マッチ売りの少女を買った男 (14)

クリスマス・イブにボッチの寂しさでこんなものを書いてしまった。
後悔はしていない!

駄文で申し訳ないですが、楽しんで行ってください。

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12月24日・・・こんな憂鬱な日があるだろうか・・・

いや、今までならこんなに憂鬱な気持ちにはならない・・・そう・・・今年は特に憂鬱だ・・・

20数年生きてきてはじめて出来た彼女・・・それなのについ昨日・・・彼女が浮気している事がわかった。俺はそれでも彼女を許そうとした・・・なのに彼女は俺の前からいなくなった・・・

男「何で俺は1人なんだ・・・せっかくこの日のためにバイトしていたのに全部無駄になった・・・」

男「あ~!何で俺はこんなところにいるんだ!イブの夜の繁華街なんかカップルだらけに決まっているじゃないか~!!」

モブカップル女「なにあの男、こんな所に1人でいて寂しくないのかな?」

モブカップル男「寂しいからああやって叫んで気をまぎらせているのさ。寂しい男だよ。」

モブカップル女「そういうことなのね。行きましょう。見ているこっちが寂しくなるわ。」

モブカップル男「そうだね。行こうか。」

男「ぬを~~!!」

???「マッチは要りませんか?マッチは要りませんか?」

天に叫ぶオレの耳に入ってきたのは今の時代にそぐわないマッチという単語。俺は気になり声のしたほうに目をやる。

少女「マッチは要りませんか?マッチは要りませんか?」

モブップル女「要らないわよ。今の時代マッチなんか使わないじゃない!」

モブップル男「おいおい、そんな風に言っちゃいけないよ。ほら行こう。」

少女「あ・・・」

カップル女が少女のマッチの入れたかごを蹴飛ばして行ってしまった。誰か拾ってやろうというやつはいないらしい。

いや、俺も昨日までは回りと同じように見てみぬふりをしただろう。だが今の俺は・・・

少女「あ・・・ありがとうございます・・・」

男「いまどきマッチなんて売れないでしょ?何で売ってるの?」

少女「あ、あの・・・お母さんに言われて・・・」

男「10個もらえる?」

少女「え・・・あの・・・」

男「マッチ10個、売ってくれないの?」

少女「い、いえ、ありがとうございます。」

別にマッチが必要なわけじゃない。ただ無茶を言う親を持ったこの子に同情しただけ・・・

少女「あの・・・500円になります・・・」

マッチとして高いのか安いのかわからないが、俺は500円を支払いマッチ箱を10個もらった。・・・小さいマッチ箱かと思ったら大入りだった・・・どうするんだこれ・・・

少女「あ、ありがとうございました。」

男「・・・ねえ、いくら売り上げが無いといけないの?」

少女「え・・・あの・・・10万・・・くらい・・・」

大入りマッチ箱10個500円で売っていていったいいくつ売る気だよ・・・
10万か・・・

バイト代で貯めた20万・・・どうせ使い道がない・・・

男「その10万俺が出すよ。」

少女「え・・・?」

男「10万出すよ。」

少女「そ、それじゃあこれ・・・」

少女は段ボール箱を差し出してきた。

男「いや、マッチじゃなくてさ・・・」

少女「?」

男「これで君を売ってくれないか?」

少女「え!?その・・・えぇ・・・?」

少女が赤くなっていく。ああ、言い方が悪かった。

男「誤解しないで。別にホテルに行こうって言っているわけじゃない。食事でもしようってこと。どうせ一晩いても売れないでしょ?」

少女「あ、あの・・・」

まだ顔が赤い。

男「行こうか?」

俺は少女の手をとり少し強引に歩き出す。

少女は薄着で寒そうだったから先にコートを買ってファミレスへ行く。

男「本当にここでいいの?別にもっと高い店でも・・・」

少女「いえ、ここがいいんです。」

俺と少女はファミレスで食事を取った。少女は腹が減っていたのか細い体で3人前食べきった。

少女「ご馳走様でした。」

男「いやいや、俺が誘ったんだから。」

少女「えっと・・・これから・・・」

男「夜景でも見に行こうか?歩いていける距離にきれいな夜景が見えるところがあるんだよ。」

少女「は、はい・・・」

俺は少女を連れて夜景が見えるビルに行く。

少女「きれいですね。」

男「まあ、それが売りだからね。」

夜景の見えるビルという売り出しのビル。クリスマス・イヴの名スポットとして特集されていた。そのせいかカップルがちらほら見受けられる。

モップル女「綺麗な夜景だね~。」

モップル男「君のほうが何倍も綺麗だよ。」

・・・俺もあんな会話していたのかな・・・

少女「あ、あの・・・大丈夫ですか?」

男「うん・・・ああ。なんでもない。」

俺は時計を見る。もうすぐ12時か・・・

男「帰ろうか。家まで送るよ。」

俺は少女を連れてビルを後にする。少女は最初に会った場所まででいいと言うからそこまで一緒に行く。

男「本当にここでいいの?」

少女「はい。この近くなので大丈夫です。」

男「そう。それじゃあこれ。」

俺は財布から10万を出し、少女に差し出す。

少女「え・・・あの・・・」

男「受け取ってよ。そういう約束なんだから。」

少女「でも・・・」

男「これから無理やりホテルに連れ込んで事に及んだほうが素直に受け取れる?」

少女「あの・・・」

少女は赤くなっていく。

男「それじゃあ受け取って。」

少女は俺の手から10万を受け取る。

男「それじゃあ・・・元気でね。」

少女「あの、ちょっと待ってください。」

少女が金をしまい、変わりに小さな箱を取り出した。

男「マッチなら10箱買ったよ。大箱で・・・」

少女「これは見たい光景を見ることが出来るマッチです。1本しかないですけど使ってください。」

男「それって・・・」

少女「今日のお礼です。今日はありがとうございました。」

少女は俺の手に箱を握らせて走っていってしまった。

男「まさにマッチ売りの少女みたいだ。」

俺はもらったマッチ箱からマッチを取り出し火をつける。そこに写った光景は・・・俺が誰かと歩いている。この様子だとクリスマス・イヴか・・・一緒に歩いているのは彼女か・・・

・・・彼女が浮気をしなければこうやって歩いていたのかな・・・いや、一緒に歩いているのは彼女じゃない・・・

一緒に歩いているのは・・・

アナウンサー「次のニュースです。昨年12月24日に男さん25歳が殺害された事件で強盗致死罪で指名手配を受けていたDQN容疑者が逮捕されました。」

アナウンサー「この事件は昨年12月24日18時30分頃に路地で男さんが刺されて倒れているところを交際相手の彼女さんが発見、病院に担ぎ込まれましたが同日23時59分に死亡したものです。」

アナウンサー「警察が捜査を行っていたところ近くの監視カメラにDQN容疑者が男さんの後を追って路地に入って行った事、路地から戻ってきた際に男さんの財布らしきものを持っていたことから任意で事情聴取を行っていたときに逃亡し指名手配となっていました。」

アナウンサー「DQN容疑者は『俺の彼女が奪われたから殺してやった。20万も持っていたから慰謝料としてもらってやった。』と容疑を認めている模様です。」

アナウンサー「DQN容疑者は容疑は認めていますが男さんの手に残っていたマッチの燃えカスについては何も知らないと供述している模様です。」

コメンテーター「クリスマス・イヴにマッチの燃えカスを持って死亡ですか・・・童話のマッチ売りの少女みたいですね。男さんが最後に見たのが幸せな光景である事を望みます。」

アナウンサー「では次のニュースです・・・」

以上で終わりです。

最初はタイトルどおり児童買春を行った男が逮捕されるまでの作品になるはずだったのに・・・

それにしてもクリスマスボッチは寂しいですね・・・

ごめんちょっとよくわからなかった。

男は最初から幽霊だったのか?マッチの火に映った彼女の隣にいたのは誰?

>>11
わかりにくくて申し訳ない。この作品は男がマッチの中に見た最後の走馬灯をイメージして書きました。
>>7以外は男の望んだ映像です。

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