ほむら「病室で目覚めたら男になっていた……」(81)


いつもよりベッドが狭い気がした。
遡行する直前まで瓦礫に挟まれていたからだろうか。

しかしその違和感の正体は違った。


ほむら「……男になってる」


身分証明書などを片っ端から見ても、女だった私の形跡はない。

写真に映っているのは赤渕メガネの気弱そうな少年。
鏡を見ればその写真と同じ少年が居た。



ほむら「……ソウルジェムはあるようだから魔法を試してみましょう」

まず、変身してみる。

ほむら「服はあんまり変わらないわね……」

下半身がスカートとタイツからタイトなパンツになったことくらいだろうか。

しかし、服以外には変更点があった。

ほむら「ね、念願の魔法武器……!」

左の腰には鞘付きの剣、美樹さやかの物に比べて重いが男の力ならばなんとか扱えそうだ。

右の腰には拳銃。

ほむら「お、大きい……」

普段使いのデザートイーグルよりも一回り大きいあたり魔法武器だ。

ほむら「それにしても……なんでこんなことに……」

盾を漁りながら考える。

ほむら「そういえば前回、まどかがなんと言って契約したかはわからなかったわね」


原因は明らかにそれだろう。
具体的にはわからないが。

ほむら「私がどんな姿になったとしても、やることは変わらない。たとえ魔女やインキュベーターになったとしても貴方との約束を守ってみせる……!」

鏡を見ていて妙に気に入ったのでメガネは付けっぱなしにすることにした。


ほむら「この剣は時間停止中にもバレずに使えるのね」

魔法武器を手に入れたはものの、不安が残るのでヤクザから銃などを手に入れておき、魔女を狩りグリーフシードを溜め込んでおく。


ほむら「少し転校が楽しみだわ。反応がいつもと違うだろうし」

   「口調、元に戻さないと……オカマはダメだよね」


待ちに待った登校日。

廊下に立っているが、早乙女先生の卵談義が長く続いている。
いっそのこと卵アレルギーの人と付き合えば良い。


早乙女「さ、入ってー」


ついに来た。

髪をかきわけようとしたが、この体にはそんな長い髪は無いので空振る。

そんなことは無視して、教室に踏み込む。

クラスから驚嘆の声が上がる。
元は女子校通いだったからそこまでその感性があるかはわからないが、女として自分の姿を見れば、場合によっては一目惚れしかねないくらいの美形だと思う。

女だった頃もこれほど美形だったのだろうか。
そう思うと少し自分に自信が持てた気がする。

早乙女「え、えーと、自己紹介してくれるかな」

ほむら「暁美、ほむらです」

いつもならそそくさと席に座るところだが、もう少し愛想良くしてみよう。

ほむら「趣味は絵とか……です」

本当ではあるが、もう少し趣味はある。
読書だってそうだし、爆弾などから機械や電子工作もするようになった。
ただ真っ先に思いついたことを言っただけだ。

まどか達と仲が良かった周回や、一度ワルプルギスの夜を超えた周回、逆に早期にまどかが契約してしまい砂時計が溜まるのを待っていた周回では趣味に打ち込むこともできた。

……

まどかの方を向き、自分の決意を確かめる。

ついでだから美樹さやかの方も見ておこう。
あの子は毎回上條恭介のことで……

さやか「ほぇ……」

掴みは良かったかもしれない。


恒例の質問攻め。

今回は男も結構周りに居る。


中沢「なぁ、前はどんな学校に行ってたんだ?」

ほむら「ミッション系の学校の男子クラスだよ」

そんなものはなかったはずだが、アルバムを見るとあったことになっている。
gファンタジーあたりにありそうな、少人数の男子クラス。


女子「ねぇ、彼女とか居たの?」

ほむら「居ない……よ」

黄色い声があがる。そこまでなのだろうか。

気が向いたら続き書く。

ほむまどにした方がいいの?
まだルートなんか決めてないけど


ほむら「保健室、行きたいんだけどさ」

女子が連れて行こうか?などと声をかけてくるけれど、生憎貴方達では意味が無い。

ほむら「係りの人にお願いするよ、薬のこととかあるし」

机から立ち上がりまどかの席に歩み寄る。


ほむら「あっ……」

急に力が抜ける。
虚弱体質は変わっていないようで、むしろこの身体に慣れていない為にむしろ変身していない時は前より動きにくい。

まどか「だ、大丈夫…ですか?」

ほむら「……係の鹿目さんだっけ?保健室連れてってくれない?」


まどか「う、うん!」

かなり心配そうな顔をしているけれど、前回と比べ第一印象は良いだろう。

さやか「あーあー、また倒れたら危ないからあたしが肩かしてあげるよ」

仁美「上條君のお見舞いで慣れてますものね……うふふっ」


……

保健室まで美樹さやかの肩を借り、まどかがその後ろをついてくる形だった。

ほむら「ごめんね、重かった…よね?」

さやか「こんなのいつもいつも、むしろいつもより軽いくらい。もしかしてあたしより軽いんじゃない?」

まどかが先生の引き継ぎを受けている間、美樹さやかは保健室に貼られたポスターを読み漁っている。

人間の記憶は複数箇所にあるというが、女だった私の記憶はソウルジェムにある。つまり脳などには男の私の記憶があるのではないだろうか。


身体強化の要領で脳の記憶を呼び覚ましてみる。
この世界の私の記憶は見れるだろうか。


……

ゆるふわ金髪の同じくらいの身長の先輩が私に言う。

金髪「どうせ恋愛禁止なんだからさ、何人目移りしても罪じゃないんだよ。拝むものをしっかり拝んどくといいよ」

私よりボサボサ気味の赤髪の留年同級生が私の肩を抱き囁く。

赤髪「どーせ俺らは特待なんだからさ、禁止されてんのは恋愛であってだな」

金髪「おい、暁美に変なこと教えないでくれよ」

赤髪「へーい」



何故こんなことを思い出したのだろうか。
時間のある時にゆっくり思い出そう。

しかしこれを思い出したのには意味があるはず。

ほむら「……罪悪感はあるけれど」

まどかと美樹さやかの身体を凝視する。
眼鏡をかけていてよかった。これで目線に気づかれにくいだろう。
バレたらエロ眼鏡確定だが。



ほむら「the child」

さやか「ん?」

ほむら「いや、洋楽のタイトル」


まどかは見事なまでに幼児体系だ。
それ以外に表す言葉が見つからない。

二周目の委員長の魔女と戦った時の様に抱きつかれたらそれはたまらないだろう。


比べて……


ほむら「ズルい」

さやか「なにが?」

ほむら「え、あ、洋楽は歌詞がなんでもかっこよく聞こえてズルいって」


女だった頃の自分とも比べて美樹さやかは恵まれすぎている。
私が入院していて痩せているのを差し引いてもこの子の体型は……

さやか「まどかまだー?」

なんといっても下半身の体型が艶かしすぎる。
今までの私がタイツを破いても敵わないだろう。

まどか「お待たせ、この時間はこれと…これ?あと発作用の薬は持って…」

ほむら「うん、持ってるよ」

前を開けた上着の内ポケットからニトログリセリンの錠剤を取り出す。心臓発作の薬だ。

さやか「大変だねぇ……」

ほむら「そういえば、美樹さんは慣れてるとか言ってたけど……」

さやか「ん?あぁ、幼馴染が事故で入院しててね」

やはり私以外に変わりは無いようだ。


午前中の授業で私は相変わらず優等生ぶりを発揮した。
先生が余談で出した東大の入試問題も軽く解く。
体育では県内記録を出す。
あくまでも真面目な態度で臨んでいるが、軽く遊んでる感じはある。



まどか「すっごい……」

さやか「ありゃ勝てないわ……」

そして、昼休み。

いつもはクラスメイトの女子と適当に食べていたが、今回は私には力がある。
わざわざ遠ざけるのは辞めて正面から守る。
だからまどか達に声をかけよう。

というのは大義名分で、男子は中沢君しか話したことはないし、正直未だに苦手だ。
記憶の中の同級生には親近感を覚えるのはどうしてだろうか。


さやか「あはは!何それおっかし」

仁美「それで私に……」


前の学校のせいで「お嬢様と居た方が落ち着く」などと言って三人に割り込んだ。

チャラ眼鏡呼ばわりにリーチがかかっているので、どんなにまどかが可愛らしい言動をしても撫でたりしないようにしよう。

……いつから撫でる側になったのだろう。
美国織莉子の現れた周回では既にそうなっていた。やはり三つ編みを解いてからだろうか。

まどか「あ、今日はグラタンだ」

明らかに冷凍食品ではないグラタン、知久さんの料理だ。
前に教わったのは確かまどかの大好物、クリームシチュー。

さやか「偶然だね、あたしもグラタン」

明らかに冷凍食品のグラタン。
これはこれで美味しいが、予備知識が無いとグラタンだとわからないあれだ。

仁美「あら、仲間はずれですわ……」

可愛らしいサンドイッチ、中身は……思いの外普通だった。
恐らく自分で作ったのだろう。

ほむら「わた……俺は…っと」

四限目の体育終了後に購買部で買ったオムライス。

まどか「あぁ……」

さやか「あちゃー……」

仁美「よりにもよって……」


そう、このオムライスは激マズ。

ほむら「えっ、オムライスが食べたかったから買ったんだけど……」

仁美「辞めておいた方が……」

まどか「鶏肉は半生みたいだし、ケチャップかけ過ぎだし……何より卵が……」

さやか「あたしがこれ食べたげるからさ、あんたこっち食べな」

美樹さんは自分の女子にしては少し大きめな弁当箱をこちらに寄越し、私のオムライスを持っていく。

ほむら「悪いよ……」

さやか「こんなマズイもん食って学校のイメージ悪くなるより良いって」

   「それに今度、とびっきり美味しいオムライス食べさせたげるからさ」

まどかにアイコンタクト、知久さんのことだ。
知久さんのオムライスはビーフシチューと一緒に出て来た記憶がある。

さやか「おぇまっず!」

仁美「はしたない…といいたいところですが仕方ないですわ」

まどか「ちょっとこれは酷すぎるよね……えへへ」

ほむら「そんなに酷いの?」

さやか「知らなくていい世界、あれ作ってる奴なんでクビにならないんだろ」


計画通り。
これで知久さんのオムライスが食べられる。あわよくばまどかや美樹さやか、志筑さんの手作りオムライスも食べられるだろう。


『あの三人の誰狙いなんだろう』などと言われながらも真面目な態度で午後の授業に臨む。

残念ながら別に狙っているわけではない。


さやか「ねぇ、放課後街案内してあげようか」

まどか「……行かない?」


……こちらが積極的に出ればあちらも積極的に出てくれるのだろうか。

ほむら「ご一緒させて貰うよ」


まどか「前の学校の写真とかって、無い?」


どうやら私はこの世界では前の学校での学園生活をそれなりに楽しんでいたらしい。

ほむら「これ……だね」

仁美「あら……」


先程記憶で見た金髪の先輩と赤髪の留年同級生と三人で映った写真が入ったロケット。いつもはロザリオだったはずだが……

まどか「なんかこっちの暁美さん、ちょっとおどおどしてるような……」

仁美「戯れられてるじゃないからですか?」

まどか「暁美さんさぁ……」

まどかに暁美さんと呼ばれるとどうも胸が苦しくなる。

ほむら「……ほむら」

まどか「えっ」

ほむら「ほむらって呼んでくれない…かな?」

   「前の学校でもそう呼ばれて居たし……」

少なくとも嘘ではない。
先輩には暁美呼びされていたが……

さやか「ほむらあんた今日始めてあった女の子に名前呼びさせるって大した度胸してんじゃんよ~」


肩を小突かれるが、ちゃっかり既にほむら呼びされていることが確認できる。

仁美「ほむらさん……こっちも苗字みたいですね」

まどか「ほむら……くん?なんだろう違和感が……ほむら……ちゃん?」

   「なんでだろう、ほむらちゃんって呼ぶのがしっくりくる」


……何故に?
別に良いのだけれど。

また気が向いたら書く
地の文だらけだけど
チーレムものだと思ってね

ごめんごめん大して考えずに書いてるから意識してなかった
深夜だしライトにやりたいかなって
外伝は出さない
あすみはまだわからん

志筑さんは習い事で離脱した。
習い事はピアノと日本舞踊、茶道、華道の組み合わせのようだ。

時間軸によっては護身術、合気道、フラメンコ、バイオリン、詩吟などがあったが、一部は上條恭介の楽器に対応していると思われる。

さやか「ちょっとcd屋つきあってもらっていい?」

私の予想では今回はバイオリン。
どうだろうか。

ほむら「ああ、うん」

正方形にたたんでいたホットドッグの包み紙が広がり始めていたのを握り潰しゴミ箱に捨てるべく立つ。

まどかは演歌を聞いている。これはどの時間軸でも同じ。演歌をひとしきり聴き終わるとポップスのコーナーに移る。

美樹さやか……さやかは……クラシック。
しかもバイオリンソロを聴いている。ビンゴだろうか。


私は……久し振りに讃美歌とかでも聴こうかしら。



まどかの様子がおかしい。
私が襲わなくてもインキュベーターは接触してくるのだろうか。


ほむら「どうしたの?」

まどか「何か……声がわたしを呼ぶの」

   「助けて…って」

ほむら「……」


どうするべきか。

恐らくまどかの性格的に、放っておくことはできずしばらくすると勝手に抜け出してインキュベーターの元へいってしまうだろう。

ほむら「わかった、さやかを呼んで三人で行こうか」


正直自分の為に契約しかねないとか、そういう懸念はあるけれど、遠ざけた結果前回は失敗した。
ならばとことん近づいて自分の警告を一字一句聞いてもらえるようにしよう。

さやか「どうしたの?」

まどか「ちょっと……ついてきてくれない?」


改装中のフロアにやってくる。
少し奥の方にインキュベーターが倒れている。
許されるなら今この場で拳銃でぶち抜いてやりたい。

まどか「酷い怪我……!」

まどかが慌てて取り上げようとするのを制し、近付く。

ほむら「刃物とかで切られたみたいだね」

十中八九あの綿毛髭だ。
こいつが自ら巻き込まれた可能性もあるが、それをまどかに言ったところで信じてはもらえないだろう。

まどか「どうにかならない……?」

ほむら「こんな頭の中えか」

寝ぼけてまた途中投稿しちまった

鞄の中にあった黄色いリボンを巻き付けておく。
ぐったりしたインキュベーターは動くことはない。

ほむら「リングがついてるってことは飼われてると思うから飼い主を探さないと……」


景色が歪み始める。
遅かった……


さやか「な、なにこれ!?」

毎度の展開ならもうすぐ巴さんがやってくる。
迂闊に変身するのは危険だ。

彼女の一斉射撃にビビって魔女は逃げ出すので、暫く時間を稼ごう。
例だけ言ってそそくさと帰ってしまえばいい。

ほむら「さやか、消火器取って…!」

さやか「消火器…?はい!」


使い魔くらいは、華奢とはいえ男の体、魔法で強化すれば倒せるだろう。

まどか「……大丈夫?」

使い魔を消火器で只管殴り倒す。

ほむら「……任せて」

聞き覚えのあるステップのリズムが聞こえる。


マミ「あら、男の子?だったら尚更かっこいいところ、見せないとね」

  「一仕事終わらせちゃっていいかしら?」

さやか「こ、今度は変身ヒロイン……?」

まどか「……助かったの?」

スローペースでごめんなさい
ホント気まぐれなんで

一斉射撃が綿毛共を焼き払う。

マミ「いっちょあがりね」


巴さんがこちらを向き直る。
まどかは私にしがみつき未だ怯えているので頭を少し撫でてみる。

マミ「貴方達がキュゥべえを助けてくれたのね、ありがとう」

まどか「その制服……同じ学校なんですか?」

マミ「そうね、私は三年生。貴方達は……二年生?」

まどかを見て迷った後に、さやかを見て確信を持ったようだ。

マミ「それにしても……」

私を怪訝な顔で覗き込む。

マミ「男の子でもキュゥべえが見えるなんてね……」

私は指輪を隠し、適当に相槌を打つ。
早く別れたいのだが……
鳴呼、インキュベーターが起き上がってしまった。


qb「鹿目まどか、美樹さやか。お願いがあるんだ」

畜生……

qb「僕と契約して、魔法少女になってよ」

ほむら「……」

結局巴さんの部屋に連れて来られてしまった。
ここで真実をゲロらせてしまえばまどか達はどうにかなるが、巴さんがどうなるやら……

マミ「紅茶どうぞ、結構自信あるのよ」

何周ぶりだろうか、この紅茶は。
最近の周回では険悪になるか、むしろ私が淹れていたから。

ほむら「この銘柄、好きです……」

マミ「あら、知ってるの?」

ほむら「あ、お見舞いでよく頂いてたので」

嘘ではない。この身体では、前の学校近く病院の時に金髪の先輩が持ってきてくれていた気がする。



巴さんとインキュベーターによる都合のいいことや提灯である魔女狩りのことの説明がなされる。


ほむら「願いはどうやって叶えているんですか?」

答えは魂を、祈りの結果とソウルジェムに変換する、だ。

qb「ソウルジェムが産まれる際の副産物さ」

躱された。
心の中で舌打ちする。

ほむら「じゃあ……魔法って好きなだけ使えるんですか?」

マミ「魔法を使えばソウルジェムが濁っていくわ。その濁りを取り除くグリーフシードがあればいくらでも使えるわね」

……

さやか「じゃあソウルジェムが濁ってたら魔法を使えなくなるんですか?」

マミ「そうね……まぁ私はあまり濁らせないようにしているから」

さやか「そこのやりくり……かぁ」


その後も上手くかわされてしまった。


さやか「そっかぁ……」

ほむら「あんまり二人には危ないことをしてもらいたくないな……」

マミ「もし良かったら、暫く私の魔女狩りに付き合ってみないかしら?」

……本当はこれを阻止したいのだけど。

まどか「その方がわかりやすいの……かな」

男である私が止めることはできない。
これを止めていいのはまどか達の親と魔法少女だけだろう。
といっても女の私が止めたところでロクに聞き入れてくれないが。

まどか「じゃ、わたし達はこれで」

さやか「ごちそうさまでした!」

ほむら「お邪魔しました」

マミ「……暁美さんだけもうちょっと良いかしら?」


……なんで?


マミ「……」


先程とは打って変わって厳しい面持ちだ。
何かボロを出してしまっただろうか。

マミ「貴方、ずっと左手の中指を隠してるわね」

  「見せてくれないかしら?」

渋々中指の指輪を見せる。私の瞳と同じ紫色の宝石が嫌味な程綺麗に輝く。

『homura』

更には私の名前まで書いてある。もう言い逃れはできないだろう。


マミ「貴方の本当の名前は何なのかしら」

……え?

マミ「それは魔法少女の証。貴方は願いでその姿になったのでしょう?」

……

巴さんの表情をよく見ると、嫌疑の顔ではなく、珍しい物を見る顔になっている。

マミ「大切な人を失った淋しさのあまりに、貴方自身がその大切な人となることを選んだ。それはとても険しい道だと思うわ」

ほむら「え……」

何を言っているんだろうかこの人は。

エタったらエタったでいいよ
そのために深夜でやってるし

マミ「でも貴方の元の家族はとても悲しんでいると思うわよ。その願いは貴方の家族を捨てるに値する願いだったのかしら」

勝手に出来上がったストーリーで話さないで欲しい。

ほむら「貴方、一人暮らしでしょう?」

マミ「あっ……」

察してもらえたようだ。ウソは言っていないが、我ながら汚いやり口だ。

マミ「でもどうしてあの時変身しなかったのかしら?」

ほむら「それは……あの子達に変な姿を見せたく無かったから……」

   「それと……巴さんの気配がしたから」

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