P「催眠ライト?」 (20)
P「『どんな相手も思うまま』ねぇ…… 怪しいサイトに怪しい商品、こんなの買う奴いるのかねぇ」カチカチ
数日後
オトドケモノデース
ハーイ ア、サインデイイスカ? ...ゴクロウサマデース
アリガトーゴザッシター ...ガチャリ
P「……まぁ、買うよね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414403496
事務所
P「さて、事務所に持ってきてしまったわけだが。本当に使えるのか? コレ」
朝一番の事務所には、まだ誰も来ていなかった。昨日届いたばかりのライトは、手にすっぽりと隠れてしまう程度のサイズであり、なにか特殊な力があるようには見えない。それでもどこかでワクワクしている自分が居るのは、ちょっとした非日常への憧れなのだろうか。
誰かに試してみたいな……
そう考えた瞬間、事務所のドアが開いた。
>>5「おはようございます」ガチャリ
雪歩
雪歩「おはようございますぅ」ガチャリ
P「おはよう、雪歩。今日は早いなぁ」
雪歩「もうすぐ舞台初日ですし、少しでも練習しないと。なかなか役の気持ちが掴めなくて……うぅ……自信ないですぅ……」
P「あぁ、『>>12』の舞台か。雪歩は>>15の役だよな」
ロミオとジュリエット
ジュリエット
P「『ロミオとジュリエット』のジュリエット役なんて、いかにも雪歩にピッタリじゃないか。どこがダメなんだ?」
雪歩「私、その……お、男の人を好きになったりとか、そういうのがよくわからなくって……『来週までに、恋する女の演技が出来ないなら、役を降ろす』って言われちゃって……うぅぅ……」
P「なんだって!? それはマズイな…… しかし、恋か……」
恋をしたことがない少女に、恋に命を懸ける女性の演技を、一週間で……
通常だったら、不可能に近い。
しかし、このライトがもし本物ならば、あるいは……
P「よし、雪歩。ちょっと、これを見てくれないか?」
雪歩「? なんですか? これ?」
……ピカッ!
雪歩「っ! …………」
P「雪歩……?」
ちゃちなライトから放たれた、赤い光。それを瞳に映した雪歩は
雪歩「……」
手をだらんと降ろし、焦点の合っていない虚ろな目は、まるで人形のようだ
P「まさか、……本物、なのか……?」
だらしなく半開きになった口の端から、ヨダレが床に一滴落ちた。
飯食ってきます。
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