に幸福になれる未来を、想像することはできなかった……」


幼馴染「きっと、無理なんだよ」

幼馴染「どうやっても、幸福には、なれないんだと思う」

幼馴染「だから――」


幼馴染「――少し苦しいかもしれないけど、ごめん……」

幼馴染「私も、すぐに、そっちに行くから……」


 グググッ


男(――――)

男(――地元から逃げ、北に向かい、そして、ただ偶然立ち寄っただけのこんな場所で……)

男(俺達は、死ぬのか……?)


男(……)

男(……だけど、それもいいのかもしれないな?)

男(幼馴染の言った通り……)

男(もうこの世界に、俺達が幸福になれる場所は、どこにもないような気がする……)

男(だったら、こういう終わり方も、いいんじゃないか……?)


 グググッ


男(……抵抗せず、受け入ようか……?)

男(このまま……)


男(――北の国で、逃亡した男女が、心中)

男(それは悲劇でありながら、ロマンチックで、美しい……)


 グググッ


男(――――)

男(――美しい……)


 グググッ

 ――ガシッ


幼馴染「……!!」


男(だけど、その美しさは……)

男(何か……違うような、気がする……)

男(――)

男(受け入れてはならないもののように、思うんだ……!)


男「――ごほっ! がはっ!」


幼馴染「……」


男「――はぁ……はぁ……!」


幼馴染「……どうして……」


男「……!」

男「生きないと……!」

男「生きないと、ダメだ……!」


男「死は決して、美しいものじゃない」

男「――美しく、思ってはならない」

男「……」

男「俺達は、生きるべきだ……」


幼馴染「――――」

幼馴染「だけど、どうやって!!?」

幼馴染「ここから、どうやって、生きていけばいいってっ!!」


男「――戻ろう」


幼馴染「も、戻るって……」


男「俺達の住んでいた、あの町へ……」

男「きっと……」

男「こんな俺達にでも、もし、幸福というものがあるとすれば」

男「きっと、あそこにしかないんじゃないかって、思う……」


幼馴染「それは……」

幼馴染「警察に、自首すると、いうこと……?」


男「――そうだ」


幼馴染「――――」

幼馴染「」ブワッ


――朝 帰りの電車の中


 ガタン ゴトン


幼馴染「……」


男「……」


幼馴染(……平和な、光景だ……)

幼馴染(柔らかな、優しい朝日が、まだ人の少ない電車の中を、照らしている……)

幼馴染(……)


幼馴染(……お父さん……)

幼馴染(私は、あなたが、憎い……)

幼馴染(憎くて――)


  ( ゲシッ! ゲシッ! )


  (幼馴染「この――! このっ――!!」)


  ( ゲシッ! ゲシッ! )


  (幼馴染「この、馬鹿な男のせいで……!!」)

  (幼馴染「全部……!」)

  (幼馴染「全部……っ!!」)


幼馴染(憎くて……)


  (幼馴染「あの男に、犯されちゃったから……」)

  (幼馴染「あの、馬鹿で醜い、腐った男に……」)

  (幼馴染「……」)

  (幼馴染「なんだかあれ以来、全身からひどく、嫌な匂いがするようで」)

  (幼馴染「だから……」)


幼馴染(憎くて……心の底から、大嫌いだけど……)

幼馴染(でも――)


幼馴染(……こんな、やさしい陽の光を見ていると、ふと、思い出してしまう)

幼馴染(最後はあんなふうになってしまったけれど、かつては、私を愛してくれていた、たった一人の父親だったということを……)

幼馴染(思い出して、しまう……)


幼馴染(今がどれだけ辛くて、苦しくて、憎しみばかりがあったとしても……)

幼馴染(かつて、私に大切な父がいたという事実は……)

幼馴染(……決して、消えない……)


幼馴染(……)

幼馴染(ああ――この世界は……)

幼馴染(思っていたよりもずっと、沢山の、愛で満ちているのかもしれない……)


――地元の駅



男「着いた……」

男「――」

男「少しの間、離れていただけなのに……」

男「すごく、懐かしい場所に戻ってきたような気がする……」


幼馴染「……うん……そうだね……」


男「…………」


幼馴染「…………」


男「――」

男「それじゃあ、行こうか……」


幼馴染「……また、会えるよね?」

幼馴染「これが、全部、終わっても……」


男「――――」

男「――もちろんだ」


幼馴染「うん、それじゃあ……行こうか――」

今日は以上です

このまま完結にしようかとも思ったんですが、
一応エピローグを書いてしまっているので、
明日あたりにまた投下します

おつ

おつ
ラスト期待

最後の投下を始めます
エピローグなので短いです


――とある刑務所 面会室


男「……」

男「お……?」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「おお、キモオタか!」

男「久しぶりだなっ!!」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「変わりないようでなによりだ……」


キモオタ「フォカヌポウwwwwww」


男「――しかしまぁ、前々から思ってたんだが……」

男「フォカヌポウwwwwwwっていう笑い方……」

男「――そのネタ、もう古いぞ?」


キモオタ「……………………」

キモオタ「…………マジ?」


男「マジだ」


キモオタ「……」


男「……」


キモオタ「ま、まぁそんなことは些細なことだ……」


男(動揺してる……)


キモオタ「――」

キモオタ「――それにしても、面会するのに苦労したぜ……」

キモオタ「ここの刑務所は、基本的に親族しか面会できないっていうルールだからな」

キモオタ「親父に頭を下げて、コネを使って、無理矢理にねじ込んでもらったが……」

キモオタ「なかなかに大変だった」


男「それは、わざわざすまんな……」


キモオタ「いやいいよ」

キモオタ「俺が勝手にそうしたいと思っただけだ」


キモオタ「――それよりか、何か欲しい物とかはないか?」

キモオタ「簡単なものなら、俺が用意できるが……」


男「……」

男「いや、今のところ特にないな……」


キモオタ「お前が望むなら、玲愛ちゃんの抱き枕を持ってきてやってもいいぞ」


男「…………………………………………………………………………」

男「……………………………………………………いや、別にいい」


キモオタ(今の沈黙長かったな……)


男「まぁ、そういうのは、ここを出てからにするよ」

男「……それよりも、幼馴染のほうの様子はどうなんだ?」


キモオタ「幼馴染か……」

キモオタ「直接会ったわけじゃないけど、特に問題は無いって聞いてるぞ」


男「そっか、それならまぁ、大丈夫なんだろう」


キモオタ「……」

キモオタ「――っと、そろそろ面会時間も終わりか」


男「おう、そうか」


キモオタ「それじゃあな、達者で――」


男「ああ――」



――刑務所 夜


男「……」


男(今では随分と、良くなってきたが……)

男(それでもこうして、なぜだか目が冴えて眠れない夜が、ある)


男(……とりとめのない思考が浮かんできては、また、消えていく)

男(――あの時俺は、どうすればよかったのか?)

男(――俺は、幼馴染のことをどう思っているのか?)

男(――俺はこれから先、幸福になることができるんだろうか?)

男(……)

男(答えなんて、どこにもない……)


男(だけど、いつか)

男(俺がここを出る時までには……)

男(こうした思考の中、大切な何かを、見つけなければならないんだと思う)

男(それは、俺だけじゃなくて……)

男(こうして、刑務所に入れられた人は、皆……)


――ある日の夜 明け方


男(――ある日、俺は夢を見た)


男(その夢の中で、俺は、幸福な生活を送っていた)

男(幼馴染にも、俺にも、優しい両親がいて……これ以上ないくらい幸せな日々だった)

男(皆、誰もが笑顔で、そして世界中がキラキラ輝いているように見えた……)


男(だけど)

男(だけど俺は、その幸せな夢を、許すことができなかった)


男(――俺は幼馴染の手を引き、その場を飛び出した)

男(その世界から逃げるように、走って走って走って……)

男(そして気づけば、俺の両親も、幼馴染の両親もいない、寂しく冷たい世界にやってきていた)


男(大切な人がいなくなった悲しみに、幼馴染はわんわん泣いた)

男(そして俺もまた、泣いてしまっていた)

男(泣いて泣いて泣いて……そうして、いつの間にか、夢から覚めていた)


男「――」パチッ


男(目が覚めた時、俺は本当に泣いていた)

男(幼馴染の父が死んでから、俺が涙を流したのは、これが初めてだった)


男(――心は、ひどく落ち着いていた)


男(ふと、部屋に一筋の光が差し込んでいることに気がついた)

男(太陽が、昇り始めている)


男(昨日とは違う新しい一日が、始まろうとしていた――)


――数年後 刑務所前


 ギィイイイ

 ――バタン


男「―――」

男「……久々に、塀のない外だが……」

男「やっぱり、気分がいいもんだな……」


男「さて――じゃあとりあえずは、家に帰るか……」

男「……」

男「家、さすがに無くなってたりとかしないよな?」

男「……まぁ、大丈夫か」

男「無かったら、適当にアパートでも借りれば……」


 テクテクテク


男「……しかし、家に帰ったら、どうするか……」

男「とりあえずは、働いて、お金を溜めなくちゃいけないかな……」

男「――幼馴染は、まだ中だろうからな……」

男「……」

男「先は、長い……」


――さらに数年後 自宅前


男「……さて、今日も働いてきた……」

男「疲れたな……」

男「今日は、飯も風呂も明日にして、さっさと寝るか……」


 スタスタ


男「……ん?」

男「誰かが、家の前に……」

男「!!!」


幼馴染「……」


男「お、お、お……幼馴染……」


幼馴染「……あ……」

幼馴染「男……?」


男「――――!!」


幼馴染「――――!!」


 ダッ!


男(――幼馴染と再開した時、最初にどうやって声をかけようだとか、そういうことは今までに何度もシミュレーションしていた)

男(だけど実際、彼女を前にした時、それらの考えは全部吹き飛んでしまった)

男(ただ、抱きしめて……涙が溢れて……)

男(二人でわんわんと、外で泣いた……)


男(――だけど、だんだんと、そうやって大声で泣いているのが、バカらしくなってきて)

男(気づけば二人で、笑っていた)


男(やがて、その笑いさえも収まった俺と幼馴染は……)

男(これからの未来についての話を、始めた――――)


         ―― 了 ――

これで以上です
全ての投下が終わりました

読んでくれて本当にありがとうございます!

乙!
こういう短い読み物もなかなかいいね

乙!

おつかれさまでした!

死体遺棄で数年食らうとはこりゃきっと余罪があったんだな
それに多分初犯じゃなかったんだろうなぁ、作中にそんなそぶりなかったけどまさか男が前科持ちとは

野暮なこと言うなよ

でもこの場合、多分男も幼馴染も執行猶予が妥当だと思うぞ
なんせ殺人犯の四人に一人は執行猶予だからな

死体遺棄は懲役三年以下ってどっかにあったから
大体2~3年くらいをイメージして数年って書いてた
適当ですまんな

こっちこそ野暮なこと言ってすまんな

ちなみにこれはただ俺が好きな逸話を見てほしいだけなんだが、
このスレと似たような事例で犯人をどうにか執行猶予の範囲に収めたかった裁判官が
「そもそも刑法200条は憲法違反なので無効だろ」とまで言って強引に減刑した有名な事件がある
この尊属殺違憲判決事件は裁判所や法律への見方が変わるので是非調べてみてほしい

つまり現在このケースだと執行猶予がつく可能性があるってことか?

というより、書く前に似た事例くらいは調べておくべきだったかな
いい加減なことを書いて申し訳ない

いやただのSSにそこまでは求めんよ、俺も過剰反応しすぎた
それと上述の事件はこのSSよりはるかに悪質なので、そのまま適用できるわけではないな
ただ家族間での殺人(≒となると余程の事情があったはず)、虐待の事実、
その他諸々は考慮してもらえるので、たとえ人殺しと言えど必ずしも刑務所に入れられるとは限らない

現実に即しているほうがそりゃいいだろうけど
幼をちゃんと待った男の姿を書きたかったなら実際の事例と違ってようが構わないと思う
心情的なリアリティーのない作品は駄作だけど、舞台装置にリアリティーがあれば面白いわけでもない(よっぽど現実離れしてなければ
こういう逃げ道とか行き場のない話が好きだから、楽しかったです

尊属殺については有名な事件があるから、それくらいは調べてほしかったな

日本ならな
海外で尊属殺なんぞしたら事情の考慮なにそれ状態で
魅せしめ死刑待ったなしでもおかしくない

まさかとは思いますが、その「海外」とは(ry
中東だかアフリカだか中国の奥地だか知らんが
このSSの舞台がそこいらだとは到底思えないな

まともな法体系があれば情状酌量の余地があることくらい認められるだろう、このケースの場合はさ

男がもの知ってたら最初から警察連絡して正当防衛+自首+精神鑑定で無罪放免か悪くても執行猶予狙うのが賢い選択ではあっただろうな
緊急時にそんなこと考えて動ける奴がどれほどいるか知らないけど

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