春香「……千早ちゃん、もしかしてハロウィンにお菓子を持ってきてなかったの！？」

千早「まさか……私にトリック・オア・トリートをしてくるとは思わなくて……」

春香「へぇ～、そうだったんだ～」

千早「は、春香？」

春香「それじゃあ、お菓子を持ってこなかった千早ちゃんにイタズラしなきゃ、だね！」

千早「えぇ！？ い、イタズラって一体……？」

春香「ふっふっふ……それはね～？」

千早「そ、それは……」

春香「千早ちゃん、トリック・オア・トリートって言ってみて？」

千早「へっ？ トリック・オア・トリート……」

春香「はーい、これからこのポッキーを使って千早ちゃんにイタズラをするよ！」

千早「えぇ！？」

春香「それじゃあ、レッツポッキー！」

～～～～～
～～～
～

千早「ふぁ、ふぁるか……」

春香「ろおしたの、ちふぁやちゃん？」

千早「これふぁ、いっふぁいなに？」

春香「んっ……これはね、ポッキーゲーム！」

千早「ふぉっきーへーむ？」

春香「そう、ポッキーを口に咥ふぇて」

ｻｸｯ

千早「！？」

春香「こうやっふぇ、りょうはしからたべるの！」

千早「そ、そう……」

春香「んっ……それじゃあ、レッツポッキーゲーム！」

千早「ふぉっきーへーむ……？」

春香「それじゃあ、いざ反対側からあーむ……」

ｻｸｯｻｸｯ……

春香（千早ちゃんの顔近い！）

ｻｸｯｻｸｯ……

千早（は、春香の顔が近くなっていくわ……）

春香（こう見ると、千早ちゃんってまつげながいんだなぁって……）

千早（このままだと、春香とき、キスすることになるわね……）

春香（千早ちゃんとの、き、キス……こ、心の準備はできてるから……このままっ）

ｻｸｯｻｸｯｻｸｯ……

千早（は、春香！？）

ﾎﾟｷｯ!

千早「んくっ……あっ……」

春香「折れ……ちゃった、ね……」

千早「……」

春香「……」

千早「あ、あの……春香……？」

春香「ど、どうしたの、千早ちゃん……？」

千早「と、トリック・オア・トリート……」

春香「えっ……！？」

千早「……ご、ごめんなさい、やっぱりっ」

春香「千早ちゃん、で、できたらもう一度、ポッキーの端っこくわえてくれる……？」

～～～～～
～～～
～

春香「はむっ……」

千早「あ、あーん、んっ……」

春香（二度目だけど、顔、熱い……千早ちゃんも顔が真っ赤だし……やっぱり意識させちゃったかな）

千早（こ、今度は折らないようには、早めに食べてしまおうかしら……）

ｻｸｯｻｸｯ……

春香（千早ちゃん、さっきから目をギュッとつむりながらポッキー食べてて可愛い……）

千早（もう少し早く……早く……）

ｻｸｯｻｸｯｻｸｯ……

春香（えっ、急に早く――）

ｻｸｯｻｸｯｻｸｯｻｸｯ……

ﾁｭｯ

春香「――！？」

千早「……んっちゅ、ぷはぁ……ハッ！？」

春香「えっ、ち、千早……ちゃん？」

千早「あっ、えっ……私……」

春香「さっき、千早ちゃんと私で」

春香「キス……しちゃった……」

千早「――ｯ！！」

ﾀｯﾀｯﾀｯ……

P「おーい、春香？ 千早がなんだか物凄い勢いで出て行ったが、何かあったのか？」

春香「千早ちゃんと……キス……」

P「春香？ おーい、春香～？」

春香「っ！？ は、はい！ 仕事いってきま、ってきゃぁ！！」

ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ　

P「……本当に一体何があったんだ？」

春香 千早（明日から、どう顔をあわせよう……！？）

END