右京「13日の金曜日?」 (109)
相棒×13日の金曜日のクロスSSです。
右京「エスター?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1381803663/)
こちらでの予告通りやって行こうかと思います。
ちなみに今回から酉を付けますのでよろしく。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383280326
~とあるバス停~
ガッタンゴットン
古ぼけた一台のバスがその停留所にやって来た。
その場所はクリスタルレイクキャンプ場、周りは森と湖に囲まれた豊かな自然の広がる風景。
かつては幾人もの人間が訪れた地だが今は…
プシュー
バスから乗客たちが降りてくる、乗っていた乗客は全員東洋系の…日本人であった。
右京「みなさん、着きましたよ。ここがクリスタルレイクキャンプ場です。」
カイト「ようやく着きましたね、しっかし酷い乗り心地の悪いバスだったな…」
まずバスから降りたったのは、警視庁の陸の孤島と言われる窓際部署に所属する特命係の杉下右京、それに甲斐亨であった。
次に降りたのは…
伊丹「まったく…何が悲しくてこんなアメリカの寂れたキャンプ場に来なきゃいけねえんだよ…」
芹沢「文句言わないでくださいよ、この旅行は三浦さんの昇進祝いも兼ねているんですから…」
三浦「ハハ…しかしここまでの道中ろくに民家が無かったな。
あったのは変なボロ小屋だけとは…酷い場所だ…」
警視庁捜査一課に所属する伊丹憲一、三浦信輔、芹沢慶二の三人の刑事である。
そして最後は…
米沢「うっぷ…このバスの乗り心地は三半規管に応えますな…オェ…」
警視庁鑑識課に所属する米沢守、計6人の男たちがこのクリスタルキャンプ場へとやって来た。
バスから降りた彼らに運転手がある事を訊ねた。
運転手「アンタら…本当にここで一晩泊まる気なのかい?」
右京「えぇ、せっかく招待されたので。」
運転手「悪い事は言わねえ、今からでもバスに乗って帰んな…」
カイト「いや、でももうここまで来ちゃいましたからねぇ!」
芹沢「せっかくここまで来たのに帰れる訳ないじゃないですか。」
運転手「…わかった、俺から言う事はこれ以上何もねえ…達者でな…」
右京「…」
ブロロロロロ
不気味な忠告を残しバスは来た道を戻って行った。
伊丹「何だ今の運転手、愛想の無いヤツだとは思ってたがおかしな事まで言いやがって…」
三浦「そんな事よりも見えてきたぞ、これがクリスタルレイクキャンプ場か!」
そもそも何故彼らはこの場所にやって来たのか、それは遡る事1ヶ月前…
~特命係~
警視庁特命係の部屋で、事件のお礼にクリスタルレイクキャンプ場への招待券を貰った右京とカイト。
当初二人は花の里の月本幸子とカイトの恋人である笛吹悦子の二人を誘おうとしたが二人とも仕事があるため断られてしまった。
右京「はてさて、これでは僕とキミだけで行く事になりますね。」
カイト「せっかく旅費も込みで行けるっていうのに俺たちだけっていうのはちょっと寂しいっすね。」
そこへいつもの如く隣の組対5課の角田課長がやって来た。
角田「よ、暇か!あれ…どうしたの?」
カイト「課長…良いところに来てくれましてね!実は…」
カイトは先ほどの事情を説明し、角田たち組対5課の人間を誘おうとしたが…
角田「せっかくの誘いだがすまねえな…
ここ最近城南金融の動きが慌ただしくてな、外国までの旅行はさすがに出来んわ…」
右京「なるほど。
城南金融は最近トップが変わり、その方針もかなり進出的になりましたからね。」
角田「あぁ、だから油断も隙もあったもんじゃないよ…」
カイト「それじゃあ他に誰を誘えば…」
そんな最中、特命係の部屋に二人の人物が現れた。
米沢「おやおや、何の話をしているのですか?」
芹沢「どもっす、ちょっと事件について助言をもらいに来たんですけど…」
カイト「あ、いいところに来てくれましたね!実は…」
米沢「なるほど、海外への旅行ですか。
私は現在独身ですし有給も貯まってますので至って問題はありませんが…」
芹沢「俺は…そうですね…俺だけ行ったら伊丹先輩たちに怒られそうなんで…」
カイト「ですよね…伊丹さんって結構嫉妬深いし…」
右京「なら伊丹さんと三浦さんを誘ってはどうですか?
三浦さんはこの前係長に昇進なさったようですし、昇進旅行という事でどうでしょうか。」
芹沢「先輩たちもですか…じゃあ大丈夫かも、ちょっと相談してきますね!」
右京「しかし我々は公務員ですので1ヶ月前の渡航申請をしておくのは忘れないようにしてくださいね。」
カイト「伊丹さんたちを入れて全部で6人か、けどこれでもまだ何枚か招待券余りますね。」
右京「それでは僕の友人にも少し声を掛けておきましょうか。」
こうして右京たち6人はクリスタルレイクキャンプ場へとやって来たわけだが…
~キャンプ場~
…シーン…
伊丹「静か過ぎるな…」
三浦「俺たち以外誰もいないんじゃないか?」
カイト「とりあえず管理人室へ行って部屋の鍵を借りに行きましょうか。」
とりあえず一行はキャンプ場の管理人室へ向かうがそこにも誰もいなかった。
右京「こちらにも誰もいらっしゃいませんね。」
芹沢「あれ?何か置手紙みたいなのが置いてありますよ。」
米沢「ご丁寧に日本語で書かれていますな、どれどれ…」
置手紙に書かれていた内容は以下の通りであった。
~日本から遥々お越しの杉下さま一同へ~
○月13日、金曜日
本日はこちらクリスタルレイクキャンプ場をご利用なさり誠にありがとうございます。
つきましては、本日あなた方の貸切となりますので当キャンプ場のコテージをどうぞ自由にご利用なさってください。
※管理人は暫く外出しますので留守をお願いします、F.Kより。
右京「なるほど、僕たちの貸切ですか。」
カイト「なんか…胡散臭い感じがしますね…」
芹沢「ところでキャンプ場のコテージってどんなのなんですかね?
遥々ここまで来てボロいのだったらイヤですよ…」
三浦「その心配は無いようだ、外へ出て確かめてみろ。」
外へ出ると三浦の言う通り、確かに数件のコテージが並ばれていて、
その内の一件の立派なコテージが本日右京たちが泊まるコテージであった。
中に入ってみると部屋は広々としていて、冷蔵庫や空調設備まで取り付けられているという豪華な仕様である。
芹沢「スッゲー!!
こんな豪華なコテージを俺たちだけで使っていいんですかね!?」
右京「管理人さんが言ってたのでその辺の問題は無いでしょうね、ただ…」
カイト「どうかしたんですか?」
右京「先ほどの管理人室と、それにこのコテージを調べてみてわかったのですが
電話線が繋がっていないようですね、これでは何かあった時に外部と連絡が取れませんよ。」
カイト「ハハ、今は携帯電話があるから固定電話が無くたって…嘘だろ!?」
伊丹「どうかしたのか?」
カイト「ここ…携帯の圏外だって表示が…」
三浦「おいおい…本当に大丈夫なのか?」
芹沢「まぁ…まだ何か起こった訳じゃないですし…」
米沢「しかしミステリー小説ではこの手のシチュエーションともなると必ず殺人事件が起こりますからな!
それにこの中には事件に最も遭遇率の高い杉下警部がおりますしもしかしたら…」
右京「おやおや米沢さん、それではまるで僕が事件を呼んでいるみたいではありませんか!
僕は何も好き好んで事件を呼んでいる訳ではないのですよ。」
カイト「ハハ…けど本当に俺たち以外誰もいないんですね…」
伊丹「まあいいや!誰もいない方が返って羽も伸ばせるってもんだ!
さて…今日は無礼講だ、一杯やろうぜ!!」
芹沢「えーっ!まだ着いたばっかりですしそれに昼間ですよ?
飲むなら夜からにしておいた方が…」
伊丹「バカ!こんな場所だ、他に娯楽もないみたいだし…こういう時は飲むに限るだろ!」
三浦「そうだな、冷蔵庫の中には冷えたビールがたくさんあるし酒盛りをするには丁度いいや!」
米沢「ハハハ!もっと酒持ってこーい!!」
芹沢「米沢さんに至ってはもう飲んでるし…」
全員が酒盛りをする中、右京は先ほどの管理人室へと向かおうとしていた。
カイト「杉下さん、どこへ行くんですか?」
右京「コテージの方へ、先ほどあちらの娯楽室に推理小説があるのを見かけましてね。
それを取りに行こうかと思いました。」
カイト「こんなとこまで来て読書ですか?もっと他に楽しむ事があるでしょう…」
右京「こういう大自然に囲まれての読書も中々のモノですよ。
それと先ほどの話ですが、一応注意しておいてください、今日は…13日の金曜日なのですから…」
カイト「そういえば…確かに今日は13日の金曜日ですけど…それがどうかしたんですか?」
右京「現在世界中の殆どの国で使われているグレゴリオ暦、1年の中に必ず13日の金曜日というのが存在します。
英語圏の多くの国では13という数字は忌み嫌われた数字とされているのはご存知ですね。」
カイト「まぁ…そりゃ一応は…けどそれがどうしたっていうんですか?」
右京「何故13という数字が忌み嫌われた数字なのか、それはキリストの最後の晩餐に13人いた事が起源とされているからです。
それからキリストが磔にされた日が13日の金曜日だったからこそ縁起の悪い人されているからですよ。」
カイト「けどそれって単なる迷信でしょ、そんなに真剣に受け取らなくても…」
右京「そしてもう一つ、13日の金曜日というのはあの…」
伊丹、三浦、芹沢、米沢「「ギャーハハハハハハ!!!!!」」
右京はこの時何かを言い掛けたが…宴会で盛り上がっている伊丹たちの馬鹿笑いの所為で
カイトは最期の言葉を聞き取れなかった。
右京「それと僕の友人たちが遅れてやって来るかもしれません、彼らが着たらその時はどうぞよろしく。」
結局先ほどの最後の言葉が何だったのか聞き取れず右京は管理人室の娯楽室へと向かって行った。
カイト「まぁ気にしてても仕方ねえや、俺も少しは楽しもうかな!」
その夜、宴会で酔い潰れた全員と右京たちが寝静まった時…事件は起きた…
「「ギャァァァァァァァ!?」」
―「起きろみんな!事件だぞ!?」
誰かの叫び声と眠りを呼び覚ます声が聞こえた、しかしさすがは現職の警察官たち。
すぐに眠気を覚まして悲鳴の鳴る方へ向かうとそこにいたのは…
「…」
惨殺された男女の死体とそこに転がり落ちていた。
そしてその死体の周囲には先ほどはいなかったはずの数人の若者たちもいた。
伊丹「酷いな、ナイフで一撃か…」
米沢「しかも…性的行為の真っ最中に狙われていますな、これは酷い…」
右京「やはり起きてしまいましたか…」
カイト「杉下さん…まるで予期していたみたいですね、どういう事ですか?」
右京「実は皆さんには恐がらせないようにと内緒にしていましたが…
このクリスタルレイクキャンプ場は、かつてジェイソン・ボーヒーズという殺人鬼が
連続殺人を行っていた場所なのですよ!」
カイト「なんですって!?」
今…数年の時を経て、恐怖の殺人鬼が再びこのクリスタルレイクキャンプ場で血塗られた惨劇を繰り返そうとしていた…
とりあえずここまで
前回の予告通りこれからやって行こうかと思います。
死体を発見した右京たちはさっそく事件の捜査を始める。
しかしここは日本ではなく遠くアメリカの地、本来なら捜査権限など無いはずだが…
職業病なのか死体を見てジッとしているはずもなかったからだ。
伊丹「旅行先で殺人とか冗談じゃねえな、しかも現地警察とは連絡が取れねえし…」
芹沢「やっぱりダメですね、ここには電話機器が置いてありませんし携帯も圏外…
おまけにここへの唯一の交通手段であるバスも明日にならないと来ませんからね。」
三浦「となるとここら一帯は完全に外部と閉鎖されているわけか…」
カイト「完全犯罪を行うならまさにうってつけの場所ですか、犯人は最初からこれを狙ってたのか?」
伊丹たちがこの閉鎖された環境下についてが話し合っている頃、米沢が鑑識の結果を報告しに来た。
米沢「お待たせしました、鑑識の結果なのですが…」
伊丹「ていうか何でお前鑑識の服に着替えてるんだよ?
おまけにその鑑識用の道具もよく持ってこれたな、税関に引っ掛からなかったのか?」
米沢「職業柄仕事道具は常に携帯してましてな、それはともかくやはり死因は二人ともナイフによる刺し傷が致命傷です。
死体の体内温度はまだ温かく、死亡推定時刻は恐らく1時間ほど前。
争った形跡はありませんでしたし、恐らく被害者たちは性的行為に夢中だったのでしょうな。(羨ましい…)
それとナイフ一撃で急所に刺して無駄な動きが一切ない。
人間の急所を心得ている者の犯行といったところでしょうか。」
カイト「人間の急所を心得ている者の犯行…まさか杉下さんが言っていた殺人鬼の事じゃ…」
カイトは先ほど右京が言っていた殺人鬼ジェイソン・ボーヒーズの事を思い出してしまい、
思わず背筋がゾッとしてしまった。
しかしそんな事に驚いている暇は無かった、次に彼らは被害者たちと一緒に居た若者たちに事情聴取を開始する。
芹沢「それじゃ事情聴取したいんですけど…」
三浦「殺された被害者たちを含めて全部で7 人か、さっきまでこんなに人はいなかったはずだが…」
伊丹「とりあえずあんたらの身元を教えてもらおうか!」
スチーブ「わ…わかりました…
僕の名はスチーブ、僕たちは大学サークルの集まりなんです。」
7人のグループのリーダー格であるスチーブの証言によると
自分たちは大学のサークルのメンバーでこのクリスタルレイクキャンプ場の復興のために訪れたという。
メンバーはリーダーのスチーブ、アリス、ビル、ブレンダ、
そして殺害されたのがマーシー、ジャック、の二名だという。
アリス「あと…ここにはいないんだけどネッドとアニーという子もいるの。
けどさっきから姿が見えなくて…」
スチーブ「僕たちは8人でこのクリスタルレイクキャンプ場へとやって来たんです。
そしたら…仲間が殺されて…」
スチーブの会話を聞き伊丹はある疑問に気付いた、『8人』という言葉にだ。
伊丹「ちょっと待った、『8人』だと?
アンタらはこの殺害された被害者や行方不明の二人を入れても9人じゃないのか?」
芹沢「何で一人多いんですか?」
当然の疑問が浮かんだ、しかしその疑問はすぐに解消される。
パメラ「それは私です、私の名はパメラ。
この近隣に住んでいる者で彼らがこのキャンプ場を復興させると聞いてお手伝いに来たのです。」
パメラと名乗る女性、彼らの母親代わりの存在だと言い、確かに歳は40代後半と彼らの母親と同世代といった感じであった。
三浦「ちなみに犯行時刻全員どこに居ましたか?」
三浦は全員のアリバイを確かめるが全員が一人で部屋の中にいたり眠っていたりと、
確かなアリバイを持つ者は一人もいなかった…
芹沢「参りましたね、これじゃメンバー全員が容疑者ですよ…」
伊丹「だな、今夜一晩誰からも目を離しちゃならねえ!」
カイト「あれ?そういえば杉下さんは何処に行ったんだろ?」
カイトは右京の不在に気付き、殺害現場のコテージを抜け出し外に探しに出た。
すると管理人室に灯りが点されている事のを発見し、恐る恐る建物の中に入って行くとそこにいたのは…
右京「おや、キミでしたか。」
カイト「まったく呑気な事言わないでくださいよ、ていうかこんなとこで何してんですか?」
右京「実はこの娯楽室で読書をしていた時に見つけたのですがこのクリスタルレイク・キャンプ場の年史本を見つけましてね。
何か手掛かりになるかと思って見ていたのですよ。」
カイト「キャンプ場の年史?」
右京が見つけた年史には以下の記述が記されていた。
1935年:キャンプ・クリスタルレイク設立
19757年:キャンプ・クリスタルレイクで一人の少年が湖で溺れ死ぬ。
名はジェイソン・ボーヒーズ(11歳)、原因は指導員がその時監視を疎かにしていたと母親が証言している。
1958年:二人の男女の死体が発見される、警察は殺人として捜査するが事件は迷宮入りする。
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(58年以降、このクリスタルレイクで様々な殺人、溺死、連続放火が発生して次第に客足は途絶えて行くようになった。)
1962年:湖に水質汚染の疑いがあり、キャンプ場は閉鎖される。
1980年:キャンプ場再開
以上の記述が記されていた。
カイト「なんだか不気味なモノを感じますね、ていうかジェイソンって本当にいたんだ…」
右京「奇妙ですねこの年史…」
カイト「そりゃそうでしょ、こんな不気味な事ばかり起きてるんですから。」
右京「いえ、そうではなくて…この年史に載ってるのは1980年までです。
それ以降の事が何も記述されていない、それにこの本は明らかに手書きです。
誰か作成者が…おや?これ裏に名前が書かれていますね、この名前は…」
恐らく記述者であろう名前が本の裏に書かれていた、作成者の名は『ウィル・ローリンズ』
カイト「けどこれはたぶんここのスタッフが作っただけでしょ。
1980年までの記述なのもそのスタッフが辞めたからだと思うし作成者なんて大した問題じゃないですよ。」
こうして管理人室を粗方調べた右京とカイトは伊丹たちがいるコテージまで戻ろうとした。
その道中の事であった…
右京「えぇ、このような閉鎖された場所だというのに意外と書棚は豊富でした。
推理小説は勿論ですがなによりホラー小説もたくさんありましてね、これを機会に全冊読み漁りましたよ。
『エルム街の悪夢』『死霊のはらわた』『ハロウィン』『悪魔のいけにえ』等と、
このようなホラー作品の舞台にもなりうる場所で読むとまた格別だと、そう思えませんか?」
カイト「思えませんよ、この人の考え未だにわかんね…」
カイトが呆れ果てて答えた時であった、無人であるはずのアーチェリー場に灯りが点されているのを発見した。
右京「おや?
アーチェリー場とは…ここに来た時ありましたかね?」
カイト「そんな事よりもちょっと覗いてみましょう、もしかしたら行方不明になってる二人がいるのかも…」
確かに現在行方不明になっているネッドとアニーはその場にいた、しかし…生きてはいなかった。
カイト「何だよこれ…嘘だろおい!?」
右京「これまた男女の死体…しかも彼らもナイフで殺害されていますよ…」
発見された死体は先ほどの死体と同じく殺害されたものであった。
この事をコテージにいた伊丹たちに知らせてまたもや現場検証を行った結果、
彼らが死んだのは半日も前…つまり最初に殺されたのは…この二人の方であった…
そんな時、台所からパメラが全員の気を落ち着かせるために飲み物を運んできた。
パメラ「みんな、少しは飲み物でも飲んで落ち着きましょう。」
飲み物を運んできたパメラ、カイトは皆を落ち着かせるためにまず一番に飲み物を飲み始めた。
カイト「そうですね、じゃあ…俺はこのオレンジで!」
芹沢「じゃあ俺はコーラで!」
右京「紅茶…なんてありませんよね?」
三浦「警部殿…贅沢言わないで…」
出された飲み物を飲んでいる最中に右京はパメラにこのクリスタルレイク・キャンプ場の事を聞いてみた。
右京「ところでパメラさん、あなたは昔からこのキャンプ場で働いているとの事ですが以前にもここで…」
パメラ「えぇ、不幸な事に殺人が起きました。そもそもの発端は…」
右京「ジェイソン・ボーヒーズ、1957年に事故で行方不明になった少年の事件が発端ですね。」
パメラ「いいえ…あれは殺人よ…」
急に先ほどの穏やかな表情とは変わって険しい顔をするパメラ。
彼女の話によると事故の現場に居た指導員はジェイソンが溺れた時に恋人と戯れていたという事であった。
右京「なるほど、その様な事が…それでは事故ではなく人災になりますね。」
パメラ「可哀想なジェイソン…あの子は元々他の子とはちょっと違っていて…
それが原因でいつも仲間外れにされて虐められていたわ…」
カイト「そんな事が…」
右京「まるで…見ていたかのような事を言うのですね…」
パメラ「あ、今の話は全部人伝で聞いた話なので…私もそんな詳しくは…」
それから暫くして先ほどまで動揺していた気分も落ち着いた、まさにその時であった。
フッ
灯りが急に消えた、突然の出来事に全員が動揺した瞬間、とんでもない出来事が起きた…
「「ギャァァァァァァァァ!?」」
部屋の中で叫び声が響いた、伊丹がライダーの火を灯し声のした方を見るとそこには…
ブレンダ「イヤァァァ!?ビ…ビルが!?」
伊丹「また殺しかよチクショウ!」
ブレンダが叫ぶようにビルは変わり果てた姿になっていた、そしてもう一人…
パメラ「うぅ…」
右京「パメラさん!誰にやられたのですか!?」
パメラは幸い足を軽く斬られた程度の軽症で済んでいた、彼女に犯人が誰なのか聞いてみたが…
パメラ「ゴメンなさい、私にも何がなんだかわからなくて…」
この光景を目撃したブレンダはとうとう我慢できずにキレた。
ブレンダ「もうイヤ!殺人鬼がいるこんな森に1秒たりともいられないわ!
私は歩いてでもこの森を抜け出してやる!!」
アリス「待ってブレンダ!」
スチーブ「外は危険だ!?」
バタンッ!
ドアを激しい音で開けてブレンダは森の中へと消えていった、すぐに怪我を負ったパメラを除く
全員がブレンダの捜索を始めるが…
~森の中~
真夜中の暗い森の中、ライトを点けブレンダの捜索が行われた。
しかしいくら呼んでもブレンダからの返事は返ってこなかった。
それから2時間近く探したが…
右京「ブレンダさん!どこにいるんですか!?」
カイト「返事してくださーい!」
伊丹「おい、いたか?」
芹沢「ダメですね、見当たりませんよ…」
三浦「こんな土地勘もない森の中じゃ俺たちまで二次被害に遭っちまうな。
仕方ない、一旦コテージの方へ戻ろう…」
その時アリスがある事に気付く。
アリス「ねぇ、誰かスチーブがどこに行ったか知らない?
さっきまで私と一緒に居たはずなのに…何処にも見当たらないんだけど…」
伊丹「おいおい嘘だろ、言った傍から二人も行方不明が出るなんてよ…」
右京「これ以上探すのは危険です、とにかくコテージに戻りましょう…」
仕方なくコテージに戻る右京たちであったが戻ってみるとコテージの付近にスチーブは居た…
アリス「スチーブ!よかった、先に帰っていたのね!」
スチーブ『…』
伊丹「おい…何か様子がおかしいぞ!」
芹沢「さっきから何も喋っていませんしね。」
右京「ちょっとライトを照らしてみましょう。」
右京がスチーブの方にライトを照らした、すると全員が驚愕した。
アリス「「イヤァァァァァァァァァ!?」」
光を当てられたスチーブの頭にアーチェリーの矢が突き刺さっていたからだ。
アリス「そんなスチーブ…スチィィィィィィィブ!?」
スチーブの遺体の前で泣きじゃくるアリス、米沢が調べたところによると死因はやはり頭部の矢が致命傷。
死亡推定時刻は2時間以内、右京たちが捜索を行っていた最中に殺害されたようである。
これ以上被害者が出ないように生き残った全員はブレンダの捜索を一時中断し、
コテージの中で朝まで待つように提案する。
アリス「これで大丈夫なはずよ、けど軽症で良かったわ。」
パメラ「ありがとう、これでなんとか動けるわ…」
パメラの治療を施すアリス、そんな二人を見つめながら伊丹はある事を呟く。
伊丹「結局9人もいた連中がたった一晩で三人にまで減るとはな…
警部殿が言ってたジェイソンって野郎は本当にいるかもしれねえぞ。」
三浦「その三人のうち一人は行方知れず、死んだかもしくは…」
芹沢「まさかブレンダが犯人だとでもいうんですか?
あんな動揺しまくっていた人間に人なんか殺せるわけが…」
伊丹「先入観で判断するんじゃねえ、ジェイソンなんて野郎が本当にいるかどうかもわからねえんだ。
色んな可能性を視野において捜査する、刑事の基本だろ!」
その頃右京とカイトは米沢を連れてコテージのブレーカーを調べていた、そこで興味深い物を発見する。
それは紐で結ばれた重りと火の消えて溶け切ったロウソクであった。
米沢「これは面白い物を見つけましたよ、これは一種の時限装置ですな。」
カイト「時限装置?」
米沢の説明によるとブレーカーに重りを付け、支点を固定し中間に火の点いたロウソクを取り付ける。
時間がくれば紐はロウソクの火で焼き切れて、自動的に独りでにブレーカーが落ちるといった仕組みである。
カイト「けどこれが何だっていうんですか?」
米沢「いや…私に言われてもねぇ…現場を分析するのは得意ですが
そこから推理するのは苦手でして、公式は出来ても応用は不得意というヤツですよ…」
右京「なるほど、これでこの事件の犯人がわかりました。」
この事件の謎を解いた右京はさっそくコテージに戻り全員の前で事件の謎解きを始める。
伊丹「犯人がわかったって本当なんですか!」
芹沢「は…犯人ってジェイソンっていう殺人鬼じゃないんですか?」
アリス「そうよ、ジェイソンが犯人に決まっているわ!ジェイソンがみんなを…」
誰もが殺人鬼ジェイソンこそ犯人だと決めつけていた、しかし右京は…
右京「いいえ、犯人はジェイソンではありませんよ。犯人は我々の中にいたのですからね!」
伊丹「犯人はジェイソンじゃないって事はだ…」
三浦「まさかこの場にいないブレンダが!?」
先走り犯人をブレンダだと決めつける伊丹たちであったが…
右京「とりあえず僕の推理を聞いてください。
まずこの事件で奇妙な点がいくつかあります、それは第一の事件ですが…
被害者たちが性的行為に夢中になっている際に殺害されていますね。
これに理由があるとしたらどうでしょうか?」
カイト「理由ってどんな?」
右京「男性ですら人間を殺害するとなるとかなりの労力を強いられます。
しかし被害者たちが丸腰で、しかも油断している最中、殺害するには最高の機会なのは確かです。
言うなれば非力な女性でも実行出来るという事ですよ!」
『非力な女性でも実行できる』、この言葉を聞いた瞬間伊丹はアリスとパメラに目を向けた。
確かに右京の言う通りなら彼女たちにも殺害は可能である。
伊丹「警部殿の言う事が本当なら犯人はアンタらの内のどちらかって事に…」
カイト「ちょっと待ってください!
パメラさんは怪我をしているしおまけにアリスさんは俺たちと一緒に森を散策していたから殺害は不可能じゃ…」
二人には殺人は不可能というカイト、そこで右京は次の殺人について検証を行った。
右京「では第二の殺人、アーチェリー場でネッドとアニーが殺害された事ですが…
こちらの殺害時刻は先ほどの事件と前後しています、さて何故殺害現場がアーチェリー場だったのか…
それは犯人がアーチェリー用の弓矢を得るためでしょうね。
8人の人間をナイフだけで殺害出来るほど甘くはないと判断したのでしょう、だからアーチェリー場から凶器を調達したのです。」
芹沢「けどそうなるとやっぱり犯人はジェイソンかブレンダという事になりませんか?
わざわざ他人の目を盗んで殺人を行っている訳ですし…」
右京「第三の殺人、ビルが殺害された事件です。
犯人はこの事件で自分が犯人から外れたいがためにある工作を行ったのです。
それが自らの墓穴を掘ったとも知らずに…」
伊丹「墓穴を掘ったってどういう事ですか?」
右京「それでは第三の殺人があった時の状況をよく思い出してください。」
右京に言われた通りに伊丹たちは第三の殺人が起きた状況を思い出していた。
突然の停電、その直後明かりを点けると殺害されていたビルと負傷しているパメラ、
そして森の中へと逃げ出したブレンダ、
しかし言われてみても伊丹たちにはイマイチ犯人に繋がる証拠がわからなかった。
伊丹「あの…警部殿…どうにも我々には…」
芹沢「意地悪しないで教えてくださいよ!」
右京「それでは、そもそも何故犯人は停電をさせる必要があったのでしょうか?
我々を殺害するだけなら暗闇に一人ずつなんて面倒な事などせずにこのコテージに火を付けて燻り出せばいいだけですからね!
そうしなかったのには理由があるからですよ!」
その理由を問う伊丹たちの前に米沢がある物を持ってきた。
それは先ほどブレーカーの前で見つけたロウソクと紐と重りを使った簡易な時限装置あった。
カイト「それはさっきブレーカーの前で見つけた…」
米沢「そうです、時限装置です。
恐らくこの場にいる誰もが簡単に仕掛ける事の出来る代物でしょうな。」
伊丹「なるほど、これで停電になった原因はわかった。しかし…」
三浦「ジェイソンという殺人鬼がそれを仕掛けていた可能性もありますし
まだ犯人を断定できませんぞ!」
三浦の言う通りまだ犯人を断定するに至る証拠がない、そんな中で右京は次の殺害についての説明を行った。
右京「では…第四の殺人、スチーブの殺害ですが何故彼だけアーチェリーで殺害されたのですかねぇ…」
カイト「そういえば、他の連中はみんなナイフで殺害されていましたよね。」
右京「そうです、これには何か理由があると…そう思えませんか?」
芹沢「しかしどんな理由があるんですか?
犯人が愉快犯で面白半分な気分で凶器を変えていた可能性もあるんじゃ…」
思わず反論する芹沢だがその意見に右京は真っ向から否定する。
右京「いいえ、それはあり得ません!
もし愉快犯の犯行なら死体の損傷はもっと酷くてもいいはず、しかし遺体の状況から察するに
犯人は無駄な力は使わずただ殺す事に専念をしているのは明白です。
つまり犯人にとってはナイフではなくアーチェリーを使わなければいけなかった理由があったのですよ!」
カイト「え~とつまりこういう事ですか?
犯人は何らかの事情でナイフを使えなかったという事なんですかね。」
右京「そうです!
あの時ナイフを使えなかった理由は唯一つ、犯人が負傷をしていたのではないでしょうか!」
右京のこの言葉にこの場にいた全員がある人物に一斉に視線を向けた。
右京「思えば第三の殺人で起きた停電、あの時から疑っていました。
僕は耳を澄ませていましたが、外から人が出入りした物音は一切聞こえませんでした。
それなのに暗闇の中ビルの殺害を行えた、それはつまり…直前まで灯りを点していた部屋に
僕たちと一緒に犯人がいた事なのですよ!」
そして右京は真犯人を差した、その人物の名は…
右京「パメラさん、あなたこそこの一連の殺人事件の犯人なのですね!」
パメラ「…」
カイト「あ…あなたが…」
伊丹「それじゃ足の負傷は?」
右京「これこそまさに墓穴です、彼女は我々から注意を逸らすために犯人に負傷させられたように小細工を行ったのです。
そうする事により自らが犯人でないと証明出来ますからね。
それにブレーカーの細工も長年このキャンプ場で働く彼女ならその作業も簡単に行えたはずでしょう。」
三浦「じゃあ第四の殺人でアーチェーリーを使用したのは…」
右京「彼女が足を負傷したため身動きが取れないからこそナイフではなくアーチェリーを使用したのでしょうね。
以上が僕の推理です、これでもまだ申し開きがあるのならお聞きしますよ。」
沈黙するパメラ、その表情は不気味なまでに右京たちを睨んでいた。
そんな空気が流れる中、アリスは何故彼女がこのような凶荒に及んだのかを問い詰めた。
アリス「何で…あなたは私たちに実の子供みたく接してくれたじゃない!
それなのに何でこんな事を!?」
アリスの言葉を聞いた瞬間、パメラの中で何かが崩れたような音がした。
彼女はこれまでに見せた事のない表情でアリスを睨みこう言った。
アリス「フフ…ククク…ハハハ!
ふざけるな!私がお前たちを子供のようにだと!?
私の子供はあの子だけだ!!」
カイト「あの子?」
伊丹「一体誰の事だ!?」
パメラの子供についてまったく見当が付かないカイトと伊丹だが右京はその事についてある確信があった。
右京「パメラさん、あなたの子供とはひょっとして湖で溺れ死んだというジェイソン・ボーヒーズの事ではありませんか?」
三浦「なっ!?」
右京「僕たちはまだ彼女のファミリーネームを聞いてませんからね。
恐らく彼女の名はパメラ・ボーヒーズ、ジェイソンの母親ですよ!」
芹沢「殺人鬼の母親!彼女が!?」
パメラ「ジェイソンは殺人鬼じゃない!全てはあの日が原因なのよ!」
全員がこの事実に驚く中、パメラは語り出す。
あの日の出来事を…あの全ての発端となった忌まわしい事件の日の事を…
パメラ「私はあの日、今みたくクリスタルレイク・キャンプ場で子供たちの食事を作る仕事にしていた。
そんな時だった、私の息子であるジェイソンがいなくなった知らせが入ったの…
私はキャンプ場を探し回った…けどジェイソンはどこにもいなかった!
そんな時…私はある会話を聞いてしまった…」
カイト「会話?」
パメラが聞いた会話、それはその時キャンプ場にいた指導員の会話であった。
『おいやべえよ、もしかして俺らがイチャ付いてた時にガキが死ぬなんてよ…』
『気にしないで大丈夫よ、あの子気持ち悪かったし死んでも誰も悲しまないわよ♪』
『それもそうだな、ハッハッハ!』
パメラ「耳を疑ったわ、確かにジェイソンは奇形児だった。
私もその事を不憫に思っていたし…なんとかしてあげられたらと…
けどあんなろくでなしのヤツらの所為で息子の命を奪われたなんてわかったら…」
カイト「何でその事を誰かに言わなかったんですか!?
そしたら対応も違っていたかもしれないのに…」
パメラ「勿論言ったわ!
けどヤツラは自分たちに落ち度はなかったの一点張り、悔しかった…だから私は…」
右京「翌年、その指導員だったカップルを殺害したのですね。
そしてそれからクリスタルレイク・キャンプ場に訪れる若者やカップルを次々と惨殺した。
全ては息子の復讐が目的であった、そういう事でしょうか。」
パメラ「そうさ…あの子も復讐を望んでいる…私にはわかる…実の母親だからねぇ…
『ママ…そいつを殺して…』ってジェイソンが私に語りかけてくるのよ!」
パメラは常軌を逸した目でアリスを睨んだ、最早パメラに正気など残されていない事は
誰の目から見ても明白であった。
カイト「く…狂ってる…死んだ子供のためにそこまでやるのか!?」
思わずカイトはパメラに対して狂っていると言ってしまう、その言葉が引き金となり…
チャキッ
アリス「なっ!?」
パメラは隠し持っていたナイフをかざし…アリスを…
ドスッ
アリス「ぐふッ…」
伊丹「あぁっ!?」
三浦「おいっ!」
右京「なんという事を!?」
パメラは隠し持っていたナイフを手にしてアリスを一撃で殺してしまった、そして…
ガッシャーン
彼女は窓を破り外に出た、先ほど足に負傷を負った人間とは思えない速さで走っていく。
カイト「俺が先に追いかけます!」
右京「待ちなさいカイトくん!
相手は森の中を知り尽くしている人物です、独りでは危険ですよ!」
一人先走りパメラを追うカイト、そして一足遅れの右京たち、パメラだけでなくカイトまで見えなくなったそんな時であった。
パメラ「「ジェイソン!今こそあなたの下へ行くわ!愛してる!!」」
森中にパメラの声が響き渡る、駆けつけてみるとそこには…
カイト「すいません、俺が来た時には…」
一足早く到着したカイトとパメラの死体がそこにあった。
米沢が調べた結果、死因はナイフによるモノであった。
伊丹「たく…最後は自殺かよ!」
三浦「全ては逆恨みによる犯行か、まったく被害者たちは浮かばれんぜ…」
米沢「確かに致命傷はナイフによるモノなのですが背中に奇妙な傷痕が気になりますな。」
右京「奇妙な傷痕とは?」
米沢の言う奇妙な傷痕…それは鉤爪で引っ掛かれたような傷があった、それも四つ又の傷が…
芹沢「何だコレ?熊でもいたんですかね?」
伊丹「そんな訳ねえだろ!もしいたとしたら熊の叫び声も聞こえているはずだし、その痕跡だってあるはずだ!」
三浦「だが獣の足跡一つ無いとなると一体…」
その時であった…
ドサッ
何かが投げ捨てられた音がした、その投げ捨てられたモノを見るとそれは…
芹沢「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
伊丹「お…女の死体!?」
右京「この死体は…ブレンダですよ!」
森の中へと消えていったブレンダが死体となった姿がそこにあった、そして…
「ハァ…ハァ…」
森の奥から誰かの吐息が聞こえてくる。
ザッ ザッ
一歩、二歩、と確実に近付いてくる足音…そしてついに姿を現す、その正体は…
「「う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
伊丹「何だお前は!?」
三浦「まさか…子供か?」
雄叫びを上げ現れたのは全裸姿、身体は全身に傷や腐敗の痕が見られ、顔が醜く歪んだ少年がそこにいた。
カイト「あの…杉下さん…まさかこいつは…」
右京「僕もそんなバカなと言いたいのですがどうもその様ですね。
キミは…パメラさんの息子…ジェイソンボーヒーズですね!」
1957年、このクリスタルレイク・キャンプ場の湖で死亡したとみられるジェイソン・ボーヒーズ。
しかし死んだと思われていた彼は…何故か右京たちの前に姿を現した。
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―――――
―――
ここで物語は一旦幕を閉じ…気が付くと右京、伊丹、三浦、芹沢、米沢の5人は何故か元のコテージに戻っていた。
右京「どうしてここに…確か僕たちは森の中にいたはずでは…」
米沢「それどころかこのコテージで亡くなったはずのビルやスチーブの遺体もその痕跡も何もありませんよ!」
伊丹「さっきパメラが壊したはずの窓まで元通りだ…」
三浦「まったく気味が悪いな…」
芹沢「一体これはどうなってるんですか!?」
全員がこの事態に困惑する中、右京がある事に気付く。
右京「そういえば…カイトくんがいませんね…どこへ行ったのでしょうか?」
芹沢「あれ?本当だ、おーいカイト!何処行ったー!?」
芹沢が呼んでみるも返事は無い、気になり外に出て探しに出ると再び人集りが…
その中の一人に右京を呼ぶ声が聞こえた。
「右京さん!」
右京が振り向くとそこにいた人物は…
とりあえずここまで
ネタバレしたくないため返事は出来ませんのでご承知ください、ゴメンなさい。
ていうか書き溜めていたらいつの間にか本文よりもレスの方が多くなるとは…
はやくやれ
エスタ-「私を一人の女性として扱った右京を[ピーーー]のは許さない!だから死んでジェイソン!」
亀山「フレディ相手なら霊感のある俺でしょ!」
神戸「僕の出番はなしですか・・・・」
このSSまとめへのコメント
これの続きはいつになったらくるんかね?
続きまだですか?