杏子「正直マミの奴イラつかね？」

さやか「わかるわー」

マミ「えっ？」

マミ「ここにいるんだけど」

さやか「時々イラッとすることあるよねー」

杏子「ほんとほんと」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

マミ「ねぇ、なんで私の家でケーキを食べながら私の悪口を言えるの？ねぇ？」

まどか「うーん、やっぱりそう思うんだみんな」

マミ「えっ、ちょ、鹿目さん？」

ほむら「思うことは同じなのね」

マミ「…」ｸｽﾝ

杏子「私はもう一人ぼっちじゃない、とかさぁ」

さやか「そうそう、私たちがいるのに一人ぼっちとかなんなんだって感じだよね」

まどか「人一倍寂しがりやなのに先輩後輩の関係気にして気を使ったりとか」

ほむら「…壁を作っているわよね」

マミ「…ん？」

杏子「大体家族なくしたとかさぁ」

ほむら「私はもう家族同然だと思っていたのだけれどね」

まどか「ティロ・フィナーレも言わなくなったしねぇ」

さやか「調子に乗ったマミさんも大好きなのに」

杏子「なんで壁作っちまうかなー」

さやか「その壁が逆に腹立つってどうしてわかんないのかな」

まどか「先輩ってことに気を取られて大事なことを忘れてるよね」

ほむら「先輩である前に大事な親友なのに」

杏子「あー、ムカつくわ」

マミ「…」

さやか「ほんと、たまには甘えてくれないとねー」

マミ「…ティロ・フィナーレ」ボソッ

さやあんまどほむ「…！！！」

マミ「…」

さやか「おんなじ年だったら良かったのになぁ」

杏子「ほんと、１年早く生まれてんじゃねぇよ」

まどか「むしろドジな姉っていうのもね」

ほむら「完璧ね」

マミ「…」ぽろぽろ

マミ「貴方達…」ぽろぽろ　

さやあんまどほむ(可愛い)

マミ「…それじゃあ、またいつでも来てねっ！」

杏子「言われなくても来るっつーの」

さやか「ホントですよ、マミさん私たちの何だと思ってるんですか」

まどか「むしろ来るなって言われてもきますよ」

ほむら「…次もあなたの紅茶楽しみにしてるわ」

マミ「…うんっ！」

QB「…」

QB「ねぇねぇ」

ほむら「死ね」

QB「待ってくれよ、あんまりだよ」

まどか「どうしたの？QB？」

QB「僕には人間の感情はわからないけれど仕組みとしてはある程度理解してるつもりだよ」

杏子「だからなんだよ？」

QB「君達はマミに対して明らかに好意を抱いているのにどうして勘違いを生むような言い方をするんだい？」

さやか「…だって恥ずかしいじゃん」

杏子「なーにが理解してるだよ、まだまだだな白狸」

まどか「マミさんのいいところなんて上げればいくらでもあるよね」

ほむら「中二病のところとかもね」

さやか「ほむら、分かってる」

まどか「いいよね、厨二病マミさん」

杏子「ってことだ」
　
QB「ふぅん、行動と気持ちが真逆の方向を向くこともあるのかい」

QB「興味深いね」

ある日

QB「という訳で実験されてくれないかい？」

杏子「ぶち殺すぞ」

ほむら「いい加減空気を読むことを覚えるのね」

QB「待ってくれ、これは君たちにとっても意味ある実験だと思うよ」

さやか「つっても、ねぇ？」

まどか「今までが今までだからね」

QB「とりあえず話を聞いておくれよ」

さやか「…しゃーないなぁ」

杏子「はぁ！？擬似的に魔女になる！？」

ほむら「馬鹿じゃないのかしら」

ほむら「どうせ戻れなくなるんでしょう」

QB「いや、僕は嘘はつかないよ」

QB「今回はあくまで実験だからね」

QB「しっかりと魔法少女に戻れるさ」

さやか「なんで唐突に？」

QB「うーんそうだね」

QB「君たちのこの前の話があっただろ？」

まどか「真逆の方向を向く～ってこと？」

QB「そう」

杏子「それと擬似魔女化と何の関係があるんだよ？」

QB「君たちの感情はシステムとして論理付けるにはあまりにも不安定だ」

QB「だからこそ絶望しないまま魔女になったら何か変化があると思ってね」

QB「君たちのマミに対する言動と通じるところがあるだろう？」

さやか「通じるかどうかはわからないけど…」

QB「上手くいけば新しいエネルギーの獲得方法も見いだせるかもしれないよ」

ほむら「それでも魔女化して理性なんて失って暴れ回ってしまったらそれこそ本末転倒よ」

QB「その点は大丈夫だ」

QB「魔女化といっても完全な魔女化じゃないからね」

QB「君たちの言葉を借りるなら召喚と言った方が当てはまるかもね」

QB「もちろん、制御も出来るようにするよ」

まどか「どうする？」

ほむら「本来なら断るところだけど…」

さやか「新しいエネルギーの獲得方法とか言われちゃあねぇ…」

杏子「マミにも伝えたのか？」

QB「まぁ、一応ね」

ほむら「何だかマミの好きそうな展開ね」

さやか「災厄の象徴が味方なんてマミさんじゃなくても燃えるよ」

杏子「まぁ、考えといてやるよ」

QB「そうかい」

まどか「もうできるの？」

QB「心の中で念じれば召喚できるよ」

QB「ただし何が起こるかわからないから取り敢えず一回きりだ」

QB「それじゃあみんな、頼んだよ」

別の日

モブ「マミちゃーん、今日も掃除お願いね？」

マミ「…」

モブ「…マミちゃーん？」

マミ「え、えぇ」

モブ２「良かった、マミちゃんが友達で」

マミ(…耐えるのよ巴マミ…)

マミ(こんな人達は所詮中学だけの付き合い…)

マミ(…私はもう…一人ぼっちじゃないもの)

マミ「…」グッ…

モブ「じゃねー」






ほむら「…」

まどか「…」

さやか「…」

ほむら「って事があったわ」

さやか「知ってる、一緒に見てたもん」

まどか「…マミさん」

杏子「…」

杏子「やっぱムカつくなマミの奴」

ほむら「…ほんとね」

さやか「さやかちゃんはらわた煮えくり変えそうだよ」

杏子「…なーんで私たちの前であんなにも気丈なんだか」

まどか「…」

さやか「…」

ほむら「…」

さやか「っていうかさ」

杏子「あん？」

さやか「マミさん…ほかにも色々されてるみたいなんだよね…」

杏子「…ふーん…」

ほむら「…」

まどか「ねぇ」

さやか「分かってますよん」

ほむら「…早速擬似魔女化の機会が来たわね」

QB「正気かい？」

まどか「…QB」

QB「僕としてはどうでもいいんだけれどね」

QB「ただの一般人に魔法少女、いや魔女としての力を行使するなんて君たちの志に反するんじゃないのかい？」

まどか「やっぱりQBは分かってないなぁ」

さやか「…志より大事なモノがあるんだよ」

ほむら「まぁ、脅かすだけよ」

ほむら「ほら、魔法少女になったところでコスプレだと思われそうだし」

さやか「ビビらせたら広めたりもしないだろうしね」

杏子「…」

さやか「…どーする？杏子？」

杏子「…」

杏子「魔法の力ってのは徹頭徹尾自分のために使うもんだ」

さやか「つまり」

杏子「そいつらを一週間は寝付けられないぐらいビビらせに行こうか」

まどか「…ほむらちゃん」

ほむら「巴マミの為に魔法を使うことが自分の為ってことよ」

杏子「ちょ、こら！」

まどか「ﾃｨﾋﾋ」

さやか「あ、じゃあこういうのどう！？」

さやか「いっそのことマミさんらしくさ…！！」

まどか「ﾃｨﾋﾋ！面白そう！」

ほむら「…うまく出来るかしら…」

さやか「アドリブも入れよう」

杏子「…マジかよ…小っ恥ずかしい…」

さやか「もしかしたらマミさんもやってくれるかもしれないよ！！」

杏子「…これを覚えつつアドリブも入れるのか？」

ほむら「あなたは巴マミといた期間が長いから得意でしょう」

杏子「…まぁ…出来るか分からねーけどよ」

杏子「一丁やってみっか」

別のある日

モブ「ねぇ、マミちゃん」

マミ「な、なぁに？」

モブ２「私たちこの前怒られたんだけど」

マミ「え？」

モブ「とぼけんじゃねえよ！アンタが掃除当番のこと先行にチクったんだろうが！」

マミ「わ、私そんなことしてないわ…！」

モブ２「あんたのせいで滅茶滅茶怒られたんだよ！」

マミ「…」

モブ「何とか言えや！」

モブ２「…あーあ、明日クラスで孤立してないといいけどね」

マミ「…！」

モブ「…だいたい少し人気があるからって調子乗ってんじゃねえぞ」

マミ「…ご、ごめ…」

杏子「あー、ブス達が美人を脅かしてんぞー！」

マミ「！？」

さやか「えっ？どこどこ？」　

ほむら「もしかしてあの顔面がテトラポッドみたいな連中のことかしら？」

まどか「ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋ、ほむらちゃん、」

モブ「はぁ？何だお前ら」

杏子「くっせぇな、息すんなよ」

マミ「あ、貴方達…！」

モブ「あ、もしかしてマミちゃんの友達？」

モブ２「うっざ」

マミ「…私のことは良いから放っておいて…」

さやあんまどほむ「…」

杏子「なぁ」

さやか「なーにー？」

杏子「正直マミの奴イラつかね？」

さやか「わかるわー」

まどか「わかるー」

ほむら「わかるわよー」

杏子「なーんで壁作っちまうかなぁ！」ﾊﾞｼｭｯ

さやか「私達五人で一組なのにねぇ！」ﾊﾞｼｭｯ

まどか「ﾃｨﾋﾋﾋﾋﾋ」ﾊﾞｼｭｯ

ほむら「…」ﾊﾞｼｭｯ

モブ「は、は！？」

モブ２「何こいつらコスプレ！？」

マミ「あ、貴方達！？止めなさい！」

さやか「残念、もう止まりませんよー」

さやか「ふぅ、さーて心の中で念じるんだっけ」

さやか「おお、出た出た」

さやか「あはは」

さやか「ようこそ」

さやか「私、魔女オクタヴィアの海原へ」

さやか「後悔？」

さやか「それってあれ？マミさん達といるとどうでもよくなってくるあれですか？」

杏子「よう、よくもうちのリーダーに嫌がらせしてくれたな」

杏子「へぇ、コイツがあたしの魔女か」

杏子「ふーん」

杏子「ウェルカム」

杏子「私魔女オフィーリアの教会へ」

杏子「幻覚？」

杏子「んなもんよりどぎつい現実見せてやるよ」

ほむら「…」

ほむら「不思議な気持ちね」

ほむら「今はあんなに憎んでいた魔女ですら頼もしいわ」

ほむら「おいでませ」

ほむら「私の魔女、ホムリリィの時間へ」

ほむら「止めて？」

ほむら「ええ、もうそいつらの時間は二度と動かないわ」

まどか「よいしょっ」

まどか「うわぁ、これが私の魔女かぁ」

まどか「…何か大きくないかな？」

まどか「まあいいや」

まどか「こんにちわ」

まどか「私の魔女のクリームヒルトの理へ」

まどか「助けて？」

まどか「ううん、だってその人達救えないんだもん」

マミ「…」

さやか(やっば…)ﾁﾗｯ

杏子(言ってみたはいいけど…)ﾁﾗｯ

ほむら(めちゃめちゃ恥ずかしいわね…これ…)ﾁﾗｯ

まどか(…ﾃｨﾋﾋ、失礼だけどなんか楽しいや)ﾁﾗｯ

マミ(…え！？)

マミ(私もいうの！？あれを！？)

マミ(…)

モブモブ２「…な、なんだよ！てめぇら！」

マミ「…」ﾊﾞｼｭｯ

モブ「ひ、ひぃ！！」

マミ「…」

モブ「て、てめぇ！マミ！ふざけんなよ！」

モブ２「な、なんなんだよぉ…」

マミ「…ふ」

マミ「うふふふふふふふ…」

マミ「…あーはっはっはっはっ！！！」

モブモブ２「」ビクッ！

マミ「もう、貴方達ったらほんと勝手なんだから」　

マミ「こんにちは、初めましてもう一人の私」

マミ「いらっしゃい」

マミ「私の魔女、キャンデロロのお茶会へ」

マミ「紅茶とお茶菓子を用意してあるわ」

マミ「…今日のお菓子は…貴方達…だけれどね…？」







さやあんまどほむ(やっぱ、本家は違うなぁ…)

杏子「悪かったって！」

さやか「すいませんマミさん！」

マミ「本当よ！あんなところで魔法少女になるなんて考えられないわ！」

ほむら「あなたもノリノリだったけれどね」

まどか「いらっしゃい、私の魔女、キャンデロロのお茶会へ」

マミ「や、やめてぇ！」

杏子「いやまぁそれ言ったらあたし達も大概だけどな」

さやか「上手いこと言えばいいってもんじゃないんだね」

ほむら(…恥ずかしい…)

マミ「…でも、ありがとう」

さやか「なんてこと無いですよ」

まどか「魔法は徹頭徹尾自分のために使うものなんですよ！」

杏子「ま、まどかぁ！」

マミ「…ほんとに嬉しかったわ」

マミ「私、家族も失って…」

マミ「ずっと一人ぼっちだったのに…」

マミ「…こんなにも私のことを思ってくれる後輩がいて…」

マミ「…もう何も怖くないわ…」

マミ「ありがとう！皆！」

さやあんまどほむ「…」

杏子「なぁ」

杏子「正直マミの奴イラつかね？」

さやか「わかるわー」

まどか「わかるー」

ほむら「ほむぅー」

マミ「…大好きよ貴方達…！」ﾆｺｯ！






さやあんまどほむ「…私達も！！！」