出木杉「のび太くんが好きなんだ」(10)

※ホモ注意。
※初ssなので至らぬ点ばかりです。しかも書き溜めしてないので遅筆。

出木杉「…おかしいよ、僕」

自分しか居ない部屋で、ぽつりと呟く。
おかしい、なんて、分かっているのに。
なのに、なんで好きなんだろう。

のび太くんのことは、小さい頃から知っている。
よくしずかくんに慰められていたっけなぁ。
僕は特に気には留めてなかったけど、
「よく泣いてるな」と思ったことは覚えている。

小学校になって、同じクラスになった。
彼は小さいときから何も変わっていない。
でも、強いて言うならドラえもんが来てから、非日常なことが多いか。
僕もそれに加わったことが何回もある。
ジュラ紀に行ったことは一生忘れないだろう。

僕は、しずかくん達ほど一緒には居ないが、彼は優しいのはよくわかる。
しずかくんは、僕と一緒にいるときよく彼の話を聞く。
「あやとりが上手なの」とか、「すぐ寝ちゃうのよ」とか。
とても楽しそうに話す彼女が、少し羨ましかった。

でも、そのおかげか、そのせいかは知らないけど、
僕は彼に興味をもった。
勿論そのときは、単なる興味だ。
勉強も運動も、なにもかも駄目なのに、
あんなに楽しそうなのは何故なのかが知りたかった。

知っていくうちに、彼の優しさや、強さを知った。
しかし、僕は彼と親しい間柄ではない。
むしろ、彼からすればしずかくんと仲のいい僕は
あまり快く思われていないだろう。
しずかくんといると、
話が聞けるからなのが大きな理由なのだけれど。
だから、彼と直接話すのは、なんだか躊躇われた。

別に、クラスメイトに話し掛けるのなんて普通なのに。
なのにどうしてか、出来なかった。
意味なんて無いと思うけど。

出木杉「はぁ…」

考えても考えても、
答えなんか出てきやしない。

好きだというのに、理由なんているのか
そう思ったけど、同性を好きになったんだ。
それは異常なんだからはっきりさせておきたいと思うのは普通じゃないか?
しかし、まだ幼い僕の頭では解決出来ない。

出木杉「…寝よう」

僕が今まで答えを放り投げているのはこのことくらいだ。
どうせ明日も分からないんだろうな。

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