ピンポーン

璃緒「はい？」

カイト「・・・凌牙は」

璃緒「凌牙なら今外出中で」

カイト「そうか・・・遊馬も凌牙も何処へ行ったんだ」

璃緒「凌牙に何の用？」

カイト「ブラジャーを拾った」

璃緒「ブラ・・・」

オービタル「言っとくがカイト様のじゃないぞ！」

カイト「お前は黙ってろオービタル！」

オービタル「カシコマリ！」

カイト「このブラジャーの持ち主を探す手伝いをさせようと思ったが・・・いないのか」

璃緒「え、ええ」

カイト「邪魔をしたな。次はⅤのところか」

璃緒「待って」

カイト「何だ俺は忙しい」

璃緒「貴方には凌牙が随分とお世話になったと聞いてますわ。だからお手伝いをさせてもらいますわ」

オービタル「～ますわ！ってオイラはお前の正体を重々承知なんだぞ！妹鮫！」

カイト「静かにしろ」

璃緒「それにちょうど買い物に行こうとしていたしいい機会ですわ」

オービタル「寝首かかれるかもしれやせんぜ旦那～」

カイト「次に余計な事を話せばお前はクビだ」

オービタル「ク、クビ！？クビはご勘弁を！オイラには妻と子が！！」

カイト「なら黙れ行くぞ凌牙の妹」

璃緒「ええ」

オービタル「清純の皮を被った鬼だとオイラは噂を知っている。カイト様お気をつけて」

カイト「何か言ったか」

オービタル「い、いえ！」

璃緒「まずはアリトが頼んでたやつね・・・ここに確か」

カイト「ここは」

璃緒「女である身の私には酷な場所なのAVコーナーは」

カイト「つまり俺に入って買って来いと」

オービタル「カイト様」

カイト「いい俺が行こう。こいつにはブラジャー探しの手伝いを頼んだこれぐらいはやらねばならん」

璃緒「タイトルはツァン・ディレの女医生ハメ600発」

カイト「すぐに戻ってくる」

オービタル「お気をつけて」

カイト「・・・」

オービタル「カイト様が自らAVコーナーに足を踏み入れるなんて感無量であります！」

オービタル「フレー！フレー！カイト様！！」

カイト「黙れ！」

オービタル「・・・」

璃緒「次はギラグのポン太の餌でその次はミザエルの頼んでた銀河眼特集で」

カイト「荷物が増える一方だ・・・おい」

璃緒「はい？」

カイト「凌牙もこうして荷物運びをしているのか」

璃緒「そうですわ」

カイト「凌牙・・・ツッパってる裏側にはこんな苦労があったのか」

オービタル「可哀想なカイト様」パシャッ

カイト「何だ今のシャッター音は」

オービタル「い、いえ！カイト様の日常生活を見ると子供達が喜ぶので！」

カイト「オービタル」

オービタル「消去します！オイラとした事が」

カイト「好きにしろ」

オービタル「え！？」

カイト「撮りたければ撮れ」

オービタル「本当に宜しいのですか！？」

カイト「子供のためなら仕方がない。勝手にしろ」

璃緒「はあ・・・やっと終わった」

カイト「これで終わりか」

シャーク「何やってんだてめえ！」

璃緒「やめて凌牙！荷物を運んでもらっただけなんだから！」

オービタル「そうだ！カイト様はな！」

シャーク「てめえに聞いてねえんだよ！カイト！説明しろ！！」

オービタル「嫉妬なんて醜いぞ不良鮫」

シャーク「黙ってろポンコツ！」

オービタル「ムッ！カイト様！この生意気な鮫に制裁を！」

カイト「いよいよ俺の番だな探すのを手伝え」

璃緒「行くわよ凌牙」

シャーク「あ、ああ」

カイト「お前も大人になれオービタル！」

オービタル「でもこいつ」

カイト「凌牙は子供だからすぐに怒り狂う。ここでお前が無視をすればお前の勝ちだ」

オービタル「さすがカイト様！」

シャーク「てめえ！コソコソ喋りやがって！」

オービタル「プッ」

シャーク「この野郎・・・」

璃緒「ほらそのブラの裏に名前が」

カイト「神月アンナ・・・どこかで聞いた名だ」

オービタル「あの爆裂おっぱい女だ！」

シャーク「何が爆裂おっぱい女だ！てめえみたいな頭のおかしいロボットが父親なんて笑っちまうぜ」

オービタル「無視無視」

シャーク「野郎！無視すんじゃねえ！」

璃緒「少しは堪えなさい凌牙」

カイト「仮にもお前はバリアンのリーダーだろ」

シャーク「くっ・・・」

カイト「とにかくこいつの家に行けばいいのか」

璃緒「でも気をつけた方がいい。結構気が短いらしいから」

シャーク「バズーカぶっ放してくるらしいからな」

カイト「バズーカ程度ならどうにでもなる」

カイト「ここだな。もういいぞ」

璃緒「いいって？」

カイト「ここから先は俺のやるべき事だオービタルお前も下がってろ」

オービタル「エエーッ！？」

カイト「万が一お前がバズーカで破壊されたらオボミやお前の子に会わせる顔がない」

オービタル「カイト様とならオイラは！それにオイラとカイト様は月でも」

カイト「いいから帰れ！命令だ！」

オービタル「・・・」

シャーク「こんな死にかけても死なねえようなロボットが壊れるわけねえだろカイト」

カイト「お前も帰れ」

璃緒「手伝えって言ったからには私は最後まで」

カイト「気が変わった・・・たかがブラジャー程度なら最初から俺一人で返せばいいだけ」

璃緒「・・・」

カイト「行ってくる。久しぶりの買い物は意外と楽しかったぞ」

シャーク「ったく・・・あいつは」

オービタル「行くのか」

シャーク「行くに決まってるだろ。遊馬もカイトもめんどくせえ奴だぜ」

璃緒「バズーカが来たらちゃんと避けてね。凌牙は体当たりしそうだから」

シャーク「遊馬じゃあるまいし当たるわけねえだろ」

オービタル「やっぱりオイラも」

シャーク「カイトの気持ち考えろよポンコツロボット」

オービタル「何て無力なんだ・・・オイラは」

シャーク「見てろよ俺もカイトも生還してやる」

シャーク「ブラジャー程度で殺されてたまるかよ！」

カイト「・・・」

シャーク「カイト」

カイト「帰れと言ったはずだ」

シャーク「遊馬なら絶対に一緒に行くだろ」ピンポーン

アンナ「誰？あ、お前たち」

カイト「ブラジャーが落ちてた」

アンナ「お、俺の？」

シャーク「油断するなよカイト！奴がバズーカを取り出したら先制攻撃だ」

カイト「ああ・・・」

アンナ「・・・」ピクッ

カイト「来るぞ」

アンナ「ありがとな！これ俺の勝負下着なんだよ！洗濯してどこか行ったと思ってさ」

カイト「・・・ああ」

アンナ「見た目最高に柄悪いのにいい奴らだな！普通ならパクってるぜ」

シャーク「そ、そうか」

アンナ「じゃあまた礼するから！ありがとな本当に！」

カイト「・・・」

シャーク「・・・」

カイト「・・・帰るか」

シャーク「そうだな」

オービタル「カイト様！よくぞご無事で！！」

カイト「ブラジャーは返した。これでハルトと父さんに顔向けできる」

オービタル「バンザーイ！バンザーイ！」

シャーク「チッ、帰ろうぜ璃緒」

璃緒「そうね」

カイト「世話になったな」

璃緒「デュエリスト同士は助け合いですわ」

カイト「凌牙の妹にしてはやはりまともだ」

オービタル「カイト様！この女は下手すれば鮫と同等かそれ以上の！」

カイト「誰にでも二面性がある。行くぞオービタル」

オービタル「カイト様は騙されてる」

カイト「オービタル！」

オービタル「カシコマリ！」