関裕美「Marry Me」 (35)
モバP「裕美ーーっ!!!」バーン!!!
裕美「な、何!?」
モバP「ウエディングの仕事持ってきたぞー!!!」
裕美「えっ!ホント!?」
ちひろ「またですか……」
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モバP「おやちひろさん。ただいま戻りました。はいお土産。明太子ぼんち」
ちひろ「プロデューサーさん……前にも言いましたよね」ボリボリ
モバP「はい?」ボリボリ
裕美「私も……」
モバP「裕美、これ結構辛いよ?おにぎりせんべいもあるからコッチにしたら?」
裕美「あ、ならそうする」
ちひろ「話を聞け話を」
ちひろ「プロデューサーさん。女性はね、結婚前にウエディングドレス着たら、婚期を逃すって言われてるんですよ」
モバP「あ、なんかそれ聞いたことあります」ボリボリ
ちひろ「4ヶ月程前にも同じこと言ったんですよ!!まゆちゃん達の時!!」
モバP「あ~あの時か~」
裕美「美優さんとかも綺麗だったね」
モバP「裕美も負けないくらい綺麗にして貰おうな~?あ!裕美は元々素敵だけど!」
裕美「も、もう……」
ちひろ「イチャイチャしとる場合か!!!」
モバP「というか大丈夫ですよ」
ちひろ「何がですか。プロデューサーさん結構占いとか迷信とか信じるタイプの癖に」
モバP「もし裕美が行き遅れたら俺が引き取ります」
裕美「ちょっと!?」
ちひろ「そういう問題じゃないんですよ!っていうかそっちの方が大問題です!!」
裕美「友紀さんとか、加蓮さんなんかも着てたもんね。ウエディング」
モバP「そうか……ならタンザニアに飛んで全員と結婚するか……」
ちひろ「もう駄目だこの人」
モバP「タンザニア駄目ですかね?じゃあモロッコとか」
ちひろ「一人で飛んでろ」
裕美「Pさんは……色んな場所に私を連れてってくれるよね」
ちひろ「そういう感じで纏めちゃって良いんですか裕美ちゃん。よく考えましょう?」
モバP「まぁ冗談は置いといてですね。人気あるんですよこの仕事」
ちひろ「まぁ、業者からウチの事務所に逆指名がくるぐらいですからね」
モバP「もしかしたら裕美も、結婚情報誌の表紙になるかもなー」
裕美「えぇ?私にはそういうのは早いよ……」
モバP「そうかなぁ?」
裕美「〇クシィの表紙が明らかに結婚年齢に達してないって、変じゃない?」
モバP「そのへんは向こうの編集さんが決める事だから正直分からん。俺は裕美にもゼ〇シィは似合うと思う。というか結婚しよう」
裕美「えぇっ!?」
ちひろ「……プロデューサーさん。今月に入ってアイドルにプロポーズするの何回目ですか。それも小さい子ばっかり」
モバP「飲んだコーヒーの杯数よりは多いですかね」
ちひろ「多感な時期の娘だって多いんですから、冗談にしても程々にして下さいよ」
モバP「善処しま~す」
ちひろ「絶対しない時のやつだよコレ」
♪prrr
モバP「おっと、失礼」pi
モバP「はいもしもし、CGプロのPですー。おや編集長!一時間前ぶりです」
裕美「け、けっこん……」
ちひろ「裕美ちゃん、本気にしちゃ駄目ですよ」
裕美「あわわ……」
モバP「えぇ!?そんなぁ!?」
裕美「……?」
モバP「困りますよ……えぇ、それはそうですが……はい、はい。……分かりました。また連絡します。は~い……」pi
裕美「ど、どうしたの……?」
ちひろ「何かトラブルでも?」
モバP「トラブルどころの話じゃ無いですよ!」
裕美「え、それって……」
ちひろ「おジャンにでもなったんですか……?」
モバP「いえ、それがね……」
モバP「向こうの編集が、新郎役を用意しろって……」
ちひろ「……」
裕美「それで?」
モバP「コッチで調達が難しいようだったら、sideMって事務所からイケメン借りてくるって言うんです……」ヨヨヨ
ちひろ「ちょっと何が言いたいか分かんないです」
モバP「だって!ウエディング姿の裕美が!どこぞのスーツ着たイケメンと写真撮るんですよ!泣いちゃいますよそんなの!」
ちひろ「いや、お仕事なんですからそこは」
モバP「裕美は誰にも渡さんぞぉーっ!!」クワッ
ちひろ「お父さんじゃ無いんですから……」
裕美「じゃ、じゃあさ、Pさんが出るっていうのは……」
モバP「ならん。俺みたいなオッサンが写っても写真に華が無い。そもそもプロデューサーが仕事の本番に関与するのが問題アリだ」
ちひろ「急にマトモな事言わないで下さいよ」
モバP「俺だって悩んでるんですよぉ~……」
裕美「……わ、私も……」
モバP「ん?」
裕美「知らない男の人と結婚式の写真撮るのは、嫌かなーって……」
モバP「だよな。何とかするよ」ワシワシ
裕美「わわ」
モバP「よーし、じゃあ俺何か考えときますんで。それじゃー」
~~~
裕美「……」ソワソワ
モバP「よーう!裕美ー!」
裕美「あっ、Pさん!」
モバP「今日はちょっと大人っぽいな。ピンクのワンピース可愛いぞ」
裕美「一応大人なお仕事だから……あ、Pさんの水色のシャツも良いね」
モバP「そりゃどーも」ワシワシ
裕美「えへへ」
モバP「さ、行こう。海の見える教会だってさ」
裕美「わぁ、楽しみ……ところでPさん」
モバP「ん?」
裕美「チョッキって何?」
モバP「……誰も悪くない。悪いのは時の流れだ」
裕美「ん??」
モバP「そういや、裕美と二人で車にのるのは夏休みぶりだな」
裕美「あ、そうだね。つい最近だと思ってたけど、もう結構経つね」
モバP「早いなぁ。莉嘉もよく言ってるよ」
裕美「何て?」
モバP「ほら、夏休みに莉嘉と一緒にブレスレット作ってただろ?お揃いの。それ見る度に『また行きた~い』って」
裕美「あぁ、作ったね、今日は付けてないけど」
モバP「裕美のはどんなのなんだ?」
裕美「どんなのって言われても、普通にビーズとストーン通しただけだよ?」
モバP「簡単に言うなぁ」
裕美「簡単だよ。Pさんにも作ってあげようか?」
モバP「俺がブレスレットしちゃ変だろー……でもそうだな。小さいのならバックミラーにでも飾れるかな」
裕美「あ、それ良いね。じゃあ現地で何か探してみよっか」
モバP「え、現地?今日作るつもりなのか?」
裕美「そうだよ?海なら何か綺麗な物もあるかも知れないし」
モバP「あー、前の田舎にはそういうの無かったな」
裕美「トウモロコシとかあんず飴をブレスレットにする訳にもいかないからね、ふふ」
モバP「手ぇベットべトになりそうだなそれ」
~~~
モバP「おはようございま~す」
裕美「お、おはようございます」
編集「あらっ、P君!」
モバP「今日は宜しくお願いします」
編集「うんうん宜しくねぇん。裕美ちゃんも、今日1日頑張ろうねっ!」
裕美「は、はい」
編集「それにしてもセンスあるわねぇん。ウエディングの前に私服でも何枚か貰って良いかしらぁん?」
モバP「だってよ裕美。どうする?」
編集「お願ぁい。可愛く撮るからぁん」ウッフン
裕美「じゃ、じゃあ、お願いします」
編集「やったぁん」
モバP「こちらで撮るんですか?」
編集「教会はウエディングドレスで撮れるもの。あっ、そうだ!海行きましょっ?」
モバP「お、良いですね」
裕美「海っ?」パァ
モバP「来る途中にチラッと見えましたけど、どうやって向かうんですか?」
編集「ここからもバッチリ見えるんだけどぉ。地道で行こうと思ったら大きく迂回しなきゃなのよねぇん」
モバP「『海の見える教会』なのに海は近く無いんですね。なんか詐欺っぽいなぁ」
編集「その代わりロケーションの良さは保証するわぁん。あと悪いんだけど、来た車で向かってくれなぁい?ロケバス取れなくて、全員マイカーロケなのぉ」
モバP「あぁ、構いませんよ。さ、行こうか裕美」
裕美「うんっ」タタッ
モバP「わぁ、ホントに面倒い道だな……」
裕美「大丈夫?Pさん」
モバP「でかい車だったら傷だらけになってたかも」
裕美「大変……」
モバP「悪ぃ裕美、ラジオ付けてくれないかな?」
裕美「付けた方が集中出来るの?」
モバP「うんそう。局はそのままで良いから」
裕美「不思議だね……」カチッ
♪~Somewhere closer I can hear the wedding bell
モバP「おっ、懐かしい」
裕美「知ってる曲?」
モバP「うん、『Marry Me』って歌」
裕美「マリーミー……今日の撮影にピッタリだね」ニコ
モバP「……あっはっは!!」
裕美「な、何?」
モバP「いや、悪いなぁ裕美。この曲、むしろ逆なんだよ」
♪~I see the girl of my dream is shining like the sun(夢にまで見た彼女が 太陽みたいに輝いてるんだ)
裕美「逆?」
モバP「うん。実はこれ、片思いの歌なんだ」
♪~beside him(アイツの横で)
裕美「えっ」
♪~Won't you marry me if I could be a rich boy
Won't you marry me if I could be very handsome
裕美「片思い……こんなに元気に歌ってるのにね」
モバP「この人達の歌、そういうの多いよ」
裕美「へぇ……何て言ってるの?」
モバP「今は『結婚してくれ、もし僕が金持ちになったら』『結婚してくれ、もし僕がハンサムになったら』だって」
裕美「お金持ちとハンサムかぁ……別にいらないかなぁ」
モバP「はは、恋多き女みたいな事言うなぁ」
裕美「べ、別にそんなつもりじゃないけど」
モバP「まぁ、好きな子の結婚式だったら、そんな風に思ってもおかしくないんじゃないかな」
裕美「……あ、そういえば」
モバP「?」
裕美「その……今日の新郎役?の人、どうなったの?」
モバP「おぉ!バッチリさ!」
裕美「ホント?誰が出てくれるの?」
モバP「そこはまぁ、お楽しみって事で」
裕美「えぇ~?」
~~~
モバP「お疲れ、裕美」
裕美「案外すぐだったね」
モバP「まぁ、元々予定に無い撮影だったからね」
裕美「また教会に戻るの?」
モバP「あぁ、今度はドレス着て撮影だな」
裕美「ふふ、楽しみ」
モバP「……」
裕美「な、なに?」
モバP「いやぁ、良い顔する様になったなーって」
裕美「そうかな」
モバP「うんうん。前はカメラ向けられる度にしかめっ面してたからな」
裕美「もう、やめてよ」
モバP「はっはっは、褒めてるんだよ」
裕美「……可愛いって言ってくれる人がいるからね。そのお陰。」
モバP「へぇ~?」
スタイリスト「……はい、オッケーでーす」
裕美「わぁ……!」
編集「あらーっ!素敵じゃなぁいっ!」
スタイリスト「ちょっと!オッサン入ってこないで下さいよ!」
編集「もう着替え終わってるんだから良いじゃなーい。裕美ちゃぁん、P君が外で待ってたわよぉん?」
裕美「は、はい!」
裕美「Pさーん」
モバP「……あぁっ」ドサッ
裕美「Pさん!?どうしたの?」タッタッタ
モバP「裕美のウエディング姿見たらそれ以外の事が全てどうでも良くなった。今は裕美を可愛いと思うだけの機械です」
裕美「もう……って、あれ、Pさんは着替えないの?」
モバP「うん?何で俺が着替えるんだ?」ムクッ
裕美「え?だって新郎役……」
モバP「いやだから、俺じゃねぇって」
裕美「えぇ~っ?じゃあ知らない男の人呼んだの……?」
モバP「安心しろって。そんな事しないよ」
裕美「……?」
ブロロロ……
モバP「お、きたきた」
裕美「ん?あの赤い車?」
キッ ガチャッ
東郷あい「やぁ、待たせたね」
モバP「知らないイケメンに裕美の手を引かせるのは許せないから、知ってるイケメンを用意してみた。ざまぁみろsideM」
あい「君は一体誰と戦ってるんだい」
編集「あらぁあいちゃん!遅かったじゃなぁい!」
あい「申し訳ありませんスタッフさん」
モバP「すみません。突然呼び出したもので……」
編集「いいのよぉん。さぁ、タキシード用意してるわぁん」
あい「はい」
あい「…フッ、どうかな」
モバP「格好良いっすよ新郎」
あい「娘さんは必ず幸せにしてみせます」
モバP「お前なんぞに任せられん」
あい「式の当日に反対されてしまったよ。裕美ちゃん、駆け落ちしようか」
裕美「えっ、あの、ごめんなさい」
あい「振られてしまったね」
モバP「遊んでないで、撮影始めましょう」
あい「そうだね。行こうか」
モバP「裕美も頑張ってこい」
裕美「う、うんっ!」
裕美「Won't you marry me~……フンフンフ フンフンフンフーン♪」
あい「可愛らしいね、裕美ちゃん。とっても似合ってるよ」
裕美「えへ、ありがとうございます」
あい「フフっ、良い笑顔だ。求婚してしまいそうだよ。裕美ちゃんは私じゃ不満の様だけどね」
裕美「へっ、私そんなつもりじゃ……っ!」
あい「冗談さ。まぁ、良くも悪くもこれは新郎ごっこと新婦ごっこだ。隣に立つ人間を気にすることは無いよ」
裕美「は、はい」
編集「……ホンット、素敵な笑顔見せる様になったわねぇん」
モバP「おや編集、以前の裕美をご存知で?」
編集「まぁ一応わね。でも可愛いと認識する様になったのは最近になってからねぇ」
モバP「ふふふふ、裕美は最初からとびきり可愛い娘でしたよ。ちょっと不器用だっただけで」
編集「うふふっ、ホントは貴方が、あそこに立ちたかったんじゃないのぉん?」
モバP「俺は王子サマって柄じゃないですよ」
編集「イタリアの童話には、お姫様と魔法使いがくっつく話もあるのよぉん?」
モバP「うっそだぁ」
編集「うっふっふぅん。撮影終わったらホテルでパーッとやりましょう?スタッフ全員参加ねぇん」
モバP「はいはい」
~~~
裕美「えへへ、ゴメンね。パーティは楽しかったけど、ちょっと疲れちゃった」
モバP「良いよ良いよ。俺もお酒断るの大変だったし」
裕美「あ……Pさんは先に今日帰っちゃうんだね」
モバP「悪いね。明日も仕事だから。今日は泊まって、明日あいさんと一緒に帰ってきてくれ」
裕美「私も今日帰っちゃ駄目?」
モバP「駄目駄目。事務所に着くの四時とかだから」
裕美「そっか」
裕美「……そう言えば、あれだね」
モバP「ん?」
裕美「今日はその、言わないんだね。結婚してくれ……って」
モバP「ちひろさんに怒られたかな」
裕美「私よりもちひろさんの方が優先?」
モバP「その聞き方は卑怯だなー」
裕美「ふふ、冗談だよ」
裕美「今日は楽しかったぁ……ありがとう、Pさん」
モバP「おう。綺麗だったぞ」
裕美「本当の結婚式が凄く楽しみになってきちゃった」
モバP「あはは、そっか。裕美の前に素敵な王子様が現れるのを待つばかりだな」
裕美「ふふ……違うよ」
モバP「んー?」
裕美「待ってばかりじゃ駄目。王子様が思わずプロポーズしちゃうような、素敵な女性にならなくっちゃ」
モバP「あはは、そっかぁ」
裕美「Pさん、手伝ってね」
モバP「おう」
~~~
あい「……おや、裕美ちゃん、帰ってたんだね。夜の海はどうだった?」
裕美「とっても綺麗でした。ほら、貝がらとかもこんなに」チャラ
あい「ほう……もうアクセサリーにしたんだね。ブレスレットかい?」
裕美「はい。でもこれは、手首じゃなくて、車に飾るんですって」
あい「車に?」
裕美「はい。男がブレスレット付けるのは変だろ、って」
あい「……なるほど、ふふ、そういう事か。あまり遅くならない様にね」
裕美「はい」
裕美(グラスビーズ、結構余っちゃったな……いっぱい貝がら取って付けちゃったから……)
裕美(余りでピンキーリングなら作れるかな?)チャラ
裕美「……」カチャ スッ
~~~
モバP『裕美、結婚しよう』
~~~
裕美「あぅぅっ!」ブンブン
裕美「……」
裕美「変な事考えてたら、長さ間違えちゃった。これじゃブカブカだね」
裕美(Pさんになら入るかなぁ……)チャラ
裕美「♪~Won't you marry me if I could be cute girl ……なんて、ね」
end
お疲れ様っす
関ちゃんが来ました。ただそれだけ
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