ありす「世の中には曖昧なものが」 桃華「多すぎですわ!」 (68)

このSSは

ありす「Pさんに認められた方が」 桃華「大人、ですわね?」

から、ほぼ月一くらいで続いているシリーズの6作目ですが過去作は特に気にしなくて良いです。
さらにステレオHI-FIで録音されておりますので大音量でお楽しみください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412989333

あ、トリップ表示ミスったかも。これでちゃんと出るかな。




ありす「むむむ……」

桃華「うーん……」

ありす「私としては、こっちかと」

桃華「わたくしの中ではこっちですわ」

ありす「これは難しい問題ですね」

桃華「話が結論に辿り着きませんわ」

ありす「どうしたら良いですかね……」


橘ありす(12)  http://i.imgur.com/VrHKkEP.jpg

櫻井桃華(12)  http://i.imgur.com/RWBFFEa.jpg


モバP「お疲れさ……あれ? 二人だけ?」

ありす「あっ、Pさんお疲れ様です!」

桃華「お疲れ様ですわPちゃま!」

モバP「はいはいお疲れ様。社長やちひろさんは?」

桃華「社長は取引先の方とお出かけで、ちひろさんは日用品の買い出しですわ」

ありす「あと、外線はちひろさんの携帯電話に転送する設定にしたそうなので、電話は出なくても良いと言われました」

モバP「了解。まぁ俺も戻って来たから、もし電話来たら一応俺が出ておくよ」

モバP「タブレット覗き込んで何してるの? 動画?」

ありす「動画は見ていませんけど、調べ物はしていました」

桃華「ありすさん。この際、Pちゃまにも聞いてみたらいかがでしょう?」

ありす「あぁ、それ良いですね」

ありす「Pさん。ちょっとこれを見てほしいんですけど」

モバP「どれどれ」

http://i.imgur.com/8k1YlPP.jpg

モバP「カレーライス?」

桃華「Pちゃまは、この二枚の写真の違いはわかります?」

モバP「違いって言ってもなぁ。片方はご飯にカレーがかかってて、もう片方は別皿ってことくらいしか」

桃華「そこですわ」

モバP「?」

ありす「どちらかがカレーライスで、どちらかがライスカレーだと言われたら、明確に区別できますか?」

モバP「カレーライスとライスカレーの区別!?」

モバP「そんなこと考えたことも無いぞ……」

モバP「カレーライスっていうのはわかる。カレーとライスを合わせた料理」

ありす「それはそうですよね」

モバP「ライスカレーって単語もまれに聞くんだけど、よくよく考えると『ライスカレーって何だよ?』ってならない?」

桃華「どういうことですの?」

モバP「いやね、わざわざ別な名前にしているくらいだから別の料理なのかもしれないんだけど……」

モバP「カレーとライスを使った料理なんて、カレーライスとドライカレーくらいしか無いじゃん?」

モバP「だから、ライスカレーって何だよ? ってな感じで」

モバP「この写真見る限り、俺にとってはどっちもカレーライスだなー」

桃華「それはそうなのですが……」

モバP「一応、これはどっちかがどっちってことなんだよね?」

ありす「それもわかりません。それを確かめるために話し合っていたわけでして」

モバP「うーん、難しいなぁ」

ありす「一説によれば『ご飯にかけてあるのがライスカレー、別皿にしているのがカレーライス』という区別もあるみたいで」

モバP「なんだそりゃ……」

モバP「その話とこの写真を合わせると、老若男女が昔から食べていたのはライスカレーってことになるぞ」

桃華「わたくしの家で出る時は、このように別皿ですわ」

ありす「それは桃華さんの家がお金持ちだからであって……」

モバP「普通の家庭ではこの入れ物持って無いもんな」

桃華「あら、そうでしたの?」

モバP「小洒落たレストランとかでカレー頼むとこんな感じに出てくる時があるな」

ありす「あの容器からルーをかけると、特別な感じがしますよね!」

モバP「わかる」

桃華「わたくしにとっては今まで別皿が普通でしたから、別皿がカレーライスだと思いますわ!」

モバP「別皿かぁ」

ありす「ちょっと待ってください!」

ありす「『カレーがライスの上に乗っているからカレーライス』という意見だってあります!」

モバP「カレー on the ライスってこと?」

ありす「はい。私は最初から一緒になっている状態をカレーライスだと主張します!」

モバP「答え出るのかなこれ……」

モバP「せっかくタブレット使って調べているんだし、もっと有力な情報があるかもしれないから、もっと調べてみたら良いんじゃない?」

ありす「Pさんがそう言うなら……」

ありす「んーと、えっと……あっ」

桃華「何か見つかりました?」

ありす「そうですね。これはちょっと面白いかもしれませんよ!」

モバP「本当か? 意外とすぐ見つかったな」

ありす「どうやら、カレーとご飯を一緒に食べ始めた頃は“ライスカレー”と呼んでいたそうで」

ありす「時代が進むにつれて、いつの間にか“カレーライス”に変わったというお話が」

桃華「本当ですの?」

ありす「レトルトカレーやカレー粉を作っている複数の会社が解説しているので、非常に有力だと思います」

モバP「ん? じゃあカレーライスもライスカレーも同じなのか」

ありす「たぶん」

桃華「あまり釈然としませんわね」

モバP「まぁ、あれだ。カレーはおいしいから」

モバP「ご飯の上にカレーがかかっていても、別皿からご飯にかけても、味は結局変わらないわけだし」

モバP「むしろ『カレー』っていう三文字だけで、カレー+ご飯のセットのニュアンスが伝わるくらいカレーはメジャーな食べ物になっているからな」

モバP「どっちがどっちって線引き自体がナンセンスなのかもしれない」

桃華「そう言われれば、そんな気も……」

モバP「な? カレーライスもライスカレーも、同じカレーなんだよ。比べられない」

ありす「カレーメシはどうですか?」

モバP「カレーメシはカレーメシってジャンルだから。カレーライスでは無いな」

ありす「ところで、あのカレーを入れる銀色の容器の名前知ってますか?」

モバP「いや、わかんないな」

ありす「グレイビーボートって言うんですよ。元々はグレイビーソースの入れ物だったみたいです」

モバP「そうなのか。よく調べてあるなぁ」

ありす「これくらい当然です」

モバP「ところでグレイビーソースって何だ?」

ありす「そこまではちょっとわかりません」

モバP「さいですか……」

桃華「グレイビーソースは肉汁から作った調味料ですわ。ローストビーフなんかとよく合いますのよ」

モバP「マジか。ローストビーフとかわさび醤油でしか食べたこと無いよ」

モバP「この手のことに関しては、さすが桃華といったところだな」

桃華「うふふ♪ それほどでもありませんわ♪」

ありす「うぐぐ……」

ありす「しかし、カレーの時点でここまでややこしいとは……」

モバP「そういえば調べ物って言ってたっけ。だからカレーを調べてたの?」

ありす「そうです。と言っても、別に宿題だとかそういうのではないんですが。あくまで気になって調べていただけで」

ありす「Pさんは、世の中に似たようなものが多いと思いませんか?」

ありす「ややこしいのに答えが曖昧だとか、表現がちゃんとしていないとか」

モバP「例えば?」

ありす「カレーライスとライスカレー」

モバP「あー、うん。ややこしいな」

ありす「そんな感じの曖昧さがどうしても気になってしまって」

ありす「どんな似たようなものがあるのか、画像を集めていたんです」

モバP「なるほど。それでタブレット見て考えていたと」

桃華「わたくしも一緒に調べていましたわ♪」

モバP「そうかそうか。二人とも勉強熱心だな」

ありす「古今東西ややこしいものを色々集めてみたので、Pさんもどうでしょうか?」

モバP「俺? この後誰かと会うような用事も無いし。見るくらいなら良いかな」

ありす「ありがとうございます。見てもらうだけなので、そんな手間は取らせません」

モバP「それにしても着眼点が面白いよな。ありすらしくて」

ありす「そうでしょうか?」

モバP「あ、今のバカにしたわけじゃないぞ? そういうのに興味を持てることは良いことなんだ」

モバP「曖昧であっても“それはそういうものだ”って思考停止しちゃうと、人間は前に進めなくなっちゃうからな」

モバP「頭が良くないと、そんな部分に疑問を持てない」

ありす「Pさんがそう言ってくれるなら……ふふ」

ありす「あっ、Pさんは虫は苦手ですか?」

モバP「虫は別に平気だけど。二人はどう?」

ありす「む、虫くらい、どうってことないですよ!」

桃華「画像を見るくらいなら……」

モバP「そうだよな。女の子だから抵抗はあるよな」

ありす「泥だらけで遊んでいる男子達とは違うんですっ!」

モバP「ははは」

ありす「虫についてもややこしい種類がいたから画像を探してみたんですけど」

桃華「Pさんが大丈夫なら問題無いですわね」

モバP「あまりにも筆舌しがたいビジュアルとかだと俺も、うわっ! ってなるけど」

ありす「見た目がどっちもテントウムシっぽいので、それが平気なら」

モバP「ああ、じゃあ問題無い」

http://i.imgur.com/QkbQkNb.jpg

ありす「左はトゲナシトゲトゲ。右はニセクロホシテントウゴミムシダマシです」

モバP「うん……うん?」

モバP「ごめん。もう一回」

ありす「左が、トゲナシ トゲトゲ」

ありす「右が、ニセ クロホシテントウ ゴミムシ ダマシ」

モバP「んん?」

桃華「その反応は予想しておりましたわ」

モバP「わかるわ。いや、わからないわ」

ありす「そうです! これはややこしいです! 気になります!」

モバP「生まれてこのかた、ここまで矛盾した名前は聞いたことが無い」

ありす「この名前を付けた人の責任は重いです」

桃華「でも、印象には残る名前だと思いますわ」

モバP「まずトゲナシトゲトゲって何だ?」

ありす「トゲの無い、トゲトゲという虫です」

モバP「そんな名前の虫いるの!?」

ありす「いるみたいです。トゲトゲしているらしいですよ」

モバP「うん、まぁ名前からトゲトゲしてそうなのはわかる」

桃華「ストレートなネーミングでしょう?」

モバP「こんな名前にしちゃうほどトゲトゲだったんだろうか……気になる」

ありす「トゲトゲがあるのか無いのか! この名前は矛盾しています! ややこしいです!」

ありす「最初にトゲトゲという安直な名前を付けなければ、こんな事態にはならなかったと思いませんか!」

モバP「動植物に第一印象で名前付いちゃうのは仕方無いって」

モバP「人間への警戒心が無いからアホウドリだったり、動かないからナマケモノだったり……」

ありす「ちなみに資料は少ないですが、偶然トゲのできたトゲアリトゲナシトゲトゲというのもいるそうですよ?」

モバP「その名前はさすがにわかりづらすぎるわ!」

モバP「あと右の、ニセ……なんとかってやつ?」

ありす「ニセクロホシテントウゴミムシダマシ」

モバP「そう。それは、もはや何の生き物なのかわかんないんだけど」

ありす「ですよね! そう思いますよね!」

桃華「この名前のややこしさは由々しき問題ですわ!」

モバP「そこまでが興奮しないが、疑問には思うな。この名前は」

ありす「これは長くなるので順を追って説明しますね」

ありす「まずゴミムシという虫がいました」

ありす「次に、それとよく似た虫が見つかりました。ゴミムシダマシと名付けられました」

ありす「別にテントウムシによく似た仲間もいて、テントウムシダマシと名付けられました」

ありす「斑点がある仲間もいたので、クロホシテントウムシダマシと名付けられました」

ありす「さらにそれにそっくりな仲間もいました。それがニセクロホシテントウゴミムシダマシです」

ありす「以上です」

モバP「なんじゃそりゃー!!」

モバP「理由が複雑なのに名前が安直すぎる! ラーメンのトッピングか!」

モバP「ラーメン二郎の注文時くらいだぞ、こんな単語の羅列」

桃華「わかりやすさ重視の名前はいけませんわね!」

ありす「わかりやすすぎてわかりにくい、矛盾です!」

モバP「やっぱり、第一印象に頼りすぎるのもダメだな」

ありす「虫については終わりにして、次は動物に移りたいと思います」

ありす「こちらも別に画像を探してきました」

桃華「さっきのに比べてカワイイ画像なので安心できますわ♪」

モバP「やっぱり二人とも抵抗あったんだね虫画像」

ありす「違います! そんなことはありません! とにかくこれを見てください!」

http://i.imgur.com/AQwleqi.jpg

モバP「ポムポムプリンじゃないか! 懐かしいなぁ!」

桃華「あら、Pちゃまも知っておりましたのね?」

モバP「もちろん。俺が小学生の時に女子の間で大流行したんだぞ」

モバP「その頃はポムポムプリン、たれぱんだ……」

モバP「あとは、こげぱん? いや、アフロ犬だったかな? お茶犬はもうちょっと後だったような」

ありす「すごい詳しいんですね」

モバP「女子が全員持っていたからな。もう目に焼き付いてる」

モバP「二人も知ってたんだね、これ」

ありす「知っているも何も……」

桃華「タオルとかバッグとか、プリントされたグッズがいっぱい売っていますわよ?」

モバP「マジで! キャラ系のグッズとか見向きもしなかったけど、ファンはまだいっぱいいるんだな」

モバP「登場自体が結構前なのに」

桃華「Pちゃま、わたくしたち女の子の相手をなさるなら、好きそうなものくらいは目を向けていただきませんと」

モバP「ウッス……」

ありす「私の友達も、こういうキャラクター系のバッグとかノートとか持っています」

桃華「ありすさんは、そういうのは集めたりしません?」

ありす「そんな子供っぽいことはしません。私にはこのタブレットがあれば充分です」

桃華「では、ありすさんはどのサンリオキャラクターが好きですの?」

ありす「当然ジュエルペット一択ですね!」

桃華「わたくしはシナモロールが好きですわ♪」

モバP「俺は……ハンギョドンかな」

モバP(キャラクターグッズ店とかに行けば色々と関連グッズがいっぱいあるんだろうけど)

モバP(ポムポムプリンなんて本当に久々に名前聞いたなぁ)

モバP(そういえば……この二人は流行した頃には、まだ生まれてすらいないのか……)

モバP(ジェネレーションギャップで胸がくっ! てなる。くっ! って)

桃華「Pちゃま、どうかなさいました?」

モバP「懐かしさで胸がいっぱいになってた」

桃華「このキャラクターのややこしい点とは?」

ありす「それは……」

モバP「あっ、俺わかっちゃった! 犬かプリンかわからないってことだろう?」

ありす「違います。どう見たって犬じゃないですか!」

モバP「えっ」

ありす「私がややこしいと思うのは、その名前ですよ。名前」

ありす「類似するキャラクターを一覧にしてまとめてみました。見てください」

http://i.imgur.com/aBku2ri.jpg

ありす「左からポムポムプリン、コロコロクリリン、くるくるくるりん、です」

モバP「懐かしいなオイ! 本当に懐かしいな!」

ありす「そ、そんな懐かしいですか?」

モバP「三つとも全部な」

モバP「コロコロクリリンも女子がグッズ持っていたし、くるくるくるりんもよくプレイした。あれは面白かった」

モバP「まさに一定年齢層に対する記憶の絨毯爆撃だな」

ありす「たしかにどれもカワイイです」

モバP「一番右だけサンリオじゃなくて任天堂だけどな」

モバP「そういえば、くるりんキャラがぬいぐるみとかキーホルダーとかグッズ化したって話はまったく聞かないな」

桃華「こんなにカワイイのに、勿体ないですわ」

モバP「キャラよりもゲーム自体のほうが俺は好きだけど、たしかによく見るとキャラもカワイイ」

モバP「そうだ! くるくるくるりんといえば、この辺りに発売されたゲームはどれも面白くて、例えば……」

ありす「えー、Pさんは懐かしさのあまり思い出を語り始めそうなので、話を戻します」

モバP「悪い悪い」

ありす「この三つのキャラクターは、どれも名前が非常に似ています!」

桃華「響きが絶妙に近しいですわ!」

モバP「そうか?」

ありす「口に出して繰り返してみてください。わかると思います」

モバP「ポムポムプリン、コロコロクリリン、くるくるくるりん……」

ありす「もっと流れるように、連続して言ってみてください」

モバP「ぽむぽむぷりんころころくりりんくるくるくるりん」

ありす「似ていいますよね!」

桃華「似ていますわ!」

モバP「似ているといえば、似ているような……? 単語ずつ同じ字が何個もあるせいかもしれないけど」

モバP「むしろ連続して言うと言いづらさのほうが上回ってそれどころじゃないな」

モバP「しかし、まるで早口言葉だなこれは」

桃華「ぽむぽむぷりんころころくりりんくるくるくるりん!」

モバP「おぉ、桃華は噛まずにすらすら言えるんだな。すごいぞ」

桃華「それほどでもありませんわ♪」

ありす「うぐっ……」

モバP「ありす?」

ありす「わ、私もそれくらいなら余裕です! 当然です!」

モバP「そうか。じゃあ、ありすも言ってみてくれないか?」

ありす(ラの行が多くてやりにくいですが、落ち着いて言えば何の問題もありません!)

ありす(落ち着いて、一言一言を……せーの)

ありす「ぽ、ぽんぽみゅ……」

モバP「……」

桃華「……」

ありす「……」

モバP「……んふっ」

ありす「斬刑に処す。その六銭無用と思え」

モバP「ははは、ごめんごめん! 痛っ、叩くなって!」

ありす「もういいです。次に行きます」

ありす「プリンの話が続きますが、実はもう一つプリンについてのややこしいものがあるんです」

ありす「カレーはまだ見た目でなんとかなりそうだったのですが、実際に口にしてみないと判別できないものもあります」

ありす「その実物を買ってきたので、桃華さんもPさんも食べてみてください」

桃華「あら、そんなのもありましたの?」

ありす「はい。桃華さんには言っていなかったのですが、画像以外にも気になったものがありまして」

モバP「何かすごい気になるな」

ありす「ちょっとカバンから取ってきますね」

http://i.imgur.com/ZXZcBFx.jpg

モバP「プチプリンゼリー……」

桃華「プリンなのにゼリー? たしかに名前が……」

ありす「そう! どっちつかずなんです!」

ありす「プリンとゼリー、このまったく違う二つのデザートで矛盾していますし、味もカスタードとミルクコーヒー。結局どれなんですか!」

桃華「これは今までで一番難しいですわ……!」

ありす「この中途半端さは見過ごせません」

モバP(プリンがカスタード味なら間違って無いんじゃね?)

ありす「そもそも、この様々なややこしいものを探そうと思ったきっかけが、スーパーでこれを見つけたからなんです」

ありす「見た瞬間……頭に疑問符が浮かびました」

ありす「おかげで夜は眠れますし、ごはんも一通りのどを通ります」

モバP「大して気にして無いじゃん!」

ありす「いえ、気になって仕方が無いんです!」

桃華「そうですわ! これではプリンやゼリーを買おうとして間違って買ってしまうお年寄りもいるかもしれません!」

モバP「いるのかなぁ、そんな人?」

ありす「では実食してみましょう」

桃華「いただきます。一口サイズで食べやすそうですわね」

モバP「いただきます。最近こういう、ちっこい菓子を食べてなかったな」

ありす「たまにコンビニのお菓子コーナーとかに行くと、驚くようなお菓子もあったりしますよ」

モバP「ドリアンキャンディとかジンギスカンキャラメルみたいな?」

ありす「……そういうアレな驚きではないですけど」

モバP「ん~、懐かしいな。やっぱり駄菓子屋のプリンのお菓子の味だ」

ありす「もぐもぐ……んん……?」

桃華「この絶妙な歯ごたえはまさに……」

ありす「プリン……ゼリー……いや、むしろこれは……」






桃華「杏仁豆腐ですわ」

ありす「杏仁豆腐ですね」

モバP「別の選択肢が出てきた!?」


※歯ごたえの感想は個人差があります

ありす「このプリンともゼリーとも言えないわざとらしい固さ!」

ありす「どことなくスーパーに売っている杏仁豆腐にそっくりです!」

桃華「Pちゃまはどう思います?」

モバP「俺? 俺は充分プリンを感じたけど」

ありす「味じゃなくて歯ごたえです!」

モバP「歯ごたえは……プリンやゼリーとはまた違う感じだけどさ」

モバP「あくまでプリン“風”のお菓子だし、再現性はかなり高いと思うけどな」

桃華「たしかに味はほぼ完全にプリンでしたわね」

ありす「つまり、プリンゼリーは杏仁豆腐だったんですね」

モバP「そこだけ切り取ると支離滅裂で意味不明なんだが」

ありす「実際プリンでもゼリーでもありませんでした」

モバP「でもおいしかっただろう?」

ありす「はい」

桃華「ユニークなお菓子でしたわ♪」

ありす「結構数があるので、とりあえず残りを冷蔵庫に入れてきます」

モバP「せっかくプリンの話題が続いたことだし」

モバP「前回失敗したありすの早口言葉のリベンジしてみようか!」

ありす「はぁ!? またやるんですか!?」

モバP「アイドルはトークが命だからな。滑舌は重要だぞ」

桃華「頑張ってください、ありすさん!」

ありす「ちょっ……なんでそんな流れに……」

モバP「スタート五秒前! 三、二、一、はい!」

ありす「ぽ、ぽぬっ……」

モバP「……」

桃華「……」

ありす「……」

モバP「……ぶふっ」

ありす「Laa shay'a waqui'n moutlaq bale kouloun moumkine.」

モバP「いじけんなよ! ごめん! 大丈夫だって、次があるさ!」

ありす「とりあえず思いついたものは以上になりますね」

モバP「色々あるもんだなぁ。俺だったらたぶん一つも気にかけないよ」

モバP「よく見つけられたと思うよ。ありすはすごいな」

ありす「そ、それほどでもありません。当然です!」

桃華「わたくしも! わたくしもお手伝いしましたわ!」

モバP「桃華も頑張ったな。すごいすごい」


モバP「ところで、この内容を聞いたのって俺だけ?」

ありす「そうですね」

モバP「それじゃあ社長やちひろさんとかにも、まだ見せていないわけか」

モバP「せっかくだし、二人にも見せてみたらどうだ?」

桃華「これをですの?」

モバP「驚いたり納得したり、良いリアクションしてくれると思うぞ?」

桃華「なるほど……それも面白いかもしれませんわね!」

ありす「ちょっと恥ずかしい気もしますけど、ちひろさん達の驚くリアクションはたしかに見てみたいですね」

ちひろ「ふぅー、戻りましたー」

モバP「お疲れ様です」

ありす「ちひろさん、おかえりなさい!」

桃華「お疲れ様ですわ!」

ちひろ「二人ともありがとう。Pさんもお仕事お疲れ様です」

モバP「ちひろさんも、わざわざ買い出し行かなくても自分に頼んでくれて良かったんですよ?」

ちひろ「それだとPさんにばかり負担がかかるじゃないですか? これくらいは平気ですよ」

モバP「ちひろさん、何分か時間貰っても良いですかね?」

ちひろ「大丈夫ですよ。何かありました?」

モバP「二人がですね、調べ物をしたみたいなんですよ。結果を是非ちひろさんや社長にも聞いてもらいたいみたいで」

ちひろ「そうなんですか、良いですよ。どんな調べ物ですか?」

モバP「トゲナシトゲトゲとかそんな感じの」

ちひろ「トゲナシトゲトゲ!? それってトゲがあるんですか!? 無いんですか!?」

モバP「それは頑張って調べた本人達に教えてもらってください」

ありす「曖昧と言えば……」

ありす「Pさんは、わたしと桃華さんで比べると、どちらがレディだと思います?」

モバP「またそれ系の話か? 俺にとっては二人ともカワイイ担当アイドル。当然だろう」

モバP「一方だけどうのこうのじゃなくて、二人とも良い。うん」

ありす「だそうです」

桃華「ええ」

モバP「んん?」

ありす「いえ、別に」

ありす「何事も曖昧なのはいけないと、調べていて思いましたから。ねぇ、桃華さん?」

桃華「そうですわね。いけませんわね、ありすさん?」

モバP「よくわかんないけど、俺に不満があるのはなんとなくわかったぞ」

桃華「あら、察するのもまた殿方の務めですわよ?」

ありす「では行きましょうか、桃華さん」

モバP「……女心っていうのもややこしいよなぁ」




――fin――

公害防止管理者の勉強していたから投稿できなかったッス。
どうも俺です! ちょっと今回内容短めでした。
というか、一ヶ月投稿しない間に、なんか私服夏服仕様のありすちゃん来ているじゃないですか! やだー!
ぼくも、ありすちゃんにゴミムシって呼ばれながら、論破パラソルでぐりぐりされたいです。
ちゃまも私服半袖絵来てください! 薔薇色お姫様の特訓後みたいな脇出しのやつオナシャス!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom