男「治安維持課?」(165)

教師「うむ、ここって士官学校だろ?
   将来国を守る防衛隊やら国際軍やら警察に入る奴が入るとこだよな」

男「ええ 概ねそうですね たまにミリオタとか厨二が入ってきますが」

教師「そこで生徒が学校を動かす方式のこの学校で手本となる課を立てろといわれてな
   それっぽい名前の課を立ててみた」

男「そうですか ……何故俺に報告を?」

教師「担当が私一人で寂しかったから」

男「何をする課なんですか?狙撃課、車両課とか色々ありますけど」

教師「治安維持だ 学校のみならず街にもガンガン出るぞ」

男「それって風紀委員やボランティア部で十分なんじゃ……」

教師「そうそう、問題はそこだ いーじゃんかそいつらを手本にすれば
   校長意味わからん」

男「……まあ俺は来年度から捜査課と剣術課の二課生徒になるつもりですから
  ぶっちゃけ人事ですけどね」

教師「ふっふっふ もう遅い 君は既に登録済みだよ明智君」

男「えっ!?二課には来年度からの選択課届出したはずですけど」

教師「向こうの担当の先生の弱みチラつかせてお前だけ抜いてもらった」

男「最低の教師ですね 俺の人生を壊すつもりですか」

教師「これも運命だと思って諦めてくれ
   明日から早速活動開始するから始業式終わったら別館の空き教室に来い 返事!」

男「い、イエスマム…覚えとけよ……」

---別館 治安維持課(仮)---

教師「きたか」

男「きたかじゃないです 書類偽装で訴えますよ」

教師「まあそう険悪になるな 犠牲者はもう一人いるから」

女「…………」

男「あれっ、女さん?去年同じクラスの……」

女「……はぁ…」

教師「どーした辛気くさいぞ若者よ しゃきっとせいしゃきっと」

男&女『誰のせいですか誰の!!』

教師「息ぴったりじゃないか あれ、私凄いナイスじゃないか?
   もしかしたら歴史に名を残す名コンビを作ったかも」

女「あー、どうしてこんなことになったんですか……
  火器課と車両課の二課に行くつもりだったのに……」

男「え?女さんも二課受けるつもりだったの?」

女「はい……もしかして男さんもですか?」

男「ああ、捜査課と剣術課に行くつもりだったんだけど……
  春休み最終日に訓練してたらこの様だよ」

教師「どのみちお前は優秀だと聞いてたからいずれ呼んだぞ」

男「ブラックホールみたいな人ですね先生って」

教師「まあ私も鬼じゃない 数が少ない代わりにvip待遇も用意してあれる!」

女「今噛みましたよね?」

教師「~~ッ!~~ッ!」

男「犬歯か奥歯で噛んだな絶対」

教師「まず専用の寮!新しい課だから当然新築だ!」

男「変なところで豪華!」

教師「そしてお前達が望むなら暇な各課の先生を呼んで
   その課の授業を個別で受けさせてやる!」

女「え、割と好条件ですね」

教師「最後に校外から依頼が来たら交通費宿泊費+α付きだ
   まあ依頼っていったって警察の取りこぼしか雑用くらいだろうけどな」

男「初回特典が豪華なクソゲーを買った気分になってきました」

教師「ちなみにもう寮建ってるし引っ越し業者来てるから」

女「無駄に仕事が早いっ!」

男「でも…よく考えてみれば対して経費はかからないな
  二人分の住宅なんて他の課のサービスと比較したら……」

教師「ん?誰がお前らだけなんて言った?」

男&女『えっ?』

------

男「最初の任務は『人材確保』か……」

女「少なくともあと三人いないと課として認められないんですよね」

男「いや……それにしたって他の課と比べればゴミみたいな人数だ
  剣術課なんて四百人いたのに……はぁ」

女「ま、まあなっちゃったものは仕方無いじゃないですか!
  ……それでどうやって課生を募るんです?」

男「二人だけ心当たりがあるんだ もう一人は……どうするかなぁ」

女「あの……私心当たりがあります」

男「そうか 意外と簡単に集まりそうだな
  まず俺の心当たりのほうに寄っていいかな?」

女「はい!」

男(元気な人だな……)

女(静かな人だなぁ……)

---男子寮---

友「で、僕のところに来たわけ?」

男「ああ たしかお前さ、単課希望だったろ?
  じゃあ建て前だけでいいから治安維持課に入ってくれないか」

友「フフ、いいのかい建て前だけで?本当に何もしないよ?」

男「……まあ仕事が入ったら頼む」

女「男さん、この人は……」

男「ああ、こいつは中等部から一緒の友だ
  友、この人は俺と同じ犠牲者の一人である女さん」

女「どうも、よろしくお願いします!」

友「よろしくってまるで僕がそのナントカ課に入るのが決定してるみたいだね
  ……でも面白そうだし入ってみようか」

男「ま、マジか!?いやあ助かるよ!」

友「にしても一度始めたら止まらないのはキミの悪いクセだよね
  ほっとけば不要ってお偉いさんの一言で無くなるのに」

男「専用の寮もあるから使ってくれ
  ……それより姉貴見なかったか?」

友「そういえばお姉さん手伝いに来てるんだっけ?偉いねー♪
  飢えた男子たちにレイプされてもしらないよ?」

男「無い無い …こともないか 変態の溜まり場だし危ないかも」

??「きゃーっ!男優しーい!」だきっ

男「うわぁあ!」

女「きゃ!?」

友「フフ、よかったじゃないか 探す手間が省けて」

女「この人が男さんのお姉さんですか?」

男「うぐっ……そうだよ…」

姉「友くん久しぶりー!可愛娘ちゃん初めまして!
  男の姉でーす!」

男「姉貴離れろ!背中に柔らかいモノが……!」

姉「あ・て・て・る・の♪ほらほら興奮するでしょー?」

友「あっははは!相変わらず元気な人だなあ!」

男「ええい、離れろウゼエ!」バッ

姉「ああん♪」

女「あれですか、いわゆる……」

友「ブラコンだね♪」

男「姉貴、おりいって頼みがあるんだ」

姉「なーんだ、『姉貴に会いたくなって…』みたいな理由を期待してたのに…
  で、なーに?男の頼みなら何でも聞いちゃうゾ☆」

男(うっぜえ)

男「よし、今の言葉忘れんなよ?」

------

姉「ふーん、『治安維持課』かぁ
  ふふっ、あの先生もそれなりに忙しいのね」

男「姉貴あの先生知ってるのか?」

姉「知ってるも何もおととしの担任よ
  よく『購買でメロンパン買ってこい』って言われたわ」

女「教師とは思えませんね」

男「で、入ってくれるのかくれないのか」

姉「入るに決まってるじゃない!整備課の掛け持ちにするわ」
  今なら男と同じ寮に住めるサービスつき…これなら夜這いも…!ぐへへへ……」

男「やっぱ入んなくていいや 誰か通信機で通報入れといてくれ」

姉「ジョーダンよ♪真にうけるなんてさすが童t」

男「うるせえぞ処女」

女「どーて…?しょじょ……ってなんですか?」

友「ワーォ……どんな純粋な育ち方をしてきたんだいキミ?」

男「そう遠くない未来わかるよ」

もしかして需要無い?

ありまくり

>>12 ありがとう

男「じゃあここに名前と今の寮の部屋番号書いといてくれ」

姉「はいはいりょーかい!」

男「さてと……あと一人か 女さん、案内頼んでいいかな?」

女「はい、こっちです!」

------

男「ここは……一年の教室だな 懐かしいというより久しぶりな気がする
  ……って女さんの心当たりって一年の子?」

女「はい、中等部で同じ部活だった子です
  私はもうやめちゃいましたけど……」

友「確か演劇部だったかな?去年の学園祭で見たよキミ」

男「へぇ、演劇部か……楽しそうだな」

女「あはは、ご存知でしたか ちょっと呼んできますね!」

姉「……で、男」

男「ん?何だよ」

友「あの子とはどこまでいったんだい?」

男「はあ!?いやいや早いだろどう考えても!
  ケダモノじゃないんだから!」

姉「そーだよね、どっちかっていうと草食系だし」

友「エロゲーはやるのにね♪」

男「うっせえ」

女「お待たせしました、連れてきましたよ!
  後輩ちゃん、挨拶挨拶!」

後輩「…ぁ、あの……」

友「ん~?どっかで見たことある子だなぁ…」

後輩「!」ビクッ

女「後輩ちゃん、怖がらないで ね?」

後輩「えっと……一年の後輩です、よろしくお願いいたしましゅ…いたします//」

友「あはっ、大事なとこで噛んじゃったね♪
  僕は友っていうんだ 大丈夫、お兄さん怖くないよ?」

姉(なんていうか…内気な子だね)ヒソヒソ

男(ああ 聞き込みとかには不向きな性格かもな
  でも可愛いしアリだと思います)ヒソヒソ

姉「ひどいよ男ー!お姉ちゃんがいるのにー!」だきっ

男「うわっぷ!?すぐに抱きつくのやめろ!」

女「ほら、二人も自己紹介してあげてくださいよ」

男「あ、ああ… 俺は男です よろしく」

姉「私は男の姉でーす!ちなみに肉体関係を…」

男「築いてないから勘違いしないでくださいね」

後輩「ふふっ……」

友「……あ!思い出した♪」

女「え?何をですか?」

友「さっき見たことある子って言ったじゃん?どこで見たか思い出したよ
  キミ去年の学園祭の出し物で主人公やってなかったかい?」

後輩「あ……去年見に来てくださったんですか?」

友「屋台の準備が早く終わって暇だったから中等部にも行ったんだ
  男、キミも僕と二人っきりで舞台を見に行ったよね♪」

姉「アッーーー!」

男「違ぇよ!?キモい言い方すんな!
  彼女もいない俺は確かにお前と学祭まわったけど間違ってもソッチはねえよ!」

友「昨日はあんなに激しかったのに……」

男「いつまで続くんだその設定……
  でも主演なんてすごいですね」

後輩「い、いえ…やりたい人が少なかったのでたまたまですよ……」

女「あれっ、そういえば後輩ちゃん特待生でしたよね?
  今年から課に入れるのに入らなかったんですか?」

後輩「実は迷っていて…以来解決の報酬が目当てだったので
   捜査課か火器課にいこうと思ってるんですけど…」

友(特待生って?)ひそひそ

女(おうちの事情で寮賃を払うのが難しかったりする生徒に設けられる制度です
  確か報酬額が増えたり寮賃が免除されたりするらしいです)ヒソヒソ

男「じゃあうちの課…治安維持課に入ってみませんか?」

後輩「えっ……?」

姉(交渉に持ち込むの早いなぁ…)

男「依頼があれば報酬は個別で払われますし校外任務だった場合
  宿泊費交通費も支給されますよ」

後輩「ほ、ほんとですか……!?」

友(あれっ、交渉成立?)

女(男さんすごいなあ……)

---治安維持課 専用寮内---

男「はー、これでひとまずおkか……」

女「ふふっ、お疲れさまでした!」

後輩「ぁ、あんないい部屋までありがとうございます……!」

男「俺ほぼなにもしてないけどな 後輩ちゃんだって女さんの紹介があったから…」

女「あの、なんで『さん』付けなんですか?
  もうちょっと砕けて…お、女って呼んでもらえないですか?」

男「んじゃ女、なんで同学年なのに敬語なんだ?
  もっと砕けたほうがよくないか?」

女「それはちょっと……昔から敬語は板についてますから」

後輩「け、敬語といえば…なんで男先輩は私に敬語を使うんですか?
   私のほうが下なのに……」

男「いやぁ、なんか主演だった人なのにふつうに話すのは畏れ多くて……
  ダメッスかね?」

後輩「だ、ダメですよぅ!私のほうが低学年なんですから……
   無理にとはいいませんけど……」

男「そうですか、じゃあ……ちょっと砕けさせてもらうよ」

後輩「!は、はい…!これからよろしくお願いします!」

男「ハハ、こちらこそ」

女「にしても結構かかってますね、荷物整理」

男「友は荷物が多いのかもしれないけど
  姉貴は散らかってるだけかもな 一緒にいた頃からだらしなかったから…」

今日はこのへんで 寝ないけどおやすみなさい

ピピピピピ ピピピピピ

男「ん、この着メロは維持課の……」

女「何か任務でしょうか?」

ピッ

男「はい、こちら治安維持k」

教師『んなことはわかってる!
   緊急指令だ!すぐ会議室まで来い!』

男「! な、何かあったんですか!?」

後輩「え……!?」

教師『話は後だ!とにかく新入りも含めて全員会議室に集合!いいな!』プツッ

男「あ、先生!……切りやがった…」

女「何か事件のようですね!友さんと姉さんを呼んできます!」

男「ああ、頼む!」

後輩「わ、私足手まといにならないでしょうか……心配です…」

---会議室---

教師「猫が行方不明なんだ!」

一同『は?』

教師「私の友達の猫が昨日の夜から帰っていないらしい」

教師友「うぅ……ミーちゃん…くすん」

男「……先生、俺らって治安維持課ですよね?
  猫が一晩遊びに行ったままなのと治安になんの関係が……」

教師「なにをいう!公国民の心の平和を守るのも治安維持課の業務だ!
   ……ちなみにこれが行方不明のミー氏の顔写真だ」

ttp://ike.nu/hfv

友「これは…マジな子猫ちゃんだね…」

女「わあぁ……可愛い…♪」


後輩「トラ猫さんですね……」

姉「あ、可愛いじゃん!」

男「ほ、本当にタダのぬこだ…可愛いけど」

教師友「ミーちゃんはいつも昼間になると中央広場横の公園に遊びにいくの…
    いつも夕飯になると帰ってくるのに昨日は帰ってこなくて…うっうぅ…」

教師「落ち着け竹馬の友よ!私の教え子達が必ず……」

男「まだ何も教わってませんけどね
  …その公園、ほかに動物はいますか?野良ぬことか野良犬とか」

教師友「野良猫は確かいたはずよ……犬はいないとおもうわ」

男「なら大丈夫そうだ よし、みんな行くぞ」

友「あはは♪何だかんだでやる気満まんだねぇ?」

アドミスた
ike.ne× kei.nu○

男「ぬこが可愛いからな 哀願動物見捨てて明日食う飯が旨いかよ」

姉「やさしーね♪」

女「猫さん……♪」

男「治安維持課、ただ今より行方不明者捜索に出動します!」

---公園---

男「とは言ってみたものの……」

後輩「ね、猫さんはいっぱいいますけどミーちゃんは見つかりませんね…」

女「い、一匹くらい持って帰っても……!」

姉「あはは、気持ちはわかるけどダメだよ?
  許可がないと飼えるかわかんないし」

女「あぅ……わかりました…」

今日はこのへんで
またアドミス 指が冷たいし眠くて…済まない
kei.nu ×→kie.nu ○

猫「にゃー」

男「あっ……」

姉「男?どーしたの?」

男「いや……もしかしてコイツじゃないかな」

女「あっ、確かに!写真そっくりですね」

友「首輪もしてるしこの子で間違いなさそうだね
  任務達~成~☆お手柄だね男♪」

男「お前にほめられても嬉しくねえよ」

後輩「…さあ、帰りましょう 飼い主さんが心配してますよ」ひょいっ

ミーちゃん「にゃーん?」

キャーッ!

男「!悲鳴だ!」

女「向こうから聞こえましたよ!」

------

不良「いいじゃねえかよねーちゃん」

不良2「オレらがヤってやろうって言ってんだ 一発くらいいいだろうが?」

娘「い、いやですわ!何で顔も知らない、それも貴方達のような人と……」

不良「そうだ、俺らはてめえとは釣り合わねえ負け組だよ」

不良2「だから手段なんか選ばねえんだよ!オラ脱げ!」ガッ

娘「いやぁっ!?離しなさい!だ、誰か!」

??「そのへんにしとけよ」

不良共『!』

娘「……?」

男「強姦はエロゲーだけにしとけ」

友「それはキミだけでしょ?」

不良「ハッ、何だガキかよ」

不良2「テメエらどこのガキだ?ん?」

女「公国士官学校治安維持課です!婦女暴行の現行犯で拘束します!」

不良「……ハッ、」

後輩「……?」

不良『ハハハハハッ!』

チャキッ

女(! ナイフ……!)

不良「使えねえサツの卵が俺らに口出してんじゃねえよ!」

不良2「聞かねえ課だしそこの三人、よくみりゃなかなか上玉じゃねえか……」

後輩「ひっ……」

男「抵抗するのか?知らないぞ、痛ったいぜー?
  …友、訓練用の武器は持ってるよな?」

友「もちろんさ なーんか春休みでなまっちゃったんだよね」ポキポキ

男「女、姉貴、後輩!そこの子とミーちゃん連れて離れててくれ」

女「えっ、私もですか!?せっかく戦闘準備してたのに…」

男「か弱い女の子を戦わせるのは気が引けるんでね」

不良「チッナメやがって…」

不良2「ノしちまえ!」ダッ

男「よし、暴徒鎮圧開始」

友「了解っ!」ダッ

不良「よっ!」ビュッ

友「あはっ、遅っ♪」ビシッ

不良「がっ!?痛ェ……!?」

友「はぁっ!せやっ!」バキッ ドムッ!

不良「ぐほっ……!!マジ…かよ…」ドサッ

不良2「うりゃあああ!」ブンッ

男「よっと」ヒュッ

男「一個アドバイスやるよ 振り大きすぎ」

不良2「ッ!ガキィ…調子んのってんじゃねえぞおおおッ!」ビュッ

キィン!

不良2「なっ…!」

ポキッ

女「あっナイフが……」

男「ふっ!」ビュン!

バギッ!

不良2「ごぼぁあっ!?」ドサッ

友「うーん、ナイスファイト!」ぱしん

男「ああ、お疲れ」ぱしん

女「す、すごいですね!なんか感動しました!」

姉「あー、中央公園にて婦女暴行犯を拘束
  依頼にあった行方不明者も確保 犯人の回収求む」ピッ

男「報告サンキュー よし、早くミーちゃん届けようぜ」

娘「あのっ!課のお名前をお教えいただけませんこと?」

友「治安維持課、だよ 今後ともごひいきに♪」

今日はこのへんで

------

教師友「ミーちゃん……!」

ミーちゃん「にゃんにゃん!」

教師「いやーお手柄だなお前ら 強姦未遂犯まで捕まえてくるとは
   私も鼻が高い、やはり教えがよかったんだな!」

男「だからまだなにも習ってませんけど
  ……で、そのぬこは何だ?」

黒猫「にゃーん?」

女「あはは、すみません……」

後輩「つ、ついてきちゃって……」

姉「かわいーっ♪」

友「河合?」

男「言ってねえよ 先生、寮で猫って飼っていいんですか?」

教師「ハハハ、警察犬ならぬ警察猫か!
   今回の手柄に免じて私が話を通しておいてやる!」

女「えっ!?本当ですかっ!?」パァァ

後輩「や、やったーっ!」

男「凄いうれしそうだな… ちゃんと世話してくれよ?」

黒猫「にゃんっ」ピョン

男「うわっ …急に飛んでくるなよ」ナデナデ

黒猫「ふにゃ~……ゴロゴロ…」

友「ははっ、男もまんざらじゃないみたいだね?」

男「フフ、まあな さて帰るか
  明日からは通常の必須授業もあるしな」

女「クラスどうなるんでしょうか?楽しみです!」

友「僕は男と一緒がいいn」

男「俺はイヤだ」

友「……しょんぼり」

---男の部屋---

男「………」カタカタカタ

pc画面『や、優しくしてね……』

男(よし、ルート入ったな…ここでセーブ・分岐してcg回収を……)

黒猫「にゃー」

男「よしよし……コード噛むなよ」

コンコン

男(?こんな時間に誰だ……?)

女「あの、まだ起きてます?」

男「女か、起きてるよ 何か用か?」

女「いえ、用ってほどじゃないんですけど……」

男「廊下寒くないか?よかったら 入ってくれ、コーヒーくらいいれるよ」

女「あ、じゃあお言葉に甘えて」ガチャ

女「お邪魔しまs…って電気つけてないんですか!?
  ダメですよー、目悪くなっちゃいますよ?」

男「ハハ、こんなの日常茶飯事だ 今は客人もいるからつけるけど」パチッ

黒猫「にゃっ!」

女「あー、猫さーん!相変わらず毛が柔らかい……♪」

男「今コーヒーいれるからな 砂糖いるか?」

女「あ、お願いします!」

黒猫「にゃーん」

男「お前はダメ さっきツナ食っただろ?」

男「廊下寒くないか?よかったら 入ってくれ、コーヒーくらいいれるよ」

女「あ、じゃあお言葉に甘えて」ガチャ

女「お邪魔しまs…って電気つけてないんですか!?
  ダメですよー、目悪くなっちゃいますよ?」

男「ハハ、こんなの日常茶飯事だ 今は客人もいるからつけるけど」パチッ

黒猫「にゃっ!」

女「あー、猫さーん!相変わらず毛が柔らかい……♪」

男「今コーヒーいれるからな 砂糖いるか?」

女「あ、お願いします!」

黒猫「にゃーん」

男「お前はダメ さっきツナ食っただろ?」

ミスた スマソ

女「言ってることがわかるんですか!?猫人間…」

男「何だよそれ… 何となくそんな気がするだけだよ」

黒猫「にゃーん……」

女「あれ?パソコンついてますよ……」

pc画面『す、すごい……こんなに大きくて固くて…』

女「っ!?////」

男「さっきまで使ってたからさー」

女「……////」カチカチ

pc画面『んっ!らめぇ、激しいのぉっ!』

女「あ、あぅ…///」

男「hey、ブレンドコーヒお待ち
  ってオイコラ」

女「わひゃあっ!?す、すいません!//」

------

女「男さんもあーいうのするんですね
  そ、その……えっちなゲーム…//」

男「あああ失敗した……早く閉じときゃよかったああ……」

女「いえ、仕方ないですよ!男の子なんですし…//」

男「まだここネットがつながってないからさ ゲームしかやることないんだよ」

女「内乱以降急激に科学技術が発展したから流行しだしたんですよね
  ……そういえばまだ荷物、全部は片付いてないんですか?」

男「ああ、機材ばっかだしね 広い部屋ってのもまた乙なもんだよ」

女「声かけてくれれば手伝いますよっ!
  にしても凄いですよね、個室に風呂、台所付きですよ」

男「気になって調べてみたんだけどさ、大浴場のクソ広い風呂にお湯ためるより
  こっちのほうが遙かに安上がりなんだってさ」

男「そういえば何か聞きたいことがあったんじゃないのか?」

女「はい、さっきも言ったとおり大したことじゃないんですけど…」

男「ふむ ……ん」ゴクッ

女「もしも私がこの課をやめるっていったらどうしますか?」

男「ブッッ!」

女「きゃあっ!」

男「ゲッホゲホ…マジで!?辞めるの!?雑巾雑巾…」

女「だからもしもって言ったじゃないですか!」

男「ふう、ブラックすぎるジョークだな……
  まず全力で止めるだろうな」

女「それでも出てくって言ったとしたら……?」

男「そしたらあきらめる 女の選んだ道を止められる権利は俺にはないからな
  考え直してくれないか、くらいしか俺にはいえない」

女「そうですか……」

男「そんで……俺もやめると思う」

女「え……?」

男「今日みんなで初めて動いて思ったんだよ 俺ら結構かみ合うんじゃね?って
  今いるメンバーが増えるのはいいけど減るのはイヤだ
  ここ辞めて普通に捜査課と剣術課に移動する」

女「……」

男「何よりさ、お前がいるとそれだけでなんか嬉しいんだ」

女「えっ!?」ドキッ

男「あ、いやいや変な意味じゃなくて……
  冷静だし行動早いし可愛いし」

女「か、かわ……//」

男「……思い返したらくっせえキモいこと言ってたな俺 吊りたい」

女「人生退場!?だ、ダメですよ吊っちゃ!
  ……ふふふ…」

男「?どうした?」

女「いえ、ありがとうございました!
  …本当は迷ってたんです この課でよかったのかなあって
 でもそのモヤモヤを全部払ってくれて…ありがとうございました!」ペコッ

男「ハハ、大げさだな エロゲ見てクサイ台詞聞かされただけなのに
  …でもなんかあったら相談してくれよ 一応この課の行動責任長だから」

女「……はいっ!おやすみなさい!」

男「ああ、おやすみ」

---廊下---

女(すごい人だなあ…不安が嘘みたいに消えちゃった)

女(…大丈夫、私は私として生きていける!)

はい、今日は終わりですありがとうございました

---翌朝 教室---

男「ど う し て こ う な っ た」

女「ふふ、席まで隣ですね!よろしくおねがいします!」

友「あっははは!僕たちもしかして赤い糸か何かで結ばれてるのかな?」

男「お前はもう…あれだ 怖い」

友「んーそうかなー?仲のいいオトコトモダチってこんなもんじゃない?」

男「そしたら同性愛とかホモって言葉は存在しないだろうな」

女「でも不思議じゃないですか?全員同じクラスなんて
  確かに運命かもしれません」

男(いや、何かある…きっと身近なところに原因が……)

ガラッ

教師「ほら席つけー ホームルーム始めるぞー」

男「お前かあぁぁあぁぁっ!」

教師「どうした男 頭おかしくなったか」

男「絶対先生でしょう!この二人を仕組んだの!」

友「~♪」

女「あ、私が隣なんてイヤでした……?」

男「いやむしろ嬉しいけど……ってそうじゃなくて!」

教師「大丈夫だ、この件には一切私は手を加えてない」

男「……俺の目を見てもういちどゆっくり言ってみてください」

教師「イッサイテヲクワエテナイ」

男「…どうやら本当みたいですね なんて偶然だ……」

眼鏡「君、静かにしたまえ」

男「ああ、悪い……」

教師「そんじゃ出欠確認するぞ 初日から死んでるやついるかー?」

男(絶対偶然じゃない…だれかの意図が……)

---放課後 維持課寮 食堂キッチン---

グツグツ

男「はー……疲れた」

姉「お姉ちゃんの魅惑のボディで癒してあげよっか?」

男「ヤったあと疲れるから遠慮しとく」

姉「しゅん……じゃあ男も男の下半身も元気なときにヤろっか!」

男「ぁあーはいはい……シチューはこれでいいか
  姉貴も手伝えよ、俺ら可愛そうだと思わないのか」

後輩「た、確かに私は料理なんてダメダメですし……」

ピピピピピ ピピピピピ

姉「ほらほら鳴ってるよ?」

男「チッ、バカ姉貴が……
  はいはいこちら治安維持課」

教師『その声は…男か』

男「先生でしたか どうしました?任務ですか」

教師『ああ、三件来てる 二件はともかく一件が少し厄介でな……
   すまないが全員で職員室まで来てくれ 今日中ならいつでも構わん』

男「了解、通信アウト」ピッ

姉「任務入ったの?」

男「ああ、三件中一件は面倒ごとらしい
  友と女呼んでくるから準備しといてくれ」

後輩「……シチュー冷めちゃいますね…」

姉「後で男が何とかしてくれるでしょ」

男「おいコラ」

------

男「で、何ですか?」

教師「まずはこの写真だ」スッ

女「これは……財布とバックですね」

友「わーかった 落とし物の捜索だね?」

教師「ああ、ちょっと調べてみたんだが
   市街門の近くで似たものを見かけたという生徒からの証言があった」

後輩「お、お財布もバックに入ってたんですか…?」

教師「話によるとらしいな
   一件目はこれだ」

教師「二件目の依頼主は私だ!」

男「そんな胸を張られましても」

姉「ふふっ、購買のメロンパンですか?」

教師「いや今の時間は購買は終わってるからな コンビニで弁当買ってきてくれ」

男「ただのおつかいじゃないですか……」

教師「お・ね・が・い♪」

男「いい大人が何言ってんだ 三件目は?」

教師「これが厄介でな……この地図の×印があるだろう」

女「ここってスラム街の入り口ですよね」

男「難民の救助か何かですか?」

教師「いや、ここで屯してるギャングの支部
   これをぶっ潰してもらいたい」

後輩「え、えぇっ!?」

男「そんなことでしたか わかりましたよ」

友「楽勝だね♪」

女「男さん、私だって戦えるっていうのを見せてあげますよ!」

男「ハハ、期待してるぞ」

教師「犯罪予告があったと捜査課から連絡があったんだ
   これを気に一斉摘発しようと話になったときに任せられたんだ」

姉「強姦未遂犯からいきなりの飛躍ですね…」

教師「鎮圧が終わったら連絡してくれ
   あいつらの活動予定とかの情報収集が今回の本命だそうだ
   頼んだぞ」

---スラム街---

チンピラ「サツになるようなガキに負けるんじゃねえてめえら!」

ブンッ!ガツッ

チンピラ「ぐぶっ……!」

男「こいつら、経験値に換算したら間違いなくexp1だな」

ギャング「くそっ、何だって突然っ……」

タタタタタン!

ギャング「ぐあっ!?」

女「45acp鎮圧弾でサブマシンガンだからって、
  ナめてると痛い目に合いますよ?」

男「向こうからふっかかってきたのにこれはカッコわるすぎじゃないか?」

女「ですねー、もう大体片付いたでしょうか」

頭「ガキ共、ナめた真似しやがって……」

男「アンタがここのボス猿だったか?で、降伏するかノされるかは決まった?」

頭「降伏するわけ……」

男「……来るぞ、気をつけてくれ」

女「イエス・マム……!」

頭「ねェだろうがああああァッ!!」ブンッ

男「おわっと」ヒュッ

バゴンッ!

女「か、壁が……」

男「コイツはなかなかやるみたいだ ……真剣でいくか」スラッ

女「!だ、ダメですよ!殺しちゃったらどうするんですか!」

男「大丈夫だ、峰打ちにするから」

ギィン!ギギィン!

男「遅いな、アクビが出る」

頭「ハッ、自分の身しか守れてねえようだ……なッ!」ヒュッ

男「!女、退け!」

女「!?きゃぁっ!」ガッ

頭「ククク、だからガキだっつってんだ 注意が散漫すぎんだよ」ヂャキ

女(!拳銃……なるほど、私は…)

男(人質ってわけか……)

頭「そのサーベルを捨てろ!でねえとガールフレンドがどうなっても知らねえぞ」

女「…ぅっ…男さん、私に構わず……っ」

男「…………手を離せ」

頭「あぁ?状況がよくわかってねェようだな コイツは人質d」

男「手を離せっ!!」

頭「!」ビクッ

男「……でないと、お前の汚い命の保証は出来ない」

頭「くっ…!」カチッ

女「っ……」ブルブル

男「……奥義」

フッ

頭「なっ…き、消えた!?」

ズバンッ!

頭「……くっ!」スパッ

バキッガチャン

女(け、拳銃が……)

男「カマイタチ…」

頭「ひ、ひぃっ!」ドサッ

男「よくも仲間のコメカミに銃なんて突きつけたもんだ
  よっぽど死にたいらしいな」

女「お、男さんっ!」

頭「わ、悪かった!降伏する!情報だって全部渡す!だから……!」

男「……ふっ!」ビュン

ゴッ!

頭「ぶがっ!……ァあ…」ドサッ

男「……こちら男、鎮圧完了 無力化者の拘束と情報回収求む
  攻防ともに死者負傷者なし 以上、通信アウト」

女「…………」

------

教師「いやーお手柄お手柄 弁当うまい」モグモグ

男「何か有要な情報はありました?」

教師「まだわからん解析中だ 喜べお前ら、二日休暇を取ってきてやった」

後輩「ほ、本当ですか……?男さんと女さんしか戦ってないのに…」

友「ひどいなー、僕も出口から逃げようとしたチンピラボコったよ?」

姉「わたしも裏口から出てきたやつらボコったよ!偉い?ねえ偉い!?」

男「あぁーはいはい 休暇ってことは、依頼は二日間打ち止めってことですか
  そんで明日から土日だから…」

友「身が休まる休暇、だね …ところで女ちゃん何処行ったの?」

後輩「そ、そういえば……」

今日ここまで 戦闘がすごい中二臭いw
字で戦うのって難しいんだな

---男の部屋---

ガサガサ

女「きっとこの部屋に、あれだけ強くなれる秘密が……」

女「どこかに何かあるに決まってます……
  典型的な隠し場所といえば……本の間とか!」バサッ

女「性奴隷取り扱い説明書、俺の生オナホ、催眠ハーレム、専用肉便器……//」ペラッ

女「こ、こんな顔になっちゃうんだ……あ、これ結構泣けるかも……
  二つ同時になんて……そ、そんな//」

ゴトッ

女「?これ……大刀?」

ガチャッ

女「!」

男「こんなとこにいたのか、一体何やって……!?
  お、俺の秘蔵のコレクションが……」

女「ち、違うんです!仕方無いですよ年頃の男の子なんですから!
  …それよりこれ、何ですか?」

男「あ、それ?見ての通り、和国製の大刀だけど」

女「さっき学園支給のサーベル使ってましたよね?こっちのほうが強そうなのに…
  何でこっちを持ち歩かないんですか?」

男「教えてやるから…何で俺の部屋にガサ入れてたのか教えなさい」

女「えっ!?」

男「お し え な さ い」

女「は、はいぃ……」

------

男「ふーん……じゃあ質問変えていいか?」

女「あ、はい」

男「何でそんなに強くなりたいんだ?」

女「……お父さんが公国軍に入ってて、それに憧れてたっていうのもあるんですけど
  一番は、この国の平和に貢献したいって思ったんです」

男「……よくわからん」

女「お父さんが九年前の国内紛争で殉職して、それから仇を討ちたいって
  思うようになって……この国の治安が仇って思うことにしたんです」

男「な、何か悪いこと聞いちまったな」

女「いえ、そんなに沈む話じゃないですよ!
  ……というか、謝るんだったら男さんも話してください!」

男「あ、ああ…変な同情買うのはイヤだから誰にも言うなよ?」

男「簡単に言えばこの刀はなんというか…思い出のモノだから
  あんまり使いたくないんだけどそれで納得……」

女「しません!」

男「デスヨネー どっから話したらいいかな……
  九年前の内乱の時に子供の誘拐事件があったの、知ってるか?」

女「あ、はい 何千件っていう被害届けがあったんですよね?
  犯人は国内の科学社だったとか……」

男「知ってるなら話は早い 俺もそれの被害にあってな」

女「え……!?」

男「あいつらは色んな用途に俺達ガキを使った
  主だったのが……人体実験…」

女「!」

男「今になるとあいつらが何を目的としてたか、大体予想が付く
  頭脳強化、身体強化ばっかりやってたところを見ると内乱だけじゃ説明がつかない」

女「……禁止された『人間兵器』ですか」

男「ハハ、軍進志望はさすがに色々知ってるな
  連盟憲法九二条、人の枠組みから外れる自らを礎とした兵器の製造はこれを禁ず
  これを隠密に量産、大陸を支配……たぶんこれが目的だ」

女「……失礼かもしれませんけど、貴方の強さの核は
  その実験の積み重ねじゃない気がします」

男「……ある時、一時契約でマフィアに売られてな
  そのヘッドがこいつは本物の妖刀だと言いながら大刀を二本部屋に飾った
  そのあと突然殴られて、一人が『どうすれば死ぬか賭けよう』と言い出した」

女「っ…!」

男「そっから少しボコされて目の前が真っ暗になった
  ……目が覚めたら死体だらけの血染めの部屋にいた」

女「え……っ」

男「ハッ……俺が、やったんだ 手には例の妖刀があった」

女「…い、今更だけどすいませんでした……!酷なことを聞いてしまって…」

男「いや、いいさ 今は楽しいんだからこんな昔話くらい
  …たぶんアレは生存本能なんだろう」

女「……沢山、そんな命を見てきたってことですか」

男「ああ、目の前で薬を打たれて破裂したり、頭に電極突っ込まれたりしてる同僚を見て
  俺が取った手段 …皮肉なもんだ、アイツらに植え付けられた力で生きながらえるなんてね」

男「それから今の父母に拾われた そのあと受けた検査で初めて自分の歳がわかった」

女「細胞の老化とかでわかるんでしたっけ
  ……あ、ということは姉さんと男さんは……」

男「姉貴と妹は実の姉妹だけど、俺は間に拾われたスラムボーイだ
  全然つながりはないよ」

女「そ、そうでしたか……」

男「…あ、もうこんな時間か!?」

女「え、何かあるんですか?」

男「いやmmorpgでパーティ組む約束してんだよ!こうしちゃいられん!」カチッ

女「あはは……じゃあそろそろ、おいとましますね」

男「ああ、階段あがるだけだけど気をつけてな
  階段に魔のレイパーとかいるかもしれない」

女「いませんよそんなの……男さん」

男「んー?」

女「例え不名誉な力でも、それは貴方の力ですから…
  私は、男さんを尊敬します!失礼しました!」バッ

男「……ありがとうな あ、女!」

女「ふぇ…?」

男「さっきの本、どれが一番濡れた?」

女「ッッ!///ば、ばかっ!//」バキッ

構成したとこまで終了…
これからあいたたたが増えると思うけど
暖かい目で見守ってくれ

---翌朝 休日一日目---

男「…………」ヒリヒリ

友「あーあ せっかくのイケメンが台無しじゃないか
  どうしたの?それ」

男「女にぶたれた」

女「ふ、ふんっ!男さんが悪いんですからね!」

姉「あはは、痛ったそー♪ほら男 早く行こ?」

男「あ、あぁ……」

後輩「…どこか行くんですか?」

男「久しぶりに実家に顔見せようと思ってな」

後輩「あ、あの男先輩!実は明日演劇部のリハーサルがあるんですけど…
   もしよろしければ見に来て頂けませんか……?」

男「そうだな……昼までには戻るし俺でよければ行かせてもらうよ
  体育館でいいんだよな?」

後輩「あ、ありがとうございます!待ってますから!」

女「あはは、モテモテですね!」

男「だったら嬉しいんだけどな」

女「ぁ……わ…しは…き…すよ」ボソッ

男「ん、何だ?」

女「な、なんでもないです!」

姉「ねえよかったらみんなも遊びに来ない?」

後輩「お、お気持ちはありがたいんですけど私は用事が……」

友「僕もバイト入れてるんだよ ごめんネ☆」

男「いやお前は別にいらないけど」

友「」

姉「む~そっか~……女ちゃんは?」

女「私は特に無いですけど……いいんですか?私なんかがお邪魔して」

姉「大人数で遊んだほうが楽しいに決まってるよ!歓迎するから!」

女「……はい!お世話になります!」

---男・姉実家---

女「大きい家…結構遠かったですね、市外だったなんて」

姉「学校とか大変だったんだよね~」

男「ド田舎だからバス停もちょっと歩かないとないしな」

コンコン

姉「ただいまーっ!」

母「あらあらおかえりなさい!まあまあこんなに大きくなって」

姉「私先週もきたけどねー」

女「あはは……」

男「母さん、ただいま
  この子が友達な 昨日来るかもって言っただろ?」

女「まあ男くん、彼女までつれてきて~
  もう初めては済ませたのかしら~?」

男「っ!は、話聞けよ!」

悪い誤字ったw
バカだからよくやると思う
指摘サンキューな

---同時刻 とある組織内---

??「そんなにすごいのか、そいつは」

?「ええ、そりゃあもう それだけのことをしながら私たちの目を
   すり抜けて今も生きているほどですから」

??「……フッ、『私たち』?私と貴様らを同じ柵に閉じこめるな
   ただでさえ狭いのに、窮屈でかなわん」

?「フフ、手厳しいですねぇ」

??「それで……『ドクター』、まさかそれだけが報酬とは言うまいな?
   依頼にあった人間はきっちり消したのだ チップの一つくらいないのか?」

ドクター「ではもう二つ、大サービスです 北市外から十五マイルほどいった所
     ここの森の奥には古代の城が残っていまして……
     珍しく強い魔獣が巣食っています いい狩り場になるはずですよ」

??「ふむ、狩り場の提供か……もう一つは?」

ドクター「先ほど話した生き残りの少年『男』についてです
     …彼、捜査官も志していたそうでなかなかのキレ者だそうですよ」

??「今日はいやに気前がいいじゃないか、怪しいものだ
   ……時間だ、私は行く」バッ

ドクター「相変わらず忙しいですねえ また頼みますよ、『狩人』さん」

---男・姉実家周辺---

女「すー、はー、すー、はー……空気が美味しいですね!」

姉「そうかなあ?このあたりってこんなもんだと思うけど……」

男「向こうが汚れてるんだろうな
  ここが田舎だってのもあるんだろうけど……」カチカチ

女「もーっ、こんなときくらいゲームやめてくださいよ!」

男「いいじゃないか、俺らは慣れてるんだし」

姉「男、五秒以内にやめないと襲うよ?性的な意味で ごー…」

男「はいやめたよやめました」

姉「ぶー、そんなにイヤなの?」

女「ふふふ……姉さんは少しお母さんに似てる気がします」

男「同感だな しっかりしてくれよ二人とも……」

姉「そろそろ帰ろう?夕飯の準備しなきゃ、男が」

男「……姉貴は雑草サラダのみな」

男・姉『ただいまー』

母・父『おかえりー』

男「親父……帰ってたのか?」

父「うむ、先程な それにしてもすごいじゃないかお前達!
  新聞にも載ってたぞ」バサッ

姉「わーほんとだー♪」

男「い、いつの間にマスコミなんか……」

母「ほらみんな座って~ 男は手伝って~」

男「あーはいはい」

女「あの、私もよければ手伝いますよ?」

父「ん、君 男たちの同僚か?」

女「はい、女です!よろしくお願いします」ペコッ

父「……男~やるじゃないか~」

男「…………ア?まさか彼女連れてきたとか言いたいのか?」

父「違うのか?なんだ、私はてっきり……二次元から三次元に進出したのかと……」

女「あはは……」

男「妙なこと言うなよ 女に失礼だろ」

女「ぇ……」

姉(踏みやがったこいつ)

男「俺はともかく女が俺に気があるなんて……なあ?
  第一俺となんかじゃ釣りあわない…ってどうした怖い顔して」

女「……ふん、何でもありませんよーだ!」

母「まあまあ、昔のお父さんみたいね~」

父「か、母さん…… 客観的に見るともやもやするなあこれは」

------

姉「ふー、食った食った!先にお湯もらうねー♪」

男「オッサンかよ」

父「呼んだか?」

男「呼んでねえよ!何その悲しい自覚!」

母「くすくす……」

男「はー……なあ女、ちょっと外行かないか?」

女「へっ!?べ、別にいいですけど……」

父「おお?ヤるのか?ヤってしまうのか?」

男「オッサンは黙ってろ 行きたいとこがあってさ
  あ、でも歩きだと遠いか……」

女「それでしたら私が車を……」

男「えっ、運転できるのか?
  親父キー借りるぞ」

-----

ブロロロロ...

男「大したもんだな、車両運転の資格持ってるなんて……」

女「あはは、そんなに凄いことじゃないですよ 一応車両課志望でしたから
  ……ところで男さんのお父さんって何者なんですか…?」

男「ん?さっき女もみた通り普通のオッサンだけど」

女「そんなわけないでしょう、こんないい車を私用で乗り回すなんて!
  帝国製のハーゲンですよ!?車内は黒檀使用ですよ!?」

男「し、知らねえよ……車はそんなに詳しくないし」

女「わっかんないですかね~この素晴らしさが!」

男(……俺でいうアニメやゲームみたいなもんなのかな)

女「ところで目的地はまだですか?」

男「ああ、もう見えると思うぞ」

---森奥 古城---

女「……こ、ここですか…?」

男「ああ ここ夜になると……出るんだってさ」

女「な、なな何がです……?」

男「そりゃあお前……ユーレイだろ」

女「ひっ……!」ゾクッ

男「家から森までは結構近いだろ?近所の人がよく木を採りにくるんだよ
  ある日、あるきこりが夢中になって日が暮れるまで気を切ってた」

女「は、早く帰ればいいのにぃ……」

男「そしていい木を切りながら進むうちに、古城まできたのに気付いた
  周りは真っ暗なのに、古城の七階の時計台の下の部屋だけ、ぼんやりと灯があった」

女「…………っ」ぷるぷる

男「そこからこっちを……じっと見てたそうだ」

女「だ、誰がですか?この古城に人なんて……!?」

男「紫髪の少女が……」

女「きゃあああぁっ!」

男「アッハハハ、大げさだなあ!」

女「だ、だだだって!怖いじゃないですか!
  誰が聞いたって引きますよドン引きです!」

男「まあ引く引かない以前に今から七階まで行くつもりだけどな」

女「」ガクブル

男「途中で腰が抜けたりしたらおぶってやるからさ
  マジで幽霊かもしれないから念のために戦える準備しとけよ」

女「ふえぇ……行きたくないよー…」

今日はこのへんで
遅いのはほんとにサーセン

---古城内 一階---

ギシッギシッ……

男「随分きしむな……」

女「中世の建物なんですかね……」

ガタンッ!

女「きゃあああああああぁぁっ!?」バッ

男「ちょっ!?抱きつくなよ!」

男(腕に大きくて柔らかい膨らみが!)

女「ぜ、絶対何かいますよここぉ……」

男「それを調べにきたんだから、
  いてもらわないと困る」

---二階--- 

男「ん、なんだあれ 何か光ってないか?」

女「や、やめてください笑えないジョークは!」

男「あれは……燭台か?」

ボッ

女「ひっ!?」

ボッ ボッ ボッ ボッ...

男「周りの燭台が全部……!?」

女「!ぉ、おおお男さん……!」

男「何だ?……!?」

??「私の狩り場……に何か用か?」

女「ユ、ユーレイ……っ!」

??「何だと?失礼な、ここに住み着く輩と一緒にしないでもらおうか」

男「……ってことは幽霊はマジでここにいるのか!?」

??「性格にはエレメント系の魔獣だ
   不気味な姿なので幽霊と称する者もいるようだが……」

女「ユーレイではないんですね?ほっ……」

男「ここはどういう施設だったんだ?」

??「……おい貴様 まさか貴様の名は男か?」

男「ん、ああ って何で俺のこt」

??「手合わせ願いたい」

男「……は?」

??「最近貴様の名を聞いたのだ 『腕の立つ剣士がいる』とな」

男「ほー、命の保証は出来ないけどそれでよければ」

??「フッ、依頼されたわけでもないし恨みもないような人間を斬ったりはしない
   数太刀でいいのだ 力量が見たい」

男「俺たちにメリットは?」

??「クク……しっかりしている…
   この施設に関して、私の知っていることを全て教えよう
   他に答えられることがあれば何でも」

男「太っ腹じゃないか黒マント仮面」スッ

女「えっ!?お、男さん……?」

??「人を装備で呼ぶな ……行くぞッ!」ヒュッ

バギィィンッ!

男「くっ……!?」

男(重い…!)

??「フフ……どうした、その程度か」

女(男さんが押されてる……)

男「っあああァァッ!!」バッ

ガギィン!

??「ハハ、見事だ!」

ギィン!バギン!ヂャリッガァン!

男「一太刀も通らないなんて初めてだ 只者じゃないな……」

スッ

??「……このくらいでよかろう、貴様の腕がわかった
   そんな細い剣でこの力とは…期待以上だ 真剣勝負をしてみたい」

男「勘弁してくれ、体がもたん」

??「ではまたの機会に……」

女「もうっ!何なんですかいきなり戦い出して!」

男「あ、悪い……そんでお前、約束は守ってくれよ?」

??「私は詐欺師ではない 当然だ
   ……この城は旧時代の王城だが、内乱のときある組織が使っていた」

男「ある組織?」

??「……奴らの名は『アライヴ』
   この施設が何千年の時を得て開拓されたのは、誘拐多発事件の二年後だ」

女「!!」

男「つまりアイツらの秘密基地ってことか……
  どうせモルモットを閉じこめる檻に使ってたんだろうが」

??「アイツら?貴様、あの事件の被害者なのか?それであんな力を……」

男「まーな」

??「……古傷に塩を塗るような真似をしたのを詫びよう
   軽率な物言いを許してくれ」

男「詫びはいい 今は楽しいからな
  ……それより情報を頼む」

期待してる 続きはよ

??「よかろう、知りたいことを言ってみろ」

男「その組織……『アライヴ』だったな
  そいつらの目的は何だ?何のために子供の命を糧にしたんだ……?」

女「え?人間兵器の製造じゃ……」

男「きっとそれは活動資金稼ぎだ 基地が一つじゃない以上目的も一つじゃない」

??「フフ、さすが捜査課志望者だ いい感をしている
   私も雇われの身だから詳しくは知らんが…『人類の統合』と奴は言っていた」

男「奴?」

??「アライヴの総頭首だ 名は『ドクター』という」

男「そうか……詳しいことまでいろいろとすまないな」

??「礼には及ばん 私も良い経験が出来たからな」

??「では私は行くとしよう この場所も知られた以上は使えない」サッ

男「待て!最後に一つだけ、教えてくれ」

??「何だ?」

男「お前は何者だ?希少なエレメント魔獣をソロで狩り、片手で大剣を振り回し、
  自惚れてるわけじゃないが俺と対等に斬り結ぶなんて……
  戦い方も公国軍や警備隊のものとは違ったし…」

??「フッ……ハハハハッ!」

男「な、なんだ?何か間違ってたか?」

??「いや、捜査課は惜しい人材を手放したものだと思ってな」

女「私警備隊志望なのにぜんぜんわかりませんでしたよそんなの……」

??「私のことは、すぐわかる 遠くない未来必ずまた会うだろう……」スッ

男「な……っ!?」

女「き、消えた!?」

---街道 山付近---

ブロロロロ……

男「あいつは結局何だったんだ……」

女「なんか気になりますし……一応報告書にまとめておきましょう
  『黒いマントと銀仮面の大剣使いの男』くらいしか書けませんけど」

男「凄い特徴はあったけどな あっ」

女「?どうしました?」

男「いや、今日発売日のギャルゲと明日の朝飯買ってないのを思い出してさ」

女「最初のはともかく後者は大変ですね……
  ちょっとかかりますけど町まで行きますか?」

男「ああ、頼むよ」

---町 ゲームショップ『敗北人生』---

男「新着新着……おっ、あった」

女「とんでもないお店の名前ですね」

?「あっ、お兄ちゃん!久しぶりぃ!」

男「よう、元気してたか?」

女「あ、この子が……」

男「そう、妹。ほら挨拶しろ」

妹「あ、はじめまして!兄がお世話になってます!」

女「いえいえ、私の方こそお世話になりっぱなしで……ねっ、男さん!」

男「え、え?そんなことは無いと思うけどなぁ…」

妹「あはは、仲いいんだね!
  で、お兄ちゃんは何をお探し?」

男「ん、これ 今日発売だったのを忘れてた」

女「妹さんはここでバイトしてるんですか?」

男「いや、ここはこいつの店だよ」

女「えっ!?」

男「昔からこいつは手先が起用で、機械いじりとか好きでさ
  ゲームも好きで自分で店始めちゃったわけ」

妹「あはは、照れるなー
  ネットじゃお兄ちゃんには敵わないよ」

男「そうかなぁ 俺もだいぶ衰えたとおもうけど」

女「本当に男さんて何でも出来るんですねー……」

妹「そうでもないですよ?実はですね」

男「ノーーーーーーッ!」

妹「字は恐ろしく汚いし自分のことはガサツだし
  童貞だしエロゲーマーだしネトウヨだし
  昔はコミュ傷だったしお人好しだし隠れドsだし」

女「ねとうよ……?」

男「お前最低だわ……ほぼ悪口みたいなの混じってたし……」

妹「だーって本当のことじゃなーい?(笑)」

男「うるせーよ……つるぺたで声でかくて小六までおねしょしてて
  不安な日は夜な夜な俺のベッドに潜り込んできて
  料理下手で若干腐女子で俺以外の男に免疫ないくせに!」

妹「な、何よ!いーじゃないべつに!」

男「いーや良くないね!姉貴と同じ血が通ってるから若干ブラコンなのは認めろよ!
  四字熟語=博識カッコヨスwみたいに考えてこの店の名前付けたんだろ?
  後の候補が『天下無双』『内臓破裂』って中二病か!後者はヤバいだろ!」

妹「う~……お兄ちゃんのバカバカバーカーっ!」

---男・姉実家---

男「…………痛い」ヒリヒリ

姉「女ちゃんがビンタしたとこを妹ちゃんに追撃されるなんて、
  今日は厄日だね!男♪」

男「うっせ」

母「ほらほら男くん 早くお風呂にお入りなさい」

父「冷めないうちに早く入りたまえ」

男「あぁーはいはい」

姉(男の反応楽しみだね~♪)ヒソヒソ

父(女さんには悪いがwktkが止まらん)ヒソヒソ

母(私も楽しみだわ~)ヒソヒソ

男「……?」

男(こいつら怪しすぎる)

男(今日は色々あって疲れたな)ゴソゴソ

男(あの黒マント……結局何者だったんだ?)プチップチッ

男(アライヴ、か……いずれ決着をつけたいな)スルスル

男(そういえば女はどこ行ったんだ?
  帰ってきて部屋に荷物置いたときはもういなかったけど)バサッ

男(親父の車でも見てんのかな……っと)ガラガラッ

チャプン……

女「…………ぇ?え?」

男「」

女「お、男…さ……ん…!?」

男「ち、違う!誤解だ!俺は悪くない!」

息子「女体確認!発射体制に移行する!」ギンッ

女「ッ!!?///いやああああああああああぁぁっ!!///」

-----

男「何発ビンタ食らえばいいんだ……俺はmじゃないんだぞ」

姉「あはははっ!男の悲鳴すごかったねー!」

------

女「いやああああああああぁぁっ!///」

ズバチコォン!

男「こばやしっ!」

------

男「忘れろ」

姉「そうだね、久しぶりに二人で寝るんだから
  この話はまた今度にしよっか」

男「もうしたくねーけど…… お休み姉貴」

---翌朝---

女「本当に貰ってもいいんですか!?こんなにいいジープ……」

父「軍から貰ったものだ、品質は保証しよう
  内装やカラーリングは私があれこれいじってしまったが……」

母「アナタ、そういうの好きだものねえ」

姉「お父さんの部屋、入る度に家具の配置変わってるしね」

父「う、うむ……帰りはそれを使ってみたまえ」

女「あ、ありがとうございますっ!大切に乗ります!」

姉「私は今日もここにいるけど……男は用事があるんだっけ?」

男「ああ、女に町まで送って貰うよ」

女「私はこのジープの車権取りと武器の手入れで国境門まで行きます」

姉「そっか、また来てね!」

女「はいっ!」

男「じゃーなー」

バタンッ

------

女「♪~」

男「はは、上機嫌だな」

女「だってこんないい車くれたんですよ!?どこまで気前のいい人なんですか!」

男「まーアイツはそれだけを取り柄にしてるとこあるから……」

女「そうなんですか……そういえば、男さんの用事って
  後輩ちゃんに誘われたんですか?」

男「そうだよ、なんか劇を見て欲しいんだってさ」

女「へー…大丈夫かな」ボソッ

男「?何か言ったか?」

女「い、いえ!何でも!」

男「そうか そういや、あの黒マント強かったな……
  久しぶりに鍛錬してみるか」

女「そ、そうですね!私も国境門の警備隊の人たちに指導お願いしてみようかな…」

女(劇を見るだけじゃ済まない気がするんだけど、まさか後輩ちゃんも……?
  いやいや、考えすぎですよね)

---校門前---

男「んじゃ、サンクスな」

女「いえいえお安いご用です!」

男「はは、そうか じゃまたどっか行くときはお願いしてもいいかな?」

女「えっ……!?」

男「?」

女(こ、これはデートに誘うぞっていう男さんなりのアプローチ……!?//
  そ、そんな訳ないじゃない!正気を保て私……!)

男「……女?」

女「ひゃいっ!?」ビクッ

男「えっと、どうした?何かボーッとしてたけど」

女「な、何でもないです!そろそろ私行きますね!」バタンッ

男「あ、ああ また後でな」

ブロロロロロ……

---廊下 体育館付近---

男(失敗したああぁぁ……
  なんだよあの反応 絶対嫌われたよオワタ)

男「くそう……やっぱり2dか…2dしかないのか………」ブツブツ

生徒1「おい、何かこのへん臭くねーか?」

生徒2「ホントだ!wくっせえぞ!ww」

男「ん……?」

男(まさか俺が……?と思ったけど違うな
  あれは……!?)

後輩「……っ」

生徒1「よお同じクラスのトクタイセー」

生徒2「お前何でこんなとこにいんの?ロクに金払ってねーのに部活か?w」

男(いつもの俺なら顔パン→フルボッコだけど今は違う!)

男(さっきはがっつきすぎてたから女に引かれたんだ
  だからあくまでも紳士的に……)

男「君たち、やめたまえ」

生徒2「あん?ww…って二年かよw」

男()イラッ

後輩「せ、先輩……」

男「彼女、困っているだろう?
  特待生というだけで彼女を差別するのは筋が通らないと思うのだが」

生徒1「チッ…でも先輩、こいつと俺らにどんな事情があるか知らないでしょう?」

男「何か責めざるを得ないようなことがあるのか?言ってみたまえ」

生徒1「まーそんなもん無いですしあってもあなたには関係ないから言いませんけど」

生徒2「つwらwれwたww」

男()イライラッ

生徒1「ってかトクタイセーってだけで腹立つんだよな」

生徒2「確かりんごww」

男()プチッ

男「テ、メェら……」

後輩「あわわわ……」

生徒『へっ?』

男「表ン出ろやあぁーーーッ!」

---数分後---

生徒1「すみませんでした後輩さん」ボロッ

生徒2「もう二度としまそんorz」ボロッ

男「この件は学園内の人権問題として扱う
  もしお前らが再び後輩ちゃんをバカにしようってんなら…わかるな?」ギロッ

生徒『ひっ……助けてぇぇえっ!』タッタッタッ

男「フン、笑えないな……」

後輩「あ、あの……ありがとうございました」ペコッ

男「ごめんな突然キレて……
  これのせいでまた後輩ちゃんが嫌な気持ちにさせられるかもしれない」

後輩「……で、でも慣れてるので…」

男「慣れてるってことは頻繁に……?」

後輩「は、はい……中等部にいた頃からすれば凄くマシになったんですけど…
   あの人たちだけはいつもいつも……」

男「何で、ああいうことするんだろうな
  お前らの千倍は後輩ちゃんがんばってるっつーの……」

後輩「そ、それより来て下さったんですね……!ありがとうございます!」

男「約束したからね 来ないわけにはいかない」

後輩「ちょっと練習休憩していいか部長に聞いてきます……
   ここで待っててください……」

今日はここまでっす
これからは今までよりちょっとは早く書けるかと……

------

後輩「お待たせしました……!」

男「おかえり どうだった?」

後輩「三十分いいそうです」

男「そうか……どっかブラつくには微妙な時間だな
  食堂で何か食う?ご馳走するよ」

後輩「そんな……とんでもないでs」

きゅるるるる

男「……」

後輩「……//」

男「腹の虫は素直みたいだが」

後輩「お、お願いします……//」

---二十分後 食堂---

男「ふー、食った食った」

後輩「すみません奢って頂いて……
   ごちそうさまでした」

男「でも俺半分しか出してないよ?後輩ちゃんが半分は払うって聞かないから…」

後輩「だって全額なんて申し訳ないじゃないですか……」

男「にしてもそんな辛いの大丈夫だった?上海タン麺だっけ」

後輩「は、はい 私辛いの好きなので……」

男「へー…昨日女が『辛いのはダメなんですよ~』って言ってたよ 正反対だね」

後輩「昨日、ですか……?お二人で食事に行かれたんですか?」

男「いや、昨日女が実家に遊びに来たから
  夕飯のメニュー考えるときに言ってた」

後輩「あっ、そういえばそうでしたね……」

再開してたのか
支援

男「あっ、そういえば……」

後輩「?どうしたんですか……?」

男「うちの近くに遺跡があるんだけど……昨日そこに女と肝試しに行ったんだよ
  そしたら何か変なヤツがいてさ」

後輩「変なヤツ…ですか?」

男「黒マントになんかメタリックな仮面で、和国の字が刻まれた大剣使い
  確か後輩ちゃんって和国の生まれだよね?何か知ってるかなーと」

後輩「……古い伝承にそういう凶手がいたような…」

男「凶手?」

後輩「よ、要するに暗殺者とか殺し屋です」

男「ほー、道理で強いわけだ……」

後輩「わ、わかりませんよ?私の記憶が間違ってるかもしれないし……」

男「いや、にしてもアプローチの方向性はわかったよ ありがとう
  ……殺し屋、か」

後輩「あっ、先輩……そろそろ三十分です」

男「そうか、じゃあ戻ろう」

後輩「は、はい……」

---体育館---

後輩「た、ただいま戻りました……」

?「あら、早かったわね あと二分十一秒残ってるわよ」

後輩「そ、そうなんですか……?」

男「後輩ちゃん、彼女は……?」

後輩「えと、演劇部長さんです」

部長「お初にお目にかかるわ 治安維持課責任長、男君で合っているかしら?」

男「えっ?何で俺の名前を……」

部長「あら、あなた達はあなた達が思ってる以上に有名よ?
   後輩だってあなたのことよくはなしてくれるし」

男「へっ?」

後輩「ぶ、部長……!」

部長「剣の腕が凄いとか料理が上手でステキとかこのままだと恋しちゃうかもとか…」

後輩「ぶ、部長っ!先輩、最後のは嘘ですからね!」

男「あ、ああ」

男(そんなあっさり否定しなくても……orz)

部長「ねえ男君 せっかくだから私たちの練習、見ていってくれない?
   客観的な感想とかも聞きたいのよ」

男「いいんですか?」

部長「あら、イヤなの?」

男「むしろありがたいですけど……」チラッ

後輩「?」

男(後輩ちゃんの演技見られる機会なんてそうそう無いからな
  運がよければポロリ……はさすがにないか)

部長「ふふっ、じゃあ決まりね 座席に座っててくれるかしら
   勝手に練習してるわ …後輩、しっかりね♪」

後輩「ぇ、え?はい……」

男「あれ、そういえば劇っていったって何を……?」

部長「ああ、ロミオとシンデレラよ 定番でしょう?」

------

男(定番じゃねえって突っ込みそこねたな …にしても)

後輩「ジュリエット…シンデレラ…君たち二人を失ったら、
   僕は何のために生きてゆけばいいんだ…!」

部長「ごめんなさい、ロミオ……」

男(二人ともうまい……ほかのことを考えてる暇もないな)

男(……今気づいたが、後輩ちゃん苦しくないのか?
  あのワガママな胸を押さえつけるって相当サラシか何かキツくまかないと…)

後輩「ああ、シンデレラ!」

部長「おお、ロミオ!」

男(あ、今少し揺れた あんまり柔乳って感じじゃない揺れ方だな)

男(そのほうがいいのかな……将来垂れたりしなくて済むし)

男(でもあんまり堅いと出来るテクと出来ないテクが…)

後輩「部長、今の大丈夫でしたか?」

部長「うーん、もう少し声が出たほうがいいかもしれないわ
   ……ねえ男君、いまのとこどうだった?」

男「えっ」

部長「素直な感想でいいから教えてくれないかしら?」

男「えーっと……よかったと思いますよ」

部長「よかったではわからないわ 具体的に何か無い?」

男「そうですね……」

男(乳が目立ちました、なんて言えない……)

今日はこんなもんでふ
読んでくれてありがとうございましたm(__)m

------

男(休暇も今日で終わりか…長いようで短かったな……)

後輩「おつかれさまでしたっ!」

男(ん、練習終わったのか?)

後輩「先輩!ご、ごめんなさい見苦しいところをお見せしたりして!」

男「いや、そんなことないって なかなかよかったよ」

後輩「ほ、ホントですか……?私ちゃんと演技出来てました?」

男「ああ、他にもいろいろイイもの見せてもらった」

男(乳とか)

後輩「あ、ありがとうございます……!」ペコッ

男「いやいやこちらこそ …さて、これからどうしようか」

後輩「あ、私は業務ノルマを消化してきますけど…」

男「えっ?……あっ、そうか 特待生は学校の用務をやらないといけないんだっけ」

後輩「は、はい もう来月分までは終わってるんですけど
   なるべく片付けておきたいので……」

男「だったら俺も手伝うよ、暇だし」

後輩「えっ?そ、そんな…悪いですよ……」

男「いいっていいって はい決定な
  で、今日は何をするの?」

後輩「えっと、食堂の手伝いですかね」

男「ふむ、役に立てそうだ
  じゃ、行こうか」

---食堂---

ガヤガヤ ガヤガヤ

男「さすがにこの時間は混んでるなあ」

後輩「も、もう六時半ですからね……」

男(……にしても)

男子「す、すみません!a定食一つ……」

後輩「あっ、はーい 食券一枚頂戴いたしまーす!」

男(後輩ちゃん人気だなあ…後ろに並んでるの男子オンリーかよ
  まあこんな可愛い娘がエプロンで配膳してくれるんだもんな)

後輩「はい、お待たせいたしました!ありがとうございます!」

男(な、何か俺と話すときより遙かに元気なような……
  まさか俺は後輩ちゃんにまで嫌われている…のか……!?)

男「なんてこった……氏にたいorz」

後輩「せ、先輩!揚げ物の方のお手伝いお願い出来ますか!?」

男「はいよっ!」

調理員「ごめん、しばらく頼むよ後輩ちゃんの手伝いの人!」

男(ここで少しでも株を稼がねばっ!)

生徒2「す、スマイル下さい!」

後輩「えっ……?す、スマイルですか?」

男(ここはマク○ナルドじゃねえええええええええ!!)

後輩「わ、わかりました……こほんっ」

男(スマイルなのに咳払い……?ってかやるのか…)

後輩「…ふふっ」ニコッ

男子たち『おおおおおっ!』

パシャッパシャッ

男(す、すげえ フラッシュが……)

後輩「あ、あのぅ……スマイルは他の商品と同時注文になっておりますので…」

男(商売うめえな!)

生徒3「じゃ、じゃあスマイルとトンカツ定食一つ!」

後輩「はい、かしこりました!食券一枚頂きます!
   先にスマイルをお渡しします!…あはっ!」ニコッ

男「ま、魔性や…魔性の女や……」

------

男「いやー、すごかったな……」

後輩「ま、毎日ああいう感じなんですよ 列が滞って大変で…」

男(あいつらからスマイル写真買えたからよしとするか)

後輩「すみません、ホントは寮の食事も私が作るべきなのに……」

男「偉いなあ、君は」

後輩「えっ?な、何でですか?」

男「部活もこなし、用務も維持課の仕事もこなし、人に親切まで与えるなんて…
  俺には絶対に真似出来ないよ」

後輩「そ、そんなことないですよ!大したことはしてませんし……
   部活はやりたくてやってることですから……」

男「それならなおさらだ 率先してやりたがるなんて……」

後輩「ち、違います……部活は部長にスカウトされて…」

男「えっ、そうなの?」

後輩「は、はい……中二のころ演劇部でみた踊りを真似しながら帰ってて
   そこを部長さんに見られて『見込みがある』って連れていかれて…」

男「……なんかあの人らしい強引なやり方だな」

後輩「でもすごくうれしかったんです……
   敷かれた道しか歩けない私に道を増やしてくれて……」

男「へぇ、そっか……」

男(よくわからないけど……
  何か事情がありそうだな)

ガチャッ

友「ただいまー……」

後輩「あっ、友さん」

友「ん~この匂いはビーフシチューかな?大好物だよ…」

男「お前なんか疲れてないか?」

友「フフ、わかるかい?ちょっとバイトがハードでね……
  男~君の魅力で僕をいやしてくれよー」

男「絶対イヤだ 俺とバイトかわれ」

後輩「そ、そういえば友さんバイトって何をなされてるんですか…?」

友「ん~お金で女性の心を埋めてあげるお仕事、かな……」

男「ふつうにホストっていえよバーロー」

スマイルのくだりで後輩ちゃんのスペックは俺のなかで黒髪ボブのくりくりおめめに決定した

>>137誰それ?

後輩「ほ、ホスト……!?いいんですかそんなの……」

友「校則には明記されてないけど、別に犯罪じゃないんだしいいんじゃない?」

男「多分よくないぞ」


プルルルル プルルルル

友「おや……通信かい?」

男「ああ もしもし?こちら治安維持課です」ピッ

教師『ああ、男か』

男「はい どうかしたんですか?」

教師『おう、実はお前たちのお陰で手に入ったギャング所有の資料……
   それの解析が今終わってな』

男「あ、そうなんですか 今から取りに来いと?」

教師『ハハ、今は休暇中だっていうのにそんなこと抜かすか
   明日の朝十時からブリーフィングをするから会議室に来てくれ 授業サボって』

男「わかりました では」ピッ

後輩「せ、先生からですか?」

男「うん 何か声が疲れてたな……」

友「フフ、そういうお姉さんほど癒しを求めてるものさ
  後で飲みに誘ってみようかな?」

男「やめとけ」

友「で、用件は?『男君の声が聞きたかったの♪』とかじゃなさそうだったけど」

男「ギャングどもから回収した資料についてブリーフィングするから
  明日の朝十時に会議室に来いってさ」

友「ふーん……」

後輩「し、資料とか証拠品って捜査課とか警察にすぐ渡されるはずなのに
   私たちに公開するって……ど、どういうことでしょうか?」

男「俺も気になったんだけど……まあ明日のお楽しみかな」

---翌日十時 会議室---

教師「では、ブリーフィングを始める」

男「珍しく警察学校の教師らしいことしてますね」

教師「うっさい まずこれを見てくれ」ピラッ

女「何ですかこれ?……健康診断の数値ですか?」

友「いや、これは多分おクスリかな?」

男「ヤク?身体強化系のか?」

教師「アタリだ ドーピングなんて生易しいモンじゃないな
   お前らが検挙した奴にも使用者がいたのによくボコれたな」

男「まあ元が素人ですからね」

姉「っていうことは、その白黒のカプセル錠はクスリのサンプルー?」

教師「ああそうだ 副作用無し、筋力思考速度瞬発力…
   など直接作用するクスリだそうだが…」

男「完全に合法じゃ無理でしょう、そんな胡散臭い物」

教師「と思って医学課で成分を分析してもらったんだが……」

後輩「ど、どうかしたんですか?」

教師「成分がまったくわからないんだ だから…」

男「なるほど、素性の知れない薬物だけど…」

女「逆にいえば、非合法なものが出てこなかった以上合法と主張出来る
  ……ということですか?」

教師「ああ、こんなものをゴロツキ風情が単独開発したとは考えにくい」

友「となると、どこからか横流しになったか買ったかだね」

教師「話の飲み込みが速いなお前たち」

男「そ、そうですか?」

教師「これが休み明けのパワーか……
   こほん、話を戻そう」

教師「そんでこの資料を見てみろ」ピラッ

男「この地図……空港ですか?」

教師「うむ これがこのクスリの取引の場所だ
   今夜十一時に八番滑走路で行われる お前たちにこれを押さえてもらいたい」

女「え、ええぇえっ!?そんな大仕事をですか!?」

教師「今回はさすがに現状戦力だけではキツいだろう
   そこで風紀委員の協力も取り付けてもらった」

友「へえ、大盤振舞だね」

教師「今日発着の他任務は後回しでかまわない
   危険な任務になるが頼むぞ ……最後にこの資料だ」スッ

男「?……なっ!?」

女「この写真……!?」

今日は以上
ありがとうございました

教師「ああ、お前らが報告してきた奴とよく似てるな」

男「似てるも何も……」

女「まったくの同一人物ですよ!」

後輩「せ、先輩……これが昨日話して下さった……?」

男「ああ、古城の中で会った奴だ」

教師「この薬を売ったんだか渡した組織がコイツをヒットマンとして
   雇ってるんだと ……なあ、これ何て読むんだ?」

女「『鷲』ですか?普通にワシって読むんじゃ……」

男「いや、違うな……和国の読みなはずだから…」

友「……ジウ 東国のその筋じゃ有名な暗殺者さ」

後輩「あ……」

男「後輩ちゃんは聞き覚えあるみたいだね」

後輩「す、すみません……昨日思い出せなくて……」

男「今わかったからいいじゃないか 気に病むことはない」

後輩「す、すみません……」

友「『鷲』……蛇食らう鳥、影あるところに鷲姿表さんってね」

男「お前何でそんなに詳しいんだ?」

友「フフ、僕が少しばかり博識だからかな」

教師「つまりこいつが出てくる可能性もあるわけだ
   今回は危険だから非戦闘員…つまり姉と後輩はここに残れ」

姉「えーっ つまんなーい」

後輩「ま、まあまあ姉さん……先輩たちの代わりに普通の任務をしましょうよ」

男「姉貴、くれぐれも後輩ちゃんに迷惑かけたりしないでくれよ」

姉「うー…わかってるよう……」

教師「今日の七時に装備を整えて校門に集合
   同時刻、風紀委員との役割分担を開始し、完了次第出発する」

男「了解しました」

女「イエスマム!」

友「フフ、にぎやかな夜になりそうだね」

教師「よし、じゃー解散 次の授業には参加しろよ」

------

男「……なあ、どう思う?」

女「えっ?どうって何がですか?」

男「何だ、気付いてなかったのか あの資料の中に『鷲』の写真があっただろ?
  それが薬を渡した組織に雇われてるってことは…」

女「あ……っ」

男「気付いたか 俺は薬を売った側の組織…それは『アライヴ』だと思う」

女「でも何で『鷲』が『アライヴ』に雇われていると……?」

男「アイツは暗殺者であっても情報屋じゃない 隠密行動が主体なら
  情報を調べ回っててもおかしくないけど……
  アイツはまるで直接見てきたような言い方だった」

女「確かにそうでしたね……」

男「内部にいたんだからきっとそうだ
  あと一回しか言わなかったからお前は覚えてないかもしれないけど……
  あのときアイツは自分から『雇われの身』って言ったんだ」

女「す、すごい記憶力ですね……」

男「まあゲームの攻略ルートに比べれば簡単なもんだ」

女「ところで……男さん、どんな装備でいきますか?」

男「うーん、『鷲』が出るかもっていうから
  これ持っていこうかと思ったけど……」ヂャキ

女「やっぱりそれ大きいですよねー 男さんよりちょっと小さいくらいですか?」

男「まあ、もう一本少し短いのと訓練用の模造刀持ってくことにするよ
  ……そういう女は?ギャング鎮圧のときの箱みたいなサブマシンガンだけか?」

女「は、箱みたいとはまた失礼な……
  一応アサルトライフルと警備隊で頂いたハルベルトを持っていきます」

男「ふーん……分かってると思うけど鎮圧作戦だぞ?討伐作戦じゃないからな」

女「ふふっ、わかってます もちろん模擬弾です」

男「ならいいんだけど……あ、そろそろ時間だ 行こうか」

女「はいっ!」

---午後七時 校門---

男「治安維持課三名、集合しました」

風紀委員「あ、はい 委員長を呼んできますのでしばらくお待ちください」

女「……ふう」

友「結構な人数だねえ 警備隊か公国軍が援助に来たのかと思ったよ」

男「ああ、全員それなりの手練みたいだな…」

風紀委員「お待たせいたしました さ、委員長」

??「ああ」

男(うわぁ……何というか…)

女(風紀委員、て柄じゃないですね)

友(!)

dqn「俺ぁ風紀委員長やってるdqnってもんだ
    テメエらの名前は…まあどうでもいいな」

男()イラッ

友「やあ、久しぶりだね この学校に入ったって噂は聞いてたけど…
  まさかそんなナリで面接がまかり通ったのかい?」

dqn「!テメエ……そういや何とか課に拾われたっつってたな」

女(な、何で面識あるんですか?)ヒソヒソ

男(あ、知らなかったのか?友は元スラムの不良グループのヘッドやってたんだよ
  その頃のライバルか何かじゃないのか?あいつは)

友「どうだいその後は?アイツらはうまくやってる?」

dqn「ハッ、敵にそんなこと聞くんじゃねえよ
    それよりテメエらの仕事について話させろ」

友「っと、ゴメンゴメン さっそく説明してもらっていいかな?」

dqn「クク、説明なんて大したもんはねえよ
    お前らは俺らがとり逃がしたザコを追っかけてろ」

友「……は?」

男「おい、この任務は俺たち維持課に発注されてんだぞ
  お前らがザコ掃除係だろうが」

女「そうですよ、あくまで風紀委員は補助なのに…」

dqn「っせえな!黙って従いやがれ!」

男(…話が通じないな)

友「やれやれ、変わらないなあ君は
  じゃあ遊撃ってことでどうだい?きちんとザコ掃除もするよ」

dqn「勝手にしろ 足手まといになるようならつまみ出してやるからな」

タッタッタッ

女「……何なんですかあの人!どうして士官学校にいるんですか?」

友「さーね 力試しでもしたかったのかな」

男「制服なんか着てないのと同じような着方だったし」

女「そ、それは……」

友「あはは♪君は人のこと言えたタチかな?」

男「……え?」

---公国内 港町 輸入物倉庫裏手---

男「せいっ!」ブンッ

ギャング「ぐはっ!」ドサッ

友「ふう、粗方片づいたかな?」

女「あとはあの船だけですね」

男「あれは薬を売ってる側の船なのに…こんな沙汰を目の前にして
  何で船を出さないんだ?」

友「さあ?エンジン不良か何かじゃない?」

男「向こうも押さえてくるか……女、一緒に来てくれ
  友、違法容疑者の拘束と本部への報告頼む」

女「了解です!」

友「フフ、了解 気を付けなよ」

---船中---

男「誰もいないな……」

女「一人もいないなんて、なんだか妙ですね」

??『やあ、よく来たね』

男「誰だ!」

女「男さん、あれ……」

男「ん?…あのモニターか……」

??『治安維持課の男くん、女くんだったね こんなところまでご苦労様』

女「ど、どうして私たちのことを!?」

男「……お前が『ドクター』か?」

女「えっ?」

??『ほう、どうしてそう思った?』

男「俺らのことを知ってるのは、大方『鷲』と情報交換か何かしてるからだろう
  そしてアイツはお前の名前を真っ先に出した それは一番親しいからだ
  アイツはお前以外の『アライヴ』の人間とは干渉していないんじゃないかと考えた」

??『フフ、いろいろ欠けているが正解だ』

ドクター『いかにも、私は『アライヴ』総統括責任者ドクターだ
     今日は君たちと情報交換に来た』

女「情報交換……?」

ドクター『うむ、君たちは好きな数だけ私に質問していい
     ただし私に一つ情報を提供してもらう
     無論、私がノーコメントを提示することだってある』

キリ悪いけどこの辺で
本当に亀ですまんこ

男「平等性に欠けるけどわかりやすい取引だ 遠慮なく聞かせてもらう
  あの薬は何だ?本当に人に害は無いんだろうな」

ドクター『私の考える限りでは、と言っておこうか』

女「それはつまり、私たちには害と捉えられることがある
  ということですか?」

ドクター『ノーコメントだ しかし死に至ったりはしない 安心したまえ
     本来、あれは身体能力を上げる薬ではない』

男「何……?」

ドクター『眠りついている本来の力を引き出すのだ
     服用する量が多いほど…人にもよるが多大な力を呼び起こせる』

男「……二つ目の質問だ あの薬の成分は?」

ドクター『フフ、ノーコメントだ』

女「それは違法な原料、ということですか?」

ドクター『いや、原料に法に触れるような物は入っていない
     それこそ覚醒剤の類は一切ね』

男「じゃあ三つ目の質問 お前たちはこの国で何をしようとしてる?」

ドクター『ノーコメントだが、何かしようとはしている
     君たちも近いうちにわかるだろう』

女「あの……素朴な疑問なんですけど、その情報信用していいんですか?」

ドクター『信じるかどうかは君たち次第だが、私は真実を語っているつもりだ
     フフ、信じるかどうかは君たち次第だがね』

女(私たちに知られても支障はないってことですか…)

男(ナメやがって……)

男「じゃあ最後の質問だ」

ドクター『ふむ、言ってみたまえ』

男「…………九年前の子供の誘拐事件…
  主犯はこの組織か……?」

女「……」

ドクター『……参考までに聞いておこうか なぜそう思った?』

男「国内の科学社の目論見だったと聞いてる …根拠があるわけじゃないが
  薬を大量生産してるお前らはその科学社にゆかりがあるんじゃないかと思った」

ドクター『鷲殿が力なら君はさしずめ頭脳と言ったところか、大したものだ』

女「肯定、ってことですか……」

ドクター『私はあの会社での研究、開発に人生を賭けていてね
     なかなか家に帰れない駄目な父親だった』

男「……なるほどな、お前も被害者だったわけだ」

女「えっ…?」

ドクター『……私が久しぶりに家に戻ったときにあるべき息子の姿はなかった
     当時は通信機器も普及していなかったから妻から連絡も来なかった』

ドクター『フッ、元凶が自分の働く会社だと知ったときは失望したよ
     会社事態にも失望したが、何より守るべきものを守れなかった自分にね』

男「……そうか…」

ドクター『さあ、質問は以上かね?ならば次はこちらのターンだ』

男「遊○王みたいに言うなよ…どうせ簡単な情報じゃないんだろう?」

ドクター『私が欲しいのは君たちの戦闘データだ
     いずれ私たちに牙を剥く存在ならその力は明確に知っておく必要がある』

女「ということは…鷲ですか?」

ドクター『いや、既にあの方との契約は切れているよ
     この船には魔獣が積んであってね 今からそれをとき放つつもりだ』

男「まさか……甲板にあったコンテナか?」

ドクター『その通り さらにそのコンテナの一つに、
     君たちに受け取ってほしいものがある』

ズン……ッ

男「……放たれたらしいな」

ドクター『それではさらばだ 武運を祈っているよ』ピッ

女「ど、どうしますか!?」

男「とりあえず、魔獣を一掃しよう!甲板に出るぞ!」

---船上 甲板---

魔獣「ギャオオオオッ!」

男「せえっ!」ビュッ

魔獣「グエッ」ズバッ

女「はあぁっ!」ブンッ

魔獣「ギャッ」バキッ

男「結構手ごわいな……」

女「街道や森でも見かけたことない魔獣ばかりです!
  恐らく、上位個体かと……」

男「くっ……」

男「……女、下がっててくれ」

女「えっ?」

男「今から本気出す」

---公国内 山岳地帯 廃工場地下---

ドクター(あの状況下、彼らの戦闘力が私の予想通りなら
     死亡率生存率ともに50%)

ドクター(死んだら所詮、その程度の人間か……)

??「随分と悪趣味なことをしているようだな」

ドクター「おや、これは鷲殿 いかがなさいました?
     わが社との契約は自ら破棄なさったはずですが」

鷲「営利的な関係はもうないのに敬語はよせ むず痒くなる」

ドクター「……そうだな、何用かね?」

鷲「お前の見立ての浅さを笑いに来た、とでもいえばいいか?」

ドクター「ほう、ということは……」

鷲「彼らはもう魔獣を片付けた 私がこの目で見てきたよ
  やはり男は本気で戦ってはいなかった」

ドクター「率直な感想で構わないが……君と彼が全力でぶつかったとしたら
     どちらの勝利が予測出来るかね?」

鷲「悔しいが、五分五分だろうな
  きっともうお前の置き土産を見つけたはずだ」

ドクター「そうか…どんな物か理解出来るといいが」

鷲「どういうつもりだ?あの紛い物も貴様の計画の一部なのか?」

ドクター「フッ、紛い物とはさんざんな言いようだ
     確かに紛い物かもしれないが、あれは……」

ドクター「私が作り上げた、世界の種だぞ」

うわぁ

>>163痛くてすまないw 見苦しいなら閉じてくれ

---士官学校 機器課---

男「……どうですか?」

生徒「駄目だ、解析出来ない 内部構造からして記憶媒体だと思うんだが……」

女「もう男さん!本当にヤバかったんですよ!?」

男「だから悪かったって!ちゃんと沈む寸前で抱きかかえてやったろ?」

女「むぅ……」

姉(ねえ、あの二人どうしたの?)ヒソヒソ

後輩(えっと、船上で戦った魔獣がなかなか手ごわかったそうで……)ヒソヒソ

友(それで彼が本気を出したら船ごと斬っちゃって危機一髪だったと…
  やれやれ、やはり僕も同行すべきだったなあ)ヒソヒソ

男「ここで駄目となると……どうしようか」

教師「そうだな……例の薬の解析も兼ねて大学へ持っていったらどうだ?」

女「あ、妹ちゃんに調べて貰うのはどうでしょう?」

男「ふむ それじゃ明日、この記憶媒体っぽいのは妹に
  例の薬は大学に持っていくか」

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