前スレ
真琴「先輩っ、何してるんですか?」 - SSまとめ速報
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【GF(仮)】真琴「先輩っ、何してるんですか?」 その2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415391632/)
ガールフレンド(仮)より柊真琴と俺氏の小ネタ集です。
誕生日、報酬Sレア化おめでとうございます。
思いついたことを淡々と書き連ねていきます。
トラブル回避、嫌な思いをすることを回避する為に以下のことにご留意ください。
誤字脱字、キャラに違和感等あると思います。
俺の真琴はこんな子じゃない、台詞が気持ち悪い等の考えに至りましたらブラウザバックを。
ゆっくりひっそりと進行します。
それでは、よろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416634730
【寄り道】
真琴「先輩っ、何してるんですか?」
俺「!? なんでもないよ」バッ!
真琴「? 先輩? 今、鞄に何か隠しました?」
俺「いやいやいやいや、別に何も隠してないけど?」
真琴「そうですか?」
俺「そうです。 それよりさ、この後何も用事がないならちょっと付き合ってくれない?」
真琴「どこかに寄って行くんですか?」
俺「そう。 時間がないなら良いんだけどさ」
真琴「先輩からのお誘いが最優先です! お供させてください」
俺「俺から頼んでるんだけどな。 じゃあこっち、行こうか」
真琴「はい!」
【喫茶店】
真琴「先輩、ここって?」
俺「俺がよく来る喫茶店。 ほら、珈琲をブラックで飲みたいって言ってたから。 いろんなところの珈琲を飲んでみたらどうかなって思って。 ここのは本当に美味しいんだ」
真琴「そうなんですか?」
俺「好みの問題だから合わないかもしれないけど。 あっ、もちろん誘ったんだからここのお代は俺が払うよ」
真琴「そんな、悪いですよ!」
俺「いいんだって、付き合わせちゃってるんだから。 本当に、今日はスパーンと全部出すから好きなの頼んで。 すみません、ひとまずキリマンジャロ。 彼女は後でお願い出来ますか?」
真琴「わ、わ、えーっと、私はこのエスプレッソで!」
俺「ちょ!?」
店員「? キリマンジャロとエスプレッソでよろしいですか?」
真琴「はい、お願いします!」
【エスプレッソ】
俺「何故にエスプレッソ?」
真琴「前はカフェオレだったじゃないですか? いろんなのを飲んでみたいと思ったので名前だけ知ってたエスプレッソを頼んでみました!」
俺「……飲むの?」
真琴「もちろんです! 何事も挑戦! 先輩がご馳走してくださるんですから、絶対に飲みます」
店員「お待たせいたしました。 キリマンジャロとエスプレッソです。 では、ごゆっくりお過ごしください」
真琴「……」
俺「……」
真琴「小さい……ですね?」
俺「それがちゃんとしたサイズだから」
真琴「そうなんですか? 珈琲にもいろいろとあるんですね~」
俺「まあ、そうね」
真琴「では先輩、いただきます」
俺「いきなり!? 少しずつゆっくり飲む方が……」
真琴「」
俺「あーあ」
真琴「うぇぇぇぇ」
俺「ほら、ミルク入れな」スッ
【誕生日】
真琴「なんですか、あの苦さ!」
俺「あれはああいうものなの。 そのままいくもよし、ミルクを入れたり砂糖を溶け残るくらい入れて飲んだりするもよし。 いろんな飲み方があるんだって」
真琴「びっくりしました、本当に」
俺「慣れると美味しいんだけどな」
真琴「私にはまだ早いです」
俺「そっか」
真琴「……」
俺「……」
真琴「あの……聞いてもいいですか?」
俺「どうぞ?」
真琴「どうして今日は急に奢りだーなんて言ったんですか? いつもは半々だったり別々で払うのに」
俺「……」
真琴「先輩、もしかして私のーー」
俺「はい、これ」スッ
真琴「? これは?」
俺「プレゼント。 今日は誕生日だろ?」
真琴「えっ!?」
俺「色々とシミュレーションしてたんだけど、奢りにこだわってばれたかー。 なかなか上手くいかないな」
真琴「……開けても、良いですか?」
俺「ここで? かさばっても良いならどうぞ」
ガサガサ
真琴「あっ、エプロン……」
俺「面白みもなくてごめんな。 調理器具とかも考えたんだけど、素人には何が良くて何がダメかわからなくて。 どうしようか困ってる時に機能性エプロンってPOPを見てさ」
俺「エプロンならいくらあっても困らないなと思って。 本当に捻りもなくて申し訳ない」
真琴「そんな! 私、すごく嬉しいです。 これからはこれを使わせていただきます」
俺「そうしてくれると嬉しい。 柊、誕生日おめでとう」
真琴「ありがとうございます、先輩!!」
真琴「先輩が私の誕生日を覚えててくれて、喫茶店デートもして。 プレゼントも貰えるなんて……夢みたいです」
真琴「本当に、ありがとうございます」グスッ
【着信音】
真琴「先輩っ、何してるんですか?」
俺「新しく携帯の着信音を用意したからさ、設定変更を」
真琴「先輩って登録してる人それぞれに着信音を設定してるんですか?」
俺「よくメールするやつだけな。 ある程度その人のイメージに合わせて設定してみたりしてさ」
真琴「先輩、マメですね~」
俺「自分でもそう思うけどさ、性分だから仕方ないと思うことにしたよ」
真琴「でも、外出時はマナーモードですよね? なかなか聴く機会がないんじゃないですか?」
俺「そうなんだけどさ、そこは気分で変えてるよ。 家ではマナーモードも解除してるし」
【個別着信音】
真琴「じゃあ先輩? 私からの着信の時の設定ってどうなってるんですか?」
俺「うぇ!?」
真琴「……うえ?」
俺「なんでもないなんでもない、気にしないで」
真琴「はい、気にしません。 ですが、私の着信音設定は何が何でも聞きたくなりました」
俺「」
真琴「先輩、設定画面を見せてください」
俺「……どうぞ」
真琴「えーっと? ……3分クッキングのテーマ?」
俺「そうです」
真琴「どうしてまたこれなんですか?」
俺「柊のイメージとしてドジっ子とお菓子作りってのがあったからそこから選んで、笑点のテーマと3分クッキングのテーマの2択に」
真琴「笑点……」
俺「流石に笑点はないなって思って3分クッキングを。 どっちもネタで携帯に入れたけど使い出したら意外としっくりきてさ……」
真琴「先輩……」
俺「何これ? 何で着信音の話題から柊のイメージの暴露になってんの? なんか凄く恥ずかしいんですが!」
【イヤホンをしてても】
真琴「着信音と言えばですよ先輩?」
俺「その話題まだ続くの?」
真琴「大丈夫ですよ、今度は私の失敗談ですから」
俺「……続けて?」
真琴「私、最近スマホに機種変更したじゃないですか?」
俺「うん」
真琴「とりあえずアドレス移行を済ませて、先輩みたいに何人かに個別着信音を設定してたんですよ。 マックで」
俺「うん」
真琴「イヤホンをつけて、とりあえずデフォルトで入ってる分を設定画面で聴いてたんですよ。 どんなのがあるのかなーって」
俺「デフォルトって言ったら、ガチャガチャガチャ……チーン! とか、犬の鳴き声とかの?」
真琴「そう、それです。 マナーモードにしてたしイヤホンもしてたしで、上から順番に全部聴いて設定したんですよ」
俺「うん」
真琴「で、イヤホンを外したら皆がこっちを見てるんですね? なんでかな~って思ってたら友達が『全部聴こえてたよ?』って笑いながら言うんですよ!」
俺「あー、そっか。 確かに設定画面で着信音再生するとマナーモードでイヤホンつけてても普通にスピーカーから鳴ってたな」
真琴「私もう恥ずかしくて! 店内でイヤホンしながらもスピーカーからグワッグワッ! とかピョコピョコとかコミカルな音を鳴らしてたと思うと!」
俺「いや、あれはドジとかじゃなくて誰もが通る登竜門だって」
真琴「それを皆が見てる前でやっちゃったのが恥ずかしいんですよ! しばらく同じお店に行けませんでしたもん!」
【イベント】
真琴「先輩っ、何してるん……ですか?」
俺「これ? なんか次の行事で使うとかで大量発注かけたみたい。 ひとまず倉庫に運ぶんだってよ?」
真琴「バランスボールですか?」
俺「そう。 何処の誰が決めたかは知らないけど、来週はトレーニング週間なんだって。 トレーニングルームを解放して、体育館ではバランスボールやヨガ、縄跳びなんかをするらしい」
真琴「紅葉狩りの次はトレーニングですか」
俺「プールまで開放して結構本格的にするらしい。 つくづくよく分からない学校だなとか思った?」
真琴「……少しだけ」
【移動】
俺「ほい、運び屋はおしまい」
真琴「お疲れ様です、先輩」
俺「未開封のバランスボールだからそこまで大変じゃなかったけどな。 そうだ!」
真琴「どうしました?」
俺「ちょっと体育館行かない? もうだいぶ準備も済んでるらしいし」
真琴「入っちゃっても良いんですか?」
俺「ひと仕事したし、文句も言われないと思う」
真琴「わかりました」
俺「よっしゃ、行ってみよう」
………
……
…
真琴「うわ~、縄跳びにマットにバランスボール。 あっ、ダンベルなんかもありますね!」
俺「とにかく片っ端から集めたんだろうな。 未だにいまいちこの企画の目的がわからないけど」
俺「何かやってみる?」
真琴「でも、流石にそれは怒られませんか?」
俺「ネタバラシをすると、運んだお礼は皆より一足先にトレーニングしてもいいって話だったんだ。 あ、もちろん体育館のやつ限定で」
真琴「そうなんですか?」
俺「なんでもトレーニングルームの器具に関しては監督者の有無がどーのこーのって話でだめだった」
【バランスボール】
真琴「じゃあ、バランスボールを」
俺「はいよ。 補助はいる?」
真琴「補助?」
俺「ボールが動かないように抑えてたり」
真琴「大丈夫ですよ~。 じゃあ、やってみます」
真琴「まずはボールに座って、手を広げて……」
俺「見てて危なっかしすぎる」
真琴「だ、大丈夫です。 で、足を床から離してバランスをって、わわ!」
俺「おっと」ガシッ!
真琴「あっ、ありがとうございます。 危うく転ぶところでしたよ」
俺「どういたしまして」
【これは良いものです】
真琴「もう大丈夫ですよ、先輩?」
俺「おっと、スマン」
真琴「なんで先輩が謝るんですか?」フフッ
俺「いや、なんとなく?」
真琴「なんですか、それー。 ……それにしても、バランスボールって難しいですね」
俺「そうみたいね、パッと見た限り」
真琴「でもサッと先輩が助けてくれて……」
俺「そりゃずっと見てたからさ」
真琴「……」
俺「どした?」
真琴「バランスボールって、良いものですね!」
俺「お気に召したなら良かったよ」
【屋上】
真琴「先輩っ、何してるんですか?」
俺「今日は省エネモードです」
真琴「はい?」
俺「ようするに、特に何もすることなくぼーっと空でも眺めてようかと」
真琴「それで屋上に?」
俺「屋上のベンチで手元にはホットの缶コーヒー、誰もいないから人目も気にせず横になって。 こんな至福の時間他にはないね」
真琴「もうだいぶ寒いですからね。 お昼休みとかでも屋上には誰も来ませんし」
俺「寒さの代償に屋上独り占めかー。 そう考えると冬もいいなぁ」
【屋上 その2】
真琴「先輩の通っていた中学校って、屋上は開放されてました?」
俺「いや、鍵で施錠されてた」
真琴「私の所もそうでしたよ。 屋上での語らいとかは漫画やドラマの中でしか見たことがなかったですね」
俺「まぁ、危ないっちゃあ危ないからなー」
真琴「ですよね」
俺「中学の頃と言えば、大掃除か何かの都合で一度だけ教師同伴で施錠されてた屋上に上がったことがあるのよ」
真琴「大掃除で、ですか?」
俺「いや、掃除だったかどうかははっきりしないけど。 とにかく屋上に上がれるってことだからさ、ワクワクしてついて行ったのよ」
真琴「やっぱり先輩も憧れがあったんですか?」
俺「男子中学生なんて物珍しいものや武勇伝に飢えてる生き物なの。 誰も行ったことない屋上なんて恰好のネタだったわけ」
俺「なんの話だっけ? ああ、屋上だ。 ワクワクしながらついて行ったのにさ、いざ鍵を開けて見えたのはびっしり生えた苔みたいな何かと埃とゴミ」
真琴「あー……」
俺「あれほど残念な気分になったのは、あの時が最強クラスだわ。 思い描いていた幻想やトキメキを丸ごと持ってかれた」
真琴「それはなんて言うか、ご愁傷様です?」
【イメージ】
真琴「先輩の屋上のイメージってどんな感じだったんですか?」
俺「サボり場所、昼飯、フェンスにもたれての語らい」
真琴「創作のイメージそのままですね。 叶ったものはあるんですか?」
俺「1人でここでサボったことは何度か」
真琴「やっぱり、理想と現実は違いますね」
俺「そんなもんだと思うことでまた大人になったよ。 っと、柊」
真琴「なんです?」
俺「少しこっちに」
真琴「? 何か面白いものでもありました?」
俺「ジャン!」
真琴「缶コーヒーですか?」
俺「ブラックと微糖を追加で買ってたんだ。 これを飲みながらフェンス越しにぼーっとしてようかと思って。 微糖は間違えただけなんだけど。 ん、微糖の方をどうぞ」
真琴「ありがとうございます」
俺「んで、語らうと。 はい、これでまた一つ理想が叶った」
真琴「相手が私で良いんですか?」
俺「柊だから良いのよ」
真琴「!? ゴホッ、ケホッケホ! 先輩!? どういう意味です今の?」
俺「あー、珈琲が美味いなー」
真琴「先輩!!」
【壁ドン】
真琴「先輩は漫画やゲームのキャラクターに影響されたことってあります?」
俺「というと?」
真琴「ほら、最近CMでもやってるじゃないですか? 『日本は漫画の国です、理想の人が漫画の登場人物...』って」
俺「あー、ダチョウトリオが熱湯風呂やってたあのカップ麺の」
真琴「先輩にとってあのCMで印象に残るのは壁ドンじゃなくてダチョウトリオさんなんですね」
俺「俺、あのCMの壁ドンの解釈嫌いなんだ。 俺の中での壁ドンってアパートとかで隣人から注意される時のやつだから」
真琴「解釈って、他の意味があるんですか?」
俺「知らない? アパートとかの集合住宅でうるさくしてると隣人から注意として壁とかを叩かれるあれ。 先に定着したのはそっちなの」
真琴「そうなんですか、知りませんでした」
俺「流行するのも良いんだけどさ、なんか釈然としないんだよなー」
【影響】
俺「壁ドン論争はひとまず置いといて、影響って?」
真琴「あっ、はい。 この前友達と話してた時の話題で出たんですが、創作キャラに憧れたり影響されたりして口癖を真似たり同じ趣味を初めたりしたって子がいまして」
俺「ほー、そいつはまた筋金入りのファンだな」
真琴「ですよね。 で、今ふと先輩はどうなのかなーって思っちゃいまして」
俺「俺はそこまでがっつり服装や口癖を真似たり、趣味やスポーツを初めたりってのはない……かな?」
真琴「先輩はそういうのないんですね~」
俺「……いや、あるわ」
真琴「えっ、あるんですか?」
俺「俺の珈琲好き、あれがそうだわ」
真琴「そうなんですか?」
【影響その2】
俺「とあるゲームのキャラクターでさ、俺が苦手とするキャラクターがいたのよ」
真琴「あっ、そのキャラクターが珈琲嫌いだったとかですか?」
俺「逆、珈琲好きの設定だった」
真琴「? なのに珈琲を飲んだんですか?」
俺「俺の嫌いなこいつが飲める珈琲を俺が飲めないってことは、俺がこいつに負けたことになるって考えたのよ」
真琴「なんですか? その理屈」
俺「そう思うよな、俺もそう思うし。 でも中学生時分の俺はその理屈で物事を考えて勝手に負けた気になったんだ。 だから、苦いって思ってた珈琲を飲み続けたんだ」
真琴「で、いつの間にか好きになっていたと?」
俺「そう」
真琴「でもそれって、結論として嫌いなキャラクターと好みがお揃いになったってことですよね?」
俺「前にも言ったと思うけど、男子中学生なんて格好いい物に目がないアホの集まりだからね。 正直に言って、俺もそこまで考えが及ばなくて飲めるようになってから気づいた」
真琴「先輩って……」
俺「言うな、自覚はしてる」
【貴女は?】
俺「そう言う柊は何かあんの?」
真琴「影響されたことですか? 私はですね、影響はされるんですがそれが長く続かないパターンですね」
俺「? というと?」
真琴「例えばですよ? とある漫画のキャラクターがサッカーを始めてそれに私が影響されました」
俺「はい」
真琴「ボールを買うか借りるか、体育の時間でもいいですね。 サッカーをやってみます」
俺「はい」
真琴「ボールが来たので蹴ります。 で、空振ります。 場合によってはそのままくるっと回って転びます」
俺「」
真琴「とあるゲームのキャラクターが喫茶店なんかでウェイトレスとして働いています」
俺「……はい」
真琴「制服が可愛いな、こういう場所に好きな人とかが唐突に来店して、ドキドキしながら注文を聞いて、そのまま徐々に進展して……みたいな感じで影響されました」
俺「はい」
真琴「実際に働いてせんp……好きな人が来店したとします」
俺「? はい」
真琴「多分注文を聞く時にドジをやらかします。 で、やっとの事で聞いた注文の品を運ぶ時に転びます。 で、相手にかけたり自分がかぶったりするでしょう」
俺「」
真琴「こんな感じで影響はされますが、実際に行動を起こす前のシミュレーションの段階で冷めます」
俺「なるほど、としか言えない」
真琴「でも、これで良かったんですよ。 ありのままの私で先輩と交流しないと意味ないですし」
俺「どうしてさ?」
真琴「そこは先輩が考えてください」
俺「……俺に都合良く勘違いするかもよ?」
真琴「多分それは都合の良い勘違いじゃないと思うのでかまいません」
俺「」
真琴「先輩? どうしました? 少し顔が赤いですよ?」
俺「まさか、柊にやり込められるとは思わなかった」
真琴「ふふっ」ニコ
【ケイドロ】
俺「トレーニング週間の次はケイドロ。 もう少し期間を開けても良いと思うんだけどな」
真琴「ですよね、私もここ最近走ってばかりの気がします」
俺「実際走り回ってばかりだしなぁ」
真琴「私も痩せることが出来ましたし、結果だけ見れば良いんですけどね」
俺「……」
真琴「……」
俺「いつからいたの!?」
真琴「最初からいましたよぅ!!」
俺「ケイサツじゃないよな?」
真琴「私もドロボウです。 というか、この格好を見ればわかるじゃないですか」
俺「ほら、そこは……様式美?」
【撹乱作戦】
真琴「でも、ここで先輩に残念なお知らせがあります」
俺「なんでしょう?」
真琴「さっき枝の間から見えましたけど、ケイサツさんが来てます」
俺「校舎裏なんて恰好の隠れ場所ってことか」
真琴「どうします?」
俺「柊、今携帯持ってる?」
真琴「持ってますけど、それが?」
俺「俺の携帯に電話かけてくれない?」
真琴「わかりました」
真琴「えーっと、はい。 かけました」
ー離れた木陰ー
?「ウワッミツカッタ!!」
?「ヒトマズグラウンドニ!! ハヤク!!」
ケイサツ「あっちから聞こえてきたぞ!」
ケイサツ「行くぞ、急げ!」
タッタッタッタ...
俺「……もう切っちゃって良いよ」
真琴「先輩、何したんですか?」
俺「昨日のうちに電話着信音をさっきのに変えて、さっき木陰に仕込んだんだ」
真琴「携帯をですか? なんというか、楽しんでますね~」
俺「どうせやるなら楽しまないと、さてと、携帯を回収してこないと」
【チョコバット?】
俺「右側、ケイサツの気配なし」
真琴「左側、ケイサツさんの気配、ありません」
俺「なんだかんだでここまで逃げ切れてたけど、そろそろここもケイサツの捜索エリアに引っかかる」
真琴「苗ちゃんの情報にすごく助けられましたね」
俺「本当に。 さて、ケイドロ終了まであと少し。 これは俺からの差し入れです。 どっちが良い?」
真琴「クッキーと、……チョコバットですか?」
俺「ひとくちクッキーとスペシャル満足バーです」
真琴「……スペシャル満足バー、いただけますか?」
俺「カロリーとか、普段気にしてるのに。 良いの?」
真琴「これだけ走り回ったんですから大丈夫ですよ、多分」
俺「まぁ、俺はどっちでも良いんだけど。 はい」
真琴「ありがとうございます。 いただきます」
俺「俺はひとくちクッキー、いただきます」
真琴「凄く美味しいです、これでまだ頑張れます!」
スーパー急接近!
俺「さあ、後少し頑張ろう」
真琴「はい」
【α地点】
俺「右側、ケイサツの気配なし」
真琴「左側、ケイサツさんの気配、ありません」
俺「さて、じゃあ飛び出すと同時に校舎の影を通って体勢を低く走る」
真琴「はい」
俺「柊は足元の確認。 さっきみたいに転ばないように」
真琴「こ、転んでません。 ちょっと躓いただけです」
俺「とにかく、注意するように」
真琴「……はい」
俺「よし、行くぞ!」
真琴「はい、行きます!」
ダダダダダ!
ケイサツ「いたぞ、こっちにドロボウだ!」
ケイサツ「応援を呼んだ、追いかけるぞ!」
真琴「!? 先輩、あっちでドロボウの子が!」
俺「……柊はそのままα地点に」
真琴「え、ちょっと先輩? 行っちゃった」
真琴「……α地点って、どこですか?」
………
……
…
俺「こっちにケイサツがいるぞ! ドロボウは来るなよ!!」
ケイサツ「!? こっちにもいたぞ」
ケイサツ「どこに隠れてたんだよ!?」
俺「ほら、そこのドロボウは逃げろ!」
ドロボウ「!」
タッタッタッタッ
ケイサツ「ああ、クソっ。 ひとまずあいつを確保だ!」
ケイサツ「おう!」
俺「あーあ、やっちゃった。 あいつら運動部じゃん。 ……撒けるかな?」
【終結】
真琴「結局捕まっちゃいましたね~」
俺「そうね」
真琴「あれから先輩はどうなったんですか?」
俺「ケイサツの気をひいてドロボウを逃がしたまでは良かったけど、運動部相手に走り負けして確保。 なんとか校舎と反対まで逃げたから目標は達成かな?」
真琴「……ならどうしてそんなにボロボロなんです?」
俺「捕まると同時に『良いカッコしやがって! アピールか?』ってな感じでフルボッコに」
真琴「……ご愁傷様です」
俺「そういう柊は?」
真琴「……木陰に隠れる寸前で転んだところを戸村先輩に確保されました」
俺「あいつ、なんて言ってた?」
真琴「御用だーって出て来たんですが、それに驚いて転んだ私を凄く心配してくれました」
俺「……だから足元の確認をしろって言ったのに」
真琴「確認したつもりだったんですけどね~」
俺「さて、あとどれくらいで終わり?」
真琴「あと……30秒ですね」
俺「あー、疲れた。 しばらく運動はいいや」
真琴「ですねー、あっ、終わったみたいです」
俺「お疲れ様」
真琴「はい、お疲れ様でした」
………
……
…
元ドロボウ「あの!」
真琴「?」
俺「ああ、あの時の。 どうだった? 逃げ切れた?」
元ドロボウ「はい! あの後ずっと隠れてたのでなんとか」
俺「そりゃ良かったよ、やった甲斐があった」
元ドロボウ「あの、本当にありがとうございました! ///」
タッタッタッタッ
俺「行っちゃった、大袈裟だなあ」
真琴「」
ドウダッタ?
スゴクキンチョウシターマダドキドキシテル!
俺「どした?」
真琴「……私ももっと頑張らないと」
俺「?」
【ドラマ】
真琴「この間やってたドラマ、私感動して泣いちゃいましたよ~」
俺「あー、なんか週末にやってたみたいね」
真琴「やってたみたいねって、先輩は見なかったんですか?」
俺「俺はあまりテレビを見ないから」
真琴「じゃあ、先輩が最後に見たドラマってなんですか?」
俺「ドラマ、ドラマ」
真琴「……」
俺「えーっと。 ……て、鉄板?」
真琴「連続テレビ小説のですか?」
俺「そう」
【ドラマ派? 原作派?】
真琴「何年前の作品でしたっけ?」
俺「4年か5年前じゃなかったかな?」
真琴「ちなみにその前だと何を見た記憶があります?」
俺「その前だと……あ、金曜ナイトドラマ枠だった時のトリックとか」
真琴「わかりました。 先輩、本当にドラマ見てないんですね~」
俺「ドラマとか映像で見るより原作本とかノベライズ版とかで活字で追う方が合ってるんだ。 こう、キャラの容姿から舞台の情景までを想像して自分の頭の中で話を展開させたい」
真琴「じゃあ、先輩は本とかいっぱい持ってるんですか?」
俺「ジャンルが偏ってるけど、それでも人並みには持ってるよ。 なんなら今度持ってこようか?」
【おたく訪問】
真琴「なら今度先輩のお勧めを持って来ていただけますか?」
俺「あいよー、適当に何冊か見繕っとくよ」
真琴「そういえば、先輩は1人暮らしですよね?」
俺「ん? そうだけど?」
真琴「先輩はどこにお住まいなんですか?」
俺「近いよ? 学校から歩いて10分くらい。 ほら、あのスーパーの近く」
真琴「そうなんですか」
俺「あれ、来たことなかったっけ?」
真琴「ええ、知りませんでした」
俺「そっか、なら良かったらまたおいで。 珈琲くらいなら出せるから」
真琴「そこはお茶じゃないんですね。 わかりました、また誘ってください」
俺「あいよ」
【おたく訪問 その2】
真琴「お邪魔しまーす」
俺「狭いし何もないとこでほんと申し訳ない。 あ、上着はクローゼットのところにハンガーがあるからそれに」
真琴「……」
俺「物珍しい?」
真琴「あ、ごめんなさい。 ここが先輩の部屋かと思うとちょっと感慨深くて」
俺「そんなたいそうな物じゃなかろうに。 ま、いいや。 暖房暖房」
真琴「……」
俺「珈琲で良いの? ああ言ったけどお茶も紅茶も出せるよ? インスタントと安物だけど」
真琴「ありがとうございます、珈琲をいただけますか?」
俺「あいよ、ちょっと待っててねー」
真琴「……ここが先輩の部屋。 ふふっ」
【ぐでーん】
真琴「せんぱ~い?」
俺「んー?」
真琴「炬燵に珈琲って合ってるんですかね~?」
俺「人によっては違和感を感じるかもしれないけど、俺はいつもこのスタイルだから気にしないなー」
真琴「せんぱ~い?」
俺「なにさー」
真琴「さっき赤外線ヒーターを引っ張り出してましたけど、普段使ってないんですか~?」
俺「普段は炬燵だけー。 背中はいつものコートに守ってもらう。 意外とあったかいんだなーこれが」
真琴「……」
俺「あー、やべ。 ここ最近の疲れが一気にー」
真琴「炬燵は偉大ですね~」
俺「その通りだわー」
【本】
真琴「そういえば、本をお借りするって話でしたね」
俺「部屋もあったまったし、動きますか」
真琴「ですね」
俺「……」
真琴「先輩?」
俺「炬燵の魔力に抗ってる最中。 よし、出よう。 えーっと、本はこっちにまとめてある分ね」
真琴「いっぱいありますね~」
俺「この塊が主にドラマとか映画とかで映像化された分。 こっちは海外作家の。 で、こっちの塊は恐らく柊には合わないであろう分」
真琴「ド? ドグラ・マg」
俺「そっちは良いよ」
真琴「はい。 先輩のお勧めってどれですか?」
俺「好みのジャンルは?」
真琴「れ、恋愛とか」
俺「恋愛……あったかなー。 ……ああ、これは恋愛……か? あ、これがあったか。 じゃあ、これを読んでみ?」
真琴「ありがとうございます」
俺「合わなかったら言ってくれればまた見繕うから」
【帰路】
真琴「すみません先輩。 本を貸してくれたうえに送っていただいて」
俺「冬は日が暮れるのも早いしな、買い物ついでだから気にしなくて良いよ」
真琴「何か買うんですか?」
俺「今日の夕飯」
真琴「……」
俺「ん? どした?」
真琴「先輩、晩御飯の材料を買うんですよね?」
俺「スーパーで売れ残った惣菜だけど? 美味しくはないけど安いしな」
真琴「……そんな食生活を続けてると倒れちゃいますよ?」
俺「大丈夫だって、多分」
真琴「またそんなことを。 よし、決めました!」
俺「何を?」
真琴「明日から毎日は無理ですがおかずとかをお裾分けします」
俺「そんな、悪いって」
真琴「この状況を放置して先輩が倒れる方が悪いです。 お父さんもお母さんも絶対反対しませんし。 良いですね!」
俺「……じゃあ、そちらの親御さんが良いって言うならお願いするよ」
真琴「はい、楽しみにしててくださいね? 私も手伝って先輩に届けますので」
俺「もう確定してるみたいな言い方だし……。 あー、柊?」
真琴「はい?」
俺「ありがとうな」
真琴「ふふっ。 はい!」
以上でこのスレでの更新はお終いです。
最後までお付き合いして頂きありがとうございました。
またどこかで何処かでお見かけしましたら、その時はよろしくお願いします。
それでは、依頼を出してきます。
乙ー
書き溜め期間が1ヶ月以上とかでないなら同じスレで続けてもいいと思うんだがなあ
>>33
乙、ありがとうございます。
自分でもここまで頻繁にスレ立てすると思ってなかったのでこんな形となってます。
次回スレ立てするならそのような形とさせていただけます。
ご意見、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
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