リトバスで分かる 映画「素晴らしき哉、人生!」 (16)

米国のクリスマスで恒例の古き良き名作「素晴らしき哉(かな)、人生!」をリトルバスターズ!に当てはめてみるスレ

最近見返してないからストーリーが間違っていたり色々至らない点があったら指摘してね!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419449857




「恭介!まだ死ぬんじゃねぇっ!!」

「ああ、神様!どうか恭介を助けて下さい…」

「わふー!へるぷみー!」


天国

神様(?)「聞こえたか小毬君?今地球のとある街でこんなにも棗恭介という人間を心配している人達がいるようだ。しかし彼は今死に瀕している」

小毬「うんっ!皆よっぽど恭介さんが好きなんだねぇ~!」

神様「こういう人間は救ってやるのが人情という物だ、確か君は二級天使だったね?」

小毬「そうなんだよぉ…いっつもドジやっちゃうからずっと進まない…二級だから羽も貰えないの」

神様「ちょうどいい。もしも君が彼の心を救えたなら一級天使にし、羽を授けよう」

小毬「本当!?ありがとうゆいちゃんっ!」

神様「だからゆいちゃんは止めろと……」

神様「ま、まあいい…ともかく彼を救うならまずは棗恭介の歩んできた人生を全ておさらいしなくてはな」

小毬「ほぇ。そんな事出来るの?」

神様「ああ出来るさ!なにせ私は神様だからな。さて、ここに彼の半生を写したDVDがある…解説しながら再生してあげよう」

小毬「あっ、じゃあ見てる間の間食にポテチはどうですかぁ~?ポッキーさんもあるよっ」

神様「一応言っておくが彼は結構きつい状況だからな?」

小毬「うん、じゃあ再生しましょーっ」

ポチッ

…………
……




恭介『ほら行くぞ!』

鈴『まてこらーっ』

小毬「わぁ!小ちゃくて可愛いっ」

神様「うむ。これは彼の幼少期の頃だな。季節は夏か」

恭介『よし、鈴…あいつが罠にかかるの見ておけよ…』

真人『うう……俺は…最強だっ』

小毬「これはなにをしてるの?」

神様「これは見ての通りこのでくの坊を罠にかけて倒そうとしている所だ。こいつは町でよく暴れていて手が付けられない狂犬だったらしいな、だからこの棗兄弟はそいつを退治するらしい」

真人『最強の方はこちらへどうぞ…だと?……面白えっ』

恭介『よお、お前が町で悪さしてる奴らしいな!』

真人『んだてめぇ…お前が俺の敵って訳か!?』

恭介『ああ、さあついてこいっ』

真人『言われなくても何処までも追いかけてやるぜぇぇえ!!』

神様「そんなこんなで真人少年は見事に計略に引っかかり右手をポストに突っ込んで戦かうハメとなった」

小毬「どーしてそんな事になったのかなぁ~」

恭介『やぁ!』

ガンッ

真人『はぁ…はぁ……ふん!』

バキッ

恭介『せい!』

真人『うげっ…』

ガクッ

恭介『…疲れただろ?今は休め』

真人『俺は…倒れるわけにはいかねぇ……』

恭介『なんでだよ?』

真人『誰にも負ける訳にはいかねぇんだ…だって惨めじゃねぇか……誰よりも強くなってさ、誰にも笑われなくなってさ、それで俺は一人ぼっちになっちまったんだ。ここで倒れたらただの馬鹿に戻っちまう…!』

恭介『ふっ…馬鹿でいいじゃねえか!』

真人『あ…?』

恭介『だってポスト片手に戦う馬鹿なんて初めてだぜ!俺はそんなお前と戦えてすっげぇ楽しかった!だからさ、そのままのバカで居てくれ。そしたらもっとずっと楽しい事を教えてやるよ』

恭介『なあ井ノ原、お前下の名前はなんて言うんだ?』

真人『真人…』

恭介『よし真人、お前は今日から俺たちの仲間だ!』

鈴『……』コクン

神様「と、まあ恭介は町の暴れん坊を倒すだけでなく、そのまま仲間にしてしまった訳だ」

小毬「とっても良いお話だねっ」

神様「次に見るのはあれから少し経った後だ…」




恭介『……おっ』

理樹『…………』

真人『どうした恭介?』

恭介『あの子…元気がなさそうだな』

恭介『よし…』

鈴『どこいく!』



恭介『強敵が現れたんだ!君の力が必要だ!』

理樹『えっ…?』

恭介『ねえ君、名前は?』

理樹『なおえ…りき』

神様「この直枝理樹という少年は事故で親をなくし精神面での病を患っていた。しかしそこに彼が手をさしのべた事で彼は大いに救われたのだ」

恭介『よしいくぞ理樹!」

理樹『ね、君たちは誰!?』

恭介『俺たちか?悪をせいばいする正義の味方…人呼んでリトルバスターズさ!』

お休み(∵)

神様「次は青年期を見てみよう。…おやおやこれは」


住宅街

あーちゃん先輩『ねえ見て棗君、あの家』

恭介『どうした?』

あーちゃん『私…将来はあんな家に住んでみたいな』

恭介『あんな古い屋敷にか?あそこに住むのは幽霊ぐらいだ。…そうだ』

ヒョイ

あーちゃん『石なんか持ってどうしたの?』

恭介『思い出した、石を投げてあの家の窓が割れたら願いことが叶うんだよ』

あーちゃん『まぁ!そんなことしちゃ…っ』

恭介『それっ』

パリン

あーちゃん『もう……それで何を願ったの?』

恭介『いろんな事さ、世界旅行やお金持ち…それにお前とこのままずっと居られる様にとな』

あーちゃん『な…っ!』

恭介『ふっ、冗談さ』

あーちゃん『……それ!』

パリン

恭介『ほう、やるなあっ。何をお願いしたんだ?』

あーちゃん『にゅふふ…秘密』

恭介『おいおいそりゃ無いぜ!』

神様「ちょうど恭介のパートナーが見つかった時の事だったな。あれから良い青年にちゃんと育ったらしい」



恭介『なあ父さん、俺は大学に入ろうと思うんだ』

父『ああ、お前はその方がいいだろう。聞き分けは悪いがお前は私の自慢の息子だよ』

恭介『それでもう一つお願いがある、通りの右の角に大きな古い空き家があっただろ』

父『そこへ住みたいからとっておけというつもりだろ?任せておきなさい』

恭介『ありがとう!』

父『はっはっはっ…』

神様「父親は住宅貸付組合の会社の社長だった。この町では欠かせない存在で彼もまた人柄がよく人気者だった…しかしそんな恭介に最初の不幸が起こったのだ」


神父『天にまします主を、彼をお導き下さい。我々が貴方を愛するように貴方もまた彼を………』

恭介『父さん……』



社内

爺『ああ、なんという事だ…息子が死んでしまってはこの会社は……』

笹瀬川『おーっほっほっほ!』

爺『お前は…笹瀬川』

笹瀬川『皆さんごきげんよう。この度はお悔やみ申し上げますわ』

恭介『…いったい何をしに来た?』

笹瀬川『社長がいない会社はこれ以上運営出来ませんでしょう?だからこの私が買い取って差し上げてもよろしくてよっ』

爺『ふざけるな!お前のとこの会社は住民から金を搾り取っている悪徳金融だ!』

笹瀬川『おやおや、私にそんな口をきくとこの会社は潰れてしまいますことよ?』

爺『ぐ…ここはお前がほとんど支配している町だ、しかし息子が苦しむ住民を見逃せないと立ち上げたのがこの会社。乗っ取らせて完全に支配させる訳にはいかない…っ!』

笹瀬川『ですが居ないものはしょうがありませんの。ですからここは私が…』

恭介『待ちな』

笹瀬川『………なんですの?』

恭介『この会社、俺が継ごう』

ザワザワ

爺『いいのか恭介…?お前には大学に入って…っ!』

恭介『こんなもん放っておける訳がないだろ?俺が進学を諦めたら済む話さ』

爺『恭介……』

恭介『これで文句はないだろ?』

笹瀬川『くっ…覚えてなさいーっ!!』


神様「恭介が夢を諦めたことで多くの人が救われた。これで彼は仕事を切り盛りしていく事になる」

神様「少し飛ばしてみよう」

小毬「どこまで?」

神様「彼の次なる障害までさ」



キーンカーン

ガヤガヤ

教会

真人『おめでとう!』

謙吾『実にめでたいな!』

理樹『おめでとうー!』

鈴『…よかったな、恭介』

恭介『いや、皆どうも…!』

あーちゃん『もっと胸張ってよ恭介っ』

恭介『お前に呼び捨てされるのはどうにも慣れないな…』

あーちゃん『だってこれからは私も同じ苗字だもの』

謙吾『迎えの車だ。さあ、さっさと乗れ』

恭介『おう…ありがとう謙吾』

バタン

車内

謙吾『で、これからハネムーンはどこへ行くんだ?』

恭介『イタリアにニューヨーク、なんでもありだぜっ!見ろよこの札束を』

あーちゃん『なんだかお金持ちになったみたいね!』

謙吾『ふっ、だからって持ち歩く奴があるか』

ガヤガヤ

謙吾『……む?外がやかましい、皆銀行の方へ向かっているぞ』

恭介『……なんだと?』

社内

恭介『皆どうした慌てて…』

『銀行差し押さえだ!預金を引き出しておきたい』

恭介『そんな馬鹿な…言っておくがうちは銀行と違って現金は用意していない。今すぐは無理だ』

『おい聞いたかよ!笹瀬川さんの所が株を100円につき50円で買い取るってよっ』

『本当か!ええい、この際半分でも…』

恭介『待て!それこそ奴の罠だ!笹瀬川はこれを利用してウチを潰し、お前達から将来を完全に支配しようとしているっ』

『だが金は必要だ!』

恭介『くそ…なにか無いか…』

あーちゃん『金ならここにあるわ!』

恭介『そうだそれだ!旅行用に貯めておいた50万がここにある!今だけはこいつを資金としてお前らに貸す…だから次までに必要な金額を言っていってくれ!』

ザワザワ


神様「これで彼は会社を救う代わりにとうとう町を飛び出ることは出来なかった」

小毬「いい人だねぇ…」

恭介『あんたは2000円だな?……よし、さあ次の借りたい人は!?』

爺『いない…いないぞ!遂に乗り切った!』

恭介『やったか……』

プルルル

恭介『?もしもし…なに、家に帰ってこいだと?俺たちに家なんて……は?場所は大通りの……』






恭介『ここは…嘘だろ…!』

あーちゃん『おかえり恭介』

恭介『あの時のボロ屋敷じゃねえか!』

あーちゃん『ボロって言わないでよ!』

恭介『ああ…悪い』

あーちゃん『………ずっとここで貴方と寄り添う事を夢見てた。いつか石を投げた時があったでしょ?今お願いが叶ったわ』

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