*コロシアイ何それ世界線
*朝日奈さんマジヒロイン
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のーんびり投下
苗木「入学してから一年経った、春先の事……ボクはクラスメイトの朝日奈さんから一つのお願いをされた」
苗木「お願いの内容は――『恋人のフリをしてほしい』」
苗木「最初は何言ってるんだろうと思ったけど、どうやら自分が女の子らしく無いことを気にしていたらしい……」
苗木「朝日奈さんの力になれればと思って、ボクは喜んで引き受けた」
苗木「それから、すったもんだあって……結局上手くはいかなかったんだけど」
苗木「最後に、ボクは彼女にこう言ったんだ」
『無理して女らしくならない方がいい――朝日奈さんは朝日奈さんらしい方が魅力的だよ』
苗木「って。そしたら……」
朝日奈「あ!苗木~~!」
苗木「あ、おはよう。朝日奈さん」
朝日奈「おっはよー♪」
きゅっ
朝日奈「えっへへ」
苗木「…………」
苗木「本物の恋人同士になりました」
朝日奈「?」
苗木「なんでもないよ」なでなで
朝日奈「うわっ///」
朝日奈「苗木に頭撫でてもらうの好きだなー……///」
苗木「こんなので良かったら、幾らでもやってあげるよ」
朝日奈「やった!」
苗木(可愛い)
朝日奈「あ、そろそろ皆来ちゃうから……」
苗木「そうだね」ぱっ
朝日奈「ごめんね、苗木…」しょぼーん
苗木「気にしないでよ。また後で、ね」
朝日奈「うん!」
苗木「実はボク達が付き合っていることは、クラスの皆には秘密にしてる」
苗木「『まだ皆に話すのは恥ずかしい』……顔を真っ赤にしてそう言われたら、しょうがないよね」
苗木「ただ、大神さんだけは知ってる」
苗木「朝日奈さんが親友の大神さんには報告したいと言ったから」
苗木「あの時の緊張は今も忘れられない……」
大神『朝日奈の事、宜しく頼んだぞ苗木』
苗木「……怖かったな本当に……」
苗木「両親への挨拶ってこんな感じなのかな。はは……」
苗木「ともあれ、ボクと朝日奈さんは――」
朝日奈「!」
朝日奈「♪」おててふりふり
苗木「はは」ふりふり
苗木「今日も元気に、カップルライフを楽しんでる」
◎葵ちゃんは朝から元気
教室
朝日奈「それでね、さくらちゃんが持ってたちくわで自転車を真っ二つにしちゃったんだよ!」
苗木「そうなんだ、やっぱり大神さんはすごいね」
朝日奈「うん!明日もまた一緒に行こうって約束してるから、もしかしたら……」
がららっ
石丸「おはよう!」
苗木「あ、おはよう石丸クン」
朝日奈「おっはー♪」
石丸「珍しいな、二人ともこんな早くに登校するなんて」
朝日奈「!た、たまたま早く起きちゃったから……ね、苗木!」
苗木「そうだよ」
石丸「それは良いぞ!早起きは三文の得と言って――」くどくど
朝日奈「あ、あはは……」
苗木(まぁ、『二人きりの時間が欲しいから早起きの待ち合わせした』なんて)
苗木(言えないしね)
石丸「であるから、心身共に健康的な毎日を送るためには……」くどくどくどくど
朝日奈「わ、分かった!もう分かったから!」
朝日奈「はぁ……」
苗木「お疲れさま」
朝日奈「うん……石丸って一回話し出すと止まらないからさ」
苗木「嬉しかったんじゃないかな。こんな早くに来る人いないし」
朝日奈「でもなぁ……」
苗木「?」
朝日奈「せっかく二人きりだったのに、残念」しゅん
苗木「あー…それは、ほら。また明日でも」
朝日奈「明日は朝練だもん」
苗木「そっか……じゃあ、朝練付き合うよ」
朝日奈「え、ホント!?」
苗木「うん。それなら一緒に――」
朝日奈「やったぁ!」だきっ
苗木「うわっ!?」
苗木「ちょっと朝日奈さん!」
朝日奈「えへへ、なに?」
苗木「いや、『なに?』じゃなくて!石丸クンに見られたら……」
朝日奈「石丸なら、どっか行っちゃってていないよ?」
苗木「え?」
し~ん
苗木「ホントだ、いない……」
朝日奈「だから大丈夫だよっ」だきっ
朝日奈「あともうちょっとだけ……ね?」
苗木(可愛い)
廊下
大神「……ふむ」
大神「今日も二人の仲は良好、と……」めもめも
石丸「おはよう大神君!」
大神「!」ビクッ
大神「……あぁ、石丸か」
石丸「こんな所でどうしたんだ?教室には入らないのか?」
大神「いや……」
石丸「?」
石丸「もしかして中で何か……」
大神「!!」
大神「待て石丸」
石丸「なんだ?」
大神「そう言えば、今日は大和田が早朝からバイクで走りに行くと言っていたが……」
石丸「なんだって!?」
石丸「朝から走りに……まさか授業をサボタージュする気じゃ……」
大神「恐らくな」
石丸「それはダメだ!兄弟を止めに行かないと!」
石丸「兄弟ーーー!!」
すたすたすた
大神「……ふぅ」
大神「…………」ちらっ
朝日奈「明日が楽しみだなー、苗木と一緒に泳げるなんて!」
苗木「え?いやあれは泳ぐって意味じゃな……」
朝日奈「~~♪」ぎゅっ
苗木「……ま、いいか」
大神「…………」
大神「ふっ」
◎葵ちゃんは勉強が不得意
教室・授業中
仁「それじゃあ、次の問題をきょ……霧切さん」
霧切「また私?いい加減にして。しばくわよ」
仁「……な、なら十神君……」
舞園「十神君はジェノさんに追いかけられて何処かに行っちゃいました」
仁「……江ノ島さん……」
戦刃「じ、盾子ちゃん!当てられてるよ……」ゆさゆさ
江ノ島「Zzz……」
仁「…………」
仁「もう良いや、はは……この問題の答えは――」
苗木「…………」
苗木(相変わらずまともに授業にならないな、このクラス……)
苗木(皆マイペースだから……)
朝日奈「………」φ(..)
苗木(……朝日奈さんは真面目だな)
苗木(いや、普通に授業受けてるだけなんだけどね)
朝日奈「!」
朝日奈「(……なえぎー♪)」ふりふり
苗木(あ、こっちに気がついた)
苗木「………」ふりふり
朝日奈「(なえぎー)」
苗木「(どうしたの?)」
朝日奈「(なんでもなーい)」
苗木「(あ、そうなんだ)」
朝日奈「(呼んでみただけ……なんて///)」
苗木「(………///)」
大神「……ふっ」にっこり
山田「っ!?」ビクッ
仁「では次の問題を……朝日奈さん」
朝日奈「ひゃいっ!」
苗木(あ。当たった)
仁「良かった……じゃあ、答えてくれるかい?」
朝日奈「は、はい……えぇっと……」あたふた
苗木(焦ってる…悪いことしちゃったなぁ)
苗木「………」
朝日奈「あの……その……」あたふた
朝日奈「うぅ……」しゅん
苗木(うん。焦ってる朝日奈さんも可愛いからいっか)
大神「……うむ」にやり
山田「っっ!?」ビクビクッ
朝日奈「う~ん……」
苗木(大分悩んでる……答えが解らないみたいだ)
朝日奈「えと……」
朝日奈「答え…は……」ちらっ
苗木(!)
苗木(今こっちを見たような…)
朝日奈「う……」ちらっ
苗木(あ、やっぱり見てる)
苗木(……うん。これは「助けて」ってことだろうなきっと)
仁「どうしたんだい、朝日奈さん?」
朝日奈「あ、その……」
苗木「(朝日奈さん!)」
朝日奈「!」
苗木「(その問題の答えは2だよ)」
朝日奈「………」こくり
仁「あの……朝日奈さん……?」
朝日奈「はい!答えは2です!」
仁「うぇっ!?あ……せ、正解です」
朝日奈「よっしゃ!」
苗木「ふぅ……」
朝日奈「(なえぎー!)」
苗木「ん?」
朝日奈「(ありがとー!)」
苗木「………」
苗木「(どういたしまして)」
大神(うむ、よくやったぞ苗木)にやり
山田「もうヤダ怖い」
◎葵ちゃんは寂しがりや
放課後
朝日奈「~~♪」
苗木「随分嬉しそうだね」
朝日奈「だって、授業も終わってやっと好きなだけ泳げるんだよ?嬉しいに決まってるじゃん!」にこにこ
苗木「と言うことは、このままプールに直行するの?」
朝日奈「うん、水着もちゃんと持ってきてるから。ほらっ」
苗木「さすが、準備が良いね」
朝日奈「へへーん♪」
苗木「じゃあ、今日はこれでお別れだね」
朝日奈「え?あ……うん」
苗木「また明日、教室で」
朝日奈「………」
苗木「また早い時間に……あ、そうか朝練が」
朝日奈「……ね、ねぇ苗木?」
苗木「ん?」
朝日奈「その……」
朝日奈「今夜、苗木の部屋に行っても…良い?」
苗木「ボクの部屋に?」
苗木「い、良いけど……どうしたの急に」
朝日奈「そ、それは……」
ぎゅっ
苗木「!」
朝日奈「今日は、あんまり一緒にいられなかったから」
朝日奈「だからこれでお別れはちょっと寂しいかなって……///」
苗木「………」
朝日奈「二人っきりになれる時間全然無かったし///」
朝日奈「も、もちろん明日もまた会えるから、苗木が嫌ならっ……」
ぎゅっ
朝日奈「!」
苗木「嫌じゃないよ、朝日奈さん」にっこり
朝日奈「あ……//」
苗木「彼女に『部屋に行きたい』って言われて、嫌な訳ないよ」
苗木「ボクも、もっと一緒にいたいと思ってたから」にっこり
朝日奈「やった!」だきっ
苗木「うわっ」
朝日奈「ありがと……大好きっ///」
苗木「ボクもだよ」
大神「ふむ」
大神(朝日奈が嬉しそうで何よりだ)
大神(しかし……夜に苗木の部屋で二人きりか……)
大神「………」
大神「……ぬぅ///」
◎葵ちゃんは甘えん坊
苗木の部屋
苗木「………」
苗木(朝日奈さん、今夜部屋に来るって言ってたけど……)
苗木「何時に来るのか聞いてなかったな……」
苗木「……とりあえず、少し掃除しておこう」
コンコン
苗木「!」
苗木(あれもう来た?おかしいな、この時間はまだ部活が――)
ガチャッ
苗木「は、はい。どちらs」
葉隠「よーっす、苗木っち!」
バタンッ
苗木「よし。掃除に取りかかろう」
<ちょっ、何で無視するんだべ!?おーい!!
苗木「………」
<俺の話を聞いてくれぇぇえ!!
苗木「……はぁ」
ガチャッ
苗木「……なに?占いならお断りします」
葉隠「いやいや違ぇって。暇だから遊ぼうぜってお誘いだべ」
苗木「あ、そうだったんだ。てっきりまた占いにかこつけてお金をせびりに来たのかと思ったよ」
葉隠「はっはは、俺がそんな金に執着する奴に見えるのか?」
苗木「うん。って言うか金の亡者だよね」
葉隠「………」
苗木(遊びにか……久しぶりに行くのも良いかな)
苗木(葉隠クンも珍しく占いナシって言って……)
朝日奈『部屋に行っても…良い?』
苗木「………」
苗木「……ごめん。誘ってくれたのに悪いけど、今日はこの後ちょっと予定があるんだ」
葉隠「あり?」
苗木「だから遊びには行けない、ごめんね」
葉隠「いやいや、気にすることねぇべ。また何かあったら誘いに来るから」
苗木「ありがとう」
葉隠「おう、じゃあな」
苗木「また明日」
葉隠「………」
苗木「………」
葉隠「………」
苗木「………」
苗木「……なに?」
葉隠「いや、1つ聞きたいことがあるんだべ」
苗木「聞きたいこと?」
葉隠「あぁ。この後用事が有るって言ってたけども……」
苗木「?」
葉隠「その用事って………『これ』か?」にやっ
苗木「ぶっ!」
苗木「そ、それは違うよ!!」
葉隠「ははははは!冗談だべ冗談!じゃあな」
バタンッ
<げらげらげらげらげらげら
苗木「は、葉隠っ……まったく……」
苗木「………」
苗木(ビックリした…まさか朝日奈さんのことがバレたんじゃないかと……)ダラダラ
苗木(冗談だって言ってたから、大丈夫だよなきっと)
苗木「……バレたら絶対強請られそうだな……絶対に隠し通さないと」
コンコン!
苗木「!」ビクッ
苗木「また誰か来た……」
苗木(!……もしかして、また葉隠クンがからかいに来たんじゃ……)
苗木(………)
苗木(アイツならやりかねない……)
苗木(さっき来てから全然時間経ってないし…)
苗木「………」
コンコン!
苗木「………」
ガチャッ
苗木「……誰ですか?占いならお断りだって言った――」
朝日奈「ふぇ?」
苗木「なっ!?」
苗木「あ、朝日奈さん!?」
朝日奈「や、やっほー…//」
苗木「どうして……まだ部活が終わる時間じゃないのに」
朝日奈「実は、今日設備の点検だった忘れててさ……プール立ち入り禁止だった」てへっ
苗木「あー……」
苗木(そう言えば、先生がそんなこと言ってたっけ)
朝日奈「だから、まだ早いけど来ちゃったんだ…ごめんね?」
苗木「謝らなくて良いよ。いらっしゃい」
朝日奈「うんっ、お邪魔しまーす!」
バタンッ
葉隠「………」
葉隠「今のって、苗木っちと朝日奈っちだよな……」
葉隠「おぉ!?俺ってばすげぇ所目撃しちまったべ!!」
葉隠「これは皆に報告s」
??「ふんッ!!」ずがっ
葉隠「ぐほっ!?」
葉隠「な、なにが……ぐふっ」バタリ
大神「……ふぅ」
苗木の部屋
朝日奈「わぁ♪」
苗木「もうちょっと来るの遅いかと思って、何も準備してなかったんだけど…」
朝日奈「なえぎのへや……///」ぽやー
苗木「……朝日奈さん?」
朝日奈「は!う、ううん気にしないで!」
苗木「そう?」
朝日奈「別に何も無くても」
ぎゅっ
朝日奈「苗木と一緒にいられたら、それで良いかなって。へへ///」
苗木(可愛い)
苗木「ボクも、朝日奈さんが傍にいてくれるだけで幸せかな」なでなで
朝日奈「私も幸せだよ!///」
苗木「はは」
苗木「何か飲み物用意してくるから、適当に座って待ってて」
朝日奈「はーい」
朝日奈「………」
朝日奈「………///」
朝日奈(そ、そーいえば……男子の部屋に入るの初めて……)
朝日奈(うぅ……き、緊張する////)
朝日奈「……」キョロキョロ
朝日奈(適当にって……どこに座れば良いのかな?)
朝日奈(やっぱり床に……それとも)
朝日奈(……ベッドに?///)
朝日奈(うわーわー!!////)
朝日奈(何考えてるんだ私ってば!!いきなりそんな!そんな!////)
朝日奈「………//」
朝日奈(……でも、良いよね?私は苗木の…か、彼女なんだし//)
朝日奈「………」
朝日奈「えいっ」
ぽすんっ
朝日奈「~~~っ!!///」ジタバタ
朝日奈(きゃーっ!な、苗木のベッドだー!!///)ジタバタ
朝日奈「……なえぎのにおいがする…////」ぽやー
苗木「しまった……ジュースとかの買い置きも無くなってたの忘れてた……」
苗木「ギリギリ一本あって助かったけど……」
〈ヤ○ルト〉
苗木(山田くんにもらったヤク○トしか無いとは)
苗木「まぁ、賞味期限は切れてないから大丈夫……だと信じよう。うん」
山田「はっくしょい!!」
不二咲「うわっ……大丈夫?風邪?」
山田「そ、そんなはずは……はっくしょい!!」
不二咲「やっぱり風邪じゃない?」さすりさすり
山田(うひょー!!ちーたんの背中サスサスいただきましたー)ぶー!
不二咲「は、鼻血!?山田くーん!!」
苗木「お待たせ朝日奈さん。ごめんヤクルト○しかな……」
朝日奈「うきゃー!///」ジタバタ
苗木「………」
朝日奈「すぅ~…はぁ~…なえぎぃ////」
苗木「………」
苗木(朝日奈さんがベッドの上で枕に顔を押し当ててジタバタしている……)
苗木(ど、どうする?女の子を部屋に呼んだことなんか無いから、対処法が分からない!)
朝日奈「ふぅ………あ」
苗木「あ」
苗木(目が合った)
朝日奈「あ……あ……」
苗木「その……の、飲み物持ってきたよ……?」
朝日奈「あぅ………」うるっ
苗木(!)
朝日奈「うわーん!ごめんなさいぃ!!」
苗木「お、落ち着いて!?」
数分後
朝日奈「うぅ……////」ぎゅっ
苗木「よしよし」なでなで
苗木(朝日奈さん、落ち着いたみたいだ)
苗木(それにしてもびっくりしたなぁ……)
朝日奈『うきゃー!!///』ジタバタ
苗木(……まぁ、可愛かったから良いけど)
朝日奈「恥ずかしい所見られちゃった……」ぎゅっ
苗木「はは」
廊下
大神「ふむ……」
葉隠「」チーン
大神「……どうしたものか」
大神(咄嗟に裏拳を叩き込んでしまったが……)
大神「ぬぅ……」
葉隠「」チーン
大神「………」
大神「……安らかに眠れ、葉隠よ」すっ
葉隠「」チーン
苗木の部屋
苗木「もう大丈夫そうだね」
朝日奈「う、うん……ごめん、さっきは思わず取り乱しちゃって」
苗木「慌ててる朝日奈さんも可愛かったよ」
朝日奈「もう!そんなこと言われたら恥ずかしいよー……嬉しいけど///」
苗木(so cute)
苗木「さて、何かやりたいことある?」
朝日奈「やりたいこと?」
苗木「そう」
朝日奈「えっと……有るよ、やりたいこと」
苗木「何?」
朝日奈「……言っても笑わない?」
苗木「う、うん。笑わないよ」
苗木(一体どんなすごい事を言うつもりなんだろう……)
朝日奈「あのね……」
苗木「………」どきどき
朝日奈「苗木と……ね、寝たいです!///」
苗木「あぁ、なんだボクと寝……」
苗木「………」
朝日奈「っ……////」
苗木「………」
苗木「……え?」
苗木「ご、ごめん……もう一回言ってくれる……?」
苗木(聞き間違いだよね……)
苗木(「一緒に寝たい」だなんてそんな……)
朝日奈「だ、だからその……///」
苗木「………」
朝日奈「……な、苗木と一緒に寝たいです!///」
苗木(聞き間違いじゃなかった……)
朝日奈「~~っ////」モジモジ
苗木(モジモジしてる朝日奈も良いなぁ)
苗木(……って言ってる場合じゃない!)
苗木「ち、ちょっと朝日奈さん!それ本気で言ってる……?」
朝日奈「ほ、本気だよ!本当にしたいの!」
苗木「し、したいって……」
朝日奈「……苗木は私となんかじゃ、嫌……?」ウルッ
苗木「そう言うわけでは……」
苗木「ただ、まだボクらには早すぎないかなと思ってさ」
苗木「お互い健全なお付き合いというか……だからまだ…」
朝日奈「……そっか。そうだよね」
苗木「そうだよ!まだ付き合い始めてそんなに経ってないし…」
朝日奈「私みたいな、魅力ないのが相手じゃ…嫌だよね、そうだよね……」ずずーん
苗木「え」
苗木「朝日奈さん…?」
朝日奈「ごめんね、わがまま言っちゃって……はは……ぐすっ」
苗木「!?」
苗木(泣いてる!?)
朝日奈「でも、昔から憧れだったんだ……もし、将来彼氏が出来たら…って」
朝日奈「だから苗木と……うぅ……」グスッ
苗木「あ、いや……」
苗木(うわどうしよう!?本格的に泣き出しちゃったよ!)
苗木「な、泣かないで朝日奈さん」なでなで
朝日奈「ふぐっ……ぐすっ」
苗木(…………)
苗木(……でも意外だなぁ、朝日奈さんがそんなこと考えてたなんて……)
苗木(どっちかと言えば、そういう話は苦手だと思ってた)
苗木「………」
苗木(……泣き出しちゃうなんて、それほど本気でボクと……)
苗木(朝日奈さんがそこまで想ってくれてるのに、ボクは……)
苗木「………」
苗木(……うん)
苗木(ぼ、ボクも覚悟を決めなきゃ)
苗木「……ねぇ、朝日奈さん」
朝日奈「ぐすっ……なに?」
苗木「そ、その……しようか」
朝日奈「……なにを?」
苗木「何って……さっき朝日奈さんがしたいって言ったこと」
朝日奈「!……い、いいよ無理しなくても……」
苗木「無理なんかしてないよ」
朝日奈「でも私となんか…」
苗木「『なんか』じゃない!」
朝日奈「!」
苗木「ボクは、朝日奈さんのことが好きだ」
苗木「一緒にいて、色んなキミの姿を見て……そのどれもが魅力的で」
苗木「正直、初めはボクみたいな何の取り柄もない奴が付き合って良いのかな?釣り合わないんじゃないかな……なんて思ってたよ」
朝日奈「!そ、そんなっ」
苗木「でもね」
朝日奈「っ……」
苗木「いくらそう思っても、諦められなかったよ」
苗木「だって……好きだったから。朝日奈さんを本気で好きになってたから」
朝日奈「な、なえぎぃ……///」ウルッ
苗木「だからさ…朝日奈さんが自分のことをそんな風に言っているのは、嫌だな」
朝日奈「うん……うんっ///」だきっ
朝日奈「ごめんなさい……私もね、苗木のこと大好き///」
苗木「そっか、嬉しいな」なでなで
朝日奈「えへへっ♪」
朝日奈「あ……でも。苗木も変なこと言ったよ?」
苗木「え?」
苗木(しまった……思わずベラベラ喋っちゃったけど、何か気を損ねるようなこと……)タラッ
朝日奈「自分には、何の取り柄もないってとこ!」
朝日奈「そんなことないもん!苗木は優しくって頼りになるし、いつも私のこと大切にしてくれて、助けてくれるじゃん」ぎゅっ
苗木(なっ……)
朝日奈「それにね、何より一番すごいのは……」
苗木「………」
朝日奈「私を、こんなにメロメロにしちゃうとこ!////」
朝日奈「この世界中で苗木だけのすっごい力だよ……なーんて////」
苗木「!」
苗木(ボクのことを……そんな風に)
朝日奈「な、苗木?」
苗木「……朝日奈さん」ぎゅっ
朝日奈「はわっ!////」
苗木「ありがとう……好きだ」
朝日奈「あ、あぅ……へへ/////」
苗木(朝日奈さんマジ天使)
苗木部屋前・廊下
盗聴中
大神「………////」
大神「なんと……////」
大神(葉隠を埋葬している間に、随分と仲が進展したようだ……)
大神(それにしても……)
苗木『朝日奈さんを、本気で好きになっていたから』
朝日奈『世界中で苗木だけの、すごい力だよ!』
大神(ふむ……)
大神(もし、ケンイチロウが……)
ケンイチロウ『世界で一番愛しているぞ!さくら!』どんっ
大神「………」
大神「……ぬぅ////」ぽしゅー
朝日奈「……な、なえぎ?///」
苗木「ん?」
朝日奈「そ、その……ね?そろそろ……///」
苗木「あ……うん」
苗木(これはお誘い、だよなぁ……)
苗木(……うん、ボクも男だ。やるときはやるんだ!)
苗木「朝日奈さん」ぎゅっ
朝日奈「はひっ……///」
苗木「取りあえず……ベ、ベッドに行く?」
朝日奈「い、行く…行きます!///」
苗木「じゃあ……行こうか」
ぽすん
苗木(さぁ、ここまで来たけど……)
朝日奈「うぅ……///」
苗木(何からどうしていけば良いのか分からない)
苗木「あー……そうだ」
苗木(確かこういう時は)
苗木「シャワーとか浴びた方が良いのかな」
朝日奈「え?シャワー?」
苗木「う、うん」
朝日奈「…なんで?」
苗木「あれ?」
苗木(あれ、おかしいな……こういう時って、始めにお風呂に入ったりシャワー浴びたりって……)
朝日奈「あ……私もしかして今汗くさい!?」
苗木「え?」
朝日奈「やだっ、今日は体育も無かったし大丈夫だと思ってた……ご、ごめんっ」
苗木「な、何言ってるの朝日奈さん」
朝日奈「うぇ?だ、だって苗木が急にシャワー浴びる?とか言うから……」
朝日奈「わ、私のにおいとか気になったのかなって……」しゅん
苗木「………」
苗木(なんてこった…女性にシャワーを勧めるのはアウトだったのか……)
苗木(またやらかしてしまった……)
朝日奈「っ、こ、こんな不潔な彼女なんて嫌だよね…」うるっ
朝日奈「お、お風呂入ってくるっ……」ばっ
苗木「待って!」がしっ
ぎゅっ
朝日奈「あふっ」
苗木「待って、朝日奈さん」
朝日奈「な、なえぎぃ……って、こんなに近づいたらっ!」
苗木「違うんだ!」
朝日奈「っ!」
苗木「ボクの話聞いて?」
朝日奈「……うん」
苗木「ボクはね、そういうつもりで言ったんじゃないんだよ」なでなで
朝日奈「あ……////」
苗木「ただ勧めただけで……朝日奈さんのにおいが気になったとか、そんなことは無いから」
朝日奈「うぅ……ホント?」
苗木「ホントだよ」
朝日奈「よ、良かったぁ…」へなぁ
朝日奈「苗木に嫌われちゃうかもって怖かったー…」ぎゅっ
苗木「はは、大丈夫だよ。朝日奈さんとってもいい匂いがするし」スンスン
朝日奈「んやっ……そんなは、恥ずかしいよ…///」
苗木「ボクは好きだな」
朝日奈「……私も、苗木の匂い好き」
朝日奈「心がぽわぼわして温かくなる匂い…えへ////」スンスン
苗木(可愛い)
朝日奈「えへへ……なーえぎ♪」すりすり
苗木「………」なでなで
苗木(成り行きでシャワーがなくなった今、あとは行動を起こすのみ……)
苗木(ど、どうしよう……メチャクチャ緊張してきた…っ!)
朝日奈「あ……苗木の心臓の音速くなった…」
苗木「う、うん。朝日奈さんが可愛いからだよ」なでり
朝日奈「っ!……そっか、えへへへ////」
苗木「………」
朝日奈「ねぇ、苗木?」
苗木「ん?」
朝日奈「だいすき///」ぽやん
苗木「」ぷちん
苗木「朝日奈さんっ!」がばっ
朝日奈「え?きゃっ……」
ぼふっ
苗木「………」ぎゅっ
朝日奈「な、なえぎ……?」
苗木「………」なでなで
朝日奈「か、顔が近いよ……?///」
苗木「………」
苗木(つい朝日奈さんをベッドの上に抱き倒してしまった……)
苗木(……ここまで来たら、もう……っ!)
朝日奈「……えへへ、夢叶っちゃった……////」
苗木「え?」
苗木(夢って…?)
苗木「どういう意味?」
朝日奈「え、えっとね……」
朝日奈「……こうやって、なえぎに抱きしめてもらいながら寝るの////」
苗木「………」
苗木「ね、寝る…んだよね」
朝日奈「うん。ただ一緒にゴロゴロするの良いかなーって」
苗木「………」
朝日奈「なえぎ?」
苗木「そういうことか……」
朝日奈「??」
苗木(朝日奈さんが言ってたのは、こういう事だったのか……)
苗木(あ、危ない……もう少しで大きな過ちを……)
朝日奈「…なえぎぃ」
苗木「あ……ごめん、何でもないよ」なでなで
朝日奈「そう?……なんか溜め息ついたから……」
苗木「深呼吸しただけだよ。『朝日奈さんは本当に可愛いなぁ』ってね」
朝日奈「……そっか////」
苗木(はぁ…落ち着いて考えれば分かるじゃないか)
苗木(あの朝日奈さんが、そんな事をお願いしてくるわけないって)はぁ…
朝日奈「ね、ねぇ……もう一個さ、お願いしても良い?」
苗木「良いよ、何かな?」
朝日奈「………////」
苗木「?」
苗木(赤くなってモジモジしてる……)
苗木(ま、まさかっ!今度こそ!?)ザワッ
朝日奈「……う、腕まくらして欲しいです!////」
苗木「………」
朝日奈「……ダメ?」うるっ
苗木「……ははっ、ボクの細い腕なんかで良いなら喜んで」
朝日奈「なえぎのだから良いのっ!///」すりすり
苗木(可愛いなぁ)
苗木部屋前・廊下
大神「………」
大神(一旦はどうなることかと思ったが……流石だ苗木よ)
大神(朝日奈も幸福者だな)
大神「………」
大神(腕まくらか……)
ケンイチロウ『おいで、さくら』
大神「………」
大神「……ぬぅ////」
桑田「大神、何してんだ?」
大神「!?」ビクッ
大神「く、桑田……いや、何も。何もしていない」
大神「け、決して盗み聞きなど……」
桑田「あぁ?まぁ、別に良いけどよ」
大神「うむ……」ホッ
桑田「そういや、葉隠の奴知らね?」
大神「!?」ビクビクッ
大神「………」
大神「……何故だ?」
桑田「適当に遊びに行くかって話してたら、他の奴も誘おうぜつって出てったんだよ」
桑田「したら、そのまま帰って来ねぇでやんの」
大神「………」
桑田「ったく、あのアホドレッド何処行きやがった……」
大神「…そう言えば、先程向こうで見かけたが」
桑田「マジか!」
大神「う、うむ。今何処にいるかは分からぬが…」
桑田「サンキュー。じゃ、ちょっと探してくるわ。じゃあな」
大神「あぁ」
大神「………」
大神(なんとか……誤魔化せたか)
大神(葉隠よ、すまぬ)ゴーン
大神「………」こそこそ
<えへへ、な~えぎっ///
<なに?
<呼んでみただけだよ~♪
<…可愛いなぁ、もう
<えへへへ…///
大神「………」
大神「……ふっ」にっこり
◎葵ちゃんは嫉妬深い
昼休み・教室
苗木「やっと昼休みだ」
苗木(今日は昼ごはんどうしようかな)
苗木「まぁ、いつも通り適当に購買で……」
舞園「苗木くん!」
苗木「はい?」
苗木「舞園さん?」
舞園「さやか、で良いですよ?」
苗木「いや、それは……」
苗木(彼女の朝比奈さんでさえ、まだ名前で呼べてないのに……)
舞園「ね?もっと気軽に名前で呼んでください!」
苗木「って言われてもなぁ……」
朝日奈「………」じー
苗木(舞園さんには悪いけど、ここは誤魔化しておこう)
苗木「な、名前の事はまた今度で……それより!」
苗木「何かボクに用が有ったんじゃない?」
舞園「あ、そうでした!」
苗木(ほっ)
舞園「お昼ごはん、一緒に食べましょう!」
苗木「え……お昼ごはん?」
舞園「はい!」
朝日奈「………」じー
苗木(どうしよう……ボクもこれから食べようって所だったから、丁度良いお誘いだけど……)
舞園「?」
苗木(彼女がいるしなぁ……)
舞園「苗木君?」
苗木(他の女の子と食事って言うのは……)
舞園「もしもーし」ぶんぶん
苗木「……え?あ、ごめん」
舞園「いえいえ。で、どうですか?一緒にお昼ごはん♪」
苗木「あー…そのお誘いだけど…」
舞園「……ダメ、ですか?」
苗木「うん……」
苗木(やっぱり良くないよなぁ、舞園さんには悪いけど……)
舞園「残念です…」ショボン
苗木「うっ……」
苗木(すごい落ち込んでる……心が痛い)
舞園「どーしても、ダメですか?」うるうる
苗木「ううっ……」
舞園「今日は苗木君と一緒に食べようと思って、お弁当作って来たんですけど……」
苗木「え」
苗木(わざわざお弁当作って来てくれたんだ)
舞園「でも、ワガママ言ったら苗木君も迷惑ですよね……」ショボン
苗木「………」
舞園「ごめんなさい。また今度…」
苗木「舞園さん」
舞園「…はい」
苗木「食べようか。一緒に」
舞園「え?」
朝日奈「!」ガタッ
舞園「良いんですか?」
苗木「うん」
苗木(忙しいのにわざわざお弁当作ってくれたのに、無下にするのは良くないよね)
苗木(それに、女の子と二人きりと言っても…舞園さんはクラスメイトだし、一緒に食べるくらい大丈夫だろう、きっと)
舞園「やった!」だきっ
苗木「うわっ!ま、舞園さん!?」
舞園「さぁ、そうと決まれば膳は急げです!早速行きましょう♪」
苗木「いや、それ善違い……おっと!?」
朝日奈「………」じー
朝日奈「………」
朝日奈「……うぅ」ぐすっ
午後授業・教室
苗木「……ふぅ」
苗木(ちょっと食べすぎちゃったな…眠い…)
苗木(まさかあんなに沢山作ってくるとは……)
じー……
苗木「ん?」くるっ
苗木(今、誰かに見られてた様な……)
大和田「…ん?どうかしたのか」
苗木「ううん、何でもないよ」
苗木(……気のせいだったのかな)
じーー……
苗木「っ」ばっ
朝日奈「………」ぷいっ
苗木「……あ」
苗木「………」じー……
朝日奈「………」ふいっ
苗木「………」じー……
朝日奈「………」ちらっ
朝日奈「……っ///」ぶんっ
苗木「………」
苗木(うん。犯人は朝日奈さんだな)
苗木(なんだろう……何か言いたいことでも有るんだろうか)
仁「じゃあ次の問題を、苗木君」
苗木「!は、はい!」
苗木(……先生の話全然聞いてなかった)
苗木(わ、分からない……)
霧切「……苗木君」こそっ
苗木「霧切さん…?」
霧切「答えは3番よ」こそこそ
苗木「!」
仁「苗木君?」
苗木「は、はい……3番、です」
仁「うん、その通りだね。では次の問題を――」
苗木「ありがとう、霧切さん。助かったよ」ニコッ
霧切「べ、別に礼を言われるほどのことじゃ……///」
じー……
苗木「!」ばっ
朝日奈「……ふんっ」ぷいっ
苗木「えー……」
朝日奈「………」じー……
朝日奈「………」
朝日奈「なえぎのバカ……」しゅん…
大神「……うむ」
大神(これは……)
放課後・教室
苗木「今日の授業終わり、と」
苗木「……さて」
苗木(取り敢えずは、朝日奈さんと話を…)
苗木「ねぇ、朝日奈さん」
朝日奈「っ!?」ビクッ
朝日奈「わ、私部活に行かなきゃだから!」だだだだだっ
苗木「ちょっと!?」
苗木「………」ぽつーん
苗木(え……これもしかして……)
苗木「朝日奈さん、すごい怒ってる…?」
苗木(な、何で…?)
苗木(まさか知らない内に、傷付けるような事……)
ヴーヴー
苗木「あ…メールだ」ポチッ
――――――――
From:朝日奈葵
Sub:
――――――――
なえぎのバカ
浮気者!(>_<)
――――――――
苗木「な………」
苗木「浮気者って……」
苗木(ボクが一体何したって言うんだ)
苗木「しょうがないや、少し時間を置いて謝りに行こう」
苗木「ドーナツとか持ってった方が良いだろうか」ぶつぶつ
大神「苗木よ」ぬん
苗木「!?」
大神「!?」
苗木「あ、大神さんか。どうしたの」
大神「う、うむ。朝日奈の事で少し話が…」
苗木「え、もしかして何か知ってるの?」
大神「ぬ?」
苗木「朝日奈さんが怒ってる理由!」
大神「うむ、知っている。話と言うのはその事だ」
苗木「教えて!今すぐ!」がしっ
大神「わ、分かった。落ち着け苗木よ」
大神「実は――」
夜・学生寮廊下
こそこそ
朝日奈「………」キョロキョロ
朝日奈「うん、誰もいないよね」
朝日奈(さっき苗木からきたメール…)
―――――――――――
From:苗木誠
Sub:
―――――――――――
会って話がしたいです。
―――――――――――
朝日奈「話、か」
朝日奈「………」
朝日奈「………」ぐすん
朝日奈(どうしよう……どうしようどうしよう!?)
朝日奈(話って、多分放課後のことだよね?)
朝日奈(あの時は、つい勢いであんなメール送っちゃったけど)
朝日奈(いきなりすぎたよね?怒らせちゃったかも……)
朝日奈(はぁ……)
舞園『苗木君♪』きゃるん
朝日奈「」ピシッ
朝日奈(……苗木、あんなにデレデレして……)
朝日奈(私…彼女なのにな……)
朝日奈「………」むすっ
朝日奈「ふんっ」
ずんずん
………
大神「………」ひょこっ
大神(まだ怒りは冷めていないか……)
大神(健闘を祈るぞ、苗木)
苗木部屋
コンコンッ
苗木「…来た」
苗木「はーい」
ガチャ
朝日奈「………」
苗木「…いらっしゃい。ごめんね、こんな時間に呼び出す事になっちゃって」
朝日奈「………」ふるふる
苗木「………」
バタン
大神(どうやら、無事部屋に着いたようだな)
大神(……中の様子が知りたいが、流石にそれは…)
大神「………」
大神「………」
大神「ふんぬっ!!」かっ
苗木部屋
朝日奈「………」むすっ
苗木「何か飲み物いる?」
朝日奈「…いらない」
苗木「そっか」
朝日奈「………」
苗木「………」
苗木(気まずいなぁ)
朝日奈(ふん、だ)
苗木「あのー…朝日奈さん?」
朝日奈「…なに?」
苗木「話、しても良いかな?」
朝日奈「っ……」ぴくっ
苗木「?」
朝日奈「…い、いいよ」
苗木「ありがとう」
朝日奈「………」
朝日奈(話ってなんだろ?)
朝日奈(…聞くの怖い)
苗木「まぁ話と言っても、そんなに大した事じゃないんだけど」
朝日奈「………」
苗木「ごめん!朝日奈さん!」ばっ
朝日奈「え?」
苗木「本当にごめん」
朝日奈「ど、どうしたの急に」
苗木「…キミのこと、怒らせちゃったから」
朝日奈「ふぇ?」
朝日奈(うそ…お昼の時気づいてたのかな…)
朝日奈(だとしたら私すっごい恥ずかしい…///)
朝日奈「気付いてたの…?」
苗木「うん…昼休みの、舞園さんの事だよね?」
朝日奈「!」
朝日奈(わ…///)
苗木(…良かった。当たってた)
苗木(さすが大神さんだ)
――――――――――――
大神『朝日奈が怒っているのはな』
苗木『うん』
大神『嫉妬しているからだ』
苗木『嫉妬……あ』
大神『思い当たる節があるだろう』
苗木『舞園さん…でしょ?』
大神『うむ。後、霧切もだ』
苗木『え、霧切さんも?何で?』
大神『それは、苗木が朝日奈に直接聞くと良い』
苗木『…そうだね。そうするよ』
大神『なるべく早く話した方が良い』
苗木『うん、メールしてみる。ありがとう大神さん!』
大神『あぁ』
――――――――――――
苗木(大神さんマジ聖母)
朝日奈「……」
苗木「昼休み、舞園さんと二人でご飯食べたこと」
苗木「朝日奈さんと付き合ってるのに、良くなかったよね」
朝日奈「なえぎ……」
苗木「だから謝りたかったんだ。ごめん」
朝日奈「………」
苗木「………」
苗木(反応がない……やっぱり相当怒って…)
朝日奈「…名前」
苗木「え」
苗木「な、なまえ?」
苗木(どういう意味だろう)
朝日奈「苗木……舞園ちゃんのこと名前で呼ぶって……」
苗木「!」
朝日奈「なんだか仲良さそうにしてたしさ……」
苗木(そうか、あのやり取りも聞いてたんだ……)
苗木(それで朝日奈さん『浮気者!』って)
朝日奈「そりゃーさ?付き合ってること秘密にしてって言ったのは私の方だけど」
朝日奈「だからって、あんな風に他の子と仲良くしてるの見るのは……やだよ」うるっ
苗木「!」
苗木(朝日奈さん…泣いてる?)
苗木(…何やってるんだボクは。大事な彼女を泣かして)
大神『朝日奈のこと、頼んだぞ』
苗木「………」
朝日奈「確かに私は、舞園ちゃんみたいに可愛くないし…」
苗木「……葵」
朝日奈「身長だって……って、え?」
朝日奈「い、今、私のこと名前で…?」
苗木「葵」
苗木「好きだ」
ぎゅっ
朝日奈「ふぁああ!?////」
朝日奈(な、何これ?)
朝日奈(…何これなにこれナニコレーー!?///)
朝日奈(な、なえぎが!なえぎがわ、わわわわたしのこと……////)
苗木「…葵?」
朝日奈「ひ、ひゃいっ////」
苗木「どう、かな」
朝日奈「ど、どうって……?」
苗木「思い切って朝日奈さんのことで名前呼んでみたんだけど…」
朝日奈「は、はぅ……うん///」
苗木「…ねぇ、葵?」
朝日奈「う、うん…///」
苗木「ボクが名前で呼ぶ女の子は、葵だけだよ」
苗木「ボクが好きな葵、1人だけ」
朝日奈「……///」
苗木「さすがに皆がいる場所じゃ呼べないけど……こうやって二人の時は、さ」
朝日奈「…うん///」
朝日奈「…えへへ///」すりすり
苗木(うーん……だいぶ機嫌は直った…かな?)
苗木(前から、その内呼びたいとは思ってたけど)
苗木(いざ言ってみると……恥ずかしいなこれは)
朝日奈「なえぎが私のこと、あおいって……へへへ///」てれてれ
苗木「………」なでなで
苗木(可愛いから、万事OKだな)
朝日奈「……ねぇねぇ」くいっ
苗木「ん?」
朝日奈「………////」もじもじ
苗木「………」
苗木(何だろう?……モジモジしてる葵も可愛いな)
ぎゅっ
苗木(!)
朝日奈「ま…ま、まま……///」
苗木(ママ?)
朝日奈「……まこと?///」
苗木「っ!?」ずきゅーん
朝日奈(っきゃーー!!!)
朝日奈(呼んじゃった呼んじゃった呼んじゃった!!)
朝日奈(苗木のこと、『まこと』って……っ///)
朝日奈(うわーん!すっごいドキドキするよー……///)
朝日奈「………」チラッ
苗木「………」ぼーん
朝日奈「……まこと?」
苗木「…あぁぁもう!!」
だきっ
朝日奈「ふぁ!?///」
苗木「葵は本当に可愛いなぁ!!」ぎゅー
朝日奈「え、えぇぇ?////」
苗木「もう大好きだよ葵!」なでなでなでなで
朝日奈「ふわぁ…///」
朝日奈(し、幸せ……///)
苗木(ヤバイ。葵が可愛い過ぎて地球がヤバイ)
苗木(こんなに素敵な女の子が彼女だなんて…ボクは幸せ者だなぁ)
学生寮・廊下
<葵は本当に可愛いなぁ!!
<ふぁ!?
大神「……ふっ」
大神(どうなるかと思っていたが、案ずる事は無かったようだ)
大神(安心した)ほっ
『葵は可愛いなぁ!』
大神「………」
大神(名前か……)
大神(我もケンイチロウに……///)
ケンイチロウ『さくら!』
大神「………」
大神(我は元から名前で呼ばれていた…///)あぼーん
苗木部屋
朝日奈「まことー///」ぎゅー
苗木「はいはい」なでなで
朝日奈「ふふ……まーこーとっ!」
苗木「どうしたの葵?」
朝日奈「えへへ…呼んでみただけー!////」
苗木(なんだこの可愛らしさで満ち溢れた生き物)
苗木「…じゃあボクも。あおいー」
朝日奈「はーい……へへ////」
苗木(かわいい)
朝日奈「まことー?」
苗木「んー?」
朝日奈「…浮気しちゃ嫌だからね」
苗木「するわけないよ」
朝日奈「絶対?」
苗木「絶対」
朝日奈「私よりずーっと可愛い女の子に誘われちゃっても?」
苗木「葵より可愛い子なんていないよ」
朝日奈「えぇ!?……そ、そんなこと…」
苗木「ある。葵は宇宙一可愛い」
朝日奈「大げさすぎ!もう……えへへ///」
苗木「だから大丈夫。ボクには葵だけだよ」
朝日奈「…うん♪///」
朝日奈「私も、まことだけの私だからね///」
苗木「かわいい」
廊下
大神「………」
大神「……ぬぅ///」
朝日奈「~♪」すりすり
苗木「………」なでなで
苗木(うん。機嫌も完全に直ったみたいだ)
苗木(…いや待って。そう言えば大神さんが…)
大神『あと霧切もだ』
苗木(って……霧切さん?)
苗木(おかしいな。今日は特に何かした覚えは……)
エロいのが良いのかな?
みんなエロ好きね
ちょっとだけエロぼのしますか
朝日奈「~♪」すりすり
苗木「…葵?」
朝日奈「なに?」
苗木「あー……今日の事だけど」
朝日奈「?」
苗木「その……」
苗木(あれ?これどうやって聞けば良いんだろう?)
苗木(『霧切さんにも嫉妬したの?』なんて訊いたら、何様だよって感じだし……)
苗木(どうする)
朝日奈「どしたの?」
苗木「えっと……」
苗木(どうする……考えろ考えろ考えろ…)
苗木(!)ぴこーん
苗木「葵!」
朝日奈「は、はい!」
苗木「聞きたいことが有るんだ」
朝日奈「聞きたいこと?」
苗木「うん」
苗木「今日、舞園さんの件で葵に嫌な思いさせちゃったよね」
苗木「もうそんな事が無いように気を付けたいから……」
苗木「他にも、何か嫌だと思ったのが有ったら教えてほしいんだ」
朝日奈「他に……」
苗木「うん」ぎゅっ
朝日奈「はぅ……////」
苗木(ふぅ……これは、中々良い質問だったんじゃないかな?)
苗木(これなら自然な流れで、霧切さんの事も切り出してくれるかもしれない)
朝日奈「うぅん……」
苗木「どんなに小さい事でも良いんだ」
朝日奈「……じゃあ、一個だけ」
苗木「うん、何かな」
朝日奈「えっとね」
朝日奈「私以外の女の子といちゃいちゃするの……いや」
苗木(……お?)
苗木「い、いちゃいちゃ?……ボクが?」
朝日奈「………」こくり
苗木「葵以外の子と?」
朝日奈「………」こくり
苗木「………」
苗木(なん…だと…?)
苗木「な、なんかの間違いじゃない?」
苗木「ボクはそんな事……」
朝日奈「し、してるよっ」
朝日奈「舞園さんだけじゃなくて、霧切さんとか戦刃さんとか……」
朝日奈「……さくらちゃん、とか」
苗木「!?」
廊下
大神「!?」
苗木(ボクが大神さんと!?そんなバカな!?)
大神(何を言っている朝日奈!わ、わわ我にはケンイチロウが……っ!////)
朝日奈「……確かに、まことはかっこいいし優しいしさ。好きになっちゃうの分かるけど」
朝日奈「でもまことの彼女は私だもん。一番好きなのは私だもん」ぐすん
苗木「葵……」
大神「………」
苗木(……そうか。葵はそんな風に感じて……)
苗木(……もう霧切さんの件とかどうでも良いや)
苗木「……話してくれてありがとう葵」
朝日奈「ぐすっ………」こくり
苗木「これからもっと気を付けるよ」ぎゅっ
朝日奈「ほんと?」
苗木「本当だよ。当たり前じゃないか」
苗木「だってボクは葵の彼氏だからね」にっこり
朝日奈「……///」ぎゅっ
朝日奈「……好き」
苗木「ボクも好きだよ」
朝日奈「もう他の人といちゃいちゃしちゃダメ……約束して?」
苗木「約束するよ」
朝日奈「…うん。じゃ、今回は許してあげる///」
朝日奈「…えへへ////」
苗木(かわいい)
苗木(あ……でも一つ誤解を解いておかないと)
朝日奈「まーこーと……////」でれでれ
苗木「ねぇ葵、さっき『さくらちゃんも』って言ってたけどさ」
朝日奈「ふぇ?」
苗木「大神さんには、葵との事で相談にのって貰ってただけだよ」
苗木「ほら、二人すっごく仲が良いじゃないか。葵の事もよく知ってると思って」
朝日奈「………」
苗木「…信じられない?」
朝日奈「…ううん、信じるよ」
朝日奈「だって、二人は私の大好きな親友と大好きな彼氏だから!////」
苗木「おっふ」
廊下
大神「朝日奈……」じーん
大神(我は幸福者だ)
大神(素晴らしい友を持って……)じーん
朝日奈「でもでも、他の子は違うでしょ…?」じとー
苗木「うっ……うん」
苗木(とは言っても、舞園さん以外全然心当たり無いんだけど)
朝日奈「むぅ」だきっ
苗木「おっと」
朝日奈「えいっ///」むにんっ
苗木「!!??」
苗木「あ、ああああ葵!?」
苗木(葵がボクの腕を掴んで自分の胸に……///)
朝日奈「うぅ……は、恥ずかしい……////」
苗木「ちょ、ちょっと葵!なんでこんな…」ぐっ
朝日奈「ぁんっ!///」びくん
苗木「ご、ごめん!///」
苗木(なんでだ!?なんで急にこんなことに!?)
苗木(そもそも、あの朝日奈がこんな大胆な……)
苗木(……柔らかい……)
苗木(……って違うだろ!何考えてるんだボクは!?)
朝日奈「…ま、まこと?///」
苗木「はい!」びくっ
朝日奈「そ、その……どう?///」
苗木「どう、って……?」
朝日奈「だから……」
朝日奈「さ、触った感想」
朝日奈「……わ、私のむ、胸に////」
苗木「」
朝日奈「まこと?」
苗木「……あ、うん」
苗木(胸を触った感想を言えだって?)
苗木(そんなのとてもじゃないけど…)
朝日奈「……」ぐすっ
苗木「さ、最高だよ!」
苗木「初めての感触だけど、その、すごく温かくて…それで……」
苗木「…とにかく、良かった。です」
朝日奈「………」
朝日奈「そ、そっか……///」
苗木(葵が泣きそうになったから思わず言ってしまった……)
苗木(相変わらず、葵の涙に弱いんだよなぁボクは)
苗木(……とにかく、理由を訊かないと)
苗木「でも葵、なんで急にこんなことしたの?」
朝日奈「えぅ……いや、だった?」
苗木「嫌な訳ないじゃないか。自分の彼女のおっ…胸を触るのが嫌な男なんていないよ」
苗木「そうじゃなくて、理由が知りたいんだ」
朝日奈「理由…」
朝日奈「り、理由は…えっと…」
朝日奈「……私が勝てそうな所、だから」
苗木「は?勝てそうな所?」
苗木(どういう意味だろう?)
朝日奈「クラスの他の女の子達よりも……」
朝日奈「前に話してたでしょ?葉隠達と」
葉隠『いやー、それにしてもどう思うよ苗木っち』
苗木『何のこと?』
葉隠『朝日奈っちのぱいおつに決まってるべ?』
苗木『ブッ!決まってないよ!なんだよ急に…』
桑田『ホントしょうもねーな…』
葉隠『なーんでだべ?桑田っちはあのでっかい乳見て何も感じないと!?』
桑田『うるせぇよ』
葉隠『苗木っちも何も感じないってか?』
苗木『ボクは……』
葉隠『ふんふん、ボクは?』
苗木『……ノーコメントで』
葉隠『なんだそりゃ!』
桑田『あーもううっせぇな!朝日奈の胸がどうかしたかよ!』
葉隠『どうしたもこうしたも!』
葉隠『興奮します』
桑田『ぶっちゃけたな』
苗木『………』
葉隠『興奮するだろ!男なら!』
桑田『まぁ確かに、中々エロいよな』
苗木『………』
葉隠『背はそんなに高くないのに巨乳っつーのがまた何ともそそるべ……』
桑田『体育の時間とかやべえしな』
苗木『………』
葉隠『はー…巨乳の彼女が欲しいです』
桑田『なら、まずはその頭どうにかしろ』
苗木『………』
朝日奈『………////』
苗木「そ、そう言えば……」
苗木(うわ、あの会話聞かれてたんだ……)
苗木(あの時はもう葵と付き合ってたから、ボロ出さないように後半黙ってたけど……)
朝日奈「その話してるの聞いてさ、ちょっと考えたんだ」
朝日奈「今までは、泳ぐのに邪魔だなぁ位にしか思ってなかったけど」
朝日奈「もしかして良いこともあるかもって……」
朝日奈「これなら……む、胸のお、大きさなら、他の女の子にも負けないから///」
朝日奈「だから、良かったかもって///」
朝日奈「それに、男の子はこういうの好きだって聞いたし……///」
苗木「…そうだったんだ」
朝日奈「うん……あ!でもでも!」
朝日奈「まだ、触るだけね!それより先は……////」
苗木「分かってるよ。ゆっくり、ボクらのペースで行こう」
朝日奈「……うんっ」
苗木「さて、もうとっくに門限は過ぎちゃったね……どうしようか」
朝日奈「…ねぇ、まこと?」
苗木「ん?」
朝日奈「その、ね」
朝日奈「今日はこのまま、一緒にいたいな……///」
苗木「え」
朝日奈「…だめ?」うるうる
苗木「や、あの……それはつまり、この部屋に泊まりたいってこと?」
朝日奈「うん///」
苗木「………」
苗木(泊まる……つまり一緒に一晩過ごすことになるよね。変な意味ではなく)
苗木(……流石にマズいよな。理性が持ちそうにない)
苗木(やっぱりここは帰るように……)
朝日奈「まこと……」うるうる
苗木「いいよ。泊まっていって」
朝日奈「!やったぁ!」だきっ
苗木「はは、は……」
苗木(うん、涙目の葵のお願い断るとか無理)
廊下
大神「………」
大神「一件落着、か……」
大神(良かったな、朝日奈よ)ニッコリ
大神「しかし、苗木の部屋で一夜を過ごすと言うのは……///」
「誰だ!」
大神「!?」
仁「…あれ、大神さん?」
大神「が、学園長殿……」
仁「こんな時間にどうしたんだい?」
大神「あ……」
大神(ど、どうする…苗木と朝日奈の様子を見ていたとは言えぬ……)
仁「?」
大神「……修行をしていました」
仁「へ?」
仁「こ、こんな時間にかい……?」
大神「はい……暗闇でも俊敏に行動出来るか、と言う修行です」
仁「そ、そうか……まぁ、気を付けて」
仁「修行とはいえ、本来なら部屋に戻らないといけない時間だからね」
大神「御心遣い痛み入ります」
仁「いやいや、それじゃあ」
大神「………」
大神「………」
大神「……ふぅ」
大神(まさか、こんなにもあっさりと……何はともあれ、助かった)
大神「………」
大神「………」ささっ
「え?葵も一緒にベッドで!?」
「うん、この前みたいに一緒に寝たいもん」
「……わ、分かったよ」
「えへへ、まことと一緒♪」
大神「………///」
大神(朝日奈よ……////)
翌日
大神「………」
大神(うぬぅ……我としたことが、寝不足……)
大神(体調管理がなっていな)
朝日奈「おっはよー!さっくらちゃん!」だきっ
大神「!?」がたっ
大神「おはよう、朝日奈」ドキドキ
朝日奈「うんっ!」
苗木「おはよう……」どぅーん
大神「………」
朝日奈「あ…おはよ、まこと♪」
苗木「ちょっ、朝日奈さん名前……」
朝日奈「まださくらちゃんしかいないから大丈夫だよ!」
苗木「…そりゃそうだけど」
朝日奈「だから……」チラッチラッ
苗木「……葵」
朝日奈「!……えへへ///」
大神「………」
大神(頑張れ、苗木……)
◎葵ちゃんと退屈な日曜日
苗木部屋
苗木「……今日は雨かぁ」
苗木(特にやることも無いし、娯楽室にでも行こうかな……)
苗木(……いや、止めとこう。また葉隠クンとセレスさんにお金巻き上げられる)
苗木「しょうがない、今日は部屋で大人しくしてよう」
<ヴヴヴヴヴ……
苗木「あ、メールだ」
苗木「なんだろう、また桑田クンからゲームのお誘いかな…」パカッ
From:葵
苗木「葵から?」
苗木(なんだろう……)
苗木(今の時間はプールで練習してるはずなんだけどな)ポチポチ
From:葵
Sub:これから
部屋に遊びに行っても良い?
苗木「あれ」
苗木「練習どうしたんだろう……」
苗木「……葵が来てから訊けば良いか」
苗木「『いいよ。待ってる』と」ポチポチ
ピロリン♪
苗木「さてと、お茶でも用意しておこうかな」
コンコンッ
<まことー
苗木「早いっ!?」
苗木(メール返信してから30秒もたってないよ……)
ガチャッ
苗木「いらっしゃい」
朝日奈「やっほー、まこと♪」
苗木(可愛い)
苗木「返信してすぐだから、ビックリしたよ」
朝日奈「あはは!実は、メールした時にはもう部屋の前にいたんだ」
苗木「そうなの?」
朝日奈「うん。まことに早く会いたかったから……」
苗木「え?」
朝日奈「な、なんちゃって!…えへへ///」
苗木「////」
苗木「と、取り敢えず立ったままじゃ何だから、座って待っててよ」
苗木「いまお茶いれるから」
朝日奈「分かった。お邪魔しまーす!」
苗木「いつも通り、そこのクッション使っていいよ」
朝日奈「はーい♪」
苗木「えっと、お茶お茶……」
朝日奈「お、おかまいなくー…」
朝日奈「………」
朝日奈「………」チラッ
クッション「………」
朝日奈「………」
朝日奈「……むふっ///」ぎゅっ
朝日奈「はぁ~……///」
朝日奈(まことの匂い……///)すんすん
朝日奈(い、今のうちにいっぱい吸っとこ)すんすんくんかくんか
朝日奈「っ、げほっ!げほっ!」
朝日奈(む、むせた……///)
<げほっ!げほっ!
苗木「ん?咳?……風邪気味なのかな」
朝日奈「お、落ち着け私!//」
朝日奈(彼氏の部屋に来ていきなり……何やってるんだろ)
朝日奈(まことが来るまでおとなしく待ってな……)
朝日奈「………」チラッ
クッション「………」
朝日奈「………」
クッション「………」
朝日奈「………」
朝日奈「………」ぐっ
クッション「………」
朝日奈「……う」
朝日奈「うきゃーー!!///」ガバッ
ぎゅー
朝日奈(はぅ……ダメだぁ、我慢できないい!///)じたばた
朝日奈(まことの匂い……えへへ///)すんすんすんすんすんすん
<うきゃーー!!
苗木「!?」
苗木「よっと……お茶はこれでよし」
苗木「お茶うけは……あ、クッキーがあった」
苗木(流石にドーナッツは無かったけど、良いよね)
苗木「そうだ、のど飴も持っていこう」
苗木(なんか咳したり、変な声出してたし…)
苗木「……だから今日休んだのかな?」
苗木「…考えても仕方ないか。直接聞こう」
苗木「今日は日曜日だから、時間はたっぷり有るしね」
かちゃかちゃ
苗木「ふー……葵ー?」
苗木「お待た……」
朝日奈「はふぅ……えへへ///」でろーん
苗木「!?」
苗木「ど、どうしたの!?」
朝日奈「ふぇ?……ま、まこと!?」
苗木「大丈夫?具合悪い?」さすり
朝日奈「ぇ…う、ううん!大丈夫だよ!元気元気!」
苗木「本当に?無理してない?」
朝日奈「ほ、本当だってば!」
苗木「そうか……なら良いんだけど」
朝日奈「うん……」
朝日奈(うぅ、変なところ見られちゃった…恥ずかしい///)かー
苗木(取り敢えず、何とも無さそうだ。良かった)
苗木「はい、これ。今いれたばっかりだからちょっと熱いかもしれないけど」
朝日奈「う、うん。ありがと」
苗木「これも一緒にどうぞ」
朝日奈「わぁ、美味しそう!」
苗木「………」
朝日奈「………」
朝日奈(やっぱまだちょっと恥ずかしい……あぁぁもう!わたしのバカ!///)パクパク
苗木(何か食べてる葵も可愛いな)
苗木(…っと。そんなことより、今日の練習どうしたのか聞いておこう)
苗木(一応、確認ということでね)
苗木「葵」
朝日奈「んはっ!はい!」
苗木「今日の予定は、確か一日水泳の練習だったよね」
朝日奈「あ…うん。そうだよ」
苗木「?休んだの?」
朝日奈「違うよ。朝泳ぎに行ったらプールの前に学園長がいて……」
仁『やぁ、朝日奈さん。ごめんね、急遽プールの補修工事が入って今日は泳げないんだ』
朝日奈「って」
苗木「え、補修工事って……また?」
苗木「この前やったばっかりじゃないか」
朝日奈「私もそう思ったんだけど、学園長がそう言ってるんじゃ仕方ないじゃん?」
朝日奈「しょうがないからトレーニング室に行ったんだけど、いまいち気分がのらなくてさ……」
苗木「そうだったんだ」
苗木(……心配すること無かったみたいだ。良かった)
苗木(それにしてもよく壊れるんだな、うちのプール……大丈夫なんだろうか)
朝日奈「……ごめんね、急にメールして押し掛けちゃって」
苗木「ん?」
朝日奈「迷惑じゃなかった?」
苗木「勿論だって。いつも言ってるでしょ、迷惑なんて思わないよ」
苗木「今日は何もすることが無かったし、葵が来てくれてすごく嬉しいよ」
朝日奈「ほ、ほんと?」ぱぁぁ
苗木「うん。幸せだ」
朝日奈「ぅ……えへへ、幸せかぁ///」
朝日奈「わ、わたしもまことに会えて幸せ……だよ?////」
苗木(可愛い)
廊下
大神「………」
てくてくてくてく
大神「………」
てくてくてくてく
大神「……はぁ」
大神(我としたことが……)ずーん
このSSまとめへのコメント
書いた作者さんありがとう。
こういうナエヒナを待っていました。
続きまだっすか!