和「咲ちゃんに萌える青春ADV『咲-Saki-』です」 (571)

 咲-Saki-
咲ちゃんに萌える青春ADV CERO C(15歳以上対象)
プレイ人数 1人 対応機種 Windows 7,8,10 他
Presented by もんぷちソフト


※このSSは咲ちゃんが本人の知らないところで人気になるSSです
キャラ崩壊、謎時間軸注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418803885

久「ふぅん……ゲームねえ」

和「はい。ぜひ部長にも、と」

久「私に?」

和「優希や染谷先輩にはすでに渡しましたから」

久「随分と手が早いわね。それにしてもこれは……」

和「素晴らしいゲームであると自負してます。保証しますよ」

久「自負?あなたもしかして……」

和「ええ。実はこのゲーム、私プロデュースです。制作協力はお義姉さん…宮永照さんと龍門渕の方々で」

久「やっぱり…でもあなたと宮永照って仲悪くなかった?ほら、咲のことで」

和「まあそんなこともありましたね。今は同士ですが。……ある日、気付いたんですよね」

久「気付いた?」

和「はい。私たちがいくら争ったところで、最終的に選ぶのは咲さん本人だと。本人の与り知らないところで争っても虚しいだけでしかないと」

久「そ、そう」

和「そうしたら、それまでお互いに誇示してきた咲さんのことに目が行き始めて…実姉でなければ知り得ないこと、友人でなければ知り得ないことを語り合ってたらいつのまにか和解していました」

久「……ま、仲がいいことは良いことだわ」

和「それで語り合ってたら、なんの因果か龍門渕の天江さんと遭遇しまして」

久「ふむ」

和「いつの間にか同士が三人になってました」

久「ちょっと」

和「それからなんやかんやあってゲーム制作に行き着きました」

久「ツッコミどころが多すぎて手に負えないわ」

和「渾身の出来ですので、きっと部長も咲ちゃん大好きになりますよ」

久「それは(別にどうでも)いいんだけど…このこと、咲には?」

和「……」

久「和?」

和「おや、もうこんな時間ですか。私は部室に行きますね。部長はこれから会議ですか、頑張ってください。それでは」ビッ スタスタ

久(逃げたわね……)

久「これ、どうしようかしら……?」チラッ

 その日の夜・竹井家

久「ん~……はぁ。疲れたー」バフッ

久「このまま寝たい、けど……そういうわけにはいかないわよねー」

久「ん……これは」

久「……」

久「貰ったものは使ってみないともったいないわよね」

久「パソコンでやるゲームなのね…えーっと、ディスクをドライブに入れて、ランチャーを起動…インストールに時間がかかるわね、その間にお茶でも淹れてこよっと」

 ― 十分後 ―

久「ふーん、絵が綺麗ね。…キャラがモロ咲だけど。そっくりねえ。イラストレーターが…RITZ?」

久「最初に名前を決めるのね。プレイヤーの名前は本名推奨…そんなものなのかしら。久、と」

久「…これって清澄?うーーん…細部は違うし気のせいかしら」カチカチ

『通学路、その道端の木陰で木に体を預け読書に勤しむ少女が目にとまった』

久「お、咲との出会いね」

『一瞬、目があった』

『その面差しは幼くて、澄んだ瞳は綺麗で、文学少女とでも言うべき雰囲気は一枚の絵のように――』

久「文学少女、ね。たしかに咲から麻雀を抜いたらそうなるかな」

 ― 一時間後 ―

久「………」カチカチ

 『あ、あれは…咲!』

咲『あ、久さん!こんにちは』

 『こんにちは。こんなところで何をしてるの?』

咲『あ、あの…そのぅ…好きな本の新刊が出るので本屋さんに行こうと思ったんですけど…』

咲『いつも言ってるとこが売り切れみたいで…しかたなく街の方まで出てきたんですけど、迷っちゃって…』

 『そう…』

『どうやら咲は迷子みたいだ』

久「……ふふ、ゲームでも迷子になってるだなんて、咲らしいわ」

『これから街をぶらつく予定だったけど…どうしようかな?』

 →『ちょうど今暇だったし、付き合おうか?』
  『その本なら昨日買ったばかりだよ、貸そうか?』
  『そっか。気を付けてね。それじゃ』

久(……ふむ)

久(私なら…たぶん、真ん中。でも、それだと咲に気を遣わせちゃいそうだし、何より上を選ぶことによって休日デートができる…なんにせよ下はないわね。いくら私でも死んでる手で待つことはしない)

久(…簡単な話よ。上ならば休日デート+感想の交換ってところ…真ん中は感想の交換、それに後日受け渡しの時に多少話ができるかってところ)

久(どちらがより点数を稼げるか。明明白白)

 →『ちょうど今暇だったし、付き合おうか?』ピッ

 『ちょうど今暇だったし、付き合おうか?』

咲『え?いいんですか?』

 『うん。咲のおすすめの本とかあったら教えてよ』

咲『っ!はいっ!』ニコッ

『…可愛い』

久「…可愛い」

咲『あの…手、繋いでもらってもいいですか…?』

 『え?』

咲『あのっ、えっと、私、また迷っちゃうかもしれないので……』

 『……』

咲『その…急にヘンなこと言っちゃってすみません…』

 『……ん』ぎゅっ

咲『あっ…』

 『それじゃ、行こう』

咲『……はいっ』

久「お、CGだ……この笑顔の咲、可愛いなぁ」

 ― 三時間後 ―

久「………」カチカチ

久「………」カチカチ

久「……あ、もうこんな時間……」

久「寝なきゃ……いや、勉強しないと。むむむ……」

久「今日はいいか……。くっ……寝たくない……なぜ人間は睡眠を取らねばならないのか」

久「……悔しいけど、和の言ってたことは正しかったってわけね」

久「ン……」ギシッ

久「ふわぁ~……」

久「………」スゥ…

久(咲……)

そのゲーム、言い値で買おう

 翌日

久「………」

一太「会長?どうしたんですか?今日は随分と疲れてるように見えますが…」

久「ん……ちょーっとね。てことで後は任せたわ」スッ

一太「あ、ちょっと!?」

久(すぐ帰って続きでもやりたいけど…部活もあるし、寝不足気味だからちょっと部室のベッドで休ませてもらいましょう)スタスタ

まこ「よ、久」

久「あら、まこ」

まこ「随分早く終わったのう」

久「途中で副会長に押し付けてきちゃった」

まこ「またかい…あいかわらず人遣いの荒いやつじゃのう」

久「会長たるもの人を使えないとね」

まこ「よく言うわい」

カラテンリーチしてたじゃん
見たこと無さそう

久「それで?ここで待ってたってことは、私に何か用?」

まこ「んー……まぁ、そんなとこじゃ」

久「ふーん。…それにしてもあなた、クマがすごいわよ?」

まこ「へっ、お互い様じゃ。…その様子じゃと、あんたも和からもらったようじゃな」

久「ああ……あれね」

まこ「ん、あれじゃ」

久「……」

まこ「……」

久「なんかしゃべんなさいよ」

まこ「む、そうじゃな。…正直、どうじゃった?」

久「見てわかんない?昨日は気付いたら日付変わりかけてたわよ」

まこ「はは、あのお前さんがのー。まぁこっちも似たようなもんじゃ」

久「そう」

まこ「いやぁ……………今日、咲のやつと顔合わせづらいのう」

久「たしかに」

まこ「困った困った」

久「あ、じゃあもしかして部室に一人で行って咲がいたら…ってことで待ち伏せなんかしてたってわけ?」

まこ「な、なんじゃ、悪いんか」

久「べっつにぃ。ま、わからないでもないわ」

まこ「くぅ~……今まで和が咲相手に顔赤らめとったんをこんな形で理解する日が来るとはのう」

久「ある意味じゃ和の術中にハマっちゃったのかもね」

まこ「はぁ。難儀じゃなあ」

久「お互いにね」

 部室

久「やっほー、やってる?」ガチャ

和「部長、染谷先輩、おつかれさまです」

まこ「ん?和だけか?」

和「優希は食堂に、咲さんは図書室に寄ってから来るそうです」

久「あれ?須賀君は?」

和「部長が買い出しを頼んだんじゃないですか?」ジトー

久「んー、そだったかな」

まこ「あいかわらず京太郎には容赦ないのう」

咲「おまたせ和ちゃん!あ、部長と染谷先輩ももうきてたんですね」

久「うえっ?」

まこ「のわっ!」

久(リアル咲…間近で見るとつくづく思うわ、似すぎでしょあの絵……)

まこ(咲ちゃん…じゃのうて咲がいきなり後ろから現れるから心臓飛び出たかと思ったわ……)

咲「?」

久(くぅ……小首を傾げる動作ひとつでこんなにドキドキするなんて……!落ち着きなさい、竹井久!)ドキドキ

咲「今日は学生議会の方で会議があるって言ってませんでしたっけ」

久「え!?あ、うん、まぁね。ちょっとアレだったからフケちゃった」

咲「もうっ。ダメですよ部長。上に立つ人なんですからもっとしっかりしないと」メッ

久(ぶひいいいいいいいい!)

久(はっ!?今ダメな思考に流されかけてたわ……あぶないあぶない……なんて破壊力なの、『メッ』)

まこ(……なんかうらやましい……とか思っちゃった時点でやばいのう)

和「それじゃ面子も揃いましたし、やりましょうか」

久(あー……できればちょっと寝たいのよねえ……でも後輩に「寝るからサンマしてて」なんて言えないし……)

優希「今日もゴキゲンタコスだじぇー!」

久(よし、ナイスタイミング!)

久「来たわね優希。それじゃ咲、和、優希、まこでやっててちょうだい」

まこ「なっ!久、あんた……!」

久「よろしく~」

まこ「くっ……」

優希「? なんかヘンな染谷先輩だじぇ」ドサッ

和「それじゃ始めましょうか」スッ

咲「そうだね」キシッ

優希「!?」

優希(あう……咲ちゃんが対面とか……///)

まこ「うん?」

まこ(ははあ……さては優希のやつもアレをやったんじゃな?咲の対面で恥ずかしくて顔見れん、ちゅーところか)

優希「さ、さっさと始めるじぇ!」ポチッ

 カラカラカラ

優希「起家はトーゼン私だじょ!」

久「さて、と」

久(いきなりベッドインってわけにもいかないし、牌譜を見るふりでもしてましょうか)カチカチ

久「……」

久「……」カタカタカタ

検索窓「咲-Saki-」

久「……なにやってんの私」

久「あ、出た。やっぱり少ないわね」

久(咲-Saki-完全攻略、ともきーの部屋……?攻略サイトってやつかしら?)

久(さすがにいきなり攻略サイトを見るのはないわよね……)

久(それ以外は一致なしか……履歴消してっと)

 東四局

和「リーチ」

優希「むっ」

優希(ラス局とはいえまだ東場、私の速度を上回るとはさすがのどちゃんだじぇ)

優希(ぬ……しかも安牌が少ない……。現物もないし……たぶん咲ちゃんはカン材抱えてるだろうし、こっちは三暗刻形……トイツ場と考えるとスジが安全とも限らないじょ)チラッ

咲「……?」ニコッ

優希(~~~~~~~っ!?)

優希(顔上げたら咲ちゃんと目が合ってしまった……!はずいじょ~……)タンッ

和「ロン」

優希「あ」

和「リーチ一発タンヤオドラ2、8000」

優希「ぐぬぬ」ジャラ

咲「ツモ。嶺上開花・ツモ・ホンイツ・役牌、3000・6000です」

優希「親っかぶり……」ジャラ


まこ「お、それじゃ。7700」

優希「げ」


和「今日は調子悪そうですね、ゆーき」

優希「ぬ~……」

優希(誰のせいだと……)

咲「優希ちゃん大丈夫?」スッ

優希「じょ!?!?!?!?」

咲「わ、顔まっかだよ?熱でもあるんじゃない?」ピトッ

優希「」

優希(あ~……咲ちゃんの顔がすぐそこに……そーいえばゲームでもこんなシーンあったじょ……)

和「ちょっ!咲さん!?」

咲「え?」

和「なんてうらやまけしからん…こほん。えーと、私もちょっと熱っぽいよーな」

まこ「そうかそうか、どれ、わしが測ってやろう」ゴチン

和「いたっ!」

まこ「ささやかな復讐じゃけえ」ククク

和「~っ」ナミダメ

咲「あはは……」

優希(咲ちゃんかわいいじょ~)

和(ゆーき……そうですか)

和(その表情…堕ちましたね!)ピーン

久「ふあ~、よく寝たわー」

まこ「寝すぎじゃばかたれ」

咲「熟睡でしたもんね。夜更かしですか?」

久「う。まーそんなとこかしら?ちょっと勉強をね」

まこ「なーんの勉強してたんだか」

久「うっさい!」ベシッ

まこ「いちち」

和「それじゃ今日は解散ですね」

久「そうねー」

咲「それじゃ帰ろっか」

和「あ、すみません咲さん……今日は少し野暮用があるので一緒に帰ることができません……」シュン

咲「そっか。用があるなら仕方ないよね……それじゃまた明日ね!」

和「はい、また明日」

咲「それじゃ失礼します」ぺっこりん

久「はーい。気をつけるのよー」

和「……さて、みなさん」

久「……私たちに何か用があって残ったというわけ」

和「そうです」

まこ「なんじゃなんじゃ。剣呑じゃのう」

和「みなさん、どうやらお気に召したようですね」

久「なんのこと?」

和「とぼけても無駄ですよ。私の位置から部長が検索かけてたのばっちり見えてましたから」

久「え!?ちょ、対局に集中してなさいよ!」

和「染谷先輩もクマがありますし」

まこ「いやー、ははは」

和「ゆーきなんて様子見てるだけでバレバレです」

優希「じょ!?」

和「なにも恥じることはありません。アレを目の当たりにして萌えない人はただの燃えないゴミです」

まこ「言い切るのう……」

和「咲ちゃんは天使!咲ちゃんは正義!」

久「…えー、なにそのノリ」

優希「…咲ちゃんは天使」ボソッ

久「え?」

和「ゆーき……」

まこ「咲ちゃんは正義!」

久「ちょ!まこまで!?」

まこ「だーって、かわいかったのは事実じゃしのう。せっかくだから楽しまんと損じゃ」

久「…はぁ」

和「素晴らしいですね……こうして同士の輪が広がっていくのは」

和「というわけでこれです」っ◎

久「ゲームのディスク……?でも私たちもう貰ってるじゃない?」

まこ「続編か?」

和「いいえ。これは」

和「布教用です」ニッコリ

久「…つまり、私たちにも布教をしろと」

和「はい。私やお義姉さんの交友関係ではどうしても狭い範囲にしか布教できませんから」

まこ「ほーん……ん?こっちのディスクはCD-R…ゲームディスクじゃないな?」

和「ああ。それは特典のドラマCDです」

久「ドラマCD?」

和「はい。今のところ数枚しか存在しないのでプレミアですよ。本編にない日常パートが収録されています」

まこ「ほー、なかなかになかなかじゃね」

優希「なんだかしらんけどラッキーだじょ」

和「もちろん、協力していただけるなら差し上げます」

まこ「だれもやらんとは言っとらんかったじゃろ。まぁ貰っとくわ」

優希「げっと!だじぇ!」

和「部長はどうしますか?」

久「………」

久「…乗るわよ」

和「ふふ、ありがとうございます」

久「はぁ、即物的な自分がやになっちゃうわ」

和「別に犯罪に加担しろとか言ってるわけじゃありませんから。自分の欲求に素直になってもいいんですよ」

和「ことに、咲ちゃんの誘惑ですから。負けない方がおかしいです」

久「…前までなら即否定してたのに、今はできない……」

まこ「そういやこれ、声はどうなっとるんじゃ?」

優希「そうだじぇ。絵で驚いて、さらに咲ちゃんの声が流れてもっと驚いちゃったじょ」

和「声優さんはプロの方ですよ。咲さんそっくりの声の方がいたので龍門渕パワー(マネー)でお頼みしました。うえだかなという方です」

優希「いけだかな?」

まこ「池田ァ!」

和「違います。あんなのと一緒にしないでください」

久「なにやってんのよ……用が済んだなら私はもう帰るわよ?」

和「続きが気になってるんですか?」ニヤニヤ

久「そうよ」

和「………」

久「なにその顔は」

和「い、いえ、少し意外だったので……」

久「さすがにもう開き直っちゃったわよ。そうと決まればやることも多いしね。とりあえずゲームをクリア、ドラマCD聴いて、布教先も考えなきゃ」

和「部長……やはりあなたを引き込めてよかった。頼もしいです」

久「任せなさい」ウデマクリ

久「全国に咲ちゃんの輪を広げるわよ!」

皆「おーっ!」

清澄編カン

>>17
目的や意味もなく死んでる手は選ばない、ってことで補完してくれ
次長野編

 『すごい雨だね』

咲『そうだね。……こうして雨のなか静かな部屋にいると、世界がこの部屋だけなんじゃないかな…なんて思っちゃうね』

 『咲は文学少女だね』

咲『えっ、そ、そうかなぁ』

 『うん。とても素敵だと思うよ』

咲『ふふっ。ありがとう』

 ―――
 ――
 ―

ゆみ「……咲ちゃん萌え」ボソッ

睦月「…は?」

智美「んー?」

ゆみ「はっ!?い、いや、なんでもないぞ。うん、なんでも」

モモ「あー!先輩いかがわしいゲームなんかやってるっす!!」

ゆみ「も、モモっ!?いや、これはちがっ…というかこそっと後ろに回り込むな!こら、覗き込むなぁぁあ」

智美「ワハハ。ゲームか。脱衣麻雀かな?」ひょい

ゆみ「あ、こら!」

智美「………」

智美「………」スッ

ゆみ(あ、あの蒲原が…)

睦月(いつも笑顔の部長が…)

モモ(部長さんの真顔、初めてみたっすーっ!?)

智美「いや…ゆみちん、部活中にギャルゲーはさすがに笑えないぞ」

ゆみ「いや、ちがうんだこれはその」アセ

モモ「なにが違うんすか!?これは浮気っすよ!浮気!」ガーッ

ゆみ「いや、それは違うぞ。浮気とは浮気相手がいて初めて成立する。伴侶がいながら、もう一方で別な『一個の人間』と交際することを浮気というのだ。この場合、二次元は一個の存在として現実世界に在るわけではないゆえ、浮気たりえない」

モモ「え?」

ゆみ「ともかく話を聞いてくれ!」

ゆみ「これは久…清澄の麻雀部からうちの麻雀部宛に先日届いたものだ!別に私の私物ではない!」

モモ「清澄の…?あの部長さんと連絡を取り合ってるんすか?」ジトッ

ゆみ「いやっ、取り合っているというか、今回はこれが一方的に送られてだな」

モモ「『今回は』?」

ゆみ「あーもうっ!今はその話はいいだろう!?」

モモ(逃げたっすね)

智美「まぁそれはわかったとして、なんでゆみちんはそれを私たちに言わなかったんだ?」ワハハ

ゆみ「…言いだしづらかったんだ」

睦月「モノがモノですしね…」

モモ「じゃあなんでそのゲームをやってたんすか?」ジロリ

ゆみ「興味本位だ」キリッ

モモ「清々しいほど見事に言いきったっすね……」

智美「咲ちゃんがどうのこうのっていうのは?」

ゆみ「それは…見てもらった方が早いか」

ゆみ「これが送られてきた包みだ」

智美「『咲-Saki-』?」

モモ「これ、清澄のリンシャンさんっすよね」

ゆみ「どうも、彼女をモチーフにしたキャラクターをヒロインに据えたゲームらしい」

睦月「もんぷちソフトって……」

ゆみ「どうも布教目的で送ってきたらしい。お前たちの分もある」

智美「いやぁー……私はちょっとなー」

睦月「私もこういうのはちょっと……」

モモ「なんでリンシャンさんと青春しなきゃなんないんすか……」

ゆみ「そう言わずに、モモ、まずはお前だけでもいいから!食わず嫌いはよくないぞ!」

モモ(ムッ…なんでそんな必死なんすか……)ムスー

モモ「はぁ…わかったっす」

ゆみ「そうか!わかってくれるか!」パァァ

モモ「うっ……こ、これは貸しっすよ!」

ゆみ「ああ!あとでなんでも言うこときく!」

モモ(なんでもっすか!)

智美「とりあえず、部活中のゲームは麻雀以外禁止なー」ワハハ

ゆみ「そうだな。すまなかった」

佳織「すっ、すみません!遅れましたっ!」ドタバタ

智美「お、きたなー。ワハハ、それじゃ麻雀するとしようかー」

 翌日

モモ「部長さん」

智美「うおっ、モモいたのかー」

モモ「清澄と合同練習組みましょう」

智美「え?なんで?」

モモ「私やむっちゃん先輩、かおりん先輩にとって経験値が必要っす。つまり清澄との合同練習」

智美「いや、それはさすがに無理があるだろー……ってか今明らかに飛躍したぞ」ワハハ

モモ「だめっすか」

智美「だめってこともないけど、ちょっと厳しいんじゃないかな。向こうにも都合があるだろうし」

モモ「ちぇっ」

智美「なんだなんだー?咲ちゃん目当てかー?」ワハハ

モモ「」ギクッ

智美「なーんて、冗談だぞ。ワハハ。ワハ…え、マジ?」

ゆみ「ふっ。モモならわかってくれると信じていたぞ」

智美「どっから湧いてきたんだゆみちん」

モモ「いやいやいや違うんすよ違うんすよ…咲ちゃんは恋愛対象とかそーいうんじゃなくって、こう…思う存分愛でたい、みたいな?」

智美「めでたい?」

ゆみ「わかる」

智美「わからんぞ」

ゆみ「蒲原も直わかる。さぁ、これを手に取れ」

智美「果てしなく嫌だぞ……」

 翌日

智美「ワハハ。咲ちゃん大天使」

モモ「ね?ね?合同練習いきましょうよ。いいっすよね?咲っちょだけ!」

ゆみ「はは、咲っちょ言いたかっただけだろモモ」

モモ「テヘっす」ペロッ

智美「なんでも清澄の人はドラマCDなるものを持ってるらしいぞ」ワハハ

ゆみ「なんだそれは」

モモ「くわしくっす」

智美「昨日清澄の竹井久から聞いた。なんでもたまらんらしい」

ゆみ「なにが!どうっ!たまらんのだ!?」

モモ「こうなったら…清澄にスニークするしか…!ステルスモモの独壇場っすよ!」

佳織「……え、これどういうことなの?」

睦月「う、うむ……どう、だろう……?」

モモ「ね?ね?合同練習いきましょうよ。いいっすよね?咲っちょだけ!」

ゆみ「はは、咲っちょ言いたかっただけだろモモ」

モモ「テヘっす」ペロッ

智美「なんでも清澄の人はドラマCDなるものを持ってるらしいぞ」ワハハ

ゆみ「なんだそれは」

モモ「くわしくっす」

智美「昨日清澄の竹井久から聞いた。なんでもたまらんらしい」

ゆみ「なにが!どう!たまらんのだ!?」

モモ「こうなったら…清澄にスニークするしか…!ステルスモモの独壇場っすよ!」

佳織「……え、これどういうことなの?」

睦月「う、うむ……どう、だろう……?」

 風越女子

美穂子「あら?清澄…上埜さんからだわ」

華菜「なんか荷物もありますね」

美穂子「なにかしら?」

華菜「…なーんかやな予感がするし」

華菜「ばりばりーっと。…なにこれ?DVD?」

未春「あ、これ咲-Saki-じゃないですか!」

文堂「え、ほんとですか!?」

華菜「え、なに、みはるん知ってんの?」

未春「うん。清澄の染谷さんに教えてもらったんだけどね、咲ちゃんがすっごくかわいいの!」

文堂「私は鶴賀の津山さんから…とにかく咲ちゃんが天使なんですよね」

華菜「いやいや、咲ちゃんってこれ、清澄の大将だし」

文堂「そうなんですよねー!いやー、大会でのイメージがあって最初はおっかなびっくりだったんですけど、そんなのすぐにふっとんじゃいましたよ!」

未春「本物もこんなにかわいいのかなぁ…合宿の時にもっとコンタクトとっておけばよかったなぁ」

華菜「いやいや、かわいいってお前ら、そいつ敵な?」

華菜「キャプテンもなんとか言ってやってくださいよ!」

美穂子「……」

手紙『美穂子にもぜひおすすめしたいと思って送らせてもらったわ』

美穂子「……上埜さんのおすすめ……」

華菜(あ、だめだわこれ)

文堂「あ…でもこれパソコンのゲームなんですよね……」

美穂子「え…ぱそ…こん…?」

文堂「あぁ!私たちがサポートしますから!」

未春「そうですよ!それに難しく考えなくても、パソコンで見る読み物だと思ってもらえれば!」

美穂子「ごめんなさい……迷惑をかけるわね……」グスッ

文堂「泣かないでくださいキャプテン!」

未春「大丈夫ですよキャプテン!」

華菜(だめだしこれ……)

久保「華菜-Kana-はないのか」

華菜「ねーよ」

久保「そうか…残念だ」

華菜「なにがだよ。黙ってろし」

久保「…池田ァ」

華菜「え…ここっこここっこコーチ!?」

久保「だれがコケコッコーチだ池田ァ…」

華菜「いや言ってませんし!」

久保「いい度胸だな池田ァ!」

華菜「ぎにゃーーーーーーーーっ!!」

 キャプ家

美穂子「スイッチ…スイッチ…」ポチッポチッ

咲『もっと美穂子さんと一緒に打ちたい!』

咲『えへへ…美穂子さん、お姉ちゃんみたい……』

美穂子「……」ホゥ…

美穂子(咲ちゃん…もし私に妹がいたらこんな感じなのかしら……)

美穂子(華菜も妹みたいなものだけれど…やっぱり私と華菜じゃあまり似ていないし……)

美穂子(華菜には私にない元気なところ、前向きなところ、やんちゃなところがあるけれど)

美穂子(咲ちゃんはどちらかといえば私に似ている気がする……)

美穂子(かわいいなぁ……)ポチッポチッ

美穂子(上埜さんとは違うベクトルで、惹きつけられる……)ポチッポチッ

 池田ァ家

華菜「うう…今日はひどい目に遭ったし」

華菜「チビたちも寝かしつけたし、宿題も済ませたし…寝るまでネト麻でもやろっかな」

華菜「あん?これ……」

華菜「……」キョロキョロ

華菜「…ふ、ふふん、ちょっとどんなもんか確かめてやるし……」

華菜「うわ…要求スペックギリギリだし……」

咲『華菜ちゃん!』

華菜「上級生には敬語使え?」カチカチ

咲『華菜ちゃんといるの、すっごく楽しいよ!』

華菜「…おおう」ドキドキ

華菜「ってなにドキドキしてるし!?」

華菜「こんなのこんなの……っ!こうだし!」ガッ

華菜「………」

華菜「………」カチカチカチカチ

華菜「ぅぅぅ……」ネコミミピョンコシッポフリフリ

 翌日

未春「どうでしたか!?キャプテン!」

美穂子「ええ。すごくよかったわ。咲ちゃんってかわいらしいわね」

文堂「ですよねぇ!」

華菜「まぁ?悪くはなかったし?」

未春「あ、華菜ちゃんもやったんだ?」

華菜「うっ」

未春「華菜ちゃん?」

華菜「うぅ~…にゃーーーーっ!華菜ちゃんって呼ぶなぁぁああああ!」フーッ

未春「ええっ!?」

ドム「……」カタカタ

ドム「……あ、ともきー日記更新してる」カタカタ

長野編カン!

 そもそもの発端

和「咲さんの浴衣」

照「ロリ咲」

和「ぶふっ」

照「うはっ」

衣「あ!ノノカだ!おーいノノカー!」

和「あら、あなたは天江さん……」ドクドク

衣「ノノカ?鼻血が大洪水だぞ、だいじょーぶか?」

照「なんだこのロリっこは」

和「こちら龍門渕の天江衣さんです」

照「なんと。これが天江衣……」

衣「衣はロリじゃない!」

和「こちら咲さんのお姉さんの宮永照さん」

衣「咲の!」

照「よろしく」アクシュ

衣「うむ!」ギュッ

照「ころたんって呼んでいい?」

衣「だめだ」

照「ころたんはどうしたの?」

衣「こーらー!」

和「そういえばそうですね。どうしたんですか?」

衣「いや、殊に用があるわけでもない。が、ともだちは用がなくても遊べるものだと聞いてる」

和「まぁそれもそうですね」

衣「ノノカと照はなにをしていたのだ?」

和「咲さんについて語り合っていたんですよ」

衣「咲について!」キラキラ

和「そうです、天江さんも参加しますか?」

衣「よいのか!?」

照「参加資格は咲のことが好きか否か」

衣「それならば危懼するに能わず!衣は咲がだいすきだ!このきもちは透華たちに対するそれと比べて聊かの遜色もないぞ!」

照「(え、日本語…だよね?)それなら問題はない(と思う)」

和「それではこの写真を贈呈しましょう」

衣「わーい!咲がいっぱいだぁ!」

和「ふふ、咲さんには内緒ですよ?」

衣「そうなのか?うん、わかった」

和「おっと、そういえば」

衣「?」

和「天江さん…そして龍門渕にお願いしたいことが……」

 龍門渕

透華「はぁ?ゲーム会社を作りたい?」

衣「うむ!」

透華「あのですね衣…どのようなゲームを作りたいのか知りませんが、産業というものはそう甘くはありませんのよ?」

衣「だいじょーぶ!完全に私的利用が目的の会社だ!」

透華「まったく大丈夫な要素がありませんわ!?」

衣「だめか……?」うるうる

透華「うっ…大体、そんな突拍子もない話、どうしたんですの?」

衣「ハラムラノノカにお願いされた」

透華「原村和に!?」

衣「うむ」

透華「却下!却下却下大却下ですわ!いくら衣のお願いといえども」

衣「む…致し方なし。最終兵器とうにゅー!ノノカとネト麻で対戦フリーパス!」

透華「仕方ありませんわね」

衣「やったぁ!とーかありがとう!」

透華「まったく…衣は仕方ありませんわね!」

一「仕方ないのは透華お嬢様の方だと思いますけどね」ボソッ

透華「なにか仰りまして!?」

一「いーえ、なにも」

透華「ハギヨシ!」

ハギヨシ「はっ、ここに」

透華「話は聞いていまして?」

ハギヨシ「把握しております」

透華「衣の要望通りになさい」

ハギヨシ「承知致しました」

 こうしてもんぷちソフトが新設された

書き溜め尽きたのよー
全国編はもうちょっと待ってほしいのよー
あと勝手な都合で出てこない人もたぶんいるのよー

一応酉

http://i.imgur.com/MHS99Oy.jpg

咲ちゃんの予感をよそに、咲ちゃん人気は長野を飛び出します

 奈良

宅配「すみませーん」

穏乃「お、はーい?」

宅配「お届け物でーす。ここに判子オナシャス」

穏乃「あーはいはい」ポン

宅配「あざっしたー」

穏乃「なんだろ。随分おっきいけど」

穏乃「りゅうもんぶち……天江さんからだ!」

穏乃「うーん?ゲーム?」

穏乃「よくわかんないなー…とりあえずやってみよっと」

穏乃「げー…なにこれめんどくさ…ソフト入れてガチャポチじゃないんだ……」

憧「しずー。来たわよー」ピンポンピンポン

憧「…出ない。まさか約束すっぽかして山籠もり……?」ガチャ

憧「あ。開いちゃった。鍵かかってないってことは…居るのかな?」

憧「メールも電話も全然反応ないし…いいよね?」

憧「おじゃましまーす」

憧「しずの部屋は…っと」

穏乃「……」カチカチ

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『穏乃さん』
  『穏乃ちゃん』
  入力

 →『穏乃ちゃん』ピッ

咲『穏乃ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

穏乃「……」

穏乃「宮永咲……!!私が攻略すべき相手だ――!!」カチカチ


憧「……え」

穏乃「え?」

憧「……」

穏乃「ああああ憧?なんでうちに、いやあのこれはだな…」

憧「しず、そういうのやるんだ……」

穏乃「ええっ!?これはちがくてっ、ああでも今やってるから違うくないのかな……?」

憧「私との約束は?」

穏乃「や、やくそく!?そーいえばそんなのあった…」

憧「…『そんなの』?」

穏乃「え?」

憧「~~~~~~っ!ばか、あほっ、野生児、裸ジャージっ!しずなんてもう知らないっ!」ダッ

穏乃「あ、憧!」

穏乃「…行っちゃった」

穏乃「あちゃー…怒らせちゃったなぁ」

穏乃「……」チラッ

咲『』ニコッ

穏乃「憧にはとりあえずメールで謝っといて、明日ちゃんと謝ろう……」

穏乃「……」カチカチ

穏乃「……にゅふ」ニマ★

憧「う~~~~」

憧「信じらんない信じらんない!友達との約束すっぽかしてゲームってなにそれ!?」ズカズカ

憧「はーもう!なんでこんなイライラするかなぁ~っ!!」

憧「むかつくむかつくむかつく~~~~~!!」

憧「ただいま!」

望「あら?憧もう帰ってきたの?早くない?」

憧「知らん!」

望「? あー憧、あんた宛に荷物届いてたよ」

憧「荷物ぅ?なんだろ」

望「さぁ?結構おおぶりな箱だったけど」

憧「ふーん。どこ?」

望「そこ」

憧「ああこれ。なになに……?龍門渕から?え、本気でわかんなくなったんだけど」

憧「部屋で開けよっと」

 憧ちゃんの部屋

憧「…え、なにこれ」

パッケ「咲-Saki-」

憧「ゲーム…?ってかこれしずの部屋にあった…」

憧「ってことはしずにも龍門渕からこれが届いてやってたわけか」

憧「あはは…なにかに意識が向かうと他のこと忘れちゃうのはしずらしいなー」

憧「ちょっと言い過ぎちゃったかな……」

憧「…ううん!」プルプル

憧「しずがあたしとの約束を忘れてたのは事実!今回はしずから謝ってくるまで口聞いたげないんだから!」

憧「…やっぱかわいそうかな。ちょっと冷たく接するくらいかな、うん」

憧「というか、これどうしよ」

憧「むむ…野生児のしずをパソコンの前に縛り付けるほどの…」

憧「うん、決めた。検閲よ!」

憧「少しでもいかがわしい内容が含まれていたら即刻しずから没収しないと!そのためにも検閲が必要だわ!」

憧「……」いそいそ

SD咲『インストールちゅうです!しばらくお待ちください』ぺっこりん ぺっこりん

憧「え、なにこれかわいい」

 ― 一時間後 ―

 『そうだ、咲。いっしょに買い物いこ!』

憧「いっしょに買い物かぁ。そーいえば昔、初瀬を誘った時は『そんな暇があるなら麻雀!』って怒られたっけ」アハハ

咲『うんっ。いいよ!すっごく楽しみだな、憧ちゃんとお買い物』ニコッ

憧「っ」ドキッ

憧「な、なによ。たかがゲームじゃない…たかがゲーム……」

 ― 二時間後 ―

咲『えへへ…なんだか緊張するね……』

 『うん』

咲『こうしてだれかといっしょに眠るのなんてひさしぶりだなぁ』

 『そうなの?』

咲『うん。ねぇ、憧ちゃん…手、握ってもいいかな?』

 『…いいよ』

咲『ありがと。ふふ…あったかいね』

憧「…す、すごっ……」(手で顔覆うけど指の間から見てる)

憧「うわ、うわー…そんな布団を並べていっしょに寝るなんて…あまつさえ手なんか握っちゃうなんて…!」

望「あこー?」

憧「ひゃっ!?」バン

望「入るよー。…あんた、ノーパソ抱いてなにやってんの?」

憧「え、や、ほらあったかーい!あったかいなー!ってね!?」アタフタ

望「なにばかなことやってんの……」

憧「それよりなに!?なんか用!?」

望「なんでキレ気味…あんた午後から部活って行ってなかった?」

憧「あっ」

望「てっきり穏乃ちゃんとそのまま行くもんだと思ってたから忘れてたけど」

憧「う、うん、そだね。ありがとお姉ちゃん」

望「はやくしなよー。あんまハルエに心配かけないようにね」バタン

憧「……」

憧「はぁー……」

憧「尋常じゃないほど焦ったわ……」

憧「部活かー…しずも来るよね、やっぱり」

憧「……」カチカチ

咲『ほんとーにゲームを終了するんですか?』

憧「こんなところでも喋るんだ。凝ってるなぁ」

咲『ゲームを終了します。また遊んでくださいね?』

憧「……またね」ボソッ

 阿知賀・麻雀部部室

晴絵「よーし、みんなー…って」

晴絵「およ?灼と憧だけ?」

灼「みたい」

憧(しず…来ないつもりなのかな……)

晴絵「……」

晴絵「よし!ちょっくら確認しよっかね」ピッピッピ

晴絵「……」プルルル

穏乃『あ…もしもし?赤土さん?』

晴絵「もしもしー?どうしたのしず、珍しいじゃんあんたが部活来ないなんて」

穏乃『あー…アハハ』

晴絵「…もしかしなくてもさ、憧関係?」ボソッ

穏乃『え?』

晴絵「なーんか言いにくいことでもあるんじゃないのー?」

穏乃『えー…憧、なんか言ってました?』

晴絵「うんにゃ、なんも聞いてないけど。あからさまに沈んでるからね、バレバレよ」

穏乃『あー、そうですか……』

晴絵「なんでもいいけどさー、はやいとこ仲直りしちゃいなよ?こじれた空気を持ち込まないでよねー」

穏乃『あ、ハイ』

晴絵「ふふ、若いねえ。青春だねえ!」

穏乃『ですかね…はは。うん、なるべくはやく謝ることにします』

晴絵「うーい。んじゃ頑張んなよ」

憧「しず、なんて?」

晴絵「そのうち来るかもしんないし、来ないかもしんないし…ま、心配はいらないでしょ」

憧「そう……」

晴絵「玄たちは…おうちの方に電話かけてみようか」プルルル

玄『もしもし、こちら松実旅館です。なにかごよーでしょうか?』

晴絵「玄?あんたどしたのさ」

玄『あっ、赤土さぁん!ごめんなさい!』

晴絵「ん、なんかあったの?ごめんじゃわかんないよ」

玄『昨日なんだかゲームが届いたんだけど、おねーちゃんが『咲ちゃんあったかぁい』って言って部屋から出てこなくって……』

晴絵「あー…あちゃー、宥がハマっちゃったかあ」

玄『どーしよ……』

晴絵「とりあえず玄、来れる?」

玄『あ、はい!』

晴絵「今日は宥はいいから、玄だけでもきてちょうだい」

玄『りょーかい!』

晴絵「よろしくー」プツッ

晴絵「宥はちょっとアレだけど、これから玄が来るってさ。しょうがないから私が入るよ」

灼「ハルちゃんが?」

晴絵「お、なに?不満?言っとくけどまだあんたらには十回やって十回勝てるくらいの自信はあるつもりよ?」

灼「だれもそんなこと言ってないじゃん」

灼「~♪」

憧「はぁ……」

晴絵「ん。憧」

憧「え、なに?」

晴絵「しっかりしな。大丈夫、しずだってわかってるって」

憧「あー…うん。そうだよね、ありがとハルエ」

晴絵「よし!」


憧(心配してくれたんだろうし、ハルエにしちゃ結構スルドいけど……)

憧(私が心配なのは、たぶんしずがゲームやってて部活来ないってことなんだよね……)

玄「遅れました!」

晴絵「お、来たねー。よし、さっそくやろうか」

灼「ん」

憧「お願いしまーす」

玄「サイコロふりまーす」ポチ カラカラカラ

晴絵「そういえばさ」チャッ

灼「なに?」チャッ

憧「……」チャッ

玄「?」チャッ

晴絵「昨日うちにゲームが届いたんだけど、みんなのとこにも届いてるでしょ」

憧「ぶっ」

晴絵「なにしてんの、憧」ジトッ

憧「んんんっ?いやいやなんでもないわよ?うんなんでも」

晴絵「ふーん、まあいいけど。でさ、どうなの?」

灼「あの『咲-Saki-』ってやつ?」

憧「あー……」ドキドキ

晴絵「それそれ。やった?」

灼「やるわけないじゃんあんなの。そんな暇じゃないし」

憧(え!?やるわけないの!?)

玄「おねーちゃんはなんかハマっちゃったみたいですけど、私もちょっとあのおもちは……」

憧(基準そこ!?)

晴絵「えーそう?私はやったよ。咲ちゃんかわいいよねーって話で盛り上がろうと思ったんだけどなー」

灼「え、晴ちゃんやったの?」

玄「よし!リーチ!です!」

晴絵「なに、やっちゃ悪い?」

灼「…ロリコンなの?」

晴絵「ろろろろロリコンちゃうわ!純粋に、『あ~こんな娘が妹だったらなぁ~』くらいの気持ちだよ!」

灼「えー」ジトッ

憧(やっぱりかわいいよねー)

玄「妹か~。おもちたっぷりなおねーちゃんならほしいかな~」

灼「玄には宥さんがいるじゃん」

玄「私にはおもちサンドイッチという夢があるのです!」

晴絵「お、ツモった」

玄「え”っ!?」

晴絵「2000通しね」

玄「そんな~……」

憧(…おもちがすべてじゃないっしょ)

晴絵「どしたの憧?さっきから黙りこくって」

憧「え!?えー…集中してた…かな?」

晴絵「お、おう」

憧(心のなかで会話に参加した気になってた……)


憧(サンドイッチ……)

憧(しず・あたし・咲ちゃん……?)

憧(なにその大四喜)

 その日の夜・鷺森家

灼「ふぅ……」

灼「…あれ、ハルちゃんが言ってた……」じろっ

パッケ「咲-Saki-」

灼「ふん。なにさ、こんなゲーム……」

 ― 二時間後 ―

灼「咲たそ~」

 同刻・松実家

玄「おねーちゃーん、ごはん食べようよ~」

宥「もうちょっと…もうちょっとだけだから待って玄ちゃん……」カチカチ

玄「むぅ…じゃあおにぎりとお味噌汁持ってくるから、ちゃんと食べてね?」

宥「ありがと…ごめんね玄ちゃん……」

玄(――そう言いながらも、おねーちゃんはパソコンの画面に視線を固定したまま、いつも私に向けてくれるやさしげな微笑みを『咲ちゃん』に向けているのです)

玄(さみしい…さみしいよ、おねーちゃん……)

玄「ふわぁーーーーーんっ!!」ダダダッ

宥「うふふ…咲ちゃんの笑顔、心があったかいよう」ニコニコ

玄「ぐすぐすっ……私のおねーちゃんを奪うなんて…咲ちゃん…小悪魔なのです!」

玄「こんな貧おもち、私の手でおっきくしてやるぅ!」ディスクin

SD咲『インストールちゅうです!しばらくお待ちください』

玄「しばらくおもちください…?」

玄「あ、おねーちゃんにおにぎり作ってあげないと」

 同刻・高鴨家

穏乃「ご飯よし!お風呂よし!宿題はやらんでよし!」

穏乃「よし、咲ちゃんただいま~」

穏乃「憧にはメールしたらなんとかなりそうな感じだったし、もはやウレイはない!」

咲『いらっしゃいま…きゃっ、し、穏乃ちゃん!?』

 『咲…メイドさんの格好してなにしてるの?』

咲『えっと…先輩に頼まれて…うぅ…恥ずかしいよぉ……』モジモジ

穏乃「にゅふ、ふふふふ」

 →『すごく似合ってるよ。かわいい!』
  『おもちが足んねーなぁ……』

穏乃「なんだこの選択肢」

 →『すごく似合ってるよ。かわいい!』ピッ

 『すごく似合ってるよ。かわいい!』  

咲『あうぅぅ……』マッカ

穏乃「」

咲『あ…ありがと…穏乃ちゃん。えへっ』

穏乃「」バッ←ベッドにダイブする音

穏乃「」バフ

穏乃「~~~~~~~~っ」バタバタバタ

しず母「しずー、うるさいー!」

穏乃「あっ、ゴメンー!」

穏乃「…にゅふ」

穏乃「ふっ、ふふふ…」ニマ★

 同刻・新子家

憧「…はぁ」

憧「………」

憧(今日は疲れたなぁ……。しずとのことはなんとかなりそう…だけど)

憧「………」チラッ

ノーパソ「」

憧「はぁ」

憧(やりたい…ような、やりたくないような……)

憧(これ以上ハマっちゃうと……)

憧(胸が苦しい……)

憧「…はぁ」

 翌日・放課後

晴絵「今日は灼来れないか~。家の手伝いとかかな?」ツカツカ

晴絵「おいーっす!今日も部活がん…ば……」

 がらーん

晴絵「…だれもいない」

晴絵「まだ、うん、まだ来てないだけだな!」

晴絵「お、メール。しずからか。おお!憧とは仲直りしたか!」

晴絵「今日は来れない?憧も?なーんだそっかそっか」

晴絵「まー仲直りできたってことでさらなる友好を深めるために二人でどっか行ったりするのかな?」

晴絵「うんうん、仲良きことは美しきかな!」

晴絵「……」

晴絵「あ、また」

晴絵「今度は玄…『おねーちゃんが帰ると言って聞かないので今日は部活休ませてもらいます。ぺっこりん』」

晴絵「………」

晴絵「解散!」

晴絵「よーし!今日はさっさと帰って咲ちゃんといちゃいちゃするぞー!」グスン

阿知賀編カン!

なにこれ…思ってたよりすごく長くなりそう…
ここからはたぶん一校ずつの更新になるのよー
次はみんな大好き宮守かな。たぶん

わかめにキンクリされたけど南浦さんもどこからか入手してやってるらしい…
あと今さらだけど、コレジャナくても許してほしいのよー

 岩手・宮守女子

 キーンコーンカーンコーン

エイスリン「オワッタ!」

シロ「やっとかぁ……」

エイスリン「シロ!ブシツ、イク!」

シロ「動けない…おんぶして」

エイスリン「ヒキズッテイイ?」

シロ「さすがにそれは……」

エイスリン「」カキカキ バッ

シロ「しかも足を持つんだ……」

塞「こーらっ。あんまりエイスリンに迷惑かけないの」コツン

シロ「塞……」

塞「ほら、いくよ。立って」

シロ「立たせて」ンー

塞「はぁ…世話の焼ける」グイッ

シロ「おんぶ」

塞「断る」

エイスリン「」カキカキ

塞「ん?これ私とシロ?」

エイスリン「ナカヨシ!」

シロ「だってさ。おんぶヨロシク」

塞「しつこい!まったく…腐れ縁ってやつよ」

エイスリン「クサレ!」

シロ「あまり汚い言葉を教えるのはどうかと思うなぁ……」

塞「ちょっ!違うんだよエイスリン、腐れだけだとヘンな意味になっちゃうから……」アタフタ

エイスリン「エン?」

塞「そう!それもいっしょに言うの!」

エイスリン「クサレ、エン。シロ、サエ、ナカヨシ、クサレエン!」

塞「……なにこの後ろめたさ。エイスリンの笑顔が眩しいだけに余計苦しい……」

シロ「あ~……溶けそう」

塞「溶けちゃダメ!ほら、歩いて!」

胡桃「こら!遅い!」

豊音「やっほー」

トシ「やっと揃ったかい」

塞「あ、熊倉先生。こんにちは」

トシ「はいこんにちは。今日はみんなにお土産があるんだよ、さあさ、お入り」

胡桃「なんだろ!」

シロ「なんでもいいよ……」

豊音「ちょーたのしみだよー」

ちょいタンマ

シロ「ふー……もう動けない」ドサッ

塞「結局ここまで支えてきたし。私はあんたの孫か」

シロ「よしよし、ほめてつかわす」なでなで

塞「尻を撫でるな!セクハラやめい!」

胡桃「じゅーでんじゅーでん」トスッ

シロ「おも……」

胡桃「重くない!」

エイスリン「」クスクス

豊音「おみやげっ、おみやげっ」

トシ「はいはい、ちょっと静かにね。お土産のお披露目だよ」

豊音「どきどきわくわくっ」

トシ「よい…しょっと」ドサッ

塞「わっ…なんですかこれ」

トシ「これかい?フフ、これはね……」

エイスリン「」ベリッ

胡桃「あ、こらーっ!抜け駆け禁止!」

シロ「アグレッシブ……」

トシ「おやまあ……開けちゃったものはしかたないわね」

パッケ「咲-Saki-」

豊音「わぁーっ!これ宮永さんだよー!」キラキラ

塞「清澄の?あの、この箱がお土産なんですか?」

トシ「フフ、箱の中身がお待ちかねのお土産さ」

豊音「開けるよー!」パカッ

塞「ディスク……?宮永咲の対局を集めたDVD…とか?」

シロ「いや…これゲームでしょ」

塞「げえむ?」

シロ「なんでそんな残念な発音…メンドくさい……」

トシ「ご明察だよ。これは『咲-Saki-』というゲームさ。ちょいと昔のツテで貰ってね」

胡桃(…いらない!)アセ

豊音「わー、ちょーうれしいよー!」キラキラ

エイスリン「ゲーム……?」

シロ「エイスリンはこういうゲーム、あまり知らないか……」

エイスリン「セツメイモトム!」

シロ「無理。ダルい……」

塞「ふむふむ……」

トシ「おおまかな説明は私からさせてもらうよ」

胡桃「熊倉先生ってこういうのやるんですか?」

トシ「恥ずかしながら疎いわねえ。でも、このゲームのためにいろいろ勉強したんだよ」

胡桃「えー……」

トシ「今はブラインドタッチも余裕さ。…ゲームじゃ使わなかったけどね」

胡桃(やる前に気付かなかったのかな)

豊音「これ!咲ちゃんに萌える青春ADV!どういう意味かなー?」

トシ「それはね。ヒロインの咲ちゃんといっしょにお話したり、遊んだり、仲を深めるのが目的のゲームってことだよ」

豊音「夢のアイテムだよー!」キラキラ

エイスリン「トモダチ!」

トシ「そうさねえ。咲ちゃんと友達になるゲーム、ともいえるわね」

エイスリン「ゲームスゴイ!」

豊音「宮永さんと…ともだち…!」

トシ「みんなの分あるからね」

シロ「…あのさぁ」

トシ「うん?なんだいシロ?」

シロ「これ…PC無いとできないよね」

豊音「………」

エイスリン「………」

トシ「………」アセ

シロ「……ダル」

豊音「ぴー…しー…?」クビカシゲ

胡桃「パソコンのことだよトヨネ」

豊音「あー!パソコンは持ってないよー!」

シロ「ダメじゃん」

豊音「え。ダ…メ?」

シロ「うん」

豊音「できない?」

シロ「かなぁ」

豊音「」

豊音「」ブワッ

胡桃「わわ!トヨネが!」

シロ「あー…泣かないで」

エイスリン「デキナイ…ダメ…」ずーん

シロ「こっちも落ち込んでる…ダルい……」

胡桃「こらぁー!シロ、泣かすな!責任とってどーにかしてっ!」

シロ「どーにかって言われても……」

トシ「ごめんよ二人とも。そこまで考慮してなかった私の責任だ。そうさね…私のでよければあげるよ」

胡桃「え…でもパソコンみたいな高価なもの……」

トシ「いーんだよ。もとより孫ルート追加パッチが実現するまですることもなかったしね」

胡桃(え…なにそれ」

トシ「龍門渕に要望を出してるんだよ。咲ちゃんと余生を過ごせたら最高だね」

胡桃「えー…」

トシ「はい。この咲ちゃんモデルのノートパソコンは豊音に」

豊音「わぁー!なにこれ、ちょーすごいよー!」パァァ

トシ「エイスリンにはこっち」

エイスリン「」キラキラ

エイスリン「」カキカキ

ボード「アリガトウ(特大ハート)」

トシ「喜んでもらえたなら何よりだわ」ニコッ

シロ「あとは…塞はどうだろ」

塞「ブツブツ…ん?パソコン?うちにあるよ」

シロ「…ワープロとかじゃなくて?」

塞「それって馬鹿にしてる?」

シロ「いや…なんかそういうイメージなかったから」

胡桃「使い方とかわかる?トヨネ」

豊音「さーっぱり!」

トシ「それじゃ豊音とエイスリンには今ここで教えようかね。先に豊音に教えるから、その間四人は麻雀してなさいな」

皆「はーい」

 その日の夜・姉帯さんち

豊音「ふふーんふーん♪」カチカチ

咲『豊音ちゃん!いっしょに帰ろう?』

豊音「パソコンちょーすごいよー。テレビの六倍くらいすごいよー」ニコニコ

咲『今日も一日楽しかったねっ!』

咲『最近は豊音ちゃんとずっといっしょにいる気がするよ。ふふ、なんだかちょっとくすぐったいかも?』

豊音「ふわー…宮永さん……ううん、咲ちゃんちょーかわいー……」

咲『ずっと、こうやっていっしょに歩けたら…いいのにね』

豊音「ずっと……」

豊音「咲ちゃんの隣……いっしょに歩きたいなー……」

豊音「………」チラッ

 咲サイン

豊音「うー……おともだちになってくださいって、あの時言えばよかったよー……」

豊音「ゲームもちょーたのしー、けど……咲ちゃんと手を繋いで歩きたいなー……」

豊音「………」

豊音「よーし!今度会えた時のために予習するよー!」カチカチ

豊音「咲ちゃん!おともだちになってください!」カチカチ

咲『うれしい!ありがとう、豊音ちゃん!』ニコッ

 同刻・キーウィのすみか

エイスリン「~♪」カチカチ

咲『いらっしゃいま…きゃっ、え、エイスリンちゃん!?』

咲『えっと…先輩に頼まれて…うぅ…恥ずかしいよぉ……』モジモジ
 
エイスリン「メイドサン!」カチカチ

 →『すごく似合ってるよ。かわいい!』ピッ

 『すごく似合ってるよ。かわいい!』  

咲『あうぅぅ……』マッカ

エイスリン「カワイイ!」

咲『あ…ありがと…エイスリンちゃん。えへっ』

エイスリン「…エヘ///」

 同刻・鹿倉家

胡桃「………」

咲『………』ペラッ

 『………』

『咲の膝枕…読書をする咲の顔を見上げることができる、特等席』

胡桃「………」

胡桃(結局やってる私って……)

『おだやかな木漏れ日、そよ風が草を撫でる音、紙の擦れる音、咲の匂い…幸せな気分だ』

胡桃「………」

胡桃(膝枕は充電に入りますか?)

胡桃(むむ……やってみないとわからない)

胡桃「でも気持ちよさそうだなぁ」

胡桃「うぅむむむ……」カチカチ

 同刻・臼沢さん宅

塞「………」カチカチ

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『塞さん』
  『塞ちゃん』
  入力

 →『塞ちゃん』ピッ

咲『塞ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

塞「………っ///」

 クイックロード

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『塞さん』
  『塞ちゃん』
  入力

 →『塞さん』ピッ

咲『塞さん…えへへ、ちょっぴりよそよそしいかな?』

塞「うーーーん……」

 クイックロード

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『塞さん』ピッ
  『塞ちゃん』
  入力


  『塞さん』
 →『塞ちゃん』ピッ
  入力


 →『塞さん』ピッ
  『塞ちゃん』
  入力


塞「あ~~~~~っ!悩む!」

 同刻・小瀬川家 

シロ「ふぅ…ダル。もう今日は動けない」

シロ「………」チラッ

シロ「………」グググ

シロ「ダメだ…手が届かない」

シロ「諦めようかなぁ」

シロ「…はぁ」

シロ「ん」スクッ

シロ「………」ヨタヨタ

シロ「………」ドサッ

シロ「も…限界……」

シロ「この体勢でやろう……」

SD咲『インストールちゅう!しばらくお待ちください』ぺっこりん ぺっこりん

シロ「…なにこの生き物、ちょーかわいー……」

シロ「だれかこれのgif画像作ってくんないかなぁ…ダルいなぁ……」

 ぺっこりん ぺっこりん

シロ「………」

 ぺっこりん ぺっこりん
 終わりですっ!ゲームを起動しますね!ピコン

シロ「……はっ。寝てた」

シロ「……入力、ダル」

シロ「………」ポチポチ

 『あ、あれは…咲!』

咲『あ、シロさん!こんにちは』

 『こんにちは。こんなところで何をしてるの?』

咲『あ、あの…そのぅ…好きな本の新刊が出るので本屋さんに行こうと思ったんですけど…』

咲『いつも言ってるとこが売り切れみたいで…しかたなく街の方まで出てきたんですけど、迷っちゃって…』

 『そう…』

『どうやら咲は迷子みたいだ』

『これから街をぶらつく予定だったけど…どうしようかな?』

 →『ちょうど今暇だったし、付き合おうか?』
  『その本なら昨日買ったばかりだよ、貸そうか?』
  『そっか。気を付けてね。それじゃ』

シロ「…どうして休日に街をぶらつくなんてメンドくさいことを……」

 →『そっか。気を付けてね。それじゃ』ピッ

 『そっか。気を付けてね。それじゃ』

咲『え…あっ、あのっ!』

 『?』

咲『ひ、ひとりで心細かったんです…少しでいいのでいっしょにいてくれませんか……?お願い…します……』ナミダメ

シロ「」ずきゅーん

『…これは断りづらいな』

 →『しょうがないからいっしょにいる』
  『それでも帰る。帰るったら帰る』

シロ「………」

  『しょうがないからいっしょにいる』
 →『それでも帰る。帰るったら帰る』

シロ「………」

  →『しょうがないからいっしょにいる』ピッ

咲『ほんとうですかっ!?ありがとうございますっ!』ぺっこりん

 『べつにいいよ。どうする、本屋まで付き添おうか?』

咲『あ…あの、本屋さんはもういいです…から、すこし休めるところにいきませんか……?』

シロ「えっ?…えっ?」

咲『あ…こんなところに公園……』
  
 『ちょうどいい。ベンチで休もう』
  
シロ「」ほっ

咲『……』

 『……』

咲『…あったかい』コテン

『そう呟いた咲は、ちいさな頭をこちらへと預けて、静かな寝息をたてた』

シロ「……参ったなぁ」

シロ「ダルい……」

 同刻・熊倉家

トシ「………」

トシ「……教え子の前とはいえ、ちょっと無理しちゃったわねぇ」

トシ「寂しいもんだ……孫が独り立ちする感じなのかね」

トシ「晴絵に電話でもしようかしら」

 翌日

豊音「おはよー」

胡桃「おはようトヨネ」

塞「ん、みんな揃ったし学校いこうか」

シロ「まかせた……」グテッ

塞「こらっ」

エイスリン「!」カキカキ

塞「なにこれ……」

シロ「私と塞が合体してる…」

エイスリン「パワーアップ!」

塞「シロと合体してもパワーアップはしなさそうだわ……」

豊音「ねー。みんなー、どうだったー?」

胡桃「え」

塞「ん」

シロ「…」

エイスリン「サキチャン!」

豊音「そう!」

エイスリン「カワイイ!」

豊音「だよねだよねー!」

塞「うん…まぁ熊倉先生がこだわるだけのものはあったかな」

シロ「ダルい……」

胡桃「膝枕してほしい」(まあまあかなー)

豊音「え?」

エイスリン「ヒザマクラ?」

胡桃「?」

胡桃「……。……っ///」ボッ

胡桃「わっ、わすれてーっ!!」

塞「へえ~。胡桃は膝枕してほしいんだ~?新しい充電法?」

胡桃「~~~~っ!うるさいそこっ!」

豊音「私も隣を歩きたいなー。手を繋いで、ぼっちじゃないよーいっしょだよーって」

エイスリン「メイドフク!」

塞(む。実際に呼んでもらってそれを参考に…って手も?)

シロ「長野とか無理でしょ…メンドくさいとかって次元じゃないし」

豊音「でもっ!いつか会いに行ってみたいよねー!」

シロ「………………まぁ」

塞「お、シロがデレた」

シロ「………」ベシベシ

塞「尻を叩くな!」

エイスリン「シリ!」

胡桃「こらー!エイちゃんにヘンな言葉教えない!」

エイスリン「ヒザマクラ!」

胡桃「うわーん!エイちゃんがいじめるー!」

豊音「あはははっ」

 宮守編カン!

宮守は日常書いてるだけで楽しいという風潮
ちょっとしたら横道オマケにつづきます

番外編(?)参ります

恒子「へろーすこやーん」ピンポンピンポン

すこ母「あら恒子ちゃん。いらっしゃい」

恒子「あら?すこやん留守な感じですか?」

すこ母「健夜なら部屋にいると思うわよ。呼びましょうか?」

恒子「ほーう?ほうほう?いえいえだいじょーぶです。私の方からいきますから!」

すこ母「そう?じゃ上がって」

恒子「おじゃましー」

恒子「よーし、すこやんの部屋へ一直線だー」スススス

恒子「目標発見!様子を見ましょう!」

健夜「―――」

恒子「なにか呟いてますなぁ……ヘッドホン装備してパソコン……はっ!?」

恒子「これは……ERO!?」

恒子「それはまずいよすこやん……アラサーがえちぃコンテンツであはんうふんだなんて……」

恒子「………」ミミヲスマセテ

健夜「……咲ちゃんかわいいなぁ」ボソッ

恒子「んー?」

健夜「天使だなぁ……ぎゅっと抱きしめて寝転がってきゃっきゃうふふしたいなぁ……」

恒子「すーこやん」

健夜「読書してる後ろからだーれだ、なんて」

恒子「だーれだ?」

健夜「へぇっ!?!?!?!?」ビクン

恒子「答えはこーこちゃんでしたー」

健夜「ここっこっここここーこちゃん!?」

恒子「だれがこけこっこーこちゃんだ」ペシッ

健夜「あたっ。だれもそんなこと言ってないでしょ……」

健夜「じゃなくて!なんでうちに!?」

恒子「そりゃもう、突撃すこやんルームみたいな?」

健夜「そーゆー企画!?まさかまたカメラが!?」

恒子「さすがにそこまでひどくない」

健夜「ほっ」

恒子「代わりに写真を激写激写激写ァ!!」パシャシャシャ

健夜「いやぁぁぁぁ!やめてぇぇぇぇぇっ!」

恒子「はっはっは。まったくすこやんのリアクションは最高だぜ」

健夜「人で遊ばないでよう……」

恒子「で?これなに?」

健夜「えっ…とぉ……ゲーム、かな?」

恒子「どんなゲーム?」

健夜「うっ…それは」

恒子「どんなイタイケな子をいやらしい目で見てたの?」

健夜「わかってて聞いてるよねそれ!?というかそんな不純じゃないよ!」

恒子「これだからアラサーは」

健夜「あらふぉ…サーだよ!!じゃないよ言わせないでよ!!」

恒子「けらけらけら」

健夜「もう…いや……」

恒子「ふーん。これが今巷で噂になってる、すこやんが藤田プロを麻雀でシメあげて奪い取ったっていうゲームかぁ」

健夜「そんなひどいことした覚えはないよ!?噂になってるの!?…康子ちゃんってとこは合ってるけど」

恒子「じゃあなに?『タネがねぇならそいつを置いていきな…』みたいな?」

健夜「結局麻雀で奪ってるよねそれ!?康子ちゃんに頼んで私の分も取り寄せてもらったんだよ」

恒子「へー」

健夜「龍門渕が出処らしくて、なんだか布教したいらしいから、康子ちゃんに頼んだら簡単にもらえたんだよ。べつに奪ったりしてないから」

恒子「つーまんねー」

健夜「はぁ。でもこのゲームすごいんだよ?龍門渕を中心に狭い範囲に配布してるだけらしいのに、いろいろ噂が立ってるんだから。三尋木プロがこれを求めて段位戦さぼって長野まで足を運んだとか、大沼プロが熊倉さんに土下座して頼み込んでるのを見かけたとか」

恒子「え、それやばくない?」

健夜「でも本当にすごいのはそういう噂よりも中身!咲ちゃんがかわいすぎて生きるのがつらいよ!」

恒子「それはアラサーだからじゃ……」

健夜「歳は関係ないよ!……………関係ないよ」

恒子「ふーん、じゃすこやんはその咲ちゃんにお熱ってわけだ」

健夜「まぁ……」

恒子「……『超絶スキャンダル!かつて勇名を馳せたあの小鍛治プロが女子○生をつけ狙う!』」

健夜「やめてよ!?」

恒子「じょーだんじょーだん」アハハ

健夜「もう……私は影ながら咲ちゃんを見守るだけだよ」

恒子「え?」

健夜「え?」

 ふくすこ編カン!

こうやってみるとやっぱりレジェンドはレジェンドだわ…
次は宮永ホーンとすばらギロチンが出会います。たぶん

カツ丼さんのフルネーム出てこなくてこれ書くにあたって調べたのにこれだよ……正しくは康子じゃなく靖子なんですね。間違えたことをここにお詫びします。指摘された方ありがとう。ごめんねカツ丼さん


咲「最近、なんだか他校の人とよく遭遇するね和ちゃん」

和「そうですか?」

咲「うん。風越や鶴賀の人たち。なんだろうね、このへんになにかできたのかな」

和「もしかしたら咲さんに会いたいという人たちなのかもしれません」

咲「あはは、それはさすがにないよ。会う人みんな、私なんかより和ちゃんと話し込むことが多いし。むしろ和ちゃんに会いにきてるのかもね」

和「ふふ、そうでしょうか?」

咲「そうだとしたら、私ちょっと寂しいかも」アハハ

和(…咲ちゃんもいいですけど、やっぱり咲さんが一番です!)


 福岡・花田家

煌「おや?私宛に荷物が届いてますね」

煌「優希から!一体なんでしょうか?開けてみましょう!」ガサガサ

煌「手紙と…これはなんでしょう?まずは手紙の方を……」カサッ

煌「ふむふむ…なるほど、これはゲームの箱でしたか。なになに…『咲-Saki-』?」

煌「タイトルからすでにすばらなものを感じますね!」

煌「これを……ほほう」

煌「離れてしまったこの私を、それでも昔の後輩が頼ってきてくれる。私の力を必要としてくれる……うれしいことです」

煌「そんなすばらなことはない!」

煌「不肖この花田煌!布教、まかされました!」

煌「…の前に、私自身がこのゲームをやらねば始まりませんね」

煌「しかし優希も和もあいかわらずなようで何よりです。ふふふ」

 新道寺女子高校

煌(…困りました)

煌(布教。一口にそうは言っても、どうすればいいんでしょうか?)

煌(むむ…なにかすばらな案はないものか……)

仁美「部室の前でなにしとっとね花田」チュー

煌「江崎先輩!」

仁美「大声で呼ばんくても聞こえとーよ…」

煌「あ、すみません…たはは」

仁美「? おかしなやっちゃ。入らんならお先失礼」ガラッ

煌(…そうですね。悩んで立ち止まるのはすばらくない。当たって砕けろ!です!)

煌「おはよーございますっ!みなさん!」

哩「きたか花田。はよ空いちょる卓に入れ」

煌「はいっ!」

煌「失礼します!」

仁美「おー」チュー

煌「……」チャッ

仁美「……」チャッ

煌「先輩」

仁美「んー?なんね?」

煌「先輩はゲームとかってします?」

仁美「麻雀か?」

煌「ではなく。たとえば女の子が出てくるゲームとか」タン

仁美「やらんなぁ。ゲーム自体縁がなかけん。ポン」スチャ

煌「むむ。興味とかもない感じです?」

仁美「なか」

煌「むむむっ。すっごくすばらなゲームだとしてもですか!?」

仁美「…なに、なんか今日ん花田ぐいぐいくっとね」チュー

煌「……実はですね」タン

仁美「そい、ロン。5200」

煌「すばらっ!?」

哩「こら花田。口ば動かしよる暇あんなら集中しんさい」

煌「すみません……」

煌(やはり部活中に布教するのはすばらくないですね……)

哩「………」

 部活終了

仁美「おつかれさん」チュー

美子「おつかれ」

煌「おつかれさまでした……」

煌(休憩中にもいろいろ当たってみましたが結局だめでしたか…予想はしてましたけど、やはり厳しい)

哩「……」

哩「仁美」

仁美「なんですか部長」チュー

哩「花田のことなんやけど」

仁美「? はあ」

哩「なんかあったと?」

仁美「いや、私はなんも知らんとですけど」

哩「…そうか」

仁美「ばってん、今日ん花田はちょいと様子おかしかとね」

哩「! やっぱそーかね」

仁美「なんかゲームがどーの言いよってましたわ」

哩「ゲーム?」

姫子「そいなら私も聞きましたよ部長」ヒョコ

哩「姫子」

姫子「休憩中に『ゲームに興味ないですか?』って」

哩「ふむ」

姫子「花田がゲームなんて言うんは珍しかってみんなで話しちょったとこです」

仁美「たしかに。まさかこれも政治が…」ゴゴゴ

哩「いや、それはなか」キッパリ

哩「…姫子。私はちょっと花田に話があるけん、先行って待っとって」

姫子「りょーかいです」



煌「…それで部長、話とは?」

哩「花田。率直に聞く、ゲームの話ばみんなにしよっとね?」

煌「」

煌(あちゃー…そりゃそうですよね、部内でいろんな人に聞いてたらいつかは部長の耳にも入る……)

哩「どげんした?」

煌「い、いえ。そうですね、みなさんに聞きました。…すみませんでしたっ!部活中にするべき話ではありませんでした!」

哩「それはべつによか。いや、いけんことやけど、今回は特別咎めたりせん」

煌「(ほっ)ありがとうございます。以後気を付けますので」

哩「…花田、他に私に言うことがあるんじゃなかと?」

煌「えっ?」

哩「うちは北部九州を制する強豪、一度卓についたら目の前の対局に全部出さなきゃいけん」

哩「ばってん卓ば離れたら、私らは高校生。わかるか?」

煌「はぁ……」

哩「つまり、やな…こほん。だれぞ私に面白いゲームでも教えてくれんかなー?」チラッ
 
煌「……!」

煌「部長!」

哩「ん」

煌「実はすばらなゲームがありまして!」キラメキラッ


 ………

姫子「ぶちょー!」

哩「またせたな姫子」

姫子「いえいえ。さっき花田がものっそい笑顔で帰ってったんですけど」

哩「ふふ、部員のメンタルケアも部長の務めよ」

姫子「おお!さすがです、部長!」

姫子「ところでなんですその紙袋」

哩「さてな……」

 夜・白水家

哩「………」ゴゴゴ

パッケ「咲-Saki-」

哩「…考えてみたらゲームなんてはじめてやけん、よくわからんね」

哩「こん咲って娘と青春するゲームなんか。花田ば疑っとるわけやなかばってん…本当に面白いんか?」

哩「…やってみんとわからんか」

 ― 三十分後 ―

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『哩さん』
  『哩ちゃん』
  入力

哩「ふむ……」

 →『哩さん』ピッ

咲『哩さん…えへへ、ちょっぴりよそよそしいかな?』

哩「…普段は部長って呼ばれることが多いけん、なんだかくすぐったかね」

咲『えへへ…哩さん、お姉ちゃんみたい……』

哩「……」カチカチ

 『咲?すごい熱だ!』ピトッ

咲『う…哩さん……?』///

 『すぐ保健室に連れていくから!』

咲『あは、は…すみません…。はぁ…哩さん、の背中…あったかい……』///

哩「……」カチカチカチ

咲『この間のお礼がしたいですっ!』

 『べつに気にしなくても……』

咲『いえ、気にします!大したものじゃないですけど…お弁当作ってきました。もらってください!』

 『…ならいっしょに食べようか』

咲『っ!はいっ』

哩「………」

哩「こいが…青春。こいが…妹」

哩「…妹って、すばら」

 翌日・部活休憩中

哩「姫子」

姫子「はい?なんですか部長」

哩「頼みがあるんやけど」

姫子「!」

姫子「な、なんでしょう?」

哩「ちょっと『お姉ちゃん』って呼んでくれん?」

姫子「」

姫子(え?え?)

姫子「お、おね…ちゃん、ですか……?」

哩「ああ。頼む」

姫子「部長を?」

哩「うん」

姫子「///」

姫子「お、おね…」

哩「……」目を閉じ集中

姫子「……おねぇちゃん///」ボソッ

哩「……」吟味中

姫子「…あの?///」

哩「…ああ、ありがとう。参考なった」

姫子「ぶ、ぶちょー?」

哩「花田。ちょっと頼みがあるんやけど」

姫子(えぇーーーっ?)

煌「お姉ちゃん!」

哩「うむ、元気いっぱいやね」

煌「そうですか?それで…その、部長…やってくれましたか?」

哩「ん?ああ、咲-Saki-?うん、やった。すばらやった」

煌「そうですか!それはすばら!」

哩「思わず時間を忘れかけとったわ」

煌「それは…すこしすばらくないですね。楽しんでくださるのはすばらですが、時間を忘れ実生活を疎かにするようなことが万が一あれば咲ちゃんも悲しみます。それはすばらくない」

哩「…そやね。こんなのはじめてのことやけん、浮かれとったのやも。気をつけんと」

煌「はいっ!きっちりかっちり、それでこそ我らが新道寺の部長です!すばらっ!」

哩「うむ。ありがとう花田。休憩の邪魔して悪かった」

哩「あ、そこの一年たち。ちょっと順番にお姉ちゃんって呼んでくれん?」

煌「部長……」

煌(ちょっとハマりすぎ……?)

姫子(ぶ、部長がおかしくなった……)

仁美(なんもかんも政治が悪いせい……)

 ―――咲ちゃんブーム、花田煌と白水哩の地道な布教により新道寺にじわじわ浸透中

 新道寺編カン!

哩さんを妹属性に目覚めさせるより他に広がり方が思い付かなかった…
方言におかしなとこがあったら各自脳内で補完お願いします

 大阪・姫松

恭子「……」スタスタ

洋榎(宮永ホーン装備)「とっとっと、おー恭子おはよーさん!」タッタッタ

恭子「…ああ、主将。おはよーです」

洋榎(宮永ホーン装備)「最近はおてんとさんがやけーに不機嫌やな。じめじめしてしゃーないわ。髪がまとまらん」

恭子「そーですか」スタスタ

洋榎(宮永ホーン装備)「うちの自慢のおツノ様もびんびんや!これぞまさに怒髪天を衝くってな!」ドヤーン

恭子「……」スタスタ

洋榎(宮永ホーン装備)「……」ポツーン

絹恵「わ、わー。雨に降られてもうたなー(棒読み)。あ、末原先輩!」パチャパチャ

恭子「絹ちゃんおはよー。傘ささんの?」

絹恵「え、ええ。傘は忘れたけど偶然手元にこれがあったんでこれを雨避けに」っ咲パッケ

恭子「へーそう。濡れんよう気ーつけてな」スタスタ

絹恵「あ、はい」

絹恵「……あ、コンビニや。傘買うてこ」

漫(でこに『咲』)「……」(咲一巻の表紙のポーズ)

恭子「……」スタスタスタ

漫(咲)「……」

恭子「……」スルー スタスタスタ

漫(咲)「……」

漫(咲)「……」グスッ

洋榎「なーーーーーーーーーーーーーーーんでツッコまんねん!!!!!」

洋榎「ツッコみドコ満載やったろ!?これでツッコまんとどこでツッコむんや恭子ぉ!!」

絹恵「もうやめよーやお姉ちゃん……末原先輩かてやりたくない言うてるんやから無理強いはよくないって」

漫「ちょ、主将!うちの咲-Saki-のパッケびっしょびしょでふやけてるんですが!?」

絹恵「あ、あれ漫ちゃんのやったんか……」

洋榎「うちは諦めんで……!恭子が咲ちゃんにハマれば、きっと一皮も二皮も剥けるはずなんや……!」

由子「洋榎ー。言われた通りにしてきたのよー」

洋榎「ようやったゆーこ!まだまだうちらの戦いはこれからや!」

 姫松高校

恭子「……」ガチャ

下駄箱「咲-Saki-」

恭子「……はぁ」

壁|洋榎「じー」

 教室

恭子「……ん、机のなかになんか入っ…てないな、うん、なんも入ってなかったわ」ポイー

ドア|洋榎「じー」

 廊下

 |         |
 |咲 咲 咲 咲 咲|
 | 咲 咲 咲 咲 |教
外|  咲 咲 咲  |
 |   咲 咲   |室
 |    咲    |
 |         |

恭子「……」

恭子「なんちゅー迷惑な」

由子「一歩間違えたらいじめなのよー」

洋榎「これも愛や!」

絹恵「お姉ちゃんの愛歪みすぎやって……」

洋榎「咲ちゃんへのな!」

絹恵「末原先輩ちゃうの!?」ガビーン

洋榎「うおおおおこの想い咲ちゃんのいる長野へ届けっ!」

絹恵「自由すぎやろ……」

恭子「主将います?」

洋榎「おう!ここやここ!」

恭子「あのですね…常識っちゅーもんをもうちょっと持ちましょうよ」

洋榎「常識なんかオカンの腹ンなかに置いてきたわ」

恭子「ああ通りで。主将が置き忘れてきたものを持って絹ちゃんが生まれてきたっちゅーわけですか」チラッ

絹恵「?」ボイーン

洋榎「……」ペターン

恭子「ふっ(失笑)。置いてきたんは常識だけやないみたいですね?」

洋榎「ギギギ……」

由子「なんだか今日の恭子は黒いのよー」

漫「すんませーん。遅れまし…た…?」

恭子「おー漫ちゃん、うちより遅れてくるとは肝っ玉座っとるやん」キュポッ

漫「いやっ、清掃あったら嫌でも遅れる時ありますよね!?ちょ、勘弁してください!」

恭子「キュキュキュっと」

漫(まーん(笑))「ひ、ひどい…」グスッ

由子「…どーしたん恭子、なんだか今日はちょっとおかしいのよー?」

恭子「……」フゥー

恭子「すんません、主将、みんな。ちょっといらついてたみたいです」

洋榎「恭子……」

恭子「寝不足なのがあかんのかも。重ねて申し訳ないんですが、今日は部活休ませてもらってええですか」

洋榎「…いや。こっちも悪かったな。嫌がってんのを無理に押し付けるようなマネして。恭子はいっつもチームのために動いてるんや、一日くらいかまへんかまへん!」

絹恵「お姉ちゃんの制御を私がやっときますんで」

由子「人間生きてたらそんな日もあるのよー。気にしない気にしなーい」

恭子「ありがとう、みんな。それじゃ失礼します」

代行「あらら~?末原ちゃん、もう帰っちゃうのん~?」フララ

恭子「はい」

代行「ふ~ん?おつかれさま~」

恭子「おつかれさまです」

洋榎「…やっぱやりすぎやったんやろか?」

絹恵「かもなー」

代行「なんの話~?」

絹恵「末原先輩が心配ですねって話です」

代行「う~ん…末原ちゃんやったら大丈夫やと思うけどね~」ニヤッ

洋榎「?」

恭子「……」スタスタスタ

恭子「ただいまー」ガチャ

末母「おかえりー。早かったやん」

恭子「ちょっとねー。ご飯の時間に呼んでなー」

末母「はいはい」

 恭子の部屋

恭子「……」バタン カチャリ


 ― 数日前 ―

恭子『どないしたら宮永に勝てるんや……』

代行『末原ちゃん、あの子より強くなりたいん?』

恭子『代行……?』

代行『どう?あの子より強くなりたいんやろ?』

恭子『……そ、そら…』

代行『じゃあ~。まずは~』ゴソゴソ

代行『情報収集から~』っ咲-Saki-

恭子「……ふ」

恭子「ふふ、ふふふ……」

恭子「今思えば騙されたみたいなもん……でも、後悔はしてへん」

恭子「……」スタスタ カチッ ブゥーン

恭子「さてと。あとはどの選択肢を試してへんかったかな」カチカチ

咲『恭子ちゃんといるの、すっごく楽しいよ!』

恭子「……うちもや咲ちゃん。ふふ、ふふふ」ボソッ

 姫松編カン!

末原ちゃんを期待する声が多かったわりに短くてすまん
次は千里山。たぶん

 千里山・園城寺家

怜「ふー。さっぱりしたー」

怜「やっぱりうちのお風呂やな」

怜「あんま長風呂でけんけど…ゆったりできるわ」

怜「ん…メール…竜華からや」

竜華『トキ!やっばい!すごい!すごいモンが!やっばいすごいでこれ!明日!明日な!』

怜「…なに言うてんのかさっぱりや」

怜「メールでここまで意味不明になれんの竜華くらいちゃうの」

怜「ふあ…ねむ。寝よ寝よ」

怜「おふとんさんこんばんは~。あ~」もぞもぞ

怜「……」スゥ スゥ

 翌日・千里山女子

竜華「怜ぃ!!」バタバタ

怜「…なんや朝っぱらからやかましなぁ」

竜華「昨日すっごいモンがうちに届いてん!やばいでこれ!ホンマ革命や!」

怜「昨日のメールとまったく同じこと言ってんで竜華…一晩経って落ち着かんて相当やな」

竜華「はぁ~もうホンマあかん!送ってくれた玄ちゃんに感謝せな!」

怜「玄ちゃん…?阿知賀のか」

竜華「なんや気になっとる~ん?怜ぃ~」ムッホホ

怜「」イラッ

竜華「今日の部活楽しみにしとき!」

怜「ここで言わんのかい…」

怜「…なんや気になるわ」

 放課後

怜「んー…はぁ。調子ええなぁ今日も」

竜華「怜ぃ!!」

怜「ん、竜華」

竜華「はよ部活いくで!あ~もう教科書なんかどーでもええやん!」

怜「すこしくらい待ってや…んしょと。いこか」

竜華「ふっふっふ~。すごいで?怜もめろめろかもな!」

怜「だからなにがやねん……」

竜華「咲-Saki-や!!」

怜「…ここまでひどい説明はじめてや」

竜華「咲ちゃんといちゃいちゃするゲームや!」

怜「ゲーム…それが玄ちゃんが送ってきたゆーもんなん?」

竜華「せや!ホンマ、やったらにやけるで!」

怜「ふーん」

怜(たかがゲームににやけるて…竜華らしいなぁ)

浩子「泉!逃がすな!」

泉「は、はいぃ!」

セーラ「泉ィ…やるつもりなんか…?」

泉「すんません…私かて必死なんです…堪忍してください!」

怜(セーラにフナQに泉…?なんやろ?)

泉「船久保先輩!江口先輩捕まえましたよー!」

浩子「でかした!連れてこい!」

セーラ「コルァ!泉ィ、正々堂々勝負せえ!離せぇぇえ!」

泉「乙女モードで助かりましたわ。スカートやなかったら逃げられてました」

浩子「よしよし。さー江口先輩?おとなしくしてくださいねー」

セーラ「こんなん約束とちゃうやろ…ケーヤクフリコーや!」

浩子「おっ、むつかしー言葉知ってますね。ほらマウス握って」

セーラ「いややーーーーー!俺はこんなん性に合わん!」

怜「なにやってんの」

浩子「お、園城寺先輩、清水谷先輩。どーもです」

竜華「セーラがガッコでもちゃんと制服着てるなんて珍しいやん?」

怜「天変地異の前触れか」

セーラ「アホか!だれが好き好んでこんなん着るかっ」

泉「船久保先輩に強制的に着せられたんですよ」

浩子「江口先輩。乙女モードでこれやんのと、制服でこれやんの、どっちがええんです?」

セーラ「うぐっ…それやったら制服着た方がマシじゃ……」

泉(先輩、乙女って言葉に惑わされてますよー…どっちも同じですって)

竜華「あーっ!これ!咲-Saki-やん!!」

怜「え?これが?」

浩子「なんや清水谷先輩も知ってはったんですか」

竜華「昨日うちにも届いてん!咲ちゃんごっつかわええよな!」

浩子「うちはデータ収集が目的ですけどね。おばちゃんからもろてからここ最近ずっとやってたんですけどそろそろ布…江口先輩でデータ取らせてもらお思いまして」

セーラ「なんで洋榎もハマっとるゲームをやらんといけんのや!」

浩子「ぐちぐち言わんと進める!」

セーラ「ぐっ…」カチカチ

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『セーラさん』
  『セーラちゃん』
  入力

 →入力 ピッ

 江口せんp カタカタ

浩子「あ、ちょいちょい!戻って戻って」

セーラ「はぁ!?なんでや、好きにやらせろや!」

浩子「ここはこれでしょふつー!」

 →『セーラちゃん』ピッ

咲『セーラちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

江口「~~~~~~っ」

泉「あ、赤くなった」

江口「ぐっは!かゆ!こそばゆ!」

浩子「ヘタレ受けの江口先輩と天然攻めの咲ちゃん…くふっ、これはうまいデータですわ…」クフフ

怜「…なんや、ついていかれへんなぁ…」

浩子「あー…すんませんね。とりあえず江口先輩から引きずり込もう思うてノートPCもゲームディスクも一人分しか用意してへんのです」

泉(…よし!すんません江口先輩…先輩の犠牲、無駄にはしませんよ!)

浩子「清水谷先輩もご存知なら人数分用意しておくべきでしたね。ぬかりましたわ」

竜華「ふっふっふ」

怜「…りゅーか?」

竜華「こんなこともあろうかと!うちが持って来とるで!」

泉「え」

浩子「おー!さすがですね部長!」

竜華「泉も安心しい!ちゃんとあんたの分もあるで!」

泉「…ええ、アリガトウゴザイマス」

浩子「それじゃそっちは清水谷先輩に任せてええですか?」

竜華「まかせとき!」

浩子「こっちは…江口先輩?」

セーラ「ほあっっっ!?!?!?」ビクン

浩子「どこまで赤くなっとるんですか…首まで真っ赤ですやん」

セーラ「ち、ちゃうわ!これはそのー」

浩子「お、なんですかこのイベント。公園のベンチでええ雰囲気…ちょっとバックログ失礼しますよ」

浩子「ふんふん…あからさまにマイナスな選択肢は効率考えて無視してましたけど、こんなんもあんねや…」

浩子「先輩にやらして正解やったってことですね」

セーラ「お、おうっ?」

浩子「邪魔してすんませんでしたね。じゃあ引き続き咲ちゃんといちゃこらどーぞ」くっふ

セーラ「お、おう…」

泉(完全に陥落してますやん……)

竜華「怜と泉はこっちやで~♪」

泉(ああああ…あかん)

怜「なんかちょっとドキドキしてきたわ」

竜華「まずはインスコからや」

SD咲『インストールちゅうです!しばらくお待ちください』ぺっこりん ぺっこりん

怜「これが咲ちゃんなん?えらいかいらしなぁ」

竜華「せやろせやろ!?このSD咲ちゃんだけでご飯三杯はイケるわ!」

泉(…あれ、かわええ…かも?)

竜華「ほら、咲ちゃんが今後なんて呼んでくれるかが決まる最初の分岐点やで!」

怜「んー…じゃこっちで」

竜華「『怜ちゃん』か…ちょっと意外かも…なにしてんの怜」

咲『怜ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

咲『怜ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

咲『怜ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

怜「うん?いや、ボイス再生」

竜華「…まさか」

怜「うーん、こっちもええなあ。耳がしあわせや」

 クイックロード

咲『怜さん…えへへ、ちょっぴりよそよそしいかな?』

怜「よし、進めよか」

竜華(怜…!はやくも順応し、使いこなしている…!…ホンマおそろしいコやで…ッ!)

泉「…あぁ~~」

浩子「あ!先輩、ここは重要ですよ!」

セーラ「え、そうなん?」

浩子「ここで選ぶ選択肢によって、今後咲ちゃんがミニスカのままか、ロングに変わるかが決まるんです!」

セーラ「どっちでもええわ」

浩子「よくないわ!ちなみにうちはロング派ですよ」

セーラ「んじゃミニで」


壁|ゴゴゴゴゴ


壁|枝「……」ゴゴゴゴゴ


壁|雅枝「部活ン時くらい麻雀せえや…」

 その日の夜・園城寺家

怜「…よし。寝る前にちょっと咲でもやろかな」

怜「咲ちゃんホンマかいらしなぁ…竜華のはいつものアレかと思うとったけど、こらああなってもしゃーないわ」カチカチ

怜「…ただなぁ…ちょっと細すぎなんよなぁ」

怜「もっとこう、食わなあかんよ咲ちゃん。肉感は大事や」カチカチ

咲『………』ペラッ

 『………』

『咲の膝枕…読書をする咲の顔を見上げることができる、特等席』

怜「……こ、これは……」

『おだやかな木漏れ日、そよ風が草を撫でる音、紙の擦れる音、咲の匂い…幸せな気分だ』

怜「…膝枕は頭を預ける膝の質、それだけがすべてやと思うとったけど……」

怜「――シチュエーション…それによって膝枕はまだまだ無限の可能性を秘めとるんか……?」

怜「くっ…咲-Saki-…深すぎる…!」

怜「教えられる…!まだ知らぬことを…!」

怜「こんなんもうゲームやない…人生そのものや…っ!」

 同刻・清水谷家

竜華「右ひざに~怜のせて~♪」カチカチ

竜華「左ひざ~は~咲ちゃんの~♪」カチカチ

竜華「フンフン~フフン~♪」カチカチ

竜華ママ「りゅーかー!そろそろ寝ーやー!」

竜華「あ、はーい!」カチッ

咲『ほんとーにゲームを終了するんですか?』

咲『ゲームを終了します。また遊んでくださいね?』

竜華「ふふっ!ええ夢見れそう♪」

 千里山編カン!

ちょいと小ネタ挟みます

 大沼プロの場合

大沼プロ「……」

トシ「……」

大沼プロ「……」

トシ「……」

大沼プロ「……」

トシ「…なんの用だい。なにもないならもう行くよ?」

大沼プロ「……待て」

トシ「……ふう」

大沼プロ「……」スッ

トシ「おやまぁ……」

大沼プロ「……咲-Saki-をひとつ」

トシ「……」

大沼プロ「……譲ってくれ」

トシ「……」

大沼プロ「恥を忍んで頼む」

トシ「無理」ニッコリ

大沼プロ「……そうか」

トシ「ええ」

大沼プロ「またくる」スタスタ

トシ「……あと何回で諦めてくれるのかしら」ハァ

 ダメな大人たちの場合

はやり(28)「『咲ちゃんの処女をいただき隊』スター、はやりんです☆」☆彡

理沙「ブルー、のよりん……!」プンスコ

郁乃「レッド、いくのんやで~」ニコニコ

はやり「今日はブラック(予定)、すこやんをスカウトに来ました☆」☆彡

健夜「お帰りください」

はやり「ダメか~。それじゃ次はピンク(予定)のちゃちゃのんでもいこっか☆」☆彡

理沙「残念……!」プンスコ

郁乃「ふわぁ~」フララ

 愛宕ママンの場合

雅枝「ほらほら!もう十一時やで!咲ちゃんもええけどはよ寝とき!」

洋榎「あと五時間~」

雅枝「あんた明日寝んとガッコ行く気なんか!?」

絹恵「あー眠くないー。咲ちゃんの声が耳から離れない~」

雅枝「夜更かししてお肌ボロボロなって咲ちゃんに愛想尽かされても知らんで!」

洋榎「なんやまだ十時半やん…今のうちなら三時くらいまで余裕やっちゅーねん」

絹恵「お姉ちゃん、明日はたしか体育で長距離あるんとちゃうかったっけ?」

洋榎「睡眠は大事やな。ほな寝よ寝よ」

絹恵「あ、お姉ちゃん人のヘアバンド使わんといてよ!」

洋榎「絹の匂い~」ふすふす

絹恵「ちょ、やめえてっ!」

雅枝「ふー、まーすぐに暴れ疲れて寝るやろ」

雅枝「こっからは大人の時間…咲ちゃんとふたりっきりやで~」

雅枝「~♪」ニヨニヨ


絹恵「…水飲みにきたけど、出ていける空気やないね」

洋榎「よりによって居間でやってデレデレすんなやオカン……」

次永水と白糸台やって畳みに入ります。たぶん

大沼プロでさえ手に入れるために何度も頭を下げているということから入手するには相当なコネが必要だということをお察しください
それでは投下します

 鹿児島

霞「失礼いたします。姫様はいらっしゃいますでしょうか?」

小蒔「あ、霞ちゃん。こんばんは、です」ペコリ

霞「あら、小蒔ちゃんだけなのね」

小蒔「はい。私になにか用でしょうか?」

霞「ええ。ちょうどよかったわ。ちょっと私の部屋まで来てくれるかしら?」ニッコリ

 かすみんルーム

小蒔「それで、なにをするんですか?」

霞「ふふ、慌てない慌てない」ゴソゴソ

霞「さぁ、準備オーケーよ。ここに座って」

小蒔「はい。…わ、これって…」

霞「咲-Saki-というゲームよ」

小蒔「ふわ~…なんだかすごいです」

霞「こういったものに触れさせると年配の方々はあまりいい顔をしないから。これは小蒔ちゃんと私だけの秘密よ?」

小蒔「はいっ!」

霞「さぁはじめましょう」

 『あなたの名前を教えてください』

小蒔「はい!私、神代小蒔と申すもので…」フカブカ

霞「小蒔ちゃん、これはほら、ここを押して入力するのよ」クスクス

小蒔「はえ?」

霞「…代わりに私が打ちましょうね」カタカタ

 『――私の名前は小蒔』

小蒔「!い、いえっ、私が小蒔です!」フンス

霞「…小蒔ちゃん、これはあなたの分身のようなものなのよ」

小蒔「あ、そうなんですか?これは失礼を…」フカブカ

霞「…進めましょうか」

『私は咲になんて呼んでほしいんだろう?』

 →『小蒔さん』
  『小蒔ちゃん』
  入力

 →『小蒔ちゃん』ピッ

咲『小蒔ちゃん…えへへ、なんだか照れちゃうね』

小蒔「な、なんだかほっぺが熱いです…!」カーッ

霞(ふふ、いい兆候ね)ニコニコ

咲『小蒔ちゃんといるの、すっごく楽しいよ!』

小蒔「……」ドキドキ

霞(これは想像以上にのめり込むかもしれないわね…私がうまく制御してあげないと)

 永水編カン!

 東京・白糸台

照「……」ペラッ

菫「……」

誠子「……」

尭深「……」ズズズ

淡「……」zzz

照「……」パタン

菫「……」

照「菫」

菫「ん?どうした」

照「妹ってどう思う?」

菫「は?なにをいきなり」

照「いいから」

菫「……妹か。つまり咲ちゃんのことだな」

照「菫にとっての妹が咲なのであれば」

菫「お前の口から出る妹は大抵咲ちゃんだからな」

菫「ふむ……」

菫(健気で表情豊かで年相応の幼さを残した照みたいなものだよな…)

菫「まぁかわいいんじゃないか」

照「へえ」

菫「なんだ意味ありげだな」

照「じゃあ咲みたい妹が菫にできたらどう?」

菫「私にか?」

菫(………)


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~

咲『菫お姉ちゃん!』

咲『いっしょにお弁当作ってピクニックにいこうよ!』

咲『えへへ、お姉ちゃん、あーん』

咲『え!?わ、私はいいよぉ…じゃ、じゃあ…あー…ん』

咲『えへ、お姉ちゃんに食べさせてもらったから百倍おいしいね!』

咲『今日はすっごく楽しかった~!またこようね、菫お姉ちゃん!』

咲『失礼しまーす…お姉ちゃん、背中流してあげるね!』

咲『ふふ、お姉ちゃんといっしょだと湯船が狭いよー』

咲『えいっ!わ~お姉ちゃんやわらか~い』

咲『お姉ちゃん、いっしょに寝ても…いいかな?』

咲『おやすみ…菫お姉ちゃん……』

咲『お姉ちゃん…大好き…だよ……』

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~

菫「……悪くないな」

照「むっつりな顔してるよ菫」

菫「なんだむっつりな顔とは。言いがかりはよせ」

照「まぁべつにいいけど」

菫(……長いこと照から咲ちゃんの自慢話を聞かされたせいか、私は咲ちゃんに夢を見すぎな気もする……直接話したことさえないのに)

菫「で?それがどうかしたのか?」

照「そんな菫にいいものあげる」ゴソゴソ

照「はい」っ咲-Saki-

菫「……なんだこれは」

照「見てわからない?咲に萌える青春ADV」

菫「……馬鹿馬鹿しい。こんな俗なもの」

照「そう思うならこの手を離してほしい」グググ

菫「……まぁ、お前からのプレゼントというのも珍しいからな。貰っておく」

照「素直になればいいのに」パッ

淡「あー!なにそれなにそれー?」

照「起きてたの淡」

淡「今パチっとね!それなんなのテルー?」

照「菫が教えてくれるよ」

淡「なんなのー?」

菫「……私は知ら」

照「返してもらってもいいけど」

菫「……咲ちゃんに萌える青春ADVだ」

照「プッ」

菫「くっ……」

淡「えー!なにそれおもしろそー!私の分は?」

照「ない」

淡「は?」

照「嘘。だけど、は?ってなに?」

淡「え?はい?って言ったんだよ?もう、テルーしっかりー」

照「まぁべつにいいけど。はい」

淡「わーい!さっそく家に帰ってやろっと!」

菫「ふざけるな馬鹿者。仮にも部活中だ」

照(麻雀部なのに麻雀してなかったけど)

誠子「……」窓の外を眺めつつチラッチラッ

尭深「……」飲み干した湯呑の底ジーッ

照「そっちの二人も」

誠尭「!」

照「興味があるなら。二人の分もあるけど?」

誠子「……ありがとうございます宮永先輩」

尭深「圧倒的感謝……」

照「はい」

誠子「……」受け取り窓際へ戻ってニヤニヤ

尭深「……」受け取り大事そうにしまう

照「みんな素直じゃないな」

菫「……『私に妹はいない』」

照「」ビクッ

菫「そうだな。みんな素直ではない」フフフ

照「……性格悪いね菫」

菫「お前ほどじゃないさ」フフ

淡(はやく帰りたいなー)

誠子(やばいな…頬が締まらない)ニヤニヤ

尭深(お気に入りのお茶を買って帰ろう…今日は長丁場)

 白糸台編カン!




 ともきーの部屋・掲示板




1:咲ちゃん総合スレ 7本場(389)
2:咲-Saki-のドラマCD配布はよ!(212)
3:攻略情報提供スレ(189)
4:咲ちゃんの画像が集まる不思議なスレ(448)
5:雑談スレその3(87)
6:咲ちゃんの処女をいただき隊隊員ぼしゅー☆(855)
7:【対戦相手募集】熊倉先生・・・ネト麻がしたいです・・・(91)
   :
   :
   :


 奇遇なことに

1:あわわ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
咲ちゃんと私は下の名前が漢字1文字
つまり運命

2:竹[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:hisa5sVp0
奇遇ね。私もよ

3:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
凄い奇遇もあったもんね
私も1文字よ

4:チョコレ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:saWayASh0
奇遇だな
私もだよ

5:ボンバー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SAEsHirIO
奇遇が続くな
私も1文字だよ

6:シズモン[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sHIzuNoTO
奇遇ですな
私もです

7:アコチャー[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:Ako2atRsO
奇遇だね
あたしも

8:きらっ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:kiRAmeHNDO
すばらな奇遇ですね!私もです!

9:ぽかぽか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuhOtmoTO
奇遇だね~私も~

10:おもちモチモチ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:kuROChaRO
奇遇ですのだ!私も一文字!

11:でこちゃ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SUZUuesgO
奇遇ですね
うちもです

12:マエストロ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:tokihiZaO
奇遇ならうちもや

13:かすみん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:KasUmiccO
奇遇の大安売りねえ…私も一文字だし

14:SSS[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
奇遇だな以下略

15:ワン[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:hAjiMERoO
奇遇とは一体…

16:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
明日屋上

17:あわわ[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
あわわわわ

18:灼熱ボウラー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:aRatA5diO
咲たそ~


 後輩が部屋にくると咲ができないんだけど

1:もー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:miYuKImoO
どうしたらいいのかな?
ゆっくりやりたいんだよもー
なにか解決策ください

2:でー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:yUkAdeeeO
ちょwwwwwwww



ちょ…

3:もー[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:miYuKImoO
解決しました
ありっしたーもー


 咲ちゃんはうちの妹

1:ひろぽん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:HiRoEatgO
異論は認めん!

2:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
は?

3:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
異論しかないんやが?

4:ぽかぽか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuhOtmoTO
咲ちゃんはみんなの妹です

5:みっぽ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:MihoKO5wO
>>4わたしもそのいけんにさんせいです

6:SSS[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
つまり私の妹ということか?

7:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
>>6
違います

8:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
>>6
違います

9:ぽかぽか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuhOtmoTO
咲ちゃんはみんなの妹です


 咲ちゃんと大星淡ちゃんはライバルでお似合いだという風潮

1:あわわ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
あると思います

2:メゲちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:KYouKo4sO
ねーよハゲ
スレ乱立すんな

3:ふえるわかめちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:maKO9sMyO
----------終了----------


 咲ちゃんとかいう史上最強の妹

1:ガイト[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SatoHAojO
健気な上にちょっと抜けてる感じがたまらん

2:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
わかる

3:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
まさかお前に共感する日がこようとは…

4:マエストロ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:tokihiZaO
咲ちゃんのささやき子守唄付き膝枕の販売はいつやねん

5:バンビ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:kUruMiJDO
>>4
なにそれほしい

6:シロ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SHirOMi4O
はよ

7:SSS[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
はやくしろ龍門渕ーーーーーー!
まにあわなくなってもしらんぞーーーーーー!


 これなんだと思う?

1:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
添付:youjomyngsk.jpg(ロリ咲画像)
これね、サキプルーンの苗木
あ、つまりベイビー。わかる?
このテルフォルニアの農園ですくすくとキューティーに育って、
高校生になるとビューティフルなお花がメニーメニー
うふwwwww

2:かすみん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ID:KasUmiccO
咲ちゃん「ツモ。嶺上開花です」ニッコリ

3:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
あっ…

4:竹[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:hisa5sVp0
wwwwwwwwwwwwwwwww

5:ひろぽん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:HiRoEatgO
wwwwwwwww

6:宇治抹茶[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:tAKamib8O
お茶フイタwwwwwwww

7:みっぽ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:MihoKO5wO
>>1がぞうありがとうございます

8:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
ただんバカや思っとったら神やった

9:シズモン[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sHIzuNoTO
あぁ^~ロリコンになる^~

10:SSS[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
いいぞもっと貼れ

11:あわわ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
嫁にしてぇ…

12:いこい[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:kEi2arkwO
お医者さんごっこしたい

13:notすこやか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:suKOYanKO
足を丹念にぺろぺろしたい

14:至高のふともも[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:RyUkasmDO
>>11-13
通報しました^^


 和服

1:みっひー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:UtAmhRgwO
似合いそうだよねぃ咲ちゃん

2:SSS[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
どうだろうな…参考画像なんかがあれば(チラッチラッ

3:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
呼んだ?

4:notすこやか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:suKOYanKO
キター

5:ボンバー[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SAEsHirIO
ネ申 現 る

6:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
さすがにない

7:あわわ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
つかえな…

8:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
添付:yukatamyngsk.jpg
貰い物の浴衣姿ならあった

9:かじゅ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuMIkJkqO
やはり神か…

10:マタンゴ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sEIkomTNO
ナンパして釣り上げたい

11:アコチャー[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:Ako2atRsO
咲ちゃんはナンパなんかに引っかかんないから

12:守護神[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:kinueATGO
むしろ怯えてそう
そこに颯爽と現れて助けたい

13:てるてる[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:TErumYNgO
淡明日屋上忘れんなよ

14:あわわ[sage]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:AWAawa3oO
あわわわわわわ

 白糸台

照「……」ペラッ

菫「……」

誠子「……」

尭深「……」ズズズ

淡「……」zzz…ウゥ…オクジョウデソンナ…ムリダヨテルー…

照「……」パタン

菫「……」

照「菫」

菫「ん?どうした」

照「実は…」




照「咲ちゃんシリーズ第二弾、『咲-Saki- ~嶺上妹花~』が制作決定になった」

菫「!?!?!?!?!?!?!?」ガタタッガッタン

誠子「!?!?!?!?!?!?!?」ゴシャパリーン

尭深「!?!?!?!?!?!?!?」ガシャンバシャーン

淡「!?!?!?!?!?!?!?」ドッタンバッターン


照「『咲ちゃんと麻雀を通して通じ合うハートフルADV』を謳っている」

菫「そっ、それはっ、いいいいいつごろマスターアップ予定なんだっ!?」

誠子「……!」ジリッ

尭深「……!」ゴクリッ

淡「……!」ザワッ

照「…それは」

菫「そ、それは……?」



照「 未 定 」


咲ちゃんと麻雀を通して通じ合うハートフルボッコADV?


 ともきーの部屋・掲示板


 新しいスレッドを作成しました。


1:【超絶朗報】咲ちゃんシリーズ、新作出るってよ!!!!!(1)


 カン!

この後滅茶苦茶祭りになった

最初に想定してたより長くなってしまった
数日間お付き合いいただきありがとうこまざいました

>>311
たしかにそうなりそうで笑えねぇ…

これ以上なにするっていうのさ…
咲ちゃんスキーになってしまった皆が咲ちゃんに麻雀で適度にボコられながら喜びそうな内容思い付いたら続編もあるかもしれん

いや咲ちゃん(本物)に会えた時の反応をそれぞれ書くとかさ
まだ乙には早いって偉い人が言ってた

今回は一般的なギャルゲになったわけだよね?
ラブプラスみたいなお触り機能とか服のセンス変えてくれたりするゲームが出てもよくない?

>>319
反応かぁ…たぶん一部例外を除いて菫さんみたいにむっつり反応か末原ちゃんみたいに実物前にすると黙りこくる反応かの二択になると思うんだけど
>>320
いくらハギヨシの素敵滅法でもそれはちょっと厳しいっす…

1:咲ちゃん総合スレ 7本場(389)
2:咲-Saki-のドラマCD配布はよ!(212)
3:攻略情報提供スレ(189)
4:咲ちゃんの画像が集まる不思議なスレ(448)
5:雑談スレその3(87)
6:咲ちゃんの処女をいただき隊隊員ぼしゅー☆(855)
7:【対戦相手募集】熊倉先生・・・ネト麻がしたいです・・・(91)
   :
   :
   :
6はよ!6はよ!

おまけに入る上での諸注意
情報が圧倒的に不足してますので勝手な設定がつくこともあるかもしれません。もし公式の情報と整合性が取れないことがあっても全力で見逃してください。それか優しく指摘お願いします。特にガイトさんね。
このSSでは咲ちゃんは魔王でも畜生でもない天使(重要)

 龍門渕

衣「ぽちぽち♪」ポチッ ポチッ

衣「この智紀が拵えたけーじばんとやら、まさに狂気の坩堝!」

衣「其処彼処から熱を感じる…これがノノカの言っていた同士の輪か!」

衣「む、この書き込み…」


 咲ちゃん総合スレ 8本場

164:メゲちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:KYouKo4sO
咲ちゃんとお出掛けとかしてみたいけど色々複雑なところもあって毎日悶々してる
メゲるわ…

衣「ふむ…」

衣(こやつらはこの日の本の何処に住まうかも知れぬ者たち…如何にしようと咲に会うのは至難…さすがの衣も憐憫の情を抱かざるを得ない)

衣「!」ピーン

衣「いーことおもいついた!これは我ながら神機妙算神算鬼謀!」

衣「ハギヨシ!」

ハギヨシ「ここに」シュバッ

衣「耳を貸せ!」

ハギヨシ「はい」スッ

衣「……で、……が、……の……」ごにょごにょ

ハギヨシ「……ふむ。了解いたしました。少々お待ちを」

衣「ふふ、待っているがよい、咲好きの同士たちよ!」

和「それでは咲さん、また明日」

咲「うん。また明日、和ちゃん」

咲「……」スタスタ

ハギヨシの残像的なアレ「失礼」ガシッ

咲「え?」

咲「あ、あれ!?ここどこ!?」

ハギヨシ「龍門渕にございます」

咲「え?あ、あなたはたしか龍門渕さんの執事さん…」

ハギヨシ「萩原と申します」

咲「えっと…萩原さん。これはいったいどういう…?」

ハギヨシ「まずは貴重なお時間を取らせてしまったこと、大変申し訳なく…」

咲「あ、頭をあげてください!と、とにかく話を聞かせてほしいです」

ハギヨシ「は。このたびは、衣様が宮永様にお話したいことがあるとのことで、少々強引ではありますがお招きさせていただきました」

咲「はあ…衣ちゃんが私に話、ですか」

ハギヨシ「はい。ただいまお呼びして参りますので、こちらのお茶を飲んでお待ちください。茶菓子は自由にどうぞ」

咲「あ、ありがとうございます」



透華「お待ちなさい、ハギヨシ」


ハギヨシ「透華お嬢様…いかがなさいましたか」

透華「衣を呼ぶ前に、すこし時間をいただけませんこと?清澄の…いえ、宮永さんとすこし話をしたいんですの」

ハギヨシ「は。それでは私は部屋の前におりますので、お話が終わりましたらお教えください」

透華「わかりましたわ」

透華「…さて」チラッ

咲「は、はいっ!」ソワソワ

透華「ん、もうすこし楽にしてくださって結構ですのよ?」

咲「は、はい…」

咲(そんなこと言われても無理だよぉ…)ソワソワ

透華「ふふ、まぁいいですわ」クスッ

透華「宮永咲さん」

咲「はい!」

透華「話というのは、あなたにお礼をしたい、ということですの」

咲「え?お、お礼…ですか?」

透華「ええ。衣はなんだか最近とても楽しそうですわ。口を開けばあなたの名前が出るくらいですのよ?」

咲「そうなんですか?」

透華「あの子は…こういうことは軽々と吹聴するものではありませんが、ずっと孤独を感じていたみたいですの」

透華「私たちがどれだけ近づこうとも…いえ。本当は近づいた気になって、あの子の心の隙間に気付けていなかったのかも」

透華「強すぎる支配力、およそ只人ならぬその存在感…それはあの子の力として揮われ、そしてあの子自身をも追い込んでいたのでしょう」

透華「…でも、あの対局以降。あなたに負けてから、あの子は本当にいい顔で笑うようになりました。きっと本当の意味で、孤独ではなくなったのですわ。あなたのおかげでね」

咲「そんな…」

透華「ありがとう。そして、お願いいたします。あの子と、どうか末永く良き友人であってくださいな」

咲「……」

透華「…柄にもなく、語ってしまいましたわね。あまり遅くなるといけませんし、はやく衣の方の用件も」

咲「龍門渕さんって、やさしいんですね」

透華「…は?」

咲「衣ちゃんがちょっぴり羨ましいです。こんなに思ってくれる…やさしいお姉ちゃんがいて」



照「……はっ!今咲が私のことを考えている…そんな気がする」

透華「…ふっ。衣が聞いたら怒りますわよ?ああ見えて、暦上はあの子が一番年上ということになっていますから」

咲「え?そうなんですか?」

透華「……たぶん」

咲「あはは。…私の方こそ、衣ちゃんとお友達でいたいです。できたら、ずっと」

透華「それを聞いたら衣が喜びますわね」

咲「龍門渕さんも…その、いっしょにどうですか?」チラッ

透華「っ」ドキッ

透華「な、なにを世迷言をっ!衣のこととは別に、私たちは本来ならば敵同士!言っておきますけど、次は負けませんわよ!…と原村和にも伝えなさいっ!」

咲「和ちゃん?…そうですか…わかりました」ショボーン

透華「うっ…。わ、私はもう行きますわっ!ハギヨシ!」

ハギヨシ「終わりましたか」

透華「ええ。もう結構です」

ハギヨシ「では、衣様を呼んで参ります」スッ

透華「私も失礼しますわ」

咲「あ、はい」

透華「……」バタン

透華「……ふぅ」

透華(花天月地――咲き乱れた大輪の花々は天を望み、浮かぶ月は大地に花を見つけ水面に降り立つ…美しきかな、ですわね)シミジミ

衣「咲!よくきたな!」ピョコン!

咲「あはは、衣ちゃんこんばんは」

衣「うむ。さっそくだが、咲におねがいがある!」

咲「なぁに?」

衣「来週はなぜだか知らんが都合の良いことに五連休があるだろう?全国的に」

咲「うん。なんでか知らないけどあるね。全国的に。都合が良いかはわからないけど」

衣「その連休だが、咲の時間を衣にくれないだろうか?」

咲「え?どういうこと?」

衣「咲に会いたいという者たちがいてな。会ってやってほしいのだ!」

咲「私に…?うーん…でも私、あまり社交的じゃないし……」

衣「だめか……?」うるうる

咲「うっ…」たじっ

衣「その者たちも咲に会える日を今か今かと待ちわびているはずだ」うるうる

咲「う…うーん…そこまで言うなら…でも私なんかに会いたいなんて人が本当にいるのかなぁ」

衣「咲ならば引く手数多だ!」

咲「そうかな?あはは、ありがとう」

衣「よし!そうと決まれば即日即決即行!ハギヨシ!」くるりん ポロッ

咲(あれ?衣ちゃんのスカートのなかからなにか…)

衣「適当に選んだ此奴らに招待状を送れ!」

ハギヨシ「は」

咲(なんだろこれ…DVDかな…咲-Saki-…え、これって…?)

衣「咲!」

咲「ふぇっ!?ななななに!?」サッ

衣「今日はもう遅い、ハギヨシに送らせよう!」

咲「あ、あーうん。お願いしようかな」

ハギヨシ「では宮永様、失礼いたします」スッ

咲「え?あれ?」

咲「…ウチだ」

咲父「おお咲、遅かったな」

咲「あ、うん。ただいま。ごめんね、すぐご飯作るから」

咲父「悪いな」

咲(……どーしよう、衣ちゃんが落としたの持って来ちゃったよ……)

 咲ルーム

咲「はぁ…」ゴロン

咲(『咲-Saki-』…これって、私…だよね?)

咲(『咲ちゃんに萌える青春ADV』…どういうゲームなのかな)

咲(パソコンはお父さんから借りないといけないし、やってみるってわけにもいかない…というかこんなのとてもじゃないけどできない)

咲「…調べてみればわかるかも」スクッ

咲「おとーさーん、パソコン借りるねー」

咲父「かまわんが、ヘンなことはするなよー」

咲「はーい」

咲「インターネット…検索、『咲-Saki-』、と」ポチポチ

咲「ともきーの部屋?」


咲「………」カチッカチッ


咲「……………」カチッ カチッ


咲「…………………」カチ…カチ…


咲「………………………」カ…チ…



咲「………」シャットダウン

咲「……なんなの……これはいったいなにがどーゆーあれなの……?」


衣『咲に会いたいという者たちがいてな』

衣『咲ならば引く手数多だ!』


咲「…え、あれってこういうことなの?」

咲「来週会うの…もしかして、あそこにいた人たちのなかの…だれか?」

咲「……断りたい」


透華『あの子と、どうか末永く良き友人であってくださいな』


咲「………」

咲「衣ちゃんのお願い、かぁ…弱ったなぁ……」

咲「うぅ…どうしたら……」

ここまで前置き
次からみっひー編なります
まだ書けてないので寝ます

かわいい咲ちゃんが見てくれてるのでみっひー編始まります

 連休・一日目

咲「……」

咲(結局断れないままこの日がやってきてしまった……)

衣「合流場所まではハギヨシに送らせる!それらしき者がいたらこの招待状を持っているか確認を…咲?」

咲「…ねぇ、衣ちゃん」

衣「どうした?」クビカシゲ

咲「……」

衣「?」

咲「…ううん、なんでもないよ。招待状を確認するんだね」

衣「然り!其の者と楽しくあそんでくれればそれでよし!」ピョコン!

咲(衣ちゃん、いきいきしてるなぁ…ここまできちゃったし、連休は付き合ってあげよう。ゲームのことはその後訊けばいいよね?)

衣「うむ、頃合だ!ハギヨシ!」

ハギヨシ「は。それでは宮永様」

咲「はい」

ハギヨシ「失礼いたします」スッ

咲「…ここが待ち合わせ場所……」

咲(というか萩原さんっていったい何者…)

咲「…うぅ、やっぱり緊張しちゃうよ……どんな人なんだろう?」

咲「衣ちゃんはおたのしみだーって言って教えてくれなかったけど……」

咲(はぁ…どうしてこんなことになったんだっけ…?)ウツムキ

 ざわざわ・・・ ざわざわ・・・
 
咲(なんだか騒がしい…こういう人の多い場所って苦手だな……)

咲(あ、あの人すごい綺麗…なんかどこかで見たことあるような……?)

咏「~♪」トコトコ

咲(なんだっけ…あれは、たしか――)

咏「おっ、ハッケン~」ピタッ

咲「え?」

咏「すげー、ホンモノだー。本当にソックリだねぃ。さすがの私でもすぐわかっちゃったぜぃ」じろじろ

咲「あ、あの…」

咏「あ、ゴメンゴメン。これ」ピラッ

咲「それ、龍門渕の…」

咏「そ。招待状、見せるんだったよねぃ?」

咲(それじゃあ、この人が…)

咏「私は三尋木咏っつーもんね。しがないプロ雀士です、ヨロシク~」

咲「あ、私は宮永咲です。今日はよろしくお願いします……」

咲(って三尋木プロ!?そうだ、この人プロの…Weekly麻雀TODAYで見たことある!

咏「気軽に咏ちゃん♪って呼んでくれてかまわんよ~」

咲「そんな!えっと…さすがにそれは恐れ多いといいますか…」

咏「お、その様子だと私のこと知ってくれちゃってるわけ?うれしいなぁ~」ぴらぴら

咲「あはは…きっと麻雀やってる人で三尋木プロを知らない人はいないんじゃないですか…むぐっ」ぴとっ

咏「ダメダメ。今日は麻雀とは関係なしに、咲ちゃんに会いにきたんだから。そんな他人行儀だと悲しくなっちゃうよん?」

咲(日本代表の先鋒を担う指が私の口許に…)

咏「咏ちゃんがムリっぽいなら、う~ん…無難に咏さんとか?」

咲「えっと、それじゃ……う……うっ、うぅぅ………三尋木、さん」かぁ

咏「うっひょい!なにその反応、かわいいねぃかわいいねぃ!」ぴょんぴょん

咲「ちょ、ちょっと!目立っちゃってますよ三尋木プ…三尋木さん!」

咏「おーうゴメンゴメン。ちょっと残念だけど、まずはそれでよしとするぜぃ」

咲「すみません…さすがに恥ずかしくって……」

咏「まぁいーもん見れたしいいよん。それじゃーこれからどうすっかねぃ?とりあえずそこらへんテキトーにまわる?この辺あんましらんし」

咲「あ、はいっ」

咲(こんなすごい人がくるなんて聞いてないよぉ衣ちゃん……)

咏(ゲームはゲーム、リアルはまた別…なんて思っちゃいたけど、これはもしかすっと期待以上かもねぃ)

咏(うひひ…やっべー滾ってきた!麻雀以外でここまで私をアツくさせるなんてツミな女の子だねぃ咲ちゃん!)

咲(なにを考えてるんだろう、三尋木さん…私なんかじゃ考えも及ばないようなことを考えてたり)

咏(わっかんねー!このどーしよーもない昂揚感をどう処理すりゃいいのかまったくわっかんねー!)によによ

咲(それとも麻雀以外は意外に普通だったり?どうだろ…なんだかいろんなことが気になってきちゃった)

咲(そういえば、三尋木さんもやっぱりあのゲームをやったりしてるのかな…)

咏「咲ちゃん」

咲「あ、はい、なんですか?」

咏「咲ちゃんはどっか行きたいとことかある?」

咲「いえ…今日は相手と楽しく過ごしてって言われてきたんですけど…お恥ずかしい話、だれかとこうして出掛けることがあまりなくて。どういうところが楽しめるとかわからないです……すみません」

咏「ってことは…私が咲ちゃんに貴重な体験をさせてあげられるってことじゃん?むしろありがとうって言いたいくらいだぜぃ」

咲「あはは。…なんだか、やっぱり大人の人!って感じですね」

咏「お、それは私が一見しただけじゃ大人にゃ見えねーってことかい?」

咲「あ、いえ!そーゆー意味で言ったわけでは…その」ゴニョゴニョ

咏「はっはっは、じょーだんだよじょーだん。いや~、咲ちゃんはかわいいから、からかいがいがあるねぃ」

咲「かわっ…!?…その、困ります……///」モジモジ

咏(やべーまじかわいい)

咲「あ、あのっ!えっと、三尋木さんっていつも着物ですよね?」

咏「ん~?まーそだねぃ。これが私の一張羅でありトレードマークでもあるからねぃ。どう、似合ってる?」くるりん

咲「はい。とてもよくお似合いです」

咏「そりゃうれしいねぃ」

咲「でも言われ慣れてるんじゃないですか?」

咏「まーねぃ。でもこんなかわいいコに言われるとまた格別ってもんよ~」

咲「もうっ」

咏「フフフ」

咏「おっ、着付け体験だってさ。どうだい咲ちゃん?」

咲「え、でも…」

咏「私なりに、咲ちゃんを楽しませつついろんな体験をさせたげたいからねぃ。どうしても嫌なら無理強いはしないけど?」

咲「う…そ、それじゃあ……」

咏(フフフ、目の保養にもなるしねぃ~)

係員「いらっしゃいませ、こんにちは~」

咏「着付けの体験ができるって表に書いてあったんだけど」

係員「ハイ、着付け体験ですね~。お二人ですか?」

咏「いんや、こっちのお嬢さんだけお願いするよ」

係員「かしこまりました~。ではこちらへどうぞ~」

咲「は、はい…」カチコチ

咏「そんなたいしたことじゃないからさ、落ち着いて落ち着いて」

咲「は、はい!」カチコチ

咏「あらら…ま、大丈夫か」

 ― 一時間くらい後 ―

係員「お待たせいたしました~。よくお似合いですよ」

咲「うわ~……」トコトコ

咏「お、いいねぃ雅だねぃ」

咲「そ、そうですか…?」

咏「うん、似合ってるよ」

咲「ありがとうございます」

咏「ってなわけで、記念に一枚」パシャ

咲「あ!ちょ、ちょっと三尋木さん!せめて撮る前に一言言ってくださいよ!」

咏「あっはは、自然体が一番映えるってもんよ。しらんけど」

咲「もう…」

咏「あ、係員さん。いっしょに映りたいんでシャッターお願いできます?」

係員「大丈夫ですよ」

咏「ほら、もっとくっついて咲ちゃん」

咲「え、もっとですか!?」

咏「うりうり~。なんならいっそ抱き合うって選択肢も」

咲「ありません!あ、ちょっとっ、転んじゃう!」

 がしっ

咏「おっと。危なかったねぃ」

咲「…はぁ~。もう…他人事じゃないですよ」

咏「あっはは、ゴメンゴメン」

係員(…はやくしてくれー)

<御用の際はまたどうぞ~

咏「いや~。楽しかったねぃ」

咲「三尋木さんは本当楽しそうでしたもんね…」

咏「フフフ、いい画も撮れたし、サイコーだよ本当」

咲「そうですか…」

咏「んー、いい時間かな。おなか減ってないかい?」

咲「えっと、すこし」

咏「それじゃお昼にしよっか」

咏(どーしよっかなー。ちょいとお高いところに連れてって反応を楽しむのもオツだけど…)

咏(ここは親しみやすさでいくかなー)

咏「あんま肩肘張ってても疲れるっしょ。ハミレスでいいかな?」

咲「あ、はい。大丈夫です」

店員「いらっしゃいませー。何名様ですか?」

咏「二人、禁煙席ねぃ」

店員「こちらへどぞー」

咏「なに食べるか決まった?」

咲「はい」

咏「ほいじゃぽちっとな」ピンポーン

店員「ご注文承りますだし!」

咏「天そばひとつとー」

咲「ランチセットひとつで」

店員「繰り返します、天そばがおひとつ、ランチセットがおひとつ、以上でよろしかったでしょうか?だし」

咏「うん」

店員「それでは少々お待ちくださいだし!こちらお冷になりますだし」

咏「ふー。どう咲ちゃん、楽しい?」

咲「はい、楽しいです。三尋木さんとおしゃべりして街を歩くなんて、なんだか不思議な感じがして新鮮です」

咏「そっかそっか。いや~、よかったよかった」

咲「三尋木さんはどうですか?」

咏「ん~?楽しいよん?咲ちゃんのいろんな表情も見れたしねぃ」

咲「あはは、それはちょっと…でも私もよかったです。もしかしたらつまらない思いをさせちゃってるんじゃないかなーって思っちゃって」

咏「ん~…咲ちゃんは自分に自信がないんだねぃ」

咲「…それは……」

咏「あんま卑屈になんなくてもいいと思うよん?咲ちゃんは私から見たらすっげーかわ「お待たせしましただし!」

店員「天そばのお客様!」

咏「……」イラッ

咏「こっちでーす」

店員「失礼いたしますだし!と、こちらランチセットになりますだし!」

店員「それではごゆっくりだし!」

咲「あ、あの…」

咏「ん?あ~さっきのは気にしないで」ひらひら

咏「とりあえず食べちゃおっか」

咲「は、はい」

咏「……」ふーふー

咏「……」ちゅるちゅる

咲「……」じー

咲(右目側に長く垂れた前髪を横に梳きながら蕎麦を啜る三尋木さん…すっごく色っぽい)ポケー

咏「ん?」

咏「おいおい咲ちゃん、私に見惚れてたのかい?」にやり

咲「へっ!?え、あ、いやその……」アセ

咏「ちょっとちょっと、慌てすぎだよ咲ちゃん」

咲「あぅ…すみません」パクモグ

咏「フフ…お、そのフライうまそーだねぃ」

咲「あ、食べます?」

咏「いいの?」

咲「はい。私にはちょっと多いですし」

咏「年頃なんだからもっと食べなきゃダメだぜぃ?でもまー今はお言葉に甘えて…」

咏「あーん」にやにや

咲「え!?」

咏「あーん」にやにや

咲「あの…」

咏「あーん」にやにや

咲「……」

咲「あ、あーん……」すっ

咏「んむ…ふんふん…うまい!」

咲「は、はずかしぃ……」

咏「いや~、今日は本当いい日だねぃ~♪」ちゅる

咲(咏さん、本当にうれしそう…喜んでくれたなら、いいか)

 ― なんやかんやあって ―

咏「いや~、楽しい時間が過ぎるのはあっという間だねぃ」

咲「そうですね」

咏「お、ということは今日一日、咲ちゃんも楽しんでくれたってことかな?」

咲「はいっ。いろいろありましたけど、とっても楽しかったです」ニコッ

咏「…おおう」

咲「? どうかしましたか?」

咏「いんや、なんでも」

咏(ゲームなんて生ぬるい…天使っすわ)

咏「名残惜しいけど…今日はここまでだねぃ」

咲「はい。今日はありがとうございました」

咏「また遊べたらいいな」

咲「三尋木さん、プロですもんね…忙しいだろうから」

咏「咏」

咲「え?」

咏「咏、って呼んでほしいかな。一度でいいから」

咲「……」

咏「……」

咲「……咏、さん」

咏「……ん」

咲「また、こういう機会があれば」

咏「おう。咲ちゃんがプロにくればヨユーでしょ!」

咲「あはは、それは先が長いですね」

咏「それなら、私も咲ちゃんがくるまで全開火力で頑張り続けるぜぃ」

咲「どーゆーことですかそれ」ハハ

咏「そーゆーことさ」フフ

咏「それじゃ…またねぃ」

咲「はい。…また」

ハギヨシ「宮永様、お迎えにあがりました」

咲「ありがとうございます、萩原さん」

咏「おーう、執事さん。天江衣ちゃんにお礼言っといてくんねぃ」

ハギヨシ「承りました。それでは宮永様」

咲「はい。……」スッ

咏「!」

咲「……」バイバイ

咏「……」

咏「……」ひらひら

咏「……行っちゃった、かー」

咏「よーし。明日からテキトーに頑張るとすっかねぃ」

咏「おっと、えりちゃんとかに自慢しねーと」

咏「~♪」トテトテ


 三尋木プロ からメッセージが届いています。



三尋木プロ:やっほー小鍛治プロ。ばんは~

<こんばんは、珍しいですね。どうかしたんですか?

三尋木プロ:いや~、今日の咲ちゃんとのデートちょーよかったっすわ

<ちょとどヴぇうこつで鹿

三尋木プロ:おちつきなよ

<どういうことですか

三尋木プロ:どういうもこういうも、そのまんまっす

<くわしく

三尋木プロ:くわしくっすか

三尋木プロ:咲ちゃんの着物姿を堪能したり、お昼はあーんしてもらったり、名前を呼んでもらったり?

<着物姿

<画像

三尋木プロ:丁重にお断りしまっす

<くっ

三尋木プロ:ま~ご自分でどーにかしたらどっすか

三尋木プロ:小鍛治プロも招待状きたんすよねぃ?




三尋木プロ:あちゃー、火ィつけちゃったかな?

三尋木プロ:んじゃーまた。健闘を祈りまっす

健夜「……どーしよどーしよ」

健夜「そんなのもアリなの?」

健夜「どーしたら……そうだまず着ていく服を厳選しなきゃ……ゲームやってる場合じゃないよ」

健夜「あーでもないこーでもない……」

 みっひー編カン!

 龍門渕招待で咲ちゃんと会えるらしい

1:FunaQ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:HirOKofqO
うちの知り合いに招待状が届いてお祭り騒ぎになっとったところ
連休にいくらしい

2:かじゅ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuMIkJkqO
うちの後輩にも届いたぞ
すこし妬ましい

3:メグ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:meGaNDvnO
わたしの知り合いもです
うらやましいです

4:あちレジェ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:hARue4NGO
今度の連休ってーと一日一人と考えたら枠は5人かね?
なんにせよ羨ましいやっちゃ

5:くのいち人魚[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YaEk3OHJAO
ナカッタ(´・ω・`)ウワーン

 九州・白水家

哩「……」

郵便受け「  」

哩「……」フゥー

郵便受け「」ガチャン

哩「……」スッ

郵便受け「  」パカッ

哩「……」

哩「……まだ届いとらんのかも」

 奈良・新子家

憧「……」ドキドキ

憧「……」スッ

憧「……」ドキドキ

憧「……っ!」パッ

憧「……!」グググ

望「なにやってんの?さっさと開けなよ」パカッ

憧「あっ」

憧「……ない」

憧「そう、だよねぇ……」ずーん

望「?」

 岩手・宮守女子

塞「きてた?」

胡桃「ううん」

エイスリン「」フルフル

豊音「…なかったよー」

シロ「……」グテー

塞「…まーあれだよね。まだ届いてないという可能性も捨てきれないよね」

胡桃「そうかなぁ」

エイスリン「ザンネン…」

豊音「うん…」

シロ「……はぁ」

 大阪・末原家

恭子「……」

恭子「……」ドックン

恭子「……」ドックン ドックン

恭子「……!」グッ

郵便受け「  」

恭子「……ふー」

恭子(きてなくてほっとしたような、残念なような…)

 東京・白糸台

菫「なぜなんだ龍門渕ーーーーーーーーーーー!!!!!」

とりあえずおしまいです

小走先輩は王者だしゴエモンやっててもおかしくないな!
小走先輩がスキヤキの買い出しにパシられるssはよ

 連休・二日目
 待ち合わせ時間十五分前

健夜(…よし、大丈夫…昨日はあまり寝れなかったけど、時間に余裕を持って動けてる)

健夜(こーこちゃんは今日局のお仕事で一日忙しいのは確認済み…憂慮すべき問題はなにもないはず)

健夜(…寝グセとかついてない?大丈夫かな。…服とかヘンじゃないかな?大丈夫…?)

健夜(…今日はあくまで『咲ちゃんに楽しんでもらう』ことが目的。私の欲望を押し付けるようなマネは絶対NG)

健夜(そう、こーこちゃんと遊びにいくみたいにごく普通に、飾らず、いつもの小鍛治健夜で咲ちゃんに接するの!)




健夜「よしっ!」ズモモモモ…



咲「っ!?」ザワッ ゾゾッ

咲(な…なに今の感じ…?まるで…ううん、ちっちゃい頃のお姉ちゃんよりヒドいよ……!)

咲(うぅぅ……おトイレいっとけばよかったよぅ~……)ギュッ

健夜「えっと…」キョロキョロ

健夜「あ!」

咲「……」ガタガタ

健夜(いたっ!ほ、ホンモノの咲ちゃん!)

健夜(な、なんという小動物オーラ…!まるで脅威に怯えるリス!)←脅威

健夜(こんな人混みだもんね…はやくそばに行ってあげないと!)←原因

健夜「あのっ!」

咲「…え?あ、はい」

健夜「こ、ここっこ、これ!」バッ

咲「あ、招待状…じゃあ、あなたが」

健夜「はひ!こ、小鍛治健夜です!ふつちゅかものですがよろしくお願いしますっ」

咲「」

咲(この人、史上最年少八冠の小鍛治プロ…!?昨日に引き続きすごい人が!)

咲(…もしかしてあのゲームはなにも関係なくって、龍門渕のツテでプロの方々がスカウトしてるとかかな…?私がいればお姉ちゃんも釣れるかもみたいな……)

咲(でも咏さんは麻雀関係ないって言ってたような…あ~もうわっかんない……)

咲「宮永咲です」ぺっこりん

健夜(な、生ぺっこりん!)

咲「あの…小鍛治プロ…ですよね?」

健夜「あ、ハイ」

咲「今日は、その…どーして?」

健夜「咲ちゃんに会いたかったからです」(――なんて言ったら引かれるかな)

咲「え?そ、そうなんですか?」

健夜「え?あれっ?」

咲「あはは…ありがとうございます」ニコッ

健夜(まさか口走ってた?やっちゃった?)

健夜(…でも露骨に引いたりしない咲ちゃん天使だ……)

咲(訊いてみたけどやっぱりわかんないなぁ。あまり邪推するのも失礼かな)

咲「それじゃその…これからどうしましょうか?」

健夜「あ、うん、まかせて!」

健夜(デートプランは事前に組み立て済み!ここで大人の余裕を見せる!)

健夜「とりあえず映画でもどう?まだ時間あるから、ゆっくりお話でもしながら歩いて向かおう」

咲「はい、わかりました」

健夜「……」スタスタ

咲「……」スタスタ

健夜(お話は…?いや、話したいことは山ほどあったはず…なのになにも思い浮かばない……)

咲(うぅ…なに話したらいいんだろ?どんな話題がいいのかわかんない……)

健夜「あ、そ、そうそう。咲ちゃんって不思議な打ち方するよね?」(…結局麻雀の話……)

咲「え?あ、はい。やっぱりそうですかね…」アハハ

健夜「やっぱりあれかな。お姉さんの影響とかあるのかな。ほら、宮永照さん」

咲「そうですね。私、高校までは家族としか打ったことがなかったので」

健夜(それであれかぁ…すごいってもんじゃないね。血なのかな?…お姉さんの方は単純な才能ってだけじゃない気もするけど)

咲「小鍛治プロもすごいですよね」

健夜「あ、その…もうすこしフランクでいいよ?」

咲「じゃあ…小鍛治さん」

健夜「うん。…私がすごかったのはちょっと前までだよ?今はそうでもない(と思う)よ」

咲「でも世界ランク最高2位だなんて憧れちゃうなぁ。すごく強い人たちとたくさん麻雀してきたんですよね?」

健夜「そうだね。世界だけじゃなく…どこにだって、強い人はいるものだよ。無名であろうと、有名だろうと」

咲「ふ、深い…!」

健夜「そうかな?あはは」

健夜「あ、ここだよ。この映画館」

咲「なんだか雰囲気ありますね」

健夜「DVDを借りて家で見るのもいいけど、だれかとこうやって映画館に赴くのもいいものだよね」

咲「ですね」

健夜「えーっと、『玄~ドラ爆通りのおもち女子~』は……」

健夜(あれっ?ない…え、うそ)

健夜「あ、あの、『玄~ドラ爆通りのおもち女子~』って映画は……?」

窓口員「んー?あー、その映画は先月のプログラムなのよー」

健夜「」ピシッ

健夜(そんにゃ…え、うそでしょ?私のデートプランが……)

咲「あ、あの…小鍛治さん……?」

健夜「あ、アハハ…ごめんね、なんか見たかった映画が私の勘違いでやってなかったみたいで…べつの見ようか?」

咲「え…でも……」

健夜「今月の上映プログラムは……」


『STAND 牌 ME ヒロえもん』

『血を吸うイケダ』

『パイのおねぃさん』

健夜(アニメとスプラッタホラーとえっちぃのしかないー!?)ガビーン

健夜(あ、でもヒロえもんの映画はちょっと見たいかも…でもだれかとデートで見にくるものでもないか……)

健夜「ご、ごめんね咲ちゃん。やっぱり映画はやめとこうか……」アハハ

咲「は、はい」

健夜(やらかした……)

健夜「えっと、気を取り直して!ゲームセンダーとかどう?」

健夜(MJか格闘倶楽部で…!)

咲「あ、えっと…騒がしいところはちょっと……ごめんなさいっ」

健夜「あ、うんそうだよねー」

健夜(当たり前じゃんー!しっかりしてよ私ーっ!)

咲「……」

咲「あのっ!」

健夜「…え?」

咲「お昼に早いかもしれないですけど、そこの公園でご飯にしませんか?」

咲「私、お弁当作ってきたんです!」

健夜「」

健夜(オ・ベントー?あ、なんか荷物多いなぁと思ったら、あのバスケットお弁当だったんだ…)

健夜(え!?ほ、本当に!?咲ちゃんの手作り!?)

咲「相手の方にごちそうになっちゃうのも悪いと思って…お口に合えばいいんですけど」アハハ

健夜「だっ、だいじょーぶっ!全然楽しみだよ!!」

咲「そーですか?あはは、ありがとうございます。それじゃちょうどよさそうなところ見つけてシート敷いちゃいましょう」

健夜「うんっ」

健夜「これが…噂に聞く『お弁当』…神々しい!」

咲「あはは…おおげさですよ。だれでも作れるようなのばかりですし。私の友達にすごく料理が上手な子がいるんですけどね」

健夜(女子力低くてごめんなさい…)


和「……はっ!咲さんが今私のことを考えている…そんな気がします」

咲「これ、ウェットティッシュです、使ってください。お皿におかず取りますね」サッサッ

健夜(ええコだよ……お嫁さんにしたい)

咲「どーぞ」

健夜「……」

咲「? 小鍛治さん?」

健夜「あ、あーん……」

咲「!?」

健夜(私だって……!)

健夜「……」

咲「……」

健夜「……」ぷるぷる

咲「…あーん」

健夜「!」

健夜「むぐっ…おいひいぃぃ」ジワッ

咲「えっ、小鍛治さん!?大丈夫ですか!?」

健夜「ごめっ…うれしくて……」グズッ

咲「もう…しょうがないですね」

健夜「おいひい…すごいよ咲ちゃんちょーおいしいよ」モグモフ

咲「ふふ…あ、ほっぺについてますよ」スッ

健夜「ん」

咲「……」

健夜「……」

咲(思わず取ったけど…どーしよー!?)

健夜(ど、どーするの咲ちゃん……!?)ドキドキ

咲(拭いちゃうのは失礼かな…いや食べちゃう方が失礼…?)

咲(ええいっ)

咲「」パクッ

健夜「」

咲「んっ」チュパ

健夜「」

咲「え、えへへ…意地汚かったかな…」ゴシゴシ

健夜「ありがとうございます」

咲「え、ええっ!?ちょっと小鍛治さん!?」

健夜「もう、死んでも……」

咲「だめですって!?」

 ― なんやかんや ―

健夜「ごちそうさまでした。いや本当おいしかったです」

咲「おそまつさまです。こんなので喜んでもらえたならこっちも嬉しいです」

咲「すぐ片付けますからちょっと待っててくださいね」

健夜「ごめんね、まかせっきりで」

咲「いえいえ」

健夜(あ、今の夫婦っぽい)

咲「~♪」テキパキ

健夜(咲ちゃん、いいコだなぁ…ゲームなんかじゃこの魅力は理解しきれないよ……)

健夜(映画館ではけちついちゃったけど…今日は本当いい日になりそう……)うとうと

咲「おまたせしまし…た…。…あはは、この陽気だしね。気持ちよさそう」

健夜「……」zzz

咲「ん…シートの上じゃ硬いよね。んしょ…と」

咲「ふふ……」すっ

 なでなで

健夜「んぅ…」zzz

咲「さて…本も持ってきといてよかった」ペラッ


健夜『あ~…ここは極楽じゃ~…』

健夜『あったか~い…やわっこ~い…』

健夜『すこや、ここの住人になる~…』

 ―――
 ――
 ―

健夜「…なるぅ~……」

健夜「……ん」パチッ

健夜(あ…いつの間にか寝ちゃってた……昨日あんまり寝れなかったせいかな)

健夜(…咲ちゃん、は……?)

咲「……」ペラッ…  ペラッ…

健夜「」

健夜(あれ~…私まだ夢を見て…?それとも…ゲームのなかに入る方法を編み出してしまった!?)

健夜(木漏れ日のなか本を読む咲ちゃんを下から見上げる視点…つまり膝枕視点。すなわちこれはゲーム!)

健夜「それなら遠慮なくぺろぺろしちゃえ~」もぞもぞ

咲「ふあっ!?ちょっと、小鍛治さん!?起きてたんですか!?」ビビクンッ

健夜「……ホ?」

咲「もうっ。寝ぼけてるんですか?」

健夜「……ああ、うん。ごめんね」

健夜(やっちゃったぁぁぁぁあ)

健夜(咲ちゃんを影から見守っていく…あの日の誓いを私は…ッ!)

咲「それじゃ」スクッ パッパッ

健夜「?」

咲「いきましょうか」手差し伸べ

健夜(誓いとかどーでもいっか)

健夜「ありがと」ぎゅっ

健夜「よっと」スクッ

健夜「えっと…私どれくらい寝てたかな…?」

咲「一時間くらいですか。気持ちよさそうに眠ってらしたのでそのままにしちゃいました」

健夜「ん~、ありがとう。昨日ちょっと緊張して眠れなかったから」

咲「そーなんですか?」

健夜「うん。それじゃ次はどうしよっか?」

咲「おまかせします」

健夜「それじゃあ……」

 雑貨屋

咲「な、なんなんですかぁこれ……」ネコミミ

健夜「ぶふっ」ネコミミ

健夜(一応調べといて正解だった…!)

健夜「いろんな小物がある雑貨屋だよ。咲ちゃんに似合うのはどれかな~?」

咲「え~…」

健夜「こっちの豆狸の耳かな~?」

咲「小鍛治さ~ん…」

 ― なんやかんや ―

健夜「ごめんね!?やりすぎちゃった!」

咲「……」つーん

健夜「うええ…どーしたら……」

咲「……ふふっ」

健夜「え」

咲「小鍛治さんもそんな顔するんですね」

健夜「えー…私は普段大体こんな顔だけど」

咲「そうなんですか?なんか今日は小鍛治さんのことをいっぱい知ることができた気がします」

健夜「…うん。私も、咲ちゃんのことたくさん知れて、楽しかった」

咲「私も楽しかったです!」

健夜「……三尋木プロとどっちが」ぼそぼそ

咲「はい?なんですか?」

健夜「ううん?なんでもないよ!」

咲「それじゃ」

健夜「うん。またね」

咲「はい!」

 すこやん家

健夜「ただいまー」

すこ母「おかえり。なぁに?今日はデートでも行ってたの?ついに男でも見つけた?」

健夜「うるさいなぁー」

健夜「…ねーお母さん」

すこ母「ん?」

健夜「私がお嫁さん連れて来たらどう思う?」

すこ母「はあ?」

健夜「んー。なんでもない」

 すこルーム

健夜「スレ立て…『iPS細胞というものが――』」カタカタ


 小鍛治プロ からメッセージが届いています。

小鍛治プロ:こんばんは。

<おー。今日はどうだったんすか?

小鍛治プロ:もう…最高でした

<あっはは、そーですか最高でしたか

小鍛治プロ:最初はちょっと失敗しちゃったんですけど

小鍛治プロ:咲ちゃん天使がお弁当作ってきてくれてあーんしてもらって

小鍛治プロ:ゲームみたいに膝枕してもらって

小鍛治プロ:そのあとネコミミ咲ちゃん天使などを楽しみました。



小鍛治プロ:あれ?あのー?



小鍛治プロ:よし、勝った

 すこやん編カン!

すこやんが咲ちゃんの体質(?)に気付いたら魔物オーラで脅しかけて強制放尿プレイとか始めそうだな…って書いてて思いました

乙、咲ちゃんええ子や
全部で5人だから、前回最後の郵便受け覗いてた人はもう可能性無いんだよね

すこやんは業の深いキャラが似合う女

 東京

智葉「……」

智葉「……」

智葉「……」

智葉「……さて」スッ

メガン「メイソウですかサトハ」ズルル

智葉「そんなもんじゃないさ。…なんだ、朝っぱらからラーメン食ってんのか」

メガン「三食ラーメンデス!」

智葉「そのうち当たるぞ……」

メガン「麻雀でウマク消化してるのでヘッチャラデス」

智葉「どーいう理屈だ」

メガン「…いくんデスネ」

智葉「…ああ。これは千載一遇のチャンス、逃す手は無い」

メガン「そうデスカ。健闘を祈ってマス」

智葉「フッ。気張らず、いつも通りやるだけだ」

幼女A「がんばってーせんせー」トテテ

幼女B「ししょーファイト~」ポヨヨ

智葉「おう」

モブA「いっちゃれおじょー~」

モブB「おじょー~」

智葉「まかせとけ」

智葉「――征ってくる!」ゴッ

 待ち合わせ場所

智葉「……」

智葉(あと二時間…………)

智葉(…………あと一時間)

智葉(…喉が渇いた。しかしこの場を離れてる間にもし咲ちゃんがきたら……?)

智葉(あと三十分。…高揚してきたな)

智葉(あと――)



咲「……」キョロキョロ

智葉「!」

智葉(キタ!あれが…咲ちゃん。やはりホンモノも照とそっくりだな。当たり前か)

咲「あっ」ドテッ

智葉「!!!!!!!!!」

智葉「大丈夫か!」タタタッ

咲「あう…だいじょーぶです」スクッ

智葉「そ、そうか……」

咲「すみません…ちょっと人を探してまして」

智葉「…こほん。おそらく、君の探し人は私だろう。ほれ」ピッ

咲「招待状…じゃあ」

智葉「うむ。私は辻垣内智葉だ」

咲「宮永咲です。今日はよろしくお願いします」ぺっこりん

智葉「ああ。よろしく」

咲(辻垣内…智葉さん…?どこかで聞いたような)ジー

智葉「ん?どうかしたか?」

咲「あっ、いえ!あの、私たちどこかで会ったことあります…?」

智葉「ああ…そうか。これじゃわからんか」キュ スチャッ

智葉「これでどうだろう?」戦闘スタイル

咲「…あ!臨海の……」

智葉「正解」

咲「へぇ~…あ、すみませんじろじろと見ちゃって」

智葉「かまわんよ」

智葉「じゃあ行こうか。君は普段どんなところに行くとかあるのか?」

咲「う~ん…あまりお出かけとかしないので…本屋さんや図書館くらいでしょうか」

智葉(ゲーム通りか)

智葉「そうだな。じゃあ本屋でも回ろうか。おすすめの本なんかあったら教えてくれ」

咲「あ、はい!」

 本屋

智葉「ふむ…当然というべきか、たくさんあるんだな」

咲「そうですね。あ、これなんてどうですか?」

智葉「漱石か。私でも知ってる」

咲「はい。未完の作品なんですけど、読み応えありますよ。あ…でももうすこし取っつきやすい方がいいかな……」

智葉「いや、それでいい」

咲「いいんですか?」

智葉「ああ。時間をかけてゆっくり読むとしよう」

咲「そうですか。読み終わったら感想とか聞きたいです」

智葉「そうなると的外れなことは言えないな。しっかり読み込まないと」フフ

咲「お願いしますね」アハハ

智葉(よし。いい手応えだ)

 公園

智葉「弁当か」

咲「はい。えっと、昨日はべつの人ときたんですけど、その時に好評だったので」

智葉(…わかっていたことだが、違うだれかとこうして二人きりで過ごしてたのかと思うとなんだかいい気はしないな…これが悋気というやつか。まさかこの私がな…)

智葉「ああ。ありがたくいただく」

咲「はい。それじゃどーぞ」

智葉「いただきます。ん…うん、美味い」モグモグ

咲「……」チラッ チラッ

智葉「ん?どうかしたか?」

咲「あっ、いえ!」

咲(今回はあーんしなくていいのかな)チラッ

智葉「……ああ。そういうことか」

智葉「ほら、あーん」サッ

咲「え!?」

智葉「どーした?食べたいんじゃなかったか?」

咲「え、あ…ぅ、いただきます……」

智葉「ほれ」

咲「ん」パク

咲(不意打ちすぎて、自分で作ったものなのに味がわからない…)

智葉(なんだ、なんかこう…餌付けというのか。イケない気分になってくるな……)

智葉「……」モグモグ

咲「……」モグモグ

智葉「……」ズズズ

智葉「ごちそうさまでした」

咲「はい。おそまつさまです」

智葉「どうだろう?食休みに、そこの木陰で買った本でも読まないか?」

咲「わぁ、いいですね!」

智葉「ふふっ」

智葉「……」ペラッ   ペラッ

咲「……」ペラッ ペラッ

智葉(こういうのも…悪くないな。心が穏やかに…凪いでいくのを感じるようだ)

智葉(妹と肩を並べ書に耽る…実に素晴らしい)

咲「……ふぅ」パタン

智葉「ん、もう読み終わったか?」

咲「あ、いえ。すこし目を休ませようかなって」

智葉「そうか」ペラッ

咲「……」ボーッ

智葉「……」ペラッ

咲「……」しょぼしょぼ

智葉「……」ペラッ

咲「……」うと うと

智葉「……む」

咲「……」スゥ

智葉(寝てしまったか……)

智葉「しかたないな…肩くらいいくらでも貸そう」

咲「ん……おねえちゃん……」ムニャ

智葉「!!!」

智葉(おい、今の聞いたか)

智葉(聞いた聞いた。というより録音してた)REC

智葉(持っててよかったレコーダー)

智葉(やはり咲ちゃんは史上最強の妹だったか……)

咲「んー……」もぞっ

智葉(……文字が頭に入ってこなくなった)

 ― なんやかんや ―

咲「…うぅん……あ、寝ちゃってた……」ズズッ

智葉(あっ、よだれ……)

咲「あ、ごめんなさい!肩を借りちゃってたみたいで……」

智葉「いや、かまわない」

咲「あはは…寝顔見られちゃったかな」

智葉「ロンオブモチだ」

咲「え?」

智葉「なんでもない」

智葉「…お姉ちゃん、と」

咲「あ、私寝言まで!?わ、恥ずかしー……」

智葉「いや、ううむ……」

咲「あはは、転んじゃったことから始まって、辻垣内さんには情けないところばっかり見られちゃってますね……」

智葉「お……」

咲「お?」

智葉「……智葉お姉ちゃんと、呼んでくれてもいい」

咲「え」

智葉「……どうだろう?」

咲「えーっと……智葉お姉ちゃん」

智葉「……もういっかい」

咲「智葉お姉ちゃん」

智葉「もっかい」

咲「智葉お姉ちゃんっ!」

智葉「ああっ!」パァァ

咲(すごい満面の笑顔…辻垣内さんのこんな顔はじめてみたよ……)

 お姉ちゃん隊駐在スレ4

261:ガイト[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SatoHAojO
咲ちゃんはやっぱり最高の妹だわ
再確認した

262:まいるお姉ちゃん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:ShiRoUZu0
なにをいまさら

263:ぽかぽか[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:YuhOtmoTO
咲ちゃんあったかいよねぇ

264:ひろぽん[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:HiRoEatgO
そーいやてるてるのやつ最近見んけど

265:SSS[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:sumIReymO
新作の方が佳境らしく忙殺されてるんだと

266:ガイト[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:SatoHAojO
好きすぎてどうにかなりそう
むしろどうにかしちゃいたい

267:キーウィ[]
20xx/xx/xx xx:xx.xx ID:aiSlINnWO
アウトー!

 ガイト編カン!

てな感じで姉垣内さんどうすか
>>478
少なくとも今回はもうないです

一応お姉ちゃん隊は例の7人だけで、それ以外はお姉ちゃん'sに絡みにいく変わり者たちだと思ってください

おつ(´ω`)おつ

いまさらだけど、怜はマエストロじゃなくソムリエだった
単行本のカバー裏みて軽くショック受けた

連休・四日目

竜華「今日は咲ちゃんとおでかけ~♪」ルンルン

竜華「怜はホンマ残念やったなぁ…もう大分よくなったとはいえ、遊ぶために遠出すんのはアカンなんて」

竜華「怜もいっしょに咲ちゃんと遊んで…両手に花といきたかったけど、しゃーないか」

竜華「ナマの咲ちゃんとめいっぱい遊んでみんなに自慢したろ!」

竜華「あ~楽しみやなぁ~!等身大咲ちゃんっ(?)」


咲「ふぁ~…」ノビー

咲(こう連日見知らぬ人とおでかけするっていうのも、緊張やらで疲れちゃうなぁ)

咲(残り二日…いい人たちだといいけど……)

竜華「あっ!あのコかな?」

竜華「……」コソコソ

竜華「だ~れだっ?」ギュッ

咲「えっ!?」

咲(え?えっ?あっ、後頭部にやわらかい感触が…)ふよん

竜華(わ~っ、咲ちゃんや咲ちゃんや!奥行きのある正真正銘現実の咲ちゃんですよ!)

咲「あっ、あの!」アタフタ

竜華「あ、ゴメンゴメン!」パッ

咲「い、いえ…」クルッ

咲(え、本当にだれ…?わ、すごい…)じーっ

咲「あの、人違いとかじゃ…?」

竜華「咲ちゃんやよね?あっ、うち清水谷竜華いいます。これ」ピラッ

咲「それじゃ今日は清水谷さんが…」

竜華「竜華でええよ?今日は咲ちゃんと仲良うなれたらええなって思うてきたから」

咲「えっと…竜華さん、今日はよろしくお願いします」ぺっこりん

竜華「~~~~~~っ」

竜華「かわいーなぁ咲ちゃんはっ!」ダキッ

咲「ふぇっ!?ああああのっ!く、くるじいでず~!」

竜華「はぁ~夢みたい!でも夢やない!咲ちゃんの体温、咲ちゃんの匂い、咲ちゃんの感触やー」スリスリ

咲「りゅーかさ~ん!」

 ― 三十分後 ―

竜華「やーゴメンなぁ咲ちゃん。うちホンマに咲ちゃんと会うの楽しみにしててん、抑えきれんかったわーハハハ」ツヤツヤ

咲「いえ…だいじょーぶですから」

咲(たっぷり愛でられてしまった…不覚にもそこまで嫌じゃなかった自分がこわい)

咲「そーいえば竜華さんって、もしかして関西の方なんですか?」

竜華「ん、言ってなかったっけ?うち千里山女子高の麻雀部所属なんよ。聞いたことない?北大阪の千里山」

咲「あっ、あります!へ~、千里山の…」

竜華「うち部長やねんで」エッヘン

咲「ええっ!?す、すごいじゃないですかっ!強豪校の部長さんだなんて!」

竜華「ええコやなぁ咲ちゃん…こんなしょーもない自慢に嫌味のかけらもない返事…ああもうっ!連れて帰りたいわ!」

咲「本当にすごいですし…大阪はちょっと遠いですよぉ…」

竜華「そうなんよな~。近ければ咲ちゃんに毎日会いに来たいくらいや!」

咲「あはは…おおげさですね。でも私も竜華さんみたいなやさしそうな人ならお友達になりたいです」

竜華「ほならなろ!な!私と咲ちゃんは今から友達やで!」

咲「うれしいです」ニコッ

竜華「やた!」

竜華(やっぱ咲ちゃんは天使やな!これは怜と双璧を成すで!)

咲「これからどーしましょうか?」

竜華「せやなぁ。咲ちゃんといろんなとこ回ってみたいーて思うとったけど、こうして会ってみたらそんなことよりたっぷり話がしたいと思うんよね」

枕神『そんならここから東にちょっと行ったところに落ち着いた感じのサテン、南西の方によさげな公園があるで』

竜華(と、怜!?)

枕神『がんばりや』スッ

竜華(あんがとな…うちがんばるわ!)

竜華「咲ちゃん、落ち着けそうなトコでお話でもしよ!サテンと公園、どっちがええかな?」

咲「えっと…それじゃお弁当持ってきてるので、公園で」

竜華「ホンマに!?やー、楽しみがどんどん増えてくなぁ!」

咲「そうですか?期待に応えられたらいいですけど」

竜華「ほないこ!あ、かたっぽ持つよ!」

咲「あっ、ありがとうございます。えへ、なんだかこうしてると姉妹みたいですね」

竜華「おー!なったるよお姉ちゃん!竜華お姉ちゃんって呼んでええで!」

咲「そーですか?ふふ、おねーちゃん♪」

竜華「お、おう」

竜華(勢いで言うてもーたけど、なんやこれ反則やろ…!お姉ちゃん隊のやつらの気持ち、今ならわかるわ……)

 公園

竜華「えっ、じゃあ咲ちゃんってホンモンのお姉ちゃんがいるん?」

咲「はい。『照』っていうんですけど」

竜華「え…宮永、照って…インハイチャンプやないの?」

咲「はい」

竜華「…そっか」

竜華(咲ちゃんの姉があの宮永照…こーゆーのを合縁奇縁っちゅーの?世間は狭いなぁ…)

竜華(…姉は姉、咲ちゃんは咲ちゃん、や。どんな因縁があろうとここで咲ちゃんを悲しませるんは女が廃るっちゅーもんや…せやろ清水谷竜華)

咲「…あの?」

竜華「ん?どないしたん?」ニコッ

咲「いえ…なんだか竜華さん、難しい顔をしてたので。あの、本当に大丈夫ですか?」

竜華「…あんたはホンマええコやな。せや、お姉ちゃんとは仲ええの?」

咲「え?あー…あはは…仲は良い、とは思いたいですけど…どうでしょうか?」

竜華「? それはどーゆー…」

咲「私、ちょっと前までお姉ちゃんとは喧嘩状態で…お姉ちゃんを怒らせちゃった私が悪いんですけど、今でも怒ってないか不安になる時がたまにあって」

咲「あ!でも、今はちゃんと仲直りしてるので!昔からお姉ちゃんのことは好きですし、今はお姉ちゃんも昔みたいにやさしく接してくれますよ」

竜華「…そーいやチャンピオン、インタビューで『妹はいない』って言うてたことあったな……」

竜華(怜だけに飽き足らずこんなええコを悲しませるなんて、どんだけなんや宮永照…)ギリッ



照「!?」ゾクッ

和「どーかしましたかお義姉さん?」

照「『義』はやめろ。…いや、なんか寒気が」

和「?」

竜華「なんやしめっぽい話題振ってもうたね!ゴメン!」

咲「いえ!今はそんなに気にしてませんから」

竜華「せや!お詫びになるかわからんけど、膝枕!」

咲「膝枕?」

竜華「うん!膝枕ソムリエをして『これぞまさしくひざまくら』と言わしめたうちの膝枕を咲ちゃんに味わわせたるよ!」

咲「あはは、なんなんですかそれ。んー、でもそこまで言うなら興味あるかも…」

竜華「今日は特別、咲ちゃん貸切やからね!さあさ、どーんときぃ!」

咲「そ、それじゃあ…おじゃましまーす」ぽふっ

咲「……っ」ゴクリ

咲(す…すごい…!このふともも…細すぎず太すぎず、適度な肉付きと程良い弾力が絶妙にマッチして…包み込むようなやさしさとあたたかさで満ち満ちている……!)

咲(それはそう――まるで、聖母の抱擁!!)

咲(私がまだ名も無き小さな一個の生命だった頃…原始の記憶に刻み込まれた久遠の残影…母なる優しさに掻き抱かれる温もり…遺伝子に確と記された誤魔化しのきかない、溢れて止まぬこの感情…ああ、これが……)


咲(これが……『ひざまくら』!!)



 ―――

枕神『あんたも辿り着いたか…真理に』

咲『うん』

枕神『適当なことを延々しゃべくり出した時はどないしよこいつ…っておもたけどな』

咲『えへっ』

枕神『なんや可愛さ余って可愛さ百倍みたいな仕種しよってからに…まーあれや。これであんたも膝枕に呪われし一族や。おめでとさん』

咲『の、呪われちゃったんだ……』

枕神『これからどんなツラいことがあっても…膝枕があんたを包んでくれるやろ』

咲『あなたは……?

枕神『うちか?うちは…ひとりの膝枕に魅せられた病弱なかわいこちゃんや』

咲『そう……』

枕神『…ツッコミがないとしまらんな』

枕神『まーええ。うちはもう帰るわ』

咲『どこに?』

枕神『そら決まっとるやろ……?』


枕神『――じぶんちのベッドの上や……』


 ―――

咲(――……なんだったんだろ、今の)

咲(ていうかなにあの人…いや、なにあの人……)

竜華(ふふふっ……咲ちゃんかいらしなー……)ナデナデ

咲(…なんでもいっか…りゅーかさんのひざまくらきもちー……)

竜華(……フツーお姉ちゃんは妹に膝枕するよな?…お姉ちゃん隊に入りたい言うたら浩子あたりはなんて言うやろか……)

 その後もまったり過ごした二人であった。
 なお、その夜お姉ちゃん隊駐在スレで一悶着あったのはまたべつの話。

 竜華編カン!


こうして(膝枕の)絆は紡がれてゆくのですね

竜華とモモ編パパッと書いたから物足りないかも
申し訳ない

 連休・最終日

咲(今日で最後か~。今までの人たちはみんないい人だったし、ちょっとドキドキするな~)

咲(この連休でいろんな人と知り合えたなぁ。ゲームのことも聞きたいけど、まずは衣ちゃんに感謝しなくちゃ)

咲(お弁当をだれかに食べてもらう楽しさ、うれしさも知れたし。今度和ちゃんや優希ちゃん、京ちゃんに食べてもらおっかな)

咲(今日の人はまだかな~)

モモ(――みたいなこと考えてるんすかね)

モモ(実はすぐ近くにいるんすけどね)

モモ(きっと咲ちゃんは今、どんな人がくるのか、いつくるのか、不安や期待その他いろんな気持ちでいっぱいなはず)

モモ(ちょっと意地悪みたいになっちゃうっすけど、まずはそれをすぐ近くで眺めて楽しむっす!)

モモ(この人混み、そして相手が私だと知らない以上、私のステルスを見破ることはオッパイさんにも全国クラスの魔物にだって出来やしないはずっす)

モモ(これぞパーフェクトプラン!)

モモ(さて、雑念が入ると甘くなるっすからね。集中して咲ちゃん観察に勤しむとするっす)

咲(んー…遅いなぁ。なにかトラブルでもあったのかなぁ)

咲(萩原さんに連絡…するのもなんだか申し訳ないし、待つしかないよね)

咲(立って待つのはしんどいなー…座っちゃお)

咲(まだかな~)ぷらぷら

モモ(足ぷらぷら画像ゲットっす!バスケットを胸に抱えて足ぷらぷらとか犯罪級っすよ!)

モモ(よーしよし、この調子でドンドンおたか…資料を撮ってくっす!)

モモ(…くしゃみの瞬間はさすがに静止画じゃムリっすね。動画も撮りたい…もう一人私がほしい)

モモ(どーにかして…くっ、無理したら落として音で気付かれるかも……)

モモ(二咲ちゃんを追うもの一咲ちゃんをも得ずっすか。上等っす!)

咲「……っ」ぶるっ

咲(うぅ~…おトイレにいきたくなってきちゃった…まだなのかな~……)

咲(おトイレいっても大丈夫かな?大丈夫だよね…?)

咲(……~~~、もうだめっ)スクッ

モモ(…な、なんすかあの表情……?)

モモ(恥じらい?我慢?なんだか頬に朱が差してえろえろっす!)ムラッ

モモ(あ、立った)

モモ(…ははぁ。となると…万が一に備えとくっすかね)

咲(おトイレ…おトイレ…)キョロキョロ

咲(うぅ~…ここどこ~?)

咲(おとなしく待ってればよかったよぉ……)ジワッ

咲(コンビニもない…貸してくれそうなお店もない…こ、このままじゃ……)

咲(うぅ~~~~~……あっ)グラッ

咲(転んじゃう……っ!)

 ぽよんっ

咲「あうっ」ヨロッ

咲「こ、転んでない……よかった」ホッ

咲(なんだろ今の…おもちみたいにやわらかかったけど)

モモ「どもっす」

咲「え…あ!えっと…鶴賀の…東横桃子さん!」

モモ「覚えててくれたんすね、うれしいっす。あ、私のことはモモでいいっすよ」

咲「はぁ…あの、どうしてこんなところに」

モモ「それは追々説明するっすけど、とりあえず足元には注意した方がいいっすよ?」

咲「あ…もしかしてさっきのって」

モモ「私の胸に飛び込んできた時はどうしたものかと思ったっす」

モモ(本当はこうなることを予期した上で待機してたんすけどね)

咲「あの、助かりました、ありがとうございます!あとぶつかっちゃってすみません…」

モモ「いやいやいいっすよ。ところでこれなんすけど」スッ

咲「あ…招待状…じゃあモモさんが?」

モモ「実はここで会ったのも偶然じゃないんすよね。待ち合わせ場所にいないから探したっすよ」

モモ(実は最初からすぐ近くにいたっすけど。咲ちゃんが待ち合わせ場所にいないのとちょっと探したのは事実っすからね)

咲「あぅ…本当にごめんなさい…」ショボーン

モモ「……」

モモ(あーーーーもうっ!かわいすぎるっす!いますぐお持ち帰りしてあんなことやそんなことして楽しみたいっす!!)

モモ「べつに気にしてないっすよ?こうして無事落ち合えたし、結果オーライっす」

咲「えっと、お詫びになるかわかりませんけど、なにかあったらなんでも言ってください!」

モモ(ん?今なんでもって言ったっすよね?)

モモ「それじゃお願いしたいことが…」ニコッ

咲「はいっ!がんばります!」

 例の公園

咲「あ、あの…これは…」

モモ「んー?なんすかー?」ぎゅっ

咲「は、恥ずかしい…んですけど……」

モモ「そりゃカップル座りっすからねー。あ~咲ちゃんあったかいっす~」

咲「カッ…!///」かぁ

モモ「あ、温度が上がったっす」

咲「言わなくてもいいですっ!」

モモ「ん~…咲ちゃんのにおい~」

咲「あっ…くすぐったいですよもう……」


??「ねーあれ宮永先輩じゃないかなー?」

??「こらマホ、見ちゃいけませんっ!」

モモ(加治木先輩にかわいがられて、咲ちゃんをかわいがって…そんな人生を送れたらもうこの世に未練はないっすね)

咲「あ、ちょっと!どこ触ってるんですかっ」ペシッ

モモ「あた。ちぇー、けちんぼっす」

咲「もうっ」

モモ「ふふー。怒ってる顔もかわいーっす」

咲「なんなんですか一体…」

咲(モモさんってこんな人だったかなぁ…)

 いちゃこらいちゃこら


??「…なんだかうらやましーです」

??「だから見ちゃだめだって!」

 モモ編カン!


ニヨニヨしたww

 咲ルーム

咲(……会社名『もんぷちソフト』…プロデューサー・シナリオ『門野ラム』…制作協力『須久竜』…スクリプト・プログラム・デバッグ他『萩原よしお』……)

咲(もんぷちソフトって一体?門野ラムって、須久竜って、萩原よしおってだれ?)

咲(手がかりはこのゲームと、衣ちゃんだけ……)

咲(このゲームは非売品みたいだし…でもそれじゃ衣ちゃんはどこでこれを……?)

咲(結局衣ちゃんにゲームについて訊ねる機会はないまま…このままじゃいつになることか……)

咲(それと、連休中に会った人たち…彼女たちの共通点は『麻雀』……でもそれだけじゃわからないよね……)

咲(咏さん、小鍛治さん、辻垣内さん、竜華さん、モモさん…みんながこのゲームをやってたかさえ定かじゃない)

咲(『咲-Saki-』――そもそもなんで私なのか?それにこのゲーム、なんかヘン…私自身はやってないからよくわかんないけど、『ともきーの部屋』というサイトにいた人たちはちょっと尋常じゃなかった……)

咲(これは……もう)





咲(謎のにおいがするよ!ぷんぷんとね!)

咲(和ちゃんやみんな、お姉ちゃんに相談してみようかな…でもあまり迷惑をかけたくないし)

咲「やっぱりここは…この名探偵咲ちゃんが謎を解き明かすしかないね!!」

咲父「ブハッ」

咲「!?!?!?」

咲父「クッ…ふはっ、咲お前…」ぷるぷる

咲「え、おとお父さん!?ちょ、え、待っていつからそこに!?」

咲父「いんや?今きたとこだぞ、『名探偵咲ちゃん』」

咲「ちょっ!?もーっ!///」

>>533
妹嬢ss書いたのが懐かしい
そして1乙、毎日最後まで読むのが勿体ないくて辛いわ

咲父「いや~、最近は家事も板についてきて、難しい本なんかも読むようになってきて大人になったなぁと思ってたが」

咲父「まだまだ子供みたいだな」

咲「ちょっと!」

咲父「にしても、小説の見すぎじゃないのか?名探偵って、プクク」

咲「もーっ!もーーーっ!」

咲父「あっ、風呂湧いたぞ、それ言いに来たんだった」

咲「はやく言ってよ!いってきますっ!」

咲父「おう。しっかり十数えるんだぞー」

咲「そこまで子供じゃないっ!」

咲父「まったく……」

咲「着替え忘れた!ちょっと、いつまで娘の部屋にいるの!」ペシペシ

咲父「悪い悪い…ちょ、痛いって!」

 某所

和「…咲さんは今頃お風呂でしょうか…それともご飯……」

照「ぼーっとしてないで手を動かして」

和「うぅ…つらい」

照「しかたないでしょ…ハギヨシさんが龍門渕の用件で抜けてるんだから」

和「ふぇぇ…咲さん汁飲みたい……」

照「なに言ってんだコイツ……」

和「だいたい私と咲さんの絡みがほぼ最初だけなんてそんなオカルトありえません……」

照「私なんて最近はほぼ絡んでないよ……」

和照「…つらい」

 カン!

終わったぞ!!!終わり!!!

咲ちゃんが真相に辿り着くのはまだまだ咲の話
ここまで長くなるとは思わなかったわ

とっても乙乙なんだよっ!
思わず声に出しちゃう咲ちゃんかわいい

>>553
実は妹嬢がネタの下敷きの一部であることは否めないのであるからして…また妹嬢のようなssが見たいのよー

一応ネタはなんぼか思い付いてるのでそれこねくりまわしていつか続編として投下できたらと思います
おまけまでお付き合いいただきありがとうございました
次回予告して依頼だしてきます

「今回はこれ和了ってもいいんだよね――天和です」
「咲が来るなア……においがする……」


「なにがカンや和カンさせーやこらぁぁぁあ!」
「あなたと?そんなオカルトありえません」
「そろそろ動いちゃいましょーか☆」


「姉と妹のふたつの道が!」「捻って交わる姉妹道!」
「昨日の敵で定めを砕く!」「未来の幸せこの手で掴む!」
「姉妹」「合体(願望)!」「お姉ちゃん隊!!」
「みんなは私をなんだと思っていやがるの…?」


次回、照「はい、咲ちゃんと麻雀を通して通じ合うハートフルADV『咲-Saki- ~嶺上妹花~』」は
宮永 ~雀聖と呼ばれた姉妹~
末孕 vs 孕村 vs 瑞孕
原点突破メガンダヴァン
の三本です。お楽しみに。

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