勇者「村の周りの敵が強すぎる」(87)
勇者「っしゃー!薬草は持った!装備も整えた!お弁当も持った!」
勇者「かかってこんかいモンスターどもぉ!」
れんごくちょうが現れた! ヘルクラウダーが現れた! プラチナゴーレムが現れた!
勇者「っしゃー!やってやんぞー!」バッ
勇者は竹槍(手作り)を突き出した
れんごくちょうは燃え盛る炎を吐いた
無残!竹槍は燃え尽きてしまった!
勇者「ああっ!竹槍改14号が!今回は力作だったのに!」
勇者「こうなりゃ拳でわからせるしかねえ!おりゃあああ!」ダダッ
勇者「っしゃー!上薬草は持った!装備も整えた!お弁当も持った!」
勇者「かかってこんかいモンスターどもぉ!」
にじくじゃくが現れた! 首長竜が現れた! アークデーモンが現れた!
勇者「っしゃー!やってやんぞー!」バッ
勇者は竹槍(職人による手作り)を突き出した
首長竜は噛み付いてきた。哀れ!竹槍は真ん中から折れてしまった!
勇者「ああっ!オーダーメイドで二ヶ月かかったのに!」
勇者「こうなりゃ拳でわからせるしかねえ!おりゃあああ!」ダダッ
勇者「っしゃー!特薬草は持った!装備も錬金した!重箱弁当も持った!」
勇者「かかってこんかいモンスターどもぉ!」
グレイトマーマンが現れた! メガザルロックが現れた! ナイトリッチが現れた!
勇者「っしゃー!やってやんぞー!」バッ
勇者は竹槍(京都産マダケを使用)を突き出した
ナイトリッチは横一文字に勇者に斬りかかった!とっさに竹槍で防ぐ勇者、しまった!竹槍は粉々になった!
勇者「ああっ!わざわざジパングから輸入してきたのに!」
勇者「こうなりゃ拳でわからせるしかねえ!おりゃあああ!」ダダッ
村娘(…今日で勇者様が死んで75回目…)
村娘(15歳で外に出てから今日が勇者様の19歳の誕生日、四年間も勇者様は外の世界を夢見ています)
村娘(しかし周りの敵は魔王の城が近いせいか強く、lv1の勇者様では到底敵わないのです)
村娘(私がなんとか勇者様を助けれないか…そう思ってずっと魔法の勉強をこっそりしてきました)
村娘(そして今日こそ勇者様のお供をすべく、こうやって家の前で待っています)
勇者「あー負けた!畜生!次は竹槍を鋳造するぞ!そうと決まればまずは砂型作りだ!」
村娘「あ、あの、勇者s」
村娘「…行っちゃいました」
勇者「っしゃー!万能薬は持った!装備もついでに鋳造した!料亭のフルコース弁当も持った!」
勇者「かかってこんかいモンスターどもぉ!」
グレイトドラゴンが現れた! れんごくまちょうが現れた! キングスライムsが現れた!
勇者「っしゃー!やってやんぞー!」バッ
勇者は竹槍(鋳造)を突き出した
グレイトドラゴンは翼をふるった。何という事だ!竹槍は真ん中が溶けてしまった
勇者「あっちぃ!くそ、すが立ってたのか…!」
勇者「こうなりゃ拳でわからせるしかねえ!おりゃああああ!」
村娘「っは!」ピキーン
村長「む、どうした娘よ」
村娘(勇者様が危ない気がする…!)
村娘「お父様、ちょっと出かけてきます!」ダッ
村長「娘や!どこにいくんじゃ!娘ー!」
勇者「ははっ…今日も負けるのか、これで何回目だろな」
勇者「さあモンスターども!殺すなら殺せ!貴様達がした仕打ちはこの勇者、何倍にしても返してくれるぞ!」
グレイトドラゴンは燃え盛る火炎を吐いた!辺りは火の海になる
勇者「今日は焼肉になるのか………って熱くない!?」
村娘「はあ…はあ…なんとか間に合いましたね!」
勇者「君は確か…村長の娘の」
村娘「はい、村娘です。それより勇者様、フバーハもあまり長くは持たないのでお逃げになって!」
勇者「うう…そうはいっても体が動かないんだ」
村娘「ホイミ!」パアァ
村娘「修行中の身ゆえ、あまり高度な呪文はできないのですが…応急処置には十分かと」
勇者「よっしゃー!やってやんぞモンスターどもぉ!」バッ
村娘「!?」
モンスターの群れ「!?」
勇者「一度は死んだ身…無駄にはしねえ!この拳でお前らをぶちのめす!」ダダダッ
勇者「うおおおおおおおおおお!」
勇者母「…で、返り討ちに会ったと」
勇者「ごヴぇんばばい…」ボロッ
勇者母「あんたはいいけどさ、村娘ちゃんにも迷惑かけてどうするのよ!」
村娘「あ、いえお母さん。私が勝手にしたことなんで…」
勇者母「そうはいってもねえ…ごめんねこんな馬鹿のおかげで」
勇者「ばヴぁとヴぁばんばばヴぁとヴぁ」
勇者母「とにかく今日はもう帰りなさい。村長さんには私がよーく言っといてあげるから」
村娘「はい、ありがとうございました」ペコリ
村娘(はあ…まさかあそこで逃げずに反撃しにいくとは、勇者様っぽいといえばそうなんですが)
村娘(自分の命が惜しくないのかしら…)
村娘「た、ただいま帰りましたー…」ソーッ
村長「娘!どこに行ってたんだ!とっくに門限は過ぎてるぞ!」
村娘「あ、その、まあ色々あって…ごめんなさい!」
村長「外は危険だというのに…一ヶ月間屋敷から出るのは禁止だ!」
村娘「そ、そんな!それだとゆうs…」
村長「ん?勇者?」
村娘「いえ、何でもありません!おやすみなさい!」
バタン
村長「…勇者か」
村娘「今日で外出禁止令が出て一週間」
村娘「外に出れないのはいいのだけれども勇者様のお役に立てないのが辛い…」
村娘「暇すぎるから毎日魔法の練習しかする事ないし…」
村娘「はあ…憂鬱ね…」
勇者「よしっ、出来た!リサイクル精神から完成した究極の一品だぜ!」
勇者「次こそ叩きのめしてやるからなモンスターども!」
勇者「っしゃー!特万能薬は持った!装備も新調した!デパチカのセール弁当も持った!」
勇者「かかってこんかいモンスターどもぉ!」
ガルーダが現れた! ローズバトラーが現れた!
勇者「む、今回は少ないな!チャンス!今度こそやってやんぞー!」バッ
勇者は竹槍(溶接)を突き出した
ローズバトラーは無数の蔓を放ってきた。危ない!勇者の体は蔓に巻きつかれてしまった!
勇者「くそっ!離せ花野郎!離せってんだよ!」ジタバタ
村娘「っは!」ピキーン
村娘「勇者様が危ない!」
村娘「でも屋敷から外には出れないし…そうだ!」
村娘「さっき本で読んだ呪文、成功するかどうか…」
村娘(移動する対象を強く念じて…念じて…)
村娘「ルーラ!」ビューーン
勇者(く、段々巻きつく力が強く!)ギチギチ
勇者(今回もここで終わりか……幻覚かなんだか人の声まで…)
村娘「勇者様ー!」ビューン
勇者「…!?人が飛んできた!?」
村娘「あいつね!はぁ~~…メラミ!」
村娘の手から二つの火球が放たれる。そのまま勇者を掴んでいた蔓に命中、蔓は灰と化した
勇者「いてっ!」ドシン
村娘「ベホイミ!」パァー
勇者「おお、完全復活だ!お返しだモンスターどもぉ!」ダダッ
勇者母「…で返り討ちと」
勇者「で、でも今回は村娘のルーラでこの前より怪我はまsふぶぅ!?」ビターン
勇者母「こんの馬鹿息子が!なんで二回も村娘ちゃんに迷惑かけてるのよ!」ビターン
勇者「ちょ、痛、わき腹、だめわき腹、いてえ!」ビターン
村娘(…なんてハードなの!)ハァハァ
村娘(はっ、私ったら何考えて…)ブンブン
勇者母「とにかく村長さんに謝ってきなさい!今すぐに!」
勇者「ヴぁい…」ボロッ
村娘(まずい、今お父様の所になんて行ったら…)
勇者「はあ…分かったよ。ちょっと行ってくる」
勇者母「くれぐれも粗相のないようにね!」
バタン
勇者「あーあ、君の父さん怖いからなー」
村娘「まあ確かにうちのお父様は厳しいですね」
勇者「よく壁に落書きしたり庭の柿取ったりしてたわ。懐かしい」
村娘(…あのころはまさかこの人が勇者様だなんて正直思ってませんでした)
勇者「こんな俺でも勇者になれるなんてな。まったく安い世の中になったもんだ」
村娘「この村はさほど被害は受けてないですけど…前もリブリードの街が魔王軍に壊滅させされましたもんね」
勇者「あいつは…魔王は絶対に許せない存在なんだ。だから俺は絶対に魔王を倒すと誓ったんだ!」
村娘「まずはこの村の周りから抜け出す必要がありますけどね」
勇者「そうなんだよなあ…徒歩20分の位置に魔王城があるせいで…」
村娘「通学にはいい感じの立地条件ですね」
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勇者「うおおおおおお!」ズシャッ
モンスター「ぐおお!?」ブシュー ドサッ
勇者「はぁ…はぁ…これで12体目…きりがないな」
村娘「私のmpもそろそろ限界が近いですね。ベホイミ!」パァー
勇者「ふうー…しかし本当にすまない村娘よ。こんなことに巻き込んでしまって」
村娘「いえ、悪いのはお父様なのですから…」
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村長「今後一切勇者はこの村への出入りを禁ずる!」
村娘「えっ!?そんな、なぜ!」
村長「お前はわしの可愛い娘を勝手に連れ出したばかりか娘を危険に晒し寄った!」
村長「お前は前からどこか変だとは思っていたがまさか娘にまで手を出す下郎とは思わなかったぞ!」
村娘「言いすぎよお父さん!それにこれは私が勝手について行っただけだから勇者様は何も関係ないわ!」
村長「黙れ娘よ!わしはお前のためを思って言っておるのだ、口を挟むんじゃない!」
村長「とにかくお前は即刻この村から出て行け!どこか異国の地でも行って野たれ死ぬがいい!」
村娘「お父さん!もうやめて!」バンッ
村長「うるさい!お前は黙っていろ!これは男と男の話だ、女が口出しするんじゃない!部屋にでも帰っておれ!」
村娘「…ああわかったわ!おとなしく部屋で寝ることにでもするわよ!」バタンッ
村長「まったく…困った奴だ。これも全てはお前の原因だからな。さあ出て行け!
勇者「…はい」
ギィッ バタン
村長「まったく…最近の若い者はどいつもこいつも。大人の言うとおりにしてれば幸せなものを…」
村長「…娘よ、入っていいか?」コンコン
村長「返事がないけど入るぞ」ガチャリ
村長「今日の事はお前にとってはショックだっただろう。ふて寝するのも分かる」
村長「だが全てはお前のためを思っての事なんだ。悪く思うな。…娘?」ユサユサ
村長「…!!これは人形!?」
勇者「はあ…村を追い出されてしまった…」
勇者「行くあてもないしあってもそこまでたどり着けない。八方塞がりだな色んな意味で」
勇者「とりあえず夜も更けたし寝るか、丁度いい木のほらあながある」ゴソゴソ
勇者「魔物避けの聖水を撒いて…おやすみ…」
勇者「ふあぁ…朝か。久しぶりに地面で寝たらしんどいな…」ムクリ
村娘「あら勇者さんおはようございます、朝ごはんは用意できてますよ。これ眠気覚ましの薬草茶です」
勇者「ありがとう村娘。……あちちっ、この苦味が効くんだよなあ!」
村娘「気に入ってくださって嬉しいです。あ、トヘロスかけておいたので外出ても大丈夫ですよ」
勇者「いやあ気が利くなあ。うーん朝日が眩しい!」
村娘「さあ朝ごはんが出来ましたよ。冷めない内に頂きましょう」
勇者「そうだな、いただきます!」
勇者「うん美味い!このオニオンスープもライ麦パンも…このジャムは?」
村娘「自家製の杏ジャムです。ちょっと苦かったですか?」
勇者「いやいや、このくらいで丁度dぶふううぅぅぅ!?」
村娘「ゆ、勇者さん!大丈夫ですか?」
勇者「な、なんで村娘ここにいんの!?」
村娘「なんでって…私は勇者さんのサポートをしたくて…」
勇者「え、ここまでどうやってきたの?」
村娘「えっと、ルーラでびゅーんとひとっとびで」
勇者「ああーなるほどー……って納得してる場合じゃない!」
勇者「親は?あの怖いお父さんをどうやって説得したの?」
村娘「お父さん、いいえ村長とはもう縁を切りました」
勇者「あー…詳しくは聞かないことにするよ」
村娘「そういう事にしといてください。で、これからどうします?」
勇者「どうするってなあ…行くあてはなし、目的もなし、何もなし…」
村娘「じゃあとりあえず魔王城視察しに行きません?今丁度一般解放してるみたいですし」
勇者「いいね。今日は魔王城に行こう!」
勇者「やっぱし間近に見ると違うなー。こう…威圧感っての?」
村娘「ですねー。今にも襲い掛かってきそうですねー」
スライムベス「はい、こちら一般解放の受付でーす。魔王討伐に来た方々は右の受付にお進みくださーい」
村娘「すいません。一般解放に二人」
スライムベス「えっと、二人は何歳ですか?」
村娘「私は19です」
勇者「同じく19だが」
スライムベス「では大人料金ですね。合わせて200g頂きます」
勇者「村娘よ。俺は20gしか」
村娘「あ、ここは私が払っときますよ」チャリン
勇者「すまない…」
スライムベス「はい確かに。この許可証を首にかけておいてください、かけてる間は仲間達も襲ってこないんで」
二人はそのまま長い廊下をひたすら歩く
勇者「結構色んな人が来てるんだな」
村娘「まあ興味半分ってとこでしょうね。後はまあ敵状視察ってとこでしょうか」
勇者「それにしても…さっきからいい匂いが漂ってきて…」
村娘「あ、ほら勇者さん。あそこ大広間って書いてますよ」
勇者「うーん、どうやら匂いもあそこからみたいだな…よしっ!」ダダッ
村娘「あ、勇者さん!急に走っちゃ…」
さまよう鎧「はーい城内では走らないでくださーい」
村娘「もー勇者さん…うわ、凄い!」
そこには東京ドーム5個分は裕にあろうかという空間が広がっていた。所狭しと屋台が並んでいる
勇者「あ、村娘!早く早く!」ブンブン
村娘「あ、勇者さんもうそんなに買い込んで…さっき朝ごはん食べたばっかじゃないですか」
勇者「いや、それが猛烈に腹が減ってて…、まあこんないい匂いさせてるから当たり前っちゃ当たり前かな!」
村娘「もう…、でも私もちょっと…」グゥー
勇者「あっちの方見に行こうぜ!まだまだたくさん屋台がありそうだからよ!」
村娘(もう勇者さんったら子供みたいに…可愛い所もあるんですね)クスッ
勇者「げぇーっぷ…結構食べたな…」ヨロヨロ
村娘「ですね…私ももうお腹一杯です…。あ、あそこに仮眠室がありますよ」
勇者「本当だ…ちょっと横になろう…」ヨロヨロ
勇者「はー涼しい!クーラーがいい感じに効いてて…」
村娘「ご丁重に枕と毛布も用意されてますよ。ちょっと一眠りしましょう」
勇者「そうだな、急に眠気が…」ゴロン
村娘「ふあぁー…おやすみなさい…」
魔王「…城内の様子はどうだ?」
側近「はっ、一般入場組の85%が眠りについています」
魔王「ふむ…もうそろそろ計画を始動する頃だな」
側近「ようやくこの日が来ましたね」
魔王「長い年月をかけた…その成果が報われる時が来た…!」
魔王・側近「ふふふふふ……ははははははは!!」
勇者「…?誰だよ高笑いなんてしてる奴は…」
勇者「おっと、結構寝てたみたいだな。もう夕日が差し込んでら」
勇者「ほら村娘、そろそろ帰ろう」ユサユサ
村娘「うーん…もうそんな時間ですか…」
村娘「いつのまにか片付けられていますね」スタスタ
二人はすっかり人気のなくなった廊下を歩いていた
勇者「そうだな…そういえばまだ仮眠室に人残ってたけどほっといてよかったのかな」
村娘「その内起きるでしょう。…そういえばここ魔王城でしたっけ」
勇者「置きっ放しはさすがに駄目なんじゃ…まあいいか!」
村娘「…?勇者さん、ちょっと来て下さい。ほらこの扉」クイックイッ
勇者「本当だ、ちょっと開いてるな。どれどれ中の様子はっと」ギィー
村娘「えっ、さすがにそこまでしたら怒られますよ…」
勇者「いやほら、魔王城なんて入る機会なんてないじゃん。ちょっと探検だよ探検!」スタスタ
村娘「あ、もう…考えもなしに行動して……待ってください勇者さんー!」タタッ
ギィーー バタン
村娘「けっこう奥まで来ましたね…」
勇者「おまけに暗いな、足元が見えん…。ん?何か声が聞こえないか?」
村娘「えーっと…あそこの部屋からじゃないですか?」
勇者「ふむ、ちょっと失礼して…」ギィー
ぶちスライム「エネルギー充填率80%、出力安定」
側近「いよいよですね!魔王様!」
魔王「ああ、この広範囲型強制女体化電磁波装置の威力が拝める日が来た!」
側近「これで全人類の男を女にし、力が弱まっている所に一斉に攻め込む!」
魔王「我ながら完璧な作戦よ…!ふははははは!」
村娘(大変だ!そんな計画が秘密裏に進められてたなんて…)
村娘「勇者さん!…って勇者さん?」
勇者「やいお前達!悪巧みもそこまでだ!」ババーン
村娘(ああ!なぜそこで真正面からぶつかりに行くんですか!)
スライムナイト「なんだてめえは!」
さまよう鎧「魔王様の計画の邪魔しようってのか!」
死霊の騎士「ぶちのめすぞおらぁ!」
村娘(結構柄悪いのね…ってそんな場合じゃ!)ダダッ
村娘「勇者さん!援護します!」
側近「どうしましょう魔王様!人間が二人も!」
魔王様「慌てるな側近よ。すでに発射準備は整ってある…」
魔王『ぶちスライムよ。ボタンを押すのだ!』
勇者「そうはさせん!」ダッ
勇者「あ!コードに引っかかった!」グイッ
勇者「うわああああああああ!?」バババババ
村娘「ああ!勇者さんがコードに引っかかったことにより装置が傾き丁度発射された電磁波が勇者さんに!」
ぶちスライム「あわわ…僕知らないよ!」ピョンッ
勇者「あばばばばばば」
村娘「勇者さーん!」
勇者「…うーん、ここは…」
村娘「あ、勇者さん!気がつきましたね!」
村娘「勇者さんいきなり訳分からない光線浴びて倒れて…ここまで運んでくるの大変なんでしたからね?」
勇者「そうか…ありがとう村娘。何はともあれここを動かなければ…」
村娘「勇者さん、声変わりしました?何かいつもより高いような」
勇者「そうか?俺は何にも感じないんだが」
村娘「ならいいんですけど…」
村娘「ふう…大分魔王城から離れましたね」
勇者「はあ…はあ…そうだな…」
村娘「…勇者さん、大分疲れてるようですけど大丈夫ですか?」
勇者「いや、なぜか武器がいつもより重く感じてな…心なしか体力も前より落ちたみたいで」
村娘(武器って…その竹槍はそんなに重いものなんでしょうか?)
勇者「あーもう駄目だ!今日はここで野宿!」
側近「魔王様、勇者のことなんですが…あのまま城から逃がしてよかったのですか?」
魔王「ふふ…実はあの電磁波はすぐには効かんのだよ」
側近「ええ!」
魔王「ジワジワと…大体3週間ほどで女体化する」
側近「しかしそれだと…」
魔王「うむ、意味が無いのではと言うのだろ?そこも作戦の内よ」
魔王「徐々に女体化していく、つまり力など肉体的精神的なものが徐々に衰えていくのだ」
魔王「そして人間は弱体化の一途、遅効性だから自分が気づかないうちに女になっていく…」
側近「そして混乱の域にいる人間共を…」
魔王「根絶やしだ」グッ
魔王様「悪ですね、魔王様!」
側近「側近、お主もな」
「「ふふふふふ…」」
勇者「ハックシュン!うー…」
村娘「おや勇者さん、風邪ですか?」
勇者「いや、大方誰かが噂してるんだろ…」
村娘「もう夜も更けてきましたしそろそろ寝ましょう」
勇者「そうだな、まだ旅は長いし…」
村娘「…勇者さん」
勇者「ん?」
村娘「私達って何で旅してるんでしたっけ?」
勇者「そういわれてみれば…なんでだろ」
村娘「なかば家出同然で出て来ましたからねー」
勇者「そうだな…まあ最終目的は魔王を倒す事なんだろうけど」
村娘「でもまだこの辺りの魔物はまともに倒せないのに魔王討伐なんて…」
勇者「まずは南に下るか。魔物が弱い地域に行けばlvも上がるだろう」
勇者「よし、決まりだ。そうと決まれば明日は早く出よう!おやすみー」ゴソゴソ
村娘「私も寝ましょう。お休みなさい勇者さん…」ゴソゴソ
村娘「うーん…今日は珍しく暗いうちに起きれましたね」
村娘「さて、朝食の準備でも…きゃあ!」ツルッ ムニッ
勇者「うぼぁ!」
村娘「ああごめんなさい勇者さん!つまずいてしまって…ムニッ?」
勇者「まったく気をつけてくれよ…朝っぱらからって村娘!なぜ俺の胸をまさぐる!」
村娘「いえ、ちょっと確かめたいことが…えいっ」ムニン
村娘「………えええええええ!?」
勇者「なんだよ村娘、そんなに俺の胸が変な…」ムニン
勇者「……ええええええええ!?」
勇者「よし…落ち着いたな。まず状況を整理しよう」
勇者「俺はなぜか胸…つまりおっぱいが出てしまい…出て…」プルプル
村娘「勇者さん落ち着いてください!別に胸が出ても勇者さんは勇者さんですから!」
勇者「でもさ!でも男でおっぱいって…おっぱいって…」グスン
村娘「でも勇者さんはどちらかと言えば中性的な顔ですし…まあこれはこれで」
勇者「よくねえよ!」
勇者「ああ…参ったなあこれ」プルン
勇者「なんか服もキツくなってるし…最悪だぁ」
村娘「…うらやましい」ボソリ
勇者「え?」
村娘「いえ、とりあえずどこかの村でも行って装備を新調しましょうって」
勇者「ああ…そうだな、ところで俺の気のせいでなければうらやましいって聞こえ」
村娘「いいんです!そんな脂肪の塊なんぞ羨ましいわけないじゃないですか!」
勇者「あー分かった、まあ落ち着け」
村娘「ふんっ!」
------近くの村
防具屋店員「はいいらっしゃいませー。今日はどのようなご用件で?」
村娘「あ、はい。ちょっと防具の見立てをしたくて。さあ勇者さん」
勇者「うー…でも…恥ずかしいよ…」
村娘「何言ってるんですか、今更恥ずかしがっても仕方ありませんよ」
防具屋店員「ははは、頼りになる妹さんだねえ。お姉ちゃんももっとしっかりしなきゃ駄目だよ?」
村娘「なっ、妹って…」
勇者「あ…姉…」
暫く休憩
村娘「わー勇者さんとっても似合ってます!」
勇者「そ、そうかな…これどっちかというと女物の服なんだけど…」
防具屋店員「ははは、仲がいい姉妹だねえ。仲が良いのはいいことだよ」
「ありがとうございましたー」
村娘「さて、とりあえず防具はどうにかなりましたが」
勇者「問題はこれからだ」
勇者「そもそもなぜ俺は胸がでかくなってしまったのか、まずはそこからだな」
村娘「うーん、思い当たる事と言えば…?」
勇者・村娘「あの謎の電磁波!」
勇者「しかし…今更あの城に行った所でって感じだし」
村娘「何かしら手がかりはあるかもしれないじゃないですか!」
勇者「でもなあ…うーん」
村娘「あーもう何をウジウジしてるんですか!私を萌え殺す気ですか!」
勇者「え?」
村娘「とにかくもう一度行ってみましょうよ。次は堂々とは入れませんがね」
勇者「ちょ、ちょっと待って!」
村娘「何ですかまた!そんなに引き止めて私を放したくないんですか!」
勇者「いや、それはない」
勇者「仮に潜入したとするじゃん」
村娘「はい、まあ難しいでしょうが」
勇者「で、手がかりを見つけたとするじゃん」
村娘「スムーズに行くといいですね。では早速出発」
勇者「ちょ、まだ話終わってない!…でもさ、あんな装置を魔物共だけで作ったと思える?」
村娘「つまりどういうことで?」
勇者「あんな高度な技術を持った装置を作るには強大な魔力が必要なんだ。つまりすぐ近くに…」
魔王「私がいるというわけだな」
勇者「そうそう、お前がいるんだよ」
勇者「!!??」ガタタッ
魔王「あーお嬢さん、ダージリンを淹れてくれるかね?砂糖は二杯で」
村娘「はーい、勇者さんはどうしますか?」
勇者「あ、じゃあ僕もそれで。砂糖とミルクたっぷりで」
魔王「ふむ、意外と甘党なんだな」
村娘「はいどうぞー」コトリ
魔王「ありがとう。…ふむ、やはり紅茶はこれに限るな」ズズッ
勇者「じゃあ僕も飲もうかな………ブフォォ!」
魔王「おや、どうしたというのだ勇者。むせたか?」
勇者「なんでここに魔王がいるんだよ!」
村娘「あーもう、勇者さん宿屋の床汚しちゃ駄目じゃないですか…よいしょ」フキフキ
魔王「大丈夫だお嬢さん、ちょちょいのちょいっと」サァー
村娘「染みが瞬間で綺麗になった!」
魔王「まあこれくらいは出来ないとな。わし仮にも魔王だし」
村娘「あれ?勇者さんどこいきました?」
勇者「うーん…」
村娘「…気絶している」
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