~教室~
永井「なぁなぁ!ちょっと聞きたいことがあんだけど!」ツンツン
吉田「今は授業中だ静かにしろ。あとシャーペンで突くな」
永井「頼むよー、すぐに終わるからー」グイグイ
吉田「ハァ...で、なんの用だ?」クルッ
永井「お前ってさ、物知りじゃん?」
吉田「自分で言うのもなんだが...まぁ、そうだな」
永井「でさ、前から気になってたんだけど」
吉田「うん」
永井「一輪車ってどういう物なの?俺、タイヤが1つしかない物ってこと以外知らないんだけど」
吉田「.........え、それだけ!?」
永井「うん」
吉田「そんなことで勉強中の俺を邪魔したのか?」
永井「そんなことって......俺は真剣なんだ!」
吉田「お前どこで真剣になってんだよ」
永井「えへへ」テレテレ
吉田「褒めてねぇよ!」
永井「と・に・か・く一輪車!」
吉田「はぁ、めんどくせぇなぁ」
永井「早く早く♪」ワクワク
吉田「え~と、確か一輪車だったか?(待てよ。ここで俺がこいつにただ一輪車について教えても全く面白くない)」
永井「うんうん!」
吉田(よし、ここは.....)
吉田「あれは移動手段として使われる乗り物の一種だ」
永井「え!マジで!?」
吉田「マジマジ、昔はお金の無い人とかいっぱいいただろ?そんな時に出てきた自転車はな。貧しい人にとってはとても買える物じゃなかったんだ」
吉田「そこで考え出されたのが一輪車さ。タイヤが一個の分、材料費が安くてな。少し乗りづらいが、貧しい家庭でも買える値段でな、それは売れたさ」
永井「へ~」
吉田「一輪車は売れに売れ、一輪車時代を巻き起こした」
永井「一輪車時代!?」
吉田「あぁ、それはもうすごかった。街では車の代わりに一輪車を利用する者が現れ、休みの日には彼女と2人で一輪車デートさ。テレビではある芸人の『一輪車だろぉ』や、オリンピック選手が言った『一輪車で帰らせるわけには行かない』など流行語にまでなったくらいだ」
永井「すっげぇ!」
吉田「だがな。.....とある事件で一輪車時代は終わってしまったんだ。......それがバブル時代さ」
永井「クソッ、なんてこった!」
吉田「まぁ、そう怒るな。....バブル時代のおかげで日本は経済的にも安定を取り戻した。誰でも自転車が買える時代が来たってことさ」
永井「じゃあ、一輪車はどうなったんだよ! まさか.....捨てたのか?」
吉田「流石に捨てる人はいなかったさ。でも、移動手段としては一輪車より自転車の方が効率がいいし、何より簡単だ。一輪車を移動手段として利用する者は減っていった」
永井「嘘だろ!」ダンッ
吉田「俺だって悔しかったさ!でも......しょうがなかったんだ」
永井「くっ.....」
吉田「遊びでしか使われなくなった一輪車は本来の移動手段としての機能は使われず、少しずつ人たちの心から消えていった。そして今に至るとまぁ、こんなところかな?」
永井「うわああぁぁぁぁん!!」ボロボロ
吉田「おいおい、泣くなよ」
永井「だっでぇ!い、いぢりんしゃがぁっ!」ボロボロ
吉田「まぁ、一旦落ち着けって......な?」ポンポン
永井「うっ...グスッ.....」
吉田「落ち着いたか?」
永井「ぅん」
教師「お前ら......何やってんだ」
―翌日の朝―
吉田「」テクテク
「おーーーい!吉田ーーー!!」
吉田「ん?誰だ?.....て、永井!?」
永井「よっ、おはよ!」キコキコ
吉田「お、お前それ....。」
永井「えへへ、いいだろ!昨日買ってもらったんだ一輪車!!」キコキコ
吉田(.....マジかよ)
永井「ちょ、止まんなって!これって結構止まるの難しいんだぞ!」キコキコ
吉田「え、あぁ、すまん」テクテク
永井「よっ、ほっ」キコキコ
吉田「......お前なんで自転車じゃないんだよ」テクテク
永井「ふんっ、あんな外道な乗り物二度と乗らない!」キコキコ
吉田「外道って.....」テクテク
永井「俺にはこのライトニング・シャイニングがついてるからなっ!」キコキコ
吉田(こいつ.....一輪車に名前付けてんのかよ、つうかダサッ!)
永井「.....やっべ、遅刻しそうだ!吉田急ごうぜ!」キコキコ
吉田「お、おう」テクテク
永井「いくぜっ!!!」グッ
ブウゥーーーーーーン!!
吉田「はやっ!!」ダッダッ
~教室~
キーン コーン カーン コーン
吉田「結局、あいつ教師に捕まって遅刻したなぁ」
吉田「まさか、ほんとに信じるとは思わなかったぜ」
永井「何が悪いってんだよ・・・・・」ボソボソ テクテク
吉田「あ、来た来た。うっす!」
永井「あん?.....あーなんだ吉田か」
吉田「なんでそんなに機嫌悪いの?」
永井「聞いてくれよ!あいつら俺のライトニング・シャイニング没収しやがったんだぜ!!」イライラ
吉田「そ、それは残念だったな」ハハハッ
永井「笑い事じゃねぇよ!くそっ、また買わなくちゃいけないじゃんか!」イライラ
吉田「そ、そうだな(え?、また買うの?)」
永井「..........あ、思い出した」
吉田「ん?どうした?」
永井「俺、お前に聞きたいことがあるんだった」
吉田「またかよ!」
後は支援次第やな
永井「まぁまぁ、落ち着けって」
吉田「んー.......で、何聞きたいんだよ」
永井「あぁ、そうそう!昨日お菓子食ってて思ったんだけどさー」
吉田「うん」
永井「お菓子のポッキーってあるだろ?あれってなんで下までチョコが付いてないんかな?」
吉田「また、くだらない.......ハァ」
永井「だって気になんじゃんか!」
吉田「..........今度はどうしようか」ボソボソ
永井「ん?何か言った?」
吉田「あぁ、なんでもない。それよりポッキー.....だったよな?」
永井「うん」
吉田「.....まぁ、あれは完全に見た目だな」
永井「そうか見た目か......え!見た目!?」
吉田「そうだ見た目だ」
永井「え、じゃあ見た目がイイから下だけチョコ付けてないの?」
吉田「まぁ、そういうことになるな」
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