女「昼下がりのカフェで」(53)
女「......」トコトコ
女(少し歩き疲れたわ......何処かで休もう)
女(でもこの辺にいい所あったっけ?)
女(えーと、地図を出してカフェっと......んー残念......無いか)
女「仕方ない少し歩いて駅前のスタマまで行くか......ん?」
喫茶コーヒー館
am8:00~pm9:00
無線lan無料で使えます
女(外から見た感じじゃ電気ついてるように見えないな......)
女(地図にも載ってないし......やってるのかな?)
女「......それにしても小さいお店だな......まぁネット使えるみたいだし入ってみよう」
ギィィィ
バタン
女「あのーすいません......今やってます?」
シーン
女(返事がないし……やっぱりやっていないのかな?)
女(でも珈琲とかの匂いはかすかにするのよね)
女「あの~」
男「えっ!? なんでそうなるの!?」
女「わっ!」ビクッ
男「なんか声が聞こえたような……」ムクッ
男「あっ」
女「……」ドキドキ
男(誰だこの子……知り合いにはいないし……もしかして)
男「お客さんですか?」
女「は……はい……一応」
男「おーそうですかそうですか」
男「さぁお好きな席へどうぞ……窓側の席とかお勧めですよ」
女「あ……はい」
女(言われるがままに座ったけれど……なんだったんだあれは)
女(なかった事にされてる……)
男「いや~今日の初めてのお客さんですよ……ゆっくりしていってくださいね」
女「は……はぁ」
男「注文が決まったら教えてください」
女「……」コク
女(はぁもう入ってしまったからなんか頼んですぐに出よう……)
女(……)
女「暗っ!」
男「?」
女(さっきまで緊張しててよく見てなかったけど暗いなこの店内……)
女(カーテンも閉め切ってるし……bgmもなし……カフェとして駄目ね)
女(でもwifi使えるのはありがたいわ)
女(とりあえず注文見て決めてから……ブログに書き込もうっと……)
女「えーっとメニューは……あれ?ない」
女「あ……あの~」
男「何ですか?」
女「メ……メニューって」
男「すみません言ってませんでしたね
いつもなじみの客しか来ないもんでつい忘れちゃって……」
男「壁にかかっていますからその中からご注文を決めてください」
女「わかりました……」
紅茶 400円
当店自慢珈琲 400円
アイスティー 400円
アイスコーヒー 400円
各種ジュース(コーラ・オレンジ) 120円
女(……)
女(えっこれだけ?……なんか食べ物は……っていいかすぐに出るし)
女(それにしても怪しい雰囲気がプンプンするお店ね……なじみの客って
ちょっとやばい感じの人達じゃないかしら……)
女(はやく帰ろう……とりあえず珈琲にしとこう)
女「えっと……あの……珈琲を……」
男「はいわかりました!少しお待ちください」
男「フフフーン~♪」
女(ふぅ……えっとタイトルは「怪しい雰囲気漂う珈琲店」にして)カタカタ
女(「今日s町を散策していて休憩のために入った喫茶店は悪魔が通う場所……」っと)カタカタ
女(「皆も興味があったら是非行ってみて!」っとね……こんなもんか)カタカタ
女(後は珈琲を飲んで感想を書くだけだな……)
グツグツ
フワーッ
女(おー珈琲の香りがが店内を満たしてるね……店内の様式のせいで
悪魔が淹れてるんじゃないかと錯覚してしまいそうになるわ)
女(……結構時間かかるわね)
女(暇つぶしして待っておこう……)カタカタ
女(……)カタカタ
男「よしっ」
女(やっとできたか……)
男「お待たせしました」
カチャッ
女(……)
男「当店自慢珈琲と桃の屋の桃のショートケーキです」
女「あっ……あの」
男「どうしました?」
女「ケーキ……」
男「えっ?サービスですよサービス
今日の夕方に食べようと思って隣のケーキ屋で買ってたんですけど……」
男「せっかく来てくれたのでお出ししたんです……ここだけの話これかなりおいしいですよ」
女「はぁ……そうですか……ど……どうも」
女(まさかのサプライズ……)
女(せっかく出してもらったんだし有難くいただこう……)
女「い……いただきますっ」ボソッ
女(よしっまずはケーキを食べようかな……)
パクッ
女(んーおいしい♪口の中意いっぱいに甘味が広がる)
女(クリームも甘いんだけどしつこすぎず……さすが桃の屋ね……)
女(うんケーキは上々ね……あとは珈琲か)
女(私的に珈琲はそのまま飲んでもいいけど……やっぱりケーキとかと
一緒に食べるほうがいいと思うのよね)
女(正直飲むことはできるけど……苦くて飲めないときあるし……)
女(お菓子の引き立て役ぐらいにしか思えない……)
女(まぁそんなことだし口の中の甘さを珈琲で打ち消すとしますか)クイッ
女(……)
男「……」カチャカチャ
女「……!!」ガタッ
男「わっ!」ビクッ
女「……」
男「……どうしたんですか?
……いきなり椅子から立ち上がって…少し驚きましたよ」
女「すごく……おいしい……」
男「おっ」
女「珈琲とかあんまりよくわからないけど……すごくおいしい」
女「心の中から温まって優しい気持ちになる……そんな感じがする」
男「ふふふっ」
男「そんな風に言ってくれるとはありがたいね……
さらにモンブランをサービスするよ」
女「いえっ……あのっ……別にそんなつもりで言ったんじゃ」
男「いいのいいの
お世辞でもそんなこと言ってくれる人はなかなかいないからね」
女「いえ……そんな悪いです」
女(……)
女(結局いただくことになってしまった……)
女(それにしても本当においしい……)
男「ありがとうねこんなに喜んでもらえると……
こっちまでうれしくなるよ」
女「い……いえそんな……」
男「そういえば入ってきたときはごめんね
驚いたでしょ」
女「まぁ……少し……なっ……何をっしてたんですか?」
男「あぁ……えっとカウンターの下にイスを並べて
そこに寝ころんでゲームをしてたんだよ」
女(だからあんなふうに顔がひょこっと出てきたのか)
男「ここの常連さんから貸してもらってね
マスターは絶対これした方がいいよって言われて」
女「どんな……ゲームなんですか?」
男「うーん……言葉じゃ言いにくいけど
選択肢を選んでいって物語を進める小説みたいなゲームかな」
男「女の子が何人か出てきてその中から一人と付き合うっていうシステム」
男「……のはずなんだけど……なんでか絶対ゲームオーバーになるんだよ……」
女(ギャルゲーかな?)
女(それにしても……こんなおいしいお店なのになんでお客さんが少ないんだろう)
女(やっぱり店内の暗さのせい?それともメニューの少なさのせい?もったいない……)
男「おっもうそろそろかな」
女(……暗くて店内の様子がわかんないな……内装はどんな感じなんだろう……)
女(電気……電気っ)キョロキョロ
男「……」
女「あ……あの灯りをつけたいんですけど……」
ギィィィ
バタン
女「わっ!?」
???「……」
明日の夜
また書き始めます
女(誰か来たの? 暗くてよく見えない)
???「マスターまた電気消してるのか」
???「えーっとここじゃったか? よし点けるからな」
カチッ
女(うわっ……眩しい)
女(いきなり明るくなったから視界がぼやけてるよ)
???「マスター誰じゃいこの娘さんは?」
男「あれ? 今日は来る予定でしたっけ?」
???「あぁ用事が片付いたもんでここに寄ったんじゃ」
男「ああそういうことでしたか」
女(……おじいさん?)
老人「ところでこの娘さんは?」
男「お客さんですよ、今日初めて来店されたんです」
老人「おおそうかそうか、うむ可愛い娘さんじゃ」
女(えと挨拶挨拶っと)
女「ど……どうも……あのっ……女というものです」
老人「わしは老人じゃ、以後お見知りおきを」
女(ほっ)
男「今日の用事というと……結局どうだったんです」
老人「はははっ、おかげさまでうまくいったよ」
男「日時が決まったら教えてくださいね」
老人「わかっとるわかっとる……いつものを頼むな」
男「はいわかりました……少しお待ちを」
女(……)
女(意外と……)
女(意外とここの店主若いんだ……たぶん20代だよね)
女(さっきまで暗くて顔がよくわからなかったから、てっきりあごひげたくわえた
恰幅のいいおじさんとばかり思ってた……)
男「ん?」
女「わっ!」
女(目が合っちゃった……)
男「あっそうか、自己紹介がまだだったか」
男「はじめましてここのお店のオーナーの男です」
女「あっ……は……はじめまして」
女「あのっ……ちょっと聞きたいことが……」
男「ん?」
女「なぜ……暗く……し、してたんですか?」
男「あーそれか」
老人「ここのマスターは変わっていてな、暗いところが好きなんだと」
男「うんうん」
老人「それで常連が来る以外の時間帯は真っ暗で、
各テーブルに少しの明かりを置くだけにしてるそうな」
男「そう、その通り」
女(夜行性の動物なのかな)
男「暗いところに少しの明かりがあるとなんか落ち着くんだよね」
老人「目悪くするからつけた方がいいぞ」
男「はいはいわかってます」
男「いつもなら誰も来ない時間帯だから君が来たときはびっくりしたよ」
男「はい珈琲です」
老人「おおありがとうな」
男「しかも君みたいな若くてきれいな子だしなおさら驚いたよ」
女(えーとなんて返そうかな……こういう時は)
女(……暗くてよくわからなかったんですけど営業中って書いてあったんで入ってみると驚きました)
女(こんなおいしいコーヒーが飲めるなんてすごい穴場だと思います)
女(ネットのマップには書いてなったんで私が付け加えときますね)
女(……よしっ! こんなもんでいいかな)
男「それにしても彼遅いな」
老人「何だあいつも今日来るのか?」
男「はいさっきの時間帯に来る予定だったんですが」
女「あ……あの……暗くて」
ギィィィ
バタン
男学生「ちわーっす! やってますか~?」
男「おお噂をすれば」
女(話をさえぎられた……ってかまた誰か来た)
男学生「あれヨーダさんも来てたんすか?」
老人「誰がフォース使いじゃ……ちっとは年上を敬わんか」
男学生「しーませーんっと」
男「ははは、いつもと変わらないね」
男「あっ、女さんこの子が男学生君
うちの常連の一人だよ」
女(男学生君か)
男学生「マスターいつものお願いします……って誰ですかこの子?」
男「さっき珈琲を飲みに来てくれたお客さんだよ」
女(挨拶しなきゃ)
女「あっ……えっと女です……ども」
男学生「……」
老人「ん? どうしたんじゃ?」
男学生「いえ……なんでもないですよ老人さん」
男学生「はじめまして、僕は県立深夜vip高校の三年の男学生というものです」
女(わわっ!! 丁寧なあいさつだ……深夜vip高校……私の隣の学校か)
女「えっとはじめまして……vip高校三年です」
男「あれ女さん、まだ高校生だったんですか?」
男「この時間帯に私服だから大学生かと思ってましたよ」
女「あーっ……えと……それはあの……今日体調があまり」
男学生「vip高校三年……女さんか」
男「そうですか……まぁ今日はこれだけしか人来ないからいくらでもゆっくりしていってくださいね」
女「……」コク
老人「はぁうまいのぅ……おおっ冴えてきた」
老人「マスター、ちょっと裏の倉庫借りていいか?」
男「はいもちろんいいですよ」
学生「……」
男「学生君? どうしたの?」
学生「えっ!? いやなんでもないです」
男「そう……あっ勧められたゲーム結局駄目だったよ」
学生「えっマジっすか……あれバットエンドになる方が難しいんすけど」
学生「さすがっすねマスター」
男「コツを教えてよ」
学生「あーはいはい……まずこういう場合……」
女(bgmもなく静かった店内が賑わってる……少ないけど個性的な人たちで
この珈琲飲まなかったらこの空間に入れなかっただろうな)
女(なんか来たときは少し怖かったけれど今はとってもいい気分だ)
女「昼下がりのやすらかなひととき……凍りつく闇夜から一杯の珈琲で暖かい空間に連れ出される」ボソッ
女(ふふっ、なんてちょっとキザかな)
学生「あっ」
女(あ、そうだ書き直ししなきゃ)カタカタ
女「……」カタカタカタ
学生「……」
男「おおっ少しだけ笑った」
学生「えっ!?」
学生「もしかしてマスターも見ました?」
男「うん、笑うところでしょ?」
学生「はい……いいっすよね」
女「……」カタカタ
男「彼女の事好きなの?」
学生「えっ!? いきなり何言うんすか!! まぁその……」
男「あれ? 前自分で言ってなかった……『愛莉一筋他キャラはダメっす』って」
学生「あっ、あ~ゲームの話すね!! はいはいそんなこと言った気もするし言ってないような……」
男「なんか焦ってるね」
学生「それよりマスター進歩したじゃないっすか……ツンデレキャラをデレさせるなんて」
男「うーんツンデレは難しいね、どこでどうすればいいかが全く分からないよ」
学生「大丈夫っすマスター……この俺がコーチしてるんすからすぐになれますよ」
男「こういう事に関しては頼もしいな」
男「あっそうだ、二人とも珈琲のおかわりはどうします?」
女「……」
女「あっ……それじゃあ」
学生「俺ももらうっす」
男「はいはい少々お待ちを」
今日はここまでで終わります
即興なのでいつ書けるかわかりませんが
火曜日あたりまでには次を書こうと思います
学生「……」
女「……」カタカタ
男「ふーんふん」
グツグツ
学生「あの、女さん」
女(えーと……ここはこうして)カタカタ
学生「あの……」
老人「学生!! ちょっとこーい!!」
女「わっ」ビクッ
男「あっ」
学生「はぁ」
老人「聞こえてないのか? おーい、ちょっと手伝ってくれ!」
男「学生君、呼ばれてますよ?」
学生「……行かなきゃダメっすかね」
男「あとでいろいろ言われるかもしれないね」
学生「……はぁ仕方ないか……わかりましたマスター」
女(何の話だろう?)
学生「あの女さん?」
女「はっ、はい」
学生「少し時間かかるかもしれないですけど、待っててもらえませんか?」
女「えっ? あっ、はい……わかりました」
学生「ありがとう……よしっじゃ行くか」
学生「今行きますから! 待っててください」
男「あっ珈琲どうする?」
学生「後でまたお願いします……それじゃ」
女(一体なんだったんだろう……)
男「じゃあこの珈琲は僕がもらおうかな」
男「あっ女さん?」
女「は、はい」
男「さっきから気になってたんですけど、ノートパソコンで何をカタカタしてるんですか?」
男「論文作成とかですか? あっでも高校生でしたね」
女「……えーと」
女(私食べ歩きとかお店を見て回るのが好きで、回ったところをブログで書いているんです)
女(それで今日も町を散策したので、朝回ったところの文を考えていたところなんです)
女(これでいいか)
女「えと……私ブログをやってて……食べ歩きの文を考えてて」
男「あっあのブログですか? 今日やったことなどをインターネット上に公開する日記のような」
女「はいっ……そうです」
男「へーっ、すごいなぁ……そんな難しそうなことをやっているなんて」
女「い、いえ……そんなことはないです」
男「いやすごいですよ、僕は文章作ったりするのは苦手で」
女(あっそうだちょうどいいし……)
女「……ちょっとこれ見てもらっても……い、いいですか?」
男「パソコンの画面ですか? いいですよ」
女「あのっ……いくつか聞きたいことを……並べてみたんで」
男「おっ僕のお店への質問ですね……えーと何々」
・お客さんはどれくらい来るのか
・メニューが少ないように感じるのですが
・内装などへのこだわりは?
・おすすめなど
etc
女「……あ、厚かましいかもしれないんですけど……よかったらお聞きしてもい、いいですか?」
男「もちろんいいですよ、聞かれても減るものじゃないですしね」
女「あっ……」
女「ありがとうございます」
男「それじゃ最初の質問から」
男「お客さんは今日来ている人たちを含めて常連さんが13人くらいです」
男「新しく来てくれる人はほとんどと言っていいほどいませんね」
女「なるほど……」
男「たぶん通りかかった人の中で入ろうとした人たちもいるんだろうと思うけれど
中が暗くてやってないと思い、入るのもやめた人も多いと思いますね」
女(私もやってるのか心配だったからな……)
男「こんな感じでいいですか?」
女「は、はい大丈夫です つづけてください」
男「まあ来る人が少ないと思われるかもしれないけれど、みんな個性が強い人で
楽しいんですよ……ふふっ、それだけでお店をしている価値がありますね」
女「ふむふむ……」
男「お客さんの話はこれくらいでいいですか?」
女「はっはい……ありがとうございます」
男「えーっと、それじゃあ次はメニューですね」
男「メニューはやっぱりお客さんが少なくて注文が限られてるので、必然的に少なくなったってところですね」
女「少なくなった……ということは……えと、前はもっと種類があったということですか?」
男「そういうことになりますね、昔はもっとメニューが多くて……お客さんの数も多かったんですよ」
女「……ふむ」
男「3年前にここをオープンした時はお客さんも結構多くて、若いカップルからお年寄りまで
さまざまな人がここにくつろぎに来てました」
男「今の感じも好きだけど、思い出したらがやがやしたああいう感じも楽しくて好きでしたね……」
男「あ、話が少し脱線しましたね」
男「再開発で駅が新しくなり、それに伴って駅前がガラッと変わったのを覚えてますか?」
女「あっ……覚えてます」
男「2年前に駅前にお洒落なチェーン店のスタマのようなカフェや安いレストランなどが参入し
ここら辺のお客さんは安くおしゃれということで、チェーン店の珈琲店の方にごっそり取られました」
女「あっそうか、なるほど……」
男「それでここに残ったのは一部のお客さんで、少なくなったのでメニューが減っていったという訳なんです」
女「ありがとうございます……そんなことが」
男「チェーン店のブランド力はすごいですからね、みんなが行きたくなるのもわかりますよ」
男「お店をたたもうかともその時期に考えたのですが……皆がたたまないでくれと
励ましてくれて」
男「まぁ儲からなくてもお客さんと楽しく談笑できればいいかなと思いまして、続けてるんですよ」
女「……」
男「まあ新しいメニュー作るのが好きだったので残念……って」
男「あれっ……どうしたんです? あっ、すみません湿っぽい話にしてしまったので、それで」
女「いやっ……あの」
頭が痛いので
今日はここまでにしときます
続きは明日書きます
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