暑い季節も終わり
段々と寒くなり始めるころ
涼しい風が吹く日々の中で、私の生活は変わった
それは、ある日の出来事
「えっ?」
「………」
私はある人物から想いを込めた言葉を贈られた
まるで、告白どうぜんのように
告白など生まれてから一度もされた事はなく、私はじっと相手の目を見つめた
……動揺……
それは、初めての体験だったから……?
いや……
そうじゃないわ
相手が、女性だったから
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「萩原…さん?」
モジモジと手を動かしていたその女性は、意を決したように自分の手を握りしめた
「…好きです」
その時の一言が、今でも私のなかで響いてる
私にそういう類のものは無い
女性と交際関係になるなんて
決して…そんなことは
でも、私は頷いてしまった
目の前の女性の目に、私の身体が動揺してしまった
一瞬だけ、その女性の顔に見惚れてしまった
私のなかで、何かが変わってしまった
私は扉を開けて、家の中の玄関へと入る
中に入ると、奥から足音が近づいてきて私に言う
「待ってたよ」
「…ええ」
その女性……いえ、萩原さんは私の手を握ると、頬に顔を近づけてきた
「……んっ」
「!……はぎわ…」
いまだに…慣れない
「えへへ…寒かったでしょ? 肌冷たいよ」
そう言って微笑む顔に、
私はどこに目を向ければいいのかわからず、下に目を向けた
「それじゃあ…私の部屋に」
「…ええ」
私は言われるがままに手を引っ張られ、部屋へと案内される
手を握られたままで…
私の手が痺れて、体の中で鼓動がなる
P「っと、これはやべぇな」
千早「私、どうすればいいか分からず」
P「どうすればって…こうやるんだよっ!」
千早「っ…ち…プロデューサー…!?」
P「あぁ…いいぜ」パンパンパンッ
千早「…アッ……く…アっ……」
P「さぁいくぞ、奥に…ふんっ」
千早「アッ!………くっ…」
「…どうぞ」
「失礼するわね」
部屋に入ると、中はいかにも女性らしい造りになっていた
ピンク色のカーペットに、白い小さなテーブル
ベッドの横にぬいぐるみ…
ざっと見るだけでも、とても手入れがされているのが分かる
私の部屋とは全然違う
これが…萩原さんの部屋
私は気づかれないように部屋のあちこちに目をやりながら、用意されていた座布団に腰を下ろした
「はい…」
「ありがとう…萩原さん」
私は出されたお茶を手に持つと、そのまま口に運ぶ
……ちょうど喉も渇いていたから
ひとくち…ふたくち喉に入れてから、テーブルに置いた
「…おいしいわ」
「えへへ」
微笑む萩原さんの顔を見るのが恥ずかしくて、私は顔を伏せる
…どうして、こんなに動揺してるのかしら
萩原さんの家に来てから、なんとなく落ちつかない
二人だけのこの部屋が、時間が止まっているかのように静かで、胸が苦しい
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