よつば「とーちゃん。おなかへった…」 とーちゃん「ご飯なら3日前にも食べただろ」 (73)

よつば「でも、とーちゃんは今日も食べてた」

とーちゃん「とーちゃんは大人だからいいんだよ」

よつば「よつばはダメなのか?」

とーちゃん「あぁ。よつばはまだ子供だからな」

ジャンボ「その通りだ。よつばにはまだ早い」

よつば「そっかー……」

よつば「でもよつば、おなかへってがまんできない……」

とーちゃん「まったく、仕方ないやつだな。ほら、とりあえずこれでも飲め」

よつば「これはなに?」

とーちゃん「水道水だ。つまり、水だ」

よつば「よつば、牛乳かジュースがいい……」

とーちゃん「そんな飲み物、子供にはまだ早い」

ジャンボ「うむ。よつばには水で十分だ」

よつば「そっかー……」ゴクゴク

よつば「味がしない……。おなかの奥がチャプチャプする……」

とーちゃん「腹が膨れたか? よかったな、よつば」

よつば「……」

ピンポーン

やんだ「ちーす。お湯借りにきましたー」

よつば「あー! やんだは帰れ!」

やんだ「なんだよー。いいじゃんかよー」

ジャンボ「お前またカップ麺か? 健康に悪いぞ」

やんだ「美味いからいいじゃないですか。……お、できた」

よつば「……」

やんだ「うん。やはり醤油味が一番美味いな」バクバク

とーちゃん「遠慮のないやつだなー」

よつば「……」

やんだ「……ん? 物欲しそうな顔してどうした?」

よつば「……よつばもたべたい」

やんだ「えー? こいつ、こんなこと言ってますけど?」

とーちゃん「駄目だ。ご飯なら3日前にもよつばは食ってる」

やんだ「なーんだ。じゃあ、駄目だな」バクバク

よつば「あ、あぁ……」

ジャンボ「人のご飯を狙うのはいやしいぞ、よつば」

とーちゃん「マナーを守ろうな、よつば」

よつば「でも……」

とーちゃん「わがまま言うな! とーちゃん怒るぞ!!」

よつば「……ごめんなさい」ビクッ

よつば「よつば、ふーかのとこにいってくる……」

とーちゃん「おー。迷惑かけないようになー」


よつば「こんにちはー」

風香「あら、よつばちゃん? どうしたの?」

よつば「あそびに来た!」

風香「……んー。ごめんね。今うちは昼ご飯の最中だから」

よつば「ごはん……」

風香「だから、ね?」

よつば「あの、よつばも、ごはん……」

風香「は?」

よつば「……なんでもない」ビクッ

恵那「あれ? よつばちゃん、玄関でどうしたの?」

よつば「あ、えな……」

風香「遊びに来たみたいだけど、今ご飯の最中だから帰ってもらおうかって話してたとこ」

よつば「えな……」

恵那「せっかく来てくれたのに……・。あ、そうだ。ちょっと待ってて!」ドタドタ

恵那「よつばちゃん。はい、どうぞ!」

よつば「これはなに?」

恵那「コップに水を入れてきたから、せめてこれを飲んでいって!」

風香「恵那は優しいなー。ほらよつばちゃん。飲んでいいよ」

よつば「……うん」ゴクゴク

恵那「遠慮しないで飲んでね! ただの水道水だから!」

よつば「……ごちそうさま。よつば、かえる……」

風香「またねー、よつばちゃん」



よつば「……ただいま」

とーちゃん「お、ずいぶん早かったな」

ジャンボ「でも、ちょうどいいタイミングだな」

とーちゃん「そうだな」

よつば「???」

とーちゃん「よつば。とーちゃんとジャンボはちょっと出かけてくるから、留守番頼んだぞ」

よつば「とーちゃん、どこにいくの?」

とーちゃん「焼き肉だ。昼飯が食い足りなくてな」

よつば「!? よつばもタン塩たべたい!」

とーちゃん「駄目だ! 子供にはまだ早い!」

ジャンボ「ああ。焼き肉は毎年食中毒も出る危険な食い物。よつばには早すぎる」

とーちゃん「生レバーとか危ないからな」

よつば「……でも、よつばだって前にいったこともある!」

とーちゃん「よつばは3日前にご飯食べたでしょ! わがまま言わない!」

ジャンボ「そうだぞー。3日前に食ったんだから、我慢しとけ」

よつば「……」

とーちゃん「じゃあ、しっかり留守番しとけよー」

ジャンボ「よつばの分まで俺が食ってきてやるからな!」

よつば「とーちゃん……」

とーちゃん「ん、どうした?」

よつば「おなかすいた……」

とーちゃん「そうか……。まぁ、水なら好きなだけ飲んでていいぞ」

ジャンボ「さすが小岩井。太っ腹だな」

とーちゃん「もっと褒めてくれ」

よつば「……水はもう、いらない」

とーちゃん「よつば! わがまま言うな!!」

よつば「……ひッ。ごめんなさい」ビクビク

よつば「とーちゃん、やきにくいっちゃった……」

よつば「……おなかすいた」

よつば「なにか、たべもの……」

よつば「たしかここに、とーちゃんがかくしてたラーメンが……」ゴソゴソ

よつば「……」

よつば「……ない。なにもない」

よつば「……」

よつば「……おなかすいた」


ピンポーン


よつば「……おきゃくさん?」

よつば「お腹空いた」

お父「水のめ」

よつば「みずはいらない」

お父「わがまま言うな」


っていうのは


よつば「PSPのメモステない」

お父「買って来い」

よつば「お金無いからいい」

お父「わがまま言うな」


? とマジレス

みうら「オッス!」

よつば「あ、みうら!」

みうら「おう。私だよ……って、お前。なんか元気ないな」

よつば「よつば、おなかすいた……」

みうら「なんだそれ。まぁいいや。これ、旅行行ってきたからお土産な!」

よつば「おみやげ……たべもの!?」

みうら「神戸に行ってきたから、ついでに買ってきたんだ」

よつば「これは……なに?」

みうら「六甲のおいしい水」

みうら「遠慮なく飲んでくれよ! じゃあな!」

よつば「あ……」

よつば「……」

よつば「また、水……」

よつば「……」

よつば「……」

よつば「もういい! よつば、水をのみまくる!!」ゴクゴクゴク

よつば「(おなかがいたい。でも、さいごまでのむ!)」ゴクゴクゴク


とーちゃん「ただいまー。いやー、食った食った」

とーちゃん「……っておい! よつば、どうした!?」

よつば「もう、のめ……な……」

よつば「げふッ」

とーちゃん「よつば! しっかりしろ、よつばァアアア!!」

とーちゃん「……つ……ば!」

よつば「(とーちゃん……?)」

とーちゃん「起きろ、よつば!」

よつば「とーちゃん!?」

とーちゃん「とーちゃんじゃないだろ、バカ! 布団を見てみろ!」

よつば「え……? あれ? よつば、水をのんでて、それで……?」

とーちゃん「寝惚けてんのかお前。そんな夢見てたからオネショなんぞするんだ」

よつば「こ、これはちがう。その……だれかのいんぼう!」

とーちゃん「誰のだよ……」

よつば「うー!」

とーちゃん「唸ってないでさっさと着替えて飯にするぞ。まったく……」

よつば「……ごはん!? とーちゃん、よつばごはん食べていいのか!?」

とーちゃん「まだ寝惚けてるのか? いいに決まってるだろう」

よつば「やったー!!」

とーちゃん「はいはい。早く飯にするぞ」

よつば「とーちゃん、よつばハンバーグ丼とやきにく食べたい!」

とーちゃん「朝からヘビーだな……。まぁいいか。肉もあったし、ついでに焼くか」

よつば「とーちゃん、ごはん! ごはん! 早く!」

とーちゃん「はいはい。着替えてからな」

よつば「ごはん!」

とーちゃん「ああ。それ食ったら次のご飯は3日後からな」

よつば「……え?」



                                              完






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