小鳥「知り合いの事務員からドリンク買ったピヨ」ウヘヘヘヘヘ (322)

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1385/13859/1385994588.html

多忙な時期が終わったので、この前エタった所まで
今度はエタんない様に頑張る。

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######################### とある一室 #########################


?「ピヨヘヘヘ、頼んでいたものは出来たでピヨか?」

??「とりあえず、ウチの事務員に作ってもらいました。」

ガサッ(レジ袋には何か入ってる)

?「ウヘヘ、それは重畳ピヨ。」

??「結構したんですから、並大抵の成果じゃあ絶対許しませんからね。」

?「任せるピヨ。」テヘピヨ

??「ついでにそのキャラもやめてください。」

?「ピヨッ!?」
.



######################### 765プロダクション内 #########################


小鳥「ピヨヘヘヘヘヘヘヘ」ウヘヘ

真美「うあうあ、ピヨちゃんが凄い笑顔してるよ。」

亜美「モテ気な笑みだよ! あれ、無敵?」

伊織「それを言うなら不敵でしょ。でも確かに不気味ね。」

伊織「小鳥が良からぬ事を考えて無ければいいんだけど……。」

真美「まぁ、ピヨちゃんだからどうせ机の下にある本の妄想だろうけどねー。」

小鳥「ピヨッ! どうして本の事を......。」



律子「小鳥さん?」ゴゴゴゴゴ

小鳥「えっ……。」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

律子「先週あれほど言ったのにまだ持って帰って無かったんですね。」

小鳥「あ、あははははははは。」



律子「」ガミガミ

小鳥「」ギエピヨー!!



律子「取りあえず、没収です!」

小鳥「そんな殺生なー!」

律子「ダメです! 前回忠告しましたでしょ?」ガラッ!

小鳥「えっ、そこは......。」


[箱]ポツーン


律子「箱......?」

カパッ

ドリンク 13個


律子「.........何ですかこれ?」

小鳥「.......ドリンクです。」

律子「いや分かってますよそれくらい。」

小鳥「........ドリンコゥです。」

律子「言い方変えなくてもいいです!」

律子「前回はこのの引き出しにありましたが今回はどこですか?」

律子「もう、許しませんからね。」

小鳥(そうは、させないピヨ。させるくらいなら.....。)

カキッカキッ(ドリンクの蓋を開ける音)

律子「全く」

小鳥「セイッ!!」

グイッ!!

律子「」ゴク


律子「ングググググ!!」

伊織「ちょっと! 律子が苦しんでるじゃない!」

真美「毒ですよ、毒!(春香)」

小鳥「大丈夫よ......。」タブン

律子「プハァ!! ちょっと、何するんですか!」

亜美「毒が....裏返った!」

真美「復活ッ! 秋月律子復活ッ!」

律子「呼び捨てにしない!」ポコッポコッ


二人「あたっ!」


律子「それはさておき小鳥さん.......。」ゴゴゴゴゴゴ

小鳥「ピヨッ!!」




ガチャッ!!

美希「ただいまなのー!」

響「あー!今日もつかれたぞー!」

春香「それでねー」ペチャクチャ

千早「そうね。」ペチャクチャ

雪歩「ううっ、恥ずかしかったよぉ。」

真「でも、すっごくよかったよ雪歩。」


小鳥「助かったー。」ピヨォ

律子「........なら、後でじっくり話し合いましょう。」

小鳥「なんですとー!」



真美「ピヨちゃん、律っちゃんばかりずるいよ~。」

亜美「亜美達にもちょうだいよ~。」

小鳥「まっ、まって。そのために全員分あるんだからー。」

律子「あれ、私味わってないんだけど。」

小鳥「....ほら、どれがいいかしら?」ガサッ

亜美「亜美はこれにするよ~」

真美「真美はこれ~。」


カキカキッ

ゴクッゴクッ


真美「うーん、あんまり美味しくないね。」

小鳥「あっ、そのビンは捨てないでね?」

真美「なんで?」

小鳥「いいから。」



小鳥「ほら、みんなもどうぞ!」

みんな「わーい!!」

ガサゴソ ガサゴソ

真「...................。」




ワイワイ ワイワイ

春香「あっ、この味意外と好きかも。」

美希「うえっ、ミキの口には合わないのー。」




ワイワイ ガヤガヤ


律子「私...味分からなかったんだけど........。」




小鳥「さて.....それじゃあ、今持ってるビンについてるシールを剥がしてみて。」

全員「?」

真美「あれ? ラベルの上にシールが貼ってある。」ピリッ

亜美「なになに?『当たり』がでたらもう一個だとか?」ピリッ




真美【創造する能力】



亜美「..........。」

真美「ピヨちゃん.........。」ジトー

亜美「亜美さ、中二病はここまで来ればお終いだと思うんだよ。」ジトー

小鳥「えっ、なに! その残念な人を見るような目!」

真美「ようなって......そのとおりだよ。」

美希「正直、こういうのは小鳥の......えっと....。.」

亜美「真ん中の引き出しの中にある本だけにして欲しいの!(美希のものまね)」



律子・小鳥「えっ!!」



律子・小鳥「..........チラッ(目を合わせる)」


律子「没収!!」ダッ!!

小鳥「ピヨー!!」



雪歩(【嘘発見器】....って、それってあの刑事ドラマに出るようなあれかなぁ?)

小鳥「.....コホン、先ほど飲んで頂いたものは知り合いの事務員に作って頂いたドリンクです。」

小鳥「ラベルに書いてある事を飲んだ人が出来るようになりました。」

真美「えーっ!! エイプリルルールはとっくに過ぎてるよ!!」

美希「通り過ぎすぎて、もう、あとちょっとなの!!」

千早「って、いうか非現実的だわ。」

亜美「ピヨちゃんは......」

小鳥「シャラップ!!」

伊織「シャラップじゃないわよ! 変なもんのませた挙句に、トンデモ発言じゃないの!」

小鳥「Shut Fxck Up!! 」ピシッ!!

貴音「しゃっと ふ....」

響「貴音、反芻しなくていいぞ。」


小鳥「トップアイドルを目指すあなた達がそんな細かい事をきにしてていいのかしら!」

雪歩「トップアイドルとこの話って何の関係がない気も……。」

小鳥「あんまり変な事聞かれると話進まないピヨ!」

小鳥「ここに籤があるから、いいからとっとと一人一回ひくピヨー。」

響「はじめてだぞ、プロデューサーとにぃに以外で年上をぶん殴ってやりたい気持ちになったの。」

千早「ガンジーも助走つけて殴るレベルね」

真「なんならボクが」

千早「やめなさい、時間の無駄よ」ガシッ

小鳥「そういう理由! でも、ふーんピヨ。」

小鳥「折角プロデューサーさんに....」ボソボソ

美希「えっ、今ハニーの名前が聞こえたの!」

その他「むむむっ」キュピーン




小鳥(かかったッ!!)

小鳥「折角みんながいつも頑張っているからなぁ。」

小鳥「プロデューサーさんと一緒にこの企画考えて」

小鳥「優勝者には......」ボソボソ

美希「なんなの小鳥! さっさと言うの!」

小鳥「えーっ。参加してくれないなら言ってもしょうがないピヨ。」

美希「わかったの! 参加するから言うの!」





小鳥「プロデューサーさんが、優勝者さんのお願い何でも1つ聞いてあげるって。」

小鳥「でも、美希ちゃんだけね参加してくれるのは。」

小鳥「ならもう、美希ちゃんでいいかしら.....」ボソッ

その他「ファッ!!」



ズザザザザザッ!!



春香「小鳥さん!参加ですよ、参加!」

やよい「うっうー! プロデューサーともやし祭りですっ!」

伊織「べっ、べつにあんなのはどうでもいいんだけど。お願い何でもひとつってのは悪くないわね!」

響「うっ....じ、自分も。」

真「やりぃ!」

貴音「新しいらぁめん屋へ.....。」



小鳥「決定ね。それじゃあその籤を引いて」

ガサゴゾ

ワイワイ

小鳥「ああ、でも人のは見ちゃだめよ。」

小鳥「一種の借り物競争みたいなのだから、条件をそろえてここに来ることね。」

小鳥「でも、1番の娘だけが恩恵を受けるのはやっぱり可哀想ね(棒)」

小鳥「ちょっと待ってて(棒)。」



バタン

アイドル「ワクワクテカテカ」

小鳥「あっ、プロデューサーさん。お疲れ様です少々よろしいですか?(三文芝居)」

小鳥「ええ、例のイベントなんですが......はい。」

小鳥「例の条件をこなした子全員ってわけには......はい。」



美希「小鳥が珍しく頑張ってるの。」

小鳥「.....ええ、ありがとうございます。失礼いたします(棒)」






小鳥「今、プロデューサーさんにお願いして。」



小鳥「条件をこなした子全員プロデューサーさんからご褒美よ!」

アイドル「ワー!キャー!」ドンドンパフパフ

小鳥「ただし、権利はその紙。」

小鳥「私に条件を満たした状態で紙を見せることピヨ!」

小鳥「ピヨちゃんはちゃんと見てるピヨからねピヨ。」

伊織「小鳥! ちゃんとキャラは固めてからやりなさいよ!」



小鳥「ウヘピヨピヨピー」

伊織「で、いつ始めるのよ。」

小鳥「じゃあ、今から始めます。」

小鳥「期限は3日ね。よーい。」







どん






.


######################### 菊地真 #########################


『課題:誰か一人の課題を成功まで導いてあげてください(手段は問いません。ただし、課題は絶対明るみに出さない事。)』

真「うーん。」

真「誰か一人の課題って……誰か出会わないかなぁ…。」










############### 萩原雪歩 #################

『課題:争いを三度止めてください(但し人間同士の争いに限ります)』

雪歩「えっと.......争いを三度止めるってことは.....。」

雪歩「でも....争ってるのが男の人だったら嫌だなぁ.....。」

雪歩「でもでも、プロデューサーからのご褒美が......。」




############### 雪歩の妄想 ################

P「ホラ、雪歩。俺からなんのご褒美が欲しいんだよ.......。」

雪歩「えっと、あの.....私はその......プロデューサーに」

P「ん? 俺に.....何なんだ?」

雪歩「ぎゅうって......してほしい.....です。」

P「ははは、相変わらず控えめ雪歩だなぁ,,,,」

P「だが......折角男嫌いが治りかけてるんだ......。」


P「本当にぎゅうっとするだけでいいのかよ.....」クイッ

雪歩「あっ....プロデューサー......。」

############# 雪歩の妄想・終わり #############



雪歩「やだっ、私ってなんて.......」

雪歩(それに私はまだ男の人が苦手です........でも。)

雪歩(プロデューサーなら........)



真「.......あれ、雪歩。」

雪歩「あっ! 真ちゃん。」

真「雪歩は課題は何だった?」

雪歩「争ってる人を止めたらいいんだって。」

真「へ、へぇ.....」

真(でも、この課題なら簡単そう.....。)

真「あっ、ならボク手伝ってあげようか」

雪歩「えっ!?」

おお、思い出した。エタったやつも読んでたよ



真「『えっ』....て。」

雪歩「あっ、ゴメンね真ちゃん。ちょっとびっくりしちゃって。」

雪歩「でも、真ちゃんの課題が……?」

真「えっ、えっと....。」

真(しまったぁ......課題教えちゃだめなんだ.....。)



真「えっと、あっ!ボクもにてるんだ!」

真「ボクも『争いを防ぐ』課題なんだ!」

雪歩「そ、そうなんだ......。」ティン!!











小鳥「ピヨピヨ、早速雪歩ちゃんが疑心暗鬼になってる。」

モバP「信じていた親友からの嘘.....たまんないですね。」

小鳥「これが見たくてあの娘に高い金を払ったようなものピヨね。」

機械「ウイイイイィィィィィィン」

モバP「その機械インベルって名前でしたっけ。」

小鳥「ピヨヘヘヘヘ、ちゃんと『●REC』してるピヨ。」

モバP「ホント、自分の欲望に忠実な方で。」


スッ


小鳥「あれ?」

モバP「トイレですよ、言わせないでください。」




######################### トイレ #########################

モバP「こういった場合、人間は三種類に分かれる........。」

モバP「例えば菊地真・萩原雪歩のように他人と協力し合うもの。」

モバP「他人を避け単独で行動するもの。」


ガチャッ!!

モバP(後は.....。)














.


######################### 如月千早 #########################


ラベル【透明人間】

千早「透明になる.....ね。それで私の課題は」ガサッ



?「あっ、千早ちゃん。」

千早「......春香。」

春香「課題っ、なんだったの?」

千早「.....言わないわよ。」

春香「ええっ、私の教えてあげるから......。」

千早「悪いけど.....行くわね。」

春香「...............。」





春香 [[ 千早ちゃん、待ってほしいな ]] ゾワッ

千早「...............何かしら。」

春香 [[ 教えて、千早ちゃん ]]ゾワッ

千早「............。」ペラッ

千早「『誰か3人を失格にしてください。』のようね。」

春香「ふーん。ありがとう。」

春香 [[ じゃあ、ついでだし私の手伝いもお願いしよっかなぁ。]] ゾワッ

千早「............ええ。」







春香「........最高。」






春香「この能力......最ッ高!!」ゾクゾクッ!!


天海春香  : 能力【人心誘導】
          課題『他人の成功を直前で妨害しましょう』
.





######################### モバP・小鳥 #########################


モバP「やっぱり出ましたか。」

小鳥「やっぱり....って?」

モバP「だから天海春香みたいなタイプですよ。」

モバP「もっとも、小鳥さんもこうなる事を予想して課題を作ったんじゃないですか?」

小鳥「.........ニイッ!!」

小鳥「バレましたか。」

小鳥「こういう場合人は三種類に分かれるピヨ。」

小鳥「ある者は独りで攻略を始め。ある者は仲間を作り。そして......」

モバP「ある者は他人を支配する.........ですよね。」

小鳥「Exactry(その通りでございます)ピヨ」

小鳥「そして、そのためにピヨちゃんは課題を『利害が一致しない人がいる』形にしたんですピヨから。」

小鳥「一致団結で、みんな手をつないで仲よくゴールインなんて.....面白くないですピヨ。」ゴゴゴ


小鳥「その代わり、ピヨちゃんは『絶対に誰かがご褒美をもらえるように』設定してあります。」

モバP「っていうか、たぶん先輩(P)の許可は取ってないでしょ。事後承諾って大丈夫ですか?」

小鳥「...........そのためのインベル(撮影機)ですよ。」

小鳥「プロデューサーさんは。面白い事が大好きですからね。」



小鳥「そして、あなたもちひろも........。」ニコッ

モバP「ニコッ」



######################### 水瀬伊織 #########################


伊織「まったく、この伊織ちゃんへの嫌がらせじゃないの?!」

やよい「あ......あはははははは。」

伊織「やよいが苦笑いするレベルよ。」

伊織「本当嫌になっちゃうわ。」


水瀬伊織  : 能力【太陽拳】
          課題『困っている人を3回助けてあげてください(ただし、関係者以外は不可とします)。』



伊織「何よ、太陽拳って。」ピカーッ

伊織「オデコが光るだけじゃないの」ピカーッ

伊織「おでこサンシャインって........」

伊織「あのプロデューサーみたいな事いって!!(Cv:田村ゆかり)」

やよい「い......伊織ちゃん。」

伊織(Cv:田村ゆ○り)「何よ。」ギロッ

やよい「えっと........その.......。」

やよい「ζ;'ヮ')ζうっうー」ダッ!

伊織(Cv:17才)「あっ! コラ! 待ちなさいよ!!」





伊織「まったく、この伊織ちゃんを置いて逃げるなんて.......。」ブツブツ

伊織(でも、困ってる人........かぁ。)

伊織(やよいは確か『メンバー全員との接触』だから、困る事なんてなさそうだし......。)

伊織(だれとも利害が一致するから問題なく課題を終わらせそうね。)



伊織「むぅ.......。」






######################### 天海春香&如月千早 #########################

春香「千早ちゃん。」

千早「何かしら?」

春香「千早ちゃんは誰か3人を失格にしたらいいんでしょ?」

春香「だったら、誰を標的にするか決めない?」

千早「........一番標的にしやすいのは高槻さんね。」

春香「でも、千早ちゃんはしないでしょ?」

千早「そうね.....流石に気がひけるわ。」

春香「でも、自分が合格するためにも選択肢には入れておいてね。」

千早「..........。」


コソッ


千早「それで?」

春香「何?」

千早「さっきからの言い方から察するにもう決めてるって感じよ。」

春香「..........うん。」

春香「どうする? もう探しに行く?」

千早「ええ......善は急げだわ。」



コソッ






真美「ねぇ、亜美みつけたね。」

亜美「見つけたね、真美。」

二人「んっふっふ~、はるるん達には最初の人柱になってもらおうかぁ。」



双海亜美  : 能力【変換能力】
          課題『不明』

双海真美  : 能力【創造者】
          課題『不明』



真美「真美が作って」

亜美「亜美が換える。」

亜美「初めに、はるるんたちが立っている地面をかえるよ」タッ



シュタッ!






グニャアッ!!

春香「キャッ!!」

千早「何かしらッ! 足元が.......。」




亜美「クイックルプレイ♪」

真美「あれ? クイックルグレイじゃなかったっけ?亜美?」

亜美「どっちでもいいっしょ(´・ω・`)」


*クイッククレイ(ttp://www.weblio.jp/content/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%AF+%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4)です





千早「あっ、亜美! 真美!」

真美「うげっ、バレちゃった!」

真美「亜美、逃げるよ!!」ザワザワ






春香[ [ 真美、やめてよ.......。 ] ]ゾワッ!

真美「うっ........はるるん。」

亜美「真美! ダメだよ...」コソコソ

春香[ [ 亜美も静かにね ] ]ゾワッ!


亜美(うっ、はるるんがヤバイ!)

亜美(この屈服していく感じ......何とかしないと。)

亜美「でもどうしよう.......。」



春香[ [ 先ずは亜美にはこの足場を何とかしてほしいなぁ ] ]ゾワッ!

亜美(このままじゃ、激ヤバだよぉ。)





真美「亜美......。」

亜美「う....うん、わかった。」サワッ


 地面が元に戻る


春香「千早ちゃん、運がいいねもう2人を失格に出来るよ?」

千早「そうね......。」

亜美「うあうあー、孫呉の命運が絶たれるよぉ。」

真美「............。」

春香「観念してね。真美、亜美。」


 トッ

春香が一歩前に踏み出した。するとどうだろう、春香の方足がズポズポと沈んでいく

春香「えっ!!」


 と、気がついた時にはもう遅い。
 そのまま足首、太ももと呑みこんで行きそのまま地面の下へと体が呑みこまれていった。

 落とし穴である。


真美「亜美! 逃げるよ!」

亜美「真美! どうして」

真美「良いから早く!」

千早「ちょっと! まちなさ.........。」












真美「よかったー。なんとか逃げられたー。」

真美「真美が咄嗟に落とし穴作らなかったらどうなってたか。」

亜美「激ヤバだよ! これが課題とか信じられないよ」

真美「でも....これ成功したのかな?」



『課題(双海亜美):12人全員に不意討ちを成功させてください』
『課題(双海真美):最初に出会った人と同じ課題をしてください。』


真美「こんなことなら亜美と一緒に居るんじゃなかった.....」ボソッ

亜美「何か言った?」

真美「ううん、全然?」

















############### モバP・小鳥 #################

小鳥「早速の接触でしたね。」

モバ「これは........これは。」

モバ「ってか、クイッククレイなんて良く知ってますね。」

小鳥「最近はネットでいろんな情報が手に入り易いですからねぇ......。」

モバ「しかし、始まったばかりとはいえ全然話の進展ないですね。」

小鳥「動かない方が有利な人もいますしね。」

小鳥「例えば........。」









######################### 我那覇響 #########################

響「ううっ......ハム蔵。本当に誰も来てないよねっ!」グスッ



5分インターバル


能力・課題一覧

天海春香   能力【人心誘導】  課題『他人の成功を直前で妨害』
如月千早   能力【透明人間】  課題『3人脱落させる』

高槻やよい   能力【??】      課題『13人全員と遭遇』
水瀬伊織   能力【太陽拳】    課題『他人を3度助ける』
菊地真     能力【??】     課題『他人の課題を成功へと導く』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】  課題『争いを3度止める』

双海亜美   能力【物体変換】  課題『残りの12人に不意討ち』
双海真美   能力【創造者】    課題『最初に会った人の課題(双海亜美)』
星井美希   能力【??】     課題『???』
我那覇響   能力【??】     課題『???』
四条貴音   能力【??】     課題『???』
三浦あずさ  能力『??』     課題『???』
秋月律子   能力【??】     課題『???』





##################### 我那覇響 in 薄暗い建物 ####################

響「ううっ......ハム蔵。本当に誰も来てない?」

公「ヂュイッ!!」

響「本当に本当か?」

公「ヂュイッ」
訳[しつこいな、大丈夫だっつってんだろ。]

公「ヂュイッ」
訳[例の能力とやらで仲間の様子を見てみろよ]

響「そんなの何回もやってるさ!」

公「ヂュッ」
訳[なら大丈夫だってわかんだろ]

響「ううっ、ハム蔵が冷たいぞ........。」





我那覇響  : 能力【未知との交信】
          課題『争いに巻き込まれない様しましょう』



############### 未知との交信・解説 ###############

 本来なら直接的に情報交換が不可能であるものとの交信を可能にする。
 響は動物を選択した様である。

 遠くにいる特定の動物と五感を共有、または意思疎通を行える。

############ 未知との交信・解説おわり #############










###################### モバP・小鳥 #########################

モバP「ああ、この子ですか。」

小鳥「インベルさんは良く働きますね。もう最高です。」ヨダレタラー

小鳥「もう、小動物みたいに震えて隠れてるあたりとか.......」

モバP「守ってあげたいアイドルって良いですよねぇ......」

小鳥「ですよねぇ.....。」



?「Pさぁん」ゾゾゾゾゾゾゾ

モバP「」ゾゾッ!!


バッ(モバP振り返る)



シーン


小鳥「どうしたんですか?」

モバP「い........いえ。」



######################### 響・ハム蔵 #########################


響「ハム蔵.......。」


公「ヂュイッ」
訳[あ? 何だよ。]


響「ネコ太郎とネコ三郎の様子がおかしいさ。」


公「ヂュッ? ヂュヂュッヂュゥ」
訳「ん? 勝手に行動を始めたか。」


響「違うさ.....目が虚ろになってるっていうか。」

響「乗っ取った視界にもやがかかってるさ。」


公「ヂュゥヂュッ!!」
訳「なんだと!!」











######################### ネコ太郎・ネコ三郎 #########################


ネコ太郎「ニャア(暇だなぁ....。)」

ネコ三郎「ニャア(暇だねぇ.....。)」

(以下泣き声割愛)

太郎「響ちゃんのお願いだからうっかり聞いちゃったけど、これがまだ3日続くんだってさ。」

三郎「やってらんねー。」

三郎「本当、太郎兄さんは人間の雌に弱いんだから。」

太郎「しょうがねぇだろ、響ちゃんは天使なんだから。」

三郎「まぁ、一理あるけど.......。」




?1「............ペラペラ」
?2「............ペラペラ」




ザッザッザッ!!

太郎「あれ? こんなところに人間が.....。」




?1「あらぁ、ここは何処でしょうか。」

?2「はて、如何にしてこのような場所へ......。」

?1「やっぱり貴音ちゃんのラーメンの話は素敵な話が多いわねぇ。」

?2「ええ、幾度食しても、食しきれない。飽きの来ない食べ物。それがらぁめんたるものですから。」

?2「ですが、ついつい話に熱中してしまったようです。」




三郎「兄さん、あいつって何時も響ちゃんと一緒にいる.....。」

太郎「だな、どうする? 念のために響ちゃんに連絡取るか?」

三郎「たしか、今の響ちゃんは僕達と遠くからでも連絡取れるんだよね?」

太郎「こっちから........か。」




太郎「ニャアアアア(響ちゃ~ん)」

太郎「..............。」シーン!

太郎「ニャアアアア(響ちゃ~ん)」



シーン!!


太郎「連絡取れないんだが....。」

三郎「マジっすか!」

######################### 我那覇響 #########################

響「ハム蔵どうしよう.....ハム蔵!」

公「ヂュヂュヂュヂュヂュ!!」
訳「やべぇなやべぇな..........。」

響「うああああああああん、ネコ太郎にネコ三郎。」



?2「むむっ! 何奴ッ!!」

?1「どうしたの? 貴音ちゃん。」

響「えっ.....貴音?」



ガラララッ(扉が開く音)



響「貴.....。」


公「ヂュ」
訳「だめだ、」


響「えっ!なんでさ!」


公「ヂュ」
訳「あいつがお前の味方って保証は今は何処にもないんだ!」


公「ヂュッヂュッ!!」
訳「お前は争いに巻き込まれたらダメなんだろ?だったら」


公「ヂュッ!!」
訳「あいつを当てにするんじゃないぜ、逃げな。何なら時間稼いでやる?」


響「でも、争いは禁止さ!」


公「ヂュイッ?」
訳「あ?」


響「ハム蔵.....いますっごい怖い顔してるさ.....。」


公「ヂュヂュッ!!」
訳「全部言わせるな。」


ヒュッ


公「ヂュッ」
訳「守ってやるよ。」


公「ヂュイッ!!」
訳「それが出来るのは、俺達ペットだけだ。」


(補足:響のペットが争いに巻き込まれる事自体は課題違反ではありません。)
(補足:ただし、争っている場所の近くに響が居る時はこの限りではありません)


響「ハム蔵ぉ~。」

公「ヂュ」
訳「行け。」


響「う......うん。」ササッ

公(音も無く動く........運動神経のなせる技.....まるでゴーストみたいだ。)


貴音「誰かいるのですか!」

あずさ「あ......あらあら。(どうしましょう、怖いからやめてほしいなんて言えないわぁ。)」




公(さて......きやがったな。)






公「ヂュッ!!」

貴音「むっ! その声は。」

あずさ「あらあら、ハム蔵ちゃんかしらぁ。」

公「ヂュッ!!」ダッ!!

貴音「待ちなさい!!」










######################### 高槻やよい・水瀬伊織 #########################

ポカッ!!

やよい「うう.......伊織ちゃん。」ジンジン

伊織「フンッ! この伊織ちゃんから逃げた罰よ」

やよい「うう.......っ」グスン

伊織「で......でも、、まぁちょっと強すぎちゃったかしら。」

やよい「ううっ.......。」グスグス

伊織「ご.....ごめんなさい強すぎたようね(; ´・ω・`)」アセアセ




やよい「ううっ.....。」

伊織「...........やよい。」

伊織「.........ど.....どうしたら許してくれるかしら(; ´・ω・`)」

やよい「.........................。」

やよい「一緒に行動してくれたらうれしいかなーって!」ケロッ

伊織「なっ! 嘘泣きしてたのね!」

やよい「ζ'ヮ')ζうっうー」

ギュッ

やよい「一緒だよ、伊織ちゃん。」ニコッ

伊織「な....何言ってるのよ//// 意味分かんない///」



############### 小鳥・モバP #################

小鳥「可愛いわぁ.....。」

モバP「せやね。」

モバP「おっと、そんな所に響ちゃんが。」

小鳥「伊織ちゃんとやよいちゃんだから響ちゃんも安心でしょうねぇ。」







############### 我那覇響 #################

響「ハァ・・・ハァ・・・」

響「ハム蔵.......無事でいて.....。」





やよい「あれ、響さん?」

伊織「響じゃないの。どうしたのよ。」




響「やよい! それと.....。」

伊織「.......何よ」ピカーッ!

響「.......だれ?」

やよい「伊織ちゃんですよー」

響「い、伊織? 何か....体が光ってるぞ....。」

伊織「えっ......なっ! 何これぇ!!」

やよい「わわっ、伊織ちゃんは太陽の子です!!」

パッ

伊織「」オデコピカー

響「プッ!!」





伊織「.......響」

響「あっ.......。」








############### 小鳥・モバP #################

小鳥「おっと、響ちゃんピンチです。」

モバP「焦ってる姿か可愛いです。」

小鳥「プリプリ怒ってる伊織ちゃんも天使です。」

モバP「そういえばハム蔵はどうしたんですか?」

小鳥「チャンネル変えましょうか。」インベルピッ








############### ハム蔵 #################

公「ギュイィィィィィ」ヤラレター

あずさ「ハム蔵ちゃんが居るってことは響ちゃんが近くにいるわねぇ......。」

貴音「........響に会いましょう。」

あずさ「そうねぇ.......。」

貴音「行きましょう.......。」スタスタ



あずさ「............。」

.


貴音「響の足の速さを考えると、もう遠くへ行ってしまっているでしょう。」

貴音「...........あずさ。」クルッ


シーン


貴音「なっ......あずさっ!」




############### 三浦あずさ #################

あずさ「あらぁ.......貴音ちゃん?」

あずさ「何処に行ったのかしらぁ......。」



######################### 菊地真・萩原雪歩 #########################



 ティン



                      ティン






        ティン





雪歩「ねぇ、真ちゃん。」ティン

真「どうしたの?」

雪歩「......ううん。やっぱり......なんでもないよ。」





雪歩(『人間って....案外簡単に嘘をつくんだね』.....って。)




カップル男「俺のこと好き?」
カップル女「うちゎ、世界一好きだよぉ......。」
カップル男「サンキュ、俺も世界一好きだよ。」



雪歩(ほら.....今も)ティン!!

雪歩(あそこの二人が嘘をついてる......。」

真「んっ? 何か言った?」

雪歩「えっ......いや.....何でもないよ。」








チャラ男1「君きゃわいいねwwwwwwwwお茶しない?」

チャラ男2「ついてきて損はさせないよ。」

?「残念だけど、;;;;;;;;;;;;;;;;;;(上手く聞き取れない);;;;;;;;;;;;;;;。」



ティン!

雪歩「まただ.......」クルッ

雪歩「あれ?」

真「どうしたの?」

雪歩「美.........希ちゃん?」


真「えっ、美希?」

雪歩「ホラ、あそこ」ユビサシ




美希「あ、あははは.........。」チラッ

美希「ん? あっ! ハニーなの!」

真「なっ!?」

雪歩「」ティン

美希「ハニー、ずっとまってたの!」


チャラ1「チッ! マジで彼氏持ちかよ.....。」スタスタ

チャラ2「でも、あの男イケメンだなぁ....。」スタスタ

チャラ1「でもどっかで見た気がするんだよなぁ......。」スタスタ


美希「....やっと行ったの!」

美希「でも、このタイミングで真クンに助けてもらうなんて.......。」

美希「まるで奇跡みたいなの!」

真「ハハハ....大げさだなぁ。」

美希「真クンの課題って何? ミキはね......。」

真「ボクは.......。」




雪歩「」ティン!!
.





真「.......って所かな。」

美希「なら、ミキは真クンと敵対することとになるのかぁ.....。」


星井美希  : 能力【不明】
          課題『日に1度以上争いの種になりましょう。』


雪歩(.......嘘じゃないんだね。)

美希「どうしたの?雪歩「けげん」って顔してるよ?」

雪歩「.........敵対するなら.......美希ちゃんはどうするの?」

美希「そうだね.......丁度いいから。」







美希「此処で争いの種を作っちゃうかな........。」ニヤリ





######################### 我那覇響・水瀬伊織・高槻やよい #########################

響「ううっ、ごめんなさいだぞー。」グスン

伊織「全く....」プンスコ

############### 小鳥・モバP #################

モバP「小鳥さん.......響ちゃんをどうしますか?」
  
小鳥「『争いに巻き込まれたらダメ』が彼女の課題ですけどね。」

小鳥「果たして、さっきのを争いと呼んでもいいものか....。」

小鳥「可愛いやり取りだったので、見逃しましょうか。」

モバP「そうですね。」

############### 小鳥・モバP #################

伊織「で、アンタはどうしてここに?」

響「いや、二人に出会ったのは偶然だぞ。」

やよい「本当ですか?」





響「やよい~、もしかして自分を信じてないの?」

やよい「はわわっ、別にそういうわけじゃ....。」

響「まぁ、しょうがないか。他の人の課題が何か予想できないしね。」

伊織「アンタの課題は何なのよ。」

響「えっ、自分のは.........。」



三人が各々の課題を教え合う。



伊織「んー、ならあんまり私達と行動しない方がいいかもしれないわね。」

響「確かにそうだけど.......。」

やよい「あれ? そういえばハム蔵はどうしたんですか?」

響「そう!それだ!ハム蔵、今どうしてるさ?」フリカエル



伊織「良いわね....ワイヤレス通信。」

響「ペット限定だけどね......。」

響「あれ......ハム蔵?」

響「視界がスクランブルしてるさ......。」



響「ハム蔵!?」





響「ハム蔵ハム蔵ハム蔵ハム蔵ハム蔵ハム蔵ハム蔵」

伊織「ちょっと落ち着きなさいよ!」

やよい「あわわわわ」

############### 小鳥・モバP #################

モバP「物凄いうろたえようですね。」

小鳥「本当に家族は大事なんですね。」

############### 小鳥・モバP #################

響「嫌だよハム蔵.......ねぇ!ハム......」

ギュッ

やよい「響さん、落ち着いてください」ニコッ

響「う......うん。」

響「すぅぅぅぅぅぅ、ふぅ。」シンコキュウ




響「」ハッ!!





響「見える.........。」

響「見えるさっ!!」

響「ハム蔵の視界が!」

############### ハム蔵の視界 #################

公「ヂュイィィィ」
訳「あいつ....ちゃんと逃げ切れたんだろうか。」

公「ヂュゥ」

貴音「どうかしましたか、ハム蔵。」

公「ヂュウ」

############### ハム蔵の視界 #################

響「貴音.......。」



響「貴音がハム蔵を........。」

伊織「そんな......。」

響「ハム蔵を取り返さなきゃ!」

伊織「でも、どうするのよ! アンタ争いに参加したらダメなんでしょ?」

############### 小鳥・モバP #################

小鳥「そうですねぇ、流石にそれは看過できないかなぁ.....。」

############### 小鳥・モバP #################

響「...........。」

響「たしかに、ハム蔵を放置して3日間逃げ切ったら、プロデューサーがお願いを聞いてもらえるさ。」

響「でも、ハム蔵が居ない3日間は苦痛だし。」

響「家族を見捨てて手に入れるお願いに価値なんてないさ。」



響「だから自分は......貴音からハム蔵を取り戻す。」

伊織「その後は? もし脱落してしまったら。」

響「その後は........。」

伊織「........何も考えてないんでしょ?」

響「.....うん、全然考えてないさ。」




伊織「ハァ、全く。..........いいわ分かった。」

伊織「私があんたのハム蔵を取り戻すの手伝ってあげる。」

やよい「伊織ちゃん.....。」

響「伊織.....。」

伊織「かっ、勘違いしないでよね。あくまで私の課題だから手伝ってあげるだけなんだからね。」


響「うん、ありがとう伊織。」

伊織「やめてよ......恥ずかしい///」

やよい「それじゃあ、えいえいおーで頑張りましょう!」

三人「オーッ!!」






響「...........待っててね、ハム蔵」ボソッ










######################### 四条貴音 #########################

貴音「.........よくよく考えれば、響がハム蔵を取り返しに来る可能性も考えられますね。」

貴音「もしかしたら響の能力が不意討ち向きな場合も.........いや。」



四条貴音  : 能力【能力無効化】
          課題『3日間絶対に好きな物を飲食しないでください。』



貴音「それは関係無いですかね..........。」



5分インターバル


能力・課題一覧

天海春香   能力【人心誘導】  課題『他人の成功を直前で妨害』
如月千早   能力【透明人間】  課題『3人脱落させる』

高槻やよい   能力【??】      課題『13人全員と遭遇』
水瀬伊織   能力【太陽拳】    課題『他人を3度助ける』
菊地真     能力【??】     課題『他人の課題を成功へと導く』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】  課題『争いを3度止める』

双海亜美   能力【物体変換】  課題『残りの12人に不意討ち』
双海真美   能力【創造者】    課題『最初に会った人の課題(双海亜美)』
星井美希   能力【??】     課題『日に一度争いの種になる』
我那覇響   能力【交信能力】  課題『3日間争いに巻き込まれない。』
四条貴音   能力【能力無効化】 課題『3日間好きなもの飲食禁止』
三浦あずさ  能力【??】     課題『???』
秋月律子   能力【??】     課題『???』




#########################双海亜美・双海真美 #########################


真美「ねぇー亜美。」グダァ

亜美「なーにぃー。」グダァ



真美「誰にも会わないね......。」

亜美「本当だyo」


真美(チェッ!! 役に立たないなぁ。)

亜美(でも、最後の最後まで仲間面しておかないと......。)

真美(最後に.....)

亜美(笑うのは......)

ふたり(亜美(真美)だもんげ!)



######################### ハム蔵 #########################


公「...........。」


響『ハム蔵! ハム蔵!』ツウシン

公「ヂュ?」


響『今から助けに行くさ! 場所はどこ!』


公「ヂュヂュヂュ!!」
訳「バカ野郎! 戻ってきたら意味ないだろ!」


公「ヂュヂュ!!」
訳「俺の事は気にしないで残り隠れてればいいんだよ!」


響『やっぱり、自分はハム蔵達と一緒がいいさ!』


公「ヂュッ.....。」
訳「ったく....///」


貴音「ハム蔵?何を言ってるのですか?」

公「ヂュヂュヂュ」

貴音「.............。」


公[[ヂュヂュヂュ]]
訳「さっきの建物近くの国道だ」


公[[ヂューヂュッヂュ]]
訳「具体的な場所はわかんねぇ。」



響「わかったっさ!」

響「(ペットの)みんな聞こえる!?」

響「ハム蔵がさらわれたさ! 皆で助けるよ!」



############### ペット #################


イヌ美「バウッ!!(マジっすか!)」

ネコ太郎「ニャア!!(おっ!!)」

ネコ三郎「ニャアッ!!(やっと通じた!)」



######################### 菊地真・萩原雪歩 #########################

雪歩「み.....美希ちゃん。」

美希「ミキ、本気だよ。」

美希「どうする? 真クン」

美希「止めるに止められないでしょ?」

美希「止めようとすればミキはそれを争いの種として利用するの!」


真「小癪な.....。」

美希「ハニーとのアツアツデートのためなら色んな物を犠牲にする」



美希「例えば.....」

美希「この街の人たちとかね。」

雪歩「.......。」




 人間は一日に少なくとも二回以上嘘をつくと言われている。
 実際、私たちが『お世辞・社交辞令』と呼ばれる言葉もこじつけてみれば嘘である。

 雪歩が手に入れた【嘘発見器】はそれらを分けるの力はない。




ブサ「どうかなぁ? これにぁう?」

店員「はい!とてもお似合いですよ(うわぁ.......うわぁ.........)」


政治家「私は日々!国民が幸せになるために腐心してきました!」エンゼツ


ママ「コラッ!そんなことしちゃダメでしょ! お天道さまは見てるんだよ!」



 嘘にまみれた街の中で.......

 萩原雪歩が特定のウソを見抜く事は困難を極める事であった。






 だから、彼女が本当の事だと思い込んでいる事柄の中には......

 所々星井美希が嘘をついている事にまだ気づいてなかった。









美希「宝くじで1等が当たる確率ってどれくらいだと思う?」

美希「ロ○6でいいよ.....大体一千万通りくらいあるうちから一通りだけ。」


美希「でもね.......ミキや真クン、雪歩がこの世に生を受ける確率。」

美希「ミキ達が同じ日本で生まれる確率。」

美希「一般家庭に生まれる確率」

美希「そして、みんなに出会える確率。」


美希「みんなみんな、○ト6で一等当てる事よりも低いの。」

美希「美希達はみーんな奇跡の子供なの。」


真(いきなりどうしてこんな話を.........。)

美希「..........ところで真クン。」ススッ


 美希がスッと真へと間合いを詰めていった。


真「!?」

美希「そんな中でも特別な容姿を手に入れたミキは......。」

美希「13人いる中で、ミキが手に入れたビンは.......。」












::::::;'';::::::::::::::::::::::::::::::::::::;    ; ,'::::::::::::::::::::;' , ' ,'     ,..':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::::,  ';' ;:, ';::::::::::., -フ=─..,':::::::::::::::::::;' ,' ,' / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\

:::::::',  , ';' ;:::::::.( [_,,,-- ,,,_.::::::::::::::',':;' . |    より奇跡に近いものだったの.......。   |
';:::::::',  , ;  ,./ヽ!       ` ヽ.::::::;'  ,.\________________/
 ;:::::::,  ' ,./             ヽ' ,..':::::::::::::::::::::::::; '       ' ,...'::::; '
  ';::::;'  / ,            、 ヘ..'::::::::::::::::::::::::; '       ,....':::::; '
  ',:::',  i .i    ト    、  、  ヘ ',.::::::::::::::::; '       ,...':::::; '      ,...::
   ',:::, i .i .i .ハ |ヽ   ',  ',  i } ',.::::::::::;'       ,...':::; '     ,....::'::::::::; '
',   ' ;'..i { | / __',」 ヽ、 ヘヽ. ', .i .!. ',.::::::;'     ,...',:: /´〉,、 . ,.....':::::::::::::::::::::;
:::'.,   ./ィ.',∀´ ̄'j`  ヾx.弋弋┼、|l   ,.:::;'   l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/ . ' ',:::;::::::::, '
';:-─'7  .人',斤忝孑  ` ``__!} 从.  ,     ,..',二コ ,|   ,' '     ' '
 ';::',ノ, イ ヽ、ヘ弋゙ツ    〃 ̄ `ソ'^ ヽ、 ヘ . , ' './__」     | ̄|rヘ
...〆´ ノ    ` ,""   :i   "" ./     ヾ-ゝ  .'´.     (^ーヵ L__」L/
;:'..,.,ノ,-彳  , 、 _ゝ、  ー ‐  ィ"    ヾヽ、       .,...r三'_
...'´彡/, /  、 ̄7/ゝ.....‐ ヘ t─‐‐-、 ヾヽ `  ...,...'::; '   .∧
 ...// i    ヽ// ! ""/  〉ナ    ', ヘ ヽ..,..':::::;.r--、 (/  , ,......', '
...ノイ, イ' |.    // ̄ヽ /, ‐ /∧゙,    i ', ヘ . ,':;::; ._,,,ニコ〈  〈〉.::::::::::'::::::'::;:::' , '
  メ´ /  l.   V/ .    「V ム.゙, Vi   i ヾj  .(__,,,-ー''.       /~7 /)
../  l.  l   厂 兀`ー<┤!// \ヘ   'l  ',  .,..':::; ' ' ' /二~|/_/∠/
  ...l|  ∧  )⌒^`ーH_{ !」ノ/ .斤   'l i i         ./ ̄ 」
   .!イ ハ. i.  !         ゝ ~ く }.   i. ハ |           ~~ ̄
    !/ l i  ',        \  ` 、.  V l|       /^ヽ、 /〉
    'j  ヤハ.  \ _,,,....,,,_ ,ゝ    `ヽ',       .ャー-、フ /´く//>
    . |  'j .!   ツ=      \    .i        `ー-、__,|    `"
         |   ヤ   ̄      {ゝ、 _.ノ



真「」ゾワァ...

真(だめだッ! この目は本当にヤる人の目だッ!)

真(雪歩を連れて逃げないとッ!!)


真「雪歩……一旦退くよッ!」

雪歩「真ちゃん!」ダッ


美希「逃げちゃったの。」

美希「でも、此処で逃げられたら目的が達成できないから......。」

美希「逃さないの。」



############### 小鳥・モバP #################

モバP「菊地さん、この判断はミスでしたね。」

小鳥「どうしてですか?」

モバP「だってそうでしょう。菊地さん雪歩ちゃんじゃないんだから。」

モバP「そのまま星井さんと争えば良かった。」

小鳥「なるほど、それで雪歩ちゃんに止めさせたら…。」


モバP「双方がwin-winで終わる事になるのに……。」







######################### 別の道路 #########################

あずさ「貴音ちゃん.....何処なのかしらぁ。」

真「ハァ....ハァ.....。」

雪歩「ま.....待ってよぉ.....。」

あずさ「あらぁ? 真ちゃん、雪歩ちゃん。どうしたの?」

真「あ.....あずささん。」



真「かくかくしかじか.......」

あずさ「まるまるうまうま.......そう、美希ちゃんが。」

真「あずささんも逃げた方がいいです。あれは異常な雰囲気しました。」

あずさ「そう.....じゃあ実際美希ちゃんに会ってから決めるわ。」

真「危なくなったら逃げてくださいね!」








あずさ「あらぁ.......。」

美希「あっ、あずささんなの!」

あずさ「ふふふ.......。」









真「あずささん.....ごめんなさいっ!」

雪歩「」ティン


雪歩(.................そうだよね。)













######################### 我那覇響・水瀬伊織・高槻やよい #########################


伊織「いい......作戦会議をするわ。」

やよい「うっうー♪」

響「ううっ、ハム蔵がこの道のどこかにいるのに。」

伊織「静かにしなさい!」


伊織「ねぇ、響。あんたのペットは陽動には使えるの?」

響「使おうと思えば使えるさ。ハム蔵にはそれで助けてもらったし。」

響「でも、自分が近くにいるとダメってピヨ子に言われたんだ......。」



伊織「あまり期待しちゃだめっぽいわね。」

やよい「うっうー。なら私たちがようどうしたらいいのかなー。」

響「でも伊織達にわるいぞ.....。」

伊織「いったでしょ? 手伝う事が私の課題。」

伊織「やよいは貴音に会うのが課題。」

やよい「ウィン-ウィンです!」



伊織「それで、ハム蔵の具体的位置は分かるの?」

響「自分も探ってるけどやっぱり靄(もや)がかかって見えないさ。」

響「さっきまでは確かに見られたのに……。」アセアセ

やよい「響さん......落ち着いて」ギュッ



響「うん....。」

伊織「ほら、深呼吸しなさい。」

響「うん」スゥ....ハァ



 響はもう一度試みた。
 目をつぶり、耳を澄まし、意識を尖らせる。


 暫くすると


 ハム蔵の視界が見え始めた。
 その下方にはさらりとした銀色の髪があった。

 つまり.......。




響「貴音の頭の上......さ。」

伊織「貴音の頭上.....って。」

やよい「はわわ、難易度たかいですよ。」

響「......でもやるさ。」

響「なんくるないさ。」



響「ジャンプしたら余裕で届くけど。」

響「バレたらお終いさ。」

響「争いになって自分は脱落......。」


ゾワッ!!


響「........うん、達成させる。」

響「ペットのみんなも聞いてほしいさ。」

響「ハム蔵奪還作戦。」



######################### 小鳥・モバP #########################


小鳥「ピヨヨー。」ピヨピヨテカテカ

モバP「四条さんは今街路へ向かってますね。」

モバP「人の目がある以上は響ちゃんも動けないような気がしますが。」

小鳥「そうですね、なら誘導するのではないでしょうか。そう....人目の少ない所へ。」

モバP「そうか、響ちゃんのペットが誘いこめば良いですもんね。」



モバP「どうですか? 成功すると思いますか?」

小鳥「さぁ、神のみぞ知るってやつですピヨ。」

小鳥「ピヨちゃんは予め全部の能力をしってるから分かるんですけど。」

小鳥「あの勝負はやよいちゃんがカギを握りそうなんですピヨね。」

モバP「高槻さんが?へぇ....。」

小鳥「薄々気づいてるかもしれないですけど。」

小鳥「貴音ちゃんは他人の能力を無効化させるんですピヨ。」


モバP「ああなるほど、だからペットとの交信で靄(もや)があったわけですね。」

モバP「あれ? ならどうして時々、というかさっきもハム蔵の視界を見られたんですか?」


小鳥「ふふふ。内緒です。」

モバP「........まぁ、追々見極めますよ。」

小鳥「正解できるといいですね。」


######################### 四条貴音 #########################


貴音「...........。」


 四条家では嗜みとして、日本武道や作法を執り行う。
 武道としては弓道・長刀・空手道・柔道。
 
 作法としては、茶道・華道などだ。


 例えば、FPSゲームのトッププレイヤーはこう語る。


「経験が積み重なると、やがて未来予知の様な領域にたどり着く。」
「まずはじめに足音がきこえて。」

「その次に足音の大小や左右のバランスで大体の位置を掴み。」

「記憶しているマップから敵が現れるであろう位置を割り出し。」

「銃を構えればドンピシャで敵が現れる。」









 四条貴音もその領域に限りなく近づいていた。



 既に彼女は3つ呼吸音を捕えている。
 鍛え抜かれた肉体がより多くの酸素を取り込まんとする呼吸音と
 未だ幼さが残る呼吸音が二つ。


 言わずもがな響達の呼吸であった。




貴音(ですが.....この気配の多さは一体.....。)



 同時に貴音の周辺にいるペットの存在にも感づいていた。

 そして、自分を誘導しようとしているのが分かる。
 そして、自分もあえてその誘導に乗ろうとしている。



そして、誰もいないような廃工場へと連れてこられた。



ネコ三郎「ニャアアアアア」

貴音「ネコ.....ですか。」

公「ヂュヂュヂュ。」

ネコ太郎「オアアアアアォ。」

公「ヂューヂュヂュッヂュイ!!」






貴音「ハム蔵.....何をそんなに鳴いているのですか。」

貴音「.......まさか!!」


 その時一つの気配が動いているのが分かった。


貴音「響!」



 貴音は振り向く。だが、そこにいたのは水瀬伊織だった。



伊織「ざんねん! これでも食らいなさい!」


 伊織はク○○ンよろしく太陽拳のように自分の能力を発動させようとした。
 だが.....。


伊織「あ......あれ?」

貴音「何を、するつもりだったのでしょうか。伊織。」

伊織「くっ!! 発動しないッ!!」



伊織「しょうがないわね、でも意識は逸らしたんだから。」

伊織「ハム蔵を返してもらうわよ!」


貴音「おっと。」グッ

公「ヂュイッ!!」


 貴音はハム蔵を掴んで、胸元へと押し込んだ。


響(なっ!!!)


貴音「......私は響と話がしたいだけです。」

貴音「先刻も、響が私を恐れて逃げ、ハム蔵が私くに立ちはだかったものですから。」

伊織「なら、先にハム蔵を放してあげたらいいわ。」

伊織「響が皆から逃げるのにはわけがあるんだから。」

貴音「理由......ですか。」



公「ヂュヘヘヘヘヘ//////」

響(ハム蔵~!!)



伊織「なんか、ハム蔵はハム蔵で満更でない顔してるんだけど......。」

響(後でおしおきさ!)

貴音「では......本人に聞くと致しましょうか。」



貴音「響。」

 貴音はもう一つの呼吸音のする方向を向いた。
 響のいる方向だ。

伊織「」ゴクリ

 伊織は生唾を飲み込んだ。

貴音「伊織の表情や行動を鑑みれば響で間違いないようですね。」

響「.............。」

貴音「教えて頂けませんか。」

響「.............。」



伊織(不味いわね。)

伊織(仮に響が貴音に課題を教えて和解したとして。)

伊織(私は課題を成功したことになるのかしら.....。)チラッ

やよい(ううっ....わからないよ。)チラッ


貴音「私が信用なりませんか.....。」


 響は姿を現さずに言った。


響「違うさ。」


響「違うんだ。自分も姿をみせたいけど」

響「貴音が自分の敵じゃないっていう保証が無いだけさ。」

伊織「そうよ! いま響は反抗の手段を持ててない状況なのよ!」

貴音「それは.....。」



伊織「アンタの能力...........【能力消去】辺りでしょ。」

貴音「.........。」

伊織「無言ってことは....正解ね。」

伊織「ハム蔵の映像にもやがかかって、私が能力を行使できないってことは」

伊織「そういう事だろうと思ったわけよ。」



伊織「ぶっちゃけ、私たちの姿がばれた以上は何もできない。」

伊織「アンタの課題が他人を脱落させる課題か。」

伊織「私のように他人を助けるか。」

伊織「やよいのように人畜無害かどうかで」




伊織「響の身の振り方が変わるのよ!」


貴音「......そうでしたか。」


伊織(このセリフがあれば万一があっても手助けした事になるわ.....よね?)


伊織「響の課題は.....。」

響「!? 伊織喋るのはダメさ!!」

伊織「.....そうだったわ。ゴメンなさい。」



貴音「..........姿を現さない事を考えると。課題があるからですか?」

貴音「例えば初めに響がハム蔵を置いて逃げる時も。」

貴音「響は音も無く姿を消した。」


貴音「他人に会ってはいけないとあれば伊織達に会った時点で課題に違反してます。」

貴音「そして、やよいのように人畜無害という単語から推測。」

貴音「さらに、伊織が私に向けた不安が他人を脱落させるかどうかだと言う事を鑑みれば。」









貴音「争いに.....巻き込まれてはいけない?」

響「!?」

貴音「響....呼吸音が一瞬止まりましたよ。」

貴音「明答......という事でよろしいですか。」



響「うっ! 五月蠅い! だったら何なのさ!」

貴音「でしたらご安心ください......私は.....。」


 カッ!! カッ!!


 急に小石が投げられる音がした。


伊織「何!! 何よ!!」

?「へぇ.......良い事聞いたわ。」

やよい「その声はっ!!」



貴音「大丈夫です。何があっても私の能力があらばこの場は.....。」


 貴音が足を一歩前に出した瞬間だった。
 その足がツルリと滑った。


貴音「なっ!!」


 ズテン!!


伊織「貴音!! なんでこんな時に滑るのよ、春香じゃあるまいし!」

貴音「わ....私にもわかりません。」

貴音「この地面....『ざらざらのコンクリート』です。」

貴音「あたかも氷の上で滑ったような感じでした。」




貴音「響.....この場は逃げなさい。何時もの所で落ちあいましょう。」

響「..........えっ。」

貴音「私を信じてください!」

響「............わかったさ。」


ダッ!!


貴音「物分かりがよくて有難いです。」





貴音「所で....御挨拶ですね。」




貴音「律子嬢。」





律子「..................。」ニヤッ

伊織(でも待って。)

伊織(律子だとしたら......さっきの貴音の転倒が能力によるものだとしたら。)

伊織(どうして律子は能力を今使えるのよ!!)






やよい(律子さんも私と似た.........。)








秋月律子  : 能力【不明】
          課題『2人以上のチームと戦って勝利してください(×3回)』



エター前のスレより

102 名前: ◆7tvOaNGIN2[] 投稿日:2014/01/30(木) 08:22:39.31 ID:wf1CoCoNo

候補は

・ 貴音&やよい&伊織Vs律子

・ 亜美&真美

・ 千早&春香

安価下
上にない候補も一応あり

104 名前:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage saga] 投稿日:2014/01/30(木) 10:32:29.53 ID:qCDzbPsJo
ひびきん視点からの、貴音たちで


######################### 我那覇 響 #########################



響「ハァハァ・・・」ダッシュ

響「ハァハァ・・・・タカ丸!聞こえる?」ミチトノコウシン


タカ丸「おう、どうしたよひびキュン!(泣き声割愛)」ミチトノコウシン

響「かくかくしかじかで・・・・自分の代わりに目になってほしいさ!」

タカ丸「・・・・わかった。」バサッ

タカ丸「いまから、全速力で・・・・2分といったところかな。」

響「いや、自分所へ来なくていいさ!直接ナビする方へ!」





数分後

響「タカ丸! その建物さ!」

タカ丸「了解! 侵入する!」

響「いや、そこから様子を見ててくれるだけでいいさ!」



タカ丸の視力は自分たちの8倍以上と言われているさ。
ただズームとかじゃなくて、遠くの物をより鮮明に見る能力で。

遙か上空からでも小動物を鮮明に捉えられるその視力は、
貴音の能力の射程範囲外から状況を視認することを可能にさせるさ。



響「視界良好・・・・聴力は・・・・。」





?「……ですか……。」

?「…………なのよ。」





響「いまいち聞こえないさ……。タカ丸、もう少し近付ける?」

タカ丸「此処より近くで見えやすい所か……。」バサバサ






貴音「律子嬢…貴方は。」

律子「あら、あんた達が私に怒る権利なんてあるの?」

律子「お互い目的はいっしょなんでしょうに。」



響(貴音と……律子!)



貴音「……そうですね。」



伊織「アンタっ!調子に乗ってんじゃ…!」


 伊織が律子の胸倉を掴もうと体を前にした瞬間、伊織も貴音と同じく滑って転んだ。


律子「ああ、そうそう…。竜宮のレッスンの時に言ったわよね。」

律子「仲間が注意されてる時は自分の事だとおもって聞きなさいって。」


伊織「くッ!!」

律子「自分は関係ないと思ってたらだめじゃない。」

やよい「律子さん……能力は何なんですか?」

律子「それは教えられないわね。」

やよい「そうですか……。」ギュッ




響(やよい……伊織の手を握ってなにするつもりさ。)




やよい「貴音さん、目をつぶってて。」

伊織「くらいなさい!!」ピカーッ!!



 伊織の体が発光を始めた。
 そういえば、あの時はやよいが手を離したときに伊織の光はデコだけになったさ。

 そう、「やよいが手を離した」その瞬間さ。
 やよいの能力は一体何?

 自分もハム蔵を探す時にも、貴音の能力のせいで視界に靄がかかってたのに。
 やよいが手を触れてくれたお陰ですっかり消えた気がするさ。

 伊織が体中から光を出した瞬間だった。




 目の前が真っ暗になった。




タカ丸「うわっ!!」

響「なにこれ!」


 それと同じセリフは別に聞こえていた。


伊織「なにこれ!!」

貴音「目の前が、真っ暗に!!」




律子「あら…どうしたのかしら。」

律子「あんなに光ってたのにまるで停電したかのよう・・・・。」



 そんなもんじゃないさ……
 停電したなら、自分が見えない理由にはならないさ。


 また別の…。



響「自分が…発見して見せるさ。」





############### 小鳥・モバP #################


小鳥「ピヨピヨ。」

モバP「我那覇さんは、高見の見物ですか。」

小鳥「鷹だけに……」ボソッ

モバ「何か言いました?」

小鳥「別に何もないですピヨ」



律子「まぁ、アンタ達には見えてなくても私には見えているわけで……。」

スタスタ

律子「このまま勝たせてもらうわ……。」


 視界が開けずこのまま貴音達が負けるそう思った。


響「みんな・・・・・。」


 願っていれば、助かる…なんて思ってた。
 暗くなる視界が徐々に明けるころ……自分は律子の能力に気付いた。

 だけど、その能力を知ったころには……。
 タカ蔵の目が再び景色を映すようになるころには。



 律子の姿はそこにはなかった。





######################### 秋月律子 #########################

律子「ふぅーやっと一勝か。」

律子「後二つ……上手い事行けばプロデューサー殿と……。」

??「そこにいるのは律子なのぉ?」


律子「……ハァ、『さん』をつけなさいって言ってるでしょう。」

律子「美希。」

美希「アハァッ、ごめんなさいなのぉ!!」

律子「……で、何しに来たの?」

美希「アハァッ、律子……さぁんも分かってる筈なのぉ。」


律子「……。」

律子「で、どうしたんですか?」



律子「あずささん。」

あずさ「えっ。」


律子「変身能力か何かな様ですけど、私には分かりますよ。」スタスタ

律子「他人に化ける時はもう少し上手く化けてくださいね。」

あずさ「あらあら~。」

############### 小鳥・モバP #################

小鳥「律子さん、これで条件一つ目クリアですね。」

モバP「まさか四条さんが負けるとは。」

モバP「恐るべきですね、【逆転能力】っていうのは。」

小鳥「はい……えっ!」

モバP「今のは流石に分かりましたよ。逆転ですね。」


モバP「過程による結果の逆転。それが律子さんの能力でしょう。」

小鳥「……だとすれば、なんですか?」

モバP「天海さんに対抗できる人間は意外といるって事ですよね。」

モバP「能力を無効にできる人間と、結果を逆転させてしまう人。」



モバP「でも、その人たちに比べて水瀬さんが厳しいような気がします。」

小鳥「」ピヨリンッ!!

小鳥「わかってますよ」ガサゴソ

スゥッ

小鳥「分かってますとも」ニヤリ...




モバP「小鳥さん・・・それは。」

モバP「はい、救済・・・兼ゲームのテコ入れですピヨ。」


######################### 星井美希 #########################

 ポタリポタリと滴が落ちる音がする。

美希「う・・・う~ん。」

美希「・・・・ここは?・・・ミキは?」



?「よかった、目が覚めたのね。」

美希「その声は・・・千早さん?」

千早「ええ。大丈夫かしら。」

美希「うん・・・大丈夫・・・・なの。」



千早「何があったか…教えてくれないかしら。」

千早「一体誰にやられたのか。」

美希「…………。」


美希「あずささん…だったの。」


############### 回想 #################


美希「あっ!」

あずさ「美希ちゃんだめよ、真ちゃんが怖がってたわ。」

美希「ゴメンなさいなの、でもミキはやめるわけにはいかないの。」

あずさ「気持ちは分かるわよ、プロデューサーさんが何でもお願いを聞いてくれるからでしょ?」

美希「うん、だからミキは…」



あずさ「あら、所で美希ちゃんの課題って何かしらぁ?」

美希「あずささんが教えてくれるなら教えてあげてもいいよ。」

あずさ「……あはははは。」

美希「答えられないんだね。」



美希「なら、争いの種のついでに…吐いてもらうの。」ゴゴゴゴゴゴ

あずさ「…やっぱりだめね。課題の相性が悪い人と当たるってのは。」ボソッ・ピンッ

美希「なにかいっ……。」


ボワゥ!!

あずさは美希にむけてスモークを投げつけた。


美希「うぐっ・・・・。」

煙に目をやられ、苦しんでいる美希に衝撃が後ろからおそった。

美希「くあっ!!」



その場でバタリと倒れる美希。
虚ろな視界の中彼女が見たのは。


自分の姿かたちに変身している最中のあずさの姿だった。




あずさ「大丈夫よ、美希ちゃん。脱落はさせないわ。」

あずさ「それじゃあ、私が困っちゃうから。」ニッコリ


あずさ「でも、美希ちゃんに出会うと。私が譲歩しないといけないから。」

あずさ「どっちにしろ困るのよね。」


ペラッ


美希(あずさ)「大変ね誰も;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;



############### 回想おわり #################

千早「……あずささんの能力は変身ね。」

美希「多分そうなの……。」



千早「有難う……それじゃあ」クルッ スタスタ

美希「待って……千早さん。」

千早「??」

千早「何かしら美希」クルッ



美希「(ニッコリ)」 with消化器

プシュー!!

千早「きゃあっ!!」プシュー!!

千早「美希っ!!何をッ!!」



美希「千早さん、さりげに美希の紙を持ってるでしょ?」

美希「さっき話してる途中に確認してたの。美希がちゃんと紙を持ってるか。」

美希「結果はご存じのとおりなの。偶々それに気づいちゃったから。」

美希「偶々近くにあった消火器を使っちゃったの。」



美希「有難うなの千早さん。」

美希「千早さんが来てくれなかったら美希は自分で争いの種を作れなかったの。」

美希「さっきはあずささんがまいた種だから。このままいってたらミキ脱落してたかも。」

美希「やっぱり、美希は奇跡の子なの!」



美希「・・・資格の紙は返してもらうの。千早さん。」







春香 [[ そ の 手 を 離 し な さ い 。 ]]ゾワァ




美希「」パッ

美希「!?」


春香「お悧巧さんだね、美希。」

美希「春香……今何をしたの!」

春香「なんでもいいでしょ? それより…。」

春香「今とった紙を千早ちゃんに渡してあげて。」

美希「い、嫌なの! これは……。」




春香 [[ 渡 し な さ い ]] ゾワァ




美希「くっ……。」

千早「有難う。感謝するわ、美希。」


美希「ハニ…。ミキは……ミキは……。」


 春香はこの時自分たちの勝利を確信していた。
 丁度その時だった。


 ピリリリリリリリリ

 春香の携帯がなった。

春香「えっ、携帯!……誰から?」


 春香の意識が携帯に向いた時。
 美希は自分の体が思い通りに動かせられるようになった事に気がついた。


千早「春香っ!!」

美希「遅いの!!」プシュッ!!


美希はもう一度消火器を千早達にかけた。
しかし、残り一秒程度の量しか残っていなかったようですぐに切れてしまった。

それでも千早達の眼つぶしの役目を果たすには十分な量であった。


千早「ケホッケホッ!!」



春香「千早ちゃん、大丈夫!」

美希「」ダッ!!

春香「あっ!!」




######################### 公道 #########################


美希「ハァ・・・・ハァ・・・」

美希「助かったの・・・・。」


美希「あの電話がなかったら……終わってたの。」

美希「一体……」

P「お! 美希じゃないかよ!」


美希「あっ! ハニーなの!」


P「コラ! こんな所ではハニーって呼ぶな!」

美希「えへへ、ゴメンなさいなの。」

P「まぁ、いいんだ。それより春香の今日の予定とか知ってるか?」

美希「えっ、どうして?」


P「いやぁ、な。春香に『先生ピンピン物語』の生徒役でオファーが来たからな、報告しようと」

P「さっき電話したんだけど……。」


美希「!?」


P「ん? どうした?」

美希「………いや、何でもないよ。」

美希「ごめんね、取りあえずミキはもう帰るの。」

美希「ハニーのために課題頑張って。疲れちゃった…あふぅ。」

P「……お、おう。なんだかよく分からんがお疲れ様。」




美希「ハニーありがとう。やっぱり美希は……」

美希「奇跡の子なの!!」






星井美希  : 能力【奇跡】
          課題『一日一度必ず争いの種になってください』



######################### 我那覇響・四条貴音・高槻やよい・水瀬伊織 #########################


響宅


伊織「………。」

やよい「………。」

貴音「………。」


響「……み、みんな。」

伊織「なに?」どよーん

貴音「なんでしょう、ひびき。」どよーん

やよい「………。」どよーん

響(く、空気が……。)



響(でも、自分が場を明るくさせないと。自分は空気も読めて完璧だからな。)

響「うっうー! 元気の出るおまじない、ハイタッチですよー(裏声)」



やよい「……響さん。」

響「やよい、自分とハイタッチするか?」

やよい「そうですね……」どよん

響「こっ、これはハイタッチのテンションじゃないさ…。」



貴音「律子嬢に手も足も出ませんでした。」

貴音「紙が私達の手に残っている事は、律子嬢の目的は私たちを脱落させることではなく。」

伊織「私達に勝つことだった……。」


伊織「だとしても、もし次脱落させることが課題の奴相手に負けたら。」

やよい「ゴメンなさい…私が。」

伊織「律子の能力は結局わからずじまい。」

伊織「私の能力は明らかに…イザコザの時には何もできない。」

伊織「どうしたらいいのよ。」

響(ど、どのタイミングで律子の能力について教えようかな……。)



 辺りはすっかり暗くなろうとしていた。
 やよいは家事のために帰宅。

 伊織も今日はやよい宅に泊まることになった。

 貴音も響の保護のために、響宅に泊ることとなった。

 もしかしたら、誰かが強襲に来るかも知れないと考えると眠れそうになかった。








######################### 小鳥・モバP #########################



小鳥「もう、一日目が終わろうとします。」

モバP「そうですね、しかし今現在で課題成功に近いのが」

小鳥「美希ちゃんと律子さん」

モバP「我那覇さんとやよいちゃんと水瀬さん位ですか。」

小鳥「そうですね。ですが、一体次の日には何人が課題成功に近付けるんでしょうね。」



小鳥「まぁ、どうなるか私もよそうできません。」

小鳥「結末は……このドリンクのみぞ知るって奴です。」




【序章 終】























######################### 次の日 #########################


 朝、各アイドルの自宅に手紙が届いていた。


春香「これは?」


やよい「小鳥さんからの手紙です!」


響「読んでみようよ貴音!」

貴音「はい!」


######################### 手紙 #########################

 ピヨピヨリン! みんながんばっているピヨですか?
 本日で二日目を迎えます。ある人は課題終了まで後少し。ある人は
全く進んでなくて、アセアセピヨリンリンってかんじかな?

 でも、ピヨちゃん・・・・

########## 我那覇響・四条貴音 ###########

響「みんなの様子をピ…ピヨピヨ見てたけど全然うごいてくれないピヨ////」

貴音「面妖な……。」

########## 高槻やよい・水瀬伊織 ###########

伊織「原因には、私みたいに戦闘向きじゃない人がいるからみたいね。」

やよい「うーん。」

########## 三浦あずさ ###########

あずさ「小鳥さん…どうして。」





######################### 手紙 #########################


だからピヨちゃんは、そういう人への救済処置として
最初にピヨちゃんに会いに来てくれた人に新しいドリンクをプレゼントします。

ドリンクはみんなが持っている能力をすこしだけハッテンさしてくれるものです。
誰が最初に会いに来てくれるか楽しみにしていますピヨ。

音無小鳥






【ドリンク争奪戦 編】 開幕!


1日目終了 続きは明日に


能力・課題一覧

天海春香   能力【人心誘導】  課題『他人の成功を直前で妨害』
如月千早   能力【透明人間】  課題『3人脱落させる』

高槻やよい   能力【??】      課題『13人全員と遭遇』
水瀬伊織   能力【太陽拳】    課題『他人を3度助ける』
菊地真     能力【??】     課題『他人の課題を成功へと導く』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】  課題『争いを3度止める』

双海亜美   能力【物体変換】  課題『残りの12人に不意討ち』
双海真美   能力【創造者】    課題『最初に会った人の課題(双海亜美)』
星井美希   能力【奇跡】     課題『1日に1度争いの種になる』
我那覇響   能力【交信能力】  課題『3日間争いに巻き込まれない。』
四条貴音   能力【能力無効化】 課題『3日間好きなもの飲食禁止』
三浦あずさ  能力【変身】     課題『???』
秋月律子   能力【逆転能力】  課題『2人以上のチーム相手に3回勝利』

乙だけど美希のあずささんに対する呼び方が違うのと、響が「~さ」ばっかりなのが気になる



            / ̄ ̄\
           /   _ノ  \
             |    ( ●)(●)   >>117の指摘を受けて一言。
            |     (__人__)
          |     ` ⌒´ノ

          __|___       }
        /      \     }
       /  ─    ─\  ノ
     /    (●)  (●) \ヽ、               スマン、素で間違えたようだ。次から修正するお。
     |  u    (__人__)    | _|_________
     \     ∩ノ ⊃ / | |             |   響はもう…「さ」を付ければ響ってノリがあった。
___(  ` 、 _/ _ノ   \ | |             |
| |   \   “  / ___l  || |             |
| |   | \   / ____/| |             |
| |   |    ̄             |_|___________|
 ̄ ̄ ̄ ̄("二) ̄ ̄ ̄l二二l二二  _|_|__|_

やる夫:>>1
やらない夫:>>1



            / ̄ ̄\
          / ─  ─\
          |   (●)(●)|      >>19氏はリメイク前もご覧いただいたと言う事で。(やらない夫)

     ____. .|   (__人__) |
   /      \   ` ⌒´  ノ
  /  ─    ─\       .}
/    (●)  (●) \     }      感謝してますお、若干書き加えとか変更があったの分かってもらえたかな。
|       (__人__)    |    ノ.ヽ
/     ∩ノ ⊃  /∩ノ ⊃|  |      次回も若干変更がありますお(やる夫)
(  \ / _ノ |  |/ _ノ |  |
.\ “  /__|  | /__|  |
  \ /___ //___ /


やる夫:>>1
やらない夫;>>1

あともう一つ、さすがに伊織はやよいに対して暴力は奮わないと思う
キャラ崩壊あるなら最初に書いとくべきだったかなと




     / ̄ ̄ ̄\                  >>121の伊織については?
   /      _ノ ヽ
    |      ( ●) |       ____
   |   U   (__人).   /       \
   |        ⌒ノ.  /   ─   ─\
   ヽ        }  /     (●)  (●)\    ……キャラ崩壊この先一杯あります(今更)
_   >        }   |        (__人__)  |   
   ̄ ̄`    、__ノ   \      ` ⌒´  /
         ̄`'‐- 、   >     ー‐  <      
                 ヽ /      / ̄彡ミヽ、
                  V    ヽ /  / ヽ  ヽ
                  ヽ     Y  /   |  |
          入     ヽ     ノ    ヽ ノ



     / ̄ ̄ ̄\
   /      _ノ ヽ
    |      ( ●) |       ____        因みに今日は夜の9時か深夜に続き投下予定(やる夫)
   |        (__人).   /       \
   |  U     ⌒ノ.  /   ─   ─\
   ヽ        }  /    (● ) (● )\
_   >        }   |        (__人__)  |    お前切り替え早いのな……(やらない夫)
   ̄ ̄`    、__ノ   \      ` ⌒´  /
         ̄`'‐- 、   >     ー‐  <
                 ヽ /      / ̄彡ミヽ、
                  V    ヽ /  / ヽ  ヽ
                  ヽ     Y  /   |  |
          入     ヽ     ノ    ヽ ノ


######################### 事務所 #########################


伊織「…当然のことながら。」


ガラ~ン


伊織「誰もいないわね。」

貴音「しかし何かあるやもしれません。気は抜かないように。」

やよい「でも、早く小鳥さんを探さないと。」

伊織「そうね、他の奴に取られたくないし。」

伊織「仮に律子が例のドリンクを手にした日には…。」

やよい「はわわ、誰も勝てなくなっちゃいます!」




響「……逆に、律子に味方になるように頼んでみるか?」

伊織「どうかしら?あの様子からいくと味方になってくれそうにないわよ。」

貴音「むぅ…困りましたね。」


ススス


貴音「ムムッ!! 何奴!!」

やよい「えっ!」


ポカポカッ

やよい「いたっ!!」

伊織「やよい!」

ポコポコッ!!

伊織「キャッ!!」




響「えっ!えっ!!」

貴音「・・・・・・・・。」


パシッ バシッ!!

?「うっ・・・・!!」

??「うあうあー、流石はお姫ちんだよー。」

貴音「真美…亜美…。」

真美「タンマタンマ!」


伊織「響!大丈夫!?」

響「えっ、うん。これは?」


響「セーフ……なの?」


ピリリリリリ


響「ピヨ助からだ!」

やよい「えっ!!」


真美「モゴモゴ(貴音に口をふさがれている)」

亜美「ムグムグ(貴音に口をふさがれている)」



ピッ

響「もしもし…。」

響「うん…うん…。」

響「……うん。」




響「ホントか!!」ピカーッ!!

伊織「大丈夫だったようね。」

真美「ムゴムゴ」

亜美「ゴムゴム」



響「うん!うん!わかった!」

ピッ!!

響「ふぅ…。」

伊織「どうだったの?」

響「うん、貴音が守ってくれたおかげで『ダメージ』が無かったからセーフらしいぞ!」

貴音「それは……真に重畳です。」

真美「あの…お姫ちんこれには深いわ…ムゴッ」

響「亜美・真美」

二人「はい。」



響「お願いがあるんだけど(ゲス顔)」ニコッ

二人「ヒイッ!!」








響「…ってわけ。協力してくれるかな?」

亜美「ええっ嫌だよ! ピヨちゃんを見つけてもドリンクはそっちのもんなんて。」

真美「そうだそうだ!」

響「いやなら此処で二人共脱落さしてあげるけど?(自分は何もしないけど)」

真美「ふん!できるもんならやってみなよ!」

亜美「亜美たちにも、能力はあるんだからね!」





シ~ン

真美「あれ?」

亜美「能力がつかえない・・・?」


貴音「・・・・・・で、能力が使えるからなんですか。」

二人「(; ´・ω・`)」

二人「仰せのままに!響様!」ドゲザァ!!


ギイイイイイッ(扉の開く音)


?「あれ?人が居る雰囲気…。」

??「本当だ…戦いになったらどうしよぅ...」

?「大丈夫。ボクが守るから。」

??「……うん。」


真美「あの声は…」

やよい「真さんだ!」


真「あれ、みんな!」

雪歩「やっぱり、みんな目的は一緒なんだね?」

伊織「そうね、私の能力がちょっと弱いから……。」

雪歩「そうかぁ…。」

雪歩(嘘……はついてないみたいだね。)


響「もっともっと!」

亜美「響様! 約束をまもります!」

真美「まもりますー!」



雪歩「……。」ティン

雪歩(ま、まぁ、あの二人は何時もの事だし……。)



やよい「でも、小鳥さんはここにはいないです……。」

真「だよねぇ、簡単に見つかったら話にならないしねぇ……。」

真「せめて手掛かりが……。」



真美「うあうあー。もう良いでしょひびきん!」

響「もっともっと聞きたかったけど……まぁ、いいさ!」

亜美「むぅ……あれ?」



カサッ


亜美「紙が……。」

やよい「変な所に落ちてましたね。」

真美「うーん。手紙だね。」

真美「なになに…、ドリンクはこの公園の何処かにあるかもピヨー。 by小鳥(はぁと)」

真「なんで、そんな大事な紙がそんな所に落ちてたんだ……?」

真美「……ってことだって。地図が一緒にあるけど。」


真美「亜美、読める?」

亜美「ムリー、真美は?」

真美「ムリー。」


真美「お客様の中に!」

亜美「地図を読める方はいませんか!!」

 響が地図をとる。

響「これは、少し遠いけどこれは公園かな。」

雪歩「公園……だけど、この公園森が結構面積占めてるよ。」



真「あれ?これは上面(うわっつら)公園だ。」

真「ここ、よくランニングの時に通るんだ!」

響「へぇ……。じゃあ、目的地はそこだね!」

真美「行こう!行こう!」


ゾロゾロ







?1「……。」

?2「」能力を解除



千早「…ってことらしいわ。」

春香「ありがとう、千早ちゃん。」


######################### 上面公園 #########################

伊織「ここが例の公園ね。」

真「そう…なんだけど。」

伊織「なんだけど、何?」

真「普段はそれなりに人が居る筈なんだ。なのに…」

やよい「いないですねぇ」


?「こっちよ、みんな。」

真「!? 律子!!」


伊織「みんな!! 散って!!」

律子「いらないわよそんなの……今はね。」

やよい「えっ、どういう事ですか?」

律子「無駄なのよ、今は。」

律子「ねぇ、モバPさん。」

モバP「………。」



やよい「えっ!!」

貴音「なんとっ!」

雪歩「はわわっ!!」

真「………。」

響「うっ!!」




伊織「だれ?」

五人「いや、聞いちゃダメ!!」



モバP「………。」ナミダメ


真「ホラ、涙目になってるじゃないか」ボソボソ

伊織「しょうが無いでしょ、本当に分かんないんだし。」ボソボソ

響「CGプロのプロデューサーさ!」ボソボソ

伊織「ああ!あのNMC4……」ボソボソ

貴音「それはどう投げても帰ってくるブーメランですのでおやめなさい。」ボソボソ

モバP「あの……帰っていい? ドリンク手に入らなくなるけど。」




全員「いや、ダメです!」

モバP「流石765プロアイドル……。」




亜美「どうしよう!亜美達の存在忘れられているよー。」

真美「これじゃあ全く会話に参加できないよー。」


律子「………で、全員のメンバーを待つつもりですか?」

モバP「いえ、もうすぐ締めきりますよ。」

律子「ふーん、それなら……」

春香「私達もちゃんと参加できますね。」ニコッ

千早「………。」



律子「まぁ、ソロソロ来るとは思ってたわ。」

伊織「春香!」

春香「皆もいたんだね。あれ?美希とあずささんが」

モバP「あずささんは不参加を表明しました。星井さんは分かりません。」

美希「ミキは此処にいるよ。」ヒョコ

全員「!?」


美希「街を歩いてたら皆が集まってたの!」

美希「ネェネェ、何をするつもりだったの?」

モバP(【奇跡】は此処まで露骨に幸運を引き寄せるのか。)

モバP(もし彼女がドリンクを手に入れた日には……)

モバP「あずささんを除いて全員来ましたね。」

モバP「それではドリンク争奪時に限っての特別ルールを説明します」


モバP「律子さんには一度説明しましたが復習のため……。」

モバP「このドリンク争奪の間に限り、課題云々は適用されません。」

伊織「じゃあ、例えば敵を数人倒すっていう課題を勧めた所で…」

モバP「ええ、倒した人間はドリンク争奪に参加している間は倒した敵にカウントされません。」

千早「そんな……納得できません!なぜ、そんな不利益を」



モバP「不利益……ですか?」

モバP「しかし、成功すれば貴方の能力は確実により発展された能力になる。」

モバP「つまるところ、課題がより早く終わる事にも繋がります。」

モバP「なら、時間の制限が厳しくなる事を天秤にかける価値はあるのではないですか?」



モバP「それに、これを適用させないと……。」

伊織「逆に困る人間が居るわけね。」

響「伊織……。」


千早「フゥ…分かりました。普段からデメリット食らってる人が居るのならしかたありませんね。」

千早「でもドリンクを手に入れるのは私です。これは誰にも譲れない。」


モバP「……まぁ、諸々言いたい事はあるでしょうが続きを言わせていただきます。」

モバP「小鳥さんはあの森のどこかにいますので、一番初めに見つけた人がドリンクをその手に出来ます。」

モバP「なので……」


モバP「共闘は禁止です。」


数人「!?」

律子(まぁ、何時も通りね。)


モバP「もし他の人と出会ったらその場で勝負です。負けた人は脱落…。」

モバP「そして毎度毎度申し訳ないのですが、参加資格の代わりとして…。」


伊織「も……もしかして。」

モバP「そのもしかしてです。」



ジャラッ!!
(ペンダント)




モバP「これは必ず首にかけて頂きます。」

全員(ええ~、せめてプロデューサーからもらいたかったー。)


モバP「そして、このペンダントは・・・」

モバP(あ、分かるー。この嫌な雰囲気。みんな露骨ー。)

モバP「奪われるか、千切れると失格になります。」

モバP「そのままの力で頑張ってください。」

モバP「質問は後では受け付けません。今のうちに質問が有れば。」

モバP「……宜しいですね。」

貴音「もし。」

モバP「はい。」


貴音「小鳥嬢はいま何処へ。」

モバP「……それは言えないです。」

モバP「いわば……『とっぷしーくれっと』ってやつです。」



真「取りあえず……小鳥さんを探せばいいなら。」

響「自分たちは行くさ。このだだっ広い森の中を。」



ザッ!ザッ!



モバP「…いいんですか? 彼女達に後れを取って!」

千早「そうね……早く行きましょうか。」


律子「まぁ、どっちにしても手に入れるのは私だけど……。」

伊織「なんか……律子のキャラ変わってない?」ボソボソ

貴音「確かに……。」ボソボソ



######################### 我那覇響 #########################


 土のにおいが心地よかった。
 地を踏む感触が心地よかった。


響(実家の近くにあった林で友達と思いっきり遊んだなぁ…)


 少女は昔を思い出し、暫し望郷の想いを馳せていた。
 ふと、自分が何のために此処を歩いているのかを思い出した。


響「おおっと! いけない、忘れてた!」

響「ネズ道……辺りに人影はあった?」ミチトノコウシン

ネズ道[緑の髪のニンゲンでチュよね……]ミチトノコウシン

ネズ道[ゴメンなさい、まだ見つけてないでチュ。]

ネズ道[でもでも! 見つけたらちゃんと響に教えるのでチュ!]

響「うん、まってるぞ。」


 それでも、自分でも探さないと……。と呟きつつ
 少女はまた一歩、二歩と歩を進めたのであった。









######################### 小鳥 #########################


小鳥「ええ、感謝しているわ。ちひろ。」

ちひろ(電話)「いいのよ。もらったお金分は私も働くわ。」

ちひろ(電話)「信用なくしてお金儲けなんてできないもの……。」


小鳥「でも、いつも思うわ。ちひろは進む道を絶対に間違ってる。」

ちひろ(電話)「そうね……いつかのアイドルを分裂させた時は流石に焦ったわ。」

小鳥「あの試作品よね、私が食べてたらと思うと恐ろしいわ……。」


ちひろ(電話)「それで? 調子はどう?」

小鳥「順調よ。順調過ぎて怖いくらい。」

小鳥「さっきモバPさんから。皆が森にはいった連絡うけたから」


小鳥「そろそろ始まるかもね。」


############### インベル(機械) #################

やよい「……。」

やよい「ううっ、いおりちゃん。」

############### インベル(機械) #################


小鳥「あっ、インベル(撮影機械)もいい感じに働いてるわよ。」

ちひろ「それは重畳…。」


小鳥「あら、伊織ちゃんが……。そろそろ切るわね!」


######################### 水瀬伊織 #########################

伊織「最初はアンタなのね。」

伊織「真。」

真「………。」

伊織「悪いけど、アンタ相手でも容赦しない!!」

真「容赦しない? それはね、伊織。」

真「ボクが伊織に言うセリフだよ。」

伊織「上等!!」


菊地真 能力【不明】

     VS

水瀬伊織 能力【太陽拳】



真「さぁ、行くよ。」


 真は左足を前に出しすっと腰を落とした。
 そしてテンポを取り始める。組手の構えだ。

 ただ、その構えが寸止め組手の様相から察するに、
 彼女は伊織相手に手加減をするつもりだ。

 それは、あずさの騒動(アニメ参照)の時の構えから分かる。


伊織(真……本気で来るつもりね。)

 
 当然の事ながら、
 真が手加減をしていることなど伊織にはわかるはずもない。

 間合いはまだ十分あいている。突きはおろか蹴りも届かない。
 それは当然のことながら真が一番知っている。

 だが、こういう場数は彼女の方がより多く踏んでいる。


 真が徐々に距離をつめる。
 伊織が徐々に後ろに下がる。


真「どうしたの?こないならこっちから行くよ!」

 
 初めのステップで真は一気に間合いを詰めた。
 そして左ジャブ。

 初撃でペンダントを奪わんとする動きであった。



 伊織は左ジャブを受けまいと後ろに下がる。
 だが、それを見るや真はもう一度ステップで間合いを詰める。

 伊織が真のさらなる左ジャブを避けようと後ろへ下がろうとするも、


伊織(足が……後ろに下がらない。)


 そう、彼女はそういう回避方法をしらない。
 そう何度も後ろへ下がれない。なら、何処へ避けるか。


 ……横へだ。


 伊織は転ぶように真の攻撃を躱した。




真「此処でやめると思ったら大間違いだ。」


 倒れた所を追撃しようとした所、それを伊織は転がって躱した。



############### 小鳥withインベル(入ってる) #################

小鳥「ピヨヨ……一体いつの間にこのゲームは格闘ゲームになったのかしら。」

小鳥「それにしても伊織ちゃん能力を使わないのね。」

小鳥「まぁ、そうね。今は結構明るいから目暗ましなんてもの無いもんね。」



真「そうやってもボクに勝てないよ。」

真「尤も、そうやらなくてもボクには勝てないけど。」ジロッ

伊織「あら、最初から飛ばしてるのに勝てるのかしら?」

真「勝てるよ。強化合宿で何人もの人とノンストップで組手をさせられた時の事を思えば。」

真「反撃をされないだけ楽だ。」


伊織「あらそう……」ググッ

真「這いつくばって、時間稼ぎしても無駄だよ。」

伊織「あらそう!!」


バッ!!


 伊織は何かを真に投げつけた。
 粘土……いや砂も多少はいってる。


真「!?」


 真は左手でそれを払った。だが、それも少し遅くそれなりの量が目に入った。


真「くうっ!!」

 
 足音が徐々に自分向かって大きくなっていくのが、パニックになっている真にも明確だった。



真「うわあああああああああっ!!」


 焦りを隠しきれなかった真は右足で上段回し蹴りをした。
 脚は綺麗な弧を描き、空が鋭い音と共に切られた。

 弱冠を迎えていない少女が放つ回し蹴りとは到底思えないレベルである。
 ここまでたどり着くのに彼女は一体どれほどの時間を空手にささげてきたのであろうか。

 だが、そのようにレベルの高い蹴りでも当たらなければどうという事ではない。
 演武のそれと全く同じだ。



 右足を地にをつけた時、真はその足に肉体を蹴る感触が無かったことに戸惑いを示した。
 そして、目に入った土粒子が涙で流れ自然と目が開くと


伊織「ご機嫌いかが?」

真「@;dさkぽjqjぽじゃl;jぽ!!」


 真が正拳突きを放とうとするが早いか、伊織が能力を使った。


 目を瞑っていたため真の眼は暗さになれていた。
 そんな状態から伊織が能力を使い強烈な光を当ててしまえば、昼間も何もない。

 目暗ましが成立する。


真「うわあああああああっ!!」

伊織「よしっ!! 今のうちに!!」


 伊織は真のネックレスに手をかける。


真「!?」


 真は反射両手で伊織を突き飛ばす。

 吹っ飛んだ伊織は転がり、極力運動エネルギーをロスさせるようにした。
 伊織が体制をととのえ、再び真のネックレスを取ろうと向かった時であった。


 バチン!!


伊織「!?」

真「………。」



 一流のスポーツ選手には「スイッチング・ウィンバック」と呼ばれる精神回復方法がある。
 スポーツ選手は心のスイッチを切り替えるため、それぞれの儀式を行う。

 「深呼吸をする」「ユニフォームや道具をかえる」などである。
 ショックが強いほど特別な儀式が必要になるが……真のスイッチは


 両頬をつよく叩く事であった!(某奇妙な冒険Ⅱ部より)



 沈黙が辺りをつつんだ。


真「……ふぅ。」


 暫くすると真は眼を瞑ったまま伊織の方を向いた。


真「待たせたね。眼はまだ戻ってないけど、続きをやろう。」

伊織「な、なんで私の方を向けるのよ……。」

真「ん?……簡単だよ。」



真「気 配 を 読 め ば い い ん だ か ら 。」ゾクッ

伊織「!?」ジリッ



 伊織は左に少し動いた。すると


真「左に少し動いたね。」


 と、真もまた体を同程度右に動かし再び伊織と対峙した。


伊織「なん……で。」

真「なんでって……おんなじこと言わせないでよ。」 



真「気配を読んだんだよ。いや、この場合は足音を聞いたの方が正しいのかな?」

伊織「!?」

伊織(なら、先手必勝!!)ダッ!!



 伊織は真に向かって突進した。

 半分自棄が入った判断はあるが、じっさい戦闘向きでない能力を持つ伊織にとっては
 案外その選択は間違っていないかもしれない。

 そして、真の首……ネックレスへと伊織は手を出す。



真「『先手必勝』、いま伊織そんな事考えてたでしょ?」

真「でも、世の中にはこういう言葉があるんだ。」



 ふと、左肩を穿たれるような痛みが伊織を貫いた。真の掌底だった。

 突き飛ばされた時の様に痛みは消えず、伊織は左肩をかばった。



伊織「ううっ……。」

真「『後手必殺』」

伊織(真の能力はもしかして……【感覚の強化】とかそういうのだとでもいいうの!)



 残念だが、伊織のその予想は外れている。

 真は身体能力の強化や五感を強化されるなどと言った能力などでは決してない。
 彼女は四条貴音と同じく己の鍛錬の結果によって身に付けた元々の力である。

 もし、彼女がドリンクによって五感が強化されていれば
 伊織が目暗ましを喰らった時点で再起不能になる。

 なぜなら、鋭くなった五感はその時には自身に向けられる凶器となるからだ。




伊織「ううっ……。」

真「じゃあ、終わりにしようか。」


 真は耳をすませ、伊織の呼吸音と苦痛に呻く声を聞き取り場所を把握した。

 徐々に、伊織との距離を詰める真。

 一歩。

 一歩。

 また、一歩。


 真はまるで目でも見えているかのように、伊織の首元に手を添えた。







######################### 我那覇響 #########################


 目の前には伊織と真が戦っていた。案の定真が伊織を圧倒していたから
 これはもう、真が伊織のペンダントを獲ってお終いだろう。


響「伊織……。」


 でも、自分では何もできない。だって、共闘は禁止されているから。
 自分があそこで助けに行くと自分が脱落になりかねない。


響「ごめんね、伊織……。」ザッザッ


 



伊織「ううっ……」

真「じゃあ、おわりにしようか。」




 本当に今終わらんとしていた。
 でも、自分には関係ない……。

 尋常な戦いだったのは遠目で見て明らかだった。
 それに水を指す事は到底許されないだろう……。





######################### 回想 #########################

伊織「ハァ、全く。..........いいわ分かった。」

伊織「私があんたのハム蔵を取り戻すの手伝ってあげる。」

######################### 回想 #########################





 だから自分には……。


 ザッザッ(歩を進める音)













######################### 回想 #########################

伊織「ぶっちゃけ、私たちの姿がばれた以上は何もできない。」

伊織「アンタの課題が他人を脱落させる課題か。」

伊織「私のように他人を助けるか。」

伊織「やよいのように人畜無害かどうかで」


伊織「こいつ(響)の身の振りが変わるのよ!」

######################### 回想 #########################





 この件には関係……





 ザッザッ












                                           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                                           |         ないさ……。             .|
                                           \________________/



















\|\ ″   〈       ″″/:::::::/  _ノ´::::::::::::::::::::::::::::::::.
    八              /⌒ソ r≦:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
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######################### 菊地真 #########################


 真はまるで目でも見えているかのように、伊織の首元に手を添えた。


伊織「やめて……。」

真「なんで? 伊織も、ボクのネックレス取ろうとしたでしょ。」

真「お相子なんて言わないけど、弱肉強食なんて言わないけど。」

真「これが……」



 ・・・サワッ。



 何かが真の肩をすべった。

 それは、誰かの指であった。



真「!?」


 
 真は後ろ回し蹴りを放った。しかし、肉に当たる感触がなかった

 相手は子の技が全体重が乗っていることを
 知ってたからだったのか技を受ける感触も無かった。


真「!?」

伊織「ひ……びき。」

響「助けに来たさ。伊織。」






真「どうやって…気配何かしなかった。」

響「気配? 音も気配も無く行動するなんて自分にとっては朝飯前さ。」



 言われればそうである。

 初日にて響が貴音から逃げる際にハム蔵が用いたセリフが
 同様のセリフであった。

 音も無く、まるでゴーストのように響は真の後ろに立ったのだ。



真「でも今、聞き捨てならない事をいったよ。」

真「『共闘』? それはルール違反じゃないか。」


響「うん、『共闘』はルール違反だね。」

真「じゃあなんのつもりだ!!」

響「それに関して何だけど……伊織。」

伊織「??」



響「此処は自分に任せて、逃げるんだ。」

伊織「それって……。」

響「昨日自分を助けてくれたお礼さ!」



 響は屈託のない笑顔を伊織に見せた。



響「でも、次自分とあったら容赦しないからね!」

伊織「バカッ…。」

伊織「でも、ありがとう……。」ダッ



真「………。」



 まだ目の見えない真にとってはこのまま黙って伊織を見逃すほかなかった。

 言われてみれば確かに共闘は許されていないが
 戦いを他人が受け継ぐことを禁止する事項を、『だれも確認していない』。



真「じゃあ、次は響が相手だね。それでもいいよ。」

真「ようやく、眼が元通りになったんだ。」


 真は目を開け片足を前に出し、腰を落としてステップをとった。


真「シャアアアアアアッ!!」


 真は一歩で大きく間合いを詰め左ジャブを放った。
 伊織の時と同様ネックレス狙いだった。



響「!?」


 それを響は、上段上げ受けで受けた。

 しかし、受けられた真が感じたのは。大きな岩のような物を
 自分の腕にぶつけられたような感覚だった。

 そして、受けられた真の左手は吹っ飛んだ。

 勿論吹っ飛んだというのは言葉の綾ではあるが、真本人にとっては
 強ち間違った表現では無かったであろう。



真「『交差法』!! ……どこでそれを。」



 交差法とは空手においては防御と攻撃を同時に行う方法を指す。
 たとえば今回響が行った上段上げ受けも同様であった。

 もっとも、お遊びでやる空手でなければ受け一つとっても十分攻撃であるのだが。



真「いやっ……まさか響。」

響「……そのとおりだぞ。」


 響は普段の立ち方からつま先を中央に寄せた『三戦立ち(サンチンダチ)』をしていた。


響「『唐手』……いや自分がやっているのも『空手』かな?」

響「相手にとって不足は無いよね、真。」


 真は震えていた。





両足をガクガクふるわせていた。



 恐れた訳では無い。

 慄いた訳でも無い。

 歓喜に似て

 狂喜にも似て



真「不足? そんなもの。」


 真は猛ダッシュし、


真「あるわけないじゃないか!!」


 響に左回し蹴りをくりだした。 







菊地真 能力:【不明】 スタイル:空手

            Vs

我那覇響 能力:【未知との交信】 スタイル:空手



######################### 回想 #########################

765プロ

春香「えっ! 新メンバーですか!?」

社長「ああ、それでは来てもらおうか。入ってきたまえ。」


ガチャッ


貴音「始めまして、四条貴音と申します。」

響「はいさい! 自分は我那覇響だぞ!」

美希「よろしくなの!貴音に響!」


ワイワイガヤガヤ


真「新しい仲間……上手くやっていけるかなぁ、ねぇ雪歩。」

雪歩「四条さん……綺麗だなぁ…///」ポー

真「………。」



######################### ダンスレッスン #########################

トンットンットトンッ♪

響「よっ! ほっ!」ダンシング

春香「すごい……。」

亜美「これは……まこちん超えたんじゃない?」

真「」ムッ!


トレーナー「そうね、完成度でいえば我那覇さんの方が高いかしら」

響「当り前さ! 自分は完ぺきだからな。」

春香「ねぇ、響。ここのフリ上手くいかないんだけど…。」

響「これは、こう!こう!こんなかんじさ!」フリフリ

真美「うあうあ、それじゃあ分かんないよ。」

亜美「ひびきんは感覚で出来ちゃうんだねぇ。」


ハハハハハ


真「………。」



P「響やったぞ!Aランクに昇格だ!」

響「ホントか! やった!」

雪歩「響ちゃん凄いな、私達の誰よりも早くAランクになっちゃったよ。」

雪歩「私なんてダメダメで、まだCランク……。」

真(Bランク)「そんな……。」


######################### 回想終わり #########################


 左回し蹴りは空を切った。

 いや、響が寸分の見切りをしたのだ。


真「流石だね響。だけど、今回ばかりは負けられない。」

 左足が地についたと同時に再び真は左足を上げた。逆回転の回し蹴りだ(名前忘れた。)


真「空手はボクの人生だから。」

響「くうっ!!」


 パンッ!
 

 踵と肉とがぶつかる音がした。響が腕を用いて防いだのだ。

 しかし、蹴りを受けた響はそのまま体制を崩した。


真「ダンスで負けた。アイドルとして負けた。」

真「此処で負けたら……ボクは!!」


 真は止まらなかった。
 
 間合いを詰めて。


 左拳。当たる。

 右拳。当たる。

 響は体を丸めて防御をするが真は止まらない。

 響はそのまま倒れるように崩れた。


 真は下段蹴りをするため脚を引きつけた。


真「お終いだ!」

響「まだまだ!」


 それより早く響は腹筋に力を込めて両足を起こし、勢いそのままで真を蹴りつけた。


 



 真も蹴られた勢いで倒される。

 その後、お互いが同時に起き上がり

 お互いが同時に間合いを詰め。

 お互いが同時に突きを放った。



 しかし、よろめいたのは真のみであった。



響「効かないよ、真。」

響「そんな、当てるだけの突きじゃあね。」

真「くっ…」


 響の突きが当たった部分に痛みがのこる。

 受けを喰らった時もだ。こんな痛みは、良いのを食らった時でもそうそうない。

 道具? いや、それはない。


真「響…何をしてるんだ。いや、何をしたんだ。」

響「……分からないなら。分からないままでいたほうがいい。」

響「真の空手人生ってやつは、その程度だっただけだぞ。」

真「なにっ!!」

響「粋がらなくていいさ、亜流。」

.


響「そして、強がらなくていいさ我流。」


 響は歩いて間合いをつめた。


真「!?」

響「ホラ、もう蹴りの間合いだぞ。」

真「……ッ!!」



 真は右足を体へ引き寄せた。

 同時に響は足払いをした。
 片足を払われ、支えが無くなった真は横に体を崩した。

 しかし、寸でで左手で転倒を防ぎ、転ぶ勢いを利用して側転した。



響「流石だね、真。」

真「チィッ!!」



響「でも、もうその足に感覚ないでしょ?」


 響は再び間合いを詰める。


 一歩。

 一歩。


真「クッ!嘗めるなァ!!」


 脚を一歩先に置いた瞬間であった。

 響が一気に間合いを詰めた。真と接触するかしないかまで接近していた。


響「空手に人生を捧げる。それはつまり全身を武器にまで昇華させる事。」

響「例えば、『腰』」ガッ!!


 腰をかえして響は打撃を加えた。(なんか、回すみたいな雰囲気で。)


響「例えば、『肩』」ガッ!!


 次に肩をぶつけ、真をのけぞらせた。


響「そして、『膝』『肘』」ガッ!!ゴッ!!

響「『腕』に『拳』。」ゴッ!! ゴッ!!

響「仕舞いに…『脚』」ズガッ!!


 響の上段回し蹴りが真に命中する。
 
 そして真は、崩れ落ちた。







######################### 四条貴音 #########################



貴音「なるほど、私のあいては春香ですか。」


春香「そうですね、貴音さん。」

春香「だけど、私にとっては誰であってもかまいません。」

春香「こういうのみです。」



春香「ネックレスを私に献上しなさい! 貴音!」



シ~ン



貴音「それがあなたの望み……ですか。」

春香「あ……れ?」

貴音「どのような能力か存じませんが。」

貴音「私には通じません。」


貴音「また、その願いは……。」

貴音「己の力で奪い取るものです!」

春香「ツッ!!」


貴音「春香、貴方は少々己の力を過信していたようです。」

 貴音は春香の手を掴みなんか合気道的な何かで倒した。

春香「!?」

貴音「貴方の敗因は慢心と過信です。」

貴音「悔みなさい。」



パキッ!!(ネックレスが外れる音)



天海春香:脱落



貴音「ふぅ……。」

貴音「……ところで、これからどうするつもりなのですか。」

貴音「亜美。」



亜美「……お姫ちん。」

亜美「亜美にはお姫ちんがなんで他人の能力が効かないのか分からないよ。」

亜美「もしかして、能力を消してしまう能力だったりね。」



 亜美は土に触った。



亜美「でももしそうでも、『元々あるもの』を消したりは出来ないよね。」

亜美「なら、亜美なら戦えるよ。」



 亜美は土をかき集め、木の棒へと変化させた。



亜美「だって、これは元々は土なんだから。」



 木の棒は棍というよりも杖の長さであった。


貴音「成程……物質の変換ですか。」

亜美「ゲンドウサンバイザーだよ、お姫ちん。」

貴音「剣道三倍段ですか……なるほど。」

貴音「しかし、その点では問題ありません。」






貴音「ちょうど、日本武道は平均して三段の実力はあります。」







######################### 双海真美 #########################


ツルッ!

ツルッ!


 何度歩こうとしてもこける。


真美「んもう! なんでこけるのさー!」

律子「……。早くペンダントくれたら有難いんだけど。」

真美「律ちゃん! 冗談はよしこちゃんだよ!」

真美「水鉄砲!!」キュイン!!


 ピューッ!!


 ピシャッ!!


真美「よしっ! 目に当たった今なら目がやられてるに……。」


ツルッ!

ドシン!


真美「あいたっ!! なんで!!」

真美「!?」


真美(顔が……濡れてない!)

真美(まさか、一瞬で蒸発?)


真美「(そんな筈はないよ!)パチンコ!」キュイン!!



真美「くらえええええっ!」


 ヒュン!

 ピシッ!!


真美「これはどうだ!!」




律子「……だから効かないのよ。私には。」スタスタ

律子「この程度ならね。」



真美「へぇ、なら。」

真美「もっと大きいのいってみよう!」


真美「真美の能力で作った特製罠…!」


 真美が紐を引っ張った。
 するとどうだろう、なんか色々な物が色々おきて、

 結果的になんか丸太みたいなのが襲ってきた。


 ズガンッ!


 気味の悪い音とともに律子は吹っ飛んだ。 


真美「うげっ……やり過ぎたかも……。」


真美「りっちゃーん、生きてる?」


律子「……まぁね。」


 そこにいたのは、『切り傷に塗れた』律子であった。


真美「!?」

真美(切り傷! そんな筈はないよ。)

真美(丸太にぶつかったなら打撲とかそんな……。)


真美(そっか! だとしたら、『結果を捻じ曲げる』ってことか。)

真美(じゃあ、もし真美が立ってるこの地面も)

真美(律ちゃんが能力使った結果転ばされるとしたら……。)



真美「……。」スタスタ

律子「……おかしいわね。」

真美「やっぱりね……。」ニヤリ



真美「律ちゃーん。さすがに律ちゃんの能力はえげつないよー。」

真美「でも、相性が悪かった。」



律子「そうね。大方地面の上に真美が歩く道を『作った』って所かしら。」

律子「私を介してない物には干渉できないからね。」

真美「律ちゃんのペンダント頂きだね!」




律子「気が早すぎるわよ……ホント。」




######################### 高槻やよい #########################



やよい「ううっ……だれにも会わないよぉ…。」

やよい「もしかして、間違った方向に進んでるのかなぁ。」トボトボ



ドンッ!!


?「あっ!」

やよい「あっ!」


やよい「ゴ、ゴメンナサイ!」ペコリ

やよい「……あれ?誰もいない。」





############### 如月千早(透明) #################


千早(高槻さんのペンダント取ろうかしら。)

やよい「おかしいな…見えない壁があるのかなぁ?」

千早「くっ!」


######################### 菊地真 #########################


回想


真父「真、ミットを持ってみなさい。」

真「どうしたのいきなり。」

真父「いいから。」



 真、ミット持つ。



真「…準備できたよ。」

真父「ああ、よく見ておくんだ。」

真父「黒帯になったお前が次にやらなければいけない。」



真父「力を、『入れる』技術。」








回想終わり
.



真「ハッ!!」

真「今のは何?走馬灯?」

響「真っ!! どうして…。」

真「ボク…気絶してたのか。」スクッ

真「くうっ!!」

真(痛いッ!! 体がっ!!)

真(そうだっ! ペンダントはッ!!)


響「ペンダントはまだとれていないよ。」

響「そんな事より、どうしてまだ立ちあがれるのさ!」


真「さぁ、わかないよ。」

響「まぁ、いいけど。」

響「立ちあがるなら、もう一度潰すだけ!」


 響は再び間合いを詰めた。

 それと同時に真は間合いを詰め、正拳突きを当てた。


響「ぐっ!!」

響「この感覚はっ!!」


 いや、突きを入れた。


真「もう一つ!!」

 
 回し蹴りを入れた。衝撃が逃れることなく全て響に入っていった。


響「ッ!!」ガクッ!!


 響の膝が初めて、真の攻撃でついた瞬間であった。


響「ようこそ、空手の世界へ。」 

真「………。」


 二人の戦いは決着へと向かっていく。



 響の足が諤々としていた。


響(震えてる? 自分が? 真に?)


 いや、しかし考えてみれば。かつて此処まで自分と渡り合ったものはいない。
 かつて、お師匠様の指導を受けていた時期もあったが。

 お師匠様は若くなく、初めてほどなくして超えてしまった。
 他の道場の空手は、お師匠様の劣化コピーと言わんばかり。

 突きを当てない寸撃ち、あくびが出た。
 当てないうえに遅いのは、空手家として如何なものなのか。
 
 だから、これまで自分は満足のいくような戦いにはめぐり合えなかった。



 なら、この足の震えは……真が怖いんじゃなくて。
 真が自分と同格なことを、喜んでるんじゃないか!

 なら、自分はまだ、この喜びを、


 ガシッ!!


真「くうっ!!」

真「でりゃあっ!!」ブンッ!!


 技で返す。


響「(攻撃を受ける)まだまだ!」ガシッ



 右拳左拳左脚右脚右拳左拳右脚右拳右脚左拳右拳左脚


 左拳左脚左拳右拳右脚左拳左脚左脚左拳右拳右脚左脚



 ピトッ

 
 真の体と響の体が密着した。


.


響「密着……だね。」

真「じゃあ、ガンマンみたいに……勝負だ。」

真「『抜きな…どっちが早いか勝負だ』ってね。」

響「1.2の3だね……。」



響(この密着してる状態で、腰打ちで体制崩した所からの上段蹴り)

響(この連携で真に勝つ!)

真「最後にさ……一ついいかな。」

響「なに?」

真「響って空手して何年?」

響「……沖縄にいる間ずっとお師匠様に教わってた。多分中学生になってからだった筈だぞ。」

真「凄いね……やっぱり、響は凄いよ。」

響「真も、すごいさ!」



響「それじゃあ、行くよ。1」

真「2」

二人「3!!」


ゴッ!!















 重い一撃が響を貫いた。













.


響「ぐはあぁっ!!」

真「………。」

響「なん……で……。」


真「寸勁(すんけい)......。」

響「寸……けい……。」




 ああ、自分知ってるさ…

 でも、出てこなかったなぁ…



 これが、経験。積み重ねの差ってやつかな…


ドサッ


響「……しぃなぁ。」

真「?」

響「くやしいなぁ。でも、」パキッ

響「次はまけないよ!」



真「そうだね、また今度一緒に練習しようか。」ジャラッ

真「今度は……ちゃん……とした……」


真「組…………手………d……」


ドサッ




我那覇響:敗北(脱落)
菊地真:勝利(気絶)


######################### 小鳥 #########################



小鳥「ピヨォ……」

小鳥「響ちゃん…空手やってたんだぁ」←今更

小鳥「でも、チャンピョンでやってる格闘漫画みたいだったピヨ……」

小鳥「さてさて……他のみんなは一体どうしているピヨですかなー?」
















..

はい。じゃあ、このスレは実質スタートラインに立ちました。
次回の投下は一週間から二週間後をめどにします。

『次報を待て!』ってやつで






ドリンク争奪戦


資格保有者

如月千早   能力【透明人間】  詳細『透明人間になる』

高槻やよい   能力【??】       詳細『不明』
水瀬伊織   能力【太陽拳】     詳細『オデコがひかる』
菊地真     能力【??】       詳細『不明』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】   詳細『相手のウソを見抜く』
双海亜美   能力【物体変換】   詳細『物体を全く別の物に換えられる』
双海真美   能力【創造者】     詳細『物を創りだす』
星井美希   能力【奇跡】       詳細『偶然ってすごいねー(棒)』
四条貴音   能力【能力無効化】 詳細『能力を打ち消す』

秋月律子   能力【逆転能力】  詳細『仮定による結果を捻じ曲げる』

脱落

天海春香   能力【人心誘導】  詳細『他人に命令する』
我那覇響   能力【交信能力】   詳細『動物の五感の共有及び遠方からの情報交換』

不参加

三浦あずさ  能力【変身】      詳細『メタモルフォーゼ!!』

ごめん、いつものだけど。
次回の投下最初は誰視点がいいかな?

安価下の方指定してください。
(但し、脱落組・不参加組・真は選択しないでください。もうそうなったら再安価します。)

長文スマンな

地の文が書き慣れてないのはわかったけどせめて推敲してくれ

誤字・脱字はともかく、なんかの多用は酷いと思った
>>174のなんか合気道的な何か、とか>>178のなんか色々な物が色々おきて、結果的に丸太みたいなのが襲ってきた、とか
後者は多用以前に訳わかんねぇし
そもそもなんか、は話し言葉じゃなかった?

あと格闘中にネタをつっこむのは寒いからやめるべき
さらに言うとかっこでの状況説明は地の文でやるもんだと思ってるけど>>1はどう考えてる?(>>159の歩を進める音、や>>173のなんか回すみたいな雰囲気で、など)

前回もここから続きが来なくて終わったんだよな

>>194
ご指摘ありがとうです。
>>158は個人的にそのシーンで地の文を入れたくなかったってのがあった。

これからに使うかもしれないけど大体そういう経緯です。


>>199
心配されてる様だから描いておくと、今回の投下分は出来てますぞ。
あと、今の時点で前スレより少しだけ進んでる。

21:00に投下予定
その間続き作ってませう


######################### 秋月律子 #########################


 辺り一帯は霧に包まれていた。
 真美の創りだしたものだ。

 ただ、こんなものは目暗ましにならない。
 それは先ほどのやり取りで、真美は悟っている事だろう。

 ただ、この霧に対して私が能力を用いる事が出来ない。
 今霧に対して使えば、この霧は雹となって私に襲いかかるだろう。

 「流石ね悪戯娘」と私は感嘆せざるを得なかった。


真美「行くよ!りっちゃん!」


 


 足音が聞こえなかった。それはそうだ。
 いま、真美は土の上ではなく自身の作ったものの上に立っているのだから。


 だから、私はタイミングを掴んで回避をしないといけない。

 ブンッ!

 真美の手が伸び始めた。そう、今だ。


 真美の手を掴む。そして、私も真美のネックレスへ手を伸ばす。

真美「!?」

 ネックレスを掴んだ。

律子「やったッ!!」

真美「……」ニヤリ


 真美が不敵な笑みをこぼしたような気がした。だが、これで終わらせる。
 ネックレスを引きちぎらんと引っ張った時であった。


 ズルリ.....

 真美が脱皮をした。
 この表現は最早脱皮と言った方が正しいだろう。

真美「んっふっふ。脱皮の術!」

 真美が私を突き放す。

真美「そして……分身の術!」


 そして、私を囲むように新たな真美が二人現れたのであった。


律子「……。」

真美「さて、このまま律ちゃんのペンダントを頂いちゃおうかな♪」


 ガシッ!


 そして真美の分身達が私の身動きを止める。


真美「じゃあ、律ちゃん。」


 真美が一歩、一歩と歩を進め……。






 られなかった。


######################### 双海真美 #########################

真美「えっ、なんで。どうして……」


 真美の分身が律ちゃんを解放した。
 それだけに留まらずに、今真美に立ちはだかっている。


真美「なんで!どうして! 律ちゃんはあっちだよ!」

律子「無駄よ、そいつは。アンタの分身じゃあない。」


律子「私の…『駒』だから。」

真美「どういう事。」

律子「アンタはもう、私の能力悟ったようだから教えてあげる。」

律子「お察しの通り、私は『仮定による結果を捻じ曲げる』事が出来る。」

律子「だけどその範囲は、距離のみに非ず物体の個数にあるの。」


律子「例えば、他の人がそうだったように。地面が滑るでしょう?」

律子「普通は、地面に摩擦力がある。だから歩ける。」

律子「私はそれに干渉して。『地面に摩擦力がある→だから滑る』と言う風に結果を変えられる。」

律子「だけど、その結果について連続して干渉できる対象は限られてる様ね。」



真美「もしかして!」

真美「地面の場合は律ちゃんの体からスタートして」

真美「靴を通って…」

真美「地面」

真美「干渉できる物体は連続して二つまでってこと!?」



律子「そう言う事。」


律子「空気は物体の規模が大きすぎて干渉できない。」

真美「だけど、木の根っこが多くはえてるこの森の中なら」

真美「範囲を限定して能力が使えるってことだね。」

律子「さて、それでは本題に戻りましょうか。」



律子「どうして、真美の分身は真美を裏切ったのか。」



律子「私は一体どんな結果を捻じ曲げたのか。」

真美「………。」



真美「まさか!」

.


真美「真美の分身が律ちゃんの動きを止めていた時に!!」


律子「『真美の分身である→だから私を妨害する』に干渉し」

律子「『真美の分身が妨害する→私が動きを止められる』にも干渉した。」


真美「くっ!!律ちゃんの体に触れてるから直接干渉できるってことだね……。」

律子「説明有難う…。」



 真美は能力を解除した。
 動けるようにはなったが、律ちゃんのペンダントを手に入れる算段は振り出しに戻った。






######################### 高槻やよい #########################


やよい「ハァ……ハァ……」

 確実に近くにいる千早さんが見えなかった。
 『透明人間』彼女の能力は恐らくそれなんだろう。

 わたしは兎に角逃げるしか手がなかった。
 当然のことで、わたしには千早さんが何処にいるか知る手だてがない。

 貴音さんならあるいは、能力を打ち消して見つけ出せるかもしれないけれど…。

 わたしの能力は……わたし一人では全く効果を発揮しない。

 このまま大人しくペンダントを渡せばいいのだろうか……。


 いや、それじゃあ伊織ちゃんに顔向けができない。

 戦って勝つ事がドリンクの条件じゃない。

 誰よりも早く小鳥さんに会うことが条件だったはずだ。



 ガサガサガサッ!!



 足音がより大きくなった。近づいてきてる。

 わたしは、走るスピードをあげた。

 日ごろから体力を付けているおかげでまだ走れる気がする。
 でも、体力は無限じゃない。早く小鳥さん見つけないといけない。



 クッ!!

やよい「!?」



 何かに足が引っ掛かった。

 わたしは体制を持ち直す事が出来ずにそのまま倒れ込んだ。


やよい「どうしてっ!」


 何もない所でこけている。春香さんじゃあるまいのに。

 でもその答えはすぐに分かった。
 千早さんの姿とともに大きい木の根っこが姿を現したのだ。

 そう、先回りをされていた。


千早「何時までも逃げ遂せると思ったら大間違いよ。高槻さん。」

やよい「……。」

千早「戴くわ。高槻さんのペンダント。」

千早「邪魔者は……排除する。」スウッ


 千早さんは再び透明人間となった。


やよい「………。」

?「あっ!やよいなの!」


######################### 星井美希 #########################

美希「やよいなの!」

やよい「美希……さん。」

やよい「だめです、今近づいたら……。」

美希「だーめ!ドリンク確保のためにやよいのペンダント奪うの!」

やよい「……!」

 ふと、やよいが笑ったように見えた。

やよい「わかりました。じゃあ、近くに来てください。」

############### 如月千早 #################

 美希……高槻さんに近づいてどうするつもりなのかしら。

 いや、そんな事は関係ない。近づいてくるなら……。


 美希のペンダントも一緒に手に入れるまでよ!

############### 星井美希 #################


 やよいのペンダントに手を伸ばそうとした時だった。

 ガシッ!

 やよいがミキの手を両手でつかんだ。

美希「どっ、どういうつもりなの!」

やよい「美希さんに賭けます。これは、わたしからの攻撃です!」

美希「!?」


 左から謎の気配がやってきた。
 気配が徐々に形をなしてきている。


 千早さんだ。


 真っ白な千早さんが美希の首に手を伸ばしている。


 真っ白な千早さんが徐々に色を付き始めてきている。
 色がだんだん濃くなってきている。

 そう、気配が……実体になっているかのように……



美希(避けないと!!)



 と脳がミキに伝える。ミキはしゃがんだ。


######################### 如月千早 #########################


 美希が寸での所で確かに回避していた。いや、それ以前に。
 私が、ネックレスを獲る事を予め察知していたかのような身の振りだった。

やよい「美希さん。罠に引っ掛からなかったのは残念です。」

やよい「私の能力は『幻覚を見せる能力』。」

やよい「いま美希さんには千早さんが見えた筈です」


 高槻さんは何を言ってるの。私は幻覚なんかじゃない。


美希「へぇ……やるね。でも、ミキは負けないよ。」

美希「だってミキは奇跡の子なんだから。」



 まさか……高槻さん。貴女。













 美希を利用して三つ巴の戦いにさせる気なの!












.



高槻やよい 能力:【不明】

            Vs

如月千早 能力:【透明人間】

            Vs

星井美希 能力:【奇跡】


######################### 四条貴音 #########################


 やはり、実戦は身の毛がよだつ程に
 身が裂ける程に恐ろしいものでございます。


 亜美が杖を用いてペンダントを攻撃してきますが。
 喰らえばペンダントはおろか私も致命的な痛みをうけることになるでしょう。


 体がまるで電撃を喰ろうたが如く、痺れておりまする。
 ですが……面白い。






 私の體(体)は、久しく歡喜しておりまする。


亜美「お姫ちん……口調変わってるよ。」

貴音「それは真です哉? ですが、この緊張感私は至高を體驗(体験)しているのです」

亜美「うあうあ、よく分からないけどなんだかヤバイ事だけは分かるよ!」


 亞美が杖を私に向けて怯えた表情で見ます。

 それでは、何時までも怖い思いをさせる譯(訳)にも行きますまい。
 四條(条)の恐ろしさというものの片鱗をお見せしましょうか。


 摺足……劍(剣)の道を志すものであれば誰もが習得する技。
 しかし、この技は大變(変)奥深く御座います

 この摺足一つでも、間合いの測り合い。

 劍(剣)の道を志ぬものに用いた日には……。

 スッ

亜美「!?」

亜美(そんな! 何時の間に間合いを!!)


 と云った具合に御座います。

 私は杖を掴み、梃子の原理を用いて亞美を浮かし。

 廻し。

 落とします。
 
 バタッという音が聞こえますが悲鳴が聞こえない辺りしっかり手加減が出來たのと
 亞美が確りした受け身をとったと言う事に相違ございません。


亜美「あーダメだ!」

貴音「まだまだですね、亞美。」

亜美「お姫ちん。」

亜美「この勝負は負けだけど、まだ亜美の課題は残ってるからね。」

亜美「次は負けないよん!」


貴音「……ええ。」

貴音「お待ち致しております。」










双海亜美:脱落














######################### ??? #########################


??「い……急がないと。」

??「早く上面公園いかないと……」

??「この戦いは……」

??「そう、この戦いは仕組まれているのだから……。」





.


ドリンク争奪戦


資格保有者

如月千早   能力【透明人間】  詳細『透明人間になる』

高槻やよい   能力【??】       詳細『不明』
水瀬伊織   能力【太陽拳】     詳細『おでこサンシャイン!』
菊地真     能力【??】       詳細『不明』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】   詳細『ライ・トゥー・ミー』
双海真美   能力【創造者】     詳細『正にクリエイター』
星井美希   能力【奇跡】       詳細『偶然ってすごいねー(棒)』
四条貴音   能力【能力無効化】 詳細『能力を打ち消す』

秋月律子   能力【逆転能力】  詳細『仮定による結果を捻じ曲げる』

脱落

天海春香   能力【人心誘導】  詳細『他人に命令する』

我那覇響   能力【交信能力】   詳細『動物の五感の共有及び遠方からの情報交換』
双海亜美   能力【物体変換】   詳細『物体を全く別の物に換えられる』

不参加

三浦あずさ  能力【変身】      詳細『メタモルフォーゼ!!』

つづく。
来週は海外にいるので次回の投下は二週間後位になると思う。

ごめん最後の最後を訂正









######################### ??? #########################


??「い……急がないと。」

??「早く上面公園いかないと……」

??「みんな……」

??「そう、みんなみんな騙されているんだ……!」

急用で明日明後日四国にいる事になったので月曜日……若しくは水曜日夜に投下します。

ごめんなさい。うっかり投下の事を忘れてた。
今日もしくは明日の21:00に投下するけど。

安価下 どっちにしますか? 

了解です


######################### 如月千早 #########################


美希「でも、やよい厄介だね。【幻覚】かぁ。」

美希「流石のミキが奇跡の子とはいっても……。」

美希「幻覚は奇跡で同行と言う問題じゃないの……。」

やよい「……。」


 高槻さんの能力を考察する必要がある。

 そう、私の立場だから言える事は高槻さんが今嘘をついている所である。
 そうとするなら、今の時点で考えられる事と言えば何がある?

 ……ダメだ。もう少し漁ってみよう。もう一度彼女に攻撃を仕掛けよう!


ザザッザッ!


やよい「!?」



やよい(ううっ、千早さんが近づいてきて……。)

やよい(美希さんは私を警戒して近づこうとしない…これでは千早さんの位置を測れない。)

やよい(警戒してるなら……あっ!!)


やよい「美希さん……仕掛けてこないんですね。」

やよい「なら、もう一度しかけますよ!」


 高槻さんの能力。

 それを確かめたい、そのためにもう少し彼女に近づく事にする。


クルッ

やよい「」ニコッ


 ふと、高槻さんが私の方に向かい笑顔で走ってきた。

 ドン!

 高槻さんと私がぶつかる音がした。


美希「えっ!」



美希「やよいが……消えた。」

千早「!?」


 私にぶつかった瞬間に彼女が消えた。
 
 そう、まるで私から能力をコピーしたかのように。


千早(なら、高槻さんは【能力をコピーする能力】ってこと)

千早「なら、【幻覚】の能力って言うのはフェイクの入った能力説明だったわけね。」

やよい「いいえ、違いますよ。」

千早「!?」クルッ

 後ろを見ると高槻さんは私の背後に回っていて、私の服を掴んでいた。

やよい「千早さんの能力を利用さしてもらってるだけです!」

やよい「【透明人間】ですよね、千早さん。しかも、触れたものも巻き添えにする。」


美希「何処に消えたの! 出てくるの!」

やよい「……。」


 ・

 ・

 ・





######################### 秋月律子 #########################


 周囲をハイパーボールが跳び交っていた。

 本来なら物体は跳ね返りの時にエネルギーを失うため延々と物体が動き回る事は無いのだが、
 どういうわけだろうか今現在、真美の放っているボールは元気に動きまわっている。

 しかも、永久機関かと戸惑う程止まる事を知らない勢いだ。
 跳ね返る度に勢いを増しているんじゃないかと思うほどだ。


律子「成程ね、私の射程範囲外を跳ね返ってるから」

律子「私は能力で干渉が出来ないわけね……。」

真美「そう。そして……。」

真美「そろそろ律ちゃんに牙をむき始めるころだよ。」


ビシイッ!


 背後から強烈な痛みが襲った。


律子「!?」


 ハイパーボールだった。

律子「くっ……成程。これは……痛いわ。」

真美「余裕だね……。」

真美「なら」パッ!


 能力で更にハイパーボールを精製し始めた。


律子(これ以上は捌けなくなる!)

律子(どうするか……。)


律子「……場所を変えるしかいわ。」ダッ!!

律子「場所を変えて仕切り直し…」




真美「できたらいいのにね。」

ズボォッ!!

律子「!?」


 落とし穴であった。

 そう、真美はハイパーボールに意識を逸らしている間に、私が逃げる時のために仕込んでいたのだ。
 しかも落とし穴は少し深い。真美の攻撃から逃れて脱出するのは少し困難だ。


真美「クラスメイトだよ。」

律子「……それを言うならチェックメイトね。」

真美「まだ無駄口が叩ける余裕が有るんだね。」パッ!


 両手にハイパーボールを真美は精製した。


真美「りっちゃん動かないでね。動いたらネックレスだけじゃ済まないよ。」

律子「……。」



律子「雪歩から聞いたんだけどね。」

真美「?」

律子「土によったら、やよいの背丈くらいの土を掘るだけも安全対策しないといけないらしいの。」

真美「……りっちゃん何が言いたいの?」

律子「そう言う事を聞くとこの土って凄いのね。」

律子「プロデューサーでもこの落とし穴から這い上がるのは大変だと思う深さね。」

律子「……だからこそ。」

真美「………。」

真美「!?」


 真美はここで何かを悟ったようだ。ハイパーボールを思い切り穴に投げ込みその場を離れようとした。


律子「遅いわ。」

 
 私は壁に触れ、真美の立っている地面を崩した。いや、崩したと言うのは語弊があるか。

 真美の立っている地面は固い『だから立っていられない』のだ。

 真美がバランスを崩し、落とし穴に落ちようとしている。


律子「これで、イーブンね。」

真美「逃げ場のない戦いってことだね! りっちゃん!」


 真美が落下を始めた。
 真美は両手から溢れんばかりのハイパーボールを作りだした。



 ・

 ・
 
 ・




 辺りを静寂が包んでいた。

 いま、落とし穴の中では女同士の醜い争いが行われている。
 そう、一人の男からの褒美を廻った醜い争いのほんの一部である。

 その争いの最中であるためか、辺りはしんとして不気味な雰囲気を漂わしている。

 それを察知してか生き物もなりを潜めているようだ。

 いま、土から這い上がる音がする。
 先刻の戦いに集結が来たのである。

 一番最初に上がってきたのは……律子であった。

 

 艶のある髪に所々乾いた粘土が付いている。
 彼女の私服も土に塗(マミ)れ少し痛々しさも感じられる。


 その首にネックレスが無かった。


真美「じゃあ、真美行ってくるね。」

律子「……待って。」


真美「何?りっちゃん。」

 律子が真美の服を払う。
 真美の服も律子と同じく泥や粘土に塗れ、その上乾いていたために手のみで服の汚れを払うのは無理な事であった。

 しかし、律子は結果に干渉する力があるため、見る見るうちに服は美しさを取り戻したのであった。


律子「……行ってらっしゃい。真美。」

真美「アイアイサー!」







 秋月律子 脱落




######################### 如月千早 #########################


 時が止まっている。

 勿論、言葉の綾ではあるが。時が止まっている。

 高槻さんに後ろをとられていて、生殺与奪が彼女にかかっているからだ。


美希「あっ! いいものみつけたの!」

 
 ふと、美希の方から不吉なセリフが聞こえた。
 先日のことであった。私と春香は彼女が『偶然』近くにあったという道具で撃退されている。

 常識ではありえないタイミングで、
 偶然と言うよりかは寧ろ奇跡と言うレベルであった。

 そんな彼女が今、「いいものを見つけた」と言った。
 
 その手にはハイパーボールが有った。


千早「何でこんな所にハイパーボールなんてあるのかしら…。」



 成程…彼女は【創造】の能力である可能性が出てきた。

 それを只単に『奇跡』と仰々しく言っているのに過ぎないのではないかと。


美希「これを! 思いっきりなげるの!!」ヒュン!!


 結果から述べよう。全く違う方にとんでいった。
 いや、確かに私たちに向けて投げたという意味では物凄い勘のいいと言うべきか。

 記憶力がいいと言うのも正解であろう。

 だが、投げたボールが向かったのは明後日であった。


千早「……。」

やよい「!? だめっ!!」

 高槻さんが声をあげた。
 どうしたのかと、彼女が向いている方に顔を向けてみる。

 信じられない光景が待っていた。

 ハイパーボールが何故かこっちに向かって跳んでいるのだ。

 私は身をかわそうと動いた所、高槻さんと丁度同じ所に進んでいたようだ。

 ドンッ!!

二人「キャッ!!」


 私の能力が会場されてしまった。


美希「アハッ! 見つけた!」



 しかし、高槻さんが私から離れてしまっている。

美希「って、あれ! 千早さんもいるの!」

美希「どう見ても本物だし……。」

美希「やよいはミキに嘘ついたんだね。」



千早「」フッ!!

美希「!? 逃さないの!!」ブンッ!!



 しかし、私は既に透明になっており。
 美希の投げたハイパーボールは虚しく周囲を跳ねまわっていた。


 ・

 ・

 ・


 


 ######################### 萩原雪歩 #########################


真「」

雪歩「真ちゃん!」

雪歩「響ちゃんも…。」

雪歩「一体どんな戦いだったの……。」



真「」キラッ(ペンダント)


雪歩「……。」


雪歩「ね……寝てる間に……。」ソーッ!!



ガシッ!



雪歩「!?」

真「」パチッ

真「雪歩……」

雪歩「ひうっ!!」

真「」ヒュウッ!!



雪歩「!?」パキッ!!


 雪歩ネックレスはいつの間にか真に壊されていた。


─萩原雪歩 脱落


真「ゴメンね雪歩。」

雪歩「ううっ、一瞬だったよ…」

真「じゃあ、行こうか。」


─菊地真 復活



 ・

 ・

 ・



ドリンク争奪戦


資格保有者

如月千早   能力【透明人間】  詳細『透明人間になる』

高槻やよい   能力【??】       詳細『不明』
水瀬伊織   能力【太陽拳】     詳細『おでこサンシャイン!』
菊地真     能力【??】       詳細『不明』
双海真美   能力【創造者】     詳細『物体を創造する』
星井美希   能力【奇跡】       詳細『奇跡を起こす』
四条貴音   能力【能力無効化】 詳細『能力を打ち消す』



脱落

天海春香   能力【人心誘導】  詳細『他人に命令する』

萩原雪歩   能力【嘘発見器】   詳細『相手の嘘を見破る』
我那覇響   能力【交信能力】   詳細『動物の五感の共有及び遠方からの情報交換』
双海亜美   能力【物体変換】   詳細『物体を全く別の物に換えられる』
秋月律子   能力【逆転能力】  詳細『仮定による結果を捻じ曲げる』


不参加

三浦あずさ  能力【変身】      詳細『メタモルフォーゼ!!』


ハイパーボールあるじゃん!

ハイパーボールあるじゃん!
あのピョンピョンはねちゃうやつ!!

地面のやつはバランス崩したってかんじで。

>>252
えっそんなにageてまで「理解できる俺SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE」って言いたかったの?w
すごいねwさすが厨房は頭の出来が違うよww
さすが俺クンだねww
ぶっちゃけ仮にそうだとしてもなんで落とし穴に落ちたの?
後ろに倒れて尻餅付くかもしれないよね
そこんところ教えてよ

と、>>1>>1は自演をしてみたり。

知らん間にプチ炎上してビビった。
ちょっと、補足兼ねて書き直ししないとダメかな……

…うん。 ちょっと書き直しするよ。
いや、本当に最初>>254が僕叩きかと思ってビビってた。

あーあ。

EditでSS描いたのが裏目に出て。
描き足したバージョンを作ってる最中に強制終了しおったわ。

また、前回の分一から書き直すけど。
もっと遅くなるわ。

ショックで何もやる気ない

一からじゃないわ。
書き加えするんだわ

書き足してたら数レス増えそうなのと。

続きが完成してから投下するでごんす

書きだめ出来たから。
金曜日位に投下できるように善処する

予定を変更いたしまして

諸事情のため本日の20:00からの投下に変更いたします。


######################### 如月千早 #########################


美希「でも、やよい厄介だね。【幻覚】かぁ。」

美希「流石のミキが奇跡の子とはいっても」

美希「奇跡では幻覚にとても勝てないの…。」


 美希はそう言いつつ辺りをうろうろ歩いていた。
 そんな美希の表情に未だ焦りはない。むしろ今から笑顔でも綻びそうな様子である。

 「自分が奇跡の子」というのに未だ何の疑いを持っていないようだ。

 こんな森の中でも、こんな状況の中でも、彼女の歩く姿は百合の花だった。


やよい「……。」

千早「」


 ところで高槻さんの能力を考察する必要がある。
 私の立場だから言えるが、高槻さんが明らかに嘘をついている。
 私は当然ながら幻覚ではなく実在しているからである。
  
 しかし幻覚の能力ではないとするなら、どうして美希は私の攻撃を躱す事が出来たのだろうか。
 アレは偶然の産物というものでは断じてなかった。明かなる必然─

 能力で隠れていた私の存在に気づき、私の方を向いたのだ。
 そして、私の攻撃を確実に避けた。それはもう明らかに偶然・奇跡の為せる範疇ではない。

 …もう少し漁ってみよう。もう一度彼女に攻撃を仕掛ける。
 私は大きな足音を立てながら、高槻さんに向かって歩いた。


 ザッ!! ザッ!!


やよい「!?」




やよい(ううっ、千早さんが近づいてきてる。)

やよい(美希さんもわたしわ警戒して近づこうとしないからアレで千早さんの位置を測れない。)

やよい(警戒してるなら…あっ!!)

やよい「美希さん、仕掛けてこないんですか。」

やよい「なら、もう一度しかけますよ!」

 高槻さんの能力。
 幻覚なのか、それ以外なのか。
 それを確かめたい。

 体の中にある好奇心が牙を表わし、私の表情となって出てくる…

やよい「」ニコッ

 高槻さんが私の方に向かい笑顔で走ってきた。

千早(不味いっ!!)

 気付いた時には既に遅かった。
 胸から、高槻さんと私がぶつかる音がした。

美希「えっ!」


美希「やよいが……消えた。」

千早「!?」


 私にぶつかった瞬間に彼女が消えたと言う。
 そう、まるで私から能力をコピーしたかのように。

 彼女はいま、私の服を掴んでいる。ぶつかったと同時に行ったのであろう
 その瞬間にコピーをされたと言う事なのか。


千早(なら、高槻さんは【能力をコピーする能力】ってこと?)

千早(【幻覚】の能力って言うのはフェイクだったわけね。)

やよい「いいえ、違いますよ。」

千早「!?」

やよい「千早さんの能力を利用さしてもらってるだけです!」

やよい「【透明人間】ですね、千早さん。しかも、触れた物をも巻き添えにする。」

やよい「触れたものも透明にするなら、触れられても透明にできますよね。」

千早「くっ」

美希「何処に消えたの! 出てくるの!」

やよい「……。」


######################### 秋月律子 #########################

 周囲をスーパーボールが跳び交っていた。

 本来なら物体は跳ね返りの時に起こるエネルギーロスのために延々と物体が動き回る事は無い。
 しかし、今現在どういうわけか真美の放っているボールは元気に動きまわっている。

 しかも、永久機関かと惑う程止まる事を知らない勢いだ。
 いや、寧ろ勢いが増しているのではないか……

律子「成程ね、私の射程範囲外を跳ね返ってるから」

律子「私は能力で干渉が出来ないわけね……。」

真美「そう。そして……。」

真美「そろそろ律ちゃんに牙をむき始めるころだよ。」

ビシイッ!

 背後から強烈な痛みが襲った。

律子「!?」


 固くて小さい物質が私の背中を襲った。何か、鋼鉄のような物で叩かれた様な気分になった。
 余りにも突然であったため、能力でこの痛みの結果を捻じ曲げる事は叶わなかった。

 この激しい痛みの因(オオモト)はなんなのか。
 この逃し様のない痛みは何によって齎(モタラ)されたのであろうか

 私は右足を軸に半回転をし、地面に落ちている異物を拾う。
 それは、ゴム質の物であった。 ---スーパーボールである。

 親指と人差し指で作るオーケーサイン程の大きさのボールだ。
 人差し指を親指の第一関節にくっつければ、ボールが丁度で収まる。
 

律子「くっ、成程。これは痛いわね。」グニグニ


 弾力は確かにあるが多少固めである。昔学校の授業で習った物理を少し思い出してしまった。
 どう見ても市販に売ってありそうなスーパーボールなのにもかかわらず、物理法則歪ましていそうな
 挙動をしているのが不思議で不思議で仕方ない。


真美「律ちゃん余裕だね…。」

真美「なら」パッ!


 能力で更にスーパーボールを精製し始めた。

 左手に一つ、右手に一つ。計二個だ。

 更にそれを近くの木に投げつけた。
 木と衝突したボールは更に勢いを増し跳ね返る。

 反対側へと跳ね返ったボールは、更に他の木と衝突し勢いを残したまま再び跳ね返る。


律子(これ以上は捌けなくなる!)

律子(どうするか……。)

律子「……場所を変えるしかいわ。」ダッ!!

真美「場所を変えて仕切り直し?」




真美「……できたらいいのにね。」

ズボォッ!!

律子「!?」


 落とし穴であった。

 そう、真美はスーパーボールに意識を持ってきておいてから、私が逃げる時のために仕込んでいたのだ。
 しかも少し深い。真美の攻撃から逃れて脱出するのは少し困難だ。


真美「クラスメイトだよ。」

律子「……それを言うならチェックメイトね。」

真美「まだ無駄口が叩ける余裕が有るんだね。」パッ!


 真美は再び両手にスーパーボールを精製した。


真美「りっちゃん動かないでね。動いたら……ネックレスだけじゃ済まないよ。」

律子「……。」

律子「雪歩から聞いたんだけどね。」

真美「?」

律子「土によったら、やよいの身長位の深さを掘るだけも安全対策しないといけないらしいの。」

真美「…りっちゃん何が言いたいの?」

律子「そう言う事を聞くとこの土って凄いのね。」

律子「プロデューサーでもこの落とし穴から這い上がるのは大変だと思う。」

律子「それ位深い。」

律子「……だからこそ。」


 真美は此処で何かを悟ったようだ。
 スーパーボールを思い切り穴に投げ込みその場を離れようとした。


律子「遅いわ。」

 
 真美がボールを投げ込んだと同時に土に向かって能力を使った。
 私は壁に触れ、真美の立っている地面に干渉する。

 真美の立っている地面は固い『だから立っていられない』様に…。




######################### 回想 #########################

 嘗(カツ)て私は雪歩に何気ない建設関係の疑問を聞いた事がある。
 事務所には小鳥さんと私、雪歩しかいなかった時であった。

 彼女はお茶の話をする時と同じ目をして私にいった。
 顔が真っ赤になり、瞳孔が開いている。

雪歩「土って、どこも同じように考えてしまうかもしれませんが」

雪歩「実は私と律子さん程の距離でも全然土の質が違うんですよ!」

律子「ゆ、雪歩もう少し落ち着きなさい。」

雪歩「あっ、ごめんなさい…。」

 いつもの顔になった。

雪歩「…フゥ。話を戻しますよ。」

雪歩「例えば、ある日大雨が降ったとします。」

雪歩「どうなると思いますか?」

律子「どうなりますか……って。」


律子「そう言われても、水浸しになって所々水たまりが出来るわね。」

雪歩「その上を歩けますか?」

律子「…当然じゃない。地面の上なんだもん。」

雪歩「………。」

雪歩「まぁ、普通はそうなんですけどね。中にはあるんですよ。」

雪歩「歩く事はおろか『立つことすら儘ならない』ような地面というのが…。」


 そして、彼女は建設用語の『トラフィカビリティー』について語った。

 工事現場の地面の様子によっては、作業機械の走行に影響が起きて能率に関係するため
 機械が走行しうる地面の度合いをそう定義しているそうだ。

 水分を多く含み流動をしてしまうような性質を持ってしまうと機械によっては走行できない。
 一般的言えば泥濘(ヌカルミ)に車のタイヤがハマり抜け出せなく事例がある。
 これは、その地面の持つトラフィカビリティーに車が対応出来なかった為だ。


雪歩「この、『水分含めば…』と、いうので極端な例で『クイッククレイ』というものが有るんです。」

雪歩「これがどれほど恐ろしいかといいますと。」

雪歩「先ほど言った水分をこの土が含んだ状態で、ほんの一寸(チョット)した衝撃で…」


雪歩「水 の 様 に な り ま す 。」


律子「!?」

律子「ハァ!? 何それ!!」

雪歩「更にその衝撃と言うのも恐ろしく。」

雪歩「雨粒が落ちた程度の衝撃でも液状化する例も見られている様です!」

律子「ヒエエエエエ!!」



雪歩「ハァ…ハァ…」


 上気した顔で満足げにこっちを見ている。
 いま、事務所には私達と小鳥さんしかいないとはいえこんな所を他人が見たら─


P「……お前らアツいな。」

雪歩「!?」

雪歩「プ・・・ププププロデューサー!!」

P「面白そうじゃねえかよ。続きを聞かせてくれ!」


 近くのソファーにドカッと座った。
 相変わらずに豪快というか、苛烈と言うか。

 そう、一挙一動が激しい人間であった。
 しかし別にその姿が不快というわけではない。

 その姿は意図せず人を引き寄せる様な魅力と言うものが有った。


雪歩「は、はいっ!それで。」

雪歩「つまり、『地面=強い』の等式というのは実はそんなに成り立たないものってことです。」

雪歩「日本でもそう…。」


 「普段私達が歩いてる地面がアスファルトの上だから大凡(オオヨソ)及びもつかないような
 建設現場で働いておられる方々の苦労」とやらを彼女は熱く語っていた。

 ここ等辺りで私は軽く後悔をした。
 藪をつついて蛇を出してしまったからである。

 いや、藪を突いたら蛇が大量発生して仕舞ったのか。

 熱くなった彼女はもう私では止められようのないものであった。


律子「ハァ、プロデューサーが背中押すからですよ。」

P「まぁ、いいじゃねぇか。あんな雪歩は一年に一度見られるか否かだぜ。」

律子「全く──。」









P「有難うな、雪歩。なかなか楽しかったぜ」ナデナデ

雪歩「あ、ありがとうございます///」

律子「」ムムムッ!!



######################### 回想終了 #########################


 固い地盤を持つ地面の上に立っている。
 そこに律子が能力によって結果の介入をしたため、いま真美にとってはまるで泥濘以上に立っていられない土の上に
 立っている様に感じている筈だ

 さらに穴に向かいボールを投げた瞬間に律子に能力を使われたので
 重心が前にある真美がバランスを崩し、落とし穴に落ちようとしている。


律子「これで、イーブンね。」

真美「逃げ場のない戦いってことだね! りっちゃん!」


 真美が落下を始めた。
 真美は両手から溢れんばかりのスーパーボールを作りだした。


 ・

 ・
 
 ・


 辺りを静寂が包んでいた。

 いま、落とし穴の中では女同士の醜い争いが行われている。
 そう、一人の男からの褒美を廻った醜い争いである。

 その争いの最中であるためか、辺りはしんとして不気味な雰囲気を漂わしている。

 それを察知してか生き物もなりを潜めているようだ。

 いま、土から這い上がる音がする。
 先刻の戦いに集結が来たのである。

 一番最初に上がってきたのは…律子であった。

 艶のある髪に所々乾いた粘土が付いている。
 彼女の私服も土に塗(マミ)れ少し痛々しさも感じられる。



 その首にネックレスが無かった。



真美「じゃあ、真美行ってくるね。」

律子「……待って。」


真美「何?りっちゃん。」


 律子が真美の服を払う。
 真美の服も律子と同じく泥や粘土に塗れ、手のみで服の汚れを払うのは無理な事であった。

 しかし、律子は結果に干渉する力があるため、見る見るうちに服は美しさを取り戻したのであった。
 『泥に塗れて服が汚れている→手で払っても汚れが落ちない』に干渉したのだ。


律子「……行ってらっしゃい。真美。」

真美「アイアイサー!」







 秋月律子 脱落


######################### 如月千早 #########################


 少女、星井美希は困惑していた。

 先程まで見えていたやよいの姿はおろか
 先ほどまで聞こえていた足音なども聞こえなくなっていたからである。

 やよいの能力は自身で【幻覚をみせる】能力だと言った。
 ならば、いま彼女の能力下に身を置いていると言う事になっているのであろう。

 なにか、いい方法はないであろうか。そう彼女は考えた。
 そう、例えば『自分が幻覚を見ていようが、見ていまいが』関係なくダメージが与えられそうなものを。


 ──。


 ──コツン。


 足元に何かが当たる音がした。









美希「あっ! いいものみつけた!」

 
 美希の方から不吉なセリフが聞こえた。
 先日のことであった。美希は私と春香を『偶然』近くにあった道具で撃退している。

 常識ではありえないタイミングで、
 偶然と言うよりかは寧ろ奇跡と言うレベルであった。

 そんな彼女が今、「いいものを見つけた」と言った。
 
 その手にはスーパーボールが有った。


千早「何でこんな所にスーパーボールなんてあるのよ…。」




 成程…彼女は【創造】の能力である可能性が出てきた。

 それを只単に『奇跡』と仰々しく言っているのに過ぎないのではないかと。


美希「これを! 思いっきりなげるの!!」ヒュン!!


 結果から述べよう。明後日─全く違う方にとんでいった。
 いや、確かに私たちに向けて投げたという意味では物凄い勘のいいと言うべきか。

 記憶力がいいと言うのも正解であろう。

 だが、投げたボールが向かったのは明後日であった。


千早「……。」

やよい「!? だめっ!!」


 高槻さんが声をあげた。
 どうしたのかと、彼女が向いている方に顔を向けてみる。

 信じられない光景が待っていた。
 スーパーボールが何故かこっちに向かって跳んでいるのだ。

 私は身をかわそうと動こうとした所、高槻さんと丁度同じ所に動こうとしていたようだ。

 ドンという音とともに私たちは衝突した。


二人「キャッ!!」


 私は大きく転び、能力も知らずのうちに解除して仕舞った。


美希「アハッ! 見つけた!」



 だが、高槻さんが私から離れた。


美希「って、あれ! 千早さんもいるの!」

美希「どう見ても本物だし……。」

美希「やよいはミキに嘘ついた─ってこと?」

千早「」フッ!!

美希「!? 逃さないの!!」ブンッ!!


 しかし、私は既に透明になっており
 美希の投げたスーパーボールは虚しく木の間を跳ねまわっていた。


 ・

 ・

 ・


 ######################### 萩原雪歩 #########################


真「」

雪歩「真ちゃん!」

雪歩「響ちゃんも…。」

雪歩「一体どんな戦いだったんだろう……。」


真「」キラッ(ペンダント)

雪歩「……。」

雪歩「ね……寝てる間に……。」ソーッ!!



ガシッ!

雪歩「!?」

真「」パチッ

真「雪歩……」

雪歩「ひうっ!!」

真「」ヒュウッ!!



雪歩「!?」パキッ!!


 雪歩はいつの間にか自分のネックレスが真に壊されている事に気が付いた。


萩原雪歩 脱落


真「さぁ、行こうか。」



菊地真 復活


######################### 星井美希 #########################


 千早さんが【透明人間】の能力を持っていたようだ。
 ならやよいの能力は一体何なのであろうか。

 いまは、やはり【幻覚の能力】である事を前提に考えていこう。
 そう、それだと疑問がやってくるからだ。

 『どうしてやよいは二度目に仕掛ける時「千早さん」を使ったのか』である。
 姿を消すなら、能力で自身が消えたと錯覚させればいい。それだけの事である。

 そして、最初の時点でもそうだ。本人が居たのならアレは幻覚ではない。
 
 どうして、あの時姿を確認する事が出来たのか。
 あの、真白な気配の塊のようなものが、徐々に色付き本体と化した。


 ザッ ザッ

 
 遠くで足音も聞こえる。具体的な位置は分からないが。いまミキややよいからは遠い。
 【透明人間】ならば、今この一瞬気を抜いた所で先手は取られないだろう。


 ん? 位置?


美希「まって!」

やよい「??」


















『 何 で ミ キ は 、 い ま 千 早 さ ん の 足 音 が 聞 こ え る の ? 』















.



 やよいが千早さんと一緒に消えている間は明らかに一切の気配が消えていた。
 しかし、今は息をする音と歩行の音が微かに聞こえるのだ。

 そういえば、ミキが千早さんの気配を察する事が出来た時。
 やよいはミキの手首を掴んでいた気がする。

 
 ……とするなら。


美希「」フッ!!


 ミキはやよいの方を向いた。
 やよいは不思議そうに私の方を見ている。

 しかし、徐々にミキが何かを悟った事に考えが向かってきたようだ。


美希「」ニコッ


 やよいに微笑を見せると、完全に見破られたと思ったようだ。
 顔が青ざめ足元が震え始めた。

 まだ、仮定の域を抜け出せてないが。これが仮定が真ならばやよいの能力は…。



美希「やよい?」


 笑みを絶やさずやよいに近づく。
 あくまで対話の姿勢を崩さないようにする。

 しかし、生殺与奪はこちらにあると言う雰囲気を残しておく。
 主導権はこちらにある。もともと、やよいはバレずに千早さんとミキを相討ちさせるつもりだったのであろう。

 だが、冷静に考えれば、余りにもこれはハイリスク過ぎる話である。
 しかし、彼女はそれに賭けたのだ。なら、ミキもそれに応えないといけない。

 他人を利用するって事は、利用されるって事も考えるべきなのだから。

 ミキは利用された。
 だから利用していいのだ。


美希「今すぐ美希に触れるの」

やよい「!?」


 観念した顔をしていた。
 やよいはミキに近づきそして手首を握った。










 


######################### 菊地真 ########################


 体が所々痛む。変色もみられる。
 おそらく明日辺り痣になるだろう。

 しかし、骨折などの類がないからまだいける。
 
 此処まで来ると、己の限界を試してみたくもなってきた。
 どれ程の強敵に、何処までの狂気がでるのだろうか。

 いまなら、美希が来ても勝てそうな気すらしてしまう。
 このまま、全員倒してゆっくりと小鳥さんに会おうと思う。
 

貴音「成程…それが貴女の行かんとする道ですか。」

真「…そうですね。そして神様はまた最大の難関を与えるようで。」

真「貴音さん。」

貴音「……。」

貴音「響を倒しましたか。」

貴音「血が滾りますね……」ゾワッ

真「!?」スッ

 
 気が付けばボクは構えをしていた。
 今の貴音さんからは、いつものミステリアスな雰囲気に加えて殺気のような物が感じられる。

 つぅと、ボクの額から汗が流れていた。拳を握っている手も湿っていた。
 成程─。前途多難というわけか。
 



真「いつ──始めますか。」

貴音「いつ─とは。中々異(イ)な事を言いますね。」


 「もう始まってますよ」と言い、彼女は知らぬ間に足を肩幅開かせ
 効き足を半歩後ろに下げて軽く腰を落としていた。

 拳を握っていない。
 と言う事は、掌底─もしくは合気の類であろうか。

 掌底ならば対処のしようがあるが。合気道ならば迂闊に手が出せない。
 じりじり、と数寸の間合いの取り合いを繰り広げていた。

 いま、上面公園の森の一部分では二つの呼吸音と足が地を滑る音。
 そして、遠くから聞こえる子供の声のみであった。

 風がごうと吹き、髪型を崩す。
 貴音さんの髪が彼女の視界を遮った瞬間であった。


真(今だッ!!)


 ボクは大きく間合いを詰め、左拳を繰り出した。
 我が攻撃ながら閃光のような一撃であったと思う。

 左拳に物体がぶつかる瞬間。パキと乾いた音が静かな森に響いた、
 音が聞こえた数秒後、左拳を刃物で刺したような痛みが訪れた。


真「うわああああああっ!!」

貴音「……。」


 この感覚は知っている。あの感触をしっている。
 自分が突いたものの正体と、いま体を貫いた痛みの正体だ。そして、同時に驚愕した。

 貴音さんは自身の髪に目隠しをされたにも拘らず、ボクの突きを頭突いたのだ。
 額の少し上、人体で上から数えて数番目に固い骨である。

 脳を守るための堅牢な骨をボクは突いたのだ。
 



 それに比べて、人間の手は──。
 端的にいえば小さな骨の集まりである。関節とは骨と骨を繋ぐものである。

 手にある無数の骨の集まりが、頭蓋骨を叩くと言う暴挙。
 結果は火を見るよりも明らかであった。

 一撃で、ボクの左拳が真っ赤に染まった。骨のいくらかが砕けていても可笑しくは無い。
 つぎ左拳の当て所がわるければ確実に今度は血に染まるであろう。

 ボクは痛みに耐えきれず、口からこれまで余り出したことのない呻き声を挙げた。
 この一瞬がダメだった。
 左手首に柔らかく暖かい感触がした。

 女性の手である。若い女性の手があった。日焼けの無い真白な肌色だった。
 滑らかな絹のような触られ心地であったが、この時ばかりはこの感触さえも恐怖であった。


 そう、四条貴音という女性がボクの左手首を掴んでいたのだ。


 それに気付いた瞬間と同時に、重力が逆さになったような感覚を味わった。
 ちょうど、遊園地のジェットコースターに乗っているようなあの感覚であった。

 次に自分が感じたのは、自分を上から見下ろす銀髪の美女の姿と
 大地の雄大さであった。







######################### 星井美希 #########################

美希「有難うなの、やよい。」

美希「お陰で…ミキは勝利を飾った」ジャラジャラッ!!


 美希の手には二つのペンダントが有った。

 そして、その奥には立ち呆けているやよいと。
 仰向けに倒れている千早の姿が有った。


美希「やっぱりミキは奇跡の子なの。」







高槻やよい・如月千早:脱落



ドリンク争奪戦


資格保有者

水瀬伊織   能力【太陽拳】     詳細『おでこから光を発する』
菊地真     能力【??】       詳細『不明』
双海真美   能力【創造者】     詳細『物体を創造する』
星井美希   能力【奇跡】       詳細『奇跡を起こす』
四条貴音   能力【能力無効化】 詳細『能力を打ち消す』



脱落

天海春香   能力【人心誘導】  詳細『他人に命令する』
如月千早   能力【透明人間】  詳細『透明人間になる』

高槻やよい   能力【??】       詳細『不明』
萩原雪歩   能力【嘘発見器】   詳細『相手の嘘を見破る』
我那覇響   能力【交信能力】   詳細『動物の五感の共有及び遠方からの情報交換』
双海亜美   能力【物体変換】   詳細『物体を全く別の物に換えられる』
秋月律子   能力【逆転能力】  詳細『仮定による結果を捻じ曲げる』


不参加

三浦あずさ  能力【変身】      詳細『メタモルフォーゼ!!』


つづく!

あ、ごめん。ちょっと忙しくなった。
折角嬉しそうにコメ書いてくれたところ悪いけど次の投下は今月下旬まで待っててくらはい

ってか、そんなに余裕ないな……
仕方ない…今週かなぁ?

誰も望んでないし質問に答えもしないんだから依頼出してどうぞ

######################### 菊地真 #########################

 肺が押しつぶされ、ごうと息を吐きつくし。
 全身を痛みが包み込む。

 地面が土でよかった。柔らかい土でよかった。
 これが、岩盤であったりアスファルトであったりコンクリートであれば、ボクは確実に立てなくなっていた。

 ──左手も痛い。骨折をしたのだろうか。
 ヒリヒリと言うよりかは、チクチクとした痛みがある。

 貴音さんは未だボクの左手首を掴んでいる。
 
 ──何が来る。

 踵落としか
 下段の正拳突きか
 それともこのままネックレスだけ奪いに来るか。

 ごくりとボクの喉が鳴った。



貴音「……真。」

 貴音さんがぼそりと呟いた。

貴音「降参する事をお勧めします。真の場合ならば……。」

貴音「再起不能になってもらいますよ……とはいっても脱臼程度ですが。」

真「……随分と嘗めた事を言いますね。」

貴音「違いますよ。」

貴音「真ほどの実力になると、小手先の技ではやっていけない。」

貴音「殺人術と同様を行わなければならない程、苛烈。」

真「……。」




真「随分長時間ボクの手首を持ってますね。」

貴音「!?」

 手首を中心に肘、肩の力を目一杯使い、手首を貴音さんの手から解放させる。
 それだけに留まらせず、逆に貴音さんの手首を僕が掴んだ。

 勢いとつけ、思いっきり立ちあがった。

貴音「なんと!」

真「喋り過ぎですよ。」


 グルッ!!

 ─手鏡。
 空手の「柔法」の一つである。
 


 かつての、柔道に当て技が有るのと同様に
 空手にも投げ技が存在する。

 嘗て父さんが自慢げにボクに仕掛けてきたのを思い出した。

 まさか、その時に覚えた技が此処で役に立つとは……。

 貴音さんの体が倒れ……


 ない。バランスを崩しただけだ。
 なら、逆の手鏡をするだけ。

 コンっ

 軽く何かがボクの頭をたたいた。

 その後……。

 ごう、と音とともに強烈な掌底がボクを襲った。
 一瞬で目の前が真っ暗になった。


真「かはっ!!」

 
 痛みに耐えられず、貴音さんから距離をとる。


 なんと恐ろしい人なのだろうか。
 
 そして、自分は之までなんと高慢に満ちた日々を送ってきたのだろう。

 運動神経の良い。空手をやっている。
 みんなはボクが守る?


 ──笑わせる。


 こんなにも強い仲間がいたではないか。
 なにを、ボク一人の問題と悦に浸ってたのだろうか。

 ─ピエロでは無い。これは明らかなる自滅だ。


 だが、それでいい。
 これは反省だ。

 之を省みてこそボクは次のステージへ向かう。

 真摯に受け取れ。
 ボクは─。


真「貴音さん」

貴音「どうしましたか。」


真「有難うございます。お陰で目が覚めました。」

真「お礼にですが、未だ誰にも見せていない、この技を見てください。」

真「漫画で知ったんです……。」


 すうっ、と構えをとった。
 半身と言う方が正しいのであろうか。

 いや、お腹は正面を向いている気もする。

 兎も角、彼女は何をするかは分からないが、正拳突きの類である事は間違いない。


貴音「面白い……。」


 是は眞(真)に興味深い。
 どんな技なのか受けて立つ…。

 私は一気に眞(真)との間合いを詰めた。

 ・

 ・

 ・


 静かな森であった。
 ゲームが始まって二時間程経っていて、脱落者が殆どである。

 にもかかわらず、未だに公園らしい喧騒がない。
 にもかかわらず、未だに森林らしい喧騒がない。
 
 鳥の鳴く声も聞こえず
 虫の羽音も聞こえない。

 静かな森の中で一人の少女が立っていた。
 
 少女の右手にはネックレスが有る。
 
 少女は黒い髪をしていた。


貴音「お見事……と言わざるを得ませんね。」

貴音「その突きは神速が如く……。」

真「……。」

貴音「……真。」

真「はい。」

貴音「御武運を。」



四条貴音 脱落


真「ありがとうございます貴音さん。」

真「ボクは……」


キャアッ!!


 真の耳に悲鳴が聞こえた。

 この声は知っている。




 美希の声だ。


貴音「真聞こえましたか?」

真「ええ。はっきりと。」

真「……恐らく向こうで他の誰かが戦っているんだと思います。」

真「……。」

貴音「どうするおつもりですか?」

真「どう……って。」

貴音「戦う事がすべてではない筈です。」

貴音「しかし、美希の能力は……。」

真「ご存じなんですか?」

貴音「一度刃を交えました。」

貴音「しかし、彼女はお互い共の能力を知り、戦線から逃れました。」

貴音「【奇跡を起こす】能力をもつ彼女ならあるいは。小鳥嬢の居場所を勘で当ててしまうのではないでしょうか?」

真「………。」

真「いってきます。」




真は右足を一歩前に出す


真(次は美希か……。)


左足を一歩前に出す


真(でも、勝てば居場所を聞き出せる。)


右足を一歩


真(でも、一体勝てるのか?ボクが……。)


左足を一歩


真(使う時が来たんだろうか……。)


右足

真(ボクの……)




黄色の髪が見えた。



真「美!! ………希。」




真が次に目にしたのは。

地に伏した美希と……。




伊織「遅かったわね。」





水瀬伊織の姿であった。

お終イケル。つづく



>>305
次回も一カ月位飽くかも知んない。
どうしてーも、依頼だして書くのを辞めてほしいんだったら

二月位までにこのスレ700までうめてみな?
あ、一人じゃダメね。それだったら御苦労さましか言わないから。

色んな人が辞めてほしい言ったら辞めるよ。
なんなら、荒らす形になってもいいよ。


真「伊織……。」


伊織「悪いわね、真。ドリンクは私がいただく。」


 その言葉と同時に伊織は能力を使った。


真「くっ!まぶしいっ!」


 視力を取り戻した時にはすでに、伊織は姿を消していた。


真「くそっ!」


 すぐさま、みきの所へ駆け込む


真「伊織は!どこへっ!」

美希「えへへっ、ミキは伊織に小鳥はあっちにいるんじゃないって言ったよ。」


 そういって、ミキは左腕をもちあげた。
 左手の方向か……。


真「ありがとう……。」

美希「えへへ、がんばってね。」


 …まったく。
 負けたのに可愛い笑顔な事で。
.



小屋



真「ハァ・・・ハァ」


 小屋の前に伊織がいた。
 ……もうだめか。そうおもっていたが、どうやら様子がおかしい。


伊織「……よ!」


 伊織の怒号にも似た叫びが聞こえる。
 すぐに彼女の許にむかった。


真「伊織! どうしたの!」


 そういいながら、ボクは伊織が向いている方を向いた。

 そこには……。











 小鳥さんを眠らして、ドリンクを持っているモバPさんの姿があった。



モバP「……お疲れ様。」

伊織「私達をバカにしてたわけ? 事と次第では……。」

モバP「許さないか……。」






?「やっぱりか……」


 伊織・真後ろ向く

 なんとそこには



モバP「どうしてこんなまねを……」


 もう一人モバPがいた





つづく

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