エーリカ「ここがトゥルーデのハウスね!」 (25)

アニメやらifやらごっちゃ

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ゲルト「」

ガチャッ

ゲルト「来たかハルトマン」

エーリカ「……わお」

ゲルト「なんだ」

エーリカ「トゥルーデがエプロン着けてる」

ゲルト「料理中だ。エプロンくらいは付ける。……大体、お前の恰好だって私から見れば驚きだ。お前、ワンピースなんて着るのか」

エーリカ「ふっふっふー。セクシーエンジェルエーリカちゃんの私服を見た感想はどうだー」クルーン

ゲルト「良く似合ってる」

エーリカ「えっ」ピタッ

ゲルト「すぐ食事にする。上がって待っててくれ」

エーリカ「あ、うん。お邪魔します」

イソイソ

エーリカ「出鼻くじかれちゃったなあ、もう」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エーリカ「ねートゥルーデー」

ゲルト「なんだ」カチャカチャ

エーリカ「何作ってくれるの?」

ゲルト「大したものは作れない。平凡な家庭料理だ」サッサッ

エーリカ「お芋は!?」

ゲルト「……芋料理は多めにしてある」

エーリカ「さっすがトゥルーデ!お礼にエーリカちゃんが妹になってあげよー!」

ゲルト「断る。代わりにこの皿を運んでくれ」

エーリカ「ほいほーい。おお、美味しそう」

ゲルト「味には期待するな。クリスにしか食べさせたことがない」

エーリカ「いや、なかなか美味しいよ?」モグモグ

ゲルト「あ、こら!つまみ食いするな!」

エーリカ「いやあ、つい味が気になっちゃって」

ゲルト「全く、それでは部下に示しがつかんだろう」

エーリカ「もう軍人じゃないもーん」

ゲルト「いや、お前ももう20だ。軍人でないのならば、なおさら年相応の落ち着きを身に着けるべきだ」

エーリカ「このアダルトな魅力全開の美少女に向かって失礼だなあトゥルーデは。……あっこれも美味しい!」

ゲルト「だというならつまみ食いをやめんか!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エ―リカ「これで全部?」

ゲルト「ああ」

エーリカ「よーし、食べよう!私もうおなかペコペコだよ」

ゲルト「つまみ食いしてた人間が何を言うんだ。待ってろ。今ワインを持ってくる」

エーリカ「ワイン?」

ゲルト「お前が入隊した年のワインを買ってあるんだ」

エーリカ「おおー準備万端だねえ。そっかー。トゥルーデはそんなに今日が楽しみだったかあ」

ゲルト「そうだが、お前は違うのか?」

エーリカ「えっいや……楽しみだった、よ?」

ゲルト「そうか。良かった。じゃあ取ってくる」パタパタ…

エーリカ「…………だからその急に素直になるのはなんなんだよーもう……」

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ゲルト「じゃあ、エーリカ・ハルトマンの退官と」

エーリカ「対ネウロイ戦争の終結を祝って!」

ゲルト「乾杯」

エーリカ「かんぱーい!」

チンッ

ゲルト「……ふう」

エーリカ「おーいし―。いやあ、トゥルーデとご飯食べるのも久しぶりだねえ」

ゲルト「お前の退官パーティーには出席しただろう」

エーリカ「あの時は、偉い人とかもいっぱいいたしさあ。少ししか話せなかったもん。ほら、私カールスラントの英雄だし。人気者だし」

ゲルト「自分で言うな全く。……学校の手続きは済ませたのか。医者になるには勉強が必要だろう」

エーリカ「色々やりたいこともあるからそれ終わってからかなあ。……クリスは元気?寮生活でしょ?」

ゲルト「この前手紙が来た。ようやく慣れてきたようで、元気でやっているようだ」


エーリカ「いやあ、まさかあの501のお姉ちゃんが妹離れをする日が来るとは。皆が聞いたら驚くねぇ」

ゲルト「馬鹿にするな。クリスが行きたいといったんだ。怪我も完治した今、私に止める理由などない」

エーリカ「そんなこと言ってー。ミーナまで使って行先の学校調べてたくせにー」

ゲルト「あ、あれはだな……姉として妹の置かれる環境について当然の調査を……」

エーリカ「またまたー。どうせ貰った手紙だって綺麗に取ってあるんでしょ。後で見せてよ」

ゲルト「あれは私への手紙だ。特にお前には絶対に見せん」

エーリカ「えー?いいじゃんトゥルーデ見せてよー」

ゲルト「ダメだ」

エーリカ「みーせーてーよー」

ゲルト「……妹といえばウルスラは元気にしているのか」

エーリカ「話題変えるの下手だよねトゥルーデ」

ゲルト「いいだろ!お前の妹の話を聞きたいんだ私は!」

エーリカ「まあいいや。……そのまま国の研究所に勤めてるよ。戦争が終わったから、今度は兵器以外も作ってみたいって」

ゲルト「そうなのか」

エーリカ「そうそう。やっぱり研究職が肌に合ってるって……このお芋美味しいね」

ゲルト「ああ、その品はクリスにも褒められた」

エーリカ「いやあ、トゥルーデもしっかり主婦だねえ。これでいつでもお嫁に行けるねえへっへっへ」

ゲルト「何だその言い方は……残念だが当てがない。それに、クリスが独り立ちするまでは、私が家を出る訳にはいかん」

エーリカ「……そうだよねー」ボソッ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カチャ…カチャ…

ゲルト「やりたいことってなんだ」

エーリカ「え?」

ゲルト「さっき言っていただろう。学校の前にやりたいことがあると」

エーリカ「………いやーそんなに大したことじゃないし……」

ゲルト「大したことでないならばいいだろう。いったい何をするつもりなんだ」

エーリカ「うーん、何というか……挨拶回りかな」

ゲルト「挨拶回り?」

エーリカ「501の皆とかお世話になった人とかにさ、会って回りたいなって」

ゲルト「……なるほど」

エーリカ「軍に居てもさ、他部隊の知り合いとか、引退したウィッチにはそうそう会えないんだ」

ゲルト「元501で最後までお前と頻繁に会えたのはルッキーニくらいか」

エーリカ「そうそう。世界のダブルエースってね。最後の半年とかずっと一緒に殲滅戦だったよ。ミーナも出世しちゃった後はそんなには会えなかったし」

ゲルト「あのルッキーニが成長したものだ。501の頃はお前の次に手を焼かされたが」

エーリカ「今や、世界一の大エースだよ。ルッキーニがいなかったら私多分今も戦ってたもん」

ゲルト「確かに、501の頃からセンスは飛びぬけていたな。今はロマーニャか」

エーリカ「もしかしたらリべリオンかもねー。戦いが終わったらシャーリーに会いに行くってずっと言ってたから」

ゲルト「全く、戦時中にそんな不吉なことを言っていてよく無事で戻ってきたものだ」

エーリカ「あっはっはー。あのルッキーニにフラグなんて関係ないって」

ゲルト「まあ、そうだな。しかし、そうなると二人はリべリオンか。他の元501は確か……」

エーリカ「エイラとサーニャはオラーシャ。他はみんな母国だと思うから、扶桑とブリタニアとガリアかな」

ゲルト「訪ね歩いて世界が一周できるな」

エーリカ「まあ、ほら、この機会に平和になった世界を見て回るのも悪くないかなーって思うんだ。戦闘で行ったことはあってもしっかり見て回ったことがない場所だってあるし」

ゲルト「そうだな。お前自ら救った世界だ。ゆっくりと見て回ればいいだろう」

エーリカ「そうだね……あのさ、トゥルーデは」

ゲルト「ん?」

エーリカ「……なんでもない!さ、食べ終わったよね!片づけ手伝うよ!」

ゲルト「あ、ああ……」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エーリカ「いやー美味しかったあ!」

ゲルト「口に合ったのならばなによりだ」

エーリカ「じゃ、そろそろ……」イソイソ

ゲルト「どうした?」

エーリカ「いや、いい時間だし帰ろうかなーと思って……」

ゲルト「いや、ハルトマン。お前今日は車だろう」

エーリカ「そうだよ?」

ゲルト「食事の時にワインを飲んだはずだ」

エーリカ「いやあ、少しだし……」

ゲルト「元カールスラント軍人ともあろうものが法を破る気か!駄目だ。許さん。泊まっていけ」

エーリカ「だって着替えとか……」

ゲルト「クリスのものを使えばいい」

エーリカ「寝る場所とか……」

ゲルト「クリスのベッドがある」

エーリカ「私が使ったら汚れるかも……」

ゲルト「汚さないように努力しろ」

エーリカ「えーと……」


ゲルト「今日外泊できない理由でもあるのか」

エーリカ「ないけど……ホ、ホテルとかでも」

ゲルト「何だ。この家に文句でもあるのか?一人暮らしには広すぎるくらいの物件だと思うが」

エーリカ「……泊まってもいいの?」

ゲルト「だからさっきから泊まっていけと言っているだろうが!」

エーリカ「じゃあ……お世話になろうか、な」

ゲルト「最初からそう言えばいいんだ全く……。待ってろ、今上から寝巻を取ってくる」

エーリカ「……」




ゲルト(―――さて)

トントントン

ゲルト(―――伝えきれるだろうか)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

トットット ガチャ

エーリカ「シャワー借りたよー」

ゲルト「ああ」

エーリカ「あれ、また飲んでるの?」

ゲルト「む……クリスがいないのをいいことに、就寝前に一杯飲む習慣がついてしまってな。お前も飲むか」

エーリカ「ちょっともらおうかな」

ゲルト「ああ」トクトク

エーリカ「……ふぅ。やっぱり美味しいねこのワイン。さっすがお姉ちゃん!お目が高いね!」

ゲルト「……ああ」

エーリカ「……?」

ゲルト「……」

エーリカ(……緊張……してる?)

ゲルト「その……だな……」

エーリカ「!」

ゲルト「私から……お前に伝えなければならないことが、あるんだ」

エーリカ「……ええーなんだろうなー?もしかしてこのエーリカちゃんを妹にしたいとか?やだなー知ってるってば…」

ゲルト「フラウ」

エーリカ「っ」

ゲルト「ありがとう」

エーリカ「えっ……」

ゲルト「あの時私を止めてくれてありがとう。お前があの時止めてくれなければ私はきっと五体満足で地に降りることは出来なかっただろう」

エーリカ「や……やだなあもー。その時のお礼はあの後トゥルーデが退官するときにも言われたよ。今更改めて、いっ、言われなくても」

ゲルト「それだけではない」

エーリカ「!」

ゲルト「私が居なくなった後も空を守ってくれてありがとう。カールスラントを守ってくれてありがとう。皆の命を守ってくれてありがとう」

エーリカ「……」

ゲルト「……生きて帰ってきてくれてありがとう」

エーリカ「……っ」

ゲルト「お前が生きて、また私と食事を共にしてくれる。これからのことを聞かせてくれる。このことが、本当に、―――これ以上ないほどに嬉しいんだ」

エーリカ「……」

ゲルト「……駄目だな。やはり言葉で伝えるのは向いていない。私の気持ちの半分も伝えられている気が……フラウ?」

エーリカ「………な、っにぃ」フルフル

ゲルト「お前……」

エーリカ「えへへっ……へ、変だ、っ……よね。わ、っっわっ……たし」

ゲルト「……」

エーリカ「に、似たような、ことっ……いっぱいっ……いっぱいみんなにい、言われた……のにっ、ト、とぅるーでに言われたっ……だけでこんなっ……な、泣いちゃうぅ」

ゲルト「フラウ」ギュッ

エーリカ「私もっ……い、一緒だよっ……」ギュゥ

ゲルト「!……ああ」

エーリカ「いきのこっれてっ……とぅるーでにまた会えて……っっ……すごく……う、うれしい」

ゲルト「ああ……っ……」ポンポン

エーリカ「…………だいすきぃ……」ギュゥ

ゲルト「……」ギュッ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ゲルト「おあいこだな」

エーリカ「……何が」グスグス

ゲルト「あの時、お前に泣き顔を見られたからな。今度は私の番だ」

エーリカ「……なんだそれぇ」グスッ

ゲルト「……それはそうと、何か私に言いたいことがあるんだろう」

エーリカ「……?」

ゲルト「食事の終わり際に言いかけたやつだ。私が気づかないとでも思ったか。あんなに大泣きして今更恥も何もないだろう。言ってしまえ」

エーリカ「……トゥルーデ、昔はもっと鈍かったよ」

ゲルト「そうか?」

エーリカ「絶対そう」

ゲルト「だというなら、私も退官後、少しは成長したということだ」

エーリカ「別に……挨拶回り、トゥルーデも来れるなら一緒に来てほしいなって思ってただけだよ」

ゲルト「!」

エーリカ「でも別に無理しなくていいよ。トゥルーデはこの家を守らなくちゃいけないんでしょ?私もその方がいいと思う」

ゲルト「いいぞ」

エーリカ「いや、だから無理はしなくていいって……。正直、さっきのやり取りでわりと満足できちゃったし」

ゲルト「さすがにクリスが帰ってくる長期休暇の間は無理だが、学期中であれば付き合える」

エーリカ「だーかーら!私のわがままなんだから聞くことないってば!トゥルーデは私よりクリスの為に時間を使ってあげなきゃ駄目なの!トゥルーデだってそうしたいだろうしクリスにだって悪いでしょ!」

ゲルト「……なんだ」

エーリカ「……なに」

ゲルト「そんなことを気にしていたのか。泊まっていくことを渋ったのもそれが理由か」

エーリカ「だってようやく二人が一緒に暮らせるようになった家なんだから私が泊まるのなんて変じゃん!私の為に服とかベッドとか勝手に貸しちゃうし!クリスに後で怒られても私知らないよ!」

ゲルト「いや、家主の私が許可を出しているのだから……」

エーリカ「でも駄目なの!」

ゲルト「……」ハア

エーリカ「大体、私だって少しはしっかりしたんだよ。トゥルーデが居なくなってからは寝坊だってしてないし、書類整理だって、部屋の片づけだってちゃんと……。だから昔みたいに世話焼かなくてもさ……」

ゲルト「…………フラウ」

エーリカ「なんだよ」

ゲルト「お前は勘違いをしている」

エーリカ「何が」

ゲルト「まずクリスだが、詳しくは言えんが問題ない。むしろ、私がお前の為に時間を割くといったら喜んでくれるはずだ」

エーリカ「……なにそれ」

ゲルト「そういうことになっているんだ」

エーリカ「でもトゥルーデが無理して私の為に時間を割くとか私は嫌だ」

ゲルト「そこだ」

エーリカ「え?」

ゲルト「別にお前の為じゃない。私が自分の為に時間を割くんだ」スッ

エーリカ「え、だから……(顔……近……――――)」

ゲルト「―――」





ゲルト「―――フラウ、愛している。だから私を今一度、そして出来る事なら永遠にお前の隣に置いてくれ」


ゲルト「―――そうだな、その様に泣くのも私の前だけで頼む」

本編終わり
以下蛇足


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クリス「お姉ちゃん。私知ってるんだよ」

ゲルト「何がだ」

クリス「お姉ちゃん、ハルトマンさんのこと好きでしょ」

ゲルト「なっなっなっ何を言っているんだクリス!だ、誰があのハルトマンを」

クリス「だってお姉ちゃん、今度のハルトマンさんの退官式ずっと楽しみにしてるし」

ゲルト「そ、そんなことは……」

クリス「ハルトマンさんの乗った新聞記事だけは欠かさずスクラップしてるし」

ゲルト「うっ」

クリス「ミーナさんと電話するとき、さりげなくハルトマンさんの近況尋ねてるし」

ゲルト「ぐっ」

クリス「ハルトマンさんと電話するときは厳しいこと言っててもすごく嬉しそうにしてるし」

ゲルト「えっ」

クリス「電話切った後少し切なそうにしてるし」

ゲルト「」

クリス「明日私が寮に入って、次に私が休暇で帰って来たとき、ハルトマンさんをきちんと紹介してくれなかったら、私、お姉ちゃんのことちょっと嫌いになるかも」

ゲルト「」



ゲルト「」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

目を覚ますと、漏れた朝日を反射して輝く金糸が目に飛び込んだ。

時計を見ると、いつもの起床時間。退役してそれなりの期間を経たとはいえ、ゲルトルート・バルクホルンの体内時計は未だ正確であった。

胸に抱える、自分の物とは違う体温を感じつつ、昨日の顛末を思う。

昨日の時点で自分が彼女に対して抱く感謝の意を伝えることは決めていた。が、それ以上の思いを伝えるつもりはなかった。

それなりに段階を踏み、準備するものを準備してから、伝えるつもりだった。

が、エーリカに泣かれ、思いを知った。

ゲルトルートは自他ともに認める直情型の人間である。黙っていられるわけがなかった。

(……だとしてもこの状況は……)

ベッドの中で、二人。なお、衣服は着けていない。まあ、そういうことである。

ゲルトルートの理性は黒い悪魔の誘惑の前にあっさりと陥落した。


(だってあんなのは卑怯だ。あんな、あんなことを言われては私でなくとも……)

顔を赤くしながらの誰へとも知れぬ言い訳は腕の中の身じろぎによって中断された。

―――華奢な体だと、ゲルトルートは改めて思う。

その肩は、世界の命運を乗せるにはあまりに狭く、その背は、多くの命を背負うにはあまりに小さい。

だが、この小さな体はやり遂げた。変わらぬ笑顔を浮かべ、僚機を守り、世界を守った。

きっと、エーリカ自身も守るものに含まれていたはずだ。生きて帰ることの難しさ、尊さを誰よりも知っていたのはいつだって彼女だったから。

そのことを他の誰よりも、もしかすると彼女以上に自分が誇りに思っており、また感謝している事をこの機会に伝えようとしたのだ。

最も、言葉を尽くす前に泣かれてしまったが。

そう。泣き顔を見たのも久しぶりだった。自分達はいつしかお互いに弱みを見せないようになっていたから―――

心の底から信頼しているが、意地を張り合っている。そんな関係だった。

これからは、信頼と共に支え合える関係でありたい。そう強く思う。

といっても、今のゲルトルートは、エーリカに一方的に頼られようともたいていのことは受け入れてしまうだろう。

惚れた弱みというやつだろうか。自嘲的な気分になるが、それすら心地よく感じてしまうのだから始末が悪い。

エーリカに言わせると「好きになったのは私の方が先!」だというが。

昨日のワンピースも自分に見せる為に選んだのだと聞いた時には再び彼女を組み敷いてしまいそうな衝動に駆られた。

「―――とぅるーで?」

胸元を見下ろすと、寝ぼけ眼と目が合った。目元はまだ赤い。

「……フラウ」

出来るだけ優しく呼びかけ、ゆるゆると頭を撫でてやると、胸の中に花のような笑顔が咲いた。

……程なくして、再び寝息が聞こえ始める。

穏やかな寝顔を見ていると、ゲルトルートにも再び睡魔が襲ってきた。

ただでさえ数日前からは緊張であまり眠れていない。その上、昨日の一件である。

(……起きたら、挨拶回りの予定でも立てようか)

そう思いつつ、まどろみに身を任せた。

お互いにとって久しぶりの寝坊が今日という日であるのも悪くない。ふと、そう思った。

蛇足も終わり

エーリカちゃんも大活躍のサン・トロンの雷鳴絶賛公開中
このSS全然関係ないけど

三日後くらいにhtml化依頼出します

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