P「確かめてやる……!雪歩の男性恐怖症が完治したのかを!!」 (46)



P「雪歩をプロデュースして、もう一年か……」


小鳥「プロデューサーさんと出会ったばかりの時は、大変でしたよね」


P「そうなんですよ、初めは本当に男性恐怖症が酷くて……」


P「確か、初めに会った時は5m以内に近付いたら凄い速さで穴掘って埋まろうとしたもんなぁ…」


小鳥「今の雪歩ちゃんなら、いくら近付いても大丈夫ですよね」


小鳥「もう、男性恐怖症は完全に治ったんじゃないですか?」


P「う~ん……いや、そうとは言えませんよ」


小鳥「え?」


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P「まだ、俺と社長、父親以外の男性には苦手意識が少しある感じですし……」


小鳥「そうですか……じゃあ、まだ完治したというわけじゃ……」


P「……それに、雪歩の性格を知るに連れて思ったんですが……」



P「雪歩って、優しい子ですよね?」


小鳥「え?」


小鳥「まぁ、雪歩ちゃんは良い子ですけど……それが何か?」


P「……もしかして、ですけど」


P「雪歩は、本当はまだ俺の近くに居るのが嫌なのに、気を使って無理矢理我慢して平気な振りしてるんじゃないか……と」


小鳥「えぇ!?そんな事ないですよ!」


P「……いやぁ、どうでしょう」


P「今の話が事実でしたら、本人に直接聞いても」


P「また気を使われて本音を隠すと思いますし……」


P「………よし!」ガタッ


小鳥「どうしましたか?」


P「雪歩が俺に対しての男性恐怖症が治ったか、ちょっとテストします!」


小鳥「えぇ?」


P「早速、この話に関連しそうな心理学の専門書を買うぞ!」


P「というわけで、ちょっと本屋に行って来ます!」タタタ…


小鳥「あっ!ちょっ!仕事はぁ!?」


小鳥「行っちゃった……」


小鳥「……あたしも息抜きに、モンハンでもしよーっと」ピコピコ


小鳥「一狩り行こうぜ!」


律子「小鳥さん?」ゴゴゴゴ…


小鳥「一狩りされるぜ!」






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P「さぁーて、本屋に着いたのはいいけど……」


P「思ったより、関連書が多くて迷うなぁ……」キョロキョロ


P「『男性恐怖症を治す、完治確認の本』、『異性恐怖症の治し方!』、『医療本など読むな』、『恐怖症が治ったか確認する時の本』……」


P「いっぱいあるな……えぇい、適当に取ろっと」ヒョイッ


P「よし、早く戻って雪歩にテストをしなくちゃな!」タタタ


P「これ、ください!袋に入れないでいいです!あと領収書ね!」スッ


店員「あーい、わっきゃりやしたぁー」


店員「あっ、ブックカバーは付けときますねぇー」ガサゴソ


店員「へい、お待ちぃ!」スッ


P「どうも、じゃあ!」タタタ…


店員「ありゃっしゃー、またらいおまー!(ありがとうございます、またのご来店をお待ちしてます)」




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ガチャッ


P「ただいま戻りました!」


雪歩「あ、プロデューサー」くるっ


P「おぉ!雪歩!」


雪歩「おはようございますぅ」


雪歩「あの、さっき新しい茶葉を買ったんですけど……」


雪歩「プロデューサーも一緒に飲みませんか?」


P(やった!タイミング良く雪歩がいたぞ!)


P(早速、さっき買ったばかりのこの本を使って……)スッ


P(雪歩が俺に対しての男性恐怖症が治ったか確認するぞ!)ペラペラ……


P(えーっと……まずは……ふむふむ)ペラペラ


雪歩「……あ、あの、プロデューサー?」


雪歩「急に本を読んだりして、どうしました?」


P「………雪歩」


雪歩「は、はい?」









ポンッ


P「おはよう、雪歩」


雪歩「え……?は、はい……?」


P(………『Step1、肩を叩いて挨拶をする』)


P(『相手の反応を見て、嫌がったりしていないかを見る』)


P(……………………)ジィー


雪歩「…………え?え?」


雪歩「な、何でジッと見つめてくるんですかぁ……?///」モジモジ


P(……特に、嫌がった様子は無い様だな)


P(よし、第一段階はクリアだな!)


P(昔みたいに、極度に苦手なわけではないようだ)


P(これから徐々にレベルをあげて確認していくぞ!)


雪歩「あ…あの…///」


雪歩「そんなに、見つめられたら私……///」チラッチラッ


P(よし!第二Stepだ!)


P「雪歩!」


雪歩「えっ!?ふぁ、ふぁい!?///」ビクッ


P「ちょっと、散歩にでも行かないか?」


雪歩「……散歩、ですか?」


P「あぁ、近くの公園でもブラブラしないか?」


雪歩(……そ、それって、ちょっとした、軽いデ、デートじゃ……///)


P「……どうした?もしかして、嫌なのか?」


雪歩「い、いえ!い、行きましょう!今すぐに!」


P「そうか、じゃあ早速行こうか」


雪歩「は、はいぃ……///」ドキドキ






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雪歩「この公園、日当たりがいいので土の堀り具合がいいんですぅ」


P「へぇ〜、砂場もなかなか広いな」


雪歩「あっ、あの子達、一緒に砂の山作ってますね!」


P「……………」


P(……そろそろ、いいかな)


P「おっ、本当だな」ギュッ


雪歩「っ!?」


雪歩(えっ!?えぇっ!?///)


P(『Step2、さりげなく手を繋ぐ』)


P(肩の次は手だ!手の方が信頼関係が近くないと、触られる時に嫌がられるぞ!)


P(さて、雪歩の反応は……?)チラッ


雪歩「えっ……あの……えぇっ……///」アタフタ


雪歩「……な、仲良しですね、子供達……///」


P(おぉっ!手の事には触れず、この状況を受け容れた!)


P(雪歩……順調に男性恐怖症が治って来てるらしいな)


P(いや、本当に完治してるのかもしれんな)


P(よーし、焦らずゆっくり確認するぞ)


P「雪歩、何か食べ物買ってベンチで食おっか」


雪歩「そ、そうですね、はいぃ……///」ドキドキ




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P「いやぁ〜、焼き芋なんて久々に食うなぁ」


雪歩「秋と言えば、これですね」


P「うんうん……いやぁ、うまいなぁ、熱々!」モグモグ


雪歩「火傷しちゃいそうですね」フーフー


P(……あ、そうだ)


P(そろそろ、次のStepに進んでみるか)


P「なぁ、雪歩」


雪歩「むぐっ……は、はい?」ゴクンッ



P「雪歩ってさ、好きな人とかいるのか?」


雪歩「え……」


雪歩「えぇ!?///」カァァ…


雪歩「きゅ、急にどうしたんですか!?」


P「いや、ちょっと気になってさ……」


雪歩「えっと……そのぉ……///」モジモジ


雪歩「私の……えっと……好きな人は……その……///」


雪歩「……いま…s」チラッ


P「いま?」ジッ


雪歩「………あうぅ…///」


雪歩「や、やっぱり言えません〜〜〜!///」タタタ…


P「あっ!雪歩!」


P「くっ……答えてくれないか……」


P「まさか、恐怖症が完治してないのか……?」


P「えっと、本によると……」ペラペラ


『相手が答えたか、答えないかが問題ではなく、その話題を聞いてくれたかが重要』


『無視、スルー等をされた場合は要注意!』


P「……答えてはくれなかったが、話は聞いてくれたよな?」


P「じゃあ、大丈夫か」 ホッ





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『Step4、ディナーに誘ってみる』


P「どうだ?一流のシェフが集う超高級レストランは?」


雪歩「ほ…本当にいいんですか?私がこんな凄い所に誘ってもらって……?」


P「雪歩の(確認の)為なら、これくらい安いもんさ」


雪歩「ぷ、プロデューサー……///」


P(……さてと、そろそろ)


P「……すまない、ちょっと席を外すぞ」スクッ


雪歩「あ、はい、どうぞ」



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P(さすが……超高級レストランはトイレも綺麗だな)


P(それにしても……誘いを拒否されなくてよかった……予約取り消しでも料金発生しるからな)ホッ


P(しかし、雪歩もちゃんと誘いにのってくれたんだ)


P(もう俺に対しての男性恐怖症は大丈夫そうだな)


P(けど、一応次のStepも見ておくか)ペラペラ


P(えーっと……お?次が最終ステップか?)


P(……えっ!?)



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雪歩「ここの席、夜景が綺麗だなぁ……」


雪歩「……プロデューサー、私なんかの為にこのレストランを予約してくれたんだよね」


雪歩「……えへへ、嬉しくて顔がふやけちゃうなぁ///」ニコニコ


P「……雪歩」


雪歩「みゃぁあっ!?」ビクッ


雪歩「ぷ、プロデューサー、戻ってたんですかぁ!?」アタフタ


P「たった今、トイレから戻ってきた所だよ……」


雪歩「そ、そうでしたか……///」


雪歩(うぅぅ……だらしない顔、見られちゃったかなぁ……?///)


P(……………)


P(確認の為……確認の為だ)


P「……雪、歩」


雪歩「は、はい?」


P「……もし、よかったら……その……」


雪歩「………?」







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P「……………」ドキドキ


P「……………」ドキドキ


P「……す、凄く、鼓動打ってんな……心臓……」ドキドキ


P「……………」





ガチャッ


P「っ!!」ビクッ


雪歩「……あ、あの」


雪歩「お、お風呂上がりました……ありがとうございますぅ」ドキドキ


P「お、おぅ……」



P「……あ、さっき買ったパジャマ、似合ってるな」


雪歩「あ……ありがとうございますぅ……///」


雪歩「これ、本当に買ってもらってよかったんですか……?」


P「いいよいよ、誘ったのは俺なんだし……」


雪歩「………………」ドキドキ


P「………………」ドキドキ


P(………『最終Step』)


P(『自宅に泊まるように誘いかけ、泊まるかどうか』)


P(まさか、本当に来てくれるとは……)ドキドキ


P(雪歩には、友達の家に泊まると自宅に連絡してもらったが…)


P(もし、あの雪歩父にこの事がバレたら……)ガクガク


P(……で、でも、これも雪歩が男性恐怖症を完治したかの確認の為だ!)


P(……けど、本当にこれは完治したかの確認なのだろうか?)ペラペラ


雪歩「あの……何を読んでるんですか?」ヒョコッ


P「わあぁぁぁぁああっ!!」ビクッ


雪歩「えぇっ!?」ビクッ


雪歩「ど、どうしましたか……?」ドキドキ


P「い、いや、何でもないよ……ビックリする練習してただけだよ」ドキドキ


雪歩「そうなんですか……?」


P「そ、そうそう!この本も、それの専門書なんだ!」アセアセ


雪歩「は、はぁ……」


雪歩「あ……あの、お茶をいただいていいですか?」


P「あ、あぁ、冷蔵庫に入ってるよ」


雪歩「わかりました、プロデューサーも飲みますか?」


P「あぁ、じゃあ貰おうかな……」


雪歩「じゃあ、お茶とコップ、持ってきますね」タタタ…






P(び、ビックリしたぁ……急に後ろから話しかけてきたらなぁ……)ビクビク


P(しかも、こんな本を読んでるなんてバレたらどうなることやら)ペラペラ


P(………ん?)ピタッ











『ポイント:もし、呼ぶ事に成功した場合、お酒などで酔わし自然に一緒に寝る雰囲気を作るのが大切です』


P「」


P(ちょ、ちょっと待て!これ、本当に確認の本なのか!?)


P(ブックカバー外して……!)ビリビリ











『職場の異性と深い関係の築き方 〜これであなたも大人に〜 著:日高舞』


P「」



P(な……なんてこった!!)


P(俺、間違ってこんな本を買って読んでたのか……!?)


P(そういえば、モテ技術の本と目的の本の棚が同じだったような……!)


雪歩「ぷろりゅーしゃー……///」ボーッ


P「おぉっ!?ゆ、雪歩?」ビクッ


P「も、もう、お茶を持ってきたのか?」


P「……あれ?雪歩、顔が赤くないか?」


雪歩「……えへへ、ぷろりゅーしゃー……///」ボーッ


雪歩「えいっ!///」ギュッ


P「!?」


雪歩「えへへ……ぷろりゅーしゃーの胸、広くてあったかいですねぇ……///」


P「ゆっ、雪歩!?どうし……うっ!」


P「この匂い……酒!?」


P「まさか、冷蔵庫の酒を飲んだのか!?」


雪歩「むぅー……ぷろりゅーしゃー……///」ジー…


雪歩「ぷろりゅーしゃーも、ぎゅっ!てしてくれないと、嫌ですぅ!///」ギュウゥゥ…


P「ご、ごめんごめん……」ギュッ


雪歩「えへへぇ……お互いにギュってして、幸せですぅ///」スリスリ


P(そういえば……お袋が自家製の酒をペットボトルに入れて送ってくれたのが冷蔵庫にあったんだ!)


P(たしか、お茶のペットボトルだったよな……それで、間違ったのか!)


P(きっと、先に一杯飲んで持ってこようとして……)


雪歩「……ぷろりゅーしゃー?///」


P「ん、んん?何だ?」


雪歩「前に、好きな人がいるか聞いてきましたよね?///」


雪歩「あれの答えですけど……私の好きな人はぁ……///」チラッ


P「あ、あぁ、したけど……でも、あの質問はもういいんだ」


雪歩「……もういいって、何ですか!?///」グイッ


P「ちょ!雪歩、近い!」


雪歩「私の想いは、どうでもいいって事なんですか!?///」グイグイッ


P「いや、あの、ゆ、雪歩!近いって!」


雪歩「どうなんですか!?ハッキリ答えて下さいぃ!///」グイグイグイッ


P「く、唇がくっつく……!」


雪歩「ぷろりゅーしゃーが気持ちを答えないんでしたら、代わりに私の気持ちを答えますぅ!///」カチャカチャ


P「ゆ、雪歩!そんなところ触っちゃ………あっ」















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チュンチュン………



P「…………………」


P「…………………」チラッ


雪歩「すぅ……すぅ……」


P「…………………」


P「…………………」スッ


P「『職場の異性と深い関係の築き方 〜これであなたも大人に〜 』……か」


P「…………………」


P「……確かに、大人になっちまったよ……」


P「……雪歩と一緒にな……」





このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月01日 (月) 23:37:47   ID: eTSrxshg

おちがわかりやすすぎ。途中でなんとなくわかっちゃった。もう一捻りあればよかったかな。

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