生徒A「なんだあのバンドｗ　全員へんちくな仮面かぶってるぞｗだっせーｗ」

生徒B「マンウィズのパクリだろｗ」

生徒C（仮面のインパクトはデカい…さらに全員チェック柄のシャツを着ている…バンドとしての統一性は見事だ…）

キモオタ（まずは一曲目…Butter-Fly/和田光司行くぜっ！）

♪デーンデレレーデ－ンデーン～～～

♪デーンデレレーデ－ンデーン～～～

ｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙ!!!!!!!!!!!

生徒A「デジモンのやつじゃん！」

生徒B「なっつかしい～！」

生徒C（!? なに？まさか一曲目から、ド定番アニソン　バタフライだと！？）

生徒C（万人受けするアニソンの構成を考えると…これは一曲目ではない！ラストに演奏するべきだ…）

キモオタ（おっ…ｗ　良い反応…ｗ　狙い通りだぜッ！）

♪～～～～

キモオタ「ステーイしがーっちなっ～～～～」

生徒A（あのデブ歌うめえな…）

生徒B（俺も今度カラオケで歌おう…）

生徒C（おい、感じちまったじゃねえか…グルーヴを…こんな喉の潰れるような歌い方…持つのか…？）

キモオタ「始まりは！いつも突然！」

生徒A（おい、マジかよ…知ってる知ってる…）

生徒B（アニソンじゃねくね？）

生徒C（おいおい、２曲目にしてクライマックスだと…？何を考えてやがる…）

キモオタ（２曲目は、Climax Jump/AAA　だ！　これは特撮ファンの心をつかむだけじゃねえ…）

キモオタ（ＡＡＡにっし―大好きのリア充共を俺の世界に引き込んでやる！）

女子生徒A「え～！トリプルエーじゃんｗ」

女子生徒B「歌ってほしくないんだけどｗあんなデブに…」

腐女子「…　…　…　やるわね」

キモオタ「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

キモオタ「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

キモオタ「はい、お前らも～？」　（マイクを観客に向ける）

生徒諸君（し～～～～ん）

キモオタ「聞えねえぞっ！！！！！！！！！！！！！！」

キモオタ「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん？」

女子生徒A「なんかアツくない？」

女子生徒B「うのちゃんの真似しちゃうわ～ｗｗｗ」

腐女子「いーじゃん！　いーじゃん！すげーじゃん！！！！！！」

生徒一同「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

キモオタ「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

生徒A「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

生徒B「いーじゃん！　いーじゃん！　すげーじゃん！」

生徒C（なんてこった…これがグルーヴ…会場全体を巻き込みやがった…）

生徒C（学祭の生徒はキモオタリア充サブカルキョロ充…いわば人種のサラダボウル…）

生徒C（あいつらは、それらを音楽というくくりでひとまとめにしやがった…）

キモオタ（ベース、ギター、最後は呼吸を合わせてジャンプして２曲目は終わり…）

キモオタ（これは綿密な打ち合わせと練習をした…）

キモオタ（飛ぶんだ！誰よりも高く！）

バンドメンバー　一斉にジャンプ

キモオタ（！？）

ッポーーーーン

キモオタ（ああああああっ・・・・）

生徒A「プッ」

生徒B「ダハハハハハハハハハｗｗｗｗｗｗｗ」

女子生徒A「マスク取れてるしｗｗｗｗｗｗｗｗ」

女子生徒B「つーか顔キモっ！にっしーに謝れよ！」

生徒一同「わははははははははははははは」

生徒C（これはミスか…？演出か…？　２曲目の流れを断つ曲は俺の思いつく中ではない…）

生徒C（だとしたら・・・・ミスを装って仕切り直し…そこからの３曲目・・・・）

生徒C（次はしんみり系の曲を歌うに違いない…）

…

キモオタ（し、しまったーーーー！　ゼロの仮面を落とした！　ミスった！）

ベース（おい、キモオタ…お前が今までカッコ良く歌えたのは、自分の顔がばれないからだったよな・・・）

ドラム（ヤベえぞ…後ろからでも小刻みに揺れてるのが分かるぜ…）

生徒A「おーい、お前Ｃ組のワタルじゃねえかｗｗｗｗｗ」

生徒B「顔ばれてんぞｗｗｗｗｗｗ」

生徒一同「どわっはっはｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

キモオタ「え～　僕のか、仮面が取れたのはは、よ、妖怪のせいですねっ」（ドヤ顔）

生徒一同（し～～～～～～～～～～～～ん）

女子生徒A「え？いまなんて？」

女子生徒B「私も聞えなかった…」

ドラム（声小さいぞっ！！！あいつ緊張しすぎてる…やべえ）

生徒C（おいおい、滑ったぞ・・・さっきまでの流れ・・・完全に途切れちまった…どうするキモオタ…？）

ベース（やっべ、３曲目いかないと…）

ベース（３曲目はメリッサ/ポルノグラフィティ…）

ベース（この曲を弾く前に、俺がまずナレーションを入れるんだった…）

―――人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない

―――何かを得るためには同等な代価が必要になる

―――そのころ僕らはそれが世界の真実だと信じていた

ベース「そして弾きはじめるっ！」

キモオタ「きみのってで～～～っ！！！！！！！」

生徒A「あはははははは、ワタルのやつ、仮面取れたら全然声でてねえじゃねえかｗｗｗｗｗｗ」

生徒B「これ、伝説になるだろｗｗｗｗｗ」

生徒C（なんだ…俺の見当違いだったか…最初に感じたあの気持ち…もうメリッサじゃ…満たされないぜ…）

生徒C（やはり…仮面が取れたのは…単なるミス…）

女子生徒A「うける～ｗ」

女子生徒B「聞えねーぞｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

生徒一同「ひっこめ～～～～っ！！！！！！」

キモオタ（く、くそう・・・・視線が痛い・・・みんな嘲笑ってるんだ・・・）

キモオタ（俺の容姿・・・それがすべて・・・）

キモオタ（だから仮面をつけて歌った…だのに、こんなミス・・・）

生徒A「つーか、ハガレン俺も見てたわ…」

生徒B「でもああいうナレーション言うの寒いよな」

生徒C（演奏もまちまち…特にマスクの取れたボーカルのデブ…あいつのギターは酷い…）

生徒C（極度の緊張状態に陥ってやがる…まるで小鹿…小鹿がライオンたちの前で歌っているような…そんな…）

生徒C（それどころじゃねえ…不細工の失敗を笑うこの空気…）

生徒C（まるで見世物小屋ッ！！！！！！！！！！！）

女子生徒A「これツイッター載せようｗｗｗｗｗｗｗ写メｗｗｗｗｗ」

女子生徒B「vineで動画投稿しよｗｗｗ」

腐女子「滑稽…」

生徒C（最悪の空気になっちまったじゃねえか…もう終わりだ…撤退しろ…）

生徒C（！？）

ドラマ―（最後の一曲は、これにするぜ！！！！）