「僕は考古学者なんだが気が付いたら仲間とはぐれていた。」 (8)

__某日、某所。

緑の生い茂る熱帯林に、彼はいた。

「...ここは、どこだ。」

迷った。まず思ったのがそれだ。

その男は考古学者であり、今回はガイドを引き連れての遺跡調査へ向かうところだった。

だが、途中で珍しい昆虫を見つけては子供の様に其方に行き、案の定護衛の兵、そしてガイド。考古学者仲間とはぐれたのだ。

「オーケー、僕はタカクラ。タカクラ・アキオ。日本人。24歳。彼女イナイ=年齢。ドーテー...。」

頭を抱え、確認するようにぶつぶつと独り言を吐いた。


「マジかよ。クソだな...。」


その場に蹲るように崩れ落ち、彼は嘆いた。自分の好奇心を怨んだ。






◆初SS。書き溜め無し。学校にてふと思いついたことを思い出しながらなので、更新ペースは遅めです。矛盾点や、実際そうじゃねぇだろみたいなトンデモ展開がありますと思いますがご了承ください。雑談等は御自由にどうぞ。





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どれぐらいそうしていただろうか。やっと起き上がり、周りを見回す。

木々に囲まれ、アキオは完全に元来た道を見失っていた。

「...ハハ、死ぬ?ゴメンだ!こんなトコで!!何の発見もなく!あーっクソッ!!」

地面を蹴り上げては地団太を踏み、ずかずかと枝を掻き分けるように道なき道を進んでいく。

「進んでりゃどっかに出る。地球は丸い!宇宙飛行士もそう言ってた...。」

普段運動もしないアキオは、すぐに息を切らす。

「ハァーッ、ハァー...。ま、まだか...。」

まだ歩き始めて十分しか経っていない。情けない。

と、思いがちだろうが、実際この密林は暑い。故にインドアなアキオには二倍辛いのだ。

「...水...。」

背に抱えた大きいバッグを下ろし、手頃な岩に座り水分補給をする。

「...。」

水筒を口から離し、ふぅと息をつく。

彼は今、これまでにない焦りと不安を感じていた。

「嘆いても仕方ねぇ...。行くか...。」

死んだ鮪の様な目をしつつ、ふらりふらりと歩いて行った。





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__二日後、密林。


「ァ...うゥ...。」

最早水はない。携帯食料も尽きた。こんな事態を予想するほど賢くなかった彼は、二日でもう死にかけだ。

(((...死ぬのかな...。)))

足取りは重く、彼はもう足が棒の様に感じただろう。

何も考えず、ただただ歩き続けた。一歩一歩、ゆっくりと。

そして、地面でぺきっと枝が折れる乾いた音が鳴った。

「う...おォッ!?」

その瞬間アキオの足は縄に絡め取られて、そのまま逆さ宙吊りの状態となった。

「なっ、んだよコレ!アァーッ!?クソがァ!!」

ばたばたともがくが、空腹などですっかり力の湧かないアキオはすぐにぐったりとなった。

頭に血液がのぼっていき、だんだん彼の意識は___薄____て____


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「ワナ、カカッタ。」

「サル?」

「ニンゲン、カモ。」

「モッテ、イコウ。」

「ソダネ。」

薄い褐色肌の男女が会話する。

女の方は、ちゃんとした公共の場であれば補導されそうなほど布の少ない衣服(?)を纏っていた。

男はと言うと、腰に革を巻いただけのような恰好だった。

彼らはアキオを抱えると、傷付けぬ様注意を払いながら、運んでいった。

晩御飯なので席を外します。
ゆっくりぐだぐだ投下ですので、見てくれている方は気長に待っていただけると有難いです。
また書き始めるかもしれませんが、今日はこのまま就寝するかもしれませんので、その時は明日投下していくつもりです。

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