花陽「QB始めました」 (81)
あらすじ:μ'sにびっくりする事がおきていた
『ラブライブ!』と『魔法少女まどか☆マギカ』とのクロスです
どちらの話も知っていることが前提となりますので、ネタバレがあります
要素として元ネタがありますが、最後近くになると分かる人には分かると思います
それでは投下していきます
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花陽「QB始めました」
凛「きゅーべー? 何それかよちん?」
花陽「魔法少女のマスコットだよ♪」
凛「なにそれすごい!」
ことり(花陽ちゃん、まどマギごっこかな?)
花陽「どんな願い事でも何でも一つだけ叶えてあげるよ? でも、その代わりに魔法少女になって欲しいの!」
凛「かしこくなりたいにゃ!」
ことり(即答だね)
花陽「凛ちゃん、それがあなたの願いなの?」
凛「にゃ!」
ことり(凛ちゃん、ノリ良いな──え?)
花陽「さあ、受け取って。それが凛ちゃんの運命だよ」
ことり (な、なんか凛ちゃんが光ってる!?)
凛「力が溢れてくるにゃ!」ピカー
ことり「え!? ええーーーっ!?」
凛「凛の胸からなんか出てきた!」
花陽「ソウルジェム。それで魔法少女に変身できるんだよ!」
凛「すごいにゃ!」
ことり「あ、あの……花陽ちゃん? どういう仕掛けなの?」
花陽「? 私はQBだから」
ことり(あ、まだ演技続いているんだ……。電球でも仕組んでいたのかな? でも、ソウルジェムが──)
凛「──あらゆる願いを一つだけ叶えることの代償が魔法少女になること、か。凛は早まった真似をしてしまったのかもしれないな。
テレビジョンでは魔法少女になるという現象をメリットと考えることが一般的だ。それは何故か?
魔法という力で超常の力を振るうことができるからだ。セオリーとしては戦いに巻き込まれることになるだろうが、
それはデメリットとしていささか小さい。何しろ、願い事を一つ叶えてもらっているからね」
ことり「り、凛ちゃんが、賢くなって、いる……!?」
凛「花陽氏。君は嘘をつくのかい?」
花陽「私は嘘はつかないよ。真実しか言わない。でも、都合が悪いことも言わないよ」
ことり(あ、この辺はアニメと違うんだ)
凛「それでは質問させてもらおう。凛が魔法少女になることで得る君のメリットは何か?」
花陽「宇宙の寿命が延びるんだよ♪」
凛「なるほど。あまりにも膨大な宇宙は寿命が近づいているのか。しかしながら、それが魔法少女になることとの
関連性に結び付けるためには、あまりにも情報が少ないな」
凛「ことり氏。君は何か知っているね?」
ことり(凛ちゃんって、凄い演技力を持っていたんだね……)
ことり「この場合、わたしは知らないふりをした方が良いのかな?」
凛「ふむ。ことり氏は今、目の前にある現実を絵空事のように考えているということか」
凛「良いかい、ことり氏」
ことり(ことり氏って何か変な呼ばれ方だよね)
凛「これは現実だ。さあ、ソウルジェムよ。一つの真実を見せたまえ」パアッ
ことり(……うそ……。凛ちゃんが、変身した……!?)
凛「なるほど、これが魔法少女の姿か。何かと便利そうだ。さて、ことり氏。これで少しは信じてもらえたかな?」
ことり「」
凛「絶句とは今のことり氏のことを言うのだろう」
凛「では、花陽氏。魔法少女は何と戦えば……にゃにゃっ!!」パキーン
花陽「凛ちゃん。自分のあまりの賢さに、耐え切れなくなって絶望しちゃったんだね」
凛「マキリンパナ」ゴォ!
花陽「ありがとう、凛ちゃん。凛ちゃんが魔女になったおかげで膨大なエネルギーが手に入ったよ♪」
チェンジ!マジョクウカン!
花陽「ことりちゃん、気をつけて。出て来るよ! さあ、今すぐ私と契約しよう♪」
ことり「──そこでわたしの夢は覚めちゃったんだ」
希「夢落ちかい!」
海未「はぁ、ことり。馬鹿なことを言っていないで始めますよ」
ことり「はーい」
凛「夢の中の凛はカッコいいにゃ!」
花陽「……」
絵里「機材の準備、出来たわよ」
真姫「まったく、ことりちゃんも時々変なことを言うんだから」コマッチャウワ
希「まぁ、ええやん」
にこ「希が真っ先に突っ込んでいたくせに」
絵里「まぁまぁ、古典的な夢落ちもことりらしいじゃないの」
穂乃果(──いや、それは違う)
穂乃果(ことりちゃんの語った話は夢なんかじゃない)
穂乃果(何故ならば、私もインキュベータと契約した魔法少女だから)
穂乃果はこれ美国織莉子ポジションか?
未来予知で見てると見た
穂乃果(固有魔法はサブミッショ──時間遡行)
穂乃果(私はことりちゃんを助けるために何度も同じ時間を繰り返しているのだ)
海未「ほら、穂乃果も準備をしてください」
穂乃果「……うん」
穂乃果(そして、判明したこと。花陽ちゃんはインキュベータと呼ばれる存在であることは間違いないし、
ある程度のループで凛ちゃんは魔女になってしまっている)
穂乃果(しかも、この私の体験が去年放送された魔法少女まどか☆マギカというアニメにそっくりなのだ)
穂乃果(いつだったかのループの時に、ことりちゃんに見せてもらい驚いたのを覚えている)
絵里「それじゃ、撮るわよ」
穂乃果(暁美ほむらという少女が私の立場にちょうど重なる)
穂乃果(度重なるループの中でこれは偶然という結果に落ち着いた)
希「生放送やからか、ウチ緊張してきたんやけど」
絵里「や、やめてよ。私も緊張してくるじゃない……」
穂乃果(幾千幾億分の一の確率なのだろうという話もあったが、脚本家が無意識に予知能力を働かせていたに違いない)
ことり「それにしても、よく機材を準備できたよね」
真姫「ふふん、私が頑張ったのよ」
にこ「はいはい、えらいえらい」
凛「矢澤さん、てきとうですにゃ」
にこ「世界の矢澤をなめるんじゃないわよ!」
海未「まったく、ニコ。ノリが良いのも良いですが、埒があかないのでその辺にしておいてください」
にこ「はーい」
穂乃果(いや、今はそれはどうでも良い。問題はそんなことではないからだ)
穂乃果(ループの九割で私はワルプルギスの夜を単体で撃破しているし、七割で全員の生存に成功している)
穂乃果(それなのに、必ず最後にはことりちゃんが魔法少女になり、魔女と化すのだ!)
絵里「──皆、準備は良い?」
海未「……大丈夫そうですね」
穂乃果(花陽ちゃんは確かにQBなのだが、本当に善意で行っている行動であり、あと、割とちょろい。
ほむらみたいに銃殺に走らなくても何とかなる存在なのだ)
穂乃果(ちなみにほむらみたいにやってみたこともあるのだが、代わりの花陽ちゃんは現れなかった)
穂乃果(それどころか、現実的に葬儀が行われた。……最悪の記憶の一つだ)
海未「ほら、穂乃果。あなたがリーダーなのです。始めが肝心ですよ」
穂乃果「……うん、分かってる」
穂乃果(つまりそれは、QBが花陽ちゃんの他にも存在することを示す)
穂乃果(そして、それは度重なるループの中で、μ'sのメンバーの中に居ることが分かっている。それは何故か? 簡単だ)
絵里「それじゃ、μ's生放送ライブスタート!」
穂乃果(ループの中で繰り返してきた生放送ライブ。今回もまた、私のこの一言から始まる)
穂乃果「こちら音ノ木坂学院μ's──」
穂乃果「──生きている人いますか?」
穂乃果(μ's以外の人間は絶滅している)
──QB始めました CROSSKA†HONOKA編 終──
いつものことですが、未定と言いながら寝る前に投下
花陽(私が覚えているのは、誰かに、QBにしてもらったことだけだった)
花陽(それが誰だったのかは分からない。だけど、近しい人だったような気がする)
花陽(私はQBになった瞬間、宇宙の危機を知った)
花陽(そして、私が頑張れば地球というちっぽけな犠牲で宇宙が救われることも分かった)
花陽(宇宙には地球以上に発達した星々が数えきれないくらいに存在する)
花陽(だけど、感情を持つのはごくごく一部で、その中でも最も優れているのが地球人だった)
花陽(宇宙全体が地球だとして考えると、地球は人間一人以下の存在でしかない)
花陽(良心は痛むけど、私が頑張らなくちゃ!)
花陽(こうして、私のQBとしての日々が始まった)
花陽(QBは便利だ。世界中あらゆる場所に一瞬で行くことができる)
花陽(テレパシーであらゆる言葉に対応できる)
花陽(一部の魔法少女の願いから除外される)
花陽(私はその力を使って、まずは何かに困っている人を片っ端らに契約していった)
花陽(どうやら私以外にもQBが居るらしく、一ヶ月で地球の人口は半分まで減った)
花陽(私自身も寝る間を惜しんで頑張った成果があったのかな?)
花陽(加えて私は微妙に時間を止められるらしく、同時間に何人も契約することができた)
花陽(何かに困っている人は際限なく居たし、人知れず魔女の犠牲になる人も多かったから楽と言えば楽だったんだけど)
花陽(犠牲になる人を魔法少女にできなかったのはもったいなかったなぁ)
花陽(でも、頑張って頑張って、本当に頑張って! 気付くと数ヶ月が経過していて、人間は音ノ木坂の周辺にしか居なくなっていた)
花陽(……無意識に知り合いを後回しにしていた結果なんだよね)
花陽(同時に、他のQBたちのほとんども消え去ってしまったようだった)
花陽(一ヶ月程前から明らかに、魔法少女になったほとんどの人が私と契約した人ばかりになっていたからだ)
花陽(魔法少女は素質に左右されるけど、大抵のあらゆる願いを一つだけ叶えることができる)
花陽(自分自身の願いのために魔法少女になる人が居れば、他の人のために魔法少女になる人も少なからず居た)
花陽(『男の人も魔法少女になれるようにしてください』)
花陽(優しい小さな女の子の願いだった)
花陽(魔法少女という言葉に矛盾は出てくるけど、素質に溢れたその子の願いは叶えられた)
花陽(結果、QBたちの契約のスピードは何倍にも跳ね上がった)
花陽(QBの目的を察する頭の良い人も居た)
花陽(『QBを消し去ってください』)
花陽(才能は平凡だった。だから、優秀なQBはその願いの対象にならなかった)
花陽(私は優秀なQBだったらしい)
花陽(全てを知って、概念を変えようとする人間としては素晴らしい人が居た)
花陽(『魔法少女のシステムに救いを与えてください』)
花陽(才能に溢れていたけど、その願いはあまりにも大き過ぎた)
花陽(一部だけど願いは叶えられる)
花陽(人々に魔法少女の記憶は残らなくなり、人間は絶望に対してある程度の耐性を手に入れたようだった)
花陽(だから、世界に私たち九人しか人型の生き物が居なくなっても、不思議に思う人は居なくなった)
花陽(……穂乃果ちゃん以外には)
花陽(穂乃果ちゃんはすでに魔法少女だった)
花陽(私が契約した記憶はないので、他のQBと契約したんだと思う)
花陽(色んなことに気付けるような願いを穂乃果ちゃんはしたんだろう)
花陽(九人になってから、私が契約に成功したことは一度もない)
花陽(ことりちゃんの見た夢のような展開になりかけたこともあったが、穂乃果ちゃんに邪魔をされた)
花陽(要所要所で必ず穂乃果ちゃんが妨害をしてきたことから、予知能力に近い願いだったのかもしれないとも思う)
花陽(でも、本当に痛かったのはことりちゃんが夢の話をしてしまったこと)
花陽(偶然だったのだと思うけど、そのせいで皆が魔法少女の話を冗談だと考えるようになってしまった)
花陽(でもでも! 困った時こそ最も信頼できる友達に相談しなくちゃ!)
花陽「──ねぇ、凛ちゃん。私のお願い聞いてくれる?」
凛「かよちんのお願いだったら、何でも聞いてあげるにゃ!」
花陽「ありがとう──凛ちゃん♪」
──QBになりました 善意のQB編 終──
このかよちん怖い。そして、優秀
この物語はことりちゃんを魔法少女にするQBを見つけるお話です
CROSS†CHANNEL要素は人類滅亡とループぐらいしかありません
さて、一体誰がそのQBなのか? 今の段階ではまだ分からないと思います
とりあえずここまでで一人は確実に除外されますが
おはよう
ごめんなさい。悲惨なシーンになりますので注意
穂乃果「──させないよ!」
花陽「……」
凛「あれ? 穂乃果ちゃん、どうしてそんな怖い顔をしているんだにゃ?」
花陽「凛ちゃん! 早くお願いごと言って!!」
凛「お願いごと……?」
花陽「早くっ!!」
凛「う、うん。か、かよちんがいつも笑っ──」
花陽「時間よ、止ま──」」
穂乃果「──ごめん、花陽ちゃん」
穂乃果(護身用に持っていたナイフを私は深々と花陽ちゃんの首に刺す。……なりふり構わない花陽ちゃんは稀に居る。
そして、そんな彼女はとるに足らない存在ではなくなる)
穂乃果(QBは時間を止めることができるらしい。でも、私の固有魔法のせいか少しだけ逆らうことができた)
穂乃果(……その結果、だ)
凛「……え……? ……かよ、ちん……?」
穂乃果(仕方がない。一度は行っていることだ)
穂乃果(そんな言葉で自分を騙しながら、一秒でも早くQBの息の根を止めにかかる)
穂乃果(人体の急所は知り尽くしている)
穂乃果(ごめんなさい……花陽ちゃん……)
穂乃果(慰めにもならないそんな言葉を彼女に向け、QBは動かなくなった)
穂乃果(……誰かの慟哭が聞こえる)
凛「……も……」
凛「よくも! よくもっ! かよちんをっ!!」
穂乃果(反射だった。私の持っていたナイフが凛ちゃんを貫く)
穂乃果(貫く? 何が? 誰を?)
穂乃果(何で凛ちゃんが赤いの?)
凛「……ゆるさない……ゆる、さ、な……い……」
穂乃果(……あぁ……)
凛「……かよちん……」
絵里「花陽ー。ちょっと相談が──えっ!?」
穂乃果(…………)
穂乃果「あ! えりちゃんだぁ」
絵里「穂乃果? 何……やって、いるの……?」
穂乃果「わるいゆめをほのかはみているんだぁ」
絵里「……私も、殺すの?」
穂乃果「これはゆめだよゆめ」
絵里「……ああ……もう駄目、なのね……」
穂乃果「あはははははははははっ!!」
穂乃果(殺した殺した殺したころしたころしたころシタコロシタ!)
希「なに、やっとんの……穂乃果ちゃん!!」
穂乃果「ほのかはまいにちどりょくしているからつよいんだ!」
希「な、なに言って──」
穂乃果「ほらァかててでヤれるよ!」
希「う、が……ぁ……ごほっ……!!」
穂乃果「ことりちゃんをまもるんだカラ!」
海未「ほのかぁ!! 今、私が正気に戻してみせますっ!!」
穂乃果「ふルエているよウミチャン」
穂乃果(……う、みちゃん……?)
穂乃果「シッテタ?」
穂乃果「ほのかのほうがツヨインダヨォ」
穂乃果(……わたしが、みにつけた、ちからは、こんなことに……つかっちゃ
……)
海未「う、うそです……!?」
穂乃果「ダレよりも努りょくしていたんだよぉ」
穂乃果(なにやっているの……わたし……?)
海未「……それ、でも、私は……穂乃果のことがぁ……すきでし──」
穂乃果「わたしつよいでしょ」
穂乃果(……ぁ……)
海未「…………」
穂乃果「うみちゃん?」
海未「…………」
穂乃果「つまんない」
真姫「ことりちゃんっ!」
ことり「どうしたの? 真姫ちゃん」
真姫「急いで逃げるわよ!!」
ことり「? どうして?」
真姫「話している時間も惜しいのっ!! 急いでぇっ!!」
ことり「!? う、うん、分かっ──」
穂乃果「まきちゃんはことりちゃんをキズツケようとシテイルネ」
真姫「っ!? ことりちゃん、はやくっ!!」
ことり「ほ、ほのか、ちゃん……?」
穂乃果「マモルンダ」
真姫「や、やめ──」
穂乃果(ザァーっとテレビの砂嵐みたいに目の前が見えなくなった)
穂乃果(気付くとことりちゃんが私の目の前に居た)
穂乃果(何だか悪い夢を見ていた気がする)
穂乃果(ことりちゃん……?)
穂乃果(何でそんなに──)
穂乃果「──オビエテいるのォ?」
穂乃果「ねぇ、ことりちゃん?」
穂乃果(ことりちゃんは何もしゃべらない。穂乃果が口を押えているからだ)
「私と契約して魔法少女になってよ♪」
穂乃果(──なに……今の……?)
穂乃果(……もどってきた、の……?)
穂乃果(ありえない……ありえないっ!!)
穂乃果(こ、こん……こんなぁあっ! ……ループはぁっ!!)
穂乃果(……今まで、一度も……なかったん……だか、ら…………)
『あはははははははははっ!!』
『私と契約して魔法少女になってよ♪』
穂乃果「うそだよ……。私、が……QBに……なって、しまった、の……?」
──QBなんですか? CROSSKA×HONOKA編 終──
ことり『お願いです。穂乃果ちゃんを、いつもの穂乃果ちゃんに戻してあげてください!』
穂乃果『……ことり……ちゃん……』
ことり『……えへへ……よかった……元の、穂乃果ちゃんだ……』
凛「かよちんのお願いだったら、何でも聞いてあげるにゃ!」
凛(きっとかよちんは何かに悩んでいる。親友の凛がかよちんの役に立つんだ!)
花陽「ありがとう──凛ちゃん♪」
凛(凛はかよちんの笑顔が大好きにゃ)
穂乃果「──させないよ!」
凛(穂乃果ちゃん……?)
あまりにも後味が悪いので次の話の冒頭も投下しています
【少しだけここまでのまとめ】
・人類はQBを含み九名以外全滅している
・穂乃果はループをしている
・花陽はQB。だけど、死亡時もことりは魔法少女化している(犯人候補1)
・花陽をQBにした人物が居るらしい
・穂乃果もQB?(犯人候補2)
・QBから確実に除外されているのは現時点で一名
【ヒント的なもの】
・****と****は同じループ内とは明言していない
・CROSSKA×HONOKA編は穂乃果が狂乱したため不明点が多い
・QBの定義は人を魔法少女に変化させる力を持ち、結果宇宙延命措置を行っている存在
QuickBASICかと
と言うか>>1のID
花陽「また邪魔するの? 穂乃果ちゃん」
穂乃果「当たり前だよ! 凛ちゃんは花陽ちゃんが思う魔法少女になんか絶対させない!」
凛(にゃにゃ? 魔法少女?)
花陽「これ以上邪魔をすると、流石に私も怒りますよ?」
凛(……かよちん、その顔は怖いよう……)
穂乃果「怒って何をするの?」
花陽「……下駄箱に画びょうを入れたり、机の上に、は、花っ! を置いちゃいますっ!」
凛(か、かよちん、何てひどいことを考えているにゃ!)
穂乃果「……刺殺とか毒殺とか、そういう答えじゃないんだ……」
花陽「ひ、ひどいです! そんなことを考えるなんて穂乃果ちゃん、悪魔です!」
凛「ひどすぎるにゃ……」
穂乃果「……はぁ」
凛「穂乃果ちゃん、ものぐごく深いため息だにゃ」
穂乃果「まずは話し合おう。急ぎじゃないでしょう? 花陽ちゃん」
花陽「う、うん、そうですけど……」
凛(なんかよく分からないけど、話し合いが始まるらしいにゃ)」
穂乃果「凛ちゃん。これはあなたに関するとても重要な話になるから、しっかり聞いてね?」
花陽「分かんないことは花陽がきちんと答えるよ。聞かれないと答えないから注意だよ」
穂乃果「……インキュベータって皆そうだよね」
花陽「嘘はつかないけど、聞かれないと真実は答えないそれがQBです」
凛「んー? きゅーべー、なんか聞き覚えがあるような……」
穂乃果「ことりちゃんの夢に出てきた花陽ちゃんだよ」
凛「あ、そうだったにゃ!」
花陽「ことりちゃんのあの夢って、私がしようと考えていたことだったんです」
穂乃果「……実際、行っていたよ、花陽ちゃんは?」
凛「かよちん先生! 早速分かりません!」
花陽「わ、私も分からないかな。穂乃果ちゃん、どういうことなんですか?」
穂乃果「……まぁ、忘れるからいっか」
花陽「?」
凛(そう言って、穂乃果ちゃんは話し始めたにゃ。正直、凛は半分くらいしか理解できなかったけど、まとめるとこうにゃ。
1、穂乃果ちゃんは魔法少女で、魔法で同じ時間をグルグル繰り返いしているよ。
2、かよちんはQBって言って、宇宙の平和を守っているにゃ! かっこい!
3、かよちんは凛が魔法少女になると喜ぶにゃ!
4、でも、魔法少女は人じゃなくて、しかも魔女になると大変にゃ!)
凛「こんなところかにゃ?」
穂乃果「結構しっかり理解しているね」
花陽「ちょっと意外かも……」
凛「ふふーん、凛はかしこいにゃ!」
穂乃果「まぁ、そこまで理解してもらえたのなら、四番目が危ないというのは分かるよね?」
凛「でも、穂乃果ちゃん、魔法少女なんだよね?」
穂乃果「うん」
凛「すっごく普通の人にしか見えないにゃ」
花陽「うーん、そうだね、見た目は変わらないよ。変身すると衣装は変わるけど」
凛「すごいにゃ! 穂乃果ちゃん、変身するにゃ」
穂乃果「……私の変身後の姿って、音ノ木坂の制服をイメージしているからこのまんまなんだ……」
凛(穂乃果ちゃん……落ち込んじゃった……)
花陽「あ、朝の着替えの手間が省けますよ」
凛「そ、そうにゃ! 便利だにゃ」
穂乃果「……ありがと」
穂乃果「ええと、話を戻すけど、魔法少女と人の違いは不老であること、魔法少女の姿になれること、固有魔法が使えるっていう三点がそうだね」
凛「ふろう? ふろうふし?」
花陽「ううん。魔法少女は不死ではないの。ただ、歳をとらないだけ」
凛「つまり、凛が魔法少女になると、ずっとこのままなの!?」
花陽「うん、そうだよ。おばあちゃんになることはないよ」
凛「……もう少し胸がおっきくなってから魔法少女になるにゃ……」
花陽「えー!? 凛ちゃんそのままでも可愛いよ」
凛「嬉しいにゃ!」
穂乃果「私としてはそのまま諦めてもらって全然構わないけど、もう少し付け加えると身体は不老の肉体に変わり、魂はソウルジェムという
宝石のようなものに変化してしまう。これが壊れたり、穢れすぎたりすると死んだり、魔女になるから注意だよ」
凛(そう言って、穂乃果ちゃんはオレンジ色の綺麗な宝石を何もないところから出したにゃ)
凛「かしてかして」
凛(綺麗だにゃ! 欲しいにゃ!)
穂乃果「ごめん。さっき言ったようにこれが私の魂だから、貸せないよ」
凛「残念だにゃ」ガッカリ
花陽「でも、穂乃果ちゃんのソウルジェム、ぜんぜん濁ってなかったね?」
穂乃果「まぁ、私の固有魔法の影響だと思うんだけど……とりあえず魔女化の説明だね」
花陽「魔法少女が絶望に染まったり、魔法を使い過ぎたりすると、魔女になっちゃうんだ」
凛「魔女。言葉だけで悪い奴にゃ!」
穂乃果「善悪の問題ではないけど、魔女化は常識や良識を失い、ただ人に害を与えるだけの存在になってしまう」
花陽「でも、ソウルジェムがグリーフシードに変わる時のエネルギーが唯一、宇宙を救うエネルギー足るんだよ」
凛「魔女化は怖いにゃ! でも、宇宙を救うエネルギーって?」
花陽「地球の石油は近い将来なくなるっていう話は知っているよね?」
凛「昔、ニュースで見たにゃ!」
花陽「そんな感じで宇宙のエネルギーも有限で、今はそれが不足してきている」
穂乃果「……行ってみれば、人が石油の代わりのエネルギーを見つけようとしているように、QBは魔女化のエネルギーを
宇宙のエネルギーの代替としたっていうわけね」
花陽「人の感情はとても強力なエネルギーで、それを取り出す時は魔法少女システムが必要だし、
絶望という感情の最も落差の大きいエネルギーこそが一番代替エネルギーに合っているの」
凛「ふむふむ」
凛(理解できないけど頷いておくにゃ)
穂乃果「……花陽ちゃんが宇宙を救おうとしているくらいの認識で良いよ。スケールの大きな話だから」
凛「それなら理解できるにゃ」
凛「あ、穂乃果ちゃん。固有魔法ってなんにゃ?」
凛(魔法って響がとっても凛のビートをホットするにゃ」
穂乃果「固有魔法は人それぞれが違う魔法であり、魔法少女と呼ばれる所以でもあるんだ」
花陽「でも、魔法少女の使える魔法は固有魔法一つだけなんだよ」
凛「え? 空飛べないの?」
穂乃果「アニメとかだとよくある場面だけど、実際は空を飛びたいと願わないとそれは無理だね」
花陽「凛ちゃん、空を飛びたいと私に願って!」
穂乃果「さり気なく、誘導勧誘はしないで!」
凛「うーん、複雑にゃ。アレ? でも、魔法少女が魔女を倒すとかってさっき聞いた気もするよ」
穂乃果「戦闘に関係する願い、そうだね……強くなりたいとか願うと割と倒しやすいと思うよ」
凛「のどに刺さった魚の骨を取りたいと願うとどうなるにゃ?」
穂乃果「……前の時の凛ちゃんの願いだったよね。魚を食べる時、綺麗に骨だけとれるようになる、かな」
凛「地味に便利にゃ」
花陽「でも、そういう人は魔女と遭うと逃げるか、ナイフとか武器を使って魔女と戦うよ」
凛「穂乃果ちゃんはどうしているの?」
穂乃果「基本肉弾戦だね」
花陽「……強いんですね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「人型の魔女だったら、得意のサブミッションで一瞬だね」
花陽「……穂乃果ちゃんとは戦わないようにします」
凛「さぶみっしょんこそ王者の技よ、だっけ?」
穂乃果「良く知ってるね!? 私、子供の頃、それを見てサブミッションを極めたんだよ」
凛「ある意味すごいけど、たぶんバカにゃ」
穂乃果「サブミッションきめとく?」
凛「い、いやにゃぁ!」
穂乃果「冗談はさておき」
凛「絶対本気だったよ!」
穂乃果「魔法少女になるのは危険だって分かったよね? 凛ちゃん」
凛「……うん」
花陽「……」
凛「でも、かよちんが悲しむのも嫌にゃ!」
穂乃果「……それじゃ、まずは魔法少女になるならないではなく、違う話をしようかな」
穂乃果「聞きたいよね? 花陽ちゃん」
花陽「はい。聞かせてください、穂乃果ちゃんのループの記憶を」
穂乃果「そうだね、それを聞きたいんじゃないのかなとは思っていたよ」
花陽「……でも、考えていました。穂乃果ちゃんがどんなに優秀な素質を持っていたとしても、完全なループってできるものかと」
穂乃果「私はたぶん三桁以上はループを繰り返している」
花陽「三桁以上!? それはありえません! ことりちゃんくらいの素質がないと叶えられるはずがありません!」
穂乃果「私の才能がどのくらいだったのかは、私も分からない。でも、繰り返しているのは紛れもない事実」
花陽「で、でも、何よりも魔力がもちません!」
凛「魔力、かにゃ?」
穂乃果「……魔法少女が魔法を使うと魔力というソウルジェムに溜まった魂の力を消費するの」
花陽「でも、消費した魔力は戻ってくることはありません」
穂乃果「そうだね。アニメみたいにグリーフシードで回復なんてできない。だから、私はこう推測しているの。
私の固有魔法は過去に跳ぶこと。当然、膨大な魔力が消費される」
花陽「当たり前です」
穂乃果「でも、消費された後、昔の身体に戻れば魔力は使用される前に戻る。これが私の結論だね」
花陽「そんなこと……」
穂乃果「QBの常識がどうなのかは分からないけど事実は事実だよ」
花陽「……そうですね。……理解はできませんけど、その事実は認めます」
凛「正直、凛にはさっぱりにゃ」
穂乃果「私はことりちゃんを救うためにタイムスリップを繰り返している。魔力はなんとかなる。そんな感じで良いよ」
凛「分かったにゃ!」
花陽「でも、穂乃果ちゃんが三桁以上ループしていて、何故ことりちゃんを一度も助けられないんですか?
正直、今の状況的に私がことりちゃんを上手く魔法少女にさせる方法なんて考えられません」
穂乃果「問題はそこだね。一桁から二桁の間くらいなら花陽ちゃんもことりちゃんの勧誘に成功している。
でも、それ以外でもことりちゃんは魔法少女になってしまう。……私はその犯人を捜し続けているの」
花陽「……確かに私以外にもQBは居るのだとは思います」
穂乃果「誰か分かる?」
花陽「残念ながら。QB同士でもQBであるかどうかの見分けはつきません。でも、私の近くの誰かがQBであることは昔から疑っていました」
穂乃果「花陽ちゃんをQBにした人だね?」
花陽「えっ!? 私、まだそんな話していませんよ!?」
穂乃果「私、ループしているから、こういう展開は初めてじゃないんだよ」
花陽「……そうでした」
凛「それじゃあ、穂乃果ちゃん。こういう場合、どうなるの?」
穂乃果「大体二パターンかな。凛ちゃんが魔法少女になるのを止めるのと、花陽ちゃんのために魔法少女になる」
花陽「後者が良いですね」
凛「……凛が魔法少女になるのを止めると、かよちんは悲しい?」
花陽「うん。だけど、無理強いはしないよ」
穂乃果「……凛ちゃん、はっきりと言っておくね。μ'sの中で魔法少女の才能が一番低いのは凛ちゃんなの。
正直、才能がないに等しいくらい。だから、小骨の骨とか、あるいは賢くなっても数分ももたないの」
凛「」ガーン
花陽「で、でも! 凛ちゃんくらいの才能でも宇宙にとってはちょっぴり足しになります!」
穂乃果「それ、褒めてるの?」
凛「うわーん、かよちんのバカー」
花陽「えー!?」
穂乃果「……自覚なしなのが一番やっかいだね」
花陽「それで、穂乃果ちゃんは凛ちゃんをどうする気なんですか?」
穂乃果「あとは二人に任せるよ。私はことりちゃんが魔法少女になるのを防がないといけないから」
凛「凛に才能がないから、適当にされているにゃ……」
穂乃果「ううん。私は凛ちゃんに全てを知った上で、しっかり考えた上で答えを出して欲しいの」
凛「え?」
穂乃果「正直、凛ちゃんが魔女になったところで、私は一瞬で葬れるし、ことりちゃんがどうなるわけでもない。
だから、別に賛成も反対もないの。ただ、理由も知らず魔法少女にさせようとする花陽ちゃんを止めたかっただけ」
花陽「そうだったんだ……」
穂乃果「詐欺師は嫌いだからね。嘘は言わず真実も聞かれない限り答えないのは詐欺師だよ」
穂乃果「凛ちゃん。花陽ちゃんとしっかり話し合って、この話は決めて。私はこれ以上邪魔しないから」
凛「う、うん……」
穂乃果「それじゃあ、二人とも悔いのない選択を」
凛(そう言って、穂乃果ちゃんは去っていく。……カッコいい後ろ姿にゃ)
花陽「それで、凛ちゃん! 魔法少女になろう♪」
凛(かよちん……。そっか、凛が笑顔で居て欲しいと思ったかよちんはもう別のかよちんになってしまったんだにゃ……)
凛(満面の笑顔のかよちんが今はとっても悲しいにゃ)
凛「ねぇ、かよちん」
花陽「うん! どんな願いにする?」
凛「凛ね」
花陽「うんうん♪」
凛「かよちんのこと」
花陽「うんうん、うん?」
凛「世界で一番大好きにゃ!!」
花陽「? 私も凛ちゃんのこと大好きだよ」
凛「ち、違うよ。かよちんの考えている好きと凛の好きはね……」
凛(うー。顔から火が出そうなのに、かよちん全然理解していないよ!)
花陽「?」
凛「家族に向ける好きよりも、μ'sの皆に向ける好きよりも、もっともっと上なの!」
花陽「凛ちゃん、よく分からないよ」
凛「凛の好きは、凛の好きはね……」
凛「らぶ! 愛している!! 大好き!! なのっ!!」
花陽「……え? そ、それって……」
凛「凛の恋人になってください。花陽ちゃん!!」
凛(人生初めての告白。花陽ちゃんは理解してくれたかな? 凛がどれだけかよちんを大好きなのか)
花陽「……」ボウッ
凛(あ、かよちんの顔がりんごみたいに真っ赤になったにゃ! ……凛も負けてないと思うけど)
前回が嘘のように平和なほのりんぱなの回
続きはまた後で
すごく面白い!
肉体言語で魔女倒すから全く魔翌力使わないのか
ということはワルプルさんに関節技をきめて倒してる…?
花陽「そ、それが凛ちゃんの願い、なの……?」
凛「違うよ! これは願いで叶えちゃいけない想いなんだって、凛にも分かるよ……」
凛(かよちんの気持ちをいじって、恋人になったってそれじゃ意味なんかないよっ!)
花陽「ち、違うの!? どどど、どうしよう!?」
凛(は、恥ずかしい……でもっ! かよちん、動揺している! だ、だから──)
凛「愛しています!! 凛の恋人は、いや……?」
花陽「」プシュー
凛(あ、かよちんがオーバーヒートしたにゃ)
花陽「……はっ!? り、凛ちゃん! 恋人って意味が分かって言っているの!?」
凛「もちろんにゃ!」
凛(でないと、こんなに緊張しないもん)
花陽「こ、恋人って、お、男の人と女の人がなるんだ、よ……?」
凛「知ってるにゃ! 関係ないにゃ!」
花陽「か、関係ないって……」
凛「大切なのは、凛がかよちんを宇宙で一番大好きだってこと!!」
花陽「」カァー
凛「凛は言ったよ……自分の気持ち。かよちん、の気持ち……教えて?」
花陽「……スキ」
凛「にゃ?」
花陽「好き! 大好き! わ、私も凛ちゃんのことが宇宙で一番大好きなんだからぁ!!」
凛「かよちん!!」
凛(凛は嬉しくて嬉しくて! かよちんに思いっきり抱き着いた)
花陽「り、凛ちゃん、く、苦しいよぉ」ギュウ
凛{これが凛の気持ちにゃ!」
花陽「……大好きだよ、凛ちゃん」
凛「……うん、大好き」
凛(恋人は男の人と女の人がなるものなのは分かっていたけど、この日、凛とかよちんは本物の恋人になったんだ)
凛「かよちん♪」イチャイチャ
花陽「凛ちゃん♪」イチャイチャ
にこ「ねぇ、あのバカップル、誰か止めてくんない?」
絵里「無理ね」
ことり「わあ、凛ちゃんと花陽ちゃん、幸せそうだな」ホノカヲチラッ
穂乃果「…………」ブツブツ
ことり「真剣な顔の穂乃果ちゃんも素敵だよね」
にこ「うわ、ここにも一組いるの!?」
真姫「そ、それだったら、わ、私がニコちゃんの相手を、と、特別にしてあげるわよ」カミノケクルクル
にこ「え、なにそれ意味分かんない」
希「スピリチュアな光景やね」
海未「なに呑気なことを言っているんですか! ラブライブを優勝したからって私たちの練習はまだまだ続くんですよ」
希「凛ちゃんは相変わらずやね」
凛「今日もハードだったにゃ」
花陽「そうだねー」
にこ「……あんたらの甘さにどうにかなりそうだったわよ」
真姫「だから、私が──」
絵里「ニコったら可愛い」ナデナデ
にこ「勝手に撫でんじゃないわよ!」
希「いつも通りの光景やね」
海未「先が思いやられます」
ことり「まぁまぁ」
穂乃果「ねぇ、花陽ちゃん。この後少し時間をもらっても良い?」
凛「凛のかよちんをとるのかにゃ!? 早速不倫だにゃ!」
花陽「私は凛ちゃん一筋だよ♪」
凛「良かったにゃ」
穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃんとはこの間の話の続きをするだけだから、安心して」
凛「そうだったかにゃ」
花陽「うん、穂乃果ちゃん、分かりました」
凛「それじゃあ、凛は校門で待っているにゃ。……あ! デートの待ち合わせにゃ」
凛(そう思うと一目散に凛は校門へと向かった)
穂乃果「花陽ちゃん、私ね。こんな光景を見るのはループの中で初めてなの。何があったの?」
花陽「……凛ちゃんから告白してもらいました」カァー
穂乃果「それが凛ちゃんの願い?」
花陽「いいえ。凛ちゃんは、それだけは願いで叶えてもらうのは駄目だからって言いました」
穂乃果「それでも、花陽ちゃんは答えたんだね」
花陽「……はい」
穂乃果「ねぇ、インキュベータ。この宇宙と凛ちゃんとを天秤にかけなければならなくなった時、あなたならどうする?」
花陽「え……?」
穂乃果「花陽ちゃんの目的は宇宙延命のためのエネルギーを得ること。それは地球人の全滅を意味する」
穂乃果「それとも、凛ちゃんだけ特別扱いで残しておく?」
花陽「……私は宇宙のためになるんだったら、何でもするつもりでした。……でも、今は分からない……」
穂乃果「大切な人を見つけたからでしょう?」
穂乃果「でもね。あなたが契約を持ち掛けた人の中にも、同じような境遇の人は居たはずよね?」
穂乃果「因果応報っていうだっけこう言うの」
花陽「……はい」
花陽「私が背負った罪は計り知れません。幸せになってはいけないんだと思います。でも、……凛ちゃんを悲しませたくない!」
穂乃果「……QBを辞めなさい」
花陽「え?」
穂乃果「最初から優しいあなたには向いていなかった、ただそれだけ」
花陽「でも、私は宇宙を救わないと……」
穂乃果「人類は残り九名。ことりちゃん以外の力で宇宙をどれだけ延命できるか、正直疑問かな」
穂乃果「だから、花陽ちゃんは背負った罪を忘れず、凛ちゃんと幸せになりなさい。……私に言えるのはことくらいだよ」
花陽「……私にそんな資格があるんでしょうか?」
穂乃果「資格のあるなしなんて、その人それぞれでしょう? まぁ、お幸せに」
花陽「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「涙は凛ちゃんの前だけで見せた方が良いよ」
穂乃果「……果てしないループの中で見つけた、微かな希望。私はきっとそれで進めていける」
凛(かよちんとの幸せは続いたにゃ)
凛(友達の頃とあんまり変わらなかったけど、それはそれで幸せな時間だったにゃ)
花陽「綺麗な夕焼けだね」
凛「りん。……綺麗な月だった方が良かったかにゃ」
花陽「そ、それって……」カァー
凛「夏目漱石にゃ。たまには凛だって勉強するにゃ」
凛(月が綺麗ですねはアイラブユーと言う意味にゃ)
凛「こうしてボーっとしているだけなのに、凛はとっても幸せにゃ」
花陽「うん、私も」
花陽「こんな気持ちを知ったのは初めて……私はQBなのに良いのかな?」
凛「かよちんは後悔しているのかにゃ?」
花陽「それさえ分からないの。でも、私と同じような状況の人だったのなら、私は私が嫌いだな」
凛「……それなら、凛が半分持つにゃ。辛いことも苦しいことも半分にゃ」
凛「でも、幸せなことや嬉しいことも二人で半分にゃ」
花陽「ありがとう。……こんな日がずっと続けばいいな……」
凛「続くよ。凛とかよちんの気持ちが本物なら」
花陽「……だね」
凛(穏やかな時間が永遠に続くと思っていたにゃ)
凛(だけど、それもすぐに終わることになる)
花陽「なに……これ……?」
凛(屋上から見ている街並みが黒くて大きな穴、ブラックホールみたいなものに飲み込めれていく)
花陽「世界が、終わっていく……」
凛(かよちんのその言葉が全てを表していた)
花陽「人が滅んでも、地球は他の生物が居るから、滅ばない、そのはずだったんだよ……?」
凛(でも、確実に世界は黒く浸食されていく。本能的にこれが世界の終わりだと理解していた)
花陽「……凛ちゃん……」
凛(世界は終わる。きっと凛たちも。でも、でも……っ!」
凛「最期まで、凛はかよちんと一緒だよ!」
凛(自分でも不思議なほど優しい笑みが出た)
凛「凛がかよちんを守るから」
花陽「……せっかく……折角! 私は気付けたのに、気付けたのにっ!!」
花陽「凛ちゃん……嫌だよ……このまま消えたくないよぉ!!」
凛「大丈夫、凛はここに居るよ」
花陽「……うわぁぁーーーん!!」
凛(二人で抱き合いながら、この世界は──終わった)
──QB辞めました この世の果てで愛を見つけた少女編 終──
これにてりんぱな編は終了です
次回から伏線回収編が始まります
投下日は未定です。皆様良いお年を
すみません、誤字が多いです
文脈上で補足していただければ幸いです
花陽(世界が終わっていく……)
花陽(私と凛ちゃんは二人、抱きしめ合いながら、その運命を受け入れる)
花陽(……嫌だっ! 受け入れたくないよぅ……!)
花陽(折角分かったのに……他人を愛することが、どういうことか……やっと! 理解できたのに……)
花陽(終わりなの? もうこれで終わってしまうの?)
花陽(……やれることは何かないの……!?)
花陽(──ある。一つだけ可能性がある!)
花陽(そんなこと考えたこともなかった。前例もない。だけど、私はそれにすがる)
花陽(だって、凛ちゃんを大好きなこの気持ちを失いたくないから)
花陽「凛ちゃん」
凛「かよちん……」
花陽(私の呼びかけに涙を浮かべて応えてくれる最愛の人)
花陽「ねぇ、凛ちゃん。私たち、もう一度会えたらまた大好きな人同士になれるかな?」
凛「もちろんにゃ!」
花陽(もう迷いはない。失敗するかもしれない。だけど、私はもう一度凛ちゃんと出会って、こんな素敵な恋をしてみたい!)
花陽「さあ、QB(自分)。花陽の願いを叶えて!」
ことり「──そこでわたしの夢は覚めちゃったんだ」
希「夢落ちかい!」
海未「はぁ、ことり。馬鹿なことを言っていないで始めますよ」
ことり「はーい」
凛「夢の中の凛はカッコいいにゃ!」
花陽(記憶にある皆の会話。……戻って来れたの?)
花陽(右手にはソウルジェム、魔法少女の証)
花陽(本当に賭けだったけど、私はどうやらそれに勝利したらしい)
花陽(QBも魔法少女になることができる。それが結果だった)
花陽(私の願いは過去へ戻ること。世界崩壊を止めるだけの才能が自分にはないことくらい分かっていたから、
穂乃果ちゃんの話を参考にその願いを選択した)
花陽(そして、魔法少女としての私の固有魔法。巻き戻し。魔法少女から人へ、QBから人へと戻せる知る限り最強の部類の魔法)
花陽(ただし、発動条件がかなり厳しい。対象は私よりも才能の低いものに限る。変質してから二十四時間以内。
対象の了承が必要。なにより、この魔法を二度以上使うと魔力が完全になくなってしまう)
花陽(強力な魔法ほど制限がかかるのは当たり前だ。……それじゃあ、穂乃果ちゃんの固有魔法は何故……?)
花陽(……それは後回しにしよう。まずは穂乃果ちゃんに接触しておかないと)
花陽(前回のように、世界へ向けての生ライブ放送が終わる。……もうこの世にはこの九人しかいないのに……)
花陽(それは穂乃果ちゃんも承知の上だろう。穂乃果ちゃんの最初の一言を理解できていたのは私だけしかいない)
花陽(QBかループしている人でない限り、世界が全滅していることを知る術はないから)
花陽(かつての優しい人の願いが、今はとても残酷に感じるのは、私が魔法少女になったからだろうか)
花陽(……愛を知ったからの方が、くさいけどロンチックかな?)
花陽「ねぇ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「……珍しいね。そっちから、話しかけてくるなんて。ねぇ、インキュベータ?」
花陽「うん、私はインキュベータ、OB。でも、今は──」
花陽(ソウルジェムを穂乃果ちゃんに見せる)
穂乃果「……うそ……」
花陽(そして、変身する。アニメのように特別なエフェクトなどはなく、一瞬で黄色を基調とした魔法少女の衣装へと変化した)
穂乃果「魔法少女……!?」
花陽「……どうやら、QBも魔法少女になれるらしいんです。願いは過去に戻ること」
花陽「だから、穂乃果ちゃんの事情は知っています」
穂乃果「……」
花陽(驚きか、警戒か、穂乃果ちゃんは言葉を発しない。当然だろう。今まで私たちは敵対していたのだから。でも)
花陽「穂乃果ちゃん。私に協力してください!」
花陽(虫のいい話だとは分かっている。凛ちゃんを救うためにだったら、なんだってやってみせる。それが私の覚悟だった)
穂乃果「……協力? なんの?」
花陽「……この世界の崩壊を防ぐための、です」
穂乃果「……花陽ちゃんも見ちゃったんだ。世界の終わりを」
花陽「はい……。世界がブラックホールのようなものに徐々に飲み込まれて、消え去りました」
穂乃果「あれは、ことりちゃんが魔女に変化した時に起こる魔女の空間、だよ」
花陽「……うそ、ですよね……?」
穂乃果「本当。あまりにも才能に優れていたことりちゃんは万能の力を持ち、それが絶望に転じると、世界すら飲み込んでしまう」
穂乃果「ことりちゃんを救いたいと私が言っていたのは、何もことりちゃんだけではないの。世界も救いたかったの……」
花陽「そう、だったんですか……」
花陽(その事実は私が世界崩壊の実行犯の一人であることを示していた)
穂乃果「ねぇ、花陽ちゃん。本当の、一番の願いは何? 世界を救うなんてヒーローみたいな台詞はいらないよ」
花陽「……凛ちゃんを救いたい。ただ、それだけの願いです」
穂乃果「……好みな答えだよ。私も願いはことりちゃんを救うこと、利害は一致したね」
花陽「と、言うことは……?」
穂乃果「協力しよう。魔法少女とQBの前代未聞の共闘だよ!」
花陽「はいっ!」
穂乃果「……ちなみにその衣装似合っているけど、三話で死にそうだよ?」
花陽「ええーっ!?」マミサンノイショウダヨ
花陽(落ちがついてしまったけど、こうして私は力強い味方を手に入れたのだった)
あけましておめでとうございます
覚醒済み花陽(主人公)が2015年をお知らせいたします
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