しんのすけ「明日、結婚式だな」
ひまわり「うん」
しんのすけ「…とうちゃんもかぁちゃんも、きっと喜んでると思うぞ」
ひまわり「…うん」
しんのすけ「明日、朝早くから色々準備があるんだろ?…今日はもう休め」
ひまわり「……うん。おやすみ」
しんのすけ「……」
…ガラッ…
しんのすけ「…」ゴソゴソ…
…カチッ…シュボッ!…
しんのすけ「……」スゥー…プハァ…
しんのすけ「とうちゃん…ひま、明日結婚するんだぞ」
しんのすけ「……」スゥ…プハァ…
しんのすけ「そういや、最近のアイツ…若い頃のかぁちゃんそっくりだ」ハハ…
しんのすけ「……」ピッ……グリグリ…
しんのすけ「……寝よっと」スタスタ…
…ガラッ…
…今から十数年前
…ちょうどお兄ちゃんが中学校を卒業してすぐの春休み。
…家族四人で旅行に行ったその帰り道。交通事故でお父さんとお母さんは帰らぬ人となりました。
…その頃にはぎんのすけおじいちゃんなど近しい親族の人達も亡くなっていて…
…私達は法事の時くらいにしか会った事のないような遠縁の親戚の人達の元をたらい回しにされました。
…無理もないですよね。みんな高校生や大学生といった一番お金がかかる子供を抱えている時でしたから…
…そんな時に私達が転がりこんで来ていい迷惑だったと思います…
…私達は行く先々で肩身の狭い思いをしていました…
…そんな生活が半年ほど続いた頃…
『ちょっと!あなた本気なの!?』
しんのすけ(高校一年)「はい。これ以上迷惑はかけられないから、高校辞めて、就職して、俺がひまのめんどうを見ます」
ひまわり(小学六年生)「お…お兄ちゃん…」ギュッ…
しんのすけ「心配するな、ひま。…俺がついてる」ニッ…
『待て!しんのすけ君!なにもそこまで…!』
しんのすけ「…正直、おじさん達も迷惑がってるでしょ?だから、出ていきます」
『出ていくったって…どこへ…?』
しんのすけ「…春日部の家です。とうちゃんとかぁちゃんが遺してくれた」
しんのすけ「帰ろう。ひまわり。俺達の家に」
ひまわり「……うん!」
しんのすけ「…どうもお世話になりました」
しんのすけ「明日学校へ行って事情を説明して、退学届けを出してきます」
しんのすけ「……じゃ」スタスタ…
『…あ、あぁ』
ひまわり「…さようなら」ペコリ…
…こうして私達は春日部の家に戻ることになったのです。
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