カイジ「異世界から問題児が来るようです……だと?」(15)

和也とのギャンブルから三カ月

伊藤カイジは暇を持て余していた

ワンポーカーに勝利したカイジは得た……20億!

これにより安泰……カイジは一生働かずとも食べていける生活を確保

むしろ、豪遊し放題

女……酒……何でも手に入る

超金持ち……超超超金持ち……億万長者……!

生涯ニート……一生遊び放題……圧倒的カーニバル!

だがカイジ……その生活に徐々に飽きる!

身に余る大金を持ちながら、以前のようなギャンブルを再び望む

混じりっ気のないギャンブルジャンキー

しかしその反面、大金があるため命懸けのギャンブルをする踏ん切りがつかないという思いから、大勝負に出ることができない

ジレンマ……結果、カイジは今日も数枚の万札も財布に入れてパチンコ屋に足を向けていた

負けてもリスクのない小博打で気分を紛らわす

大金を手にしたにも関わらず、以前とあまり変わらない生活

これでは何が何やら分からない

「あ……?」

家に帰ったカイジが目にしたのは、郵便受けに入った手紙

ここまでなら普通……高級感はあるが、何か異常というわけではない

しかし、内容……これが意味不明

《悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの箱庭に来られたし》

「何だ、これ……?」

カイジ、困惑……!

訳の分からない文章に困惑

宗教の勧誘か……とでも思ったその時

突然、体が空中に投げ出された!

圧倒的、オカルト……理解不能な現象

「ああ、ああ、ああああああ……!」

上空4000mからの落下

未知の体験……パラシュートなしのスカイダイビング

「死ぬ、死んじまう」

カイジ泣く……!

ボロボロと涙を流す

そこで目に入る……3人の少年少女

「助けて、誰もいいから助けてください」

平泳ぎのように手足を動かしあえぐ!

「金なら、金なら払いますから!」

カイジ、懇願……!

が……駄目!

あの3人もカイジと同じく手紙を受け取って投げ出された者たち

この状況でカイジを助けるなど不可能!

「嫌だ、死にたくない」

カイジ、再び泣く!

「せっかく億万長者になれたのに、こんなところで」

泣く、泣く……圧倒的涙!

「悔い改めます神様……パチンコはもうしません。ちゃんと働きます……社会に貢献します」

神頼み……!

カイジ、涙を流しながら神に祈る

「持ち金の3割、いや半分募金します……世界で困っている人を助けるのに使います」

祈る、祈る、祈る……!

「だから助けて、助けてください、お願いします」

圧倒的祈り……!

そのまま落下……!

地面に激突しカイジ死亡……とはならず

落下地点に湖

ずぶ濡れになりながらもカイジ生存!

「やった、生き残り! やはり俺は強運! ツイてる……!」

実は落下途中に水の膜が何枚か用意してあり、落下で死ぬことなどあり得ないのだがカイジは気づかない

仮に気づいても、空中に水の膜を張るなどという非科学的な現象をカイジは受け入れることができない

「落ちてない、俺のツキ!」

カイジ……ガッツポーズ!

「信じられないわ! 問答無用で引きずり込んだ挙句空に放り出すなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃあれでゲームオーバーだぜ」

「三毛猫、大丈夫?」

共に落下した3人が怒る

カイジもそれに同意

(確かに、殺されかけたも同然……にしてもどうやって、こんなことを)

まるで一瞬のうちに空中に移動したような現象……まるで特殊な力を用いて移動されられたかのよう

(ねぇ! そんなオカルトあり得ねえ!)

だが、カイジはそれを否定

圧倒的SOA……!

(おそらくはあの手紙を受け取った直後、薬物で眠らされ、その後拉致されジェット機か何かから放り出された)

カイジ、あくまでこの現象をワープと認めない

的外れな理論を組み立てる

そして思い出す……手紙、その一文にあった言葉

《その才能を試すことを望むのならば、己の家族を、友人、財産を、世界の全てを捨て、我らの箱庭に来られたし》

財産……すなわちこれはカイジの持つ大金

それを捨てる……つまり

「あ、あああああ、嵌められた……奴らの狙いは俺の金!」

約24億の現金の強奪……それが誘拐犯の目的と推測……!

「がっがっが……!」

カイジ、呻く!

「何で、どうしてこんな」

ボロボロ……カイジ三度泣く

「あ……待てよ」

閃き……圧倒的閃き

「俺はまだ契約書にサインしてねえ!」

つまり無効……財産を渡す必要なし!

「やった、無事だ……俺の金……24億!」

嬉しい……嬉しい……嬉しい!

嬉しさのあまり、カイジ跳ねる!

圧倒的ジャンプ!

ホップ……!

ステップ……!

そして再び……ジャンプ!

傍から見れば異常な行動……醜態

「いや待て、そうとも限らない」

億単位の金を銀行に貯金することは到底不可能であるため、カイジは家の金庫に金を入れていた

「まずい、奪われる!」

いきなり人を拉致するような連中なら家の鍵を壊して侵入し、金庫を持ち出すぐらいのことは平気でやってのける

「がぁぁぁぁぁぁ!!!」

カイジ、咆哮!

「がっがっがっが!」

地団駄を踏む!

またしても醜態……圧倒的醜態!

「やばい、やばい、やばい……!」

元より非合法な手段、ギャンブルで手に入れた金

奪われたところで警察に駆け込むこともできない

盗まれれば泣き寝入りをするしかない金!

「ざっけんな、俺の金だ! 他の奴にはびた一文やらねえ!」

圧倒的、守銭奴!

「俺はあの金で一生ニート、働かずに過ごす……!」

ダメ人間の思考回路……!

圧倒的クズ……!

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