魔王「真っ暗だな。ここが、死後の世界か……?」
『とどめだあああ!』
魔王「っ……」ギリッ
魔王「この私が、女に負けるなどと……」
魔王「許すまじ、勇者!」
魔王「生まれ変わってでも、貴様に復讐してやろうぞ!」
魔王「……しかし、どうしたものか」
魔王「上も下も分からないうえに、体が自由に動かん」
魔王「このままでは、復讐を果たすことなどできんな……」
魔王「……」
ーーーーーーーー
魔王「……」
ゴゴッ
魔王「!」
魔王「周りが動き始めた……」
魔王「何が起こるのだ?」
魔王「!」
魔王「ぐ、おおおお!」
魔王「な、何だこの痛みは!」
魔王「意識が……飛びそうだ!」
魔王「ぐあああああ!」
ーーーーーーーー
「起っきろー!」バン
「あと五分……」
「十分も寝坊してるよー! 早く起きないと遅刻遅刻ー!」
「んん~? 今何時だ、幼?」
幼「八時ジャストだよ男!」
男「嘘だろっ!?」ガバッ
男「な、何でもっと早く起こしてくれなかったんだよ!」
幼「何回も起こしたよー!」
男「まずいこれ完全に遅刻だ!」
幼「さっきからそう言ってたのに……」ハア
男「飯食ってる暇ないな……とりあえずさっさと着替えて……」チラ
幼「ん?」
男「いや、ここにいられると着替えづらいんだけど……」
幼「ご、ごめん!」
バタン
ーーーーーーーーー
男「くそっ、これ走って間に合うのか?」
幼「ギリギリじゃない?」
男「一限って何だったっけ?」
幼「魔法(雷)だから、ハゲだね」
男「ハゲ!? マジかよ、あいつ数秒遅れただけで単位落とすんだよな! これ以上魔法の単位落としたら不味い!」
幼「私は一回くらい落ちても大丈夫だけどねー」
男「いいよな、優等生は!」
幼「むっ。男だって才能有るって言われてるんだから努力すれば絶対良いよ! 努力しない人にそんなこと言われたくない」
男「ぐっ……」
幼「だいたい自分が寝坊するのが悪いのに人に当たらないでほしいな!」
男「わ、悪い……」
幼「ん、謝ったから許す」
男「サンキュ……ってうわっ!」
男「危ねー、信号赤だった……」
幼「大丈夫?」
男「ああ、大丈夫……でも、この信号長いんだよなあ」
男「100%遅刻だ……」ガクッ
幼「もう、しょうがないなあ」
男「ん?」
幼「校則違反だけど、浮遊魔法で連れてってあげる」
男「マジか!?」
幼「マジマジ。じゃあ、ゴー」
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