絵里「おうちに帰ったらことりが巣を作っちゃっててね」 (12)


ことり「えっ、ことりが?!」

絵里「って、違うわ! その、鳥の方の小鳥よ!
   そのっ、小さい鳥って書く方の、」

ことり「漢字は分かりますっ!

    ・・・・そっかぁ、びっくりしちゃった」


絵里「もう、最近ぬけてない?」スッ

ことり「ありがと。だって、急に話題変わっちゃうんだもの」ゴクゴク

絵里「それもそうね・・・って、何の話だったかな」

ことり「・・・絵里ちゃん。テーブルの上をご覧ください」じとーっ

絵里「・・・『MacOS X 日本語入力プログラム ことえ――」

ことり「そっちのパソコンじゃなくって! これですっ!」ドンッ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417409785


絵里「・・・『音ノ木坂生徒会 各申請書テンプレート』」

ことり「もうっ、引継ぎ資料のお話でしょぉ?
    ぬけてるのは絵里ちゃんの方ですっ!!」

絵里「反省します・・・」シュン

ことり「わわっ、あのねっ、ことりそこまでっ、」

絵里「・・・ぷふっ。本気じゃないわ。ことりはかわいいわね」なでなで

ことり「あぅ・・・」//


絵里「・・・って、そうそう! かわいいで思い出したんだけど、
   その小鳥のお話! ことりじゃなくって!」

ことり「・・・つーん」

絵里「・・・? それでね、屋根のひさしのところ?っていうのかしら?
   そこにちっちゃな雛鳥がいっぱいいてね」

ことり「あ、図鑑でみたことあるかもっ」

絵里「たぶんそんな感じ。それでお母さんがえさをくわえさせてあげるの。
   もうきゅんきゅんしちゃって・・・!ハラショーよぉ、あれは・・・」うっとり

ことり「ハラショーですか・・・」


絵里「あの種類、校内でも見かけたから、ほかの場所にも巣を作ってるかもね。
   こないだ海未と資料を運んでた時にも、窓の向こうで、」

ことり「・・・ねぇ、絵里ちゃん」

絵里「どうしたの? って、ちょっええっ!?」

 がばっ ちゅっ

ことり「あむっ・・・れろっ・・・・ぷはぁっ!」

絵里「・・・って、なにするのよぉ!!」///

ことり「べつになんでもないです。しいていうなら親鳥さんごっこです」

絵里「なによ、それぇ・・・」


ことり「はい、アップルティー。のどにつっかえちゃうもんね。
    それとも絵里ちゃん、またことりに飲ませてほs」

絵里「いいって、いいわよっ!」///

ことり「・・・・ちぇ」

絵里「なによ、さっきから・・・・悪かったわ、ちゃんと教えるわね」

ことり「・・・そうだね。ごめんね、ことりも変なことしました」

絵里「あの、何か怒ってない?」

ことり「怒ってないです」プイッ

絵里(明らかに怒ってるじゃない・・・)


ことり「・・・ねえ絵里ちゃん。問題」

絵里「は、はい? はぁ・・・」

ことり「私は絵里ちゃんと生徒会運営について教わりたいです。
    でも私は、絵里ちゃんと生徒会運営について教わりたくないです。

    どうしてでしょう?」

絵里「え、・・・それ、矛盾してない?」

ことり「ちっ ちっ ちっ ちっ」にこにこ

絵里「カウント、口でやるのね・・・」


ことり「はいっ、時間切れ! では、回答者の絢瀬絵里さんっ!」

絵里「・・・ええと、
   最初のは、これから私の分まで、音ノ木坂を引っ張っていきたいから?
   だと、うれしいんだけど・・・」

ことり「・・・そんなこと言われちゃったら、正解にするしかないよぉ・・・」

絵里「ふふん。さすが私ね。
   で、もう一つは・・・・私が、よけいな雑談ばかりするから?」

ことり「えいっ」ペシッ

絵里「あだっ! ・・・え、え? 答えは?」

ことり「・・・ヒント。小鳥たちはいずれ巣から巣立っていきます」

絵里「なによそれ、やっぱりさっきの・・・・」

ことり「・・・・」

絵里「・・・・っ!」


ことり「・・・・・絵里ちゃんの、ばぁか」

絵里「・・・・」

ことり「・・・・」

絵里「・・・・おばかさんなのは、あなたじゃない」ギュッ

ことり「あ・・・っ」

絵里「・・・私は、ことりの元を離れないわ。
   学校からは巣立っても、ちゃんと、ことりの側にいる」

ことり「・・・・せいかいですっ」チュッ


絵里「ふふっ・・・ごめんね、心配させちゃって」

ことり「ううん、・・・でもね、生徒会の仕事を覚えるたびに、
    あぁいなくなっちゃうんだ、って思うと・・・」

絵里「もう・・・だったら、ちゃんと甘えてよね」

ことり「うん・・・絵里ちゃん、ありがと・・・!」

 ちゅっ・・・
   あむっ  くちゅっ・・・

 ばさっ れろっ・・・



亜里沙「おねえちゃーーん! 晩ごはんまだなのーっ!??」

ことえり「「!?」」ガバッ


ことり「も、もしかして・・・」

絵里「まさか、ずっと、見てたの・・・?」

亜里沙「もうっ、ことりさんばっかりじゃなくって家のこともしてっ!
    見てよこのリビング! うちの家、ことりさんの私物だらけだよっ!」

ことり「・・・ごめんなさいっ!、すぐ片づけるね、」

絵里「いや、だって仕事が立て込んでて、ちょっと・・・仕方ないでしょ?」

亜里沙「これじゃあ、うちもう、・・・ことりさんの巣だよ!!」

ことり「なるほど」

絵里「ハラショーね」

亜里沙「ハラショーじゃなくってー!!おなかすいちゃったから早く作って!」


おわり。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom