キノ「安価の国?」 (40)

どこまでも続くという言葉が似合いそうな緑の道。そこを一台のモトラド(二輪車、空を飛ばない物だけを指す)が走っていた
上に乗る一五、六歳の髪の短い人間は眠気に負けそうになりながらまぶたをひらいたりとじたりを繰り返している

エルメス「ちょっとキノ、こけないでよね、この道にはワックスも新しい塗装材も落ちてないんだよ?」

キノ「解ってるよエルメス、ただちょっとドリフトの練習をしていただけさ」

エルメス「どちらにしても止めて欲しい事には変わりはないけどね」

キノ「まあ、どんな練習がどんな風にやくだつかは解らない、きっとこれもやくにたつ」

エルメス「なるほど、備えあったら売り物ほしいってことだね?」

キノ「……備えあれば憂いなし?」

エルメス「そうそれ、あ、そうだ、キノに聞きたかったんだけどさ」

キノ「なんだい?」

ついでにエルメスはたずねる

エルメス「今から行く国はどんな国なんだい?」

キノはニヤリと笑って言った

キノ「聞いて驚け、今から行く国は>>4の国さ」

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修羅

エルメス「修羅の国?」

エルメスが聞き返すとキノは無表情に

キノ「そう、修羅の国」

と返した

エルメス「それはそれは、かなり危険そうな所だね」

キノ「それがねエルメス、実はその国はかなり平和らしい」

エルメス「へー……ところでキノは修羅ってなんなのか知ってる?」

キノ「知らない」

エルメスはため息をついて(実際にはため息は出ないので代わりにマフラーからガスを出して)

エルメス「いいかいキノ? 修羅っていうのは阿修羅っていう戦いの神様のことなんだ」

キノ「へえ」

エルメス「そんな名前のついた国なのに平和っていうのはおかしい! どうみても罠だ!」

キノ「つまり?」

エルメス「今からでも間に合う! 引き換えそう!」

キノ「却下」

エルメス「ええー……嫌だなあ……」

キノ「エルメスが嫌なのは、修羅の国じゃないだろう?」

キノはそういうと前を見た
前は沼地になっていた

キノとエルメスは泥だらけになりながら沼地を走った
途中食べられる生き物を多く見つけたため、いくらかを取ってモドラドにぶら下げて干物にした
結局、キノが沼地を抜けることが出来たのは夕方過ぎだった

エルメス「ああもう、身体中泥まみれだよ! これは国についたら真っ先に洗車してもらわなきゃダメだね!」

ボディにかなり土をつけてエルメスがいう、するとキノも

キノ「そうだね、僕も流石にシャワーを浴びたい」

と言った


エルメス「それでキノ、洗車もシャワーも出来る素敵で平和な修羅の国は何処にあるのさ」

キノ「確かこの沼を越えたらすぐに………………あれ?」

キノが前を見る

エルメス「…………ねえキノ」

キノ「………………なんだいエルメス」

エルメス「確か、修羅の国は平和な優しい国だったね?」

キノ「うん、確かにそう聞いたよ」

エルメス「じゃあ、あれはなに?」

キノ「解らない、とりあえず……」

キノ「洗車は出来そうにない」

エルメス「了解」

キノはもう一度前を見た
そこには、バラバラに砕け散った元城壁があった

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