俺「ときメモ2を全クリしたぜ」(18)
女「ときメモ2...ってなに?」
俺「お前、知らないのかよ。ときめきメモリアル2だ。一昔前に大流行したギャルゲーの元祖だよ」
女「ギャルゲー?」
俺「そっからか。ギャルゲーってのはまあ簡単に言えば恋愛シミュレーションができるゲームのこと」
女「恋愛シミュレーション!?」
俺「そうだ。ちなみに俺は八重さん派だ」
女「....そんなことしなくても私がいるのに」ボソッ
俺「ん?何か言ったか?」
女「なんでもない!!」
俺「そうか、んで話戻すけど全クリした感想を誰かに伝えたくてだな」
女「わざわざ私の家に来たと...」
俺「突然すまんな、最後に八重さんを残しておいたらとんでもない逸材だったから」
女「....」
俺「八重さんってのはこの娘だ。ピンク髪なのに大人っぽい雰囲気があるだろ?影を帯びていると言うか...それには理由があってだな」
女「....」
俺「まあこれを話すとネタバレになるからオブラートに包んで表現するとだな、八重さんは実は大きな悩みを抱えているんだ。その悩みを誰にも打ち明けられず一人で悩んでるがためにそんな風に見えてしまうわけだが...」
女「....」
俺「その悩みを解決できる唯一の人物が俺、主人公ってわけよ。最初は寡黙で中々打ち解けてくれなかった八重さんが心を開いてくれるシーンには涙を堪え切れなかったぜ」
女「...っによ」
俺「?どうした?」
女「何よ!そんなに八重さんが好きなら八重さんと結婚したらいいじゃない!」
俺「おい、どうしたんだよ。誰もそんな話してないだろ」
女「せっかく久しぶりに家に来るなんて言い出すから楽しみにしてたのに!」
女「来て早々ゲームの話!それはまだいつものことだから仕方が無いとしてもよりによって恋愛ゲームについて話に来るなんて!」
俺「....」
女「私のことバカにしてんの!?私だって...私だって...」
俺「....」
女「女の子...だもん...」
俺「...ごめん、泣かないでくれ」
女「泣いてなんか...ないし...」グスン
俺「すまなかった」
女「....」ボソッ
俺「え?ごめんもう一回」
女「...なでなでして」
俺「え...」
女「....」
俺「わ、分かったよ」ナデナデ
女「///」
俺「....」
女「ねぇ、俺は私のことどう思ってるの?」
俺「俺?俺は....うーん」
女「分かんないよね。私たち小さい頃からずっと一緒にいたし」
俺「うん....兄妹ってのとはちょっと違うとは思うけどさ」
女「...私はね」
俺「....」
女「ごめん、ここじゃなんだからちょっと外行こっか」
俺「外?いいけど今日寒いぜ」
女「私は暑いんだっつーの」ボソッ
俺「?」
俺「んで、何処行くんだ?雪降ってるから近場にしてくれよな」
女「それじゃ高校なんてどう?」
俺「まあいいけど。卒業して以来だな」
女「近くていいじゃん。まだ閉まってないだろうし」
俺「そうだな。んじゃ行くか」
女「うん!」
俺「懐かしいな。この坂を登るのも」
女「懐かしいってまだ一年も経ってないじゃん」
俺「いやー、ほら言ってみたくなるじゃんこういうの」
女「ふーん、分かんないや」
俺「着いたぞ。それじゃ、話の続きを聞かせてもらおうか」
女「うん、でもちょっと待ってね」
女「....」
女「よし!」
女「俺はさ、今日が何の日か覚えてる?」
俺「そりゃな。クリスマスだろ。だからこそ八重さんを攻略したんだ」
女「ときメモの話はいいの!もう!」
俺「ごめん...」
女「私はね、凄いドキドキしてたよ。だって俺がクリスマスに電話して来るんだもん。期待しない方がおかしいよ」
俺「何を期待してたんだ?」
女「それ本気で言ってる...?」
俺「....」
俺「本気か...?」
女「勿論。私はね、ずっと前から...」
俺「....」
女「ずっと前から俺のことが好きなの!いつからなんて分からなくなってるぐらいずっと前から!」
俺「ありがとう」
女「突然ごめんね。その、できたら返事聞かせて欲しいな」
俺「....」
俺「俺は正直言うと分からん。これが恋愛感情なのか友情なのかも」
女「そんな...」
俺「でも女と離れる未来なんて一度も考えたことはなかった。それが当たり前だと思っていたから」
女「!!」
俺「だから、もしこんな俺でいいと思えるなら」
女「....」
俺「これを受け取って欲しい」
女「何...これ」
俺「プレゼントだ。今はこんなのしか用意できないけど、五年待ってくれ」
俺「五年後には指輪を渡すよ」
女「....」
女「うん!絶対!!約束だからね!!」
俺「任せろ!!」
ゴーン ゴーン
俺「!!!!」
俺「伝説の鐘の音だ!!!」
女「伝説の鐘?」
俺「そう!告白した時にこの鐘が鳴るとそのカップルは永遠に幸せになるという伝説があるんだ!!」
女「それってもしかしてゲームの話...?」
俺「うっ...ごめん...つい興奮しちまった」
女「もう、でも嬉しいな。そんな伝説にあやかれるなんて」
俺「きっと神様からのクリスマスプレゼントだよ」
女「そうだといいな。あ、やばい涙が...止まらない...」
俺「それじゃ、帰るか」
女「うん、そうしよ」ギュッ
俺「!!」
女「えへへ///」
俺「手熱っ!」
女「もう!!バカ!!空気読みなさいよ!!」
俺「ご、ごめん...」
女「いいよ!その代わり今度どっか連れてってね!」
俺「わ、分かったよ」
おわり
終わりです。ありがとうございました。
ときメモ5を只管待ち続けています。
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