利根川「そうだ・・・・・このボタンを押すと、暗黒の空間へワープする・・・そして、そこで五億年過ごしてもらうっ・・・・・・!」
カイジ「ふざけるなっ・・・何が五億年だっ・・・!そんなの無理に決まってる・・まず考えられるのが餓死だ・・・五億年も食わず飲まずなんて餓死するに決まってるだろ・・・!」
利根川「ククク・・・その心配は無い・・・その世界では五億年でも十億年でも、いつまでも食わず飲まずでいられる・・・心配するな・・・!」
カイジ「・・・・・なるほど・・・」
カイジ(って、何納得してんだ・・・五億年も長生きできる人間なんて見たことも聞いたこともねえっ・・・)
利根川「ククク・・・カイジ君、安心したまえ。その世界ではいつまでも生きる事ができるのだよ・・・」
カイジ「何っ・・・・・・・!?」
利根川「ただし、その世界は本当に何も無い・・・お前の好きなギャンブルも、暇潰しになるゲーム、パソコン、テレビ、漫画、アニメ・・・それにビールや焼き鳥等のカイジの好物も五億年間、無しだ・・・」
カイジ「うっ・・・・!」ざわ...ざわ...
利根川「だが、このボタンは悪い事ばかりじゃない・・・」
カイジ「え・・・?」
利根川「カイジ君がこのボタンを押し、五億年耐えた後この世に戻ってくるとき・・・・・・五億年過ごした事の記憶は綺麗に消えるっ・・・・!」
カイジ「記憶が消える・・・・!?」
利根川「さらに、このボタンを押し・・・五億年という長い時を過ぎ・・・この世に戻って来た時・・・カイジ君は100万円を受けとる事ができる・・・・!」
カイジ「ひゃ、百万っ・・・・!?」
立木「今、カイジの脳裏に流れる悪魔の囁きっ・・・!それは、『少しやってみたい』とカイジに思わせる様な、悪魔染みた悪魔の、悪魔的思考っ・・・・!」
立木「カイジは、必死に悪魔を振り払ったっ・・・!懸命に振り払ったっ・・・・!がっ・・・!」
カイジ(ボタンを押すだけで百万・・・・百万・・・・・!!!!)
カイジ(百万って・・・俺みたいなニートにとっては超大金・・・・!想像したこともない大金がボタンを押すだけで手に入るだとっ・・・!?)
カイジ(だけど・・・・五億年って・・・・五億年って・・・!!)
カイジ(そんなの耐えられそうにない・・・普通の人間なら一年で発狂しちまうだろう・・・)
カイジ(くそっ・・・!どうすりゃいいんだよっ・・・!)
立木「そして、カイジ、決断っ・・・・!!」
カイジ「利根川・・・・・・・」
利根川「ん・・・・?」
カイジ「やらせてくれっ・・・そのゲームっ・・・・!!」
利根川「おやおや・・・本当にやるのかい・・・・?」
カイジ「ああっ・・・・男に二言は無いっ・・・・!!」
利根川「いや・・・私から勧めておいて難なんだが・・・・五億年だぞ・・・・?本当にやるのか・・・?」
兵藤「よいではないか・・・・・!」
利根川「会長っ・・・!」
兵藤「いいからさっさとカイジ君にやらせてあげなさいっ・・・!カイジ君の気が変わらないうちにな・・・・!!」
利根川「は、はい・・・わかりました・・・」
利根川「では・・・・このボタンを押せ・・・」
カイジ「おうっ・・・・!!」
ポチッ
カイジ「やったっ・・・!百万円だっ・・・・!!」
利根川「カカカ・・・・!!良かったじゃないか・・・!」
カイジ「押しても何も無かったし、本当にボタンを押すだけで百万円が手に入った・・!!」
利根川「そうだろ・・・・?」
カイジ「やったっ・・・!」
立木「カイジは知らないっ・・・!!五億年間ずっと暗い所にいたことをっ・・・!」
五億年前
カイジ「・・・・・ここはどこだ・・・・・・・・・・・・?」
立木「カイジの目の前に広がった光景っ・・・!それは闇っ・・・・・!!どこまでも光が見えない深い深い圧倒的闇っ・・・・!」
カイジ「ずいぶん広いな・・・ここ・・・・・」
カイジ「ていうか、本当にここで五億年過ごすのか・・・・」
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