偽街の子供達「……」クーほむ「私はこの子達のご主人様なの」 (211)

基本的に本編の再構成で進めます。

クーほむの時間軸にクララドールズを放りこんだらというIF話。

主にギャグと申し訳程度のシリアスで構成される予定です。

基本、脳内プロットのみの即興書きです。一回ごとの投下量は少ないでしょうけどご容赦ください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414594368

クーほむ「っ」ハッ

クーほむ(見慣れた病院の天井……くっ。また、まどか救えなかったわ。前の時間軸も、結局戦力が足りなくてワルプルギスに敗れ、結果まどかが契約してしまった……!)

クーほむ「けれども、私は諦めないわ」

クーほむ(何度繰り返すことになっても、絶対にまどかを――)

イバリ「……」ヒュー ドサ

クーほむ「痛ぁッ!?」ゴツン

クーほむ(な、なに今の!? 上から降ってきた物体が頭にぶつかってすごく痛いわ! いったい何、が……)

クーほむ「……な、なにこれ?」

イバリ「……」

クーほむ(女の子の人形? それがなんで病院の天井から降ってくるのよっ。――いえ、この魔力は!?)

クーほむ「あなた、使い魔!?」バッ

イバリ「……」


クーほむ(くっ、油断したわ。結界から出て頭突きをしてきたのかしら。なんという不意打ち! かなり痛かったわ!)

イバリ「……」

クーほむ(時間遡行してすぐ使い魔に襲われることなんてなかったから、完全に想定外だった。すぐに変身して、このイレギュラーな使い魔を……あら?)

イバリ「……」

クーほむ「動かないわね、この使い魔」

イバリ「……」

クーほむ「攻撃してくる様子もないわね」

イバリ「……」

クーほむ(何なのかしら、この使い魔。やりにくいわ……)


クーほむ(人形の使い魔を見るのは初めてじゃないけど、この使い魔、どうもいままで見てきた使い魔とは何かが違うような……。やたらと魔力も希薄だし)

クーほむ「ちょっと触るわよ」ソー

クーほむ(まったく反応しないわ。見た目が良くできてるから、ここまで無抵抗だと壊すのも忍びないわね)チョン

イバリ「……」ピクリ

クーほむ「……ん?」

クーほむ(いま動いた?)チョンチョン

イバリ「……」ピクピク

クーほむ「やっぱりね」

クーほむ(つつくと動くわね。人に触ると身じろぎするのかしら。変な使い魔)

イバリ「……」

クーほむ「無害にもほどがあるわね。って、あら?」

イバリ「……」ピクリ

クーほむ(この感覚……私の魔力が人形の使い魔と魔力がつながった?)


イバリ「……」

クーほむ(触れた指先から糸みたいに魔力がつながってるわね。……もしかして)ヒョイ

イバリ「……」カクン

クーほむ「あ。やっぱり動かせたわ」

クーほむ(さっきは触ったからというより、私の魔力に反応して動いていたのね。もうちょっと試してみましょう)ヒョイヒョイ

イバリ「……」カクカク

クーほむ(指の動きは関係ないのね。魔力で操作する感じで……)

イバリ「……」カクカク

クーほむ「難しいわね。つい腕と指を動かしてしまうわ」

クーほむ(魔力だけで思い通りに動かすには、コツがいりそうね。でも慣れればいけそうだわ。とりあえず、いったん動きを止めましょう)

イバリ「……」ピタ

クーほむ「ふう。魔力で動かせる人形の使い魔、と言ったところかしら」

クーほむ(けれどもいったい何故そんなものがこんなところに……?)




――叛逆後の世界――


QB「まったく、いくらスペアがあると言っても体を潰されるのは無駄以外の何物でもないんだよ」

ネクラ「……」

ウソツキ「……」

QB「君たちには毎日のように大量の個体を潰されているからね。だから実験の意味も込めて対抗策を練らせてもらったよ。それがこの干渉遮断フィールドだ」

レイケツ「……」

ワルクチ「……」

QB「君たちはやはり暁美ほむらの魔力で動いているようだね。こうして干渉遮断フィールドによって隔離させてもらったけど、それだけで動けなくなったのだからそういうことなのだろう」

ノロマ「……」

ヤキモチ「……」

QB「さて、しかしこの状態で暁美ほむらに見つかるのも厄介だ。あとは人類とは比べるまでもない科学によって発生させた時空のはざまにでも放りこんでおくとしようか」ポイポイ

ネクラ「……」ヒュー

ウソツキ「……」ヒュー






イバリ「……」

クーほむ「あなた、喋れたりは……しないわよね」

イバリ「……」

クーほむ(試しに魔力をたくさん込めてみて――)

イバリ「……」

クーほむ「――これでどうかしら?」

イバリ「……」

クーほむ「……無理、ね。それはそうよね。使い魔とはいえ、結局のところ人形だもの」

クーほむ(魔力をいくら込めても自律は無理そうね。事情の解明は無理かしら。近くに魔女の反応もないし、攻撃してきたとかじゃなさそうなんだけど……)

クーほむ「……でも、魔力に反応して動く人形ということははっきりしてるわ」

クーほむ(ちょっと練習はいるけれども、これは使えるんじゃないかしら。うまくすれば、いままでになかった銃火器以外の新しい戦力に――)

ネクラ「……」ヒュー ドサ

ウソツキ「……」ヒュー ドサ

クーほむ「ぐふっ!?」ゴツン ゴツン

とりあえずここまで。

明日もまた投下します。

クーほむ「い、痛いわね……! いま落ちて来たのは、この子達ね」プルプル

ネクラ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「やっぱり人形が落ちて来たのね。しかも今度は二体」

クーほむ(見た目はさっきの子てゃちょっと違うわね。この子達もまったく動く様子はない……やっぱり、私の魔力で動かせるのかしら)チョンチョン

ネクラ「……」ピクピク

ウソツキ「……」ピクピク

クーほむ「魔力は問題なくつながったわね。操作もできる、と」

ネクラ「……」カクリ

ウソツキ「……」カクリ

クーほむ(見た目は違えど、性質はほぼ同じということね。でも……)

クーほむ「最初の子にしてもこの子達にしても、頭を狙って落ちてくるとか何か私に恨みでもあるのかしら、この子達」

イバリ「……」

ネクラ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「……はぁ。そんなこと人形に愚痴っても仕方なかったわね」

クーほむ(まあいいわ。さすがにこれ以上降ってくることもないでしょうし……ない、わよね?)



――叛逆後の世界――


QB「さて、実験は成功した。残りもこの調子で次々行こうか」ポイポイ

レイケツ「……」ヒュー

ワガママ「……」ヒュー

ワルクチ「……」ヒュー

ノロマ「……」ヒュー

ヤキモチ「……」ヒュー

ナマケ「……」ヒュー

ミエ「……」ヒュー

オクビョウ「……」ヒュー

マヌケ「……」ヒュー

ヒガミ「……」ヒュー

ガンコ「……」ヒュー

QB「さて、これで全部終わったね。明日からは平穏な一日が過ごせそうだ」






クーほむ「……うーん」クイクイ

イバリ「……」カタカタ

ネクラ「……」カタ

ウソツキ「……」カタ

クーほむ「同時に動かすのはまだ無理ね。スムーズにいかないどころのじゃないわ」

クーほむ(これじゃあ、まだ魔女との戦闘に使える段階じゃないわね。とはいえ変身しなくても操作できるあたり、慣れれば魔力的なコストパフォーマンスは時間停止よりずっとよさそうだわ)

クーほむ「しばらくは一体だけでもちゃんと動かせるように練習することにしましょう。武器はどうしましょう。銃火器を持たせても反動に耐えられるかわからないし、何か近接武器があったほうが――……っ!」サッ

レイケツ「……」ヒュー ドサ

ワガママ「……」ヒュー ドサ

クーほむ(頭上に気配を感じたからとっさに飛びのいたけれど、やっぱり降ってきたわね!)

レイケツ「……」

ワガママ「……」

クーほむ「ふふっ、この短時間で頭上を警戒していないわけがないでしょう。残念だっがふッ!?」ファサ…ゴツン

ワルクチ「……」ドサドサ

ノロマ「……」ドサドサ


クーほむ「よ、よけた先に落ちてくるなんて、この人形性格悪……痛ぁ!?」ゴツン ゴツン

ヤキモチ「……」ヒュー ドサ

ナマケ「……」ヒュー ドサ

ミエ「……」ヒュー ドサ

クーほむ「ま、まだ来るなんてやるわね……。でもいい加減にお終いでしょぶふう!?」ゴツンゴツン

オクビョウ「……」ヒュー ドサ

マヌケ「……」ヒュー ドサ

クーほむ「……ちょ、もう、ほんといい加減に――」ゴツンゴツン

ヒガミ「……」ヒュー ドサ

ガンコ「……」ヒュー ドサ

クーほむ「うぐ……ぐ」バタンキュー


クーほむ「……」

イバリ「……」

ネクラ「……」

クーほむ「……もう終わったかしら」ヨロヨロ

ミエ「……」

ヒガミ「……」

クーほむ(うん、とりあえず収まったみたいね)

クーほむ「まったく、ひどいめにあったわ。合計で何体降ってきたのかしら、この子達。……ひーふーみー」

レイケツ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「とあまりひ、とあまりふ、とあまりみ、とあまりよ……合計十四体ね」

クーほむ(さすがにこれ以上は増えないわよね? ……いえ、油断は禁物ね。これからも頭上の警戒は怠らないようにしましょう)

クーほむ「けれども、十四体。戦力としては大したもの――」

コンコン

看護婦「暁美さーん。少し騒がしいようですけど、何かありましたか? ちょっと失礼しますよー」

クーほむ「!」


クーほむ(まずいっ、この人形だらけのわけのわからない病室を見せるわけにいかないわ!)

ナマケ「……」

ワルクチ「……」

クーほむ(とにかく看護婦の人が来る前に変身して、時間停止)

カチリ

クーほむ「……ふう、間に合ったわね。後はこの子達を盾に放り込んで――」ヒョイヒョイ

クーほむ(全部しまえたわね。ベッドに寝そべって、変身解除)

クーほむ「は、はい。どうぞ」

看護婦「はいはい。失礼しますね」ガラリ

クーほむ「……」

看護婦「どうしたんですか? すごく元気が良かったみたいですけど」クスクス

クーほむ「い、いえ。ちょっと寝ぼけてベッドから転がり落ちちゃって……そ、それだけです!」

看護婦「そうですか? それならいいんですが……退院も近いんですから、気を付けてくださいね。あと、あんまり騒がしくすると苦情がくるから気を付けてくださいね」

クーほむ「は、はい」


クーほむ「……」

クーほむ(看護婦は、行ったわね)

クーほむ「……ふう。何とかごまかせたわ」

クーほむ(変身して、一体だけ人形を取り出しましょう)ゴソゴソ ズルリ

マヌケ「……」

クーほむ「転校するまで、まどかの契約阻止がてらこの子達を動かす練習でもしていましょう」クイクイ

マヌケ「……」カクカク

クーほむ「……あら? そういえば、この子達が使い魔ってことは、一般人には見えないのかしら。慌てて隠す必要なんてなかった……?」

マヌケ「……」カクリ

クーほむ(……そのあたりも実験しとかないといけないわね)ハア

マヌケ「……」カタカタ




今日はここまで。

また明日続きを投下します。


――夜・まどホーム――


QB「さて、とてつもない素質を感じた場所はここだね」


まどか「~♪」


QB「ふむ。いまパソコンで英語の宿題をしている少女に間違いないね。今日、突然彼女の因果が跳ね上がったようだけれども、一体なにが――うん?」

レイケツ「……」

ガンコ「……」

QB「おや? 君達は――」

レイケツ「……」グサ

ガンコ「……」グサ

QB「――きゅ」グチャ


ガンコ「……」

レイケツ「……」

QB「……いきなり攻撃するなんてひどいね。近くに魔女はいなさそうだけれども、君たちは使い魔だよね」ヒョコ

レイケツ「……」ギラリ

ガンコ「……」ギラリ

QB「ふむ。僕を狙っているようだけど、何故かな」タタタ

レイケツ「……」ヒュン

ガンコ「……」ヒュン

QB「答える気はなさそうだね。やれやれ、まったくなぜこんなタイミングで使い魔が――」グチャ


クーほむ「なるほど。目視範囲なら遠距離でも操作は問題ないわね」

クーほむ(視力を強化して遠くのビルの屋上から操ってみたけれども、動きに問題はないわね)

クーほむ「……それにしても、なぜかしら。キュゥべえを狩る段になって、急に二体同時に動かせるようになったわ」

クーほむ(まあ、都合がいいからいいのだけれども……。この子達、QBを狩るときだけはやたらスムーズに動く気がするわね。しかもキュゥべえを攻撃しようとしたら、何か手から真っ黒な槍みたいな武器まで出せるようになったし)

クーほむ「私の気の持ちようの違いかしら? 武器を出すコツもつかめたし、ゆくゆくは十四体同時に動かせるようになればいいのだけれども」

クーほむ(何にしてもインキュベーターに私の存在を気取らせないで契約を阻止できるのは大きなアドバンテージだわ)

クーほむ「しばらくはQB狩りでこの子達を動かす練習をしましょう」クイクイ


レイケツ「……」グサグサ

ガンコ「……」グサグサ

QB「きゅぷっ――」グシャ

レイケツ「……」

ガンコ「……」

QB「……」ヒョコ

レイケツ「……」ギラ

ガンコ「……」ギラ

QB「やれやれ。これ以上個体をダメにされるのも非効率だ。今日のところはお暇するよ」タタタ


まどか「……?」

まどか(あれ? いま窓の外に誰かいたような……)ガラリ

まどか「……うーん」キョロキョロ

まどか(誰もいないや。気のせい、かな?)

まどか「ま、いっか。とりあえず宿題終わらせちゃお」



レイケツ「……」

ガンコ「……」

クーほむ「うまくいったわね。よくやったわ、あなた達」

クーほむ(まあ私が自分で操っていたのだから褒めるのも変かもしれないけれども、人形だからけっこう愛着湧くのよね)ナデナデ

レイケツ「……」ピクリ

ガンコ「……」ピクリ

クーほむ「ふふっ。触ると動くのには、何となく可愛げがあるわね」ナデナデ

レイケツ「……」ピクピク

ガンコ「……」ピクピク

クーほむ(やっぱりこの子達、使えるわね。魔力の調整具合で一般人にも見せることができるし、戦闘以外にも用途が広がるわ。目下のところは――)

クーほむ「この子達を使って、何だかんだで微妙に失敗続きの転校初日を成功させて見せるわ!」

レイケツ「……」

ガンコ「……」

――教室――


和子先生「女子の皆さんはくれぐれも! 半熟じゃないと食べられないとか抜かす男とは交際しないように! そして男子の皆さんは絶対にっ、卵の焼き加減にケチをつけるような大人にならないこと!」

さやか「ダメだったかぁ」アハハ

まどか「ダメだったんだね」ウェヒヒ

和子先生「はい、あとそれから。今日は皆さんに転校生を紹介します」

さやか(そっちが後回しかよ……!?)

和子先生「じゃあ、暁美さーん。いらっしゃーい」

クーほむ「……」カツカツ

まどか「えっ?」

まどか(あの子、夢の中で――って、背中に何か背負ってる!?)

さやか「うわっ。すげー美人……だけど、背中のアレ、なに? 人形?」

クーほむ「……」

ミエ「……」


まどか(なんであの子、人形を背負ってるんだろ?)

さやか(あの転校生、手にCDコンポまで持ってる。すごい大荷物だな。転校初日からなにする気だよ)

和子先生「えっと、暁美、さん? その人形は一体……?」

クーほむ「芸の道具です」

和子先生「はい?」

まどか(芸……?)

さやか(芸?)ワクッ

ミエ「……」

和子先生「あの、暁美さん。私物の持ち込みはちょっと――」

クーほむ「この自己紹介にはこれから始まる一か月の第一印象がかかってるんですっ。だからちょっとだけ見逃してください!」

和子先生「は?」

クーほむ「ということで先生。そろそろ自己紹介をしてもいいですか?」

和子先生「へ? え、ええ」

仁美(早乙女先生が押されていますわ)

中沢(珍しいな……)

クーほむ「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

まどか(少し変わった子なのかな? 夢のこともあるし、ちょっとお話ししてみたいな)

さやか(芸ってなんだろ)ワクワク

ミエ「……」

クーほむ「それでは、今から挨拶の代わりに一発芸をします」

クーほむと書きつつ全然クールでないとは、これいかに。

また明日続きを投下します。

クーほむ(何度も何度も一か月を繰り返しての今回、あの人形を動かす練習をしている最中ふと気が付いたわ)

クーほむ(私は、なんだかんだ言ってまどか達に対して転校初日の印象が良くない気がする。特に美樹さやか相手には、むしろ悪印象を持たれてる気がするわ)

クーほむ(一週目二週目の失敗は言わずもがな。三週目以降もそつなくこなしていたつもりだけれども、うまくいってない。その原因に、今回ようやく気が付いたわ)

クーほむ(たぶん、インパクトが足りなかったのね!)

クーほむ(そこで、この子達を使った一発芸でインパクトを出して親しみを持たせれば、きっとこれからはうまくいくはずよ!)

クーほむ「それでは、音楽に合わせてこの人形を躍らせます」

さやか「おおっ」

まどか「躍らせる……?」

仁美「人形劇でしょうか?」

クーほむ(いい感じに興味をひけてるわね。魔力の糸を可視化させて、ミュージックスタート)

カチ ♪~♪~

ミエ「……」スクッ

まどか(わっ、お人形さんが立った。すごい……あれ? この曲、JPOPとか演歌じゃないみたい。クラッシック、かな?)

さやか(あのCDコンポ、踊りのバックミュージックのために持ってきてたんだ。てか、この曲はチャイコフスキーのくるみ割り人形? てことは、バレエを躍らせるか?)

仁美(一発芸という割には、意外と硬派な芸ですのね。バレエの動きを人形にさせるは大変だと思うのですけど……)

クーほむ(病院にあった踊りのDVD、これくらいしかなかったのよね……)

ミエ「……」クルクル


マミ「!」

マミ(今、学校内で魔力の気配が――これは、使い魔? 学校に入られるなんて……! いまは授業前のHRだけど、仕方ないわね。ここは仮病を使いましょう)

マミ「せ、先生……」

教師「ん? どうした、巴」

マミ「た、体調が悪いので保健室に行って来ていいでしょうか?」

教師「そうか? なら行ってきなさい。次は私の授業だから、遠慮はしなくていいぞ」

マミ「ありがとうございます」

マミ(魔力の場所は、二年生の教室のどこかかしら。急がないと)タタタッ


ミエ「……」クルクル

ザワザワッ

まどか「わあ!」

さやか「うわっ、すご。ホントに踊ってるよ……」

仁美「素晴らしいですわ……!」

クーほむ(魔力で動かせば踊り自体は楽勝ね。あとは指と腕をそれっぽく動かしておきましょう)

ミエ「……」クルクル クルッ

ザワザワ ガヤガヤ ワースゴイ

クーほむ(反応は悪くなさそうね。あんまり時間もかけられないし、このくらいで終わりにしましょうか。音楽のきりのいいところで動きを止めて、と)

ミエ「……」クルクル…ピタ

クーほむ「以上になります」ペコリ

パチパチパチ!


仁美「素晴らしい一芸でしたわ」パチパチ

クーほむ(うまくいったわねっ。肝心のまどか達の方は……)

さやか「まどかっ。すごいね、あの転校生! あんな芸を生で見たの、あたし初めてだよ!」

まどか「うんっ。あのお人形さんもすっごくかわいいし……わっ。目が合ったよ!」

さやか「マジ!? ホントだ。こっち見てる。手を振ってみよっか!」

まどか「さ、さやかちゃんっ。それはちょっと……」

クーほむ(ものすごくうまくいってる気がするわ! よしっ。あと一押し、自己紹介で何かそれっぽい設定を付け加えておきましょう!)

クーほむ「いままでこの芸の特訓のためアメリカに行っていましたが、この度、日本に帰ってくることになりました」

和子先生(えっ? 事前に見た資料だと、心臓の病気で入院してたって……)

さやか「帰国子女なんだ!」

まどか「カッコいいね!」

クーほむ「なのでいろいろ不慣れな所もあるかと思います。よろしくお願いします」

パチパチパチパチ

クーほむ「ふふっ」

ミエ「……」

クーほむ(いつになく熱烈に迎えられたわね。これもこの子達のおかげ――)

和子先生「……こほん。暁美さん」

クーほむ「――はい?」

和子先生「先生も暁美さんの芸は素晴らしいものだと思います。……とはいえ、校則は校則なので、その人形とCDコンポは放課後までこちらで預かります」

クーほむ「え」

ミエ「……」

クーほむ(CDコンポはともかく、この子を没収されるのはちょっと……)

クーほむ「先生。この子は芸を磨くために私と魂を分け合った大切な――」

和子先生「校則は校則です。い・い・で・す・ね!」

クーほむ「あ、はい」

和子先生「それからこういうことを披露したいのなら、事前に言って許可をとっておくように。あと、放課後没収されたものを取りに来た時に、少し確認しておきたいこともあります。わかりましたか?」

クーほむ「は、はい。すいませんでした……」

和子先生「よろしい。暁美さんの席は……中沢君の隣が空いてますね。じゃあそちらで。少し長くなりましたが、朝のHRはこれにておしまいにします」

ミエ「……」


マミ(さっき使い魔の気配を感じた教室はここね! 教室の空気がざわついてるし、もしかしてもう被害者が――)

マミ「って、あら?」

マミ(もう気配がしない……? 魔力の痕跡は、この教室で途切れてるわね)

マミ「ど、どういうことかしら」

マミ(まるでここで現れてここで消えたみたいな魔力の流れだわ……。でも一応、教室の中も確認しておかないと)ヒョコ



モブA「暁美さんって帰国子女なの?」

クーほむ「ええ、まあね」

クーほむ(一時のテンションであんなこと言っちゃったけど、よく考えてみれば早乙女先生に不審がられてたわよね。確認するって言われてしまったし、どうしましょう、放課後……)

モブB「あの人形の踊りすごかったね! 機会があったらもう一回やってよっ」

クーほむ「ふふっ。そう言ってもらえる嬉しいわ。でも、人形が没収されてしまったから……」

クーほむ(持ってかれたといっても盾の中にまだ十体以上いるし、魔力をつなげなければ動かないどころか気配もほぼなくなるから別に放っておいても大丈夫よね)

モブC「没収だなんて和子先生も固いよねー。あんなすごいことできるんだから見逃してくれたっていいのにさ」

クーほむ「仕方ないわ。規則は規則だもの」

クーほむ(放課後、何とか理由つけて帰れないかしら。まどかの契約阻止もしなきゃいけないし……うん。早乙女先生には帰国子女設定のことに関して見栄を張ってしまいましたって言って素直に謝ることにしましょう……)



マミ「なんだかとても楽しそうな雰囲気だわ……」

マミ(使い魔の気配は気のせいだったの? でも体調不良って言った手前、すぐに教室に戻れないわよね。一限目は保健室で休んでましょう)

マミ「はぁ……。サボりみたいでいやね」トボトボ

今日はここまで。



ご要望があった過去作

偽街の子供達「アイを探しに行こう」
偽街の子供達「アイを探しに行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1393773588/l50)

走れさやか
走れさやか - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394852147/l50)

偽街の子供達「ご主人様!」メガほむ「ご主人様!?」
偽街の子供達「ご主人様!」メガほむ「ご主人様!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1395067421/)

偽街の子供達「ご主人様?」メガほむ「……うん、ご主人様だよ」
偽街の子供達「ご主人様?」メガほむ「……うん、ご主人様だよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398092292/)

偽街の子供達「ご主人様!」リボほむ「使い魔!?」
偽街の子供達「ご主人様!」リボほむ「使い魔!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402728361/)

まどか「誕生日ケーキが消えちゃった……」
まどか「誕生日ケーキが消えちゃった……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412261837/)


うむ、こうして並べるとドールズばっか書いてるな……。

いままでは誕生日の人のを踏襲した片言でしゃべらせる形式とってましたけど、これ続けると自分の中でドールズの二次設定キャラが変に固まりそうで嫌だったので、今回は限りなくお人形さんに近い設定にしました。

だから今回ドールズしゃべりません。たぶん。



また明日も続きを投下……できればいいですね。


仁美「不思議な雰囲気の人ですよね、暁美さん」

さやか「いやー、あんなすごい芸ができるんだから少し浮世離れてもおかしくないよ。ちょっと話しかけてみたいんだけど……」

まどか「うん。人垣がすごいよね。みんな集まってる」

さやか「そりゃみんな興味しんしんだよね……まどかっ! さっきあんた思い切り目が合ってたし、その縁で何とかなんない!?」

まどか「それはちょっと無理かなって……」

クーほむ「ごめんなさい。なんだか緊張しすぎちゃったみたいでちょっと気分が……保健室に行かせてもらえるかしら」

さやか「!」

さやか(これはチャンス!)

モブA「え? じゃあ、アタシが案内――」

さやか「いやいや、ちょっと待った!」

クーほむ「!?」


クーほむ(なぜここで美樹さやかが割り込んでくるのかしら……?)

さやか「ここにこのクラスの保健委員がいるんだから、係りの人に任せるべきだよ! ね、まどか」

まどか「え? え、と、あの、さやかちゃん……?」

仁美「ふふっ。確かにそれが道理ですわね」

さやか「だよねっ。さすが仁美!」

まどか「ええ!? 仁美ちゃんまで――」

クーほむ「ええっと、それじゃあ係りの人にお願いしていいかしら?」

クーほむ(いつもとちょっと違う流れだけど、まどかに忠告できる機会を逃すわけにもいかないわね)

クーほむ「連れて行ってもらえる? 保健室」


――廊下――


クーほむ「……」カツカツ

まどか「……」テクテク

クーほむ(ちょっとした誤差があったとはいえ、まどかが保健室に案内してくれてるのはいつも通りなんだけど……)

まどか「えっと、保健室は――」

さやか「こっちだよね!」

クーほむ(……どうしてっ、どうしてさやかが付いてきてるのよ!)

今日はここまで。

また明日続きを投下します。


クーほむ「えっと……」

さやか「ん? なに?」

クーほむ「あなたも保健係なのかしら。案内に二人もいらないと思うのだけど」

さやか「いやぁ? あたしは興味本位でついてきただけだよ?」

クーほむ「ああ、そうなのね……」

クーほむ(追い払えそうもないわね。どうしましょう。渡り廊下辺りで周りに人がいなくなるからいつもあそこで忠告してたんだけど、さやかもいるとなると……いっそ一緒に忠告してしまおうかしら)

まどか「さやかちゃん……。もうっ、調子いいんだから」

さやか「えー、いいじゃん別に。ね! ……えっと、暁美さん?」

クーほむ「……ほむらでいいわ」

さやか「お、ホント?」

クーほむ(あ、間違えた)


さやか「けっこうフレンドリーだねっ。よろしく、ほむら! あたしは美樹さやか。よろしくね」

クーほむ「え、ええ」

クーほむ(くっ。いつもまどかだけだったから、つい美樹さやか何かに名前呼びの許可を出してしまったわ……!)

まどか「えと、ほむらちゃんでいいの、かな?」

クーほむ「……ええ、もちろん」

まどか「じゃ、じゃあ、ほむらちゃんっ」

クーほむ「なにかしら」

まどか「えっと……教室の一発芸すごかったよっ」

クーほむ「! そ、そうかしらっ? 本当に」

まどか「本当だよっ、ウソなわけないよ!」

さやか「うんっ。マジすごかったよアレは!」

クーほむ「そう。もしそれが本当なら、努力が報われたようでうれしいわ」ファサ
まどか「うぇひひ、そっか。あの人形の子もかわいかったよね」

クーほむ「そうね。あの子達も、慣れれば可愛げがあるのよね」

さやか「へー。ちなみにあれっていくらぐらいするの」

クーほむ「プライスレスよ」

クーほむ(あ。渡り廊下すぎちゃったわ……。ま、いっか)


まどか「あ、ここが保健室だよ」

さやか「お。もう着いちゃったか」

クーほむ「ええ。それじゃ、また教室で」

クーほむ(なんだかかんだで、今まで一番打ち解けた気がするわ。さて、後は保健室で――)

ガラリ

マミ「……あら? あなたも保健室で――」

クーほむ「……」

ピシャリ!

まどか「あれ、ほむらちゃん? 保健室に入らないの?」

さやか「ドアすぐ閉めちゃってどうしたの?」

クーほむ「あ、いえ、その……」

クーほむ(なんでなぜどうして巴マミが今この時保健室にいるのよ!? ソウルジェムは見られてないわよね。でも不用意な接触は避けるべきだし……)

まどか「?」キョトン

さやか「?」

クーほむ「あなた達と話して気分が晴れたからかしら。気分が良くなかったから、やっぱり教室に戻るわ」

さやか「マジで?」

まどか「なら帰りもおしゃべりできるね!」

クーほむ「ええ、そうね」


――ファーストフード店――


さやか「にしても、ほむらはいろいろハイスペックだったよね」

まどか「うんっ。ほむらちゃん勉強も運動もすごかったよね」

さやか「金とれるレベルの芸達者と思いきや、文武両道にして才色兼備。かーっ、どこまでキャラ立てすりゃ気が済むんだほむらのやつ! 萌えか? そこが萌えなのか!?」

仁美「とても目立つ方ですよね。まどかさんとさやかさんともあっという間に仲良くなってしまいましたし。お二人とも暁美さんとは初対面ですわよね?」

さやか「うん。あんな目立つやつ、一回見かけたら忘れないよ」

まどか「わたしも、常識的に考えればそうなんだけど……」

さやか「何ソレ? 非常識なところで心当たりがあるの?」

まどか「ゆうべ、あの子と夢の中で逢った、ような……」

さやか「……」

仁美「……」

さやか「あっはは! すげーっ。まどかまでキャラが立ち始めたよ!」

まどか「ひどいよぉ……わたし真面目に悩んでるのに……」

とりあえずここまで。

明日もまた続きを投下します。


さやか「あー、もう決まりだ! それ前世の因果だわ。あんたたち時空を超えて巡り会った運命の二人なんだ!」

仁美「夢ってどんな夢でしたの?」

まどか「それが……なんだかよく思いだせないけど、とにかく変な夢だったってだけで……」

仁美「もしかしたら本当は暁美さんと会ったことがあるのに、それを忘れてしまっただけかもしれませんわ」

まどか「え?」

さやか「それちょっと出来すぎてない? どんな偶然よ」

仁美「前世の因果よりは筋の通った説明ですわ」

さやか「まーねー。てかあたしも今日、あいつが夢に出てきそうだわ。インパクト強すぎでしょ、ほむらは」

まどか「あはは……」







QB「きゅ――」グチャ

ワルクチ「……」グサグサ

ウソツキ「……」グサグサ

QB「……また君たちかい」ヒョコ

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

QB「ここ数日僕をつけ狙ってるみたいだけど、何なのかな、一体」

ワルクチ「……」ギラ

ウソツキ「……」ギラ

QB「やれやれ。やっぱり答えるつもりはないのか」タタタ




クーほむ「……ちっ」

クーほむ(取りこぼした。屋内だと視界が開けていない分、隠れてこの子達を操作するのは難しいわね。でも――)

クーほむ「逃がさないわよ、インキュベーター」



――CDショップ――


まどか「♪~」

QB『助けて……』

まどか「……?」

QB『助けて……まどか……』

まどか「え?」

まどか(誰も、いないよね……?)

まどか「誰?」テクテク


さやか「ん? まどか……?」


まどか「どこに、いるの? あなた誰?」

QB『助けて……』

まどか「……ッ! あなた、なの?」


ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ(キュゥべえのやつ、どこに……あれは、まどか!? くっ。まどかと接触されたくなかったのに……いえ、まだ遅くはないわ)


QB「助け、て……」

まどか「あっ、ひどい怪我……――っ!」

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

まどか「え? あ、あなた達、誰……?」


クーほむ(簡単な幻惑魔法で人のふりをさせて動かせば、少し手荒な手段でキュゥべえと引き離しても私の評価が下がることはないわ!)コソコソ

いやいや、特徴的な人形なんだから
まどかとさやかからしたらほむほむの関与が真っ先に疑われるだろ


まどか「あ、あの……」

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」


クーほむ(まあ見た目はつくろえても、会話はできないのよね。とりあえずこの子達を使って、まどかに怪我をさせないように細心の注意を払ってキュゥべえを取り上げさせましょう)コソコソ


ワルクチ「……」テクテク

ワルクチ「……」テクテク

まどか「だ、ダメだよ! ひどい事しないで! この子、わたしを呼んでた! 聞こえたんだもん。『助けて』って!」ギュッ

QB「……」プルプル


クーほむ(インキュベーター……。怪我したのをいいことにまどかに取り入るなんて……あら? あの人影はさやか? あの子、なんで消火器なんて――)

プシュウウウ

さやか「まどか! こっち!」

まどか「さやかちゃん!?」タタタッ

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「……躊躇なく消火器使うなんて、さやからしいわね」

クーほむ(まあ、私は巻き込まれなかったから別にいいのだけれども。さて、まどか達を追いかけないと――この気配は)

Anthony:Das sind mir unbekannte Biume.
      (見たことのない花だ)
Anthony:Ja, sie sind mir aush unbekannt.
      (見たことのない花だね)

クーほむ「こんな時に……!」

>>80 見た目についてはあれです。幻惑魔法で外見だけほぼ完ぺきに人間の女の子に見せてる感じです。

イメージとしては劇場版でちょくちょく出てた、球体関節のないドールズみたいな。伝わらなくて申し訳ナス

さやか「なんなのあの女の子達ッ? 二人して喪服で通り魔とか、ちょっとシャレが効きすぎてない!?」

まどか「わたしに言われても、わかんないよ!」

さやか「そりゃそうだ! つーかまどか、それなにッ? ヌイグルミ……じゃないよね。生きてるの!?」

まどか「わかんない。わかんないけど……この子を助けなきゃ!」

Anthony:Die Rosen schenken wir unserer Konigin.
      (バラは僕らの女王様へ)

さやか「あ、あれ!? 非常口は……どこよ、ここ!?」

まどか「変だよ、ここ……どんどん道が変わってく!」

さやか「ああもうっ、どーなんってんのさ!」

Anthony:Und die schlechten Blumen steigen auf die Guuiiotine.
      (悪いお花はギロチン送り)

まどか「ひぃっ。やだ……何か、いる?」

Anthony:Ja, schneide sie ab!
     (ヤア! チョンと切れ!)

さやか「じょ、冗談だよね。あたし、悪い夢でも見てるんだよね? ね、まどかぁッ」

Anthony:Ja, schneide sie heraus!
     (ヤア! 切り落とせ!)

パァアアアアア!

マミ「――危なかったわね。でももう大丈夫よ」

さやか「あ、あれ……?」

まどか「これは――」

マミ「キュゥべえを助けてくれたのね。ありがとう。この子はわたしの大切な友達なの」ニコッ

まどか「は、はい。わたし、呼ばれたんです。頭の中に、直接この子の声が」

マミ「ふうん、なるほどね。――その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。二年生?」

まどか「はいっ」

さやか「えっと、あなたは――」

マミ「そうそう、自己紹介しないとね。でもその前に――ちょっと一仕事、片づけちゃっていいかしら」ヘンシン


クーほむ「少し時間がかかってしまったわね。確か、まどかとさやかはこっちに行っていたはず……」テクテク

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ(この子達を使ってみたけど、使い魔相手ならもう十分ね。……あら? 結界が消えた? 魔女の気配が遠ざかってる。これは、追い払われた? まさか――)コソコソ


まどか「す、すごい」

さやか「も、戻った……?」

マミ「……」


クーほむ「……やっぱり巴マミがいるわね」ボソッ

クーほむ(まあいいわ。さっきと同じように、この子達に幻惑魔法をかけて、人間の女の子のように偽装して近づけましょう。この子達で巴マミにかなうとは思えないけど、注意をひくくらいはできるはず。その隙に時間停止でインキュベーターを打ち抜けばいいわ)コソコソ


ワルクチ「……」テクテク

ウソツキ「……」テクテク

マミ「あなた達は……?」

とりあえずここまで。

また明日も続きを投下します。

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

マミ(この子達の格好は、魔法少女……? でも、全身を覆っている魔力は幻惑魔法かしら。おかげで魔力が探りづらいわね。佐倉さんほどのものじゃないけど姿を偽装しているの? 一体何のために――あっ! この子達、体から魔力の糸が伸びてる!? なら、この糸をたどれば……)

まどか「ひっ」

さやか「こいつら、さっきの……!」

マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐ追いかけなさい」

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」


クーほむ(ばれていないようね。巴マミが人形にマスケット銃を向けた瞬間に時間を止めて――)


マミ「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの。――そこあなたにね」チャキ

クーほむ「!?」

クーほむ(ばれた!? 一体どうして!?)

マミ「出てきなさい。さもないと、遠慮なく打ち抜かせてもらうわよ」

クーほむ(くっ。出て行くしかないわね)

クーほむ「……」

まどか「えっ?」

さやか「ほむら!?」


まどか「ほむらちゃん? どうしてこんなところにほむらちゃんがい……?」

さやか「あんた和子先生に呼び出されてたんじゃなかったっけ」

クーほむ「普通に謝って無事返してもらったわよ」

マミ「あ、あら? あなたたちと知り合いなの?」

まどか「は、はい」

さやか「今日転校してきたやつなんだけど……どういうことなの、ほむら? なんでそいつらと一緒にいるのさ。それにそのコスプレみたいな格好って……」

ウソツキ「……」

ワルクチ「……」

クーほむ(……ここでこれ以上ごまかすのも難しいわね)

クーほむ「……この子達は私の人形よ」

まどか「その女の子達が人形って……わぁっ」

さやか「うわっ。ほんとに人形になった」

クーほむ「幻惑魔法を解いただけよ。外見だけ人に見せかけていたの」

マミ「ふうん。人形を操る。それがあなたの魔法かしら」

マミ(この人形の子達、魔力の性質が使い魔にそっくりだけど、魔法少女の固有魔法ならそういうこともあるのかしら。

クーほむ「……そんなところね」

ウソツキ「……」

マミ(言葉を濁したわね。目立った武器も見当たらないし、人形自体が彼女の固有武器なのかしら。使い魔を操っているという可能性もあるけれども……)

さやか「へー。でもほむらも魔法少女だったんだ」

まどか「ほむらちゃん、その格好すっごくカッコいいね!」キラキラ

クーほむ「あ、あら、そうかしら。そう言ってもらえるとうれしいわ」ファサ

マミ「……」

マミ(……とりあえず、キュゥべえを治しましょう。話はそれからよね)

QB「ありがとう、マミ。助かったよ」

クーほむ(ちっ。インキュベーターが復活したわね。さすがに今から口封じするのは無理だわ)

QB「やれやれ、ひどい目にあったよ」

マミ「大丈夫なの、キュゥべえ」

QB「ああ、もちろんさ。それで、僕を狙っていたのは君みたいだね」

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「……」

QB「君はどうして僕を狙っていたんだい? なにか理由があるんだよね」

マミ「そうね。それを聞かない事には、私もあなたとお友達になるというわけにもいかないわ。その子達とあなたが例えお友達同士だとしてもね」

まどか「そんな……ほむらちゃんはちょっと変わってるけど悪い子じゃないですっ」

さやか「そうですよ、マミさんっ。きっと何か事情があるんですって!」

マミ「そうね。だから、いまその事情を聞いてるの」

クーほむ「……見逃してくれるんじゃなかったの?」

マミ「あら? 逃げるのかしら。あなたを信用しているお友達を置いて?」

さやか「ほむら……」

まどか「ほむらちゃん……」

クーほむ「……」

クーほむ(巴マミ。メンドウな性格してるわね、相変わらず)

ワルクチ「……」

マミ「それで、結局どういうことなのかしら。納得の説明が欲しいわ」

クーほむ「……簡単なことよ」

QB「簡単なこと、というと?」

クーほむ「ええ。実は――間違えたのよ」

ウソツキ「…………」


まどか「へ?」

さやか「え?」

マミ「間違え、た?」

QB「間違えた、というのは? 一体僕となにを間違えたんだい?」

クーほむ「さっき白い使い魔がいたでしょう? あれと白毛玉のあなたを見間違えてしまったのよ」

ウソツキ「……」

マミ「え? さっきの使い魔とキュゥべえとでは、だいぶ見た目が違うと思うんだけど……」

クーほむ「わたしは人形を操作するとき離れた場所から操作してるから……。それに元々、近眼で。魔力で視力を矯正してるんだけど、人形の操作に集中している時は解除されてしまうの」

ウソツキ「…………」

さやか「ああ。目が悪い人って、かなり視界がぼんやりしちゃって色合いとかで判断する場合もあるって言うしね」

まどか「それなら仕方ない、よね。この子を傷つけちゃったのはいけないことだと思うけど……」

マミ「そうね。結局キュゥべえも無事だったし、それなら不可抗力……なのかしら」

クーほむ「ええ。そうなの。ごめんなさい。悪気はなかったのよ。キュゥべえを攻撃してしまったのには、心の底から反省してるわ。この通りよ。いくらでも謝るわ。ごめんなさい」

ウソツキ「………………………………」

今日はここまで。

明日も続きを投下します。

QB「そうかい。君が間違えたと主張するなら僕もそれ以上の詮索はしないよ」

クーほむ「そう。賢明ね」

ワルクチ「……」

マミ「キュゥべえ。本当にいいの? 間違いとはいえ、あなたひどい怪我だったのよ?」

QB「かまわないさ。そもそも彼女と出会ったのイレギュラーだ」

マミ「そう。キュゥべえがいいっていうなら、私がとやかく言うことでもないわね」

QB「それで、僕は君たちに用事があるんだと、鹿目まどか、美樹さやか」

さやか「何であたし達の名前を……?」

QB「僕、君たちにお願いがあって来たんだ」

まどか「……お、お願い」

QB「うんっ。僕と契約して、魔法少女になってよ!」

ワルクチ「……」

ウソツキ「……」

クーほむ「……」

―マミルーム――



マミ「……」

QB「……」

マミ「……静かね、キュゥべえ」

QB「マミは一人暮らしだからね。この部屋は防音性に優れているから当然だよ」

マミ「……そうね」

QB「そうさ」

マミ「……このシフォンケーキ、とってもおいしいわ。ハーブティーととっても合ってるの。誰にだって胸を張っておすすめできるわ。お客さんがいたら振るいたいぐらい」

QB「そうかい。それはそうと、マミ」

マミ「なぁに、キュゥべえ」

QB「君はもしかして、あの子達をこの部屋に招けなかったことに対して落ち込んでいるのかい?」

マミ「…………」

マミ「い、いいえ、キュゥべえ。そそ、そんなことないのよ?」

QB「おや。そうなのかい?」

マミ「ええ、もちうろんよ。だって、あの時に暁美さんの言ったじゃない。魔法少女についての説明は、学年の違う私より同じクラスの彼女がしたほうが、あの子達も受け入れやすいって」

QB「そうだね。確かに道理だと僕も思うよ」

マミ「それに、今日はもう日が暮れてきてるのも事実よ。そんな時間に初対面の子をお招きするのも常識はずれだって言う暁美さんの指摘はもっともだわ」

QB「確かにね。帰り道、制服姿の彼女たちが補導されないとも限らない」

マミ「そうよ。そうなのよ。だから、別に、あの子達を招けなくて、ガッカリなんて……」ショボーン

QB「……ねえ、マミ。ひとつ忠告しておきたいことがあるんだ」

マミ「あら。なにかしら」

QB「暁美ほむらのことだけれども、彼女には気をつけたほうがいい」

マミ「え?」

QB「言っていなかったけれども、僕は数日前にも人形に襲われているんだ」

マミ「……どういうことなの? 詳しく聞かせて」






さやか「ねえ、ほむらっ。魔法少女について教えてって! もったえぶらなくたっていいじゃんかさ」

クーほむ「だから明日教えるって言ってるでしょう。今日はもう遅い時間なんだから、家に帰りなさい」

さやか「えぇええ! だってこれじゃあ気になって夜も寝れないよ!」

クーほむ「なら宿題でもやってなさい。ちょうどいいじゃない。勉強する時間が増えて」

さやか「なぜあたしの成績がいまいちだということがバレてる!?」

まどか「ね、ねぇ、ほむらちゃん。ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから……ダメ?」

クーほむ「うっ……いえ、ダメよ。明日まで我慢しなさい。遅くなったらお家の方が心配するわ」

まどか「うぅ。そ、そうだよね。ごめんね、無理言って」

さやか「おっ。まどか、さっきほむらのやつがちょっと揺らいだ! そこで駄目押しで泣き落としをすれば折れるはず!」

まどか「えぇ!? そ、そんなの無理だよっ」

さやか「なにぃ! まどかがやらないというなら、あたしが――」

クーほむ「無意味よ。まどかならともかく、あなたの泣き落としで心が揺らぐはずないでしょう」

さやか「ひど!?」

クーほむ「何度も言うけれど、明日まで待ちなさい。お昼と放課後を使って説明するわ」

さやか「そっかぁ。ま、しゃーないね」

まどか「うん。それじゃ、また明日ね、ほむらちゃん」

クーほむ「ええ、また明日」

今日はここまで。

金土日はパソコンに触れないので、三日間休んで月曜に投下します。

三日……嫌な数字だ。

――屋上――


クーほむ「――というのが魔法少女についての概要よ」

さやか「……」

まどか「……」

クー(巴マミもいないし美樹さやかも魔法少女になってないから気兼ねなく全部ぶちまけたけど……)

さやか「……一つだけ願い事を叶えるために命がけの戦闘、ってとこまではともかく、さ」

まどか「魂がソウルジェムに変わっちゃう上に、いつか魔女になっちゃうなんて、そんなのひどすぎるよ……」

クーほむ「残念ながら魔法少女なんてそんなものよ」

クーほむ(いままでのループだとなかなか信じてくれなかったのに、あっさり信じてくれたわ。第一印象って大事なのね、やっぱり)

クーほむ「そういうことだから、魔法少女に何かならないほうがいいわ。憧れでなんてもちろんのこと、たとえ叶えたい希望があったとしても、いつか裏切られることになるから」

まどか「う、うん」

さやか「ううん。願い事ってのは魅力的だけど、さすがにそんな重い事情聞いちゃうとな……」

クーほむ「分かってくれてうれしいわ」

クーほむ(あっさり信じてくれると、めんどくさくなくていいわ。まだ時間が余ってるし、人目もないし、あの子達を動かす練習をしましょう)

クーほむ「それじゃ重い話も終わったし、余興でもしましょうか」

まどか「え?」

さやか「余興?」

クーほむ「ええ。人形劇のことよ」ヘンシン

ミエ「……」

ナマケ「……」

ワガママ「……」

さやか「うわっ、いきなり変身するからびっくりしたよ」

まどか「へえー。その盾から、お人形さんたちが出てくるんだ」

クーほむ「ええ。まだまだ未熟だから、練習は欠かせないのよ。いまは三体同時に動かせるようにするのを目標にしてるの。今日はその練習の成果を披露させてもらっていいかしら」

まどか「うん!」

クーほむ「そう。それじゃあ、始めさせてもらうわ」クイッ

ミエ「……」カクリ

ナマケ「……」カクカク

ワガママ「……」カクカク


クーほむ「……」クイクイ

ミエ「……」カクカク

ナマケ「……」カクカク

ワガママ「……」カクカク


キーンコーンカーンコーン


クーほむ「――っと。予鈴ね。途中だけど、ここまでにするわ」

さやか「やっぱ、すごいね!」パチパチ

まどか「うん! とっても良かったよ!」パチパチ

クーほむ「ありがとう。それじゃあ、教室に戻りましょう」

さやか「おう! でも、その人形動かしてるのって、やっぱり魔法なんだ」

クーほむ「そうよ。でも、結構大変なのよ。なかなか思い通りに動かせないことも多いわ。特に金髪の子とか、ものすごく動かしにくいのよね」

ナマケ「……」

さやか「固体差があんの?」

クーほむ「不思議なことにね」

まどか「でも、こんな素敵な人形劇ができるなんて凄いよね。ほむらちゃんは、何を願って魔法少女になったの?」

クーほむ「……え?」


クーほむ「わ、私は……」

まどか「あ。ご、ごめんね。言いたくないことだってあるよね」

さやか「そうだね。ほむらにも何か事情があるんだろうし、会ったまだ三日も経ってないあたし達に話せないことだってあるよね」

クーほむ「い、いえ、そういう、わけじゃ」

さやか「いいっていいって。気にしないでよ。それじゃ、教室に行こっか」

まどか「うんっ。ほむらちゃんもその人形しまたほうがいいよ? じゃないとまた先生に没収されちゃうもん」

クーほむ「あ……。そ、そうね」

クーほむ(……私、は)

ミエ「……」

ナマケ「……」

ワガママ「……」

一ヶ月に比べれば一日なんて誤差の範囲だと思うのです。

また明日も投下するのです。

よし。まだ落ちてなかった。

ナマケちゃんといちゃいちゃしてたらいつの間にか二か月たっていました。とても反省してます。
というのは冗談で、ツインテほむらの話を考えて書いてたらいつの間にやら二か月ry

とりあえず、今から続きを書きます。








ヤキモチ「……」

ヒガミ「……」

ガンコ「……」

Gertrud:Aaaaaaaaaaa…….


コロコロ カツン


クーほむ「三体同時に操れば、この子達でも危なげなく魔女を狩れるわね」ヒョイ

クーほむ(……私の願い事は、まどかを守ること。そのために、いままで多くの人を見捨てて来た。余計なものを削り取ってきた)シュウウ

クーほむ「でも、その取りこぼしたものこそが失敗の原因だったのかもしれないわね」

クーほむ(今更……いえ、まだ遅くはないのかしら。でも、今はとりあえず――)

クーほむ「――それで、いつまで見てるつもりかしら」

マミ「……」

クーほむ「陰から見てるだけなんて、らしくないわね」

マミ「……あの子達、連れてこなかったのね」

クーほむ「彼女たちは魔法少女になるつもりはないわ。そんな子たちを魔女退治に連れてきてもしょうがないでしょう」

マミ「……そう」

クーほむ「そうよ。……そうだ。このグリーフシード、譲りましょうか。まだ一度くらいは使えるはずよ」

マミ「いえ、いらないわ」

クーほむ「そう……」

クーほむ(断られてしまったわね……どうしましょう。歩み寄るのって難しいわね)

マミ「それより暁美さん。キュゥべえから聞いたのだけれども……あなた、その子達を使ってキュゥべえを襲ったの、前が初めてじゃないって本当かしら」

クーほむ(というか、前はどうしてたんだっけ……? 昔の私は巴マミと一緒に戦ってたわよね。その時は一体どうやって……)

マミ「それが本当だったら、前回のことも間違えたってわけじゃないわよね。あなた、一体キュゥべえに何の恨みがあるの?」

クーほむ(……ああ、そうだ。思い出したわ。まどかが間に立っていてくれたんだった。そうね。考えてみれば、利害関係のはっきりしている佐倉杏子以外は、どのループでもまどかが間にいないとロクにコミュニケーションが取れていなかった気が……)

マミ「それを教えてくれない限り、あなたと協力関係には――ねえ、暁美さん。聞いてるの?」

クーほむ「……え? どうしたの? 全然聞いてなかったわ。ごめんなさい」

マミ「……」イラッ

とりあえずちょっとだけで。

また気が向いた時にちょいちょい投下します

そろそろ最終書き込みから1ヶ月だな。保守する。
あっちも良いんだがこっちもそろそろ更新たのむわ。

マミ「なるほど、わかったわ。話し合う意思はないってことでいいのね」

クーほむ「え? どうしてそうなるの?」

マミ「どうしても何も、そうとしか思えないようなバカにした態度をとったのはあなたでしょう?」

クーほむ「なにを言ってるのかしら。まるで覚えのないことで言いがかりをつけてくるなんて……何が面白くないの?」

マミ「……っ」イラッ

クーほむ「とりあえず落ち着きましょう? そうね。あなたの家で紅茶でも飲みながら話さない? ああ、紅茶はアールグレイで――」

マミ「そんな図々しい申し出は遠慮させてもらうわ!」

クーほむ「……話し合いの機会を作ってくれないのかしら? 怒鳴るなんてあなたらしくないわよ、巴マミ。何を怒っているか知らないけれども、あなたとは戦いたくないのだけど――」

マミ「なら二度と会うことがないように努力してっ。話し合いだけで済むのは、きっと今夜で最後だろうから!」クルッ

クーほむら「あっ。ちょっと――」

クーほむ(ああ、行ってしまったわ……。今回はちゃんと話し合おうと思っていたのに……そもそも、巴マミは突然なにを怒ったのかしら)

クーほむ「なんなのかしら……ねえ?」

ガンコ「……」

ヒガミ「……」

クーほむ「はいはい。あなた達が話せない事ぐらい分かってるわよ」ハア

クーほむ(ちゃんと協力関係を築こうとしたら、さっそく失敗したわ。……虚しいわね。とりあえず、今日のところは帰りましょう)


――翌日・教室――


ほむら「嫌われている相手と仲良くなるには、どうすればいいかしら」

まどか「え?」

さやか「どうしたの、いきなり?」

ほむら「いえ、そのままの意味なのよ。仲良くしたい相手がいるのだけれども、どうもその相手から嫌われているようなの。そういう場合は、どうすればいいのかしら」

まどか「嫌われている相手……? ほむらちゃん、そんな人がいるの?」

ほむら「ええ。この前会った魔法少女……巴マミ、という人がいたでしょう?」

さやか「ああ、いたいた。あの先輩と何かあったの?」

ほむら「昨日会って少し話したのだけれども、どうも敵対心を持たれているようなの」

さやか「うーん……とりあえず、原因が分からないと何とも言えないなぁ」

まどか「そうだよね。ほむらちゃんが何か怒らせちゃうようなことをしちゃったとか、そういうことはないの?」

ほむら「いいえ。心当たりが微塵もないわ。普通に会話をしていただけよ」


まどか「そうなんだ。でも、それだとどうして嫌われちゃってるんだろう……」

さやか「うーん……その時の会話が原因じゃないとしたら、その前から何かあったとか?」

ほむら「その前……?」

ほむら(言われてみれば、昨日の巴マミは最初からケンカ腰だったわね。となると、もしかしてインキュベーターに何か吹き込まれたのかしら)

ほむら「……少し、心当たりがあるわね」

さやか「原因が分かったの?」

ほむら「ええ。ただ、予想通りだとしたら私じゃ解決のしようがないわね……」

まどか「そうなんだ」

ほむら(インキュベーターは駆除のしようがないし、そもそも私より信用されているものね)

さやか「ま、そもそも馬が合わないとかあるからねぇ」

まどか「そうだよね……。でも、そういうギスギスしたのも、ほむらちゃんの人形劇を見せれば解決するかもよ!」

ほむら「人形劇……ふふっ、それもいいかもしれないわね」

ほむら「まあ、巴マミのことは、おいおい解決するわ。それで、今日の放課後はどうするの?」

さやか「あー、実はちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいかな」

ほむら「ああ。病院かしら。そういえば、もうそんな日ね」

ほむら(今日は病院にお菓子の魔女が現れる日だったわね)

さやか「……え? なんでわかったの?」

ほむら「上条恭介のお見舞いね。ちょうどいいわ。病院には私も用事があるのよ。着いて行っていいかしら。……ああ、もちろん病室にまでついて行く気はないわ」

さやか「え? そりゃもちろんいいけど……」

さやか(あれ? ほむら、なんで恭介のこと知ってるんだ……? あたし恭介のことほむらに話したっけ?)

ほむら「そう。よかったわ。まどかも来るの?」

まどか「うん。ほむらちゃんは病院に何の用があるの? 退院したてだし、何か検査があったりするのかな」

ほむら「いいえ、そういうわけじゃないの。ちょっと探し物を、ね」

さやか(……ほむらって、クールに見えて結構マイペースなとこあるよな。あの先輩怒らせちゃったのって、実はそれが原因なんじゃないのかなぁ)

今日はここまで

>>136
保守どうもです
何であっちがバレてるし、と思ったけど、よく考えてみればあっちとID被ったことありましたね……。こっちももうちょっと更新頻度上げていきます。たぶん。きっと。おそらく。

気が向いたら続きを投下します

乙でした~

>>141ラストのさやかのモノローグを実際に口に出してアドバイスしたら、

さやか「ねえ。ほむらってさ、時々、すっごくマイペースなところあるじゃん。それがわざわいして、おこらせちゃったとか、ないかな?」

ほむら「マイペース? わたしって、そんなにマイペースかしら?」(←ぜんぜん分かってない)


みたいな、すれ違ってるというかとぼけた会話になりそうな雰囲気が……
なんか、138あたりから漂ってきてるような?

こんなレベルじゃない、盛大なすっとぼけぶりとかがあるならそれも見てみたいです


――病院――


さやか「よ、お待たせ」

まどか「あれ? ……上条君、会えなかったの?」

ほむら「今日は都合が悪いのよ。わざわざ来たのに会えなくて残念だったわね、さやか」

さやか「その通りだったんだけど、人のセリフ先取りしないでくんない……? しかもなんでわかるの?」

ほむら「え? ええっと……」

ほむら(まさかここで未来から来ましたなんて明かすわけにもいかないわね。適当にごまかしましょう)

ほむら「気にしないで」ファサ

さやか「気になるわ!」

まどか「うぇひひ。まあ、ほむらちゃんだもんね。それで、ほむらちゃん。探し物があるっていたけど、大丈夫? 手伝おっか」

ほむら「ああ、そうだったわ。もうそろそろだったわね……。まどか、さやか。三十分ここで待っていて。用事を終わらせてくるから」

まどか「え?」

さやか(こいつ、なんでこんなにマイペースなんだろう……?)


さやか「どういうこと? 探し物じゃないの?」

ほむら「ええ。もうそろそろ現れるの」

まどか(現れるって何がだろう……?)

さやか(探し物が現れるってどういうこと……?)

ほむら「巻き込まれたら危ないから、ロビーで待っていてくれないかしら。そのためにわざわざ一緒に来たのだし、そうしてくれると助かるわ」

まどか「え、ええっと、ほむらちゃん」

さやか「意味が分かんないから、もうちょっとわかりやすい言葉で伝えてくれたら嬉しいんだけど」

ほむら「……?」

さやか「いや、そんな『これ以上何を説明すればいいか分からない』みたいな顔で首を傾げられても、こっちが困るんだけど」

まどか「ええっと、これから何が起こるか、わたしたちもそれを知りたなって」

ほむら「つまり、魔女の結界がこの病院の近くで発生するから、巻き込まれないようにここで待っててほしいということよ。何かわかりづらいことがあったかしら」

まどか「ええ!?」

さやか「早くそれ言ってよ!」

ほむら「え? 最初からそう言ってるじゃない」

さやか「遠回し過ぎてわかりづらいからっ。ほむら。あんたちょっと言葉が足りないとこあるよ?」

ほむら「そ、そうかしら……」

まどか「ほむらちゃん、ずっと入院してたんだから仕方ないところはあるよね。……でも魔女って、危ないんだよね。大丈夫なの?」

ほむら「ええ、平気よ。心配しないで待っていて」


――魔女結界――


ほむら(――と、まどかに大見得を切って見せたのはいいけど)

マミ「言ったはずよね。二度と会いたくないって」

ほむら(巴マミをばったり出くわしてしまったわ……)

マミ「どうしたの、黙り込んで。逃げるというなら見逃すわよ?」

ほむら(偶然鉢合わせただけの割には、いやにケンカ腰ね。とはいえ、今回はお菓子の魔女。こいつばかりは巴マミに鉢合わせるわけにはいかないわ)

ほむら「今回の獲物は私が狩る。あなたは手を引いて」

マミ「信用すると思って?」シュルル

ほむら「なっ!?」

ほむら(床からリボンが……!?)

マミ「もちろん怪我をさせるつもりはないけれども、あんまり暴れたら保証しかねるわ」

ほむら「今回の魔女はこれまでの奴らとはわけが違う!」

マミ「あなたの言動に振り回されるのはもうたくさんなの。おとなしくしていれば、帰りにちゃんと解放してあげるわ」

ほむら「待って――ぐっ」

マミ「それじゃあ失礼するわね、暁美さん」テクテク


ほむら「……」

ほむら(ほどけない、わね)

ほむら「……まどかに見得を切ったっていうのに、このざまじゃ笑えないわね」

ほむら(痛いくらいきつく全身を縛られているけど、指は動くわ。なら変身して盾からあの子たちを――)ゴソゴソ

ミエ「……」ボトッ

ほむら「よしっ!」

ほむら(あとはこの子を操作して拘束を解けば……)クイクイ

ミエ「……」ザシュン

ほむら「ふぅ。うまくいったわね」

ほむら(そんなに時間も経っていないし、きっと追いつけるはず)

ほむら「……まどかだけじゃない。今回は、他の誰だって見捨てないって決めたのよ!」タタタッ

ほむら(着いたわ! 巴マミは――)

マミ「ティロ――」

Charlotte「……」

ほむら(生きてる! ぎりぎりのタイミングだけど、今からこの子を割り込ませれば間に合う!)クイッ

マヌケ「……」ヒュッ

マミ「――フィナーレ!」

Charlotte「!」

ほむら(今! ――って、あ)

マヌケ「……」コケッ

ほむら(つ ま づ い た !?)

マミ「……あら? 暁美さん、どうやって――え?」

Charlotte「……」アーン

ほむら「あ」

マヌケ「……」

Charlotte「……♪」パクリ

マ/ミ「……」

ほむら「そ、そんな……」

マヌケ「……」

ほむら(助けるって決めたのに、なんてこと……!)

ほむら「あなた……絶対に許さないわよ」

マヌケ「……」

Charlotte「……?」

ほむら「あなたのせいで巴マミは死んでしまったわ! 覚悟しなさい!」

マヌケ「…………」

ほむら(今回はこの子達も使わないわっ。時間停止と爆発物で瞬殺して――あら?)

マ/ミ「……」シュルル

Charlotte「!?」

ほむら「巴マミの体がほどけた……!?」

ほむら(いえ、魔女を拘束するリボン、あれはさっき私を拘束していたものと同じ。ということは、あれは巴マミがリボンで作った偽物)

ほむら「まさか、巴マミは――」

マミ「そのまさかよ、暁美さん!」

ほむら「巴マミ! まさか、ということはやっぱりあなた――」

マミ「ええ。もしもの時のため、リボンで作った身代わり人形よ!」

ほむら「――やっぱり! 私の技、パクったわね!」

マミ「え」ギクッ

マミ「え、えっと、暁美、さん? その、パクリっていうのは……?」

ほむら「いままでのあなたの発想に、リボンで人形を作るなんていう発想はなかったわ。それがいきなり今みたいに人形遣いの真似事を始めるなんて、私が人形を操るのを見て真似したとしか考えられないのよ」

マミ「そ、それは……!」ダラダラ

Charlotte「……!」ジタバタ

マヌケ「……」

ほむら「無断で人の技を真似る。いわゆる『パクり』がどれだけ酷い事だか、賢明なあなたならば理解できるわよね?」

マミ「こ、これはパクりじゃないわ! 確かにあなたが人形を操るのを見て新技のインスピレーションが湧いたのは事実だけれども、それだけよっ。リボンで作ったって時点であなたの人形とはまるで違うし、その人形を攻撃したら拘束するという発展形でもあるわ。いわばオマージュよ!」

Charlotte「……! ……♪」ジタバタ,,….ブチッ

マヌケ「…………」

ほむら「オマージュ……何をどう言いつくろったって、パクりはパクりだわ! だってあなた、私に一言の断わりもなく技を真似したでしょう!?」

マミ「うっ……!」

Charlotte「……」アーン

ほむら「うっとうしわね! 私はいま、巴マミと話しているの!」ヒュ

マヌケ「……」グサグサ

Charlotte「!?」

マミ「ティロ・フィナーレ!」

Charlotte「!!」シュウウ……

ほむら「さて、魔女も片付いたことだし、話を続けましょう」

マミ「……ええ、分かったわ。受けて立つわよ!」

マヌケ「…………」

さやか「ほむら、遅いねー」

まどか「うん。もう三十分以上経ってるけど――あ!」

ほむら「お待たせ」

マミ「……」

さやか「おっそーい! ……って、あれ? そっちの先輩って確か――」

マミ「こんにちは。自己紹介は昨日したわよね」

まどか「あ、えっと、はい。こんにちは」

マミ「しばらくは、暁美さんと一緒に戦うことになったわ。あなた達とも顔を合わせることが多くなるかもしれないから、よろしくね」ニコリ

まどか「は、はい。よろしくお願いします、マミさん!」

さやか「……どういうこと? この先輩から、嫌われてるんじゃなかったの?」ヒソヒソ

ほむら「技の使用料として、今後一か月共同戦線を張ることになったの」ヒソヒソ

さやか「技?」

マミ「そっちのあなたは、美樹さんだったわよね。あなたも、よろしくね」ニコッ

さやか「え!? あ、ああ、はい!」

ほむら「それじゃあ、せっかくだから巴さんの部屋にお邪魔しましょうか。きっとおいしいケーキと紅茶を振舞ってくれるわ」

さやか「え! マジで!?」

まどか「その……いいんですか?」

マミ「暁美さんに振舞うのとっても不本意だけれども……はぁ。かわいい後輩が二人いるんですもの。先輩として、恰好つけさせて?」ニコリ

さやか「やった!」

まどか「ありがとうございます!」

マミ「ふふっ」

ほむら「……巴さん」

マミ「あら? どうしたの、暁美さん」

ほむら「確認するけれども、かわいい後輩二人というのは私とまどかの事でいいのかしら」

マミ「鹿目さんと美樹さんのことよ」

ほむら「……」

ほむら(……コミュニケーションって、難しいわね)

ほむら「ねえ?」

マヌケ「…………」

ほむら「……はいはい。あなた達が答えられないのくらい分かってるわよ。別にいいのよ。何だかんだで巴マミの協力は取り付けられたもの」ハア

さやか「おーい! ほむら、何やってんの?」

まどか「ほむらちゃん! はやくー」

マミ「あんまり待たせると置いて行くわよ?」

ほむら「ああ、少し待ちなさい。すぐ行くわ!」タタタッ

マヌケ「………………」カタッ

とりあえずここまで

また気が向いたら続きを投下します


――公園――

マミ「ティロ―・フィナーレ!」

Ulla「Gyaaaaaaaaaaaaaaaa!」

まどか「やった!」

さやか「やっぱマミさんってカッコいいですよねー!」

マミ「もう。見世物じゃないのよ。危ないことをしているっていう意識は忘れないでおいて欲しいわ。まあ、暁美さんが守ってるから二人とも大丈夫だと思うけどね」

ほむら「その通りね。お疲れ様、巴さん。カッコ良かったわ。今のが魔女から分裂した使い魔にすぎないから魔力の無駄遣いという考えもできるけど気にしないで」

マミ「あなたは黙ってて」

ほむら「まどか達とだいたい同じことを言ったのに、この差はなにかしら……」

さやか「あはは……余計なひと言がなきゃよかったんだけどね」

まどか「そうだね。あとはタイミングかなぁ」

ほむら「タイミング……タイミング? それと言葉が余計……難しいわね……」

さやか「ほむらは深く考えすぎだと思うけどなぁ。思ったことを話すだけでいいじゃん」

ほむら「そうするとなぜか不和の元になるのよ」

まどか「あはは……」

マミ「まあ暁美さんは放っておくとして、二人とも何か願い事は見つかった?」

さやか「あたしはちょっと……まどかは?」

まどか「うーん……」

マミ「まあ、そういうものよね。いざ考えろって言われたら」

まどか「マミさんはどんな願い事をしたんですか?」

マミ「……」

まどか「あっ、いえ、その……どうしても聞きたいってわけじゃなくて、ちょっと気になったっていうか、その……」

マミ「ううん、いいの。別に隠すほどのことでもないし。私の場合は――考えている余裕さえなかったってだけ」

まどか「マミさん……」

さやか「それって……」

ほむら「余計な言葉っていうのは、褒め言葉をシンプルにすればいいとして……タイミングは一体どうすれば――」ブツブツ

マミ「……」イラッ


マミ「なんにしても、ちゃんと選択の余地がある子には、きちんと考えた上で決めて欲しいの。私にはできなかったことだからこそ、ね」

さやか「……」

まどか「……」

まどか(マミさんは自分の命をつなぐ願い……でも、そういえばほむらちゃんの願い事ってなんだったんだろう。屋上の時は、なんだか聞きづらい雰囲気だったけど――)

まどか「ねえ、ほむらちゃん……ほむらちゃんの願い事って何だったの?」

さやか「まどかっ。それは――」

クーほむ「ああ、さやか。別にいいのよ。私は……そうね。大切な友達を笑顔にしたかったのよ。昔の私は、何もできないような弱い子だったから」

まどか(……大切な、友達)

マミ「それで暁美さんは人形を操る魔法を使えるようになったのね」

さやか「ほむらが何もできない子っていうのが想像できないけど……芸達者になって笑顔にさせるとは、なかなかやるな」

クーほむ「ふふっ。まあ、そんなものね。確かにこの子達にはとても助けられているわ」

ウソツキ「……」

マヌケ「……」

マミ「でも、そうね。他人のために願いを叶えるなら、暁美さんのように自分の望みをはっきりさせておくのは良いことよね。――暁美さん。あなたはそのお友達をどうして笑顔にさせたいの?」

クーほむ「その子は私の恩人でもあるのだけれども、そんな子を笑顔にさせられたらとても素敵でしょう? その子が私の人形劇を見て笑って手をたたいてくれるような世界を私は作って見せるわ」


マミ「……そう。暁美さん。あなたは、その子のために自分を伸ばす願いをしたのね」

クーほむ「自分を伸ばす……なるほど。言われてみれば、そうね」

さやか(……大切な人のために、自分を伸ばす願い、かぁ。そういう願い事の使い方もあるんだ)

まどか「……その子は、笑ってくれたの?」

クーほむ「どうかしらね。人形遣いとして私はまだまだ未熟だから、もっともっと練習しなくてはいけないわ。――というわけで、みんな」

さやか「ん?」

マミ「どうしたの?」

クーほむ「そこのゲームセンターに寄って行きましょう」

まどか「……え?」

とりあえずここまで

途中から当然のようにクーほむと表記し忘れていることに気が付いた

また気が向いたら続きを投下します


――ゲームセンター――


まどか「こ、こんな時間にゲームセンターに入るのって初めて……」

マミ「補導とかされないわよね……?」

クーほむ「大丈夫よ。そんなに遅い時間でもないし、教師の見回りなんてめったにいないわ」

さやか「で、何しに来たの? ゲーセンと人形の関係って、クレーンゲームぐらいしか思い浮かばないんだけど」

クーほむ「クレーンゲームは関係ないわよ。……ほら。あれよ」

マミ「え?」

まどか「あれって……」

さやか「ダンレボ?」



さやか「え? なに? まさか人形であれ踊らそうっていうの?」

クーほむ「ええ。これが得意な知り合いがいるから思いついたんだけど、いい練習になると思うのよ」

まどか「さすがに、ちょっと難しいんじゃないのかな……」

マミ「そもそも機械が反応してくれるのかしら」

クーほむ「動きに関しては私の腕の見せ所ね。機械云々は魔力で何とかして見せるわ」

マミ「……魔力の無駄遣いじゃないのかしら」

クーほむ「そうかもしれないけど……戦闘後のティータイムを魔力で賄う人に言われたくないわね」

マミ「くっ」

まどか「ま、マミさんのあれはとってもカッコ良かったですから! 無駄なんかじゃないですよ!」

クーほむ「そうかしら? 私のこれは練習の意味合いもあるから完全に無駄とは言えないけれども、巴さんのは――」

まどか「もうっ。ほむらちゃんは黙ってて!」

クーほむ「え」

マミ「ありがとう、鹿目さん。あなたは本当にいい後輩だわ。……どこかの誰かさんとは違って」ジトリ

クーほむ(美樹さやかのことかしら……)チラッ

さやか「なんでこっち見るのよ……。あ、そうだ。隣借りてもいい? あたしもやってみたいしさ」

クーほむ「かまわないわよ。どうせなら得点でも競ってみましょうか」

さやか「おお、いいね。まあさすがに人形でダンレボは無理だろうし、あたしの圧勝に終わるだろうけどさ!」


ザワザワ ガヤガヤ


モブA「おい、あそこ見てみろよ。すごいことになってるぞ」

モブB「え? どこ?」

モブA「あのダンレボのとこだよ。あの二人!」


さやか「はあっ、はあっ!」

クーほむ「……」

ナマケ「……」


モブC「うわっ。あれ凄い……しかも中学生くらいの女の子がやってるの?」

モブD「マジかよ。お金とれるレベルだろ……」


さやか「ふうっ……この!」

クーほむ「…………」

ナマケ「……」


モブE「隣で踊ってる子がいるから、なおさら対比ですごく見えるな」

モブF「ていうか、スコア的にも普通にすごくないか? 今のところノーミスだろ、あれ」

モブE「ああ、もう終わりも近いし……おお! Sランクってことは――マジでパーフェクト出したぞ、あの子!」

オオー スゲー パチパチパチ!

さやか「ぜえっ、はあっ……くっ、そう……!」

ナマケ「……」

クーほむ(……予想以上に簡単だったわ)

マミ「これは……素直に褒めるしかないわね。おめでとう」

まどか「ほむらちゃん、ホントにすごいよ! ほらっ。こんな人も集まって、拍手まで……ほむらちゃんの人形劇はやっぱりすごいんだよ!」

クーほむ「ふふっ。大したことじゃないわ、まどか」ファサ

さやか「いやなんかすごく納得がいかないんだけどぉ!?」

とりあえずここまで。

明日もまた投下します

さやか「なにこの引き立て役感!? あたしだって初プレイにしてA評価だよ? すごいでしょう!?」

まどか「……あっ」

さやか「まどかぁ! その『今気が付いた』みたいな顔はなに!?」

まどか「え、えっと……その、うん。そうだね、さやかちゃん! 初めてそんなにできるなんてすごいよぉ!」

マミ「え、ええ、そうね。美樹さん、運動神経がいいのね!」

クーほむ「実際大したものよ。誇りなさい、さやか」

さやか「うがぁああああああ! やっぱり納得いかない! ほむらっ。もう一回勝負――」

マヌケ「……」

オクビョウ「……」

さやか「――……あんたなんで人形二体も出してんの?」

クーほむ「え? なんでもなにも今度は二体同時でやってみるつもりだからだけど……」

マミ「え!? に、二体同時にダンレボを……!?」

まどか「すごい! できるの、ほむらちゃん?」

クーほむ「一体じゃあんまりに簡単すぎて歯ごたえがなかったのよ。それで、何かしらさやか。一緒にやりたいのだったら、二つの人形を挟んで真ん中で踊ってみる?」

さやか「……おうさぁ! 受けて立とうじゃなんかさ、その勝負!」





――翌日・放課後――


マミ「さて、それじゃあ今日もパトロールに行きましょうか」

まどか「はい!」

さやか「……」

クーほむ「それで、巴さん。今日はどの辺りを見回りましょうか」

マミ「そうねぇ。病院と繁華街は昨日見回ったから――」

さやか「ごめん、ほむら、マミさん、まどか」

マミ「――あら?」

まどか「どうしたの、さやかちゃん」

さやか「今日はあたし、魔女退治には付き合えない。行かなきゃいけないところがあるんだ」

クーほむ「どこかしら。……もしかして、上条恭介のお見舞い?」

クーほむ(もしそうだとしたら何としても止めないと。この時期は確か彼が不安定だった時期だったはずだわ)

さやか「ううん、違うよ。恭介のお見舞いを置いておいてもあたしは行かなきゃいけないんだ。――ダンレボに」

クーほむ「はい?」

まどか(ああ、そっか……)

マミ(昨日、暁美さんが美樹さんを衆目でこてんぱにしちゃったから……)

まどか「あの、さやかちゃん。あれってお金もかかるし、あんまり入り浸るのはよくないかなーって思うんだけど……」

さやか「まどかには関係ないでしょ。放っておいて」

まどか「あ、うん……確かに関係ないんだけど……」

さやか「何にしたって昨日の雪辱を晴らさないと、おちおちお見舞いにも行ってらんないのよ!

マミ(止めたほうがいい気もするけど……正直、美樹さんの気持ちもわかるのよね。あのすっとぼけた暁美さんに負けるのって、なんだかすっごく悔しいのよね)シミジミ

クーほむ「そ、そう。別に好きにすればいいと思うけど……」

クーほむ(上条恭介のお見舞いに行かないのなら私にとっても好都合だから別にいいのだけれど……何かしら。この何とも言えない気持ちは)

さやか「いつまでもそんな余裕ぶってられると思わないでよっ。あそこで特訓してあたしはあんたに勝つよ、ほむら!」

クーほむ「好きにしないさい。……さ、行きましょう。巴さん、まどか」

まどか「う、うん」

マミ「……そうね。美樹さん、頑張って。応援してるわ」

さやか「はい!」

とりえずここまで

また気が向いたら続きを投下する

落ちてるだろうと思ったらまだ残ってるとは……書くか!


――ゲームセンタ――


店員「いらっしゃいませー」

さやか「……さて、と。雪辱の地になる予定の場所にきちゃいましたねー」

さやか(軍資金は大丈夫。今月はまだ余裕があるし、最悪恭介のお見舞いでCDを買おうと思ってた分も残ってる。だから問題は)

さやか「一人でやって、どんくらい上達ができるかっていうのが問題なんだよね」

さやか(訓練をしてくれる師匠みたいな人がいればいいんだけどなぁ。もしあたしが魔法少女になったらマミさんとほむらがいろいろと教えてくれるんだろうし、そんな感じで同年代だとなおいいんだけど……)

さやか「ま、そんな都合の人いるわけないよね。さてさてダンレボは……お、使用中か。残念」

さやか(終わるまでちょっと待ってよっかな。……その間、このポニーテイルの子のプレイでも見てましょうかね!)



杏子(QBがマミの周囲で何かあるみたいな意味深なことを言ってたからついあいつの縄張り来ちまったけど、どうしようかね)

杏子「……」タタンッ タタッ

杏子(てかあたし、ほんとなんで来ちまったんだか。迂闊に顔を合わせるとケンカ売っちまいそうだし……ああ、くそっ!)

杏子「ダンレボやってると気がまぎれるな……」

さやか「……」ジイー

杏子(同じ体を動かすでも、魔女退治とは全然違うしな。……ん? 観客がいるのか。少し派手なパフォーマンスをしてやるか)

杏子「よっ、ほっ、と!」

さやか「……おぉ!」キラキラ

杏子(ま、サービスは紺くらいで――フィニッシュ、と。パーフェクトか。ま、いつも通りだな)

杏子「ほら、終わったよ。次、使いなよ」

さやか「……」

杏子「ん? どうしたんだ?」

杏子(なんだ、こいつ。ゲーム待ちしてたんだろうに、なんで固まってじっとこっち見て――)

さやか「……で」

杏子「あ?」

さやか「弟子にしてください!」

杏子「……………………はぁ!?」

とりあえずここまで。

保守をしてくれてる人は本当にありがとう。そして申し訳ないです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月02日 (日) 06:19:01   ID: uO3nl4Kb

偽街の子供達SSだと期待して開いてこいつだった時のガッカリ感は異常

2 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 14:58:00   ID: Ljqofn3R

また同じ様な物なんだなとは思うな
面白ければ良いんだがこの作者では期待薄

3 :  SS好きの774さん   2015年03月04日 (水) 23:09:20   ID: Nj3_Z-Ku

いや面白いんだが。
まぁ、未完で終わってるのがアレだが・・・。

4 :  SS好きの774さん   2015年07月12日 (日) 22:57:31   ID: L7y7t8ah

これが面白い・・?

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