シンジ「……洗濯屋しんちゃん?」(99)


ケンスケ「……トウジ……どうだった?」コソコソ

トウジ「……最高やったで~ ……洗濯屋しんちゃん…」ニヤニヤ

ケンスケ「……やっぱり、さやかさんは良かっただろ?……」コソコソ

トウジ「……さやかさんも良かったけど、ワイは雅代さんも好みやったで……」コソコソ

―――――――

――――

シンジ「……洗濯屋?」


シンジ「洗濯屋か~、そんな商売もあるんだな~」

シンジ「ミサトさんの家にある洗濯機を使えば僕にもできるかな?」ウーン

アスカ「ちょっとシンジ、早く帰るわよ!」

シンジ「待ってよアスカ」

アスカ「何考えてたのよ?」

シンジ「ちょっと、洗濯屋ができないか考えてたんだ」

アスカ「洗濯屋~?」


アスカ「……それってクリーニング店とは違うの?」

シンジ「…あっ」

アスカ「えっ?」

シンジ「そういえばクリーニング店と一緒だ…」シュン

アスカ「そこまで考えてなかったの?」

シンジ「…うん」ショボン


アスカ「それに、今はコインランドリーが何処にでも有るわよ?」

シンジ「…あっ」

アスカ「……それも思い付かなかったのね」

シンジ「…うん」シュン

アスカ「変なこと考えてないで今日の夕飯はなんなの?」

シンジ「ゴメン、まだ買い物に行ってないんだ」

アスカ「えーっ! まだ行ってないの?」

シンジ「うん」


アスカ「じゃあ、今晩はハンバーグにしてよね。 ハンバーグ!」

シンジ「わかったよ、アスカ」

アスカ「じゃあ、私は先に帰ってるから」

シンジ「うん」

アスカ「ハンバーグ、頼んだわよ!」テクテク

シンジ「うん」


シンジ「………はぁ」シュン

シンジ「やっぱり洗濯屋なんて無理かな…」

シンジ「…………」

シンジ「…買い物に行こう」トボトボ


――商店街

シンジ「…アスカのリクエストはハンバーグか」トボトボ

シンジ「………やっぱり洗濯屋なんて需要はないか」トボトボ

――クリーニング店前

シンジ「やっぱりクリーニング店の本職さん達の技術には敵わないよな…」ショボン

~~ウィーン

リツコ「いくら時間が無いとはいえ毎回のクリーニング代もバカにならないわね…」フゥ…


シンジ「あっ、リツコさん」

リツコ「あら、シンジ君。今帰り?」

シンジ「はい、それと夕飯の材料を買いに」

リツコ「偉いわね、シンジ君は。 ミサトが羨ましいわ」

シンジ「あの… リツコさんはここで何を?」

リツコ「……恥ずかしいところを見られたわね。 ここのクリーニング店に洗濯物をだしに来たの」

シンジ「洗濯はクリーニング任せなんですか?」

リツコ「元々、家事は得意じゃないんだけど… ネルフの仕事でコインランドリーに行く時間も無いしね」


シンジ「そうだったんですか…」

リツコ「ミサトも同じでしょう?」

シンジ「いえ、ミサトさんの洗濯物は僕が洗濯してますが…」

リツコ「…えっ、…下着とかはどうしてるの?」

シンジ「一緒に洗ってますけど…」

リツコ「………なにそれ、ズルい…」ボソッ


シンジ「えっ?」

リツコ「何でもないわ… ミサトは大雑把だからね、シンジ君も大変ね」

シンジ「ミサトさんの家においてもらってるんですから、これくらいは…」

リツコ「……家に欲しいわ……」ボソッ

シンジ「えっ?」

リツコ「な、何でもないわ。 それじゃあシンジ君、私は仕事が残っているからこれで」アセアセ

シンジ「…?」キョトン

シンジ「やっぱりリツコさんは忙しいんだな…」

シンジ「さっ、買い物、買い物」スタスタ


――コインランドリー前

シンジ「う~ん、リツコさんと話して少しは洗濯屋ができそうな気がしてきたけど…」

シンジ「まだ、コインランドリーには勝てないしな~」シュン

カエデ「あれっ? おーい、シンジ君!」フリフリ

シンジ「あれっ? カエデさん」

カエデ「今帰りなの?」

シンジ「はい、カエデさんは買い物ですか?」

カエデ「ん~ん、洗濯してるの」

シンジ「洗濯ですか?」


カエデ「そう、コインランドリーでね」

シンジ「洗濯はいつもコインランドリーなんですか?」

カエデ「家に洗濯機は有るから、何時もって訳じゃないんだけどね」

カエデ「量が溜まってくると流石に家のじゃ入りきらないし、乾燥機も無いから」

シンジ「大変なんですね」

カエデ「そうなのよ!しかも、乾燥機を回すときはそばにいないと下着を盗まれることもあるんだから!」プンプン

シンジ「そ、そうなんですか」

カエデ「はぁ… だからコインランドリーに来ると時間がかかってしょうがないのよね」


シンジ「クリーニング店は利用しないんですか?」

カエデ「クリーニング店? うちで洗えない服は利用してるけどね」

シンジ「普段着は出したりはしないんですか?」

カエデ「出さない出さない、そんなことしてたらお金がいくらあっても足りないわ」アハハハ

シンジ「そうなんですか… リツコさんは出してるみたいでしたから」

カエデ「そりゃあ、一介のオペレーターとネルフの研究職のトップだもの、貰ってる額が違うかね」ショボン

シンジ「す、すみません」

カエデ「いいの、いいの。 こっちこそ気をつかわせてゴメンね」

違いますよ~


シンジ「カエデさん、洗濯を代わりにしてくれるお店があったら一回いくら出します?」

カエデ「洗濯を代わりに? …そうだな~、1000円くらいは出すよ。 毎日の事じゃないしね」ニコニコ

シンジ「そんなに!?」

カエデ「そんな店を知ってるの、シンジ君?」

シンジ「いえ、心当たりはないんですけど…」

カエデ「そっか~、あったら便利なお店なんだけどね~」

パクリになるんですかね?

なるようなら書くのをやめますけど…

パクリになったらすみません。

続きを書きます。


シンジ「やっぱりあると便利ですよね」

カエデ「凄く便利だね~」

シンジ「分かりました! 洗濯屋を始めます!」キリッ

カエデ「へっ?」

シンジ「アドバイスありがとうございました!」ペコリ

カエデ「ど、どういたしまして」

シンジ「じゃあこれで失礼します。……あっ、洗濯屋ができたらカエデさんも利用してくださいねー」ダッ

カエデ「う、うん………… 行っちゃった…」


カエデ「洗濯屋か~… いくらシンジ君でも下着とかは預けられないよね…」

~~ピーピー

カエデ「あっ、洗濯が終わった。 乾燥機に移さなきゃ」アセアセ

カエデ「この手間がなくなるなら、下着を見られても平気かも」フゥ


ーーミサト宅

~~夕飯時

アスカ「ちょっと、バカシンジ! 今日はハンバーグって言ったじゃない!」

シンジ「う、うん」

アスカ「これ、どう見ても豆腐よね」

シンジ「そ、それは…」

アスカ「何でハンバーグが湯豆腐になってるのか教えてくれる?」ピクピク

シンジ「ご、ごめんアスカ。 買い物をしてくるのを忘れて…」オドオド


アスカ「へぇ~、買い物に行って買い物してくるのを忘れたの?」ピクピク

シンジ「許してよアスカ」オドオド

アスカ「はぁ… もういいわ、これ食べるから」

シンジ「ごめん、アスカ」シュン

アスカ「いいって言ってるでしょ。 早く食べるわよ」

シンジ「うん。 それじゃあ」

シンジ・アスカ「「いただきます!」」


~~ガチャ、バタン!

ミサト「ただいま~! 葛城ミサト帰って参りました~」フラフラ

シンジ「おかえりなさい、ミサトさん」

アスカ「ミサト、おかえり… って、また飲んできたのね? お酒臭っ!」

ミサト「大人はね~、飲まなきゃやってられないのよ。 ねーシンちゃん」ダキッ

シンジ「ちょっ、ミサトさん」ドキドキ

アスカ「ちょっとミサト! なにシンジに抱きついてるのよ! …離れなさい~!」グググッ

ミサト「あ~シンちゃ~ん、あアスカが冷た~い」ギュー

アスカ「離れなさい!!」グググッ


ミサト「あっ! 今晩は湯豆腐ね!」バッ

シンジ「…けほけほ」

アスカ「そうよ、バカシンジが買い物を忘れたせいでハンバーグが湯豆腐になったの!」

ミサト「湯豆腐さいこー! お酒がすすむわ~」パクパク、ゴクゴク

アスカ「もう、ミサトったら! …酔っぱらいに何言ったって無駄か」ハァ…

アスカ「先にお風呂に入って寝るから!」スタスタ

ミサト「おやすみ~」フリフリ

シンジ「おやすみ、アスカ」


ミサト「シンちゃ~ん、ビールもう一本~」

シンジ「ミサトさん飲み過ぎですよ」

ミサト「じゃあシンちゃんの美味しいお料理のせいね~。 責任を取ってもう一本くださ~い」ニュフニュフ

シンジ「なんですかそれ… もう、これで最後ですよ」ガチャ

ミサト「だからシンちゃん、だ~い好き」

シンジ「はいはい」コトッ

ミサト「これこれ~」プシュッ

シンジ「ミサトさん、お願いがあるんですが…」

ミサト「な~に~? あらたまって…」ゴクゴク

シンジ「洗濯機を使わせてください」ペコリ

ミサト「えっ?」


ミサト「シ、シンちゃん? 今まで洗濯機使ってなかったの!?」

シンジ「ち、違います。 この家の洗濯物以外にも使っていいですか?」

ミサト「この家以外? べつに洗濯機を余分に回す分にはかまわないわよ~」ゴクゴク

シンジ「それに、この家の洗濯機は引っ越したときに友達から貰ったものなんだけど、大きすぎるのよね~」

ミサト「だからバンバン使っちゃって~」パクパク

シンジ「ありがとうございます、ミサトさん」ペコリ

ミサト「家事はシンちゃんにまかせっぱなしなんだから、そのくらい自由に使ってちょうだいな」ゴクゴク


シンジ「はい、ありがとうございます」

ミサト「そろそろ遅い時間だから、もう寝なさい」

シンジ「はい、お風呂に入ったらもう寝ます。 ミサトさんも飲み過ぎないでくださいね」

ミサト「はいはい、気をつけるわ」

シンジ「じゃあ、おやすみなさい」スタスタ

ミサト「おやすみ~」フリフリ

ミサト「………さてと」チラッ

ペンペン「グワッ!?」

ミサト「ちょっち付き合ってもらうわよ、ペンペン」ニヤリ

ペンペン「……グワ~」


~~シンちゃんの部屋

シンジ「これで洗濯機は確保できたし、洗濯はできるよね」

シンジ「乾燥機を使ってたら割高になるしな~」ウーン

シンジ「やっぱり、お日様に干した方が気持ちいいから外に干した方がいいかな」

シンジ「干す場所は明日管理人さんにお願いしてみよう…」ウトウト

シンジ「……明日の…放課後から…開店だー……」ムニャムニャ


ーー学校

~~放課後

シンジ「今日も一日やっと終わった~」ン~

シンジ(朝のうちに管理人さんに屋上の使用許可ももらったし…)

シンジ「洗濯屋を始めるぞ!」ヨシッ!

シンジ「早速ネルフ本部に出店だ!」


アスカ「バカシンジ~、帰るわよ~」

シンジ「ゴメン、アスカ! 今日はちょっとネルフに用事があるんだ!」

アスカ「えー、なんの用事よ? しばらくはシンクロテストもないはずでしょ?」

シンジ「ネルフに出店するんだ!」ムフー

アスカ「は~? 出店!?」

シンジ「うん! 洗濯屋を開業しようと思ってね!」ニコニコ


アスカ「………あんた、洗濯するのにお金とるの?」

シンジ「もちろん、家の洗濯じゃあお金なんてとらないよ」アセアセ

シンジ「でも、他の人の洗濯物をミサトさんの洗濯機を使って洗うんだから、最低限のお金はとらないとね」

アスカ「………ミサトは許可したの?」

シンジ「昨日の夜にもらったよ。 洗った洗濯物を干す場所も管理人さんに許可をもらったし」

アスカ「あ、あんたにしては手際がいいわね…」

シンジ「そ、そうかな」テレテレ

アスカ「それで? 手際がいいシンジさんのことですから、ネルフにも許可を得てるのよね?」

シンジ「そ、それは~…… まだだけど…」


アスカ「はぁ!? ネルフに出店するのに許可もらわなくてどうするのよ?!」

シンジ「それは…… とりあえず出店して、怒られたら店の場所を変えようかと…」

アスカ「はぁ… 好きにしなさい。 怒られたら帰ってくるのよ」

シンジ「う、うん」

アスカ「じゃ、先に帰るわ。 暗くならないうちに帰ってきなさいよね~」スタスタ

シンジ「さよなら、アスカ…」


ーーネルフ本部

~~休憩所

シンジ「アスカはああ言ってたけど、やってみなくちゃ分かんないよね」ガタガタ

シンジ「とりあえず、机とイスがあればいいから…」ズリズリ

シンジ「あとは、机に布を被せて…」バサッ

シンジ「洗濯屋の看板を書いて… 料金も決めなくちゃ…」キュッキュー

シンジ「よし! 一回500円に決めたぞー! これで洗濯屋の完成だ!」ムフー

レイ「………………」


レイ「……何してるの、碇君?」

シンジ「おかえり綾波。 洗濯屋を開業してたんだ」ニコニコ

レイ「……洗濯……屋?」

シンジ「うん。 ネルフの忙しい人達に代わって洗濯を代行する商売なんだ」

レイ「それは男の人限定?」

シンジ「そんなことないよ。 …たぶん、男の人はあんまり頼みに来ないと思う」

レイ「…どうして?」

シンジ「男の人ならコインランドリーに入れっぱなしで他のことができるからね。 料金じゃコインランドリーには敵わないよ…」シュン

レイ「私も利用していい?」

シンジ「綾波が!?」

レイ「……ダメ?」

シンジ「だ、だ、だ、大丈夫だよ! は、はじめてのお客さんで嬉しいよ」アセアセ

レイ「……?」


シンジ「そ、それに、家じゃあ何時もアスカの分も洗濯してるしね! な、慣れたもんだよ」アハハ…

レイ「そう…… 弐号機の人も洗ってもらってるの…」ムッ

シンジ「だ、だから綾波も安心して任せてよ」ドキドキ

レイ「………ズルい………」ボソッ

シンジ「えっ?」

レイ「…わかったわ、碇君。 洗濯物を取ってくる」スタスタ

シンジ「今から!? …………って行っちゃった…」

シンジ「お客さん第一号は綾波だね」


~~30分後

シンジ「綾波の後は誰も来ないな~」

シンジ「一応声は掛けてもらえるんだけどな~… 洗濯屋を利用はしてくれない…」ショボン

加持「やってるな、勤労少年」ピトッ

シンジ「ひゃぁ~!?」ビクッ

加持「差し入れだよ」

シンジ「加持さん! ありがとうございます。 でも、ビックリしますよ」

加持「はははっ、すまないね。シンジ君が働ここでいてるって聞いて来たのさ」ニコッ

シンジ「そうだったんですか…」

加持「それで、バイトでも始めたのかい?」


シンジ「いえ、洗濯屋をはじめました」

加持「せ、洗濯屋?」

シンジ「はい。 忙しいネルフの人達に代わって洗濯をする商売です」

加持「なるほどね、確かにここなら需要はあるかもしれないな…」

シンジ「そうですよね!」

加持「今まで依頼はあったのかい?」

シンジ「綾波の一件だけです…」シュン

加持「そうか… それでも一件だけでも依頼があるだけ良かったじゃないか」

シンジ「…そうでしょうか?」

加持「今は本職のクリーニング店だって大変みたいだからね… 膿まず腐らず、さ」

シンジ「はい!」


加持「ちなみに、司令達の許可は取ったのかい?」

シンジ「まだです… 父さんには反対されそうですから…」

加持「そうかな? 意外と許可してくれそうな気がするけどね」ニコッ

シンジ「……………」

加持「まあ、司令には俺からそれとなく話してみるさ。 このくらいしかシンジ君に協力できることもないしね」

シンジ「加持さん…… 洗濯物を出してもらってもいいんですが…」オズオズ

加持「おっ。 営業かい? ……俺には洗濯してくれる人がいるからね。 自分で洗濯することがないのさ」フッ

シンジ「加持さん……」

ミサト「へぇー」


ミサト「それはそれは、おモテになる人は違いますな~」フフッ

シンジ「ミサトさん!?」

加持「これ以上ここにいたらやぶ蛇になりそうだ… これで退散させてもらうよ」

シンジ「加持さん…」

加持「かんばれよ、シンジ君」スタスタ

ミサト「冷やかしならお断りよ!」フンッ!

シンジ「ミサトさん…」


ミサト「それよりシンちゃん!」

シンジ「は、はい!」

ミサト「…何してるの?」

シンジ「せ、洗濯屋を……」ビクビク

ミサト「……お小遣いが足りないのね?」

シンジ「えっ?」

ミサト「お小遣いが足りないから他で稼ごうと…」

シンジ「ち、違いますよミサトさん!」アセアセ

ミサト「……違うの?」オソルオソル


シンジ「違います。 ちょっとやってみようかと思って…」

ミサト「そうなの! …まぁ、シンちゃんくらいの年頃なら働くことに憧れがあるのかもね~」ニヤニヤ

シンジ「そんな…」

ミサト「アルバイトとかもしてみたい年頃でしょうしね」ムフフフ…

ミサト「でもね、シンちゃん。 働くってことは大変なのよ?」ビシッ!

シンジ「は、はい!」ビクッ

ミサト「覚悟はあるの?」ズイッ

シンジ「あ、あります。 やってみたいんです!」

ミサト「よろしい! では、お姉さんからアドバイスをひとつ」

シンジ「はい!」


ミサト「洗濯一回500円は安すぎるわ。 せめて1000円からにしなさい」

シンジ「でもそれじゃあコインランドリーに…」

ミサト「コインランドリーと勝負したいなら価格で勝負しちゃダメよ。 あっちは人件費が入ってないんだから、ジュース売って自動販売機と勝負するようなものよ」

シンジ「は、はあ…」

ミサト「商売にするんだから経費はちゃんと掛けないとダメよ。 その上で、どんなサービスができるか考えなさい!」

ミサト「でないと、商売じゃなくて人助けになるからね」ニコッ

シンジ「…わかりました、やってみます!」

ミサト「じゃ、頑張ってね~」フリフリ

シンジ「ありがとうございました、ミサトさん!」


シンジ「とりあえず、ミサトさんのアドバイスに従って値段を書き直して…」キュキュー

シンジ「あとはサービスか…」ウーン

シンジ「洗濯屋でどんなサービスがあったら喜ばれるだろうか?」

シンジ「………難しい」ウーン

リツコ「……………」


リツコ「シンジ君…… なにやってるの?」

シンジ「あっ、リツコさん。 こんにちは」

リツコ「え、ええ、こんにちは… それで、ここで何を?」

シンジ「洗濯屋を開業しました」ニコッ

リツコ「せ、洗濯屋!?」

シンジ「忙しいネルフの皆さんの洗濯を代行します!」

リツコ「洗濯を……」

シンジ「はい。 一回1000円です」

リツコ(一回1000円なら安いわね…)


リツコ「ちなみに… 利用するとして、洗濯物の受け渡しはここよね?」

シンジ「そうなりますね…」

リツコ「そう…」

リツコ(ここまで洗濯物を持ってくるのはちょっと、ね…)

シンジ「…良かったら、家まで洗濯物を取りに行きましょうか?」オソルオソル

リツコ「!!」

リツコ「……できるの?」

シンジ「はい! 新しいサービスを考えてたんですけど、集荷・配達もできたら便利ですよね」ニコニコ

リツコ「とても便利よ!……忙しい人達にはね」


シンジ「やっぱり!」

リツコ「集荷の時間は何時頃かしら?」

シンジ「えーっと… 学校が終わってからになるので、夕方になります」

リツコ「それで配達は次の日の夕方?」

シンジ「はい」

リツコ「そう… それでお願いするわ、洗濯屋さん」ニコッ

シンジ「ありがとうございます!」ペコリ

シンジ「それで… リツコさんの家なんですが…」

リツコ「あとで家の住所と簡単な地図をメールしておくわ」

シンジ「わかりました。 明日、伺わせていただきます!」ペコリ

リツコ「よろしくね」スタスタ


シンジ「やった、二件目の注文がもらえたぞ!」ウキウキ

シンジ「この調子でサービスを充実させていけば…」

シンジ「洗濯屋として自分の店を持つのも夢じゃないかも!」キラキラ

シンジ「頑張ろう!」ヨシッ!


~~30分後

シンジ「んー… 今日はそろそろ店じまいかなー」

レイ「……碇…君…」ハァハァ…

シンジ「綾波! 」

レイ「これ… あの… 洗濯物です」サッ

シンジ「綾波…」

シンジ「確かに、お預かりします。 明日の夕方にはできあがるから取りに来てよ」

レイ「はい…」

シンジ「それじゃあ、今日はこれで店じまいだから途中まで送ってくよ」

レイ「…はい///」


ーーミサト宅

~~夜

シンジ「ただいま~」

アスカ「遅い! 暗くなる前に帰れって言ったでしょ!」

シンジ「ご、ごめん…」

アスカ「……それで?」

シンジ「?」

アスカ「洗濯屋はどうだったの?」

シンジ「とりあえず、注文もあったし初めてにしては上出来なんじゃないかな」

アスカ「そう… 良かったわね。 でも、こっちの家事も手を抜かないでよね!」フンッ

シンジ「今、夕食の準備をするよ」アセアセ

アスカ「……早くね」


~~翌朝

~ピピピピピ!

シンジ「………うん~」カチッ

シンジ「ふぁ~… 今日が洗濯屋の初仕事だなー」ムクリ

シンジ「ちゃんとやらなくちゃ!」


ーー洗面所

シンジ「さてと、まずは家の洗濯からかな…」ゴソゴソ

シンジ「あっ! ミサトさん、また脱ぎっぱなしで放り込んでる…」

シンジ「下着くらい分けてほしいよ…」ワケワケ

シンジ「アスカも分別はしてくれるんだけど、下着をネットに入れたりはしてくれないし…」ゴソゴソ

シンジ「これでよし!」パタン…ピッ

シンジ「さて、朝御飯とお弁当を作らないと」イソイソ


~~台所

シンジ「ふんふん~♪」ジュー

アスカ「おはよー、シンジ…」フラフラ

シンジ「おはよう、アスカ」カチャカチャ

アスカ「あんたも毎朝マメね~… やってもらって言うのもなんだけど、家事がめんどくさいとか思わないの?」

シンジ「うーん…… でも、そのくらいしか僕ができることはないしね。 ミサトさんやアスカの役に立てるならそれで十分だよ」ニコッ

アスカ「そ、そう… それならしっかり励みなさいよね///」

アスカ「顔洗ってくるわ…」イソイソ


ーー洗面所

アスカ「まったく、真顔で恥ずかしいセリフ吐くなっての!///」

アスカ「こっちまで恥ずかしくなるじゃない…」バシャバシャ

~~ゴトゴトゴト…

アスカ「もう洗濯機回してるのね… そういえば、洗濯屋に依頼したのは誰なのかしら?」フキフキ


ーー台所

アスカ「バカシンジ~」スタスタ

シンジ「なに~?」

アスカ「今回してる洗濯機は洗濯屋の分の洗濯物?」

シンジ「違うよ。 あれは家の分の洗濯物だよ」

アスカ「そう… 昨日聞きそびれたんだけど、あんたの洗濯屋に依頼してきたのって誰?」

シンジ「ああ、綾波だよ。 それと、今日の夕方にリツコさんの家に洗濯物の集荷に行くんだ」

アスカ「えこひいきとリツコが!? リツコはわかるとして、何でえこひいきが洗濯を依頼するのよ?」


シンジ「うーん… やっぱり綾波も家事は大変だからじゃないかな?…」

アスカ「えこひいきがそんなこと思うわけないじゃない! ……何が狙いかしら?……」

シンジ「そうかな~? 綾波も一人暮らしだし他のことで忙しいんじゃない…」

アスカ「……狙いがわからないのが腹立つわね~……」ブツブツ

シンジ「アスカ?」

シンジ「でも、僕が暇そうにしてたから気をつかって依頼してくれたのかも…」シュン

アスカ「!! ……そ、そうよ! きっと気をつかって依頼してくれたのよ! だから、今度からは断りなさいよ!」フンッ

シンジ「そうだよね… 綾波に悪いことしちゃったな……」ショボン

アスカ「あっ…」


~~ピー!ピー!

シンジ「あっ… 洗濯終わったみたい。 朝御飯はできてるから先に食べててよ」スタスタ

アスカ「ん…」

アスカ「ちょっと言い過ぎたかしら… 」ガタッ

アスカ「……………」モグモグ

アスカ「…美味しい」


ーー洗面所

シンジ「綾波に悪いことしちゃったかな…」パカッ、ゴソゴソ

シンジ「でも、綾波が初めてのお客さんなんだから仕事はちゃんとしよう!」

シンジ「さて、次は綾波の洗濯物を…」ゴソゴソ

シンジ「な、なんか緊張するな… うわっ、下着まで入ってる!」アセアセ

シンジ「下着は自分で洗ってよ~ 綾波~」オロオロ


シンジ「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」ヨシッ!

シンジ「これは洗濯屋の仕事なんだから、お客さんの下着で慌ててちゃダメなんだ!」ヒョイッ

シンジ「これはお客様の大切な洗濯物です!」ポイ、ポイ

シンジ「これでよし! スイッチオン!」パタン、ピッ

ーー廊下

アスカ「……………」ジー…


ーー台所

シンジ「あっ、アスカ。 ご飯は食べ終わった?」

アスカ「………うん」

シンジ「そう。 じゃあ食器を片付けるね」カチャカチャ

アスカ「……………」

シンジ「~♪」ジャブジャブ

アスカ「着替えてくる…」


ーーアスカの部屋

アスカ「そう…」

アスカ「それがえこひいきの目的だったのね…」

アスカ「……………」ゴソゴソ

アスカ「…受けて立つわ! えこひいき!」パサッ


ーー台所

~~ピー!ピー!

シンジ「あっ、洗濯が終わったみたいだな」スタスタ

シンジ「一応タグとかは確認したけど、仕事で洗濯をするとなると洗い上がりが一番緊張するね」ドキドキ


ーー洗面所

シンジ「どうかな~、キレイに洗えてるかな~?」パカッ

シンジ「とりあえず、色落ちは無さそうだし…」ゴソゴソ

シンジ「縮んだり汚れが残ってるものも無さそうだ!」ゴソゴソ

シンジ「よし! 屋上に干しに行こう!」スタスタ


ーー玄関

アスカ「………」トントン

シンジ「あっ、アスカ。 もう学校に行くの?」

アスカ「まあね。 …アンタはどうするのよ? ……一緒に行ってあげてもいいけど……」モジモジ

シンジ「ゴメン、アスカ。 洗濯物を干さなくちゃいけないからさ」

アスカ「そう… じゃあ先に行くわ。アンタも遅刻しないようにしなさいよ」

シンジ「ありがとう、アスカ。 いってらっしゃい」ニコッ

アスカ「い、いってきます…」イソイソ…


ーー屋上

シンジ「さてと、僕も早く干して学校に行かないとね」ゴソゴソ

シンジ「それにしても、屋上にこんなにちゃんとしたもの干場があるのに誰も利用しないんだな~」パチンパチン

シンジ「他に住んでる人達はよっぽど忙しいんだね…」パンパン

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