音無小鳥「グリとモバ」 (119)
小鳥「伊吹翼と島村卯月」
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翼「『誰にでも気兼ねなく話しかけられる』『年上なのにそんな空気を出さない』それと……あ、『恥ずかしい服でも堂々と着れる』」
卯月「それは良いところなの?」
翼「わたしは好きだよ、卯月さんのそういうとこ」
卯月「えへへ、ならいいかな」
小鳥「翼ちゃん、卯月ちゃん。何の話?」
翼「わたしの歌に、『好きなトコ100個言ってあげる』ってあるじゃないですか」
小鳥「『恋のLesson初級編』ね。『キミをリサーチ中。自分のことフツウなんて言わせないから』ってつながるのよね」
小鳥「普通……え、まさか」
翼「それでさっき卯月さんが、自分のことを普通って言ってたんで、これはもう、わたしへの挑戦かなって」
小鳥「挑戦って。卯月ちゃんはそれでいいの?」
卯月「ちょっと恥ずかしいですけど、自分のどこが魅力なのか教えてもらえるのって今後のためにもなるかなって」
翼「今38個目まできたんですけど、なかなか難しいなぁ」
小鳥「まあ、実際100個は大変よね」
小鳥(……恋のレッスンかぁ)
卯月『でも翼ちゃん、まだ言ってないのあるんじゃない?ほら、私といえばみたいな』
翼『言ってないの?ええ、なんだろ?お尻?』
卯月『そうじゃなくて!確かにお尻のことはよく言われるけど』
卯月『その、自分で言うと変かもだけど、私ってよく『笑顔が素敵』ってみんなから言われるよ。だから笑顔にはわりと自信あるんだけど、どうかな?』
翼『んー、パスで』
卯月『そんなあっさりと!?』
翼『だってわたし、卯月さんのもっといい表情知ってるし』
卯月『え?』
翼『わたしと二人きりの時の卯月さんの顔が、わたしは一番好きかな。ああ、今わたしリサーチされてるんだなって感じで』
卯月『ええっ!?な、なんで気付いて……』
翼『そんなの、わたしの方がもっとリサーチしてるからに決まってんじゃん』
卯月『もっと、て』
翼『もっと前から。もっとたくさん』
卯月『……』アワワ
翼『ねえ、そろそろ中級編……進んでみない?』
小鳥(だ、だめよ。二人とも!中級編も二人にはまだはやい、はやいわ!!)
卯月「あの、小鳥さーん?大丈夫ですか?」
小鳥「……え、大丈夫。大丈夫よ」
小鳥(……あぶないあぶない、また妄想の世界へと羽ばたいてしまったわ)
翼「そうだ『笑顔が素敵』」
卯月「それもう3回目だよ」
翼「じゃあ『頑張り屋』」
卯月「それは4回目じゃないかな」
翼「『お尻が大きい』」
卯月「もう、翼ちゃんまでそんなこと言う!」
小鳥「篠宮可憐と一ノ瀬志希」
志希「可憐ちゃん、これ前言ってた香水!志希ブレンドだよ」
可憐「も、持ってきてくれたんですか。あ……落ち着く香り……ラベンダーをベースに……他に3つぐらい?何かわからないですけど……」
志希「おお、数は正解!正解した可憐ちゃんにはそれをプレゼントしよー」
可憐「い、いいんですか……!?あ、ありがとう、ございます……」
志希「にゃっはっはー」
小鳥(可憐ちゃんと志希ちゃん。香りが好きな者同士、仲良くやってるみたいね)
可憐「え、えっと……何かお礼を……」
志希「お礼?いいよいいよ。ハスハスさせてくれれば」
可憐「で、でも何もしないわけには……え?は、ハスハスですか!?」
志希「で、いいかな?」
可憐「い、いいと言うか……よくわからな……」
志希「ハスハスハスハス」
可憐「ひゃ、ひゃあああぁぁ」
小鳥(仲良くやってる、のよね?)
志希「ふっふー。可憐ちゃんは毎日違ういい匂いがするから、飽きないんだよねー」
可憐「うう……は、恥ずかしいです……」
志希「褒めてるのにー」
可憐「で、でもそれを言うなら……し、志希さんだって、いつも不思議な香りがして」
志希「おお!あたしの匂いに、興味深々?ハスハスする?」
可憐「い、いいです……」
小鳥(…………ふむ)
志希『そうだ、いいこと思いついた!可憐ちゃんの香りの香水を作ろう!』
可憐『だ、だめですよぉ……!』
志希『だいじょぶだいじょぶ!絶対誰にも渡さないから、あたし専用ってことで!』
可憐『そ、それでもだめですぅ……!』
志希『ハンカチとかにつけてハスハスするだけだからー!おーねーがーい!』
可憐『う、うう。でも、その……それだと……』
志希『それだと?』
可憐『それだと……わ、私が志希さんの匂いをかげない……から』
志希『……可憐ちゃん』
可憐『は、はい……?』
志希『ハスハスハスハス』
可憐『ひゃ、ひゃあああぁぁ。志希さん、ち、ちか、近いです……!!』
志希『いいじゃん、一緒にハスハスしよー』
可憐『あ、あうう。……ハスハス』
小鳥「……ぴよぉ」
可憐「だ、大丈夫ですか、小鳥さん……!?な、なんだか様子が……」
志希「ピヨちゃん、トリップしてるー?志希ブレンドにあてられちゃったのかな?」
可憐「え、え……?こ、これ、成分は……」
志希「ひみつー」
可憐「あ、あの……」
志希「ひみつー」
小鳥「佐竹美奈子と佐久間まゆ」
美奈子「じゃあ今日もまゆちゃんの家で」
まゆ「はい、お願いしますねぇ」
小鳥「あら、何のお話かしら?」
美奈子「はい、実は最近まゆちゃんにお料理を教えていて」
まゆ「み、美奈子さん!それは秘密にって」
美奈子「あ、そうだった!ごめん、まゆちゃん!」
まゆ「あの、小鳥さん。誰にも言わないでくださいねぇ」
小鳥(まゆちゃんが美奈子ちゃんにお料理を教わる理由。考えるまでもなく、プロデューサーさんよね)
小鳥「大丈夫、誰にも言わないわよ」
美奈子「ほっ」
小鳥「喜んでもらえるといいわね」
まゆ「……!は、はい!!」
小鳥(美奈子ちゃんとまゆちゃんのお料理教室。いったいどんな感じなのかしら?)
小鳥(そうね、きっと……)
美奈子『じゃあ今日も美奈子のお料理教室始めましょう!』
まゆ『はい、先生』
まゆ(美奈子さん、本当にまゆがこんな料理を教わるために頼んだと思ってるんですかぁ?)
まゆ(いつも美奈子さんに無理やりお弁当を押し付けられて、プロデューサーさん嫌がってたじゃないですか。気付いてなかったんですか?)
まゆ(でも、もう大丈夫ですよプロデューサーさん。この女はまゆがちゃんと抑えておきますから)
まゆ(まさか人の恋を応援しておきながら、その後もずうずうしくその人の恋人に料理を振る舞うなんて真似、友達思いの美奈子さんはやりませんよねぇ?)
まゆ(優しい優しい美奈子先生?)
美奈子『次は豚肉を』
まゆ『一人分ですよね、このぐらいでしょうか?』
美奈子『そうそう。練習だから作りすぎてもあれだしね。まゆちゃんもなかなか慣れてきたね』
まゆ『うふふ、指導の賜物ですよぉ』
美奈子『わっほーい!そう言ってもらえるとうれしいな』
美奈子(本当にうれしいよ、まゆちゃん。ねえ、気付いてる?今とった一人分の量、普通の人にとっては二人分以上あるんだよ)
美奈子(少しずつ料理に使う食材を増やすことで、量の感覚を壊す作戦はうまくいったみたいだね)
美奈子(まゆちゃんは私がプロデューサーさんにお弁当を渡すのを警戒しているみたいだけど、もうその必要はないんだよ)
美奈子(だってこれからプロデューサーさんを太らせるのは、まゆちゃんの役目なんだから……)
美奈子『まゆちゃんもだいぶ上達したし、そろそろプロデューサーさんのためのメニューも考えてみようか』
まゆ『うふふ、まゆ張り切っちゃいますよぉ』
小鳥(ひぃ、女の戦い!?)
小鳥(ってないない。流石にこんな危ない空気が漂ってるはずがないわよね)
小鳥(きっと普通にほのぼのとした料理教室が……)
美奈子「よーし、まゆちゃんの料理でプロデューサーさんを太らせようね」
まゆ「幸せ太り、いいですよねぇ。他の人の料理が入らないぐらい、まゆの料理でおなかいっぱいにしてあげますよぉ」
小鳥(共闘してる!?プロデューサーさんが危ない!?)
喜多日菜子「音無小鳥と千川ちひろ」
小鳥『ただいま帰りました。ちひろさんの分のお夜食も買ってきましたよー……ちひろさん?』
ちひろ『……』スースー
小鳥(あら、珍しい。いつもは疲れてるところなんて、誰にも見せないのに……)
小鳥(それだけ疲れてるってことよね、もう少し寝かせておこうかしら)
小鳥『それとも……私になら見せてもいいって思ってくれてるの?』ナデナデ
ちひろ『……!』
小鳥『ふふっ、まさかちひろちゃんと一緒に働くことになるとはね。社長が「ティンときた」って言って連れてきた時は驚いたわ』
小鳥『ちひろちゃん、すごい立派になってるんだもの。小さいころはいつも「お姉ちゃん、お姉ちゃん」って私の後ろについてきてて、それこそ小鳥の雛みたいに』
ちひろ『いつの話をしてるんですか、いつの!?』
小鳥『あら、起こしちゃったかしら?』
ちひろ『あんな話されたら起きますよ。というか、絶対気付いたうえで話しましたよね』
小鳥『さあ、どうかしら?じゃあ、ちひろさんも起きたことだし、お仕事に戻りましょうか。それとも少しぐらい仮眠とります?』
ちひろ『いいえ、大丈夫です。……あと合ってますから』
小鳥『え?』
ちひろ『その、私があんな無防備な姿見せるのは……お姉ちゃんだけですから』
小鳥『……!』
ちひろ『さ、さあ仕事しますよ。うちはアイドルも仕事もいっぱいなんですから』
小鳥『わかったわ、ちひろちゃん』
ちひろ『その呼び方、他の人がいる時はやめてくださいよ!』
日菜子『むふ……むふふ……』
真『どうしたの、日菜子?一人でうれしそうに。また、妄想?』
日菜子『ええ、今は幼馴染系でちょっと』
真『そ、そうなんだ。ねえ、そんなに妄想って楽しいの?僕なんかは、体を動かし方が楽しいんだけど』
日菜子『むふふ、楽しいですよぉ。真さんも少女漫画で憧れるシチュエーションとかありませんか?それで、そういうのを考えてると楽しくなりませんか?』
真『ああ、言われてみれば僕もお姫様になりたいって考えるなあ。実行しようとすると、まわりから止められるけど』
日菜子『いいですよねえ、お姫様。日菜子の妄想でも鉄板です』
日菜子『目の前に王子様があらわれて、日菜子の手をとってキスをしてくれるんです。そして「もう一生この手を離さない」と……』
真『こんなふうに?』スッ チュッ
日菜子『ま、真さん!?いったい何を!?』
真『どうかな、日菜子?妄想が現実になったら、もっといいと思わないかい?』
日菜子『む、むふふ。真さん、日菜子の予行演習につきあってくれるんですかぁ?』
真『僕は本番のつもりだよ』
日菜子『む、むふ!?』
日菜子『ま、真さんは王子様ではなくお姫様になりたいんじゃ』
真『そうだね、僕はお姫様になりたいと思ってる。まわりに王子様として扱われるのは、今でも複雑な気分だよ』
日菜子『な、なら』
真『でも、日菜子がお姫様なら』
日菜子『……?』
真『日菜子がお姫様をやるなら、僕は王子様をやりたいと思う』
日菜子『!?』
真『日菜子はどうだい?僕が日菜子の王子様じゃ、嫌かな?』
日菜子『そんな!嫌なわけ……!!』
真『……』
日菜子『日菜子も……真さんのお姫様に、なりたいです』
真『わかった。なら日菜子……続きをしようか』
日菜子『……はい』
真『もう一生、この手を』
日菜子「むふふふふ」
小鳥「ぴよぴよぴよ」
日菜子「さすが小鳥さんですねぇ。日菜子の妄想を妄想で返すなんて」
小鳥「日菜子ちゃんも手ごわかったわよ。私の十八番、真ちゃんを使う羽目になるとは思わなかったわ」
日菜子「むふふ、なら日菜子も成長したというわけですかね。次が楽しみです」
小鳥「ええ、これは私ものんびりしてられないわね」
ちひろ「そう思うなら、のんびりしてないで働いてください!あと日菜子ちゃんも、妄想に私を使わないでください!」
今日はここまでー
小鳥「篠宮可憐と一ノ瀬志希」
志希『……』
可憐『み、見つけました……志希さん……』
志希『にゃはは、見つかっちゃったー。ここなら潮風であたしの匂いも誤魔化せると思ったんだけどなー』
可憐『……』
志希『そうだ、アレは?あたしの匂いを染み込ませたダミーをいくつか置いといたんだけど、効果あった?……って無理かー』
可憐『わ、私……間違えません。ど、どんなに他の匂いに紛れても……お、同じ匂いの香水を作っても……』
可憐『本物の志希さんの匂いを……あ、誤ったりしません』
志希『……ふーん、さっすが可憐ちゃん!いい鼻してるね!』
可憐『どうして……き、急にいなくなったりしたんですか?みんな、心配して……私も……』
志希『んー、ほら。あたしって趣味が失踪だから。そういう性分なんだよねー。にゃっはっはー!』
可憐『……志希さん』
志希『……ごめん、嘘。本当は、怖くなっっちゃってねー』
可憐『志希さんが怖いって……な、何が、ですか……?』
志希『えーっとね、飽きるのが』
可憐『え?』
志希『あたしって昔から飽きっぽいんだー。ま、これもあたしの性分なんだけど』
志希『どんなに興味があったことでも、急にふっとどうでもよくなっちゃって、見向きもしなくなっちゃうの。自分でも驚くぐらい、急にねー』
可憐『あ……えっと……』
志希『にゃはは、そんな困った顔しないでよー。興味なくなってるんだから、この性分で後悔したことなんてないよー。でも』
志希『でも……篠宮可憐に興味のない、一ノ瀬志希にはなりたくないなって。初めて興味を失うのが、怖くなってねー』
可憐『じゃ、じゃあ志希さんがいなくなったのは……!』
志希『ねえ、可憐ちゃん。あたし達、とてもいい関係だったよね。だからさ、これからも今と同じ関係でいたいなら……あたしのこと放っておいてよ』
可憐『……!?』
志希『そうすれば、ずっと二人の関係は壊れないままだからさ。二人のためにも、これが一番いいと思うんだ。ね、可憐ちゃんもそう思うっしょー?』
可憐『……だったら!……だったら、どうして……わ、私から逃げなかったんですか?志希さんなら……わ、私が志希さんの匂いを追ってきたように……私の匂いを感じて、どこへでも逃げることはできたはずです……!』
志希『それは……えーっと……』
可憐『志希さんも……ほ、本当は一緒にいたいと……思ってくれているんですよね?わ、私……そう思っていいんですよね?』
志希『……思ってるよ』
可憐『な、なら』
志希『でもー、次の瞬間には、もう飽きてるかもしれないよ?』
可憐『だ、大丈夫です……!飽きさせませんから……!』
可憐『わ、私は毎日、変わりますから……。今よりも、派手な自分に……堂々とした自分に……。す、少しずつかもしれないけど……止まりませんから……!』
可憐『だから……大丈夫です……!!』
志希『……可憐ちゃん』
可憐『は、はい……!』
志希『ハスハスー』
可憐『ひゃっ!?』
志希『やっぱり可憐ちゃんっていい匂いだよねー。ずっとかいでいたいなー、飽きるまでずっと』
可憐『はい……、私の匂い、感じてください。明日も、明後日も……その先も……』
小鳥「ぴひょぉぉ……」
可憐「こ、小鳥さん……!?だ、だ、大丈夫……ですか!?」
志希「にゃっはっはー、やっぱり原液を入れたのはまずかったかもー」
可憐「な、何の原液ですか……!?こ、小鳥さん!?小鳥さん……!!」
志希「ふっふー、あたしも高ぶってきたー!ねえねえ、可憐ちゃんも一緒にヘンタイごっこしよー!」
可憐「ええっ……な、なんですか、それ……ひゃ、ひゃああああ!!」
七尾百合子「高山紗代子と上条春菜」
紗代子『待ってましたよ、春菜さん。いいえ、ホワイトプリンセス。比奈さん達では、やっぱり足止めにもならなかったようですね』
春菜『当然の結果ですよ、紗代子ちゃん。それとも、ダークセーラーと呼ぶべきでしょうか。眼鏡という強さを手放した彼女たち、私の敵ではありません』
春菜『そっちこそ、藍子ちゃん達を相手にして傷一つないようですね』
紗代子『当たり前です。眼鏡などという弱さを身に着けた状態で、私と渡り合えるわけがないでしょう?』
春菜『ふふっ』
紗代子『うふふ』
春菜『結局、こうなりましたね。この長きにわたる戦が始まった時と同じ、争うのは私とあなたの二人だけ』
紗代子『互いに仲間を増やし、個ではなく群で己の正義を示そうとしましたが、なんの意味もなかったようですね』
春菜『いえ、意味はあったと思いますよ。今から始まる戦いで、反論の余地のない正義が決まるのですから』
紗代子『なるほど、勝った方が正義というわけですか。それなら比奈さんたちの死は無駄ではなかったようですね。彼女たちの魂は、正義の礎として歴史に刻まれることになるでしょうから』
春菜『ふふっ。やっぱりあなたは眼鏡をかけたほうがいい、ダークセーラー。ちゃんと見れば、彼女たちは正義への反逆者として刻まれているとわかるはずです』
紗代子『うふふ。お気遣いありがとうございます、ホワイトプリンセス。では裸眼でもよく見えるように、大きく刻まなくてはいけませんね。あなたの敗北を!』チャキッ
春菜『そんな心配はいりませんよ。どんなに目が悪くても、自分が負けたことぐらいはわかるでしょうから!』スチャッ
春菜『眼鏡は強さ!眼鏡を己の一部へとすることで、人はさらなる上のステージへと進むことができる!!』
紗代子『眼鏡は弱さ!眼鏡を外すことで、人は本来の力を得ることができる!!』
春菜『もはや問答は無用!』
紗代子『互いの正義に従い、戦うのみ!』
春菜『いざ!!』
紗代子『勝負!!』
百合子「こうして眼鏡派と反眼鏡派の長きにわたる戦いは、怒涛の最終決戦へと」
小鳥(長かった……眼鏡反眼鏡論争から、眼鏡戦争、古代眼鏡戦争と続いた話が……ようやく終わる……)
百合子「しかし彼女たちは気付いていなかったのです。『そもそも眼鏡かけてない派』『伊達眼鏡派』『額にかけてるだけ派』たちの暗躍に!」
小鳥「まだ続くの!?」
少ないけど今回はここまででー
小鳥「馬場このみと高垣楓」
このみ「ごめん、待ちました?ってもう飲んでるの!?」
楓「すみません、待ちきれなくて……。大丈夫ですよ、いつもこのみさんの方が先に潰れてますから。ちょうどいいハンデです」
このみ「ハンデって、勝負じゃないんだから。そりゃ楓さんと志乃さんのペースにはついていけませんって。店員さーん、注文お願いしまーす」
楓「このみさんの好みは何ですか、ふふっ」
このみ「楓さん、それ小学生の時すでに百回は言われたネタです」
楓「そして今ので百一回目」
このみ「だから私は小学生じゃない!もう立派な大人ですってば!」
楓「うふふ、私も次の注文しちゃいましょう。ああ、そういえば、真ちゃんって可愛いですよね」
このみ「へ?真ちゃん?そうですね、同年代からはかっこいいって言われてるけど、年上から見るとあの子もやっぱりかわ」
楓「店員さん、マッコリお願いします」
このみ「フリ!?真ちゃんのくだり、全部そのためのフリ!?」
楓「うふふふふ。マッコマッコリー」
このみ「酔ってる?すでに酔ってるわね!?どんだけ飲んでたんですか!」
楓『……』スピー
このみ『ああ、完全に寝ちゃって、もう!この25歳児は!』
このみ『25歳って私より年上なのよね……誕生日も近いから、ちょうど一年ぐらい。年上のアイドルがきても、私のポジションって変わらないのか……』
楓『このみ……さん……』
このみ『はいはい!何ですか、楓さん?』
楓『……私もこのみさんのこと……好きですよ……』
このみ『……はぁ、「も」って何ですか。「も」って』
このみ『私の気持ちなんて、聞くまでもないってことですか』コツン
楓『……うふふ』
小鳥「……うふふ」
このみ「あれ、小鳥さん。いたんですか?あれ、でもそれなら今までどこに」
小鳥「はい、楓さんと飲んでたんですけどー」フラフラ
このみ「うわ、もう出来上がってる!?え、楓さんと?」
小鳥「それでー、このみさんが来たから隠れて驚かそうとしてー。……脅かすの忘れてました!」
楓「そういえば……そうでしたね……うふふふふ」
このみ「酔っぱらいが増えただけじゃない!誰か、助っ人!助っ人はいないの!?」
小鳥「松田亜利沙と八神マキノ」
亜利沙「マキノちゃん、ありさのアイドルデータベース更新しましたよ!」
マキノ「ふーん、そう」
亜利沙「反応薄くないですか!?もっと興味持ってくださいよー!」
マキノ「知りたければ自分で調べるわ。それに貴女が調べた程度の情報なら、私はすでに掴んでるはずだしね」
亜利沙「むむ、今のは聞き捨てなりませんよ!マキノちゃん、勝負です!」
マキノ「私には何のメリットもないけど。いいわ、のってあげる」
亜利沙「そうですね、じゃあまず小手調べということで。またプロデューサーさんが新しいアイドルをスカウトしてきましたが」
マキノ「桐生つかさ、18歳、福井県出身で社長業を兼任。こんなところでいいかしら。彼、また律子に怒られてたわね」
亜利沙「むむむ、簡単すぎましたか」
マキノ「ならこちらから、小鳥さんの年齢は?」
亜利沙「マキノちゃん、知ってるんですか!?」
マキノ「そう、亜利沙も知らないの。なかなか守りが固いわね」
亜利沙「ああー!カマかけましたね!?」
亜利沙『うーん、マキノちゃんが知らなそうな問題をー』
マキノ『あきらめなさい。あなたはアイドル全般、私はこの事務所のアイドルに限定して調べているんだから、私の方が詳しいに決まってるわ』
亜利沙『そんな理屈で言われても納得できませんよ!……じゃあとっておきの問題を出しちゃいます!』
マキノ『はいはい、どんな問題かしら?』
亜利沙『ありさの……ありさの好きな人は誰でしょう?』
マキノ『ふふっ、何それ?そんなの問題でも何でもないじゃない』
亜利沙『その人のこと、最初はあまり好きではありませんでした。ありさと同じようにアイドルちゃんの情報を集めているけど、その人はアイドルが好きではなかったから』
マキノ『……!』
亜利沙『でもアイドルの仕事をしていくうちに、その人は変わりました。次第にアイドルを楽しむようになって。前はただ作業みたいにアイドルちゃんの情報を眺めていた顔も、少しずつ笑うようになりました』
亜利沙『その人がありさと同じものを好きになってくれたのが、とっても嬉しくて。あの笑った顔を何度もみたいなって……気付いたらその人のことばかり考えるようになってました』
マキノ『……不合理だわ』
亜利沙『そうですね、マキノちゃんならそう言うと思ってました。でも、しかたないんですよ。好きってそういうものですから』
亜利沙『相手がアイドルでも、同性でも。たとえ受け入れてもらえないとわかっていても……好きは、止められないんですよ』
マキノ『……』
亜利沙『マキノちゃん。答え、聞かせてもらえますか?』
小鳥「いいわよねぇ、禁断の……」
亜利沙「これを見てください。小鳥さんが楓さんにお酌をしている画像なんですケド」
マキノ「ふむ、でもこれだけで楓さんより年下と判断するのは早計ではないかしら」
亜利沙「確かに証拠としては弱いんですよね。それで次は菜々ちゃんにお酌をして貰ってる画像で」
小鳥「真剣に年齢を検証するのはやめて!あと亜利沙ちゃん、その画像の出どころは誰!?」
今日はここまで!
小鳥「最上静香と北川真尋」
ある日 ファミレス
静香「私は饂飩にします」
真尋「私はハンバーグで」
静香「え!?」
真尋「どうかした?なんか信じられない物を見たような顔してるけど」
静香「いいえ……なんでもないです」
真尋「んん?」
別の日 和食屋
静香「饂飩をお願いします」
真尋「とんかつを」
静香「な!?」
真尋「え、な、なに!?期待を裏切られたみたいな顔して!?」
静香「あ、いえ……なんでも、なんでもないです」
真尋(な、なんなんだろう?)
また別の日 うどん屋
静香「饂飩で」
真尋(いつもうどんだけど、好きなのかな、うどん?)
真尋(さて、私は何にしようかな。できればがっつりとしたもので……あ、天丼がある)
真尋「私はて」
静香「……」ジーッ
真尋(え!?なに、何なの!?何でこんなにじっと見てくるの!?どうして世界が終る直前みたいな顔してるの!?天丼は駄目なの!?)
真尋「……うどんで」
静香「……」パァァァ
真尋(なんなのなの!?)
真尋「私、何か悪いことしたかな……?」ブツブツ
大西由里子「わからない、わからないじぇ……」ブツブツ
三好紗南「」ポケー
小鳥(香川県出身のアイドルがみんな不調だけど、何かあったのかしら?)
小鳥「箱崎星梨花と櫻井桃華」
小鳥(お屋敷の広い庭に用意された白いテーブルとイスで、優雅にティータイム。もちろんまわりにはメイドさんがいて、紅茶を入れてくれる。庶民としては憧れるシチュエーションよね)
桃華「あら、ローズヒップですの?」
星梨花「はい、桃華ちゃんが好きだと言っていたものを取り寄せました」
桃華「まあ、嬉しいですわ」
小鳥(……ふふっ、緊張して味が全然わからないわ)
小鳥(ええと、どうしてこうなったのかしら。確か、星梨花ちゃんと桃華ちゃんを、外回りのついでにお迎えしたあと「ちょっとお茶でもしましょうか」と言ったのよね)
小鳥(そしたら「私の家が近くですよ」って星梨花ちゃんに言われて、星梨花ちゃんの家に興味もあったしお邪魔しようと思ってついていったら、この優雅空間に突入して今に至ると)
星梨花「クッキーの味はどうですか?」
桃華「ええ、おいしいですわ。手作りとは思えないぐらい」
星梨花「やっぱりわかりますか?かな子さん達に教わりながら、作ったんですけど」
桃華「ええ、優しい味がしますもの」
小鳥(カップを持つ手が震えそう……でもこのカップもたぶんすっごく高いのよね。うかつに震えることもできないわ……)
星梨花「小鳥さん?さっきから静かですけど、もしかしてお口に合いませんでしたか?」
小鳥「ピヨ!?い、いいえ大丈夫よ。二人がお茶している姿は絵になるなぁと思っていただけで」
桃華「あらあら、なかなかお上手ですわね。小鳥さんも素敵ですわよ」
小鳥「そ、そう?ありがとう」
小鳥(伊織ちゃんって実は凄かったのね、あの子絶対「ですわ」とか言わないもの。庶民系お嬢様とでもいうのかしら?いっそ伊織ちゃんがここに来てくれれば空気が変わるんだけど)
「お嬢様、ご友人がお見えになられました」
星梨花「あ、そうでした。実はさっきメールで誘ったんです」
桃華「誰をですの?」
星梨花「千鶴さんです」
二階堂千鶴「ほ、本日はお招きいただき…あ、ありがとう、ですわ!」
小鳥(お嬢様系庶民来ちゃった!?)
小鳥「北沢志保と綾瀬穂乃香」
穂乃香「そう、志保ちゃんはぬいぐるみが好きなんですね」
志保「自分でも子供っぽい趣味だとは思います」
穂乃香「そんなことないですよ。私だってぬいぐるみを鞄につけているもの……ほら」
ぴにゃこら太「」
志保(え、なにこの……何?緑色の、ネコ?ネコなの?)
穂乃香「ぴにゃこら太って言うの。かわいいでしょう?」
志保「かわっ!?」
志保(かわいい?キモかわという意味かしら?それとも私は試されて、いや綾瀬さんはそんな事する人ではないし)
志保「そ、そうですね。見ていると、だんだん愛嬌を感じるような……」
穂乃香「ね、なんだかプロデューサーさんに似てますよね」
志保「!?」
小鳥「北沢志保と小日向美穂」
美穂「志保ちゃん、ぬいぐるみ好きなんだって?」
志保「まあ、それなりに」
美穂「わたしもぬいぐるみ好きなんだ。前にプロデューサーさんから貰ったぬいぐるみがお気に入りで、ほらこれ写真」
志保「プロデューサーさんから……あ、かわいいシロクマ」
美穂「ね、かわいいよね。名前はプロデューサーくんって言って……あ」
志保「え?」
美穂「ああ、ち、違うの!これはプロデューサーさんから貰ったからで!それにほら、雰囲気がプロデューサーさんに似てるでしょ!?」
志保「!?!?!?」
小鳥「北沢志保と双葉杏」
志保「……」ジーッ
杏「どうしたの志保ちゃん、杏のぬいぐるみが気になるの?」
志保「いえ、その……杏さんも、そのうさぎをプロデューサーさんっぽいと思っているんですか?」
杏「え?」
志保「え?」
杏「今も杏のクッションにされてるこいつを見て、プロデューサーっぽいと思うのはさすがに可哀想だと思うよ?」
志保「っ!?……失言でした、忘れてください」スタスタ
杏「……疲れてるのかな?やっぱり働きすぎはよくないよね」
今日はここまでー
小鳥「望月杏奈と三好紗南」
杏奈「……おはよ、ございます」ガチャッ
真美「もっちー、いいところに!」
亜美「こっち来て!そんで亜美たちの仇をとってよ!」
杏奈「かたき?」
紗南「お、次の挑戦者は杏奈?いいね、そろそろ双子相手じゃ物足りなくなってきたところだよ」
杏奈「……なるほど、把握」
紗南「へへ、ゲーマー対決負けないよ」
杏奈「杏奈も、負けない」
紗南「タイミングばっちし!くらえ、スマッシュ!!」カチャカチャ
杏奈「甘い……カウンター……」カチャカチャ
真美「いけいけ、もっちー!よっしーをコッペパンにしちゃえ!」
亜美「やれやれ、もっちー!よっしーをギッコンバッタンにやっつけちゃって!」
杏奈「……そこ」カチャカチャカチャ
紗南「まだまだ」カチャカチャカチャ
真美「これは熱い戦いだぜ」
亜美「まさに濡れ手に粟にぎる展開ですな」
杏奈「……二人とも、うるさい」カチャカチャカチャ
紗南「ちょっと黙ってて」カチャカチャカチャ
真美「あ、はい」
亜美「すみません」
紗南「……」カチャカチャカチャカチャ
杏奈「……」カチャカチャカチャカチャ
紗南「……」カチャカチャカチャカチャ
杏奈「……」カチャカチャカチャカチャ
亜美「……」ポツーン
真美「……」ポカーン
亜美「二人で遊ぼっか」
真美「そうだね」
小鳥「七尾百合子と鷺沢文香」
百合子「ではまたあとで、っと」ポパピプ
小鳥「メール?」
百合子「はい、文香さんと約束を。最近よく一緒に遊ぶんです」
小鳥「文香ちゃんと?ああ、本好き仲間ね。どんなことして遊ぶの?」
小鳥(やっぱり好きな本の話とかかしら?いいわね、知的な雰囲気で)
百合子「そうですね、だいたい図書館で一緒に……」
百合子『……』ペラッ
文香『……』ペラッ
百合子『……』ペラッ
文香『……』ペラッ
百合子『……』ペラッ
文香『……』ペラッ
百合子『……あ、もうこんな時間』パタンッ
文香『なら、今日はここまでですね』パタッ
百合子『じゃあ、また』
文香『……はい』
百合子「だいたいこんな感じで一緒に遊んでますね」
小鳥(それは一緒に遊ぶというのかしら……?)
小鳥「佐竹美奈子と三村かな子」
美奈子「はい、かな子ちゃん。チャーハン1人前、サービスで大盛りにしておいたよ」
かな子「普通盛りでいいよ!」
美奈子「でも甘いもの食べて太るよりは、ご飯を食べて太るほうが健康的だと思うな」
かな子「太らない選択肢はないの!?」
美奈子「ないです」
かな子「そんなきっぱりと」
美奈子「でもかな子ちゃん、今日もこの後クレープとか食べようと思ってるでしょ?」
かな子「う……」
美奈子「甘いものを食べるなとは言わないけど、控えめになるようにちゃんとご飯も食べなくちゃ体に悪いよ」
かな子「うう……わかりました」
かな子「ごちそうさまでした。ふう、もうお腹いっぱいだよ」
美奈子「いい食べっぷりだったよ。あ、食後に杏仁豆腐もつくけど食べる?」
かな子「杏仁豆腐?食べます!」
美奈子「あれ、もうお腹いっぱいじゃなかったの?」
かな子「もう、いじわる言わないでよ。甘いものは別腹だって」
美奈子「それもそうだね。じゃあ持ってくるから待ってて」
かな子(杏仁豆腐も大盛りだったらいいなー)
美奈子「はい、青椒肉絲大盛りお待ち!」
かな子「あれ?あ、あの……杏仁豆腐は……」
美奈子「まだ入るんだよね?」
かな子「え、でもこれは別腹で……」
美奈子「別腹も腹、だよ。食べられるよね?」
かな子「…………はい」
今日はここまで
スレはもうちょっとだけ続けます
小鳥「北沢志保と東郷あい」
志保「だいぶ日が落ちるのも早くなりましたね」テクテク
あい「ああ、この時間でももう真っ暗だ」スタスタ
志保(夜道は危ないからと家まで送ってくれる)
志保「すいません、買い物にまで付き合わせてしまって」
あい「構わないよ。一緒に帰ろうと誘ったのはこっちだからね」
志保(さりげなく重い方の荷物を持ってくれる)
志保「じゃあ、このへんで」
あい「そうかい。ならまた明日」
志保「はい、また明日」ペコッ
志保「……」テクテク
志保(姿が見えなくなるまで、見守ってくれる)
志保「あとは見た目に渋さがあれば……って私は何を考えてるの!?」
小鳥「箱崎星梨花と本田未央」
星梨花「わあ、今日はお星様がよく見えますね」
未央「ホントだ。空気が澄んでるのかな。やっぱり名前に星がついてるだけに、星梨花ちゃんは星好きだったりするの?」
星梨花「はい。なかでも白くてほわっとした……あ、あれ!あんなお星さまが好きです」
未央「あれかー、なんだか星梨花ちゃんみたいに優しい光の星だね。よし、じゃああの星は星梨花ちゃんの星と名付けよう」
星梨花「私の星ですか?」
未央「それであの赤くて存在感バリバリなのがきらりんの星でー、あっちの金色みたいにきらきらしてるのがミキミキの星かな」
星梨花「きらりさんと美希さん?」
未央「その右の真っ白で真珠みたいなのが星花ちゃんの星で、さらにその下にある青色で個性出してるのが輝子ちゃんの星!」
星梨花「あ、名前に星がある人達ですね」
未央「その通り。これはユニット組めるんじゃないかな、今度りっちゃんに言ってみようっと」
星梨花「じゃあ、あのオレンジの星は未央さんの星ですね。みんなの星の間にあって、みんなをつなげて星座にする星です」
未央「ほう、星座かぁ。じゃあ今度はあの星座の名前を考えようか。あたしたちのユニット名だよ」
星梨花「はい!」
小鳥「横山奈緒と渋谷凛」
奈緒「凛ちゃん、おはようさん。……なあ、前から思っとったんやけど、その横山さんって呼ぶのやめてくれへん?なんかよそよそしいわ」
凛「そう?そんなつもりはなかったんだけど、気を悪くしてたならごめん」
奈緒「怒ってるとかやないよ。神谷奈緒ちゃんがいるから仕方ないしな。ただ名字にさん付けで呼ばれるぐらいなら、呼び捨てにしてもらった方がこっちも気が楽というか」
凛「大丈夫だよ、奈緒。これからはあっちを神谷さんって呼ぶから」
奈緒「待って!こんなんでユニットの間に亀裂走らせるようなことしないで!!」
凛「じゃあ、なおなお?」
奈緒「飛びすぎやろ!『横山さん』から、うちらの関係数段飛ばしで進展しすぎやろ!いやかまわんけども!」
凛「注文多いね、横山奈緒は」
奈緒「フルネーム!私らの関係悪化しとるやないか!」
奈緒「というか、凛ちゃんボケすぎやない?いつものクールはどこいったん?」
凛「ごめん。私、相手の名前が奈緒の時はいじることにしてるから」
奈緒「あっちの奈緒ちゃん大変やな」ホロリ
小鳥「矢吹可奈と双葉杏」
可奈の部屋
可奈「体がだるくて動かないー、微熱が苦しいこのやまい……ゴホッゴホッ」
杏「病人が歌うなっての。ほら、水持ってきたよ」
可奈「うう、だって何もせずに眠ってるのって退屈ですよ」
杏「そうかな、何もせず寝てられるとか杏的には最高だけど。むしろ杏と代わってほしいくらいだよ。そして代わりに看病されたい」
可奈「すみません、わざわざ看病してもらっちゃって。今日はお母さんも家にいないから杏さんが来てくれて助かりました」
杏「いいって、おかげで杏もこうしてレッスンをサボる口実ができたわけだし。可奈は杏の飴パトロンだからね、早く病気を治してもらわないと」
可奈「あはは。のど飴ならそこの鞄にあるので、お好きにどうぞ」
杏「可奈の方が飴必要なんじゃないの?いや、それより寝た方がいいか」
可奈「でももっとお話ししていたいです……ゴホッ」
杏「体調が良くなったらね。ほら眠った眠った」
可奈「はい……あ、あの、お願いがあるんですけど」
杏「お願い?」
可奈「えっと、杏さんのうさぎを抱いて寝たいんですけど、貸してもらえませんか?」
杏「こいつ?まあ、いいけど。はい」
可奈「わあ、ありがとうございます」ギュッ
杏「じゃあ杏はリビングにいるから、歌ったりせずに寝ときなよ」
杏「もしもし、プロデューサー?うん、大丈夫。今また寝かせたとこ。これなら明日には治ってるんじゃないかな」
杏「放っておくと歌いだすから、それだけ注意って感じ」
杏「え?いいって、どうせ今日は特に用事なかったからね」
杏「あ、でも休日返上して看病してる杏に、何かご褒美をくれるっていうなら貰わないでもないよ。……そんな真剣に考えなくても。ホントに真面目だね」
杏「新しい飴買ってくれればいいよ。休み?まあ、それも考えたけど、今はちょっとね」
杏「……だーかーらー、今休んだりしたら可奈が風邪うつしたのかって心配するでしょ」
杏「…………」
杏「あーもー、うるさい。電話切るよ、何かあったらまた連絡するから」ピッ
杏「まったく、もう」
以上でこのSSは終了です。今までありがとうございました。
もっとグリモバSSが増えますように。
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