艦これss初チャレンジ!です。
諸注意
*矢矧をメインにしたい、です!
*オリジナル(笑)設定多々有り
*鬱、グロ、轟沈等有り
*エロは未定
*安価も未定
これら全て、嫌いじゃないわ!
という方のみどうぞ宜しくお願いします。
尚、上の特撮ネタは本編には関係がありません……!
誤字脱字等ありましたらそちらも教えて頂けると嬉しいです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413318048
――悪い夢、だと思った。
そう思わずにはいられなかった。
「助けて、たすけ、ぇ、ぁ、ぁあああ!!!」
聞こえるのは悲鳴と嘲笑。
「ハハハ。ウデガチギレタゾ」
視界に映るのは仲間が玩具の様に嬲られる姿ばかり。
「いやだ、死にたくない、死にたぐ、がっ、あ、あ、ああぁ……」
ある者は腕を千切られ、ある者は頭を鷲掴みにされ砲口を口内へと突っ込まれている。
「オマエタチハホントウニヨワイ。ヨワイ、ヨワイ……」
そうだ……。私達は弱い。
弱いから負けた。
弱いから今までだって負け続けた。
弱いから仲間がこんな悲惨な目に遭う。
弱いから目の前で姉妹が二人も殺された。
弱いから私自身も両腕を折られ片目を抉られた。
弱いから、弱いから、弱いから……
敵に首を捕まれ持ち上げられ、全く力の入らない腕がだらんと下に落ちる。
僅かに片目を開けて見れば愉しげに嗤う深海棲艦の顔が映った。
抵抗する力はない。気力だって残ってはいない。
首を掴む力が徐々に強くなっていくのを感じ、私は全てを諦め落ちていく意識と共に目を閉じようとした――
その時だった。
「――戦闘、開始」
悪夢の中で
静かに響く人間の声が聞こえて。
私はその意識を手放した。
――
―――
……話し声が聞こえる。
ゆっくりと覚醒していく意識の中で、私は知らない声を聞いていた。
「だから、俺は知らんとさっきから言ってるだろ?」
「分かりました。そういう事にしておきます」
「うん絶対分かってないよねお前。それは納得した目じゃない」
「ちっ」
「おう露骨な舌打ちやめーや。上官だぞ俺」
「はぁすみませんでした。では、提督が使えないので皆に聞いてきますね」
「お前は俺を貶さないとまともに会話出来ねーの?……ったく」
なんだか言い争っていたみたいだけど……。
目を少し開けば以前よりも狭くなった視界に白い部屋と人間の男の姿が映った。
……どうやら私は、生きているようだ。
「お。気がついたか」
「……此処は何処」
「鎮守府の病室だ」
「鎮守府?」
「ああ。俺達人間とお前達艦娘が協力する為に作られた」
「……そう」
人間と艦娘が協力?
色々と聞きたい事はあったが、それよりも前に聞かなければいけない事があった事を思いだす。
「ッ、阿賀野姉さんは無事なの!?」
「あ、ああ……。……生きてるよ」
「……生きてる?」
その返事に、違和感を感じた。
「あいつは一番傷が浅かったんだが、心がやられてた」
「え……?」
「意識はあるんだが会話が殆ど成り立たない」
「そんな……うそよ……」
嘘だと言って欲しかった。
生きていてくれた事を素直に喜ぶべきなのに、私にはどうしてもそう思う事が出来なかった。
「……俺はもう行くが、その前に一つだけ伝えておく」
「……」
「勝手は承知で君のその眼には義眼を入れさせて貰った。嫌なら外すなり捨てるなりしてくれ」
そう言って彼はこの部屋から出て行った。
正直、今は失った自分の眼よりも姉さんや、仲間のことで頭がいっぱいで……。
「う、うぅ……っ」
気がつけば私は泣いていて。
涙が止まった頃には
もう一度、深い眠りへとついていたのだった。
――
―――
次に目を覚ますと今度は知らない子がいて
もう動けるだろうから、と一緒に司令室という場所まで向かった。
恐らく、この子はあの人間と言い争っていた子なんだろうな、と声を聞いて分かった。
「提督。夕張です。矢矧さんを連れてきました」
「入れ」
扉を開けてもらい中へ入るとそこにはこの前会った人間が一人。
相変わらず白い服があまり似合っていない、と思えるぐらいには私もこの前と比べて気が落ち着いていた。
「目が覚めて早々すまないな」
「いえ、構わないわ」
「そうか。では、先ずは自己紹介からしよう」
この声……。
一度目が覚めて話した時は気がつかなかったが、やはりあの海で最後に耳にした声だ。
「私はこの鎮守府で艦娘の指揮を担当している提督だ」
「提督でも司令官でも、好きなように呼んでくれ」
指揮……?
人間が艦娘の指揮、なんて。
「……質問には後で答える。君にとってはまだまだ分からない事だらけだろうからな」
「そう、ね。分かったわ」
「ああ。では、君の名を聞かせてくれ」
「阿賀野型……っ、軽巡の三番艦、矢矧よ」
ただ自分の名を名乗っただけなのに。
それなのに、どうしても姉妹のことが頭に浮かんで言葉に少し詰まってしまう。
「では、矢矧」
「……なにかしら」
提督、と名乗った男にいきなり呼び捨てにされた事は言及せず
此方も相手の次の言葉を待つように冷静に答える。
「君にはこの鎮守府で私と共に、戦って欲しい」
この時。
私は、は?だとか、え?だとか、とにかく疑問符をそれはもう沢山浮かべて戸惑ったのだが。
結局。
その後いつの間にか男の隣へ移動していた夕張に詳しく説明された後に
私はこの鎮守府に居座ることとなるのであった――。
取り合えず今日はここまで。
基本的に時間不定期の毎日更新ですが無理な時は事前にお伝えします。
このssを通じて矢矧やその他登場キャラを好きになって頂ければ幸いです。
ちなみに私の秘書艦は夕張です。
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