バンギラス「なんじゃこりゃ」
ドンカラス「誰かと思えばバンギラスか」
ドンカラス「お前はふいうちを覚えなかったと思うが」
バンギラス「いや、たまたま通りがかっただけだ」
バンギラス「しかしなんだここは?」
ドンカラス「書いてあるとおり、ジュエルふいうちの葬式会場だよ」
ドンカラス「まず現状でノーマル以外のジュエルが入手できないこと」
ドンカラス「そして仮に悪ジュエルが入手可能になったところで」
ドンカラス「補正倍率が1.3倍に下げられている可能性が高いこと」
ドンカラス「要するに、もうジュエルふいうちは使い物にならないということだ」
バンギラス「それは分かったんだよけど」
バンギラス「ジュエル弱体化の影響は全部のタイプに平等にでるわけだろ?」
バンギラス「だったらわざわざジュエルふいうちだけ葬式せんでも……」
スカタンク「それは違うッス!!」
バンギラス「うわびっくりした!」
スカタンク「元からふいうちを使えない上に」
スカタンク「覚えてもふいうちを使いそうにないバンギラスにはわからないッス!!」
スカタンク「ただでさえ不遇だった悪タイプにとって、一致ジュエルふいうちは唯一の生命線」
スカタンク「そのワンチャンすら奪われたマイナー悪ポケの気持ちが分かるッスか!!?」
バンギラス「わかったか落ち着け、あと近い」
キリキザン「ジュエルふいうち程度しか選択肢が無い、というのも悲しい話」
キリキザン「しかし、他に選択肢があるポケモンでも、相手に強要できる読み合いが減った事実は変わらん」
キリキザン「一致ふいうち使いというだけで、ジュエル弱体化の余波は回避しきれんものだ」
グラエナ「鉢巻や命の珠で代用できるやつらはまだいいぜ?」
グラエナ「ほかの技からのコンボや、ギリギリの耐久調整が必要な奴らは」
グラエナ「悪ジュエル以外じゃまともな役割も果たせねえんだよ」
バンギラス(どんどん増えてきたな……)
アブソル「ムカつくことに、不一致のふいうち使いは一線級張ってるんだけどね」
アブソル「メガガルーラは一致ふいうち相当の火力が襷貫通で飛んでくるし」
アブソル「メガアブソルより高火力のふいうちが使えるメガクチートとかマジかふざけてやがる」
ミカルゲ「ただでさえ悪タイプの攻撃を半減するフェアリータイプが増えたというのに」
ミカルゲ「あ奴らのせいで、弱点無しという己のセールスポイントまで潰される始末だ」
バンギラス「この会場にどんだけ悪タイプ集まってんだよ」
スカタンク「フェアリータイプといえば……」
スカタンク「おいら、新しくじゃれつくを遺伝技で使えるようになったんッスよ」
スカタンク「でもふいうちは教え技限定だから両立できないッス!!」
スカタンク「ラッキーは教え技限定だった地球投げが遺伝するようになったのに、コレは酷いッス!!」
スカタンク「おいらの遺伝技にもふいうちをよこせッス!!」
バンギラス(……じゃれつく覚えたところでドラゴン潰せるわけでもないだろうに)
グラエナ「でもお前がじゃれつく使ったところでドラゴン倒せないよな」
スカタンク「」
グラエナ「まあオレも怒りの前歯とじゃれつくの両立あれば少しはマシになるしな」
グラエナ「さっさとマイチェンで教え技解禁しねーかな」
ドンカラス「ポケバンクの解禁もまだだというのに、気の遠くなる話だ」
スカタンク「そうッス、3DSなんだからアプデで習得技の変更とかくる可能性も……」
グラエナ「ないわー、素直に諦めてZでも待っとけよ」
スカタンク「ううう……割と悪とフェアリーは補完よくて優秀な組み合わせッスのに」
バンギラス「お前らも苦労してんだな」
アブソル「優秀だよね、悪とフェアリーの組み合わせ」
アブソル「それが使えて、悪タイプの中でも攻撃がトップクラスでメガシンカもできて」
アブソル「なのに何だろうね、私のこの扱い」
アブソル「ふふふ……そういえばアイツも悪とフェアリーの範囲で得してるのかそうかそうか」
キリキザン「おい、アブソルが変な世界に入ってるぞ誰か止めろ」
ミカルゲ「そういう自分が止めにはいればいいのではないか?」
スカタンク「アブソルも昔はクチートと仲良かったッスのに……」
グラエナ「社会格差って残酷だよな」
バンギラス「なんか暗い話ばっかりだな……」
ドンカラス「葬式会場と名乗るだけはあるということさ」
バンギラス「まあ悪タイプ自体落ち目だしな、仕方ない」
スカタンク「あんたが言っても説得力ないッスよね」
バンギラス「俺だってマリルリとクチートは普通に辛いからな!?」
ドンカラス「格闘が駆逐さているとはいえ」
ドンカラス「その分流行っているフェアリーのおかげで環境は逆風だからな」
スカタンク「鋼等倍の恩恵もあんまり感じないッスね」
スカタンク「抜群取れてもギルガルドもメタグロスも硬すぎて沈まないッスから」
キリキザン「ポケバンク解禁後にはラティオスが環境に帰ってくる」
キリキザン「我々の仕事はそれからだ」
グラエナ「火力下がったわフェアリーの起点にされるわロクな目に遭いそうにないのに」
グラエナ「本当にラティオスが戻ってくるのかよ?」
ミカルゲ「それよりヒードランが環境に戻ってくることによって」
ミカルゲ「対策としてチョッキブシンが増殖する方が我々にとっては危ないと思うのだが」
スカタンク「……やっぱりじゃれつくが必要なんじゃないッスかぁ」
グラエナ「それでローブシンを相手にするのも見るからに無理臭いけどな」
バンギラス「そこは素直にクレセリアに任せようや」
スカタンク「みんながみんな、あんたみたいなガチパ常連だと思うなッスよ!!?」
キリキザン「そういえばクレセリア狩りの仕事もあったな」
キリキザン「火力の下がっためざパ炎など恐れるに足りぬ」
キリキザン「一貫性の上がったはたき落とすで一ひねりよ」
グラエナ「いやいやいや、物理悪じゃクレセリアの相手は基本無理だから」
スカタンク「まさかクレセリアまでフェアリーにはならないッスよね……?」
ドンカラス「ゲフリもそこまで愚かではあるまい」
グラエナ「でも強ポケを更にプッシュするの大好きだぜあいつら」
スカタンク「はぁ……ラティオスとシャンデラだらけの第5世代が懐かしいッス」
スカタンク「あの頃に戻りたいッス」
グラエナ「でもお前、壁張りラティや回避シャンデラで詰んでたじゃん」
スカタンク「そ、それとこれとは話が別ッスよ!!」
グラエナ「まあ、物理竜とかを前歯ふいうちで狩るのは確かに気持ちよかったわ」
ドンカラス「過ぎ去った時代を懐かしんでも仕方あるまい」
キリキザン「新しい時代に合った戦い方をおのおの見つければよいのだ」
アブソル「そうよ、私だってクレッフィ潰しならそこそこ活躍できるんだから」
バンギラス「えーっと、綺麗にまとまった感じ?」
ミカルゲ「問題は何も解決しておらんがな」
ドンカラス「仕方あるまい、ない物ねだりしても結果は変わらん」
ドンカラス「ジュエルは高火力環境の規制の犠牲になったのだ」
キリキザン「だが、我々はその犠牲を糧に更なる高みを目指すのだ」
グラエナ「不遇の壁を打ち破って、環境のどてっ腹に風穴を開けろ!!」
スカタンク「明日の勝利を目指して、おいらもやるッスよ!!」
アブソル「ごめん、私男子のこうゆうノリついていけない」
ミカルゲ「気にするな、己もだ」
おしまい
このSSまとめへのコメント
ゴローニャ「お前達の気持ちはよくわかる」