澪田「蜜柑ちゃーん!あーそーぼ!」罪木「ええ!?」 (13)

※澪罪注意

澪田「あれれ? もしかして困っちゃった?」

罪木「え、えーっと……そのぉ、あのぉ……あんまり、そうやって声をかけられたことがなくて、何をしていいのか……」

澪田「……ふむ、なるほど」

罪木「ご、ごめんなさい……それに、私と遊んでも、きっとつまんないでしょうし……」

澪田「むっ……今の発言、唯吹の五臓六腑を刺激したっす……!」

罪木「はわぁ!? どういうことですか!? ご、ごめんなさい!!」

澪田「こうなったら、唯吹のやることはただ1つ! 蜜柑ちゃんに楽しいって言わせるように、全力で一緒に遊ぶっす!! カモン! 蜜柑ちゃーん!!」

罪木「ちょ、え!? う、腕がとれちゃいますから~!!」

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―スナハマ―

澪田「ふぅ……というわけで、到着っすね!!」

罪木「こ、ここで……何をするんですかぁ?」

澪田「くっくっく……砂浜で!! ……残念なことに、女女2人!」

罪木「じょ、じょじょ?」

澪田「こうなったら、蜜柑ちゃん!! あなたなら何をしますか!?」

罪木「え……? えと、えとえと、あのぉ……う~ん……あ、私を埋めて遊びますか?」

澪田「へ?」

罪木「み、皆楽しそうな顔をしてくれるんです……ピンポン玉とかあったら、ウミガメのものまねなんかも……」

澪田「あー、やっぱりヤメ! 砂浜で遊ぶのは唯吹のミスチョイスだったかもっすね~」

罪木「う? な、なんでですか?」

澪田「よし、せっかくのおデート、これは誘った側が、誘われた側をエスコートしてやるべきっすよね。唯吹がエスコートするっす!! 蜜柑ちゃん、来て!!」

罪木「ちょ、ちょっと? え? きゃあ!!」

―トショカン―

罪木「うゆぅ……あの、ここで」

澪田「しーっ!! ここは図書館だから、静かにしないとダメっすよ! ほら、あそこで読書してる人もいるし……」

左右田「…………」

罪木「ふ、ふえぇ、本当ですねぇ」

澪田「さて、それじゃあ、何か読みますか? あ、コレとかどうっすか?」

罪木「あ、澪田さんも、こういう本好きなんですか?」

澪田「そうっすねー、なんか、骨ってイカしてる感じするっす!」

罪木「ほ、本当ですかぁ? 私も骨、大好きなんですよぉ、えへへ、嬉しいなぁ……」

澪田「よし、決めた。今度の曲は骨の歌にするっす!」

罪木「ほ、骨の歌?」

澪田「サビは、そうっすねぇ……『骨の髄までしゃぶりつくす』とか、そんな感じの雰囲気で……んー、色々とアイデアがさえわたりますなぁ……」

罪木「そ、そうなんですかぁ……?」

澪田「うん! 蜜柑ちゃんと一緒にいるからね!」

罪木「……え?」

左右田「だーっ!! もううっせーってのお前らさっきからベラベラとよぉ!!」

罪木「ひぃっ!!」

澪田「ちょっと和一ちゃん! 蜜柑ちゃん大きい声だすから怖がっちゃってるじゃないですか!!」

左右田「確かにそれは悪かったかもしれねぇけど、俺は集中したいの! わかる?」

澪田「……まあ、ここが何たる場所かを考えればわかりますけど、和一ちゃんが集中? なんで?」

左右田「そ、それは別に何でもいいだろうが!」

罪木「うええ……ごめんなさい……」

澪田「あーあ、蜜柑ちゃんなーかしたー。ソニアちゃんに言うてやろー」

左右田「お、おまっ、そのチョイスだけはやめろっての!」

澪田「蜜柑ちゃんごめんね! 唯吹のチョイスミスっす! 第一に、ここじゃあ遊べません!」

罪木「うう……ぐすん」

左右田「……………………」

左右田「……アイツ、マジで言うのかなぁ……? 嫌だなぁ……」

左右田「せっかくこの、『外国女性の落とし方』ってやつで勉強しようと思ったのによ……」

ソニア「……? 左右田さん? 何を読んでいらっしゃるんですか?」

左右田「え、ソニアさん!? いつの間に?」

ソニア「先ほど……泣いてる罪木さんと澪田さんとすれ違いましたが……」

左右田(……セーフ)

―ライブハウス―

澪田「ふぅ……ここなら、たぶん大丈夫っすね!」

罪木「そ、そうですね……」

澪田「……ここ来ると、何か唯吹、昔の事を思い出しちゃうんっすよ」

罪木「……え?」

澪田「いや、その……まあ、昔の事って言っても、バンド解散する前の……ことで……」

罪木「…………」

澪田「唯吹、自分の音楽の限界って言うのを知りたくて、それでがむしゃらに頑張って……いつの間にか、【超高校級の軽音部】なんかになってて……」

罪木「いつの、まにか……」

澪田「まあ、そんな事言ってても、やっぱり皆といたときも、楽しかったなあって思い返すときがあって……ちょっとセンチになっちゃたりするんすよね。誰かと遊びたいなーって。そんなとき、ふと唯吹の頭に、蜜柑ちゃんの顔があらわれたんっすよ」

罪木「私……ですか?」

澪田「覚えてる? 初めて……じゃないらしいっすけど、初めてロケットパンチマーケットでした会話……」

罪木「えと……うゆぅ、ごめんなさい」

澪田「……唯吹、いろんな人にあいさつしてきたけど、初めてあんな顔されたんっすよねぇ」

罪木「そ、そんなに変な顔……でした? ぶ、不細工でごめんなさい……」

澪田「いや、そういう訳じゃないんっすよ?」

(澪田「澪田唯吹の澪に、澪田唯吹の田に、澪田唯吹の唯に、澪田唯吹の吹で……澪田唯吹でーす!!」

罪木「……あ、あわわ……」

澪田「よろしくっすー……って、アレ? もしもーし、大丈夫っすか?」

罪木「……う、うぅ……」

澪田「ガビーン!! な、なんで泣くんすか? お腹痛い? どこか痛いの?」

罪木「いえ、そういうわけじゃなくて……嬉しくて……つい、涙が……」

澪田「う、嬉しい?」

罪木「はい……こうやって、私に声をかけてくれる人……初めてでぇ……とっても……とっても嬉しいですぅ……うぅ、ぐすっ」)

罪木「はわわ……今思い返すと、恥ずかしいですね……」

澪田「何か、唯吹思ったんっすよ。この子のような子の笑顔がみたい! って。それをさせてくれるのが、きっと唯吹のやってる、音楽なんだって……でも、この前ここでライブしたときは、蜜柑ちゃん、ニコニコって言うより、びっくりって感じで……ふふっ、何か悔しいような、新しい蜜柑ちゃんに驚いたというか……冬彦ちゃんも戻ってきてくれたし……あの時は本当、嬉しかったなぁ……それが音楽にも出てたらよかったんすけど、唯吹もまだまだっすねぇ……」

罪木「……えと、その……なんていったらいいのかわかりませんけど……ありがとうございます……」

澪田「……へ?」

罪木「あのあの、私、あんまり普通に人と話したことなくて……あれが、本当に初めて、私を対等に見てくれる人との会話だったというかぁ……そんな感じだったんです」

澪田「……ふむふむ」

罪木「だからですね、その、ですね……すごくうれしくて、ですね? ……何か、気が付いたら涙が……って感じでした……でも、澪田さんが、私の事、いっぱいいっぱい考えてくれてたって言うの聞いて……ああ、お友達ってこんな感じなのかな、いいなあって……心の底から思いました」

澪田「でも、もう唯吹たち、ずっと前から友達っすよ?」

罪木「いえ! でもやっぱり私……ちゃんと、澪田さんに伝えたいんです……」

澪田「?」

罪木「わ、私と……お、お友達になって……くれますか……?」

澪田「…………ふふっ、当たり前じゃないっすか!」

罪木「……!!」

澪田「あ、またないちゃった? 蜜柑ちゃん、また泣いちゃったんっすか?」

罪木「うぅ……ぐすっ……すごく……すごく嬉しいですぅ……!」

澪田「よしよし、まあそれよりも前……とはいっても数日前くらいっすけど……唯吹は蜜柑ちゃんとはずっと友達だと思ってたんで、何か再確認って感じっすねぇ」

罪木「えへへ……そうなんですか?」

澪田「よーっし! じゃあここに、唯吹と蜜柑ちゃんの間で同盟組むっす!」

罪木「ど、同盟?」

澪田「唯吹か蜜柑ちゃん……どちらかが苦しい目に遭ってたら、必ずそばにいて助けてあげること! それだけっす。まあ友達としては当然、かもしれないっすけどね!」

罪木「……わかりました。何があっても……苦しんでる澪田さんを……助け出して見せますからね!!」

―数日後、ライブハウス―

澪田「どうかなさりましたか? 罪木さん?」

罪木「いえ、何でもありませんよ? ……ただ、少し困った事態になってしまって……」

澪田「困った……? それは大変ですね! お友達として、私が何とかしてみせます!」

罪木(……この約束だけは、貴方はそんな状態でも覚えていてくれるんですね……嬉しいです……でも……ダメ)

罪木(……もう、遅い……)

罪木「そのあたりに、何かあるのが見えませんか? そこのステージの……」

澪田「ステージ? ええと、ステージ、ステージ……」

罪木「一度ならず、二度までも……」

グッ

澪田「うっ……!? がっ……あっ……」

罪木「嘘をついて……ごめんなさい」

ガチャッ

西園寺「ええと……鏡って……っ!?」

罪木「…………」

―END―

最近ロンパss減ってきててさみしいので、短いですが投下させていただきました。

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