男「俺は・・・だれなんだ?」 (16)
目を覚ましたら白い天井が目に入った
ふかふかの白い布団に寝ているようだ
なぜ俺はこんな時に寝ているんだ
体を起こしふと考えた
しかし
男「・・・わからない」
なぜここに寝ているのかもここがどこなのかも
自分が誰なのかさえもわからない
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がらっ
そんなとき部屋の扉が開いた
??「!男っ!男が目を覚ました!目を覚ましたぁぁ!!」
ナース「本当ですか!」
ぞろぞろと看護師やら医師やらが入ってきた
医師「男さん。わかりますか?男さーん」
誰のことを言っているんだ?
男?誰だそいつは
しかし医師は僕に向かって話している
医師「わかりますか?」
男「・・・あの」
??「どうしたの?男!」
男「えっと・・・男ってだれですか?」
この発言でこの場の空気が変わるのがわかった
医師や看護師が何か話している
??「・・・・」
それにしても初めに病室に入ってきたこの女性は誰だろう
医師「すいません。もう一度たずねますが。男 という名前に見覚えはないんですね?」
男「はい。それとなぜここにいるのかもさっぱりわからないんです。なにか脳がもやもやしている感じがして・・・」
医師「・・・そうですか。ではなぜあなたがここにいるのか教えましょう」
医師「あなたは3日前に何者かに頭を強く殴られたんです。それで病院に搬送され今日までずっと寝ていたんです」
医師「今の男さんの症状や3日前に起こったことから推測するに・・・」
医師「男さんは記憶喪失してしまったのだと思われます」
記憶喪失
そんなのは漫画の中だけの世界で起こるものだと思っていた
今こうして自分が記憶喪失になったと思うとなぜか表しづらい恐怖感が込み上げてきた
そうしているうちに何かを察したように医師と看護師は病室から出て行った
??「・・・」
俺はこの人と二人きりになってしまった
男「・・・」
??「・・・」
男「・・・あの」
??「ぐすっ」
男「えっ」
??「ぐすっ、ぐすっ、うわぁあああああん!!!!」
男「え、あの、ちょ、え??」
??「よかったあああ!!よかったよおおお!!」
男「あぁ・・・」
??「わたじぃ!ずっどじんぱいでえええ!!」
男「ご、ごめん・・」
そのあとも泣いていたがやっと泣き止んだようで・・・
男「心配してくれたんだよね。ありがとう」
??「うん・・・男記憶喪失なんだよね?じゃあ私のことも覚えてないのかな・・・?」
男「・・・うん。ごめん」
??「・・・しょうがないよ!私は男の彼女の女っていうの」
男「かの・・じょ?」
女「うん!」ニッコリ
女「3日前ね?私と男はデートをしてたの。それで夜遅くなっちゃったから一緒に帰ってたんだけど、私がお手洗い行きたくなっちゃって途中の公園のトイレに行ったんだ」
女「それで私がトイレしている間男は待っててもらったんだけど・・・私がトイレから帰ってきたら男が倒れてたの」
女「それで私が救急車呼んで・・」
男「今に至るのか・・・」
女「私があの時トイレになんていかなければ・・・うっうっ・・」
男「女さんのせいじゃないですよ。僕がもっと注意していればよかったんです」
女「・・・そう?」
男「はい」ニッコリ
女「えへへ//」
男「(この人は・・たとえ記憶が無くなったとしても守りたいな)」
女「じゃあ、しっかり休んでるんだよ~?」
男「う、うん」
女「ふふっ。記憶なくす前は敬語じゃなかったんだけどな~」
男「が、がんばるよ・・」
女「焦らないでゆっくりでいいからね。じゃあ私返るね」
男「うん。じゃあね」
女「じゃあね」
がちゃ ばたん
こんなにうまくいくとは・・・我ながら最高のシナリオを進んでいると思う
女「・・・くひっ」
笑いが止まらない
女「ひひっ。ひひひっ」
あんなに愛おしい男が
女「くひひひひっ」
あんなに愛らしい男が
女「私のものになる・・・くひひっ・・」
実際3日前は一緒に居た。と言ってもデートなんかしていない。私が夜中に呼び出した
なにも疑わずに男が来たところを後ろから思い切り
ガツン!
と一発。記憶についての本やサイトをくまなく調べどこに一発入れれば記憶が吹っ飛ぶかを徹底的に調べた
結果は成功
すこし効きすぎてしまったのかと思ったがちゃんと目が覚めたからまぁ良しとする
なぜこんなことをしたのかって?
単純な話さ。男が私を選ばなかったから
男には幼馴染がいる。その二人は幼稚園からの付き合いらしく相思相愛。学校中どこにいても二人は一緒なのだ
それでいて二人とも付き合ってないなんて照れ隠しをする
付き合ってないなら・・・奪ってもいいよね?
まだ学校側は男が入院しているということは生徒には言ってない。大人の事情とかだろう。くだらない
幼馴染はこの3日間ずっと男のことを心配して電話やらメールやらしてるらしいが男のスマホは私が所持している
女「幼馴染さん・・・またこんなに男に連絡してたんだ」
さすがに私も引くレベルだ。一日に100通越えはあたりまえ。男が少しいなくなるだけでこのありさまか
女「でもいままで男を独り占めしてきた罰だからいっか♪」
私は男と付き合えてうれしい。うれしい。うれしい!
・・・もし記憶が戻ってしまったら
女「その時はいっそ監禁しちゃお★」
翌朝
男「・・・・ん」
男「ふわぁぁ・・・あれ?もうこんな時間!6時に起こしてくれよ幼馴染!」
男「え?」
幼馴染って・・・だれだ?
6時に起こしてくれって・・・なんだ?
男「うっ!」ズキッ
なにか頭の中が点滅しているような・・・
男「なにか・・・みえ・・る」
俺は楽しそうに女の子と歩いている。手をつないで。時には周りにからかわれて照れながら付き合ってないと言い張っている俺たち
男「顔が・・みえない」
くそ。あともう少し。あともう少し、あともうすこs
女「大丈夫?!」
男「!」
脳の点滅が収まった
女「今来たら男苦しんでたから・・・大丈夫なの?」
男「学校はいいのか?」
女「今日は日曜日だからないよ。それより・・・本当に大丈夫なの?」
男「記憶が・・少し戻ってきた気がする」
女「っ!・・・どんな感じだった?」
男「一人の女の子と一緒に楽しく過ごしてた・・・顔は出なかったけど」
女「・・・・・」
男「どうしたの?」
女「よかった・・・私との記憶思い出したんだね」
男「え?女なのか?」
女「うん。そう!私たちいつも一緒で、周りからからかわれたりして照れ隠しで、付き合ってないって言ってたけど本当は付き合ってたんだよ!」
男「たしかに俺が思い出した記憶と同じだ・・・」
女「よかった・・・本当に良かったね」
男「・・・あとさ。もう一つ聞いていい?」
女「ん?なに?」
男「幼馴染って誰?」
女「は?」
女「ごめん、もう一回言って?」
男「え、だ、だから幼馴染って誰?今日朝起きたらとっさに口から出してたんだけど・・・」
女「・・・ふふっ。男記憶失っちゃって幻覚見るようになっちゃったの?」
男「え、な、なんで」
女「幼馴染なんて人いないよ。私たちの学校には」
男「そ、そうか・・・でもどこかひっかかr」
女「 い な い っ て ば 」
男「!」ゾワ
女「わかった?わかったらそんなくだらないことに頭使わない」
男「う、うん」
女「もう絶対幼馴染なんて言葉思い出しちゃだめだよ?」
男「わかったよ・・・」
女「んっふっふー♪わかればよろしい」
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