女「お邪魔しまーす」男「ここの所毎日着てるな」(41)

男「飽きないなー、お前」

女「なんか居心地良いんだよねー」

男「まあ、良いけどさ」

女「・・・それに、君がいるしね」

男「お、なんか言ったかー?」

女「別にー?」

タイトルから漢字を間違える俺は低学歴。

男「緑茶で良いかー?」

女「紅茶は無い?」

男「無いわそんなもん、アンチお洒落男子の一人暮らし舐めんなよ?」

女「じゃあ今度買ってくるよー」

男「それは悪いな、さすがに」

男「つーかティーカップも無いぞ、この部屋」

女「じゃあ今週末にでも買いに行くー」

男「俺も?」

女「うん」

男「あー・・・まぁ、大丈夫かな、バイトは」

女(よっしゃーっ!)

女「男の今日の予定はー?」

男「課題と読書、もしくはゲームとか」

女「いつも通りかー」

男「そっちは?」

女「ポケモンやるー」

男「種類は?」

女「あえてのリーフグリーンですねっ」

男「お、懐かしいな」

女「ちなみ今イワヤマトンネル攻略中」

男「なんだっけ、それ」

女「ほら、真っ暗な洞窟だよ」

男「あー、なんかあったねそんな所」

女「ズバットばっかり」

男「俺も久しぶりにやろうかな・・・」

男「・・・・・・」

女(あ、課題始めちゃったかな?)

女(すごいよね、頑張ってバイトして、とっても頑張って本書く仕事に就いて、大学にも行って・・・)

男「・・・・・・」

女(ホント、凄いなぁ・・・)

男「・・・あ、そういえば」

女「?」

男「醤油と砂糖、買わないとなー・・・」

女(時々、何を考えてるか分からないけど)

男「・・・・・・」

女(課題、頑張ってる)

女(んー、週末どこに引っ張って行こうかなぁ・・?)

男「・・・・・・」

女(男は街中に出たら、すぐキョロキョロ周りを見ながら立ち止まっちゃうし)

女(手、繋いで引っ張らないとダメだよね?)

男「んんーっ!」

女「おー、伸びるねぇ、終わった?」

男「うん」

男「そろそろ飯作らんと」

女「あ、訛った」

男「あ、・・・そろそろ飯つくらないと」

女「買い物行く?」

男「うん、醤油と砂糖と、後色々買う」

女「じゃあ、私も行くー」

~スーパーまでの道~
男「今日は何にしようかー・・・」

女「お好み焼きとかー」

男「昨日の夕飯と同じだからやだ」

男「とゆーか、今日は女も食べてくの?」

女「だめー?」

男「別に、良いけどさ」

女「・・・あ、そういえば」

男「何?」

女「お父さんがまた来いって」

男「うーん・・・」

女「?」

男「行ったら帰るタイミングが分からないんだよね、女の家」

女「どうして?」

男「おっちゃんが帰してくれないからさー」

女「あぁ、確かに」

女「男ってお父さんのお気に入りだもんね」

男「そうなの?」

女「そうだよ、『結婚するなら男にしろーっ!』っていつも言ってる」

男「お酒飲みながら?」

女「酒屋の店主なのに弱いからね、あの人」

男「ふーん」

女(ちょっと勇気出したんだけどなぁ・・・)

男「お気に入りねぇ・・・」

女「ん、ちょっとにやけてる?」

男「そりゃあ、女の子の家族に気に入ってもらえてさ」

男「嬉しくない童貞男子はいないさ」

女「・・・その女の子の前で童貞なんて言っちゃダメじゃないの?」

男「お前の前だったら良いじゃん、慣れてるでしょ?」

男「俺がこういう事言うのは」

女「まぁ、そうだけどさぁ」

男「言い換えれは、おま

ミスに定評のある俺。
寂しい独り言。



男「お気に入りねぇ・・・」

女「ん、ちょっとにやけてる?」

男「そりゃあ、女の子の家族に気に入ってもらえてさ」

男「嬉しくない童貞男子はいないさ」

女「・・・その女の子の前で童貞なんて言っちゃダメじゃないの?」

男「お前の前だったら良いじゃん、慣れてるでしょ?」

男「俺がこういう事言うのは」

女「まぁ、そうだけどさぁ」

男「言い換えれは、女子の中ではお前だけだよ」

男「ちょっとした下ネタが言えるのはって感じか?」

女「全く嬉しくない『お前だけ』ね、それ」

男「そっか、それはすまなかったな」

女「全然悪そうな顔してないじゃん」

男「・・・分かる?」

女「単純だもん、男は」

男「じゃあモテないんかな、俺は?」

女「なんで?」

男「ほらよく言うじゃん、ミステリアスな男がなんとやらって」

女「人によるでしょ、現に私はあまり好きじゃないし」

男「そっか」

女「・・・あ、鶏の唐揚げとかは?」

男「え、何が?」

女「夜ご飯のメニュー」

男「俺、冷凍しか作った事ないよ?」

女「じゃあ私が作ろうか?」

女「童貞男子憧れの女の子の手料理だよ、手料理」

男「・・・言ってるじゃん、女も」

女「男の前だけだよ、多分」

男「確かに、嬉しくないな」

女「でしょ?」

男「うん」

女「で、どうするの手料理は?」

男「・・・ゴチになります」

女「よろしい」

男「・・・・・・」

女「・・・・・・」

男「・・・話題が無いな」

女「否定はしないよ」

男「今、何時?」

女「イチゴ味」

男「何分?」

女「前方後円墳」

男「何秒?」

女「看病」

男「誰の看病?」

女「病気の女の子」

男「回復の見込みは?」

女「あと6日の命」

男「・・・・・・」

女「・・・・・・」

男「なんか、冬って悲しい展開のドラマが多い気がする」

女「気のせいじゃない?」

男「そっか」

女「・・・・・・」

男「・・・・・・」

女「・・・話題がないね」

男「否定はしない」

男「・・・・・・」

女「・・・・・・」

男「もうすぐ着きそうだな」

女「うん」

男「・・・考えてた」

女「何を?」

男「女の家に行くかどうか」

女「へー、で、どうするの?」

男「明日、お邪魔するよ」

女「そっか、じゃあ伝えておくね」

男「うん、頼んだ」

女「・・・鶏肉、安いかなぁ?

男「高かったら?」

女「男が奮発する」

男「結局は買うんかい」

女「だって今日、唐揚げでしょ?」

男「嫁入り前の娘の手料理バージョンのね」

女「娘って、男は私のお父さんかっ!?」

女「って言って欲しい訳?」

男「・・・わかりやすいボケで悪かったな」

女「許して欲しい?」

男「別に、そうでもない」

女「じゃあ一生怒っとくよ」

男「そうしといてくれ」

~スーパー到着~
男「お、今日は安いな、鶏肉」

女「広告の品、だってさ」

男「唐揚げは正解だったって訳か」

女「そうみたいだね」

女「じゃ、とりあえず鶏肉以外も見て行こうね?」

男「うん」

男「今日の内に買い溜めしておきたいから、荷物重くなるぞ?」

女「大丈夫、高校の時の握力が両腕合わせて40ジャストだったから」

男「・・・大丈夫なのか、それ?」

~買い物終了~
男「うあー、さすがに重なあ、コレ」

女「大丈夫?半分持とうか?」

男「台詞とは裏腹にかなり辛そうな顔してるぞ、お前」

女「え?」

男「え?・・じゃねーよ、お前こそ大丈夫なのか?」

女「握力40kgパワー舐めちゃあかんよぉ!?」

男「フラフラじゃねーかっ!?」

~男宅到着~
男「*ぁー、疲れたぁー・・」

女「あ、く・・りょ・・・く、40・・パワーぁ・・・」

男「お疲れ、女」

女「お、男ぉ・・ちょ、ちょっとだけ、休ませて、欲しいん・・だけど」

男「了解ー・・・」

男「・・・落ち着いた?」

女「うん、なんとか」

男「・・・あのさ、女」

女「ん?」

男「さっき、スーパー行く時さ」

女「?」

男「嫁入り前のーっ、とか言ったじゃん?」

女「あー、言ってたねぇ」

男「あれさ、俺の所だったら嬉しい?」

女「!?え、どゆこと?」

男「俺ん所に嫁入りできるなら嬉しいかって事」

女(え、何、コレ?)

女「えっと、えーっと・・・」

男「正直にどう思う?」

女「あ、あー・・・普通に、嬉しいかな?」

男「そっか」

女「う、うん」

男「そん時さ、俺色々考えてたって言ったじゃん?」

女「うん・・・」

男「実はさ、俺今本書く仕事をさ、一応してるじゃん?」

女「頑張ってるのは知ってるよ?」

男「それでさ、もしその俺が書いてる本が安定して売れるようになったらさ、」

女「・・・・・・」

男「お前と結婚したいんだよね」

女(・・・あれ、男は今なんて言った?)

男「でもさ、これだけ言うとなんか俺重い男みたいじゃん?」

男「だからさ、俺とまずさ、つきあって欲しいかなーって」

女「・・・・・・」

男「どーかなー・・・って女!?」

女「ふしゅー・・・」

男「ちょ、オーバーヒートしてる!?」

~10分後~
男「だ、大丈夫か、女?」

女「う、うん・・・大丈夫」

男「そ、そっか、良かった」

男「・・・・・・」

女「・・・・・・」

男、女(き、気まずいっ)

男、女「「あ、あのっ!」」

男「・・・・・・」

女(や、やっちまったー!)

男「・・・くっ」

女「?」

男「く、あははははははははっ!」

女「!?」

男「あー、ダメだ、堅苦しいのはダメだ俺っ!」

男「もう一度言うよ、女」

女「う、うん」

男「俺と付き合ってくれないかな?」

女「・・・・・・」

男「・・・って、ちょ、泣かれると俺、困るから!?」

女「だ、だってぇ・・・」

男「個人的にいつも通りな雰囲気で答えをーー」

女「そんなの、決まってるよっ!」

女「随分前向きから好きだったんだからっ!」

男「・・・へ?」

女「好きじゃなきゃ、毎日のようにここに来る訳ないでしょ!?」

男「あ、え、そうなの?」

女「男がここまで鈍いとは思わなかったけど、気付いてないかもだけどっ!」

女「毎日のように、少しづつ勇気を出して、アピールとかしてたのっ!」

男「えっ」

女「だから、だから一度しか言わないよっ?」

男「う、うん」

女「不束者ですが、よろしくお願いしまぁっす!」

男「・・・ははっ、任せろっ女ぁっ!」

~数分後~
女「・・・で、さ」

男「何?」

女「何か変わったかな、これ?」

男「唐揚げ美味いな、女」

女「ありがと・・じゃなくてさ、私達、さっきと何も変わってないよね、これ?」

男「唐揚げは一緒に作ったじゃんか」

女「ここで作る時はいつも一緒に作ってなかった?」

男「ほら、変わらない日常ってのも良いじゃないか」

女「・・・はぁ」

男「どうしたーーっ!?」

ちゅう。

女「これ位しても良いんじゃないかなって」

男「~っ!」

女「うわ、男、顔真っ赤だよ?」

男「初だし、いきなりだしそりゃびっくりするわっ」

女「あら可愛い」

男「・・・そーゆー女も顔は真っ赤だな」

女「女の行動力ってやつよ、これは」

男「ふぅん・・・あ、そういえば」

女「?」

男「初キスの味はレモン味って言うけど、なんか唐揚げの匂いしかしなかっあぐぁ!?」

女「やっぱり男は男ね、それ以上でもそれ以下でもないや」

男「・・・いてゃい・・」

女「・・・・・ま、そこを含めて大好きなんだけど」




終わり。

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