真姫「花陽と凛が家に遊びに来る」 (48)
※はじめに
・まきりんぱな
・相変わらずのワンパターン
・設定はごちゃまぜ(時系列はアニメ二期)
・短め(の予定)
では、本編をどうぞ
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真姫「きっかけは数日前――」
~~~~~
一年の教室――
キーンコーンカーンコーン
生徒A「Bちゃーん、一緒に帰ろー」
生徒B「おっけー!」
花陽「真姫ちゃん、部室に行こう?」
凛「今日も練習がんばるにゃー!」
真姫「ええ」
生徒B「あ、帰りにあそこのハンバーガーショップに行こうよ」
生徒A「いいねいいね!」
真姫「!」
真姫(帰りにハンバーガーショップ……俗に言う『買い食い』ってヤツね)
花陽「真姫ちゃん?」
真姫「はっ……なんでもないわ。行きましょう」
凛「なんかぼーっとしてたね」
真姫「し、してないわよ!」
練習後――
海未「では今日はここまでにしましょう」
9人「「ありがとうございました!」」
穂乃果「さーて、早く帰ろーっと」
海未「駄目です、生徒会の仕事があるでしょう?」
穂乃果「げ……忘れてたよぉ」
ことり「あはは……私たちも手伝うし、頑張って早く終わらせよう?」
にこ「にこは買い物しないといけないなら急がせてもらうわね」
希「あ、にこっちー、今日はうちもついていっていい?」
にこ「別にいいけど……なんでよ」
希「いいやん♪ちょうど食材が少なくなって来たころなんよ。うちは一人暮らしだから買い物も自分でやらないといけないし」
絵里「なら私も行こうかしら。せっかくだしたまには三人でお買い物でもしましょう?」
にこ「場所はスーパーだけどね」
真姫「……」
真姫(買い食いね……今まで一回もしたことない、というかする相手もいなかったのよね)
真姫(中学生の頃はそういうのはただの馴れ合いだと思って見下していたんだけど、実際は羨ましかったのよね)
真姫(だって買い食いよ買い食い!まさにTHE・青春って感じのワードじゃない!)
真姫(中学生の頃は誘う相手がいなかったけど、今なら……)チラリ
花陽「私たちも着替えよっか」
凛「うん。凛お腹すいたよー」
真姫(花陽と凛。高校で出来た初めての『ともだち』。今なら、あの憧れだった買い食いをすることができるはずよ!)
凛「真姫ちゃーん!何してるのー?」
花陽「みんなもう行っちゃったよー」
真姫「はっ!い、今行くわ!」
凛「もう、真姫ちゃんったら今日は呆けすぎだにゃ!」
真姫「う、うるさいわね!」
部室――
真姫(……さて、提案をするならこのタイミングかしら)
真姫(場所は……最近クレープ屋が出来たみたいだからそこにしましょう。なら……)
真姫「……っ」
真姫(……き、緊張して言葉が出ない……!?)ドキドキ
真姫(落ち着きなさい西木野真姫!相手は花陽と凛、いつも話している相手じゃない!)
真姫(深呼吸をしましょう。すぅ……はぁ……よし!)
真姫「ね、ねぇ、この後良かったら――」
花陽「あ、そう言えば新しくクレープ屋さんが出来ていたよね、帰り道に寄っていかない?」
凛「さんせーい!丁度お腹すいてたんだー」
真姫「」
真姫(い、言われた……)
真姫(ぼやぼやしてるからよ、私のバカ!)
真姫(いや、この際誰が提案するかなんてどうでもいいわよね。結果よければすべてよしよ)
花陽「真姫ちゃんも一緒に行くよね?」
真姫「っ!?ま、まあ、凛は行きたいみたいだし、私もついていってあげるわ」カミノケクルクル
凛「それじゃあレッツゴーにゃ!」
真姫(正直に行きたい、って言えないのが私の悪いところよね……)
帰り道――
花陽「んー……おいしぃ♪」モグモグ
真姫「まあまあね」
凛「……」ニヤリ
凛「真姫ちゃんの頂き!」パクッ
真姫「っ!ちょ、凛!」
凛「真姫ちゃんのも美味しい~」モグモグ
真姫「なに、勝手に、人のクレープを、食べてるの、よ!」ポッペタグイグイ
凛「ふえぇ、いたいにゃ~……」
凛「ほら、凛のも食べていいから」
真姫「当然よ!」モグモグ
真姫(クレープの味自体はまあ可もなく不可もなくってところね)
真姫(でも、ともだちと一緒に帰りながら食べているという事を考えると、不思議ともっと美味しく感じるわ)
真姫(これが買い食い、これが青春……すばらしいわ!)
花陽「そういえば」
花陽「今度のお休みの日なんだけど……真姫ちゃんのお家に遊びに行ってもいいかな?」
真姫「う゛ぇえ!?いきなりどうしたわけ?」
花陽「い、いや、大した理由はないんだけどね」
花陽「今まで私たち、真姫ちゃんの家で遊んだことなかったなー、って思って」
凛「そうだね。真姫ちゃんのお家に行ったことはあっても、中に入ったことないな」
花陽「私は一回あるけど、あの時はあまり長くいなかったし……」
真姫(確かに、今まで凛や花陽の家に行ったことはあったけど、私の家に来たことはなかったわね)
真姫(や、やっぱりともだち同士なら家に呼ぶのも当たり前よね)
真姫「別にいいわよ、特に予定はないし」
花陽「決まりだね!うーん、楽しみ♪」
凛「凛も楽しみだにゃー」ソーッ
真姫「なにまた食べようとしてのよ」ペシッ
~~~~~
真姫「……なんて事があって、明日はいよいよ二人が来る日」
真姫「ああは言ったものの、ともだちを家に招くなんて初めてだし、どうすればいいか分からないわ……」
真姫「とりあえずママに報告しておきましょう。すっかり言うのを忘れてたわ」
真姫「ママ」
真姫母「どうしたの?」
真姫「明日家に花陽と凛……と、ともだちが来るから」
真姫母「あら、真姫もとうとう家にお友達を呼ぶようになったのね。ママ嬉しいわ~♪」
真姫母「あなたも高校生だもの、それくらいするわよねぇ」ウンウン
真姫(な、なんかしみじみとしてる……心配かけていたのかしら)
真姫母「でも残念だわ、その子たちを見れなくて。あ、花陽ちゃんっていう子は一回忘れ物を届けにきてくれた子よね」
真姫「は?」
真姫母「花陽ちゃんっていう子は――」
真姫「いやそっちじゃなくて、見れないってどういうこと?」
真姫母「ああ、後で言おうと思っていたんだけどね?
明日はママ、出張で診察をしに行くから朝早く家を出るの」
真姫母「そして昔の知り合いにも会って泊まっていくから、明日は帰ってこれないのよね」
真姫「……」
真姫「はぁあああ!?」
真姫「ちょっ、ナニソレ、イミワカンナイ!!」
真姫母「ごめんね、あっちに泊まるのは今日決まったことだったんだけど、言い忘れていて」
真姫「なんでそんな大事な事をもっと早く教えてくれないのよ!」
真姫母「……真姫、お友達を家に呼ぶと決まったのはいつ?」
真姫「……数日前です」
真姫母「どっちもどっちね」
真姫「ぐ……」
真姫母「まあいいじゃない。お友達をがいるなら一人じゃないし、私も邪魔にならなくて済むわ」
真姫「……はぁ」
真姫「マッタクー、ママをあてにしようと思ってたのに」
真姫「しょうがないわ、私の出来る限りで最善をつくしましょう」
真姫「まずは遊ぶための道具よね……」
真姫「今まで誰かと家で遊んだことがないから、パーティーアイテムってヤツは何も持っていないわ」
真姫「マンガでもあればいいんだけど、あるのは参考書と音楽や医学の本ばっかし」
真姫「音楽の本はともかく、参考書や医学の本は面白く無いわよね……特に凛にとっては」
真姫「……幸いまだ時間はある。何か買いにいくとしましょう」
数十分後――
真姫「ただいま」ガチャ
真姫「とりあえずこんなものかしら」
真姫「あとは明日を待つだけね。特にプランはたてていないけど、あまり決めすぎるのもどうかと思うし……なるようになれだわ」
真姫「今日はご飯を食べてお風呂に入ったら早めに寝ましょう」
真姫「緊張する……でも、それ以上に楽しみだわ……」ドキドキワクワク
その夜――
真姫「……」
真姫(気分が高揚しすぎて寝れない……!?)ガーン
短いですが今回はここまでです(書き溜め切れ)
またある程度書き溜めが出来たら投下しに来ます
真姫ちゃんが買ってくると全自動卵割り機的なカオスなモノ買ってきそう
翌日――
真姫「んん……」パチ
真姫「3時くらいまで目が冴えていたけど、なんとか眠れたみたいね」ゴシゴシ
真姫「いまの時間は――って、もう11時!?二人が来る一時間前じゃない!!」ガバッ
真姫「お昼は食べてくるって言っていたからそれは心配ないとして、私も早くご飯を食べて身だしなみを整えておかなくちゃ……!」
一時間後――
ピンポーン
真姫「!!」
真姫「はーい」
真姫(よし、声は裏返っていないわね。発声練習をしておいて良かったわ)
ガチャ
真姫「二人とも、いらっしゃい」
花陽「こんにちは真姫ちゃ――って、どうしたのその格好!?」
真姫「う゛ぇえ!?」
凛「す、すっごくオシャレだにゃ~。まるで秋葉原にでもお出かけするみたい……」
花陽「しかもサングラスまで……」
真姫「はっ!!」
真姫(し、しまった……気合いを入れすぎて外出用の服を着てしまったわ)
真姫(普通家に呼ぶ側は部屋着よね……けど、今更どうしようもないか)
真姫「こ、これくらい普通よ!それに、これが今流行りのファッションってやつなの」
花陽「そ、そうなの?」
凛「なーんだ。凛ファッションなんてよく分からないから気づかなかったよ」
花陽「さすがに真姫ちゃんだね!」
凛「うんうん」
真姫「と、当然デッショー?」
真姫(なんか凄い罪悪感が……二人とも純粋すぎるわよ)
凛「うわぁ、これが真姫ちゃんのお家の中か~。やっぱり広いんだね!」
花陽「久しぶりだなぁ」
真姫「まあ、ゆっくりしてちょうだい」スチャ
凛「あ、サングラス外すんだ」
真姫「細かいことは気にしないで」
真姫「私の部屋、二階に騰がって一番奥の部屋だから。飲み物持ってくるから上がってて」
りんぱな「「はーい」」
真姫「……ふぅ。出だしは上々ね」
真姫「ってどこがよ!思いっきり失敗してるじゃない!」
真姫「二人が純粋だったから良かったものの……今度から気を付けないと」
真姫「飲み物は……ええと、とりえずこれとこれを持っていって好きな方を飲んで貰いましょう」
真姫「おまたせ」ガチャ
凛「ふにゃ~……」キュー……
花陽「うう、真姫ちゃーん……」ウルウル
真姫「り、凛、大丈夫!?なにがあったの花陽!!」
花陽「凛ちゃんが、凛ちゃんがぁ……」
花陽「棚にあった本を読んだら頭が痛くなって倒れちゃったのぉ!」
真姫「ただの馬鹿ね。心配して損したわ」
凛「馬鹿とは聞き捨てならないにゃ!」ガバッ
真姫「元気じゃない」
真姫「マッタクー、あなた医学書読んだでしょ?これは私にとっても難しいんだから、凛には辛くても当然よ」
真姫「そもそも、人の本を勝手に読むんじゃないわよ」
凛「うぇえん、かよちーん、真姫ちゃんが苛めるよぉ」
花陽「あ、あはは……今回は凛ちゃんが悪いよ……」
凛「凛に味方かいない!?」
真姫「当たり前よ」
真姫「そんなことより飲み物持ってきたから、好きな方を飲んで」
凛「わーい、なになにー?」
真姫「あなた本当にすぐ態度が変わるわね」ハァ……
花陽「……ま、真姫ちゃん」
真姫「ん?」
花陽「これってりんごジュースだよね」ユビサシ
真姫「ええ」
花陽「じゃあこっちは……?」
トマトジュース「」ドンッ
真姫「何って、トマトジュースに決まってるじゃない」
凛「と、トマトジュース……」
真姫「さあ、好きな方を飲んで頂戴。遠慮しなくてもいいのよ」フフン
りんぱな(なんでこんなに自信満々なんだろう……)
花陽「じゃ、じゃあ私はりんごジュースで」
凛「凛も……」
真姫「あら、トマトジュースジュースは飲まないの?美味しいのにもったいないわね」ゴクゴク
花陽(……あれ、トマト100%って書いてあるんだけど……)
凛(それをゴクゴクと……さすが真姫ちゃんだにゃあ)
真姫「?」
花陽「それじゃあ、何しよっか?」
真姫「!」
真姫(いよいよね……ここからが本当の勝負!)
真姫(今こそ、昨日買いに行ったアイテムを使う時よ)
真姫(まずは定番のアレね)
真姫「トランプでもしましょうか」
凛「あっ、トランプあるんだー。凛の家にもあったけど、枚数足りなくて出来なかったんだよね」
花陽「凛ちゃんはきちんと片付けるの苦手だからね……」
真姫(誰かとトランプをするなんていつ振りかしら)
真姫(一応昔家族と遊んだトランプは家にあったけど、せっかくだから新しいのを買ったのよね)
花陽「トランプと言えば色々なゲームがあるけど、まずは何をするの?」
真姫「最初はベタにババ抜きをしましょうか」
真姫(ふふ、いくら暫くやっていないとはいえ、大体のゲームのルールくらいなら知っているわ)
真姫(花陽はともかく、凛は確実に考えていることが顔に出やすいタイプ。このクール&ビューティーな真姫ちゃんにババ抜きにおいて敵うはずはないのよ!)フフン
数分後――
凛「はい、凛のあーがり!」win
真姫「なん……で……」lose
花陽「おめでとう凛ちゃん」
凛「えへへー、かよちんには敵わなかったけどね」
花陽「私はたまたま運が良かっただけだよぉ」
真姫「ぐ……まさか凛に負けるだなんて」
凛「真姫ちゃん考えていることが顔に出過ぎにゃ」
真姫「そ、そんな……!?」ガクゼン
真姫「それはどちらかと言うと凛のキャラのはずなのに……」
凛「真姫ちゃーん?今すっごく失礼なこと言わなかったー?」
真姫「しょうがないでしょ!大体、なんであなたはポーカーフェイスか出来ていたのよ!見るからにババを引いた瞬間『ぎにゃー!』とか言いそうなキャラじゃないの!」
凛「あ、また言った!負け惜しみはよくないにゃー!!」
花陽「あはは……凛ちゃんは遊びになると真面目になるから」
真姫「ぐぐ……まだよ、他のゲームで勝負よ!!」ビシッ
凛「ふふん、ドンと来いにゃ!」
~~~~~
大富豪にて
真姫(大富豪なら、自分で言うのもなんだけど現実でもお金は多少はある方だし、私が有利なはず!)
数分後――
凛「ほい」
花陽「はい」
真姫(ここは温存しておきましょう)
真姫「パスよ」
凛「凛もパス」
花陽「じゃあ……革命!」
真姫「う゛ぇえ!?」
真姫(わ、私の溜めておいた2が最弱に……)
花陽「みんなパスだね。えいっ」
凛「ふふ、甘いのだよかよちん」
花陽「っ!!8切りからの3を3つ……!?」
凛「万が一のことも考えて残してといて正解だったにゃ。あがり!」
真姫「」ポカーン
花陽「勝負だね真姫ちゃん、はい!」
真姫「……ぱ、パスよ……」
花陽「じゃあこれで私もあがり、っと」
凛「いぇーい、凛がいっちばーん!」
花陽「真姫ちゃんごめんね?私が革命したせいで……」
凛「いや、真姫ちゃんは温存しすぎだにゃ。適度に攻めていかないと!」
真姫「ぐぐぐ……!」
スピードにて
凛「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」ズバババッ
真姫「は、早すぎる……」ボーゼン
花陽「凛ちゃん、スピードは得意だからね……」
ダウトにて
花陽「7」
凛「8」
真姫「……9」
りんぱな「「ダウト」」
真姫「」
凛「真姫ちゃんやっぱり顔に出過ぎだにゃー」
花陽「あと、あまり間を置いちゃダメだと思うな……」
真姫「ぐぐぐぐ……!」
神経衰弱にて
凛「うーん、これかな?……あ、違った」ピラッ
真姫「ふふ……これね」ピラッ
凛「おお!凄い!」
花陽「真姫ちゃんが半分以上取っちゃった……」
真姫「ふふん、私にかかればこのくらい当然よ!」ドヤァ
真姫(今日初めて勝負に勝てたわ……)カンゲキ
ポーカーにて
まきりんぱな「「せーの!」」
花陽→ストレート
凛→スリーカード
真姫→ワンペア
真姫「……こんなことだろうと思ったわ」
凛「流石に何回も全部捨てるのはどうかと思うにゃ……」
~~~~~~
真姫(結局、私が一位だったのは神経衰弱だけ……)
真姫(トランプってこんなに難しかったのね)
凛「そろそろトランプにも飽きてきたかな~」
真姫「そうね。なら、次は――」
真姫(その後は、ジェンガやらUNOやら人生ゲームといったアイテムで時間を潰したわ)
真姫(やっぱり定番のパーティーアイテムなだけあってそこそこ楽しめたわね)
真姫(……まぁ、私は殆ど負けたんだけど……)グスッ
凛「いやー、結構遊んだね!」
真姫「そうね。そろそろ私の家には遊び道具がなくなってきたわね……」
花陽「なら凛ちゃん、そろそろ……」
凛「うっ……分かったよ」
真姫「どうしたの?」
凛「実は、西木野さんにお願いがございまして」セイザ
真姫「な、なによ畏まって」
凛「この星空凛に、英語の宿題を教えてくださいませ」ドゲザー
真姫「は、はぁ?英語の宿題?」
花陽「ほら真姫ちゃん、先週出ていた――」
真姫「……ああ、あれね。でもあれってかなり前に提出していなかったかしら」
凛「それはその……先生に終わっていないことを伝えたら、1週間後までに提出しないと1週間補習だと言われまして、その日が……」
真姫「……明後日の学校の日ね。で、どのくらい終わっているわけ?」
凛「……」
真姫「まさか……」
花陽「ものの見事に白紙なんだって……」
凛「なんとも申し様が御座いませぬ」
真姫「はぁ……信じらんない」
凛「お願い真姫ちゃん、真姫ちゃんだけが頼りなんだにゃ!」ダキッ
真姫「ちょ、離れなさいよ!」カァァ
花陽「私からもお願い、真姫ちゃん。凛ちゃんが練習できなくなっちゃう……」
真姫「花陽まで……」
凛「……」ウルウル
花陽「……」ウルウル
真姫「……っ」
真姫「……しょ、しょうがないわねー。今回だけよ?」カミノケクルクル
真姫(二人してそんな上目遣いで見つめられたら断れるワケないじゃない……)ドキドキ
凛「ホント!?」パァァ
花陽「ありがとう真姫ちゃん!」パァァ
真姫「まったく……」メソラシ
凛「わーい!真姫ちゃん大好きー!!」ギューッ
真姫「ちょ、だから引っ付かないでって!!」カァァ
凛「真っ姫ちゃーん!真姫ちゃん真姫ちゃん、真姫ちゃーん♪」スリスリ
真姫「あ……う……」
花陽「ふふ、真姫ちゃん顔が真っ赤だよ?」
真姫「か、からかわないで!!」アセアセ
今回はここまでです
トランプ以外のゲームは基本トランプと同じような展開(真姫ちゃんが負ける)なので割愛
次回から後半に入ります
普段の真姫ちゃんも可愛いけどポンコツ真姫ちゃんもいいと思うの
ありがとうございます
投下していきます
暫くして--
凛「お、終わった……にゃ……」プシュー
花陽「凛ちゃん、お疲れ様!」ナデナデ
凛「にゃーん……♪」ゴロゴロ
真姫「まあ、ほぼ私と花陽で終わらせたようなものだけどね」
凛「もう、真姫ちゃんは凛に対する愛情が足りないよ!凛は誉められると伸びるタイプなんだよ?」
真姫「あ、愛情って……」カァァ
凛「というわけでお菓子ちょーだい」
真姫「……真に受けた私が馬鹿だったわ」ハァ
真姫「なにがいい?」
凛「カントリーマアム」
真姫「はいはい」
花陽「結局持ってきてあげるんだね……」
花陽「あのね真姫ちゃん、私からも一つお願いしてもいいかな……?」
真姫「珍しいわね、どうしたの?」
凛「……なーんか凛の時とは違って親身な感じがするんだけど」
真姫「あなたと花陽じゃお願いしてくる頻度が違いすぎるでしょ。それで、どうしたの?」
花陽「えっとね……私、真姫ちゃんの歌を聴きたいな~、って」
真姫「わ、私の歌?」
花陽「うん。歌っていうか、ピアノと歌……かな」
花陽「歌声は音楽の授業とかで聴いたことあったけど、真姫ちゃんがピアノ弾く姿って近くで見たことなかったから、一度見てみたくて」
凛「確かにそうだね。穂乃果ちゃんは聴いたことあるみたいだけど、凛たちはないよね」
真姫「べ、別にいいけど……わざわざ人に見せるほど大したものじゃないわよ?」
花陽「そんなことないと思うけど……お願い!」
真姫「……まあ、花陽が言うなら」
凛「あ、凛も凛もー」
一階――
真姫「……」
りんぱな「「……」」ジー
真姫「えっと、じゃあいくわよ」
花陽「はい!」
凛「ぱちぱちぱち~」
真姫「何か曲のリクエストとかある?私の知っている範囲で、だけど」
花陽「うーん……なら、ファーストライブの時に真姫ちゃんが作ったっていうSTART:DASH!!がいいな」
真姫「了解」
真姫(……なんか緊張するわね)
真姫(基本的に人前で弾いたことなんてあまりないし……まあ穂乃果には見られたことあるけど)
真姫「……」スゥ
~~~♪
真姫「I say...…Hey,hey,hey,START:DASH♪」
真姫「――彼方へと…僕は DASH♪」
真姫「~♪Hey,hey,hey,START:DASH♪」
真姫「Hey,hey,hey,START:DASH♪」
真姫「……ふぅ」
花陽「うわぁ……」
凛「にゃー……」
真姫「……あの、どうだった?」
花陽「とっても上手だったよ!歌もピアノも!!」
凛「あのね、すっごくすごかったよ!!」
真姫「そ、そう?って、すごくすごいって何よ……」
凛「いつも練習で真姫ちゃんの作った曲は聴いてるけど、生で聴くとやっぱり違うね!」
花陽「うん。なんかすごくかっこよくて、声も綺麗で、惚れ惚れしちゃった!!」
真姫「あ、ありがとう……」カミノケクルクル
真姫(こんなにストレートに誉められると恥ずかしくてむずかゆくなるわね……)
真姫(前に穂乃果に誉められた時も正直嬉しかったけど、この二人から誉められるのも……すごく嬉しい)
凛「真姫ちゃんの歌、もっと聴きたいな~」
花陽「わ、私も。もう一曲お願いしてもいいかな……?
」
真姫「……ええ、二人がよければ。なら次は――」
~~~~~
花陽「もうすっかり夕方だね」
凛「あっという間だったにゃー」
真姫「そうね」
真姫(そろそろ二人も帰るのね……今日はママもいないし、パパは病院にいるし、一人ぼっちになるのか……)
真姫(この三人でいれる時間がずっと続けばいいのに……なんて、私らしくないわね)
真姫「そろそろ二人とも帰る時間じゃ――」
花陽「そういえば真姫ちゃん」
真姫「ないの……って、なによ?」
花陽「今日は真姫ちゃんのお母さんを見かけなかったけど……外出しているの?」
真姫「ええ、出張にね。出先で止まるみたいだから、今日は私以外に人は居ないわ」
花陽「そうなんだ」
凛「なら問題ないね!」
真姫「問題ない?なにが?」
花陽「実は……」
花陽「今日、真姫ちゃんのお家にお泊まりしよう思って」
真姫「……」
真姫「う゛ぇえ!?お、お泊まり?」
凛「そうそう、お泊まり。ちゃんと荷物も持ってきたんだよ?」
真姫(……今まで気にも留めていなかったけど、そういえば二人の荷物がやけに多いのよね。なぜかリュックだし)
真姫(泊まるための荷物なんでしょうね。さすがに予想がつかなかったわ……)
花陽「迷惑、かな……?」
真姫「い、いや、迷惑なんかじゃないわ」
真姫「私も、1人は……その、寂しかったし……」ボソッ
凛「あ、真姫ちゃん怖かったのー?だったらちょうどよかったね!」
真姫「べっ、別に怖くなんかないわよ!」
真姫「親御さんには伝えてあるのよね?」
花陽「うん」
凛「もちろん!」
真姫「分かったわ。じゃあ、泊まっていって頂戴」
りんぱな「「やったぁ!」」
真姫(想定外の展開ね……初めての家への招待が、まさかお泊まり会になるだなんて)
真姫(でも、こういうのも高校生っぽい、かな?ふふっ)
~~~~~
花陽「それでね!このスクールアイドルグループのダンスはAーRISEにもひけをとらないって言われていて、今度の文化祭でライブが――」
真姫「相変わらずアイドルの話となると人が変わるわね」
凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ!」
真姫「……」
真姫(成り行きで二人が泊まっていくことになったものの、一つ重大な事を忘れていたわ)
真姫(……そう、夜ご飯よ。1人だったらレトルトで済ませようと思っていたんだけど、二人にそれを出すわけにはいかないし……)
真姫(どうしましょう。料理なんて殆ど作れないわよ……)
キュウウウ~ッ
真姫「凛?」
凛「違うよー」
花陽「」カァァ
真姫「ああ、花陽だったのね。お腹空いた?」
花陽「ご、ごめんね?お昼ご飯はちゃんと食べたんだけど……」
凛「凛もお腹減ったにゃー」
真姫「もう夜になるし、少し早いけどご飯にしましょうか」
真姫「出来たら呼ぶから待ってて」
花陽「あ、私も手伝うよ!」
真姫「いいのよ、二人は客人なんだからゆっくりしていて」
花陽「そ、そう……?」
真姫「ええ、この真姫ちゃんの腕に期待してなさい!」
キッチン--
真姫「……思わず強がっちゃったわ……」ハァ
真姫「なんでいつもこうなんだろう……。いえ、いまさらどうこう言ってもしょうがないわね」
真姫「私がなんでも出来るっていうことを、これで証明してあげようじゃないの!」
真姫「えっと、とりあえずケータイで簡単に作れる料理を調べましょうか……」
一時間後――
花陽「結構時間たったけど、真姫ちゃん遅いね……」グー…
凛「もうお腹ペコペコだよー……」
凛「もしかしてすっごいご馳走作っていたりして?」
花陽「ふふ、そうかもね。真姫ちゃんだもん」
凛「それとも出前を取って独り占めしていたり!?」
花陽「それはないと思うけど……」
凛「こうしちゃいられないにゃ!早くいかないと凛たちの分がなくなっちゃう!」 バタバタ
花陽「ちょ、凛ちゃん!?待ってよー」
凛「そー……」
花陽「り、凛ちゃん、なんでそんなにコソコソしているの……?(小声)」
凛「証拠を押さえるためにゃ(小声)」
花陽「そこまでしなくても……」
凛「むむ、なにやらキッチンから物音が!」
花陽「やっぱり何か作っているんだね」
凛「Let's覗きにゃ!」
花陽「わざわざ覗かなくても……」
凛「いいからいいから」
りんぱな「」ソーッ
真姫「あっつ!油が跳ねたせいね……」
真姫「うわ、大きさがバラバラ……野菜を切るのってこんなに難しいのね……」
真姫「あああ、お湯を沸かせ過ぎたぁ!!」
りんぱな((真姫ちゃんのキャラが壊れてる!!))
真姫「ううっ……どうして上手くいかないのかしら……」
凛「……」
花陽「……」
凛「なんていうか……真姫ちゃんって」
花陽「料理が苦手なんだね……」
凛「意外だにゃ……」
真姫「まだよ……」
りんぱな「「!?」」
真姫「へこたれちゃダメよ、私」
真姫「少しでも私の家に泊まってよかったって思って貰えるように、せめて美味しい料理を作らないと……」
真姫「こんな私のともだちになってくれた、あの二人のためにも……」
凛「真姫ちゃん……」
花陽「……」
凛「……かよちん?」
真姫「それに、料理も出来ないなんて知られたら、二人に笑われちゃうわ……」
花陽「笑わないよ」
真姫「っ!?」バッ
真姫「は、花陽?いつからそこに……」
花陽「真姫ちゃんが料理が苦手だったって、私たちは笑わないよ?」
花陽「真姫ちゃんには、それ以外にも凄いところがたっくさんあるんだから」
真姫「私の……凄いところ?」
真姫「うん。頭もいいし、歌もピアノも上手だし、作曲もしてくれるし」
凛「それに、素直じゃないけど面倒見もいいし、思いやりもあるしね」ヒョコ
真姫「凛まで……」
凛「完璧な人間なんていないよ。凛だって勉強は二人に助けてもらっているし」
花陽「私は自己主張が苦手だから、二人に引っ張ってもらっているしね」
花陽「だから無理はしないで。困ったことがあったら頼ってもいいんだよ?」
花陽「私はμ'sに入れたのは、真姫ちゃんが背中を押してくれたからでもあるんだから」
真姫「……」
真姫「ありがとう、二人とも」
真姫「私、二人の前では強がって、かっこいい人物であろうとしていたみたい」
真姫「二人は、その、私にとって初めての……と、ともだち、だから」
真姫「でも間違ってた。ともだちだったら、弱いところも見せないとね」
真姫「私、素直になるのが苦手で、これからも迷惑かけることがあるかもだけど……よろしくね」
花陽「こちらこそ!」ニコッ
花陽「さ、ご飯を作ろう?三人で一緒に♪」
凛「おなかぺっぺこだにゃー」
真姫「ふふっ、そうね」
~~~~~
まきりんぱな「「ごちそうさまでした」」
凛「みんなで食べるご飯は美味しかったにゃ~」
花陽「やっぱり白いご飯だね!」
真姫「炊いておいた分が殆ど花陽の胃袋に消えたわね……」
花陽「もう9時だね」
真姫「まあ、食事の用意に時間がかかっちゃったから……」
凛「じゃあそろそろお風呂に入ろうよ!」
真姫「そうね。私は最後でいいから、凛か花陽が先に――」
凛「真姫ちゃんなに言ってるの?」
凛「三人で入るに決まっているじゃん!」
真姫「……」
真姫「う゛ぇえ!?」
凛「驚きすぎだにゃ。夏の合宿の時だって皆で入ったじゃん」
真姫「そ、そうだけど……花陽!なんとか言って!」
凛「凛とかよちんは普段から泊まるときは一緒に入ってるもんねー♪」
花陽「あ、あはは……」
真姫「」
真姫「あなたたち、高校生にもなって……」
凛「いいじゃんいいじゃん、せっかくのお泊まりなんだし!」
真姫「うぅ……」
真姫(結局押しきられて三人でお風呂に入ることに……)
凛「さっすが、真姫ちゃんのお家、お風呂も広いにゃ~」
真姫(誰かと一緒に家のお風呂に入るなんて何年ぶりかしら……)
凛「游げそうだにゃ!わーい」
花陽「だ、駄目だよ凛ちゃん!」
真姫「ちょっと!暴れないでよ!」
凛「真姫ちゃんってさ……」
真姫「?」
凛「スタイルいいよね」
真姫「ぶっ!いきなりなに言うのよ!」
凛「全体的にバランスがいいっていうか……なんかせくしーだね!」
真姫「う、うるさいわね!」カァァ
凛「それに……」ジー
真姫「今度はなによ……」
凛「やっぱり凛より大きい……」
真姫「……」ジー
真姫「まぁ、うん」
凛「あー!今馬鹿にしたでしょ!!」ザバッ
真姫「いや、いいんじゃない?スレンダーで」
凛「それ絶対誉めてないにゃ!!」
花陽「ふ、二人とも落ち着いて」
真姫「……大体、それを言うなら」
真姫「花陽もスタイルいいと思うけど。その……部位も私より大きいし」
凛「かよちんはもう敵わないと思って諦めてるにゃ…… 」
花陽「え?え?」
真姫「ふむ……どうやったらこんなに大きくなるのかしら」
花陽「ちょっ、真姫ちゃん?」アセアセ
真姫「希じゃないけど……ちょっとごめん」
フニュ
花陽「ひゃう……っ 」ビクンッ
真姫「!」
真姫「凄い感触……今なら希の気持ちも分かる気がするわ」
凛「あ、凛も凛も!ご利益がありますようにー」
花陽「え、ちょっ……二人とも!?」
ダレカタスケテーーー・
花陽「うう……もうお嫁にいけないよぉ」ズーン
凛「その時は凛が貰ってあぜるから大丈夫!!」
真姫「なに言ってんだか……」
凛「そして凛は真姫ちゃんに貰ってもらうにゃ!」
真姫「イミワカンナイ!」
~~~~~
凛「もうすっかり真夜中だね」
花陽「いろいろ遊んだもんね」
真姫「」ズーン
花陽「ま、真姫ちゃん、トランプに負けたからってそこまで落ちこまなくても……」
真姫「また最下位……」
凛「真姫ちゃんはもっとポーカーフェイスを極めた方がいいにゃ」
花陽「それもそうだね……ふあぁ」
花陽「……」ウツラウツラ
真姫「もう寝ましょうか。だいぶ疲れたでしょ、特に花陽は」
花陽「うん……」
凛「凛はまだまだ遊べるけど……かよちんが眠いならしょうがないにゃ」
花陽「ごめんね凛ちゃん……」ウツラウツラ
真姫「凛の体力が無駄にあるだけよ」
凛「無駄には余計だよ!」
真姫「ところで寝る所だけど。余っている部屋があるから二人はそこで寝る?」
凛「えぇ!?それよりも真姫ちゃんの部屋で寝たい!!」
花陽「私も……」
真姫「そ、そう?……ふふっ」
凛「あ、真姫ちゃんにやけてる~。一人で寝るのが怖かったんだ~」ニヤニヤ
真姫「なっ、違うわよ!!」
真姫(嬉しくてにやけてしまったなんて言えないわね)
真姫「じゃあ電気消すわよ」
りんぱな「「はーい」」
パチッ……
真姫「よいしょ……」ガサゴソ
凛「……」
凛「えっへへ~、真姫ちゃんの横もーらい!」ギュッ
真姫「り、凛?」
花陽「あ、ずるいよ凛ちゃん……私も!」ギュッ
真姫「花陽も!?一体どうしたのよ二人とも」
凛「こっちの方が温かいにゃ」
花陽「真姫ちゃんの隣……落ち着く…… 」
真姫「私は暑いんだけど……」
真姫「……ねぇ、二人とも起きてる?」
真姫「……」
真姫「まぁいいわ」
真姫「今日はせっかく家に来て貰って、なおかつ泊まってくれたのに、あまりたいしたおもてなしが出来なくてごめんなさい」
真姫「私の良いところを見せるどころか、情けない姿も見せてしまったし……」
花陽「……そんなことないよ……」
真姫「!?」
花陽「私、楽しかったよ……真姫ちゃんの家で遊べて。真姫ちゃんの色々な姿を知ることができて……」
凛「あんまり自分を卑下するのはよくないにゃー……凛はどんな真姫ちゃんも好きだよ」
花陽「ふふ、私も……」
真姫「……」
真姫(……なにかしら、この気持ち)
真姫(あたたかい。心が、とても)
真姫(ああ……こういうのを『幸せ』って言うんでしょうね)
真姫(ともだちと過ごすのってこんなにも幸せなのね。今まで知らなかった)
真姫(ありがとう神様。この二人に出会えて、本当によかったわ)
真姫(私も……)
真姫「私も大好きよ。花陽、凛」
おわり
以上となります。お付きあい頂きありがとうございました
最後に
まきりんぱなは至高(異論は認める)
※過去作
真姫「りんぱなは正義なのよ」
真姫「りんぱなは正義なのよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412095767/)
↑もしお口に合いましたらついでにどうぞ
このSSまとめへのコメント
異論なし
就職の面接で「高校の友達は一生ものやから大切にな」って言われたの思い出した
良い!
凄く良かったです!
料理のくだりで目頭が熱くなった
まきりんぱな最高