【キングダムハーツ】シオン「幻想卿?」 (37)


ニンテンドウDSで発売された。
キングダムハーツ
358/2(スリーファイブエイトオーバーツー)



東方幻想卿
のクロスです。

??機関のレプリカ計画(ソラのノーバディであるロクサスを通じてソラの力を人工的に作り出したノーバディのシオンに吸収させ機関の道具として扱う計画)の要であったシオンはソラの記憶を吸収した事で自我を持ち、大切な友達であるロクサスを守る為に消滅しその存在と記憶ごとソラに帰る事を決意する。

最後にロクサスに残ったソラの記憶を吸収する為ロクサスに戦いを挑み、ロクサスの記憶を吸収したがロクサスに切られ消滅した。

存在ごと消えたので皆の記憶からも消えてしまった。



シオン…幻想入り。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411724272

黄昏の街・トワイライトタウン

大きな時計台の下。
倒れた黒髪の少女を抱えて金髪の少年が必死に呼び掛ける…

やがて黒髪の少女は氷の様に結晶になり始める。

ロクサスの腕の中で…
シオンは自分が少しずつ…砂のように崩れて無くなっていくのを感じた…
最後にロクサスの頬に触れた感触も分からない程に
ロクサスが握ってくれた手の感触も分からない程に…どんどん意識が溶けていくのを感じながら

「大丈夫…ソラに帰るだけ」

と自分に言い聞かせた。

やがてシオンの視界は真っ白な光に包まれ
その体は虚空に溶けた。


愽麗神社

霊夢「うー…ん!今日もいい天気ねー!」

箒を片手に伸びをしながら巫女装束の少女は
カラコロと神社の石畳を小気味のいい音を鳴らして空を眺めていた。

ガッ

霊夢「っ!?」

ドシャァ

霊夢「いったぁ…」

痛みを片目で堪えながら躓いた辺りを見る。
黒いローブのような物を着た女の子が倒れていた。
霊夢「え?ひ…ひと?行き倒れじゃないわよね?」

恐る恐る近づき顔を覗き込む。

シオン「う…ううん…」

霊夢「良かった!生きてる!」

霊夢は急いでシオンを神社に運んだ。


シオン「うう…ここは…」

知らない場所に戸惑う…目の前には少女…機嫌の悪そうな顔でシオンを睨んでいる。

霊夢「気が付いたようね?」

シオン「ここはどこなの?」

霊夢「愽麗神社よ。こっちにも聞きたい事は色々あるけど我が神社に代々伝わる箒があなたのせいで折れちゃったんだけど?どうしてくれるの?」

丁度ぽっきり真ん中で折れた箒をシオンの目の前に差し出して霊夢はシオンに詰め寄る。

シオン「あ…ご…ごめんなさい…」

謝る事しか出来ないシオンに霊夢はふぅと溜め息をついて諦めたように言った。

霊夢「見たところこの辺の子じゃ無いみたいだけど貴女誰?」

シオン「わ…私は…シオン…」

霊夢「ふぅん…シオンね」

まじまじと霊夢はシオンを舐めるように見た。

霊夢「貴女何が得意?」

シオン「えっと…えっと…」

霊夢「得意な事もないの?そりゃ行き倒れにもなるわね」

シオン「行き倒れ?」

霊夢「勝手に私の神社の境内で寝てるんだもの。行き倒れでしょ?違うの?バカなの?死ぬの?」

シオン「…」

霊夢「ふぅ…まぁいいわ。少し休んだら帰りなさい。ここには貴女を養うような余裕はないわ」

シオン「…無い」

霊夢「え?」

シオン「私には…帰る所なんて無い…それを捨てて来たの…」

霊夢「貴女…どこからどうやって来たの?」

シオン「…分からない…です」

霊夢「ふぅ…もういいわ…お茶淹れてくる」

シオン「…ごめんなさい…助けて貰ったのに…頭が…回らなくて…」

霊夢「いいから大人しくしなさい」

シオン「ありがとう…ございます…」



霊夢が出て行ったあとシオンは部屋を見渡す。
木造のその建物は、機関にいる時に以前住んでいたワールドの「ダークシティ」や機関のアジトとは異なりなんとなく懐かしいような不思議な温もりを感じていた。


霊夢「変なのを引き寄せる力があるって昔誰かに言われた気がする…こういう事なの?最悪ね…」

お茶を運びながら霊夢はぼやいていた。
しかし最近なんのトラブルも無い平穏な日々も少々飽きてきた所だ。

楽しみは多い方がいい。

霊夢の胸は謎の少女の登場に昂っていた。


ガラッ

シオン「っ!」

霊夢が部屋に入るとシオンは猫のように目を丸くした。

霊夢「そんなに怯えなくてもいいわよ。こう見えても巫女なんだから困ってる女の子相手に何かしてやろうなんて気は無いわ」

シオン「…ありがとう…ございます」

霊夢「まぁとりあいずお茶でも飲みなさい」

シオン「お茶?緑のお茶…」

霊夢「緑の?あぁ…紅茶なんて洒落た物ウチには無いわ。気に入らなければ下げるけど?」

シオン「いた…頂きます…」

ズズッ

シオン「あつ…」

霊夢「熱いわよ?見れば分かるでしょ?そんな事もいちいち言われないと分からないのかしら?」

シオン「でも…おいしい…です」グスッ

霊夢「なんで泣くのよ…めんどくさい子ね」

シオン「ご…ごめんなさい…」

霊夢「いちいち謝らないで。うっとおしい」

シオン「ごめ…っ。えっと…なんか暖かくて…嬉しくて…」

霊夢「ふぅ…それ飲んだら今日は寝なさい。特別にタダで泊めてあげるわ。その代わり明日は出ていくのよ」

シオン「あ…ありがとうございます…」

霊夢「ボソボソしゃべらないでくれる?耳障りよ」

シオン「あ…ありがとうございますっ!」

霊夢「うるさいわ」

シオン「ごめ…あっ…うう…」

シオンはロクサスとアクセルと三人でいる時のような嬉しい気持ちが胸に広がるのを感じた。

1days

「目覚めぬ力」



何故ここにいるのか…
私はソラに帰ったはずなのに…
ここはどこなのか…
あの子は何者なのか…
そういえば名前も聞いてなかった…

様々な解けぬ疑問や自問が頭によぎっては夜の暗がりに消えて言った。



シオン「ロクサス…アクセル…」グスッ

???「愽麗神社から感じた事の無い気配がすると思ってきてみたら…変わった子…しかも泣き虫がいるようね?」

シオン「誰っ!?」

突然後ろからした声にシオンが振り向くと
さっきまで何もなかったはずの壁に穴がぽっかり空いてそこから傘を差した金髪の女性が入ってきた。

紫「私?私は八雲 紫(やくも ゆかり)。隙間妖怪なんて呼ぶ愚か者もいるわ」

シオン「ゆかり…?」

紫「この幻想卿は現世に忘れられた者達が平穏に暮らす郷よ。くれぐれも騒ぎは起こさないように…それと霊夢はこの郷を守る結界の鍵なの…あまり面倒を掛けすぎないようにしてくださる?」

シオン「…」

紫「まぁ一応霊夢に近づく者の顔を見ておきたかっただけよ」

そういって紫はまた壁に空いた穴に入っていった。

紫「でも…もしこの郷を脅かすような真似をしたら…全力で潰させて貰うわ」

シオン「私はそんな事しない…」

紫「あらそう?でも貴女にはその力があるようだけれど?…自分では気付いてないのかもしれないけどね?」

シオン「力…」

紫「どうかそのまま無知でひ弱な少女でいなさいな。そういう幸せもあると思うわよ?ふふっ」

そういって紫は穴の中へと消えていった。

シオン「力……キーブレード…」

シオンはスッと右手をかざした。
しかしキーブレードは出てこなかった…。

2days

「幻想卿」



霊夢「ちょっと貴女いつまで寝てる気?」

シオン「う…ううん…ん…おはよう…ございます…」

霊夢「なに寝ぼけてるのよ?早く顔洗ってきなさい」

シオン「うん…ん?」

霊夢「なによ?」

シオン「っ!?お…おはよう…ございます!」

霊夢「朝から面倒くさいわね」

シオン「ごめんなさい…」

霊夢「あなたここに来てごめんなさいって何回言ったか覚えてる?次謝ったら問答無用で叩き出すわよ」

シオン「は…はい!」

霊夢「洗面所はその角曲がって左よ。さっさと顔を洗って目を冷ましなさい」

シオン「ありがとうございます…」

霊夢「ふん…終わったら井戸の水汲みをしてきてくれる?分かるわよね?」

シオン「わ…わかりません…」

霊夢「どれだけ役に立たないの…?話にならないわ…」

シオン「ご…あっ!あの…その…」

霊夢(なんていじめがいのある子なのかしら…)

シオン「…っ!…っ!」

霊夢「着いてきなさい。井戸の使い方ぐらい教えてあげる」

シオン「…ありがとうございます!」



それから霊夢は何から何まで無知な溜め息を着きながらも…シオンに生活に最低限必要な事、幻想卿の事などを教えた。

霊夢「ったくほんとに何も知らないのね…」

シオン「でも…霊夢さんが色々教えたくれたから大丈夫」

霊夢「ふん…あれ?私名前教えたかしら」

シオン「紫さんが昨日…」

霊夢「あの隙間妖怪め…!」

シオン「ダメだった?」

霊夢「もういいわ。別に名前ぐらい。減るもんじゃないし…」

そんな他愛もない会話をしていると突然玄関から男性の声が聞こえた。

町民「霊夢さぁん!霊夢さんいるかぁい!?」

霊夢「町の人だわ…なにかしら慌てて」トタトタトタ

シオン「…?」テテテテ

町民「あっお客人でしたか?こりゃどうも…。ってそんな事言ってる場合じゃない…!大変なんだ!影が影が暴れだして…」

霊夢「影?」

シオン「影…まさか…ハートレス…?」

霊夢「何か知ってるようね?」

シオン「多分私がここに来た事と無関係じゃない…と思う…」


霊夢「なんにせよ異変調査なら私の出番ね。貴女もついて来なさい。そういえば貴女の名前まだ聞いて無かったわね?」

シオン「シオン…」

霊夢「そう。じゃお互いの名前も知った所で握手しましょう?」スッ

シオン「…」コクリ…スッ

ギュッ

霊夢「じゃしっかり捕まっててね」ニコッ

シオン「!?」

シオンが気付いた時にはその体は遥か上空へ浮き上がっていた。


シオン「と…飛んでる…!すごい…霊夢…すごい!」

霊夢「空を飛ぶ程度の能力よ。こんな事で驚かれても困るわ」

シオン「でもすごい…!鳥みたい…!」

霊夢「ふん…さぁもう着くわよ。口閉じなさい。舌噛むわよ」

シオン「はいっ!」

二人が町に着くと逃げ惑う町人が影に追われている。

シオンの目を映ったそれは間違いない最弱のハートレス「シャドウ」だ。
しかし影に溶け込み死角から群れで攻撃してくる為厄介な相手だった事を思い出した。

シオン「霊夢…あいつは影に溶け込む…気を付けて」

霊夢「思ってたより全然弱そうね」

霊夢は御払い棒を翳すとシャドウに向けて光弾を放った…!

シャドウ「!」ボワン
キラキラとハートが飛び出し空に消えて言った。

霊夢「はぁ…」

あまりにも呆気なく消滅した敵に対して霊夢は少しガッカリした様子で振り替える。

シオン「すごい…今のどうやって!あっ!霊夢下っ!」



霊夢が足元を見ると霊夢の影から闇が広がりシャドウがウジャウジャと出てきた。

霊夢「ちょ…なによ…これ…」

シャドウ達は一斉に霊夢に飛びかかる…霊夢は足を影に掴まれていて動けない。

霊夢「くっ…!」

霊夢は光弾を放ったが数が多すぎる為効果はほとんど無かった。

霊夢「う…お…重い…!」

グググッ
のし掛かる影達に霊夢の膝が折れ始めた…
シオン(助けなきゃ…助けなきゃ…助けなきゃ…)
シオンは動揺してその場から動けない…。

シオン(どうしよう…どうしよう…どうすれば…)

霊夢と目があった…

霊夢「逃げなさい…シオン…」

シオン「っ!?」

ズブズフズブ…

霊夢が闇に飲み込まれる…



シオン「うぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

シオンは影の群れに突進した。
何か考えがあった訳じゃない。
助けられる勝算があった訳じゃない。

しかし…

影に飲み込まれて行く霊夢の手を見て
そうするべきだと体が動いた。

邪魔をさせまいとシャドウ達が立ちはだかった。

シオン「邪魔を…しないで!」

今なら出せる…そう右手が教えてくれる…
シオンは右手を握りしめ…手を翳す…
シオンの翳した手に光の剣が現れた。

「キーブレード」

心を解放する剣…

力…確かに感じる頼もしい重みを携え
闇の塊に斬り込んだ。

シオンは闇の中を切り裂き進んだ。
一心不乱に進むと闇の中に微かな白を見つけた。

シオン「霊夢っ!」

シオンは霊夢の服を掴み力を解放する。

シオン「うーっ!!あーーーー!!!」

儚い光が二人を包み込み
影は一斉に消え去った。

町の広場に光の柱が立ち…
それを遠くで幾人もの妖怪が
見ていた。

紅魔館

レミリア「何か大きな事が起きるわね」

咲夜「様子を見て来ますか?」

レミリア「時が来るのを待ちましょう。どたらにせよ…いずれ私達にも舞台が用意されているようですし…咲夜?紅茶を」

咲夜「かしこまりました」

レミリア「楽しみだわ…13機関…ふふっ」




地霊殿

燐「なにかしらあれ」

お空「わーきれー」


守矢神社

早苗「不吉な…白い柱…」

諏訪子「神奈子ー!また早苗が変な寝言言ってるぞー」

神奈子「はいはい。ほっておきなさいな」



キラキラキラキラ…

ドサッ

やがて光の柱が消え去り二人は抱き合うようにして町の広場にいた。

霊夢「う…うーん…」

シオン「う…うう…霊夢大丈夫…?」

霊夢「逃げろって…言ったはずよ?」

シオン「ごめん…なさい…霊夢が影に飲まれちゃうのが嫌だったから…」

霊夢「ちょっと油断してただけよ…別にピンチてもなんでもなかったわ…私があんな雑魚にやられる訳ないじゃない…私は本気を出さない主義なのよ」

シオン「嘘。かなり危なかった癖に…」

霊夢「ふん…でも…まぁありがと…正直ヤバいと思ったわ」

シオン「ふふっ…でもよかった…助けられ…て…」

霊夢「シオン!?」

シオン「ちょっと頑張り過ぎちゃったみたい…寝さ…せて…」

霊夢「わかったわ。ゆっくり休みなさい」

3days

「異変」

真っ暗な闇の中をシオンは走っていた。
闇の中で声がする。

「…偽物」
「…人形」
「…紛い物」
「…失敗作」

その声から逃れるように耳を塞いでシオンは闇の中を走っていた。

シオン「もう止めてっ!止めてよっ!」

どんなに走っても声はすぐ耳元でする。

ロクサス「シオンは失敗作なんだ…」

アクセル「お前は人形だ」

リク「お前は存在してはいけないんだ」

シオン「止めてーーーーーーーっ!!」



ガバッ

シーン…

シオン「ゆ…夢…?」

どのぐらい寝ていたのだろうか?
町でハートレスと戦って…それで霊夢が…

霊夢「大丈夫?」

シオン「!?」

霊夢「うなされてたわよ?」

シオン「あ…起こしちゃった?」

霊夢「別に…眠くも無いわ。それにしてもハートレスっていうのは一体なんなの?詳しく教えてくれる?」

シオンはザルディンから教わったハートレスの知識を霊夢に話した。

霊夢「なるほど…心を持たないが故に心を求める存在…ねぇ」

シオン「うん…私も普通の人間じゃないの…」

霊夢「でしょうね?普通の人間は鍵状の剣を出したりしないもの」

シオン「変に思わないの?」

霊夢「そんな事言ったら空が飛べる私も普通の人間じゃないって事になるのかしら?」

シオン「それは…」

霊夢「普通なんて概念は捨てなさい。そんなんじゃこの幻想卿ではやってけないわよ。シオンが思ってるよりここはおかしな生き物がたくさんいるんだから」

シオン「そうなの?」

霊夢「もうすぐ愽麗神社のお祭りがあるの。その時に来るおかしな奴等を沢山見たら貴女のがよっぽど普通だと感じるはずよ」

シオン「なんだか楽しみ」

霊夢「無事にその楽しみを現実にする為にはそのハートレスってのを掃除しなきゃよ?」

シオン「頑張る!」

霊夢「まぁそれまではここにいなさいな。もちろん色々と働いてもらうわよ?」

シオン「うん。ありがと…」


それからシオンは愽麗神社の巫女の見習いという形で異変調査・妖怪退治・稀に現れるハートレス退治を霊夢と一緒にこなしていた。

ハートレスはキーブレードで止めを指さないと
行き場の無い心はまた他のハートレスに奪われてしまう。

逆にキーブレードで倒せば心は元の持ち主の体と共に再生されるのだ。

最初の襲撃で襲われた町は全ての町人が無事に戻ってきた。

これがきっかけでシオンは町の人から受け入れられた。


霊夢「ふぅ…今日も疲れたわね」

シオン「ねぇ霊夢…最近ハートレスの数が増えてると思わない?」

霊夢「そうかしら?気のせいだと思うわ」

シオン「今までは各村で私の知る限りの対応でなんとか持ってたけど私の知らない協力なハートレスもたまに現れるし…頻度も上がってる…」

霊夢「それは…まぁそうね…」

シオン「町のみんなは私にすごく良くしてくれる…でも…私のせいで…みんなを危険にさらしてると思うと…」

霊夢「シオンは余計な事は考えなくていいわ」

シオン「でも私怖いの!町のみんなを失うのが…!霊夢を失うのが…」

霊夢「確かにあなたは出来損ないかもしれないわ。でも友達を信用出来ない程では無いはずよ。いいからこれまで通り私の剣として働きなさい」

シオン「友…達…?」

霊夢「し…失言よ…」///

シオン「霊夢…!うん!私頑張るっ」


霊夢「いいから早く夕食の支度しなさい!今日はシオンが当番のはずよっ!」///

シオン「うん!」

霊夢の口にした「出来損ない」はサイクスや他の機関員達が口にしたそれよりもずっと暖かく…親しみのある物に感じた。

しかし幻想卿に突如訪れたハートレスの出現に
自分が大きく関わっている事は霊夢も分かっていた。

何か目に見える変化があるまでは現状を維持していくしか無い。

しかし選択肢が無い分迷わなくていい。
霊夢はそうして自らを鼓舞するのだった。

4days

「夢」

霊夢は夢を見ていた。
闇の世界…とはいっても彼方には無数の星のような光が見える。
辺りにはなにかの残骸…

霊夢(ここは…?)

キョロキョロ辺りを見渡していると声が聴こえた。

???(…そこに誰かいるのか…)

霊夢「!?」

???(いるなら答えてくれ…誰かいるのか?)

霊夢「えぇいるわ!聴こえてる!貴方は誰なの!?」

???(我が名はアンセム…賢者だ…)

霊夢は声が強くなる方へと近づく。
すると切れた管みたいな物が背中から無数に出ている半身のみの褐色の男性が横たわっている…

霊夢「大丈夫!?」

アンセム「あぁ大丈夫では…無さそうだな…」

霊夢「ただの夢じゃないわね…貴方がここに私を呼んだの?」

アンセム「そうだ…私が呼んだ…」

霊夢「なんの為に…?私にどうしろと言うのかしら?お経でも唱えましょうか?」

アンセム「これを…君に…」

アンセムが霊夢に手を伸ばす。
それを受け取ろうとした霊夢の腕を掴んだと思うとアンセムは霊夢に流れ込んだ。

霊夢「っ!?」

アンセム「しばし君の心に住まわせて貰うとしよう。なに…まだ私にはなにも出来んよ。今は…まだな…」



ガバッ!

霊夢「はぁ…はぁ…」



そんな夢を見たのが数日前…
そしてその後シオンが現れた。
そしてハートレスがこの幻想郷に現れ始めたのだ。

霊夢(シオンは自分のせいでなんて言ってるけど…むしろ逆…多分私の心に入り込んだせいで幻想郷の結界が弱まってるんだ…シオンがいなかったら心のある生物は今ごろ狩り尽くされている…)

(シオンを守らなきゃ…)

二人はハートレスと戦う日々が続いた。

5days~20days

「新しい仲間」

シオン「霊夢ー?今日の依頼は?」

台所から朝食のいい香りを漂わせつつシオンは居間で依頼書を読んでる霊夢に問い掛ける。

霊夢「ハートレス駆除の依頼が…二件よ」

シオン「二件!?」

シオンが驚くのも無理は無い。
今までハートレスの駆除の依頼はせいぜい二日に一度ぐらいだった。

二手に別れるしかない。

しかしキーブレードを持たない霊夢は殲滅は出来ても排除が出来ない。

霊夢「考えてても仕方ないわ。北の村の方をシオンが一人で排除しなさい」

シオン「そんな…出来るかな?それに霊夢も心配…」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月14日 (土) 16:11:50   ID: yZEV2Ev-

リメイクはよ

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