男「お願いします!入社させて下さい!」 面接官「28歳無職ですか・・・」 (19)


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面接官「確かにウチはたいした企業じゃないが、なめてもらっちゃ困るぞ。誰でもできるとでも思ってるんだろ!」

男「そんなことはありません!どうしても、入社したいんです!」 

面接官「28歳無職って今まで何やって来たんだい?履歴書もなんか適当だし、君を入社させたくはないねえ。」

男「高校卒業してから・・・将棋のプロ棋士をしておりまして」


面接官「プロ棋士!?」

男「ええ・・・」

面接官「プロ棋士って東大入るより難しいと言われるあのプロ棋士か!?」

男「いえ、僕は実際入学試験を受けたら東大も同じくらいの難しさでしたけど・・・」

面接官「え!?君東大受けたの!?」

男「ええ、理3を卒業しました」

面接官「理3!?プロ棋士やりながら東大理3!
?」

面接官「なんでプロ棋士を辞めたんだ?」

男「羽生さんっていらっしゃるじゃないですか」

面接官「おお、有名だな」

男「羽生さんに接戦で勝った瞬間、あ・・・これ違うな自分のやりたかったことじゃないなって思いまして」

面接官「え、羽生さんに勝ったの!?おかしいだろ!?将棋やってて一番気持ちいい瞬間じゃないのか!?」

男「いえ、まあそれで辞めまして・・・」

面接官「履歴書に書いてないけど。大学も東京の大学としか書いてないし・・・」 

男「書く必要ないかと思いまして・・・」

面接官「書いてよ!あと、東京の大学とか書かれるとどうせ大したことない大学なんだろ?とか思うぞ!」

男「大学なんてどこでも大差ないですよ」

面接官「・・・」

面接官「で、プロ棋士を辞めた後は?」

男「プロ野球選手ですね」  


面接官「はあ!?」 

男「なんですか?」

面接官「もういい、君はここにいるべき人間ではない。その才能をもっと活かすんだ、他のところで」

男「いえ、ここで活かさせて下さい!」

面接官「バカ野郎!こんな仕事だれでもできる!才能なんかいらないんだよ!」

男「さっき誰でもできるとでも思ってるのか?っておっしゃってましたけど!?」

面接官「あんなもん嘘だ!」

男「プロ野球選手を辞めた理由は一軍に上がって、最初の打席でホームラン打ったとき、あ、これなんか違うなって・・・」

面接官「聞いてないし理由おかしいだろ!?」

面接官「ははーん。分かった。全部嘘なんだろ!」

男「とりあえずこれが東大の卒業証明書です」

面接官「うわ・・・本当だ」

男「そしてこれは僕がプロ棋士だったころの新聞です」

面接官「うわ!君の顔だ。新人が羽生に勝利・・・か」

男「そしてこれが・・・」

面接官「もういい、君は不合格だ」

男「なぜですか!?」 

面接官「君みたいなハイスペック野郎が職場にいたら気を使うだろうが!!」

男「理由おかしくないですか!?」

男「お笑い芸人もやってました」

面接官「なんで君はやたら色々な分野に手を出すんだよ!」

男「でも、辞めまして」

面接官「辞めた理由を当ててやろうか?なにか大きなコンテストで優勝して、違うなって思ったんだろ?」

男「いえ、単純に売れませんでした」

面接官「そこは普通なんだ!?」

男「声優やナレーターもやってました」

面接官「うん、もう驚かないぞ」

男「デビューしてすぐ主役が来たのですが、なんか違うなって・・・断りました」

面接官「せめて演じてから違うなって思えよ!!!」

面接官「もういい、不採用だ。帰ってくれ」

男「あと、殺し屋とか、マフィアとかもやってました」






面接官「採用」



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