魔王「なんで私の部屋って城の一番奥にあるんだ?」 (66)

魔王「・・・嫌がらせか?」

側近「いいえ?そんなことはありませんが」

魔王「こんなに奥だと外出するとき面倒だろ・・・」

魔王「人間の王城は入ってすぐ王の間だったぞ?」

側近「ワープとかできないんですか?」

魔王「いや、魔王ってそんなに万能じゃないから」

魔王「なんかやたら入り組んでるし・・・まだ覚えきれてないんだけど」

側近「・・・ラストダンジョンとはそういうものらしいですが?」

魔王「いやいや、そういうものとかそんな問題じゃないから」

側近「そういう問題じゃないとは?」

魔王「もっと機能性をだな」

側近「魔王さまを守るために最大限の機能s

魔王「そうじゃない!この城にお客様が来たときどうするんだ!?いちいち攻略させるのか!?」

側近「!!!」ハッ

側近「そのとおりでした・・・守ることばかり考えており失念してました」

魔王「わかればいい」

側近「では直通の裏口を作りましょう」

側近「マップに書くとこんな感じで」カキカキ

魔王「うむ」

側近「・・・」カキカキ

魔王「・・・・・・長くないか?」

側近「もともとが大きい城ですので」カキカキ

側近「・・・こんな感じですね。ダンジョンを設計しなおさず、かつ直通の道だとこれが限界かと」

魔王「ふむ」

魔王「・・・うーむ、この距離はちょっと」

側近「ちょっと?」

魔王「起床が遅いと遅刻してしまうこともあるだろう」

側近「遅刻とかは重要ではないと思いますが・・・?」

魔王「この馬鹿!この魔王の勤怠が悪いと部下がどう感じると思う!?」

魔王「勤怠守れないだらしない奴に命令されるとか考えるとモチベーション下がるであろうが?」

側近「!!!」ハッ

魔王「そんな結果を促す可能性のあることは避けなければなるまい」

側近「そうですね・・・勤怠もろくに守れない糞が上司とか考えたくもありません」

魔王「・・・」

側近「そういうやつに限って偉そうなんですよね」

側近「勤怠が悪いのは会社が悪いとか他人に責任があると思ってるのか知りませんが」

側近「自分が駄目だと自覚ないんでしょうか」

魔王「私怨入ってない?」

側近「入ってないです」

側近「とっととやめて欲しいところですがそういうやつに限って辞める時も迷惑かけるんですよね」

側近「辞める時ぐらいタイミングと周囲考えろと」

側近「お前一人の問題じゃないことぐらいわかれと」

魔王「・・・私怨入ってない?」

側近「入ってないです」

魔王「・・・とりあえずこの裏口案は却下だ」

側近「そうですか」

魔王「入り口から物理的に近くするのがベスト、ここだ」ピッ

側近「・・・一階は戦闘になると被害が大きすぎます」

魔王「なるほど・・・ならばここしかあるまい」ピッ

側近「そこ門番用の物置ですよ!?それに門の隣はいくらなんd

魔王「はい、決定。今日からここが魔王の部屋な」

側近「・・・まあいいですが」

――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――

魔王「うむ、やはりこの部屋にしたのは正解だな」

魔王「部下からの報告は早いし配下の勤怠は監視できるしいいこと尽くしだ」

ドンドン

魔王「入れ」

伝令「失礼します。勇者接近中、迎撃準備をお願いします。」

側近「ほら、きちゃいましたよ」

魔王「やばいな・・・とりあえずこの報告書と資料の山は物置に!」

側近「物置ここですけどね」

魔王「スモーク班と音楽隊は!?」

側近「すでに呼び出してますが、もう少しかかります」

魔王「少しってどれくらいだ?」

側近「5分ぐらいで到着すると思いますが音合わせやスモークの準備もありますから」

側近「・・・前の部屋の配置なら余裕で時間あったんですけどねぇ」ハァ

魔王「・・・」

音楽隊&スモーク班「お待たせしました!今から準備します」

魔王「おう、頼む」

\ウォォォオオオ/

\マオウ!ドコダ!/

魔王「やばっ!勇者たちも来た」

側近「そうですね」

\クソ!ジョウモンガトジテル!/

\ブチコワシテヤル!!/

\アノ、スミマセン…チョットマッテイタダケマス?/

\ジュンビデキタラモンアケマスンデ/

\ッ!?…ナニヲタクランデル!/

\マオウサマハショウショウセキヲハナレテオリマシテ/

\クソッ!アケロ!!/ドンドン

\スミマセン、ショウショウオマチヲ/

魔王「さすが直属の門番、いい仕事してる」

音楽隊&スモーク班「準備整いました!」

魔王「よし!門開けていいぞ!」

\アッ、イママオウガキタノデカイモンイタシマス/

\ッ!?モンガヒラク!?/

\テキハサソッテイルヨウダナ!/

勇者「うぉぉおおおお!!」

戦士「魔王!どこだ!」

賢者「目標は魔王のみ!それ以外の戦闘は極力回避しましょう!」

僧侶「はい!」

――――――――――ベニヤ――――――――――――――


魔王「来たな勇者」ニヤッ

側近「スモーク焚け!音楽隊準備!!」

\うぉぉおおおおおお/

側近「来ますよ」

魔王「なんか緊張してきた」

        <ウォォォオオオオオオオ
 
              <ゥォォォォォ.......



側近「行っちゃいましたね」

魔王「・・・うん」

側近「よくよく考えてみると真っ先に門横の物置調べる勇者っていたら嫌ですよね」

魔王「結構いると思うけど」

巣作りドラゴン
デモニオン

――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――

僧侶「もう限界です!」マホウリョクキレタ

勇者「くそ!撤退だ!!覚えていろ!!」

\レミテト/


側近『うわぁ、うちの城普通に逃げれるんだ・・・』

魔王『・・・』

側近『しかし一般兵の私室から盗むだけ盗んで帰りましたね』

魔王『・・・』

側近『レベル上げってやつなんですかね』

側近『一般兵への保障どうします?』

魔王『・・・』

>>20
巣ドラ一番奥じゃなかったっけ
直通にできるけど

――――――――――1年後ぐらい――――――――――――――


側近「一向に勇者はこの部屋発見しませんね」

魔王「ああ」

側近「魔王様がこれを見越してここに移動したのであればすごいですよ」

魔王「だろ?」

側近「まあ、来る勇者全員一般兵に追い返されてますけどね」

側近「移動しなくても大して変わらないきがします」

ドンドン

魔王「入れ」

伝令「失礼します。勇者接近中です!」

魔王「おk、適当に」

伝令「は!」

伝令「・・・門は?」

魔王「いいんじゃない?」

側近「それでは私は別の仕事があるので」

魔王「うん」

魔王「どうせなぁ…」

\うぉぉおおおおおお/

        <ウォォォオオオオオオオ

魔王「ほらな」

        <・・オ?

        <アレ?ナンダコノトビラ?

        ガチャ

勇者「あ、誰かいr

魔王「うわぁぁぁあああああああああああ」\マダンテ/

魔王「あーびっくりした」

側近「・・・てめぇ」

魔王「あ、」

側近「・・・今お前がしたことわかってるか?」

側近「勇者ごときを倒すためになにしたかわかってるか?」

側近「勇者は通常の人間と違って死んでも死なないことは理解してるよな?」

魔王「うん」

側近「勇者を倒すには寿命を待つのが一番であることも理解してるよね?」

魔王「・・・うん」

側近「だから効率よくかつ経済的に追い返すように魔王城を建てたんだっけ?」

魔王「・・・うん」

側近「部屋の移転止めなかった俺も悪いけどさ」

側近「当然わかってると思ってたんだけどなぁ」

側近「なに?目的見失ってたの?え?忘れてた?」

側近「どっちも変わらなくない?」

側近「まあとりあえずそのことはいいよ」

側近「で、どうするの?これから」

側近「城なくなっちゃったけど」

側近「今回の勇者一行は付近の街まで一瞬で帰ったからくるの早いよ?」

側近「え?またお前がでんの?」

側近「また一瞬で帰ってくるお早くならない?」

側近「は?一般兵に追い返させるの?」

側近「人的被害でちゃうけど?危険手当もださないといけないし」

側近「じゃあどうすればってそれ俺が聞いてるんだけど」

側近「俺が、お前に」

側近「城建てるまで迎撃する?」

側近「また忘れてぶっ飛ばさない?」

側近「ま、こういうとこ突っ込んでも何にもならないか」

側近「で、城たてるお金は?」

魔王「・・・」

側近「今まで勇者倒して稼いだお金全部ふっとんじゃいましたよね」

側近「兵の私財ごと」

魔王「・・・」

側近「いまあるのはさっき倒した勇者分だけですよ?」

側近「さっきまでの魔王の部屋ぐらいは建つかもしれないですけど」

魔王「あ、結構あるんだ」

側近「あ?」

魔王「あ、私が悪かったです。ごめんなさい...」

側近「でもこうしてる内にも勇者来てるかもしれないですね、ここまでにしましょう」

魔王「すみませんでしたぁぁぁああ」

側近「はいはい、勇者の様子を偵察しましょう」

魔王「うむ!」

側近「・・・」

魔王「・・・ん?」

側近「・・・いや、はやくいってくださいよ」

魔王「え?」

側近「人間型お前だけじゃん」

魔王「え?なんか水晶的なのないの?」

側近「いや、そんなに万能じゃないから」

魔王「そっか」

側近「これは魔王城内専用でしたし」ゴロン

魔王「あ、似たようなのあるんだ!」

側近「もうないよね」

魔王「そうでした」テヘッ

側近「・・・」

魔王「すぐに行ってきます!!」

――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――

魔王(結局町につくまで遭遇しなかったし・・・)

魔王(遭遇しないなら人間型じゃなくても)

魔王「あ、町の中まで偵察するから人間型の俺なのか!」

魔王「・・・まじか」

魔王「今は昼過ぎ・・・行くのかあの人込みの中に?」

魔王「もう、疲れたよ」

書くの

\うぉらぁああああああ/

\ギガスラッシュ!/


魔王「あ、なんか聞き覚えある声…」


勇者「はぁはぁ、まあこれぐらいにしてやるか」

戦士「さて昼飯がっつり食おうぜ!」

僧侶「お金減っちゃったんでガッツリはちょっと」

魔王「やっほー、なにしてんの?」

勇者「なにってみたらわかるだろ?」

魔王「なに?レベル上げ?」

戦士「HAHAHAHAHA、俺たちが街付近にいるスライムでレベルあげるほど弱そうに見えるかい?」

魔王「え?じゃあお金稼ぎ?」

僧侶「1Gじゃ薬草も買えないですよ」


魔王「じゃあなにをしてるの」

勇者「なにってうさ晴らしだよ」

僧侶「みたらわかるじゃないですかw」

戦士「みてみろよ、こいつ俺の攻撃で消滅するんだぜ?」

センシノコウゲキ

643ノダメージ、スライムハショウメツシタ

戦士「HAHAHAHAHAHAHA」

戦士「ほら僧侶もやってみろよ、メガンテ」

僧侶「痛いから嫌ですよw」

勇者「こういうこと」

勇者「ぶっちゃけ俺たちもつらいんだよね」

勇者「期限とかそういうのないんだけど最近王の目線が冷たいのよ」

勇者「こっちも好きでやられてるんじゃないっていうのにさ」

勇者「公務員に期待するんじゃねぇっつーの」

勇者「出ていったあと門から街に入らないとやられたことを街の人にも悟られてるみたいでさ」

勇者「街の人も冷たい冷たい」

勇者「お前らのために仕事してるってのにさー」

勇者「ま、定期的にこういうことやらないとやってられないってこと」

魔王「へぇ…定期的に」

勇者「魔王軍つよいのなんの」

勇者「城は入り組んでるし前回なんて罠か何かで一瞬だしさー」

魔王「へぇ」

勇者「あ、ここで会ったことと話したことは街の人には内緒な」

勇者「今も打倒魔王のために働いていることになってるから」

魔王「大丈夫ですよ、話しません」

勇者「お、ありがとうな」

魔王「条件付きですが」\メラゾーマ/

戦士「え?は?」

僧侶「今勇者様が・・・?」

魔王「うん、灰になった」

魔王「ほら!はやく蘇生、蘇生!」

僧侶「は、はい」

\ザオラル/

勇者「あーびっくりした」

魔王「いまのでなんとなくわかったと思うけど私、敵だから」

戦士「な、なんだと!ただのおっさんに見えるのに!」

勇者「くそっ賢者がいない時にこんな強敵が…ッ」

魔王「さあどうする?」


勇者「あ、その前に」

勇者「さっきはありがとうな僧侶」ナデナデ

僧侶「はい///」

魔王「」\メラゾーマ/

魔王「というか私、魔王でさ」

魔王「お前らの相手すんのめんどくさいし、さっきお前らの事情も聞いたし」

魔王「正直お互いにとって不毛じゃない?」

魔王「今人間軍で魔王軍と戦ってるの勇者だけだし」

魔王「仮に俺を倒したとしても今魔王軍がいるとこにお前ら住めるとは思えないし」

魔王「だから攻撃は形だけにしてくれないかな?」



勇者「俺ら公務員がそういうことすると絶対たたかれるから嫌」

魔王「だよね」

魔王「というか俺ら魔王軍もお前ら倒さないとお金手に入らないし」

魔王「部下にもなにも渡せないし」

勇者「そっか」

勇者「俺らも魔物倒さないとお金もらえないし」

勇者「お前倒せる気しないんだけど定期的に魔王城いかないと叩かれるし」

魔王「そっか」



------------------------なにもかわらないEND

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